録画中継

令和4年第3回(9月)近江八幡市議会定例会
9月8日(木) 一般質問
山本 英夫 議員
(1)青少年健全育成について
(2)歴史的建築物の保存及び活用に関する条例(案)について
◆23番(山本英夫君) 個人質問をいたします山本英夫です。分割により、2点につき質問いたしますので、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。
 コロナ感染が下火にならず、議会質問も簡略にとも言われておりますので、早速質問に入らせていただきます。
 まず、青少年健全育成についてであります。
 「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり実践県民会議の犯罪統計データによりますと、県内19自治体の中で令和4年7月末の犯罪認知件数増減順位及び犯罪増減率順位の近江八幡市の県内市町別順位は、もろもろの取締りをはじめとした様々な取組などによって19番という順位であります。ご努力いただいております近江八幡警察署をはじめ関係諸機関、諸団体の皆さんに深甚なる感謝の意を表させていただきます。
 そうは申しましても、令和4年7月末の県内刑法犯罪認知数は前年比で増加し、特殊詐欺についても増加している状況でありますので、これからもしっかりしたお取組をよろしくお願いいたします。
 そうした中ではありますが、近江八幡警察署刑法犯発生状況、6月末までのものを見させてだきますと、非侵入盗の中で自転車盗、万引きの前年比較では増加が見られます。さきの申しました集中取り締まりの対象として、近江八幡警察署が強力な体制づくりをいただいた結果としてお聞きをいたしており、これからも十分な効果が上げられるものと期待をしております。
 では、今回の質問でありますが、教育委員会に青少年健全育成についてお尋ねします。
 近江八幡警察署において、管内少年非行の状況を集計されておられ、6月末のものを見させていただきますと、少年非行の検挙、補導状況では、不良行為は212件、令和3年6月の66件と比較しますと、増減数では146件の増であり、221.2%の増加率、うち女子は90件であり、3年と比較すると71件の増、増加率は370.7%となっています。もちろん、先ほど申した警察署の集中取り締まりの結果ではあると思いますが、教育委員会としてはこの数字をどのように把握され、対応においてはどのようにお考えなのかをお尋ねいたします。よろしくお願いします。
○議長(小西励君) 当局の回答を求めます。
 大喜多教育長。
             〔教育長 大喜多悦子君 登壇〕
◎教育長(大喜多悦子君) 皆さんおはようございます。
 山本議員の青少年健全育成についてのご質問にお答えします。
 山本議員ご指摘のとおり、今年6月末での少年非行の検挙、補導状況が昨年と比較して大幅な増加となりましたが、これは近江八幡警察署が集中取り締まりを実施された結果と認識しており、当該月だけが特別な理由で増加したものではございません。
 しかしながら、特に多くの子どもたちが集まる駅周辺の大型量販店かいわいにおいて、少年センターや少年補導委員、平成防犯見廻り隊の皆様の日頃のパトロールによる声かけなどで指導、啓発などを重ね、少年非行の防止に鋭意取り組んでいただいているところでございます。
 また、7月は青少年の非行・被害防止滋賀県強調月間であり、近江八幡市青少年育成市民会議の皆さんで7月13日に近江八幡、篠原、安土の3駅で駅前啓発活動として青少年の非行防止の周知啓発を行ったところでございます。
 教育委員会としましては引き続き、少年センターや少年補導委員などの皆さんによる子どもたちへの声かけを実施するとともに、近江八幡警察署や市青少年育成市民会議と連携し、青少年の非行防止の啓発とパトロール活動を強化いたしまして、非行の防止に取り組んでまいります。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 不良行為少年の行為別、学職別補導状況によりますと、79%が中学生であり、深夜徘回32件、怠学、怠けると書くほうの怠学でありますが、110件とされ、その他飲酒、喫煙などと合わせると165件であり、前年同期より23件の増加であります。これも集中取り締まりを受けた数字であり、成果であるのかも分かりませんが、これだけの補導状況であり数字であることは間違いありません。とりわけ教育委員会としては、大きな課題を含む問題として捉えなければならないと思いますが、対応、対策をどのように考えられ、取り締まられておられるのか、ご答弁をお願いします。
○議長(小西励君) 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 山本議員の再問、不良行為の大半を占める中学生への対応、対策についてお答えします。
 教育委員会や学校は日頃から関係機関と連携をしており、深夜徘回や怠学などの状況は把握をしています。学校では、不良行為や非行行為などを把握した場合は、警察と連携し、本人を指導するとともに、保護者とも連携を図り、再発の防止に努めています。また、定期的に学校と少年センター、近江八幡警察署の職員が集まり、生徒指導担当者会を実施しています。現状や課題を共有するとともに、駅周辺のパトロールを行うなど、課題改善に向けて取り組んでいます。
 引き続き、教育委員会としましては、子どもたちの心身の健やかな成長のために、学校での児童・生徒への粘り強い指導とともに、関係機関や地域と連携した見守り活動や保護者への非行防止の啓発を進めていきたいと考えていますので、ご理解くださるようお願いします。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 基本的な生活習慣が青少年健全育成には重要なことであり、非行の芽を見逃すことのないようお取組をよろしくお願いいたします。
 次に、歴史的建築物の保存及び活用に関する条例(案)について質問をいたします。
 このたびのこの条例案に対してのパブリックコメントの実施要領を見させていただきますと、条例制定の趣旨等として、「特に」とされ、「伝統的建造物群保存地区においては空き家及び近い将来空き家になり得る空き家予備群が多数散見されることから、これらの建築物の適切な保存活用を推進し、町並み景観の保全を行う必要があります」と書かれておられます。そうであるなら、伝建地区の住民の声、意見を聴取することもなく、広く市民の意見を反映するとして今回パブリックコメントを実施されるのか、理解ができません。
 伝統的建造物群保存地区は、まずもって地元住民合意が最優先され、それをもって地区指定がなされるものであると認識しておりますが、そのような中で地区、地域を一番知っている地元住民の声を聞くことからどうして始めていただけないのでしょうか。以前では町並み保存委員会など、住民の声を聞く場を設けられ、定期的に近く会合を持たれていたと記憶いたしますが、今回は全くそのようなこともなく、唐突とも感じられる取組であります。地域の文化を生かすためにも、継承するためにも、地域が大切であると思いますが、当局のお考えをご答弁ください。
○議長(小西励君) 嵐総合政策部理事。
             〔総合政策部理事 嵐 孝雄君 登壇〕
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 山本英夫議員お尋ねの近江八幡市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例(案)についてのご質問にお答えいたします。
 本条例の対象となる建築物は、伝統的建造物群保存地区保存条例に規定する伝統的建造物のほか、文化財保護法の規定により登録された有形文化財、景観法の規定により指定された景観重要建造物等であり、市内全域の歴史的建築物を対象としたものであることから、広く市民の皆様に意見を求めるため、現在パブリックコメントを実施しております。
 議員ご指摘の本条例の対象となる建築物の多い伝統的建造物群保存地区におきましては、有識者や保存地区の代表で構成される伝統的建造物群保存地区保存審議会に諮り、ご意見をいただいた上で本条例の素案を作成しております。地域の意見を一定反映したパブリックコメントを実施させていただいているものとご理解いただきますようお願いいたします。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 今の答弁では、伝建地区の意見を一定反映していると言われていますが、伝統的建造物群保存地区保存審議会の地域の委員の方は何名おられ、どのような意見であったのか。また、アドバイザーとして、専門知識を持っておられる有識者が数名はおられると思いますが、どのように意見聴取をされ、どういった意見であったのか、お答えをいただけますでしょうか。
○議長(小西励君) 回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 再問にお答えさせていただきます。
 詳細な名簿、また議事録については、申し訳ございません、持ち合わせていないんですけれども、伝統的建造物群保存地区保存審議会の委員は現在12名で構成されております。そのうち、地区委員は5名の方、それから学識経験者をはじめ専門的な知識をお持ちの委員が7名という構成になっております。
 審議会につきましては、実はこの条例制定につきましては令和元年度から取組を始めておりまして、令和元年8月の段階でこの審議会において制定の趣旨をご説明申し上げ、また報告もあって、大きな異論がなく、ご理解いただいたというふうにお聞きしております。ここで大きな異論がなかったというのは、今回のこの条例が決して土地、建物を所有される方々に制限を加えるという趣旨のものではなく、利用促進によって保存活用が図れるようという考え方に賛同いただけているものというふうに理解しております。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 繰り返しになりますが、地元の意見を幅広く聞く、地域愛や保存意識の醸成のため、また啓蒙啓発のため、地域の住民組織は必要であると考えられますが、当局としてはどのようにお考えなのか、お尋ねをいたします。
○議長(小西励君) 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) ただいま議員からご紹介いただきました伝統的建造物群保存地区内の皆様で構成される任意の委員会であります町並み保存委員会につきましては、現在休会されているというふうにお聞きしております。ただ、地域のニーズが高まることがあれば再結成も視野に、地元の皆様と様々な意見交換、また連携を深め、歴史的な建物が有効に活用され、また適切に保存されるよう、一緒に考え、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 初問と同じなりますが、趣旨として、特に保存地区においては空き家予備群が散見されることから保全を行う必要がありますと書かれてある文章は、どのような取り方をしても、伝建地区に特化された条例であるかの感を持たさせる趣旨の文章であります。伝建地区に特化させるのか、市内に散見する歴史的な建築物の保全を進めるためのパブリックコメントであり、条例であるかによって、市民の意見も大きな違いを見せるものになると思います。しっかり考えの伝わる趣旨の文章にしていただきたいと思います。
 同じように、今も申しております趣旨の文章では少子・高齢化も理由に上げておられますが、八幡地区においてのみがその傾向が顕著に現れているとは思われず、独居老人の率においても同じようではないかと考えられますが、そのような中で、あくまでこの趣旨でも伝建地区、この地区に特化した利活用を求めるものでないと言われるのか、改めて答弁をいただいてよろしいでしょうか。
 また、ほかの地域における保全されるべき歴史的建造物の所有者に対する意見の聴取、説明はどのようにされたのか、されようとしているのか、ご答弁をお願いします。
○議長(小西励君) 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 再問にお答えさせていただきます。
 歴史的建築物の所有者がおおむね高齢化されているという実態はありますが、今回行っておりますパブリックコメントの実施要領の前文で記載させていただいている少子・高齢化というのは、本市全体の問題であることを述べているものでありまして、八幡学区、特に伝建地区の課題として指摘させていただいているものではございません。したがいまして、本条例は伝建地区など特定の地域における利活用を求めるものではなく、本市全体を考えたときに、各地域に残されている文化的価値の高い建物を何とか皆さんの力で残していただいて活用していただけるよう、様々な基準を緩和し、活用していけるようにと考えているものでございます。
 なお、その他の地域、いわゆる八幡学区伝建地区以外の八幡学区であったり、伝建地区以外の地域の皆様の意見の聴取、説明というのは現時点においてさせていただけていないと思います、今後、このパブリックコメントを踏まえ、有効活用に向けた様々なご意見が頂戴できればありがたいというように考えております。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 趣旨の中で、「特に」として伝建地区を指し示しておられるからこその質問であります。特に保存を行う必要がありますと書かれれば、特定の地域における利活用を求めるものではないので、理解せよと言われても無理があると言わざるを得ませんので、そうしたことの当局側の理解もよろしくお願いいたします。
 そして、伝統的建造物群保存地区に限らずですが、保存にしろ利活用にしろ、地域文化を一番理解している住民以上に重要視されるべきものはないと思います。その意見を聞かずして、なぜに独りよがりとも映るような空き家の既存ストックの利用促進や、観光振興資源として利用できるなどの効果を列挙できるのか、理解ができないものであります。活用により地域の文化が失われる可能性があることも認識していただきたいと思います。このことは重要な問題であると捉えられますが、どのようなお考えでの効果に対する列挙であるのか、いま一度しっかりとしたご説明をお願いいたします。
○議長(小西励君) 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 伝統的建造物群保存地区内に歴史的な建築物が多いという実態はあるというように考えております。そうした中で、歴史的建築物を次の世代に引き継いでいくためには、活用を推進することで保存を図ることが可能になっていくというように考えております。地区内の皆様の中には、保養施設、また宿泊施設等に活用し、建物を残したい、また実際にそのようにしていただいている方々もおられますので、そういった方のニーズに応えられるよう法的整備を行っていくという考えでの条例整備でございますので、ご理解いただきたいというふうに思います。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 保存計画策定に当たっては、近江八幡市歴史的建築物保存活用技術アドバイザーによる助言及び指導とありますが、伝建審議会の委員をはじめ、審議会のアドバイザーには実務経験もあり、専門知識の深い学識経験者がおられ、適切な助言、指導される仕組みが既にあるわけです。今回の中では、技術アドバイザーとはどのような資格のある方を求め、どのようなアドバイスを考えておられるのか、ご答弁をお願いします。
○議長(小西励君) 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 再問にお答えいたします。
 伝統的建造物群修理修景技術アドバイザー、こちらには伝統的建造物の修理及び修景を中心に指導、助言をいただいておりますけども、今回新たに設置を検討しております歴史的建築物保存活用技術アドバイザーには、歴史的建築物のその価値を保ちながら活用するため、防災・防犯対策、また建物の構造、文化財の建造物修理についての専門性を有する学識経験者等を求めまして、避難方法、また構造補強方法、文化財価値の維持等について助言をいただきたいというふうに考えております。伝統的建造物群につきましては、これらのアドバイザーの専門の立場からの指導及び助言を得ることで、よりよい利活用、また保全につなげればありがたい、そのようなことを目指し、取り組んでいくものでございます。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 文化財の建築物はもちろん、伝建番号の振ってある建物における改築など、伝建地区においては、文化財保護法等で既存使用、現状維持、材質などが建築基準法よりも優先されての指導はなされていたと仄聞いたしてきたところであります。そうした中で今回、さらなる活用と言われ、建築基準法に関して法的整備を必要とされると言われていますが、伝建地区においてこれからの指導運用にどのように影響を及ぼすものになるのか、条例、またパブリックコメントにおける当局のお考えの説明をお願いいたします。
○議長(小西励君) 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 本条例の趣旨といたしましては、建築基準法の適用除外を行うことで、歴史的建築物のさらなる活用を図るために要件を定める法的整備を行うものでございます。したがいまして、今議員がおっしゃいました建築基準法との関係でいいますと、整合性は取れていくものというふうに考えております。特に問題なく活用を図ることが可能になっていくものというふうに考えております。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 現状におけるこのような条例の各地の制定状況について把握されておられるようでしたら、教えていただけますでしょうか。活用事例、生かされている実例等はどのようなものか、お答えをお願いいたします。
○議長(小西励君) 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) お答えいたします。
 全国の自治体における同様の条例の制定状況でございますけれども、平成24年3月に京都市において歴史的建築物の保存及び活用に関する条例が全国で最初に制定されてから、これまで全国18自治体で制定されております。ただ、本県、滋賀県内におきましては初の取組となります。
 主な活用事例といたしましては、岡山県津山市で、所有者から寄贈を受けられた伝建地区内の建物4棟をパブリックプライベートパートナーシップ、いわゆる官民連携の手法を用いて建築基準法の適用除外による改修を行い、その後、民間事業者が旅館として運営を図っておられるというようなことがあります。こうした用途変更による歴史的建築物の積極的な活用が図れることを目的とした条例でございます。
○議長(小西励君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫君) 今の答弁では、先行条例が18あり、津山市では活用が順調に進んでいる印象でありますが、仄聞いたしますところでは、ほかの地域では活用事例としては京都市のみであるように感じられます。
 近江八幡市における条例案については12月議会での上程と言われていますので、その折の質疑になろうかと思いますが、当該対象建築物を保存建築物として登録することを市長に申請することができるとするだけでは、複雑な手続を所有者は背負い込むだけであり、申請することのメリットが感じられず、実際面の活用にまで結びつくのか、疑問を持ちます。
 まずは、地域に住み心地のよい、住みよい住宅の提案があるべきであり、そのことは一番八幡地区らしい日常生活の匂いのある生活空間のよさを継承できる道筋ではないかと思います。空き家等をつくらない対策も含め、住民自身がここに住みたい、住み続ける価値のある町であると考えられるまちづくりが大切であります。
 誇りの持てる八幡地区であり近江八幡市であるために、より一層のお取組を要望し、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(小西励君) 以上で山本英夫君の個人質問を終わります。
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