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山本 英夫 議員
令和5年第1回(3月)近江八幡市議会定例会 3月9日(木) 一般質問
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内容
会議録
令和5年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月9日(木) 一般質問
山本 英夫 議員
(1)選択無形民俗文化財保存事業について
(2)重文景観保存活用事業について
◆23番(山本英夫 君) 個人質問をいたしますひむれクラブの山本英夫です。
3月議会を迎えました。この議会の恒例として私は毎年、「湖国に春を呼ぶ」を枕言葉にして日牟礼八幡宮の祭礼、弥生半ばの左義長まつりについて触れさせていただいております。豊臣秀次の城下町八幡山城開城に合わせ、織田信長の安土の城下町から町衆とともに左義長まつりも移されたものと言われ、400年を超える火除け厄除けの伝統のある祭礼であります。コロナ禍を吹き飛ばす明るい話題をもたらすことを願うとともに、盛大に無事故の中で奉納が行われますよう祈念いたすものであります。
そしてまた、現状において近江八幡市議会には3名の山本姓がおりますが、本日はその3名がそろって発言者になっております。当局答弁者が混乱を起こされないように、件数も少なく、時間的にも余裕を持ってゆったりとシンプルに質問をさせていただきますので、明快なご答弁をよろしくお願いいたしておきます。
それでは、発言通告に従い、分割で質問をいたします。
予算額としては150万円、524万3,000円と少額ですが、昨年度との比率ということでは大きな違いが見られます選択無形民俗文化財保存事業、重文景観保存活用事業の、文化振興課が担当課であるこの2つの事業について、確認のための質問をさせていただきます。
まず、選択無形民俗文化財保存事業についてであります。
前段でも申しましたように、この11日、12日に開催をされます左義長まつり、近江八幡市の代表的な火祭りの一つであります。町衆の祭りとして、地域における文化の伝承、コミュニケーションにおいても大きな役割を果たしている、織田信長も踊り出したと言われている祭りであります。この祭りも含め、選択無形民俗文化財保存事業として、当初予算額としては昨年と比べ倍額の計上がされています。保存伝承を図るためとされていますが、どのような取組を考えられての予算計上であるのか、ご答弁を求めたいと思います。
○議長(小西励 君) 当局の回答を求めます。
嵐総合政策部理事。
〔総合政策部理事 嵐 孝雄君 登壇〕
◎総合政策部理事(嵐孝雄 君) 山本英夫議員お尋ねの選択無形民俗文化財保存事業についてのご質問にお答えいたします。
本市が誇る国選択無形民俗文化財である近江八幡の火祭りのうち、県の無形民俗文化財に指定されております左義長まつり、八幡まつり、篠田の花火については現在、保存や伝承、後継者を育成するための事業を対象に補助金を交付をしております。これらの火祭りは、令和2年から新型コロナウイルス感染症の拡大により中止や規模縮小を余儀なくされておりましたが、令和5年からは、感染対策に留意しながら、各祭礼行事とも通常開催が予定されているところでございます。
しかしながら、近年祭礼の根幹となる原材料の入手が困難となっているだけでなく、物価や輸送費の高騰などの影響を受けており、加えてコロナ対策費など、各保存会の負担が増加しております。
また、3年間の中止や規模縮小により、担い手不足がこれまで以上に深刻になっていることが課題となっており、特に製作に係る支援が保存会から求められてきたところでございます。
こうしたことから、本市といたしましては各保存会の活動を支援すべく、補助金の上限を27万円から50万円に増額するものでございます。
本市を象徴する火祭りが継承されることは、若年層を中心とした住民による地域の活性化やコミュニティーの強化、また観光や商業振興等にも寄与することができるものと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(小西励 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 再問をいたします。
選択無形民俗文化財保存事業は、答弁にあるように、3月、弥生半ばの左義長まつり、4月、卯月の八幡まつり、5月、皐月の篠田の花火、八幡を代表するこの3つの火祭りに対し補助されるものであります。それぞれ祭礼に対する思いも成り立ちなどの違いも大きく、取組に対する姿勢も地域性を含め異なりますので、当局においても違いをしっかり認めた上での対応こそが必要であると思われますが、どのようにお考えなのか、ご答弁をお願いします。
○議長(小西励 君) 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄 君) 再問にお答えさせていただきます。
ご指摘いただいておりますとおり、市が選択無形民俗文化財保存事業の対象としております左義長まつり、八幡まつり、それから篠田の花火につきましては、例大祭として伝統を重んじておられるもの、また時代であったり氏子の変化に合わせて進められてきたもの、また例祭を盛り上げるために実施されているものなど、様々というふうに認識しております。
しかしながら、これら3つの祭礼に対する補助としましては、昭和33年に県の無形民俗文化財に指定されたことを根拠としておりまして、一律の補助基準というふうにさせていただいておりますので、ご理解をお願いいたします。
○議長(小西励 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) これらの火祭りにおいては、市においても十分調査をし、それに関しての冊子も出されており、取組には万全を期していただけるものと思いますが、今までの経過等を踏まえ、そのようなものをどのように生かされようと考えておられるのか、ご答弁お願いします。
○議長(小西励 君) 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄 君) お答えいたします。
火祭りだけではなく、本市の祭礼行事につきましては、市史の第3巻で「祈りと祭り」、また第9巻では「地域の文化財」それから広報紙では「ふるさと再発見」というコーナーを設けて、その中で紹介をさせていただいております。
各地域の火祭り行事の詳細な内容や多様性について、情報発信に努めることで市民の理解、周知を図っているところでございますが、引き続き市民の皆様には、祭礼行事が持つ歴史的な価値、また地域の絆につながるという重要性、そうしたことを伝承する意義、これらを関心持ってもらえるように、引き続き情報発信に努めてまいりたいというように考えております。
○議長(小西励 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) この3つの火祭りに限られたものではなく、地域における祭りはどの祭礼も住民にとって大切な文化であり、地域のつながりをつくっていく上で重要な役割を果たしています。行政としてはどのように関わるのか、地域をどのように考えるのかをしっかりと捉え、お取組をいただきますようお願いをいたしておきます。
次に、重文景観保存活用事業についてでありますが、重要文化的景観は全国で第1号指定であり、模範を示すべき大切な事業であります。それにもかかわらず、前年度は25万2,000円の補助であります。
これまでから広大な地域指定の中では、とても事業を行う姿勢が見られない予算額であることから、それに対し以前にも質問をし、苦言を申した経緯がありますが、本年度は524万3,000円と大幅な伸びが見られます。このことに対し、どのように捉えたらよいのか、ご説明をお願いいたします。
○議長(小西励 君) 当局の回答を求めます。
嵐総合政策部理事。
〔総合政策部理事 嵐 孝雄君 登壇〕
◎総合政策部理事(嵐孝雄 君) 山本英夫議員お尋ねの重文景観保存活用事業についてのご質問にお答えいたします。
議員にお示しいただいたとおり、現在、国選定重要文化的景観に全国で71の地域が選定されておりますが、その第1号として近江八幡の水郷が平成18年1月に選定されております。
令和3年10月には、第4次選定で旧安土町域まで拡大し、その象徴であるヨシ原の景観は、なりわいを伴う里山風景として高い評価を得ております。
しかしながら、近年ヨシ産業の衰退や、ヨシ原の所有者の高齢化などにより、耕作放棄地が増加し、生産活動によるヨシ群落の景観維持や琵琶湖固有の生態系維持が困難となっております。これらの景観を維持するためには、耕作放棄地を含め、広域なエリアのヨシ刈り、ヨシ焼きといった保全活動が必要となりますが、大半が個人所有地であることから地域調整が困難であり、またボランティアによる手刈りでは作業範囲に限界がございます。
こうしたことから、ヨシ育成の知識、技術を備えたヨシ保全団体において、景観維持を目的とした機械利用による保全活動を行っていただくことが有効と考え、10年間の活動継続を条件に、団体への活動支援として刈取り用トラクターの購入費を補助するため、500万円を計上するものでございます。
本事業は、重要文化的景観選定地区のヨシ地景観や固有生態系を維持し、次世代に引き継ぐために、速やかに取り組んでいく必要があるというふうに考えております。また、将来的にはヨシ産業の継承や観光産業の発展にもつながるものであることから、官民協働の取組として、ご理解賜りますようお願いいたします。
○議長(小西励 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 現状においても、いろいろと多くの団体が環境保全に取り組んでいただいておりますことに敬意を表し、感謝申し上げるものです。
そうした中で、指定されている地域の範囲も広いところから、補助はどのような団体に出され、事業対象の内容についてはどのようにお考えなのか、もう少し詳しくお示しいただけませんでしょうか。ご答弁をお願いいたします。
○議長(小西励 君) 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄 君) お答えいたします。
ヨシ地保全事業の事業範囲ですけれども、重文景観地区内のヨシ地、これが約110ヘクタールのうち、耕作放棄地など管理が十分でないヨシ地は約55ヘクタールとなっておりまして、この55ヘクタールを対象といたしております。
また、ヨシ地の保全活動をされている団体は複数あるんですけれども、今回補助対象としたい団体としましては、ヨシ地保全活動への実績とともに、ヨシの育成、またそういった技術を備えた団体のうちで年間約20ヘクタールの保全活動を継続的に実施できるよう、また土地所有者との調整もできる団体と考え、現在調整をさせていただいているところでございます。
○議長(小西励 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 滋賀県においても、母なる琵琶湖を抱えており、固有種なども多く見られるところから、自然環境、また健全な生態系の保全にさらなる新たな気持ちを持って取り組まれようとされています。様々な生物が生息する環境の確保に向けて、30by30という生物の多様性保全のため、保護、地域指定などによって健全な生態系として効果的に保全しようとすることに賛同され、先進事例をつくっていこうとの思いを持たれて取り組まれると、年始の知事記者会見で表明されているところであります。
自然環境を含め景観は近江八幡市の大きな誇りでもあります。先祖からの預かり物であり、これからの子どもたちのためにも大切に保存継承しなければなりません。幸いに、住民の取組として、次の世代を担う子どもたちが環境保全の重要性を考える機会として毎年、西の湖ヨシ灯り展も開催されておられるところであります。近江八幡市の変わらぬ姿勢、考えをお示しの上、地域の保全活用にお取組をいただきたいとお願いをいたします。
同じように景観・環境整備でありますが、左義長まつりが行われる八幡宮、また八幡堀周辺においてもいろいろな事業が行われております。八幡堀のヘドロのしゅんせつも白雲橋周辺での作業が行われておりますし、その目の前である八幡宮鳥居の近くでは、懸案でありました由緒ある建造物、これは八幡堀側からの景観としては伝統的建造物群の重要要素でありますが、その建物にようやく手がつけられようとしています。
新町浜周辺、明治橋にかけての無電柱化においては、早期に国における予算措置がされるように仄聞をいたしますが、地元協議を含め、しっかりとお取組をいただくことが必要であります。
以上のことを要望とし、私の個人質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(小西励 君) 以上で山本英夫君の個人質問を終わります。
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