録画中継

平成29年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月8日(水) 個人質問
井上 芳夫 議員
(1)近江八幡市の観光施策について
   ①今年度の評価と平成29年度の施策について
(2)伝建地区内の観光施設について
   ①入館者増への考え方について
(3)近江八幡版DMOについて
   ①取組状況等について
(4)安土城跡ガイダンス施設について
   ①今年度の取組内容について
◆3番(井上芳夫 君) こんにちは。創政会の井上芳夫です。
 個人質問最後の質問者となってしまい、さきに同様の質問も多々あったかと思いますが、もう少しでございますので、よろしくお願いいたします。
 議長に発言許可をいただきましたので、私は分割方式で近江八幡の観光政策について質問させていただきます。
 先立ちまして、本議会におきまして、国際交流協会を多大に評価していただき、まことにありがとうございました。近江八幡国際協会には私も大変長くかかわり合っており、今までの活動をこのように評価していただいたのは、本年亡くなられた会長にとっても、よいはなむけとなったのではないかと思います。今後も、協会の活動にさらなるご支援をよろしくお願いいたします。
 また、亡くなられた会長は、近江八幡市にとっても大変大きな損失で、八幡の町の再生のため、八幡の観光のため、私財をなげうってでもやってこられ、残念でなりません。そのうち、観光について本日は少し質問させていただきます。
 日本には、四季折々の豊かな自然、美しい景観、多彩な文化、地域性など、多種多様な観光資源があります。観光とは、各地域の取り組みにより、地域独自の資産、資源を掘り起こし、それに付加価値を加え、ブランド化して、PRして、地域外から人、物、金を集め、地域に活力や雇用を創出します。また、観光は関連産業の裾野が広く、その波及効果は絶大で、産業政策として地域経済の活性化に大きく貢献することができます。
 歴史と文化の町近江八幡市は、近年、観光都市として全国に知れ渡ってきました。特に、水郷めぐり、八幡堀、八幡商人屋敷などは人気が高く、年間100万人以上の来客でにぎわっております。
 また、昨年度は新たに、近江八幡の菓子メーカーが新しい施設をオープンされ、そこだけで160万人を集客され、県内で2番目の入り込み客数で、大変なにぎわいでした。また、近江八幡全体でいうと400万人とも言われる観光客数でした。12月議会でも話させていただいたように、その周辺は大渋滞になってしまい、道路、駐車場は大変な混雑でした。しかし、それはその新しい施設への来幡者で、市内施設への魅力を感じての観光ではなかったのではないでしょうか。
 今年度、近江八幡市の観光施策の評価、29年度の観光施策についてどのようにされるのか、お尋ねいたします。よろしくお願いします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 吉田副市長。
             〔副市長 吉田正樹君 登壇〕
◎副市長(吉田正樹 君) それでは、お尋ねの、本市の観光政策についてでございますが、ただいまご質問にもございましたように、平成27年度観光入り込み客数が162万人を超え、県内第2位となりました。北之庄町地先にございます新規店舗が人気を博し、全体といたしまして観光入り客数の大幅な増加につながったわけでございます。
 現在では、必ずしも入り込み客数の数字だけが観光の評価の指標であるとは言い切れないのも、また事実でもございます。特に、これからの観光は、地域が主体となって観光客を受け入れるとともに、観光の効果を地域がいかに享受できたかを経済的な側面も含めしっかりと指標として検証していかなければならないものと考えております。
 また、観光の振興を図る一方で、観光客の増加などによりまして発生いたします負の側面にもしっかりと目を向ける必要がございます。平成28年度は、その課題解決を図る部分こそが行政の重要な役割と捉えまして、長年の課題でございました八幡堀周辺の混雑解消に向けまして、地元との密接な協議などにより、今後の方向性を見出すことができたものと考えております。
 また、今後、地域におきましてますますの増加が予測されます外国人観光客の受け入れを見据え、パンフレットのQRコードの多言語化を初め、ICT──情報通信技術でございますが──などの一層の活用によります利便性の向上を図ってまいってきたところでございます。さらには、今後、地域が主体的にまちづくり観光を展開していくための必要なサービスの方向性と、観光がもたらします地域経済への貢献度を具体的に指標化していくための調査も実施し、現在その取りまとめを行っております。
 こうした取り組みなどを通じまして、平成28年度は、観光客入り込み数の増加に見られるような客観的な成果に加え、本市の観光振興を進めていく上で、地域と行政の役割分担や連携協力する部分などを整理し、今後数年にわたって観光振興を展開していくための基礎はできたものと考えております。平成29年度は、これらの取り組みをさらに具体化に前進させるため、例えば外国人観光客向けの本格的なプロモーションや、地域の収益につなげることを目的といたしましたモデルツアーの造成、または地域経済に直接的に寄与することが期待できる地域産品の販売拡大の仕組みづくりなどを行う予定でございます。
 加えて、八幡堀周辺の混雑の解消や、伝建地区の無電柱化への取り組みなどを含めまして、全体といたしまして本市の観光振興が次のステージへと移行していくための重要な年であると考えているところでございますので、議員各位のご理解、ご支援のほうよろしくお願いします。
 以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 質問ありませんか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。29年度は、今あるものを見据えて、足場を固めて、さらなる観光振興を進めていきたいということでございます。ありがとうございました。
 次、2番目の質問に移らさせていただきます。
 旧近江八幡市内の施設は、近江八幡市の歴史や伝統といった文化、地域を知ってもらうための施設で、近江商人屋敷、かわらミュージアム、市立資料館、教育会館等があります。近江八幡市全体の観光客数がふえたにもかかわらず、また相乗効果を期待していたにもかかわらず、これらの施設の入館者が激減していると聞きます。
 施設は全て指定管理に出されてるんですが、管理者の努力義務があるのは当然ですが、市として何か対策するつもりはございますか。よろしくお願いします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 青木総合政策部長。
             〔総合政策部長 青木勝治君 登壇〕
◎総合政策部長(青木勝治 君) 井上議員の、市全体の観光客数がふえてるにもかかわらず、八幡商人屋敷、かわらミュージアム、市立資料館、教育会館などの入館者数が減っているが、市として対策をするつもりはありますかとのご質問にお答えをいたします。
 市が指定管理者制度により管理をしております市立資料館、旧西川家住宅とかわらミュージアムの累計入館者数については、市立資料館、旧西川家住宅は、平成27年度の4月から1月までの2万8,327人に対し、平成28年度の4月から1月までは2万4,946人で、11.9%の減少となっております。かわらミュージアムにおきましては、平成27年度の4月から1月までの1万8,679人に対し、平成28年度の4月から1月までは2万3,162人で、24%の増加となっております。
 市営小幡観光駐車場の利用につきましては、昨年度とほぼ同じでございます。また、市全体の観光客数につきましては、議員ご指摘のように増加をいたしております。
 指定管理者については、旅行会社に案内状を送付したり、JAFの割引が受けられる施設となったり、また来館者で住所、氏名がわかっている人にお礼状を送付しリピーターを促したりするなど、入館者数の増加に向けた活動は積極的に行っておられますが、市立資料館、旧西川家住宅への入館者数の減少は残念ながら続いているところでございます。
 入館者が減少している要因を分析してみますと、観光ボランティアの方々の証言にもありますように、団体での観光客の滞在時間が1時間から1時間半と、以前にも増して、より短くなっており、市営小幡観光駐車場から日牟礼八幡宮方面へ歩いて買い物をして戻ってきて時間切れという状況でございまして、これらの施設を見学している時間的余裕がないという分析結果が出ておるとこでございます。しかし一方で、かわらミュージアムではさまざまな展示会やイベントを実施し、入館者の増加につなげられておられます。
 今後、市といたしましては、指定管理者を初め関係者と連携し、各施設において魅力ある展示会やイベント等の実施を行い、文化財資料の活用などの面で協力し、市民を初め観光客による入館者の増加を図ってまいりたいと考えておりますので、議員におかれましても、よりよいアイデアがございましたらぜひお力添えをいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 質問ありませんか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。
 教育会館ですか、旧伴家住宅の役員等も多少してるんですけども、あそこの中は、建物を見るものなのか、展示して人を寄せるものなのかというのがなかなかわかりにくい。建物だけ見てるんでは多分入館者はふえないであろう、いろんな展示をかわらミュージアムみたいにやっていかないとふえていかないであろうなというふうには思っております。またいろんな展示品等よろしくお願いしたいなというふうに思います。ありがとうございます。
 次、3つ目の質問です。
 観光は、しばしば、地域振興の切り札であると期待されてきました。今改めて、観光、地域振興のあり方を問うとき、観光をどのようなものとして捉え、それをどのような形で地域振興に生かしていこうとするのか、それを考えておかなければなりません。
 バブル崩壊を契機に、我が国の観光、地域振興は大きく変わりました。今日の観光、地域振興が目指すものは、地域主導の自立的な観光、地域振興であります。それは、地域みずからが市場に向き合い、地域間競争の中で顧客に選ばれる地域づくりを目指すビジネスとしての側面と、もう一つには、住民みずからが地域らしさを再認識することで地域アイデンティティーを再構築し、地域への誇りと愛着を育むというまちづくりとしての側面があります。
 地域の元気あるいは活力、地域に対する誇りや愛着、それは住民みずからが地域を見詰め直し、望ましいと考える地域像、誇れる地域像について語り合い、地域像の共有を図りながら、地域が抱える課題にともに向き合い行動するプロセスから生まれるように思われます。近江八幡版DMOが、自立的な観光、地域振興の役割を果たすものだと思われます。
 今年度、近江八幡版DMOの第1ステージの段階にあると思います。事務局や法人登録等、進捗状況を教えてください。
 また、29年度の施策を教えてください。よろしくお願いします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 冨士谷市長。
             〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) それでは、井上議員の3点目の質問であります近江八幡版DMOにつきましてのご質問にお答えをいたします。
 まず、DMOの進捗につきましては、9月議会でもご説明申し上げましたとおり、平成28年度前半では、一般財団法人近江八幡観光物産協会の理事会や役員会での理解と合意形成を進め、後半では、今後の連携が想定されますまちづくり会社や商工団体も招集の上、運営のあり方などにつきまして調整と確認を行ってまいったところであります。さらに、12月と2月には、観光物産協会の協会員や地域事業者等を対象にDMOセミナーも開催し、今後のDMOと地域観光のあり方について関係者間の合意形成を図ってきたところでございます。
 こうした取り組みを経て、3月中には観光物産協会がDMO候補法人として登録申請を行う予定でありまして、DMO形成計画にあります第1ステージを完了する予定となってるところであります。
 平成29年度につきましては、DMO候補法人である観光物産協会を中心に、引き続き運営体制の確立に向けて詳細を詰められるような支援を行うとともに、今後の自立化に向けた収益事業の具体策の検討が行われる予定でもございます。
 行政としましても、今後数年をかけて実施していく広域観光ブランディング事業において、モデルツアーの造成や地域産品の販売促進、またそれに伴いますPR手数料等の仕組みづくりなどを通じ、地域の観光経営推進を担うための組織でありますDMOの収益化や地域事業者の自立化につながるような取り組みを、行政の役割との分担によりまして積極的に進めてまいりたいと考えてるものでございます。
○議長(井狩光男 君) 質問ありませんか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。観光物産を中心にDMOを考えていきたいということで、この間からも講演会等に参加させていただきました。ありがとうございます。
 次に行きます。
 現在、観光は、形態が団体旅行から個人旅行へ変化し、旅行者ニーズが多様化してきました。そのため、各地域には、今後、地域固有の観光資源を活用した魅力あふれる旅行商品を創出し、創意工夫を凝らした観光地域づくりが求められています。観光に携わっている組織皆が地域社会の課題、将来像を見据えた上で、本市の観光のあり方を共有しなければなりません。
 最後に、近江八幡市特別史跡安土城址ガイダンスの施設の指定管理について、この3月議会において、安土町商工会が指定管理者に名乗りを上げた件についての質問です。
 安土城址ガイダンスは、安土町随一の観光の拠点で、安土城址を訪れる方々にとって唯一のサービスができる施設であります。また、安土町商工会員が安土城址において物販できる絶好の機会であると認識しております。
 今、全国の商工会は縮小の危機に直面しています。この10年ほどで、会員の3分の1が廃業すると言われています。これは、安土町商工会にあっても言えることです。
 そこで、当商工会がガイダンスの指定管理に取り組むことにより、会員の活性化ができ、ひいては安土町商工会の発展につながる一助になればと思っております。安土城址ガイダンスにおいて、来館者に、安土城関連の映像の上映、VR安土城ですか、タブレットの貸し出し、CGの安土城、湯茶の提供等のサービスをされます。
 29年度の予算において、市から追加されるサービスがあれば教えてください。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 青木総合政策部長。
             〔総合政策部長 青木勝治君 登壇〕
◎総合政策部長(青木勝治 君) 井上議員の、安土城跡ガイダンス施設について、平成29年度予算に追加するサービスがあれば教えていただきたいとのご質問にお答えをさせていただきます。
 安土城跡ガイダンス施設の管理運営につきましては、さきの12月議会で条例の一部改正を可決していただき、これに基づきまして改めて指定管理者を募集し、指定管理者選定審査会におきまして審査をしていただきました結果、現在の指定管理者であります安土町商工会を指定候補者として選定していただきました。地方自治法の規定に基づき、市議会のご承認を賜りたく、今市議会に上程をさせていただいたところでございます。
 議員から上げていただきました新サービスのほかに、さらに平成29年度から新たに提供させていただくサービスといたしましては、新たに展示ケースを設置して、安土城及び安土城下町に関連する文化財の展示及び解説、ブックレットの作成や配付を行います。また、ドアの取りかえによりまして、冷暖房機能がきく休憩室へと変更してまいります。織田信長公、安土城などの歴史、観光関連書籍とグッズ、地場の特産品などの販売のほか、施設での広告掲載、広告入りの観光雑誌やパンフレット、マップなどの掲示や配付も行ってまいります。
 トイレにおいては、BGM音楽を流して、より一層心地よい、快適で安全なトイレ空間にグレードアップを図ります。そのほかに、手持ちのスマートフォンでVR安土城のダイジェスト映像などをダウンロードすることができるARコードつき入場券を発行いたします。
 4月1日からの円滑な新体制への移行と運営に努めてまいりたいと考えておりますので、さらなるご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 質問ありませんか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。
 画一的な大量観光が主流の時代は過ぎ去りつつあります。観光の多様化によって、それぞれの地域の恵みや持ち味を生かす機会が生まれ、観光、地域振興の新たな可能性が開けるとともに、それぞれが地域らしさを意識した地域づくりに取り組むことで地域の多様性が生まれ、この近江八幡市の観光をより豊かなものにしていくように思われます。
 10年前に、近江八幡市の観光のキャッチフレーズで、先行く彦根、追いすがる長浜、後で追い越す近江八幡市とありましたが、いよいよ現実味を帯びてきたと思います。近江八幡市のにぎわいのために、今後の観光施策に期待いたします。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(井狩光男 君) 以上で井上芳夫君の個人質問を終わります。
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