録画中継

平成28年第2回(6月)近江八幡市議会定例会
6月16日(木) 個人質問
山本 英夫 議員
(1)避難所運営マニュアルについて
(2)空き家条例について
(3)空き町家リノベーション事業について
◆23番(山本英夫 君) 個人質問をいたします山本です。
 発言通告に従い、分割で質問に入らせていただきますが、通告いたしました3問のうち2問に関しては既に昨日質問がなされているものでありますので、できる限り重複のないよう心がけますが、そんなことより、この議場の空気感では冷めた答弁しかいただけない可能性がありますので、どうぞ心安らかに、明快なご答弁をよろしくお願い申し上げます。
 それでは1問目、避難所運営マニュアルについて質問をいたします。
 熊本地震において震災被害に遭われた多くの方々に哀悼の意を表するとともに、お見舞いを申し上げます。
 そして、この地震からの教訓を生かすために質問をさせていただきます。
 行政体は、幾度となく起こる災害に対し、これまでの経験を生かし、万全の処置、準備をいたしておりますと言われておりますが、災害後にいつもお聞きするのは、想定外のために被害が大きくなったという関係部署からのコメントであります。これまでの災害を受けて、現状の当市の災害に対する対応、特に現在の避難所マニュアルについてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。よろしくお願いをいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 冨士谷市長。
             〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) 冷めた回答かどうかは聞いてなさる人の判断によると思います。回答させていただいてるときは、ど真剣に、熱い思いでしているつもりでございますので。
 議員ご質問のうち、避難所運営マニュアルについてのご質問にお答えいたしたいと思います。
 まず、本市での災害についての対応でございますが、市地域防災計画に基づきまして、市域を11の防災地区に区分をしております。この地区ごとに、1割の市民が短期、中期的に避難生活が送れるよう、受水槽や地下水によります飲料水の確保、また自家発電装置、排せつ物を処理するためのコミュニティープラントやあるいは貯留槽などの機能を備えた避難施設として、学区コミュニティセンターと小学校のコミュニティエリアの整備を進めているところでございます。
 現在、本年3月に竣工いたしました桐原学区コミュニティエリアを初め、金田、島、馬淵、老蘇の各学区に防災拠点施設の整備を進めておりまして、他の学区におきましても学区内で協議をいただき、合意形成が図られた地域から順次整備を進め、災害に対応できるよう取り組みを進めているところでございます。
 次に、避難所運営マニュアル指針についてでございますが、議員ご承知のとおり、このマニュアル指針は、各学区連合自治会を初め各関係機関、また内閣府の防災担当の方にご意見をいただき、この1月に作成させていただいたものでございます。内容につきましては、避難所におきまして発生することが予想されますさまざまな課題に対していつ誰が何をどのように行うべきなのか、また避難所を運営するための基本的な事項と一定のルール、さらには避難所で実施すべき業務を、初動期、展開期、安定期、撤収期に分けて記載し、避難所開設運営のガイドラインとしてまとめ上げたものとなっているものであります。そのことが、いわゆる円滑な避難所運営が行われるというふうに理解をしております。
 このマニュアル指針に基づきまして、今後、各学区のコミュニティセンターにご協力いただき、各避難所の実態に応じた避難所運営マニュアルを作成していただけるよう、出前講座等を通じて取り組みを進めてまいりたいと考えてるところでございます。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 熊本地震を受けて、今も答弁に出ました自治体としての防災計画の根本的な見直しが報じられており、大規模災害、非常事態における現状の指針では十分ではないとのことも言われておりますが、当市としてはどのように考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 姓農市民部長。
◎市民部長(姓農彰宏 君) お答えをいたします。
 地域防災計画につきましては、災害対策基本法に基づき、また県の計画にも基づいて、災害予防、災害応急対策、それから災害復旧、その他の必要な災害対策を定め、市民の生命、財産を災害から保護することを目的にしております。この計画につきましては、県や関係公共機関の職員等で構成します防災会議を来月にも開催する予定なのですが、人命の安全確保を最優先に考え、これは毎年見直しをしております。議員ご指摘のように、熊本地震の、まだ現在も続いておるわけでございますが、総括をしながら反映をさせていきたいと、このように考えております。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 非常食の備蓄についてお聞きをしますが、ある新聞社の調査によるものですが、国の指導としては、道路の寸断などが予想される大規模地震に備え3日分程度の備蓄を促しているが、47都道府県、20の政令都市の非常食の備蓄に対する調査によれば、3日分を確保する目標を定めているのは3分の1の自治体にとどまっており、ほかの自治体は2日分以下とするなど、備えが不十分であることが判明したとされています。熊本地震におきましても、発生から2日間で各自治体の備蓄が底をつき、避難所において食料が問題となりました。
 当市の考え方とともに、現状はどのようになっているかの説明をお願いします。
○議長(井狩光男 君) 姓農市民部長。
◎市民部長(姓農彰宏 君) お答えいたします。
 本市では、全市民の1割の3日分を想定をしております。当然、備蓄するのにも限界はございますので、これは広域的に県等も備蓄もしておる状況です。それから、避難誘導マニュアル等にもうたわれておるんですけども、市民の皆様にも1日分、できるだけの非常食の準備をお願いをさせていただいているところでございます。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 3日分を確保する目標を立てている自治体においても、目標に達しているのは6自治体だけという調査結果があります。昨日の質問でもありましたが、期限切れなどの入れかえ問題、また搬送状況の悪化に備えた分散備蓄などを十分に考えた取り組みが必要とされておりますが、現状においては当市においては3日分を確保されてるという解釈でよろしいのでしょうか。
○議長(井狩光男 君) 姓農市民部長。
◎市民部長(姓農彰宏 君) 具体的に、現在備蓄している一覧表、28年4月1日現在でございますが、数字のほうを具体的にお示しをしたいと思います。
 食料品につきましては、市全体でですが、乾パンが1缶約3,000、24食缶が3,000です。それから、ソフトパンが約1万、アルファ米が8,700食、粉ミルク800本、ようかんが1箱5本入りで1万100でございます。先ほども申しましたように、これで全市民の1割の方の3日分をできるものと考えております。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) では、備品、毛布等についてはどのように配備されているかですが、今言われた災害用備蓄一覧表では、一例としてですが、金田、島、岡山、武佐学区では毛布は20枚しか備蓄されていません。これもまた熊本地震がそうであったように、道路の分断などを含め車の通行に支障が生じる、また、やるべき多くの業務のため人手を回すことができないなどを前提とせざるを得ず、配送が思いどおりには運ばない可能性が高く、そうした中で、防災計画と備品との整合性は保たれるのでしょうか。
 各避難所に保管しておく場所がないからだとの声もお聞きいたします。各避難所に防災倉庫を設置し、備品を分散配置すべきではないでしょうか。
 そういったことも含め、備蓄品のこれからの計画予定についてのお考えをお聞かせください。
○議長(井狩光男 君) 姓農市民部長。
◎市民部長(姓農彰宏 君) お答えをいたします。
 市全体では、毛布の枚数なんですが、約3,600枚弱ございます。防災センターのほうで約1,100枚ほどを備蓄しておるわけでございますが、これにつきましては当然各コミセン、避難所に車両でもって配送する計画ではございます。大きな地震が来ますと、道路も分断ということも当然考えられるわけではございますが、全ての道路が分断するということでもないというふうに考えておりますので、何とか主要道路が分断されても脇道であるとか生活道路のほうから配送できる、そういう経路を探して、緊急時でございますので、配送をする計画でございます。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 冨士谷市長。
◎市長(冨士谷英正 君) 実はこのいわゆる計画では、1割の市民の皆さん方がそれぞれコミセンに避難をされると。山本議員、もし災害があれば、恐らくお考えのときは、今何考えておられるかなと思うと、地元の人が行かれるというふうに思われると思うんですよ。恐らく地元の人は自分のうちを守るの大変ですから、やっぱり職員だと思うんです、これは。職員はみんな招集します、全部これは。自分の家がひっくり返ってても、これは任務ですから。
 だから、今度予定をしております市の庁舎に全部集中管理をする予定であります。そっから分散するわけですね。そのときは市の職員が、A君とB君とC君とD君はどこどこ、誰々と誰々はどこどこコミセン、こういうふうに振り分けることになります。
 道路が寸断したらどうすんの。だから、ドローンを買う予定であります。十何万円のそういうみみっちいのじゃなくして、物を、いやこれ大事なことなんです。ドローン何でも使えますからね。またいずれ質問されますいわゆる空き家のほうでも使えるわけですね。だから、物も運べるドローンです、今度は。それで行けば、道路寸断、そりゃ十分ですからね。そういう今のところは計画を組んでると。
 一般の市民の方が行っていただくときは、そんなにひどい災害ではないと思います。ほんな道路分断されてるとか。我々は最悪の災害を想定しておりますから、一般の方は来ていただけない、だから市の職員がやるということを想定をしております。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 今の熊本地震におきましては、緊急事態であり、人の配置ができなかったという事実がありますので、その点の考慮もお願いをいたしたいと思います。
 また、熊本地震に関する報道の中で気にかかったものとして、避難所における女性に対する配慮の問題であります。性被害などは起こらずに済む可能性が高くなるはずであることを考えるなら、避難所運営マニュアルなどにもしっかりとうたうべきであると思います。しかしながら、当市のマニュアルの中では、女性の相談等に対応する女性の担当者の配置に配慮する、また女性の視点を取り入れ女性に配慮したスペースの確保という書き方をされていることにとどまっております。
 東日本大震災、熊本地震、どちらにおいても性被害が発生したと報告されている事実を踏まえるなら、未然に性被害を防ぐ手だてをマニュアルに取り込んでおくべきであると思いますが、どのようにお考えなのか、お聞かせください。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 姓農市民部長。
◎市民部長(姓農彰宏 君) お答えをいたします。
 まさに今議員ご質問がありました件は、熊本地震の教訓の一つであります。これは避難してすぐには厳しいんですけども、ある程度当初から、最初からそういう男女を分ける等の工夫や配慮というものをマニュアルの中に反映をしていきたい、また出前講座等これからも予定もしておるんですけれども、その中でもこういうお話もさせていただきたいなというふうに考えております。
○議長(井狩光男 君) 冨士谷市長。
◎市長(冨士谷英正 君) 熊本の場合は、益城町もそうですし、そしてから宇城市もそうですね。庁舎までが崩壊してます。そして、我々が今進めてます一体型のコミセンというのはないですね、防災拠点とした。だから、ああいう問題が出てきたと思います。水もなけりゃ電気もない、だから車中泊もふえてるわけですよ。だから、いろんな問題が出てきてるわけですよね、いわゆる副次的に。
 近江八幡の場合は、1割の人がきっちりと電気も水も、何不自由とは言いませんけども、精神的な不自由はあるにしても、そんな物理的な不自由のない、生じない施設を準備してるわけですね。だから、山本議員が言われてる熊本と同じ状況というのはちょっと認識を僕は改めてもらわんといけないのではないのかなと思いますね。
 だから、冬だって暖房が入りますし、夏だって冷房も入りますし、水は必ず3日分は最低やっぱり保障をするわけですから、そこのところはもうスタートの段階で八幡とやはり熊本との違いは僕は生じていると思います。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 先ほど申しましたように、熊本地震等の教訓を生かした形ということを考えておりますので、現実に起こった問題に対する対処を考えておくべきではないかと思いますので、その点また考慮をお願いしたいと思います。
 今言われた学区別の避難所などについての質問をさせていただきたいと思いますけれども、おおむね人口の1割を考え、長期の避難所開設においては1人当たり2平米を目安として取り組まれておられるようであります。しかしながら、学区の現場等の考え方においては、学区自身も災害本部の設置が必要であるという考えも持っておられますし、今市長言われたコミセン等を災害本部として考えておられるとこもあるようでございます。実際に避難所と指定をされていても、被害状況においては開設が困難である可能性も現実にありましたし、とても避難所の確保が十分であるとは考えられません。
 また、さきに申しましたように、備品等においても十分であるとはほど遠いように感じられる数値もあります。現時点において、地域における人口密度やバランスの偏りから、住民としては、防災のハンドブックに書かれてあるように、身近で最も頼りとしている最寄りの避難所に駆け込めるものか不安であるとの声がささやかれているのも現状でありますが、行政としてはそのことに関してどのように考え対処されようとしておられるのか、お尋ねをいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 冨士谷市長。
◎市長(冨士谷英正 君) 何度も申し上げますけれども、国の指針では5%と言ってるんですよ。まず災害が起こったら5%の人が被災に遭われるだろうと、その自治体でですよ。でも、阪神・淡路大震災は5.7%でしたので、だから近江八幡市は1割、10%というて上げてるんです。何か切りがないことは何もできませんから、一応だから国の指針に基づいてやってるわけであります。
 ほでもう一つは、どこの学区を想定してなさるか知りませんけれども、八幡学区の現在のコミセンでは僕無理だと思います。八幡学区は、今度できます予定をしております庁舎が避難場所になるというふうに思います。
 もう一つは、各学区でコミセンで災害本部が持てる災害というのは、いわばウルトラCというか、ひどいひどい災害ではないと思います。我々はもう本当に、いわゆる豪雨でも、あるいは震災でも1000分の1ぐらいですね。千年に一度ぐらいのことを想定しないといけないと。そのときにはもう災害本部はこの庁舎、まず一本でばかっと行かないといけないと思います。そうでない、学区で災害本部を持っていただけるような災害というのは、ランクでいいまして5段階あったら4かそのぐらいではないのかなあというふうに思います。
 だから、1ですね、一番強い災害ということを想定をしておりますので、そのときは、いわゆる日常ふだんある水防とかそんなんは別ですよ、それは。そんなもんはもうそれこそ毎年毎年、多い年だったら4日も5日も出るわけですから、そりゃもう職員もよくなれててくれるんですけれども、すごい災害ですね、それぞれのいわゆるコミセンで災害本部が設けられないぐらいの災害を想定をしておりますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 庁舎などを災害本部とされているところを避難場所として想定していいものかどうかについては、また議論をしたいと思います。
 次に、車椅子が自治会に対して要望に応じ26年度に配置されています。災害時避難対応車椅子整備事業として配備されたものでありますが、市内152自治会という多くの地域に配備がされたものです。災害時避難対応の事業であったわけですが、福祉関係が担当されましたので、いまいち防災関係部署においてそのことに対し把握がされていないように感じてしまいます。
 緊急時の災害避難という面からすると、整備不足などからすぐに使用が不能であることも考えられますし、避難誘導訓練においてそのようなことが起こった事実もお聞きいたしております。福祉が中心としたものと考えておられるのかもしれませんが、非常時の仮定はどちらにしても重要な問題であります。
 そういったことの把握、また指導についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。
○議長(井狩光男 君) 姓農市民部長。
◎市民部長(姓農彰宏 君) お答えをいたします。
 この問題は、まさに日ごろからの身の回りでのいわゆる準備というか点検といいますか、そういうことが非常に大切なことでございます。今後につきましては、先ほども申しました出前講座等を通じまして、そういう車椅子でしか避難ができない-------方につきまして、地元の自治会さんに把握をしていただくのはもちろんのこと、車椅子についての整備も点検もしっかりしていただけるように周知をしていきたいと考えております。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 初問でも申しましたが、災害が起こるたびに行政体が言われるのは、これを教訓とし万全な災害対策を行っていきたいであり、対策はしておりましたが想定外のため十分な対応ができませんでしたであります。日常の細やかな取り組みこそが緊急時等に大きな役割を果たすことを忘れず、地域市民啓発をよろしくお願いいたします。
 次に、空き家条例について質問いたします。
 条例制定に向けて議案提出がなされましたが、議会においても幾度となくおのおのの会派から質問をさせていただきましたところでありますし、当局側におかれましても早急な取り組みとの答弁を出されていたものであり、ともかくは6月議会提出にこぎつけていただきましたことには感謝いたしております。
 しかしながら、先発されております先進地と言われております行政体と比べ、いま少しの物足りなさを感じるものでありますが、この条例制定に当たり、当市としての特徴、また力を入れていただいているとこはどこであるのか、説明をいただきたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 廣瀬都市整備部長。
             〔都市整備部長 廣瀬信之君 登壇〕
◎都市整備部長(廣瀬信之 君) 山本議員の空き家条例に関するご質問についてお答えします。
 近江八幡市空家等対策の推進に関する条例につきましては、昨年5月に施行されました空家等対策の推進に関する特別措置法とも整合を図った上で、その法律を補完する条例であり、特別措置法公布以前に制定されている他市の条例に比べますと内容は異なっているというふうに思います。が、今後、空き家対策を進めていく上では支障はないものと考えております。
 次に、条例の特徴ですが、1点目は、第10条の審議会の設置に関する規定であり、この空き家等対策審議会を設置することにより、公平性、客観性を確保し、特定空き家等に対し必要事項を審議することが可能となります。2点目は、第11条の緊急安全措置に関する規定であり、これはさきの奥田議員に回答しましたとおり、所有者等の同意を得て必要最低限の措置を講ずることができるように規定しています。
 最後に、この条例で力を入れているところのご質問に関しましては、所有者等の一義的な責任を前提にしながら、空き家等の発生予防、空き家の活用、適正管理、跡地活用に関する対策を総合的かつ計画的に推進していく条例となっており、空き家対策全てに力を入れた条例というふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 危険性、環境問題からも緊急を要する物件があるのは事実であります。早急な取り組みこそが住民の方々の心からの要望でありますので、条例を制定したということにとどまることのない、より加速した取り組み姿勢をお願いいたしておきます。
 今また、当市が抱えております伝統的建造物群保存地区においても、危険物件が散見いたします。隣の家にもたれかかっているような物件も目にいたします。古い物件であるだけに、近所の人、隣の家屋に対しては、ひさしや瓦などの落下、崩れ落ちる可能性においてはより大きく、緊急性においては、より早急な対応が必要なものであります。
 空き家に関する法律、空家対策特別措置法がつくられたのは、緊急に対応が必要なものとして、所有者がわかっているものにも厳しい制約をつけるという明確な取り組み姿勢を見せたものです。空き家法においては、特別に重要な強制執行に関するものとして特定空き家の定義がありますが、その中には、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態というものがあります。それだけ景観についても注目をされているわけです。
 この点からも、景観に対して取り組まれている伝建地区では特に早急な取り組みが必要と考えますが、その点についての答弁をお願いします。
○議長(井狩光男 君) 青木総合政策部長。
◎総合政策部長(青木勝治 君) 山本議員の、伝統的建造物群保存地区内に散見する危険物件への対処についてのご質問に再問にお答えいたします。
 伝統的建造物群保存地区におきましては、平成2年11月から地区計画以来、町並みの景観保全のための修理修景事業を継続的に行っておりますが、議員のご指摘のとおり、現在、空き家が散見される状況にあります。この空き家への対処でございますが、空き家の所有者に対し、補助制度の利用による建物の修理など、建物の適切な維持管理について協力を求めることにより、保存地区内での景観保全を進めていきたいと考えております。
 空き家条例の中での伝統的建造物群保存地区の位置づけについては、町並みの景観保全を基本姿勢として、今後の空き家対策の計画策定の中で検討してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 当市において、以前から議場におきましても空き家条例の制定が質問されてきたのは、そのまま放置すれば倒壊等、著しく保安上も危険となるおそれのある特定空き家に相当する物件が見られるからではないでしょうか。当局としては、所有者について把握されている以上、空き家法によるところの助言指導を早急にされるべきです。
 これらは、今回の条例からすると、9条の助言指導等に関する手続になりますが、この指導に至るまでの期間はどれくらいと考えておられるのでしょうか。すぐに取り組みを始められなければならないものも見受けられます。これは空き家法の制定により既に取り組みをされているものかもしれませんが、その点についてのご見解をお聞かせください。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 廣瀬都市整備部長。
◎都市整備部長(廣瀬信之 君) ただいまの再問は、ある程度スピード感というふうな観点でのご質問だと思います。
 今回、条例の第9条でございますけれども、助言指導等に関する条項でございますが、これはあくまでも法に基づく措置ということで、法の助言指導、勧告、命令について、必要であれば審議会の意見を聞くというふうな部分が今回の条例の9条の規定になっております。
 したがいまして、それとは別に、以前ですと、平成27年8月なんですけれども、まちづくり支援課のほうから各自治会へ危険な空き家リストの提出依頼というのがございまして、議員もご承知だと思うんですが、平成27年9月までに38の自治会から93件の提出がございました。またその後、市民等からの通報等も含めまして131件を一応データベース化いたしております。
 その後、平成27年10月から3カ月かけまして、建築課、当時住宅課ですけれども、当時としては外観のみの確認でございますが、全て現地調査をいたしております。そのうち15戸につきましては、もう既に法律に基づいた助言ということで、相手さんのほうで事務処理を進めているところでございます。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 昨日の質問にもありましたが、窓口の一本化は責任の明確化からはぜひ必要とされるところですが、対応については、これは法律上の対応も含め、多くの視点、知識が必要となります。偏った判断での取り組みは、物件の所有者、また地域に対しても大きな損失を生む可能性も否めません。総合的な判断を停滞することなく進められる体制づくりをしていただきますよう、要望といたしておきます。
 最後に、空き町家リノベーション事業についてでありますが、地域経済活性化を含め、多賀町地先の市の保有町家吉田邸を活用するとの説明が議会に対して行われています。このリノベーション事業において吉田邸を対象とされた経緯、またこの予算は繰り越しでありますが、どのようなタイムスケジュールを考えておられるのか、お尋ねをいたします。
○議長(井狩光男 君) 小西産業経済部長。
             〔産業経済部長 小西正彦君 登壇〕
◎産業経済部長(小西正彦 君) 山本議員ご質問の空き町家リノベーション事業についてお答え申し上げます。
 今回の事業は、市街地の空き町家を改修し利活用のモデル物件とすることにより、空き町家の所有者などが町家についてみずから利活用されるよう促すものであります。具体的には、今回のモデル物件についての具体的なものですが、CCRCを初めとする移住交流のワンストップ窓口や大学などによる活用、チャレンジショップなどの商業利用などを想定しながら、有識者を交えた第三者委員会で利活用内容を検討してまいる予定でございます。
 まず、モデル物件として旧吉田邸を選定した経緯ですが、平成27年度に旧市街地の空き町家を対象とした調査を滋賀県立大学に委託しました。その結果、約170軒の空き町家物件があり、そのうち、利活用意思があり、かつすぐにでも改修することができる物件が、旧吉田邸を含め4軒ございました。
 また、今回の事業は国の地方創生加速化交付金を活用しておりますので、国と協議した結果、個人が所有する物件は交付金の対象外との回答がありました。旧吉田邸以外の3軒については、利活用の意思はあるが、市への譲渡などの意思がなかったため、市が所有する旧吉田邸をモデル物件といたしました。
 次に、スケジュールについてですが、利活用の検討を行うため、有識者と市民で構成する第三者委員会において、モデル物件や空き町家の利活用について協議を行う予定でございます。現在、モデル物件の耐震調査などの設計業務に着手しており、第三者委員会等の意見を改修設計に反映させる予定で、11月には工事に着手し、年度内の完成を目指してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 3月の予算説明におきましては、有識者を含む協議会を設置し、これは今言われた委員会に当たると思いますが、場所決定、活用方法や改修方法等の検討を行うと言われておりました。行政がされるのでありますから、あの立地からすると、伝統的建造物群との関連性も必要ではないかと思いますし、古い町家ですから、地元住民、自治会との連携も重要であります。
 従来から空き町家の活用に当市として携わってきたおうみはちまん町家再生ネットワークでは、町家を活用する方は町の習慣やルールなどをよく理解していただき、町内会等の地域活動にも積極的に参加してもらうことで、地域に暮らす住民の皆さんも安心できる仕組みづくりを目指されてきたものであり、このことは行政がされることであるから、より重要性が増すと思います。
 最初に申しましたように、3月補正予算の説明では場所決定を委員会でされると言われておりましたが、まず確認をしておきたいのは、この決定は委員会の決定なのかどうかです。どちらにしても、活用に関しての審査をいただくのですから、委員会のメンバー構成、その方々の専門性はどのようになっているのかのお答えをいただきたいと思います。
 そして、今回の吉田邸の決定における検討趣旨はどのようなもので、何ゆえ吉田邸にされたのか、もう一度答弁をいただきたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 小西産業経済部長。
◎産業経済部長(小西正彦 君) まず、今再問いただきました内容で、第三者委員会のメンバー構成でございますが、大学の教授級を3名考えてございます。建築及び地域計画をやっておられる方、また都市計画及び景観デザインをやっておられる方、地域文化及び観光文化という形で専門を持っておられる大学の教授級でございます。また、市民等3名の方に入っていただき、その後、市の職員が2名、計8名で構成する予定でございます。
 また、この旧吉田邸の選定経緯につきましては、先ほど初問でもお答えをさせていただいたとおりでございます。検討趣旨につきましては、このモデル物件の活用、それとまた交流づくりのための仕組みづくりなどについてご審議をいただく予定でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 3月議会においては、空き家の商業活用、例えばチャレンジショップとかシェアオフィスなどの可能性を検討し、そのモデルケースとして、空き町家を改修し、地域産業等の発信拠点とすることを目的としておりますと、予算委員会において答弁がされておられます。経済活性化の視点で考えるなら、多賀神社の鳥居横という、市民さえ余り知られてない場所であり、地元の特定の住民の方々以外、日常的に通られることのない道路沿いであります。しっかり現地調査もされ、活性化事業の拠点としての位置づけにふさわしいものとして審議されたのか疑問を感じざるを得ないとの思いから、今回このような質問をさせていただいているものであります。
 今の説明のままでは、経済活性化についてどのように考えておられるのか見えてきません。再度ご答弁をいただきたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 吉田副市長。
◎副市長(吉田正樹 君) 地方創生では何を目指すかなんですね。これは人づくりでございまして、人が経済をつくるというのが原点であります。そうなりますと、地域が有する価値をどのように地域内外に発信するかと思った場合は、やはり域学連携といいまして、よそから来てもらっていろんな方たちがそこで交流し合って、八幡市のよさを知っていただいて発信するというところから、いろんな起業家が生まれてくると。現在、学生、いろんな大学の交流拠点になりつつ、またいろんな、ここからアンテナショップを発信しようじゃないかと。八幡のよさを発信してもらうと。
 だから、今議員がおっしゃるような一過性じゃないんですね。人を原点に置いてますから、人が財産でありますから、八幡に来ていただきまして八幡で交流してもらって、八幡の次の世代に引き継げる価値をうまく育めるような場所にせなだめなんですね。八幡に住んでもらう、八幡でいろんなことやっていただくということをやらんと、ただ単に直して物を売るという発想じゃないんですよ。八幡に来てもらって、いろんな人たちが交流をやり、地元も交流をやり、こういったよさをやっていただく、これが補助金の中で近江八幡市の所有するもんしか補助金出さないよということですね。
 位置的にあかんとか言われますけれども、全然いいとこですね。例えばあの物件は蔀戸いいまして、古い家屋ですけれども、近江八幡独特の蔀戸いう調査が数年前にできてます。ああいったものの外観を残しつつやっていけば、僕は発信できると思いますので、そういった視点で物事をご理解していただかんと、なかなか一過性で判断していただきますと、これはなかなか見解の相違になるんかなという気がします。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 地方都市リノベーション事業とは、地方都市の既成市街地において既存ストックの有効利用及び民間活力の活用を図りつつ、持続可能な都市構造への再構築を図るため、地域に必要な都市機能、例えば商業等の整備、維持を支援し、地域の中心拠点、生活拠点の形成を維持することによる地域の活性化を目的として創設された事業です。この商業、経済の活性化、町家を生かした再構築をリノベーション事業として取り組まれるというのが予算説明であったと思います。
 多面的、総合的な判断のもと、事業が本当に当市のため、また疲弊している地元経済の活性化のために生かされますようお取り組みをお願いし、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(井狩光男 君) 以上で山本英夫君の個人質問を終わります。
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