録画中継

平成28年第3回(9月)近江八幡市議会定例会
9月13日(火) 個人質問
竹尾 耕児 議員
(1)安定ヨウ素剤の配布計画について
   ①現在の安定ヨウ素剤の備蓄状況について
   ②今後の薬品の確保(更新)についての方向性について
(2)中学生議会体験事業について
   ①市長、教育長の所感について
(3)進学支援教室について
   ①これまでの取組の成果と課題について
(4)教職員の多忙化解消について
   ①市内教職員の勤務実態(多忙化状態を念頭に踏まえ)の現状について
◆1番(竹尾耕児 君) 皆さんこんにちは、チームはちまんの竹尾耕児です。
 議長の発言許可をいただきましたので、私は4点にわたりまして分割で質問させていただきたいと思います。
 質問に入ります前に、6月議会が父の永眠と重なりましてこの個人質問の場に立てなかったこと、市民の皆様のご希望、ご期待に沿えることができなかったことをまずもっておわび申し上げたいと思います。また、生前私の最大の理解者であり最高の相談相手でありました父、その尊敬する父の名に恥じぬよう、今後また政治活動のほうに邁進してまいりますことをこの場にてお誓い申し上げます。
 それでは、私の個人質問のほうに移らせていただきます。
 1点目、安定ヨウ素剤の配布計画について質問をさせていただきます。
 2011年3月11日に起きました福島の原発事故、これを契機に、原発の是非について国家で、あるいは市民レベルでの議論というものはまだその是非を問うております。しかし一方で、原発の再稼働の動きも見られるということもまた事実であります。
 滋賀県は、隣接します福井県、美浜あるいは大飯原発等が再稼働の動きもあり、県は被害地元として早急に避難計画も策定する必要があるかと考えますが、しかし県の避難計画もまだまだ十分なものとは言えません。
 各市町での対策、これもまた大切なことであろうと考えております。滋賀県琵琶湖科学研究センターの最終報告によれば、我が近江八幡市、これは原発から55キロから60キロ圏というふうに説明されておりますが、そこにも天候や風向きによっては放射性物質でありますヨウ素やセシウムが沈着する可能性があると、このような報告もなされております。
 しかし一方で、近江八幡市では早くから安定ヨウ素剤、これは放射性物質でありますヨウ素が甲状腺にたまる前にブロックしてしまうという薬剤でありますが、この安定ヨウ素剤の備蓄を行い、市民の被曝に際しての対策を行ってきました。しかし、残念ながらこの安定ヨウ素剤の存在を知らない市民の方々もたくさんおられます。
 現在の安定ヨウ素剤の備蓄状況について、また安定ヨウ素剤は薬剤ですので使用期限があると思います。今後の薬剤の確保、更新についての方向性をお示しください。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 水市民部理事。
             〔市民部理事 水 平作君 登壇〕
◎市民部理事(水平作 君) 竹尾議員ご質問の安定ヨウ素剤の配布計画についてお答えをします。
 本市では、緊急時に備えて安定ヨウ素剤の備蓄を平成13年度から実施しております。現在の備蓄状況につきましては、全市民が服用できるようヨウ化カリウム丸50ミリグラムを16万2,000丸、さらに3歳児未満の乳幼児にも対応できるよう粉末のヨウ化カリウムを300グラム、また調製用の滅菌精製水と単シロップをあわせて備蓄しております。
 次に、今後の薬品の更新についての方向性ですが、使用期限が切れる安定ヨウ素剤につきましては適宜更新を検討していく予定をしております。なお、使用期限が経過した薬剤については、すぐに薬効が消滅せずに一定の効力が持続されることから、緊急時に備え当面の間は保管していきたいと考えています。
 以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
 市民に対して保有率100%を誇っておるということで大変安心いたしました。また、薬剤の適宜更新につきましても、前向きな検討のほどよろしくお願いしたいと思います。
 少し確認をしたいことがあります。
 この安定ヨウ素剤の管理というのは、私の記憶ですと医療センターに集中的に管理されているというふうにお聞きしておりますが、間違いないでしょうか。
○議長(井狩光男 君) 水市民部理事。
◎市民部理事(水平作 君) はい。議員言われましたとおり、医療センターで集中管理をしております。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) 医療センターに集中管理されているというご回答でした。薬剤ですので、その薬剤の専門性や、あるいは管理について医療センターが適しているとの判断であろうかと思われますが、そこで1点また気になることもあるのであります。
 それは、もし万が一のことが美浜あるいは大飯原発で起こったときに、近江八幡市民がどのようにしてその安定ヨウ素剤を配布していただけるのか。この配布計画の存在についてお伺いしたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 水市民部理事。
◎市民部理事(水平作 君) 配布計画の考え方についてのご質問というふうに承ります。
 現在の状況を申し上げますと、近江八幡市の地域防災計画の原子力災害編、災害対策編において、安定ヨウ素剤服用の決定責任者が滋賀県であり、原子力緊急事態宣言発出後においては、国の原子力災害現地対策本部からの指導・助言があった場合はこれに基づき決定をするとその計画には書かれています。
 本市は、県から安定ヨウ素剤配布について要請があった場合、安定ヨウ素剤を備蓄場所から迅速に配布予定場所に搬送する、また配布場所では緊急医療班が市民に対してその副作用などについて問診を行った上で服用方法の指導を行うものというふうに書いてございます。
 以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
 この配布計画なんですけれども、私はまだまだ少し未成熟な点があるのではないかと考えております。
 1点目は、これは緊急医療ということになりますので、医師の指示、判断が必要になってくるかと思いますが、ではその医師とは一体誰なのか、どこでどのように判断されるのか、それがどのようにして市民に周知されるのかということまでが踏み込んだ内容にはなっておりません。
 またもう一点、配布予定場所というふうにありますが、それが各市民あるいは学区単位というふうに捉えてもいいのかもしれませんけれども、どこでどのように配布されるのかということもこの現在の計画の中には記載されておりません。
 また一方で、放射線被害が起こる際には屋内退避をというふうに書かれた文言も見受けられます。屋内退避をしていては配布場所には行けないというような矛盾をまた抱えているかと思います。
 兵庫県篠山市などの例によりますと、兵庫県篠山市では事前に医師の説明、薬剤の服用方法を説明をしっかりとクリアしていれば各家庭、個人に配布が可能であるということで、各家庭に配っておるということも、これは一例としてあります。
 私は、このように1点提案をさせていただきたいことがあります。
 今、近江八幡市では、市長の冨士谷市政のもと学区ごとの一体整備が進められ、その中に防災拠点を付与された一体整備が進められていることと思われます。まだまだ防災拠点がない地区もありますが、この防災拠点を一つの配布計画の核とし、学区ごとの配布が可能であるのかどうか、ある市町では安定ヨウ素剤の備蓄を公共施設、小学校でありますとか中学校であるとか、あるいは保幼、園、所に備蓄しておるところもあると聞いております。
 これは、今この場で結論めいたことを求めるということはできないかもしれませんが、危機管理室が中心となって実効性のある配布計画を策定していただきたいと思います。
 その中には、あるいは危機管理室だけではなくて薬剤を伴いますので健康福祉課からの意見も必要かもしれない。医師会の協力なくしてはできないかもしれない。しかし、危機管理室が中心となって3者協議の場につけるように配布計画の策定に向けた議論を始めるべきだと考えておりますが、担当課のご所見はいかがでしょうか。
○議長(井狩光男 君) 水市民部理事。
◎市民部理事(水平作 君) ありがとうございます。
 先ほど申し上げましたように、地域防災計画の中では基本的な考え方は決められておりますが、今ほど議員が申されましたような具体的な配布指導等につきましては決まっておりません。つきましては、国、県の指導を得ながら関係機関と連携をしながら検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
 近江八幡では平成13年という福島原発事故以前よりこうした議論が交わされてきて、安定ヨウ素剤の備蓄につながったと、このように考えております。この平成13年度に起きました議論も、大前提のベースとして、また薬剤の更新とあわせてお願い申し上げ、最初の質問を閉じさせていただきたいと思います。
 次に、中学生議会について質問をさせていただきます。
 去る8月19日に開催されました中学生議会体験事業は私ども市議会と、また市長部局、そして教育委員会の3者の協力と、何より中学生議員皆様の熱意ある取り組み、質問によって非常に実りの多い事業になったと感じております。
 一方で、民主主義の根幹をなすであろう主権者教育のあり方、これが今県が主導で進めております模擬投票であったりでありますとか、またディスカッション等々なされておりますが、私ども中学生議会体験事業では近江八幡という地域性をふんだんに生かした質問がたくさん出たと思います。
 これは一斉に行われるべく主権者教育ではなく、近江八幡の一つの独自性を示したのではないかと、このように考えております。
 主権者教育のあり方をこれからも地方自治体でもしっかりと議論し、また教育現場でも実践していくことが大切であると、私はこのように考えております。
 ここで改めて市長及び教育長の中学生議会体験事業につきましてそれぞれのご所感をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 冨士谷市長。
             〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) それでは、竹尾議員からご質問のございました中学生議会体験事業につきましての所感を述べさせていただきたいと存じます。
 今回の中学生議会では、参加された中学生の皆さん方が学校の代表として自分の町や、あるいは学校のことなど身の回りをよく観察し、どのような問題があるのか、よく考えられ、堂々と質問されていた姿に感心しますとともに、大変心強く感じたところでもございます。
 市当局としましては、未来の近江八幡を背負って立っていただく中学生議員の皆さん方からのご意見、ご提言を真摯に受けとめ、ふるさとへの理解と関心を持っていただきたいという願いも込めながら回答させていただき、可能な限り近江八幡市のまちづくりに反映したいと考えているところでございます。
 また、体験事業の取り組みでは、議員の皆さん方が事前に幾度となく学校へ出向き、中学生議員にご指導、ご助言をいただいたことや、あるいは学校の先生方の協力と市議会、また教育委員会、市がそれぞれの役割を分担し、連携協力したことにより、事業の所期の目的を達成できたものと評価しているところであります。
 さて、ことしの6月19日には、若い世代の声をこれまで以上に政治に反映するため選挙権の年齢が18歳からに引き下げられましたが、大切なことは、社会の構成員として日常的に社会や政治に関心を持ち、課題解決に向けて主体的に実践できる人が育まれることであると常々思っております。
 また、一人一人が日常生活や地域の身近な課題について調べ、理解、判断し、自分たちの声を届けるために、社会に参加することが町の発展につながり、本市が目指す自立的で持続的な地域の創生を実現するものと考えているところであります。
 このたびの中学生議会体験事業をきっかけに若年層が市議会、教育委員会、市あるいは地域などさまざまな主体が政治や選挙について学ぶ機会を提供する施策の重要性を認識したところでございます。
 以上を所管とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 日岡教育長。
             〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇 君) 中学生議会体験事業の所感を引き続いて述べさせていただきたいと思います。
 当日の講評でも述べましたように、中学生議員の皆さんの質問が福祉、環境、町のにぎわい、未来への提言、学校生活など多岐にわたっており、日ごろから実体験を通して身近な地域や社会の課題に目を向けている様子がうかがえました。
 また、3分間という短い時間の中でその質問に至った背景や質問の狙いを的確に表現していました。論理的に文を構成し、かつ堂々と発言する姿に頼もしさも感じました。
 事後のアンケートでは、政治や地域のまちづくりに興味や関心を持つことができましたかという問いに対して、20名中13名が大いに持つことができた、残り7名が持つことができたと全員がプラス評価でした。
 近江八幡市のさらなる発展のために、地域で貢献してくれることを心から願っています。
 教育委員会では、教育大綱を受けて本市にふさわしいふるさと教育のあり方を現在検討しています。総合的な学習の時間や道徳の時間、また社会科等で地域の人々との触れ合いを通してふるさとのことを学び、そのよさとともに地域における歴史や課題に関心を持ち、仲間とともに主体的に地域にかかわり貢献しようとする人づくりを進めていきます。
 これらの事業や児童会、生徒会活動など日常で学校生活の多くが地域や社会で活躍する人材育成につながると考えております。
○議長(井狩光男 君) 質問はありませんか。
 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ご所感をいただき、どうもありがとうございました。
 そこで1点、教育長に少し踏み込んだご答弁をいただきたいと思います。
 私ども中学生議会体験事業の中に、大きな目的として主権者教育としての位置づけがあったかのように思いますが、この中学生議会体験事業の主権者教育としての教育的効果があったのか、あるいはそうでなかったのか、少しご答弁いただけるとうれしいです。お願いします。
○議長(井狩光男 君) 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 主権者教育には大きく2つの目的があります。
 1つは、新たに選挙権を有する若者に政治の仕組みについて必要な知識を習得することです。もう一つは、社会の構成者の一員として社会や地域の課題に目を向け、主体的に課題解決を図ろうとする人づくりです。
 今回の中学生議会体験事業はこれらの目的を達成するために大変意義あるものであったと感じております。日ごろの学校生活における授業や取り組みの中で主権者教育を充実させていくことも大変重要です。
 教育委員会では、教育大綱を受けて先ほど申し上げましたようにふるさと教育のあり方を検討しています。総合的な学習の時間や道徳の時間等で子どもたちがふるさとのことを学び、そのよさを地域に還元できるように、ふるさとのよさを自分たちで解決していくように、課題を解決していくような、そんなかかわり方を持っていけたらなと思っております。
 これらの事業は、児童会、生徒会活動などを通して小学校、中学校の発達段階における主権者教育を推進していこうと思っております。
 ただ、主権者教育という言葉はこの選挙権の年齢が18歳になったことで出てきた言葉やと思いますが、基本的には国民主権という考え方でいいと思います。基本的人権の尊重、平和主義とあわせて世界に誇れる私たちの国の憲法でこのことが述べられています。
 ただ、主権者教育あるいは主権が私たち国民にある。それが中学生にも小学生にもわかるような教育をしていくことは大切なことですが、裏腹に義務として履行しなければいけないことも含めて、子どもたちに指導していきたいと思っております。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
 主権者教育という言葉が確かに叫ばれ始めたのは18歳以上に引き下げられたことが契機かと思われますが、本来主権者というものは基本的人権の尊重の上に成り立ち、主権在民の国家のもと当然の権利として受け得るべき教育であると、私はこのように認識しております。
 選挙というものは、国政選挙だけではありません。私ども地方議会議員選挙あるいは行政の長を決める市長、知事などの首長選挙などがあります。市長が所感の中で述べておられましたとおり、日常の政治、社会に関心を持つような取り組みこそが大切であり、国政ももちろん大切でありますが、日常暮らしの中にある気づきがまた主権者教育のスタート、動機になるべきではないかと、このようにも考えております。
 そこで、主権者教育としての一定の成果を見たというこの中学生議会体験事業でございますが、中学生議員のみがこの教育を体験して、よかったというだけでは何か少し物足りないような気がします。この議場にて体験されたことあるいは取り組みまでに感じられたことを含めて、学校現場でやはりフィードバックしていくことが教育の平等性、公平性の観点から見ても必要かと思いますが、学校現場へのフィードバックについて、教育委員会のほうで方向性をお考えであるのであればお示しください。
○議長(井狩光男 君) 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 市長の所感にも私の考えの中にも、中学生議会でのすばらしさについては議員もお認めになられるとおりやと思います。彼らは生徒会のリーダーであります。彼らがきょうの午前中の話題にもなっておりました体育大会等で中心となって活躍しています。そんな行事を通して、あるいは生徒会行事を通していろんなことの中で彼らがその力を発揮してくれるものと思います。
 ただ、教育の中にもこれを入れていかなければいけないと、そういうふうに考えております。平素の授業はもちろん、学校行事、それから地域の行事についても子どもたちが主体となって活躍できるように教員一人一人が自覚を持って対応していくように話を進めているところでございます。
 ただ、中学生議会そのものはすばらしかったんですが、2学期から、じゃあ主権者教育はすばらしい近江八幡は取り組みをしているという段階にはなかなかいくことは難しいと思います。この議会を通して、あるいはじわっと子どもたちにその意味合いがわかってくる時期もあると思いますので、先日の校長会等でもそのお願いをしましたし、私が約束した幾つかの議員との約束もあったと思います。そのことも含めて、各校長先生等にお願いを申し上げましたので、そんな意味でも、これからじわっとではあると思いますが、主権者教育について浸透してくると信じております。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) 各学校それぞれの色合いがあるかと思います。どのような形でフィードバックされるのかということにつきましては、また教育長お一人のあれではなく、また校長先生あるいは担当の先生方のお考えもあると思いますので、この学校現場へのフィードバック、どのような形でなされていくのか、これから私も楽しみにしたいと思います。
 しかし一方で、若者の投票率の低下、社会、政治への関心の低さというものはまだまだ厳しい状況にあると、私はこのように感じております。
 要因はさまざまあるかと思いますが、1つは、生徒の自治能力が低下している、あるいは学校現場の中で培われてはいないのではないかと、このような指摘もなされておりますし、私もまたその理論に賛成の立場で考えております。
 では、生徒の自治能力とは一体何か。それは参画の自主性と決定の民主性を学校教育が担保すると、こうしたことでございます。
 生徒指導や、あるいは生活指導などの名のもとに、児童・生徒を管理しなければいけないという現状があるということは私も重々承知しておりますが、一方でその行き過ぎた管理が生徒の自主性を疎外してあってはならないと、このようにも考えておるわけであります。
 管理と自主性の担保と、この相互がバランスをとることが大事なのではないかと、このように考えております。
 それでは、このバランスをどのようにとっていくのか。これは民主的な学級づくり、民主的な学校づくりに尽きるのではないかと、このように考えております。学級会や生徒総会を充実し、その中で子どもたちが議論を交わす。そして、浮かび上がってきた共通の課題や共有すべき情報を中学生議会体験事業などを通じて市や、あるいは議員に訴えていただくと、これが私の思う中学生議会体験事業の理想的な姿であります。
 民主的な学級づくりのあり方について、教師と生徒が議論し、子どもと教師がともになってつくるこの民主的な学校づくりこそが教育長もおっしゃられましたじわっと広がっていく主権者教育の根幹をなすのではないかと思います。
 この中学生議会体験事業の成果と反省を生かして近江八幡市ならではの子どもとともにつくる主権者教育のあり方について議論をしていただければと、このように念じましてこの質問について閉じさせていただきます。
 次に、進学支援教室について質問をさせていただきます。
 貧困という言葉、この言葉は戦後経済復興を遂げる中で日本社会が最も遠ざけてきたもの、最も克服していかなければならなかった課題の一つであります。
 私1982年の生まれですが、私の世代から申しますと貧困というのはやはり日常から少し遠かった言葉であります。どちらかというと、国際問題、紛争に苦しむアフリカでありましたり政局不安定な東南アジアにおける問題であったかのように思います。
 ところが、ここ数年、この貧困という言葉が我が日本にも全国的に定着してまいりました。悲しいことに子どものという前置詞を付与した形で今定着しつつあります。この子どもの貧困は、その経済格差がますます広がる中、この貧困の連鎖も格差をますます広げ、子どもたちの教育環境に多大な影響を与えております。
 子どもの学習能力と保護者の年収が比例するというような統計学的な報告もあり、教育の平等性を維持するために、学校任せではなくて、地方自治体がスクラムを組んで多様な支援の形を模索していくことが必要になってきた時代であります。
 近江八幡市では、福祉の視点から進学支援教室、私もボランティアの一人として登録させていただいておりますが、進学支援教室が開講されております。市民参加型のボランティアと、またそこに集う中学生、高校生が和気あいあいとなって学び、経済的な支援を要する子どもたちの居場所としても大きな存在感を示しております。
 進学支援教室のこれまでの取り組み及び成果と課題について教えてください。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 鳥居福祉子ども部長。
             〔福祉子ども部長 鳥居広子君 登壇〕
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) 竹尾議員の進学支援教室のこれまでの取り組み、成果についてのご質問にお答えいたします。
 全国的には、平成23年度に生活保護受給者数が過去最高となって以降、毎年度増加傾向にあり、本市においても例外ではなく、生活保護受給者が年々増加しました。生活保護受給世帯の子どもの高校進学率は市全体と比べると約1割程度低い状況であり、早期からの高校入学を目指した学習支援が重要であると考えております。
 当市におきましては、平成25年度より生活保護世帯の中学生を、平成27年度からは生活困窮者自立支援法に基づき、生活保護世帯を含む困窮世帯の中学生を対象に、進学支援教室を開催しています。また、平成28年度からは、高校の中途退学の防止を目的として悩みの相談の場としての位置づけも行いました。
 教室は週1回、ひまわり館内で、基礎学力の習得及び進学に向けた集合型の個別学習指導を行い、高校進学率を高めるとともに、中途退学防止を図り、高校卒業を念頭に置いた支援を行うことで貧困の連鎖を防止し、社会的自立を目指しております。
 成果として、一人では学習が進めにくい中学生に対し、学習指導を受ける機会や居場所の提供ができました。
 高校生に対しては、継続して学習する場所の提供や学校生活などの悩みを聞くことで精神的なフォローを行うことができました。
 進学支援教室に参加した中学3年生の進路の状況は、平成25年度は5名、平成26年度は3名、平成27年度は2名と、進学支援教室に参加した全ての中学生が高校に進学することができました。
 課題として、中学生本人と保護者の学習に対する関心が低いため、教室参加が少数にとどまっています。今後、経済的な要因だけでなく家庭環境に問題がある世帯の中学生も対象と捉え、各関係課の協力を得て参加を呼びかけていくとともに、保護者へ子どもの学習の必要性を助言していきたいと考えております。
 また、子どもの学習支援事業は年度ごとに対象者が入れかわるため、目的に沿った成果を達成できるよう検討してまいります。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
 ひまわり館1館のみの開催ということでありますが、なかなかひまわり館1館のみの開催というと遠方にお住まいの児童・生徒さんにとってはなかなか通いにくく、参加意欲が湧きにくいのではないかというような心配もいたすのであります。
 近江八幡市には、各中学校区、子どもセンターもあります、また中学校も存在します。公共施設等々の利活用も含めて、ひまわり館以外での実施できる見込みはあるのか、お示しください。
○議長(井狩光男 君) 鳥居部長。
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) ありがとうございます。
 ご指摘のとおり、現在はひまわり館1館で開催をさせていただき、参加申し込みのある生徒、中学生は高校生を合わせて6名という状況でございます。
 来年度、新中学1年生を含めた対象世帯当てに教室参加の確認を行わせていただき、教室参加のニーズに合わせた開催会場の追加や回数をふやすなどの調整に今後努めてまいりたいと考えております。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
 ボランティアの人員確保などの大きな課題もあるかと思いますが、できるだけニーズを掘り下げ、しっかりとそのニーズに応えていただけるようよろしくお願いいたします。
 また、進学支援教室に通われる生徒さん以外にも、困窮家庭である、あるいはそのボーダーにおられる、また困窮家庭ではないけれども学習したくても塾には行けない、家庭で一人で学習をするにはまた限界があると、このような生徒さんも市内多数おられるかと思います。こうした潜在的な学習の貧困にある生徒さんにつきまして、もちろん進学支援ということで教育からのかかわりも大切かと思いますが、学校では対象の生徒さんの実態把握あるいは学習支援の取り組み、何か、どのようになされているのか、お尋ねいたします。
○議長(井狩光男 君) 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 生徒の学力保障及び進路保障に関して、各中学校において校内で定期テスト前や長期休暇の期間を利用しての補充教室や質問教室を行っています。
 もちろん学力の定着のためには学校での授業時間を充実させることが一番ではありますが、理解には個人差もあります。授業時間だけでは不十分な生徒に対しては個別の指導をクラス担任や学年部の専門教科担当者が中心となって行っております。
 また、郊外において定期的に子どもセンター等で学校の先生方や生涯学習課の指導主事が中心となって放課後の学習会である学びの広場を実施し、学力の定着及び向上に努めております。
 さまざまな学習機会を今後も設けながら、よりよい方策を検討、実施していきたいと思っております。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
 この子どもの貧困という問題は非常に複雑な要因があるかと思われます。福祉のサイドだけでは救い切れない、また教育の面だけでのアプローチでも救い切れない。そうした子どもが多く生まれているのではないでしょうか。
 そこで、福祉は福祉でやっている、いや学校現場は学校現場で取り組みをしているというのではなく、福祉と、福祉が持ち得る情報と、また教育行政サイドが持ち得る情報をしっかりと有機的に生かし、この貧困対策のネットワークづくりを行うことが必要かと思います。
 進学支援教室にかかわらず、福祉子ども部のほうで教育委員会との連携のあり方についてお考えがあればお示しください。
○議長(井狩光男 君) 鳥居部長。
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) ありがとうございます。
 非常に最近の状況におきましては、教育の学習という問題だけにとどまらず、全ての事柄において福祉子ども部だけ、教育委員会だけでという形で対応ができないという事象が非常に多くなっております。そういう事象に関しましては、お互いに福祉子ども部、教育委員会、学校も含めまして連携をとりながら、各それぞれのケースに対応させていただいているところですが、特にこの進学支援教室につきましては、今後、よりお互いが効果的な授業ができるように連携をとりつつ進めさせていただきたいというふうに考えております。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
 教育委員会はどのようなお考えをお持ちか、お聞かせください。
○議長(井狩光男 君) 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 福祉の観点からという課題として上がる生徒だけではなく、さまざまな理由で支援が必要と思われる生徒の情報を先ほど福祉部長がおっしゃったようにいろんなケースを検討しながら、関係課とも共有し、その生徒に合った適切な指導を協議、検討していきたいと思っております。
 また、生徒に学力向上の成果を出すためには、家庭環境や保護者の協力が大きな影響力を与えます。学校としては、本人はもとより保護者との日常的な連携も図っていきながら、進めていきたいと考えております。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございます。
 さまざまな困窮支援家庭につきましては、さまざまなアプローチが必要かと思います。ケースワーカーさんには相談できるけれども学校には相談できない、あるいはその逆も、学級の担任の先生には相談できるけれどもほかには相談できないと、さまざまなかかわりの中で支援のあり方が必要かと思いますが、この進学支援教室というのはちょうど福祉と教育との中間に位置する事業なのではないかと、私はこのように捉えております。
 たちまちここをこうしたらどうやと、学校の先生出てこいと、こういうことは私は申し上げませんが、連携のあり方、人の連携なのか、あるいは場所の提供なのか、また情報の共有なのか、さまざまな連携の仕方があるかと思います。また、担当課のほうでしっかりと協議をしていただき、進学支援教室がさらなる充実を目指して協議を始めていただきますことをお願い申し上げ、進学支援教室についての質問は終わらせていただきます。
 最後に、教職員の多忙化解消について質問をさせていただきます。
 先ほど進学支援教室の質問の中でも触れさせていただきましたが、子どもを取り巻く生活、教育の環境というものは時代や社会の変遷の中でますます複雑化し、給食指導であるとか掃除指導などの生活習慣の指導、また私は余り好きな言葉ではありませんが、人と人とが接する上での最低限のマナー、しつけの部分も今や学校現場で指導せざるを得ないと、このような状況になっているかと思います。
 さまざまな指導が要求される中、教科指導以外の指導がかなりの負担となってきており、文科省の教員勤務の実態調査の中では教員の勤務環境は悪化の一途をたどっていると指摘されています。
 これらの調査の中で、私が注視しますべきところは教員の多忙化の影響が教育課題の解決をおくらせている事態すら招きかねないという指摘がされていることであります。
 学校の先生が忙し過ぎて目の前の子どもの教育的課題の解決がおくれてしまう。こんな本末転倒な多忙化というものはあってはならないことだと、私はこのように認識しております。
 この問題につきましては、全国の市町村の議会あるいは県、国でも議論されていることかと思いますが、近江八幡市での学校の先生方の勤務実態について多忙化の状況というものを念頭に踏まえて現状をお示しください。
○議長(井狩光男 君) 日岡教育長。
             〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇 君) 竹尾議員の教職員の多忙化についてお答えします。
 本市教職員の退勤時刻等調査から、定時から18時半、午後6時半までに退勤する職員の割合はおよそ35%、20時以降、8時以降に退勤する割合はおよそ30%前後です。県の平均等は発表していませんので比較することはできませんが、教職員が夜8時以降も残業している者が3割いる実態があります。殊に中学校では高い傾向にあります。
 その仕事の内容としては、ノート等提出物の点検、教材研究、部活指導、保護者対応などです。
 昼間は授業、給食、掃除指導、突発的な生徒指導対応などさまざまな業務があり、教材研究等を夕方以降に持ち越すことがあることは事実です。
 そのため、教育委員会といたしましては、教職員を招集する会議の数を減らしたり、学校対象の調査や報告等の文書を減らしたりするなど、毎年業務改善を行っております。
 また、学校には校長のリーダーシップのもと業務や校務の見直しを行い、効率化を目指すように指導しています。
 先日、教職員を対象に実施した健康診断のストレスチェックによりますと、本市の教職員の仕事への多忙感は高いですが、学校の中でサポート体制が整っていて大きなストレスにはなっていない教職員が多いという結果が出ています。
 学校教育の内容は、種類、分量ともに多く、業務は多岐にわたりますが、これからも日常の業務改善を行い、保護者や地域にも理解を得ながら、子どもと笑顔で向き合う時間を確保するため、子どもも教職員も居心地のいい学校づくりを進めてまいります。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
 私も教育現場におりましたので、この業務多忙化解消の課題というものが非常に困難な課題であるということは重々身をもって経験しております。何より学校の業務改善というのは非常にメスが入りにくい、一部地方自治体では民間校長の活用などにより学校改革を行われたところもありますが、しかしなかなか評価は厳しい状況にあると、このように感じております。
 学校の業務改善にメスが入りにくいのは、校長、教頭、主幹教諭、教諭、全て教職員が構成している組織でありますから、なかなか業務改善について、校長先生も教頭先生も同じような忙しさの中で管理職になられているので早く帰ってねとも言いにくいですし、何々が無駄だからやめなさいということも難しいという状況にあるのではないかと思います。
 しかし、この中で文科省が教員の勤務実態調査の中で、教職員の業務を4つにカテゴライズして調査をされております。
 1つ目は、児童・生徒の指導に直接的にかかわる業務。これは授業でありましたり生徒指導、生活指導についてであります、が1点。
 2点目、児童・生徒の指導に間接的にかかわる業務。成績の処理でありましたり丸つけであったり、宿題のチェックであったりするのがこれでございます。
 3点目、学校の運営にかかわる業務。音楽会のときは音楽部、運動会のときは体育部、あるいは図書担当の先生は図書館の運営など、学校の運営にかかわる業務。
 4点目は、保護者対応を中心とした外部の対応と。このようになっております。
 このうち、機械的な作業が多い業務は一体どれなのか。何が無駄を生み、何が多忙化を招いているのか。このような4つの観点から一度市内調査してみてはいかがかと思います。
 なぜこのようなことを申し上げるのかと申しますと、学校の先生が朝から晩まで学校にいる。土日も出勤をしておるという状態が続いております。学校の先生にも家庭に帰れば家庭人としての役割がある。一方、地域に出れば地域の人間としての役割がある。その役割を果たせずしてふるさと教育というものがどのようになし得ていくのか。絵に描いた餅に終わるのではないかというような危惧もあります。
 忙しい状態が当たり前に常態化してしまい、それが定着化し、教員の意識もそのままになってしまう。このような状態は私は避けるべきだと、このように考えております。教職員の意識変革も大切なことかと思います。
 今上げました4つの観点で、まずは業務改善のほうができるかどうか、私は個人の思いとしましては、業務改善のスペシャルチームなどをつくりまして、まずは徹底的に業務の効率性、負担感を持つところをチェックしていただき、効率性を図れるところはどんどんと削っていただきたい。その分、教科の研究でありますとか児童・生徒の指導にかかわる時間というものは先生がゆとりを持ってかかわれるようにすると、この文科省が指摘されております教員の多忙化が教育課題の解決をおくらせているのではないかというこの事態も未然に防げるのではないかと、このように考えております。
 最後に、お伺いしたいと思います。
 今の4点につきまして、業務を細分化した調査についてご検討願えますでしょうか。お考えをお聞かせください。
○議長(井狩光男 君) 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) もちろん調査もさせていただきたいと思いますが、教職員というのは基本的には子どもたちの命を預かる一番大切な仕事かなと思ったりもします。子どもたちの命は、学校にいる間あるいは家庭に戻った後もやっぱり教職員が責任を持っていかんならんという自覚、そういう意識を持っていただかんならんことも事実です。
 そのためには、校長先生を中心に教職員が一枚岩になること、ここが私は一番大切かなと思うんです。
 教員は忙しい、忙しい、言う人ほど余り気張ってないんです。ぶっちゃけた話、忙しい人は限られた人に偏るんです。一生懸命頑張っている人、やっぱりその辺を校長先生や園長先生にしっかりと見きわめていただいて、一枚岩になって、ある特別な人に負担が行かないように、そういう教職員での中身についても考えていただこうかなと思っています。
 もちろん、不必要な調査等については、できるだけ教育委員会で行っておりますが、例えば学校教育課も9時、10時なんです、ほとんど帰られる方が。どっかに負担が行くんではないかなと思ったりもしますので、その辺教育全体を考えてその各校とか各市レベルじゃなくて、国レベルで考えていただくよう国へ要望していきたいと思います。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) 一生懸命されておる先生が残っておられると。しかし、そのような発言をまた真に受けてしまいますと、みんなまた残っているのが一生懸命していることやというふうな誤解も招きかねません。残念ながら、教職員の先生方、精神疾患により休職される方というものが全国統計的には伸びております。また、大変残念なことに職種別で見たときの自殺率も非常に高い職種となっております。
 やはり教員の多忙化、教育長、国と申しましたが、もちろん国ももっと真剣に議論していただきたい。大きな課題だと思います。が、地方レベルでできることをしっかりと見つけて、そこに懸命に取り組んでいくという、またこの姿勢も大切なのではないかと私は考えております。
 この課題につきまして、あす効く特効薬があるわけではありません。今後とも、私も教育委員会と足並みをそろえて教員多忙化解消に向けての議論を進めていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げ、私の個人質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(井狩光男 君) 以上で竹尾耕児君の個人質問を終わります。
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