平成29年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月2日(木) 代表質問
加藤 昌宏 議員
(1)冨士谷英正近江八幡市長の所見を問う
①アベノミクスの成否について
②今国会で成立させようとしている「共謀罪」について
③国連の「核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議」と「ヒバクシャ国際署名」について
④格差と貧困「子どもの貧困」について
⑤次期学習指導要領について
(2)平成29年度各会計当初予算の編成について
①予算総額について
②地方交付税の歳入見積について
③プライマリーバランスについて
④一般会計の性質別歳出内訳について
⑤岡山コミュニティエリア及び市庁舎整備事業の内訳について
⑥借金の償還計画、市債と公債費について
⑦地方交付税及び合併算定替えについて
⑧住宅リフォーム助成制度の復活について
(3)株式会社近江八幡、冨士谷市政の財政運営について
①キャッシュフローと財政見通しについて
(4)平成28年度3月補正予算について
①0次予防プラットホーム形成事業について
②国保特別会計への財政支援について
③公共施設整備基金積立金について
(5)病院事業について
(6)平成29年度から公営企業化する下水道事業予算について
(7)国保の制度改正による保険料率の県内統一化にっいて
(8)介護保険制度について
(9)待機児童の解消について
(10)後期高齢者医療制度について
(11)新市基本計画の見直し及び総合計画の策定について
(12)公共施設等総合管理計画の策定について
(13)国土利用計画と市街化区域の追加設定について
(14)庁舎建設と官庁街エリアの土地利用について
◆20番(加藤昌宏 君) 皆さんおはようございます。日本共産党の代表質問をいたします加藤昌宏でございます。
平成29年度は冨士谷市長の任期最後の1年となります。マニフェスト総仕上げの1年として意気込みを固められているものと推測します。多くの大型事業の推進、中でも市庁舎の建設で95億円もの事業費を使うとすることに、多くの市民から無駄遣いはやめてとの声が寄せられています。こういった市政に係る問題に入る前に、私はまず冨士谷市長に対して国政をめぐる幾つかの問題で所見をお伺いするところから入りたいと思います。
大項目の1、冨士谷英正近江八幡市長の所見をお伺いします。
1、アベノミクスの成否について。
安倍首相は、経済で結果を出すとポスターにも記していました。選挙公約であります。アベノミクスの中核に位置づけられた異次元の金融緩和について、安倍首相のブレーンと言われる浜田宏一エール大学名誉教授、内閣官房参与が、通貨供給量をふやすことを主張してきたが、このことの考えが変わったと発言しました。日本銀行の異次元金融緩和の開始から4年たってもデフレからの脱却ができていない問題を問われて答えたものでした。
冨士谷市長のアベノミクスの金融緩和政策へのご認識をお伺いいたします。
2、今国会で成立させようとしている共謀罪について質問します。
安倍政権は、1月20日開会の通常国会で、組織犯罪処罰法改正案にテロ等準備罪という内容を新設しようと狙っています。東京オリンピック・パラリンピックを前にテロ対策の法整備をするというわけです。戦争法に続く安倍政権の危険な動きに学者や弁護士団体を先頭に怒りと反対の声が上がっています。テロ対策を名目に、実際の犯罪行為がなくても相談、計画したというだけで犯罪に問えるもので、いわゆる共謀罪と言われています。これは物言えぬ監視社会をつくり、戦争する国づくりの一環であり、現代版治安維持法とも言うべき悪法、テロ対策の名で国民を欺くものと指摘されています。
冨士谷市長は、この法案についてどう考えるのか、ご所見を伺いたいと思います。
3、国連の核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議とヒバクシャ国際署名について質問します。
昨年12月、国連総会は、核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議を圧倒的多数の賛成で採択しました。2月には国連本部で締結交渉が開始されます。核兵器禁止条約に核保有国が仮に参加しなかったとしても、国連加盟国の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて違法とされます。最も残虐なこの兵器に悪の烙印を押すことにもなる。そうなれば世界は新しい段階に入ることになると、大いなる期待がかかっています。この問題の帰趨を決めるのは世界の世論と運動にかかっている。この情勢を捉えて、広島、長崎の被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名が呼びかけられています。
冨士谷市長は平成22年4月臨時議会で、当時市長職務執行者として私の質問に答え、平和首長会議への積極的参加を表明されました。この国際署名にも近江八幡市として積極的参加を表明し、圧倒的多数の市民の署名を国連に届ける運動を要請したいのですが、冨士谷市長のご所見をお伺いします。
4、格差と貧困、子どもの貧困について。
今、日本の経済と社会の深刻な問題で格差と貧困があります。富裕層への富の集中、中間層の疲弊、貧困層の拡大という特徴が指摘されています。貧困は特別な事情ではなく、倒産、失業、リストラ、病気、親や家族の介護などで職を失えば誰もが貧困に陥ってもおかしくない。下流老人という新語が生まれる背景が渦巻いています。中でも子どもの貧困率は16.3%と深刻です。市長も、子どもが犠牲となる貧困問題をホームページ1月4日「馳走」日記で憂えておられます。
私は、この問題に行政として支援できる仕事として、学業に入る学校入学時の就学援助の入学準備金があります。現行は、入学した後の7月に支給される制度の矛盾が指摘されています。せめて本市においても、入学前支給と増額も含めた実現をお願いしたいのですが、ご検討いただけるでしょうか。
5、次期学習指導要領について。
次期学習指導要領の改訂案が文部科学省によって公表されました。同時に、幼稚園教育要領案も公表し、その中で、文化や伝統に親しむ例として新たに国歌を示しました。厚生労働省は、保育所の運営指針の改訂案で、3歳以上の幼児を対象に国旗と国歌に親しむと初めて明記しました。これらの国の動きをどのように捉えますか、市長及び教育長にお伺いします。
大項目の2、平成29年度各会計当初予算の編成について。
その1、予算総額について。
当初予算として6年連続で更新した過去最大の340億円を超える規模となっています。7つの特別会計、3つの企業会計を合わせると720億円を超える総額予算です。過去最大の総額を記録しました。これらの増加の理由を一般会計では、ふるさと納税の増加、義務的経費の増加を理由としています。特別会計、企業会計では、下水道事業の公営企業化、社会保障関連費の増加の要因を上げています。過去最大の歳出額となった増加分を歳入としてどこで財源を確保するのか、本年度の予算編成について説明をお願いします。
2、地方交付税の歳入見積もりについて。
合併算定がえの段階的縮減等の影響、国の予算削減を考慮して、前年比マイナス5,000万円とした根拠を示してください。
3、プライマリーバランスについて。
平成26年度決算で黒字を回復したものの、平成27年度決算、28年度予算に続いて平成29年度当初予算でも赤字の予算編成となっています。決算に向けて黒字化を目指すとしていますが、歳入確保、歳出抑制、市債の抑制、繰上償還の可能性はあるのか、答弁を願います。
4、一般会計の性質別歳出内訳について。
前年度より増加しているのは、1、補助費等10億円、2、積立金9億6,000万円、3、投資及び出資金5億3,500万円等々で増額し、合計で20億1,000万円の増加となっています。これらの中身を具体的に説明ください。
5、大型事業、岡山コミュニティエリア整備事業、庁舎整備事業の内訳について。
今年度も大型事業に重点配分した予算となっていますが、そのうち岡山コミュニティエリア整備事業に15億5,400万円、市庁舎整備には4億4,000万円が計上されています。本年度のこの事業の内容、内訳について具体的に説明を願います。
また、桐原コミュニティエリア整備事業は既に完了しましたが、これと比べて岡山コミュニティエリアの事業経費、予定について、個別具体的な費用比較を示していただきたいと思います。
6、借金の償還計画、市債と公債費について。
本年度当初予算では市債34億2,160万円を計上しました。公債費は24億4,309万円の予定となっています。市債、借金が公債費返済より多額で推移しており、その負担は将来にわたって大きくなっていくものと思われます。しかも、借金返済の財源は一般財源からとされています。国の交付税措置があるからと言われるかもしれませんが、そのことの検証は示されないのでわかりません。補助金つきの事業に特化する余りに、必ず借金が膨れることになります。このような財政運営は健全財政の確立に有益なのでしょうか、お尋ねをします。
7、地方交付税、合併算定がえについて。
国からの地方交付税や合併算定がえの縮減は今後本市の財政活動にどのような影響を及ぼすと考えているのでしょうか、お尋ねをします。
8、住宅リフォーム助成制度の復活について。
平成28年度は地域経済活性化として移住促進住宅リフォーム制度に切りかえて実施されました。今年度には改めて地域活性化住宅リフォーム促進事業補助金が確保される予算となっています。これはこれまでの議会の意見に耳を傾けていただき、旧来の地域はつらつ住宅リフォーム促進事業の復活と受けとめてよろしいのでしょうか。また、この事業の今後の見通しについて当局の考えをお聞きします。
大項目の3、株式会社近江八幡、冨士谷市政の財政運営について。
1、キャッシュフローと財政見通しについて。
お配りの手元の資料、議長の許可を得ましたのでご参照ください。パネルとしてここに表示をしております。
配付の資料は、中期財政計画、平成28年度見直し版として財政当局が示した資料からキャッシュフロー、手元にどれだけの現金があるのかの部分を取り出したものです。表の左から、平成22年から31年へ、下段に移って平成32年から平成40年と続きます。平成22年から平成27年は、近江八幡の決算として確定した数字です。以降、36年までは今後の事業計画等を勘案した見通しの数字として財政当局が示す数字です。平成30年から平成40年は、私どもが前年の36年度の数字が連続して推移すると仮定した推定値として示しています。数字の単位は100万円です。
左の項目を説明します。
積立金は、毎年の基金積み立て、貯金の額です。
次の繰入金は、たまった基金を取り崩して事業に支出する金額です。
積立金残高は、その年の基金残高、貯金の合計をあらわします。各年度で積立金から繰入金を引いて、単純収支として扱っています。単純収支額に前年の積立金現在高を加えた額が次年度の積立現在高です。
このように計算していくと、平成36年には積み立てが2億5,400万円、繰り入れが19億6,700万円、その差額、単純収支はマイナス17億1,300万円、積立残額は29億1,900万円となります。この年度の数字が以降も継続すると仮定して計算すると、平成38年には積立金残高は底をつき、マイナスとなります。つまり貯金を使い果たし、資金繰りが回らない状況に至ります。このことについてコメントを求めたいと思います。
大項目4、平成28年度3月補正予算について。
1、まち・ひと・しごと創生事業(0次予防プラットホーム形成事業)について。
無医村地域としての武佐地域で、旧武佐コミセンの活用で診療所的医師確保を目指してきた経緯があります。活用者の募集を試みましたが、第一弾としては不調に終わったが、もう少しハードルを下げた条件提示で第二弾の検討がなされていると仄聞していました。議会報告でも、近くにお医者さんをと地域の多くの方の切実な要望の声が上がっていたものです。補正予算で1億6,131万7,000円が急遽上がってきた0次予防プラットホーム形成事業について、これまでの経過とあわせて本事業の内容についての説明を求めたいと思います。
2、国保特別会計への財政支援1億円について。
財政支援として、一般会計財政調整基金からの繰り入れで1億円を積み立てる国保財政調整基金補正の予算化が提案されています。その事情について説明ください。
3、公共施設整備基金積立金8億4,103万1,000円について。
平成28年度の補正で8億4,000万円を公共施設整備基金に積み立てるとしています。今後の公共施設整備事業に充てるための貯金ということです。原資は資金運用収益、普通財産売払収入の積み立てということですが、その内訳を示してください。
大項目の5、病院事業について。
病院事業会計、平成28年度補正予算(第3号)が提案されています。期末最終段階で補正で赤字が3億4,700万円という結果です。医療センターの事業経営に陰りが生まれているのでしょうか。平成29年度当初予算の見通しを示してください。
今後、診療報酬改定や消費税率引き上げの動向も大きく左右すると考えられますが、どのような考え方かを示していただきたいと思います。
あわせて、本市の看護学校の廃止について質問します。
昨年11月1日付で看護学校のあり方検討委員会の提言が発表されました。看護学校の今後について、廃校やむなしとの一定の認識が得られたとして、廃校の時期を平成32年4月1日とし、今議会に提案されています。この看護専門学校運営等に要した費用はどのくらいだったのでしょうか。
過日、平成29年度の最後の入学試験が1月に実施されています。一般入試、推薦入試合わせて、定員40人に112人が受験。2.8倍の競争率だったということです。廃校を前にしてのこの要因をどのように捉えているのでしょうか。検討された内容があれば披露してください。
また、将来の医療センターを初め、市内病院への看護師確保に影響は生じないのか、生じた場合の課題解決の方策はどのようなことが考えられるか、示していただきたいと思います。
本市の医療センターとも医師確保で関係の深い府立医大病院ですが、学長と暴力団との関係が取り沙汰されている問題での影響はないのか、お尋ねをいたします。
大項目の6、平成29年度から公営企業化に進む下水道事業予算について。
特別会計として扱っていた平成28年度当初予算では32億8,600万円、公営企業として扱う平成29年度当初予算42億7,205万3,000円の差額9億8,605万3,000円増の要因は何をあらわすのか示していただきたいと思います。
大項目の7、国保の制度改正県内統一化について。
平成30年4月からの県内統一化に向けて県との協議が始まると伝えられています。国保料率の将来的な一本化を目指すとされていますが、近江八幡市はどのような方針で臨むのか。保険料の引き上げはないのか、お尋ねをします。
大項目の8、介護保険制度について。
全国一律の予防給付、訪問介護、通所介護を市町村が取り組む地域支援事業に移行し、多様化を図るとした制度変更について、保険外しと指摘して議論してきました。今日の時代に立って進捗と到達、課題について説明ください。
介護保険制度について政府は、3割負担導入や介護度改善度合いに応じて財政インセンティブを図る調整交付金の支援差別の制度等が2月7日に閣議決定されました。どのように受けとめられていますか、所見を伺います。
大項目の9、待機児童の解消について。
安倍政権の公約でもある待機児童の解消は未達成に終わっています。滋賀県下でも最悪の状態となっています。本市の平成29年度の入園募集の結果で本市の状況はどうだったのか、説明を求めます。
待機児童と隠れ待機児童の人数を示していただきたいと思います。
市は、2つの公立幼稚園と保育園を廃止し、3つの認定こども園の設置を方針化しています。以後、どのように進捗しているのか、詳しい説明をお願いします。
大項目の10、後期高齢者医療制度について。
所得割の保険料の軽減措置が平成29年度から縮小され、平成30年度には廃止されることが決まっています。本市での対象者の数を示してください。
また、74歳まで扶養家族だった軽減措置9割軽減の人が平成29年度から引き下げとなり、保険料のアップになります。この方たちの人数も示してください。
大項目の11、新市基本計画の見直し及び総合計画の策定について。
昨年9月に説明がありました。平成24年6月施行の東日本大震災による被害を受けた合併市町村に係る地方債の特例に関する法律の一部改正する法律により、合併推進債の発行可能期間が5年間延長された。合併推進債を延長するには、新市基本計画の延長を行う必要がある。旧市町の約束事である性質上、抜本的な変更はできないとの説明でした。被害を受けていない合併市町村も対象とするのはなぜですか。平成21年から平成31年を平成36年まで延長することで、合併推進債の発行が延長して可能となるという意味について説明ください。
本市の発行可能期間切れはいつになるのか。発行可能額はあるのか。これまでの本市の活用した額はどのくらいか。抜本的変更はどういうことか。庁舎整備の計画は抜本的変更に入らないのか。これらの疑問にもお答えください。
総合計画の策定作業については、第1次分として債務負担行為での予算化が提起されています。新市基本計画は平成36年まで延長するが、平成32年から総合計画に切りかえるということなのか、以上についてお答えを願います。
大項目の12、公共施設等総合管理計画の策定について。
昨年2月に近江八幡市の公共施設等白書がまとめられました。計画では、今年度中に公共施設等総合管理計画として近江八幡市の公共施設等を総合管理していくための基本的な考え方、方針、数値目標、民間との連携も視野に入れた推進体制を示すとされていました。具体的な実施は今後になるとしても、現在の進捗状況、まとまっているのであればその概要について説明を求めたいと思います。
大項目の13、国土利用計画と市街化区域の追加設定について。
平成25年3月議会で近江八幡市国土利用計画につき議決を求める議案が賛成多数で可決されました。市街化区域の線引きの見直し、市街化調整区域も含め、産業集積、宅地等への有効活用など、土地利用のあり方を見直すとされました。以後、市街化想定区域が8カ所、82.2ヘクタールにわたって設定されるなどの推移がありますが、どのようになっているのか、今日の時点での状況を説明ください。
大項目の14、庁舎建設と官庁街エリアの土地利用について。
市は、近江八幡八日市都市計画地区計画で、官庁街周辺エリアの部分で行政拠点地区をにぎわい・交流拠点地区へと変更しました。これは市庁舎建設の議論をめぐって、この空間土地はどうしても残しておきたかった当局の意図が今ここに来てはっきりしてきました。当初より市庁舎の建設場所を病院跡地ではなく、現庁舎敷地に窮屈な形で建設することを譲らなかった理由が浮かび上がります。
1月12日の全員協議会にて、官庁街エリアの土地利用について、この空間土地を定期借地権方式で民間企業に貸し与えることの説明がありました。
そこで、質問ですが、民間企業に対してどのようなことに期待をかけているのか、どのような企業が参加してくるのか、サウンディング型市場調査と事業者の選択について説明ください。
なお、この話を聞いた後の1月30日付で、この空間地の一つ、保健所跡地2,100平米が市有地一般貸し付け、条件つき一般競争入札にかかっていることを知りました。民間事業者から広く意見、提案を求めるとしたサウンディングではなくなった事情を説明ください。
市民から出た意見で、防災のための避難場所、公園などの要望もあったと思いますが、この要望についての検討はなされないのでしょうか。
以上、私の初問といたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
冨士谷市長。
〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) おはようございます、皆さん。
それでは、加藤議員の代表質問、数多く頂戴をしまして、そのうち4点、僕のほうから答弁を申し上げたいと存じます。
まず1点目でございますが、加藤議員がお尋ねのアベノミクスの成否についての認識をというご質問にお答えをさせていただきたいと存じます。
ご承知のとおり、平成24年12月に発足した第2次安倍内閣は、長期のデフレ脱却を目指し、大胆な金融緩和政策を行う一方で、東日本大震災の復興支援などを目的とした公共事業の積極的な投資で景気を下支えした結果、株価は上昇し、大手企業を中心に賃上げが実施されるなど、一定の成果を見せました。しかし、その後消費税増税を先送りするなど、成長戦略は道半ばであり、日本銀行がマイナス金利政策を打ち出したものの、円高が進み、成長率はゼロ近辺にとどまるなど、アベノミクスはいわば一進一退の感があるように思われます。
市政を預かる者としては、経済成長の推進力として発せられた新たな3本の矢が地域経済へ好影響を及ぼすことに期待をかけたいと考えているところでございます。
次に、今国会で成立させようとする共謀罪についてのご質問にお答えをいたします。
新聞報道等によりますと、1月20日に招集されました通常国会において、日本の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律、いわゆる組織犯罪処罰法の改正案が提出されることが話題となっております。この法案は共謀罪ではなく、テロ等準備罪として認識いたしております。テロ等により国民の命や財産が失われないよう、このような法律により対策がとられることは、国民の安全・安心のためには必要であろうと思っているところでもございます。
なお、法案の内容につきましては、現在国会で議論中でありますので、その推移を見守りたいと存じます。
次に、国連の核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決意とヒバクシャ国際署名について所見を述べさせていただきたいと存じます。
我が国は世界で唯一の被曝国であり、加えて原子力発電所の大規模災害を経験し、核兵器の廃絶や核の平和利用のあり方等について国際社会に向けて訴えていくことが今まさに私たちに課せられた使命であると考えております。このようなことから、本市では平成27年3月18日に核兵器廃絶平和都市とすることを宣言し、平和を守ることを強く訴え、核兵器廃絶に向け、市民社会が総力挙げて取り組まれることの後押しに力を傾注しているところでございます。
核兵器廃絶の進展に向けて、ヒバクシャ国際署名活動のように市民活動としてさまざまな団体の積極的な取り組みを期待しており、市民、議会、行政がそれぞれの立場で最大限連携協力することが重要であると考えているところでございます。
次に、次期学習指導要領についてのご質問にお答えいたしたいと存じます。
このうち保育所保育指針についてのご質問でございます。
厚生労働省では、社会保障審議会児童部会保育専門委員会の議論を踏まえ、平成20年施行の保育所保育指針について所要の改正を行い、平成30年4月から適用予定で、現在パブリックコメントを実施されています。また、幼・保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂についても、内閣府においてパブリックコメントを実施中であります。
これらの改正趣旨は、子どもの育ちと子育てを社会全体で支える子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、幼稚園教育要領、保育所保育指針及び幼・保連携型認定こども園教育・保育要領の整合性を図り、小学校における教育との円滑な接続に配慮することとしています。
議員ご指摘のとおり、保育所保育指針の改正内容では、3歳以上児の保育に関する狙い及び内容において、国旗に親しむ、正月や節句など我が国の伝統的な行事、国歌、唱歌あるいは童歌や我が国の伝統的な遊びに親しむとの記述がありました。幼稚園、保育所及びこども園における就学前教育・保育は、義務教育ではないものの、その後の小学校での生活や学習の基盤となることから、指針にも示されているとおり、国を愛し、大切に思う心の育成や、異なる文化に触れる活動により、国際理解の意識の芽生えにつながるものと考えているところでございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
青木総合政策部長。
〔総合政策部長 青木勝治君 登壇〕
◎総合政策部長(青木勝治 君) 皆さんおはようございます。
それでは、加藤議員ご質問の大項目2、平成29年度各会計当初予算の編成について、⑤のうち、お尋ねの市庁舎整備事業の内訳についてお答えいたします。
平成29年度の市庁舎建設費の4億4,000万円の主な歳出は、実施設計費に1億1,930万5,000円、解体撤去工事費に2億2,988万6,000円、移転業務委託費に2,992万5,000円、施設改修費に5,391万4,000円を見込んでおります。
続きまして、大項目11の新市基本計画の見直し及び総合計画の策定についてのご質問についてお答えいたします。
まず、被害を受けていない合併市町村が対象となる理由ですが、平成24年の法改正時の総務省による見解は、東日本大震災の発生後における合併市町村の実情に鑑み、合併市町村が新市基本計画に基づいて行う公共的施設の整備事業等に要する経費に充てるための地方債を起こすことができる期間を延長する必要があるためとされています。
議員もご存じのとおり、ここ数年、建設工事の入札が不調となっている原因の一つとして、東日本大震災の復興事業が本格化していることが上げられます。これにより、被災市町村以外の市町村では工期延長が余儀なくされている現状がありますので、このことが被災市町村以外の市町村が延長の対象となった理由であると推察されます。
次に、新市基本計画の延長と合併推進債の発行期間延長との関係性でございますが、さきに述べましたとおり、合併推進債の対象となる事業は、新市基本計画に基づいた事業であると定められていることから、合併推進債の発行期間の延長を行うためには、新市基本計画の延長が必然であり、本議会に上程したところでございます。
3点目に、合併推進債の発行可能期限でございますが、対象可能となる事業は新市基本計画に基づき実施するものと定められていることから、延長しない限り平成31年度予算計上分までとなります。
4点目に、発行可能額でございますが、上限は定められておりません。
5点目に、これまでの活用実績についてでございますが、給食センター整備事業や情報システム統合事業など15億6,600万円となっております。
6点目の抜本的な変更とはどういうことかということでございますが、新市基本計画の見直しについては、12月議会でもお答えいたしましたとおり、今後の市政に係る重要事業や地域における課題などを十分に精査した上で、一定の見直しを行う必要があるとの考えに至り、総務省へ確認した結果が、議員からお話しされた回答に至ったものでございます。すなわち旧市町で約束した内容を変更することは難しい。言いかえますと、社会情勢が変化し、それに対応するためであるとはいえ、大幅な変更はできないという結論に至ったものでございます。
7点目の市庁舎整備の計画は抜本的変更に入らないのかということでございますが、庁舎整備については、既に新市基本計画には基本目標6の③行政経営の推進の中で、新市にふさわしい公共施設整備の検討の項目で想定されておりました。このことから、市庁舎整備に取り組む方向を明確に示すために、近江八幡市庁舎整備等基本計画を引用して変更したものでありまして、抜本的変更という認識はございません。
最後に、新市基本計画は平成36年度まで延長するが、平成32年度から総合計画に切りかえるということかというご質問でございますが、12月議会の答弁で申し上げましたとおり、総合計画につきましては、新市基本計画の見直しが必要最低限の変更となったこと、また新市基本計画を策定して約8年が経過し、社会の情勢も変化していることから、今後の本市の方向性を定めるために、新市基本計画の基本方針、基本計画を踏まえながら策定する方向で検討しているところであります。つまり総合計画を市の最上位計画として位置づけ、各種施策に取り組んでまいりますので、切りかえるということではなく、新市基本計画を受け継ぐ、時代に即した近江八幡市のかじ取りを行うにふさわしい計画を策定したいと考えております。
次に、大項目14の庁舎建設と官庁街エリアの土地利用についてお答えいたします。
サウンディング型市場調査と事業者の選択につきましては、旧市民病院跡地などの官庁街エリア内の市所有地の有効活用の検討に当たって、市場と乖離した公募条件を設定しないための市場調査方式として検討しているもので、調査の実施により、事業者から広く意見、提案を求められ、民間の豊富なアイデアなどが収集できるとともに、対応を通じて市場性などを把握し、結果、参入しやすい公募条件の設定ができ、事業者の参入意欲の向上にもつながる事業手法であると考えております。
また、事業者の選択につきましては、サウンディング調査の実施結果を参考に市の要求水準の決定を行い、プロポーザルなどの選定方法により、当市の官庁街エリアのまちづくりに最もふさわしい事業者の特定が行えるものと考えております。
続きまして、保健所跡地がサウンディング調査でなくなった経緯につきましては、これまでの市場調査の結果から、保健所跡地の敷地規模は事業者の参入意向に応えることができるとともに、公募条件の設定内容と市場要求とが乖離しないものであるため、去る2月24日に一般競争入札で実施したものでございます。
なお、防災のための避難場所、公園などの要望につきましては、平成28年2月に策定いたしました市庁舎整備等基本計画に示すとおり、官庁街エリアの防災機能として周辺住民などが一時的に避難できるオープンスペースの確保を目指しており、市庁舎整備基本設計案では、新庁舎の前庭を災害時には防災広場として活用できるよう確保することとしており、サウンディング調査においても、防災機能のさらなる充実を図るため、事業者からさまざまな提案を求めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
益田総務部長。
〔総務部長 益田卓弥君 登壇〕
◎総務部長(益田卓弥 君) 皆さんおはようございます。
加藤議員のご質問のうち、総務部所管に当たります10項目のご質問にお答えをいたしますので、少し長くなりますがよろしくお願いをいたします。
まず、質問大項目の2の1番であります。平成29年度各会計当初予算の編成についてのうち、平成29年度の各会計当初予算の総額が過去最大となり、財源をどのように確保したのかというご質問にお答えをいたします。
一般会計につきましては、ふるさと納税寄附金という歳入予算の増加が要因であり、全国の皆様からのご寄附については、歳出において確実に積立金に積み立てているところでございます。このほか、義務的経費も増加しておりますが、国県支出金を初めとする特定財源については、その所要額を確保するとともに、市税などの一般財源を予算計上させていただいて財源確保をさせていただいたところでございます。
特別会計につきましては、国民健康保険特別会計、介護保険事業特別会計など、保険給付費を初めとする社会保障関係経費の増加によるものであり、その財源につきましては、法で定められておりますとおりに、保険料、国県支出金、基金などと一般会計からの繰入金で充当させていただくものでございます。
企業会計につきましては、下水道事業の公営企業法の適用により、これまで予算計上しておりませんでした減価償却費などを予算計上したことによるものであり、現金収支上においては大きく増加したものではございません。
よって、一般会計、7つの特別会計、3つの企業会計を合わせた予算規模が過去最大となっておりますが、社会情勢や制度変更などによる影響によるものであり、市民サービスとして必要な歳出に応じ必要な財源の確保をしているところでございます。
次に、質問項目2の2番目の地方交付税が前年度より減額となった歳入見積もりに係ります質問にお答えをいたします。
合併算定がえの縮減段階が50%となりますが、一方で行政区域の広域化による総合支所などの財政需要も増加して算定されることから、単純に縮減となるとは想定しておりません。基準財政需要額の増加や基準財政収入額である市税などの歳入見込み状況に加え、国の予算における総額を勘案した中で、前年度より5,000万円減の49億円とさせていただいたところでございます。
次に、質問項目2の3番目のプライマリーバランスに係るご質問にお答えをいたします。
平成28年度一般会計補正予算(第8号)において提案させていただいておりますように、市債の発行額を約8億5,000万円減額しており、これまでの決算の実質収支の推移から、5億円以上の黒字の実質収支を計上していることを踏まえまして、28年度の決算におけるプライマリーバランスの黒字化は達成できるものと見込んでおります。平成29年度においても、補正予算の編成において引き続きプライマリーバランスの黒字化に向けまして、市債の発行の抑制、繰上償還の実施などを検討してまいりたいと考えております。
次に、質問項目2の4番目でございます、一般会計の性質別歳出において前年度より増加している内訳についてのご質問にお答えをいたします。
下水道事業特別会計に対する一般会計からの繰出金につきましては、これまで性質分類として繰出金として計上をさせていただいておりましたが、地方公営企業法の適用により、その繰出金を性質分類として補助費などと投資及び出資金に区分しており、その影響による増減が生じているものでございます。
また、積立金につきましては、ふるさと応援寄附金は全額基金に積み立てをする条例としていることから、寄附金歳入の増加に伴い積立金が増加したものでございます。
加えて、ふるさと応援寄附の謝礼については、補助費などとして区分しておりまして、寄附金の増加に伴い、あわせて増額しているというところでございます。
その他の歳出予算については、市民サービスの提供に最大限対応した中で増減が生じたものでございます。
続きまして、質問項目2の6番目の市債と公債費に係るご質問にお答えをいたします。
これまでからご説明しておりますように、本市ではプライマリーバランスを黒字化し、基金を増強し、市民生活に密着した大型施設整備が実施できる環境を整えた中で、一般廃棄物処理施設や篠原、安土の両駅の周辺整備など事業実施を進め、中期財政計画など、常に先を見据えた中でさまざまな事業を進めているところでございます。あわせて、事業を実施する際には、国県補助金の財源を確保し、できるだけ市民負担の少ない形での事業実施を進めているところです。
また、市民負担については、世代間負担の平準化の観点により、市債や基金を活用し、できるだけ単年度の市民負担を少なくした形での財政運営を進めているところでございます。さらに、市債の交付税措置による財源保障制度も最大限活用しながら、より市民負担の少ない形で財政運営を行うことが重要と認識しているところでございます。加えまして、プライマリーバランスのご質問に回答しましたように、平成28年度の3月補正においても、大幅な市債発行を抑制した中で健全財政の運営に努めているところでございます。
次に、質問項目2の7番目の地方交付税、合併算定がえによる交付額の縮減の影響に関するご質問にお答えをいたします。
地方交付税は、国税5税の一定割合を基本にしつつ、国の地方財政計画における地方財政全体の標準的な歳入歳出の見積もりに基づき算定されるものであり、この概念的な理論であれば、今後社会保障関係経費が増加すれば標準的な歳出が増加することから、地方財政計画上、交付税は増加となるものです。
しかしながら、地方に交付されるベースの交付税については、平成29年度は前年度より3,705億円の減の16兆3,298億円となっており、その要因といたしましては、地方税及び地方譲与税が4,683億円の増ということで、41兆6,027億円と増加していることによるものでございます。よって、交付税については、単体で議論するのではなく、税や地方譲与税なども含めた一般財源総額においてその影響を鑑みるものと考えております。
また、合併算定がえの縮減につきましては、先ほどの本年度の交付税の質問に際して回答させていただきましたように、地方交付税の交付額は一定の縮減は受けるものと考えておりますが、国は平成25年度の時点で合併算定がえが全国で約9,500億円となるが、行政区域の広域化を反映した算定を平成26年度から5年間をかけて、その7割に当たる6,700億円を措置するとしておりまして、措置終了となる平成31年度まで交付税算定動向について注視をしてまいりたいと考えております。
続きまして、質問項目の3の1番目、キャッシュフローと財政見通しに係るご質問にお答えをいたします。
当該質問でご説明されました資料については、現在公金支出等差し止め請求事件の原告から提出されている裁判資料と同内容でありまして、裁判において審議されるべきものであり、本議会で議論すべきではないと考えておりますので、答弁については差し控えをさせていただきます。
なお、中期財政計画の前提条件や内容を十分理解されず、一方的な推定による繰入金と積立金を単純に延長するだけで収支不足を判断するという乱暴な数値を提示されることにつきましては、市民を混乱させることにつながると考えているところでございます。よろしくお願いをいたします。
次に、質問項目の4の平成28年度3月補正予算についての3番目の平成28年度一般会計補正予算(第8号)の公共施設等整備基金積立金に係るご質問にお答えをいたします。
平成28年度一般会計補正予算(第8号)の歳入において、15款財産収入、1項財産運用収入において公共施設等整備基金利子を506万円、同じく2項として、財産売払収入において普通財産売払収入を2,719万8,000円を計上させていただいており、その相当額について積み立てをさせていただいたほか、今後の公共施設の整備に向けて8億877万3,000円を増強させていただいたものでございます。
一般会計の基金につきましては、特に財政調整基金、減債基金と公共施設等整備基金の3つの基金が重要と捉えておりまして、時々の事業執行と財政運営において重要となる基金を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、質問項目5の病院事業のご質問のうち、看護専門学校に係る運営等の費用と平成29年度入学生の推薦・一般入試に係りますご質問にお答えをいたします。
看護専門学校の運営等に関する費用につきましては、平成27年度決算ベースですが、教職員の給与費で9,970万円、施設の維持管理費用で340万円、学校の運営費で2,360万円、合計1億2,670万円となっております。
歳入については、授業料が3,540万円、入学考査及び入学金が530万円、諸証明の手数料などで20万円の合計4,090万円となっており、差し引き8,580万円が実質の費用となっているところでございます。
次に、昨年11月1日に看護専門学校の今後のあり方検討委員会から廃校やむなしの提言をいただき、平成29年度の入学試験の動向を心配しておりましたが、入学後は卒業までの教育体制と教育環境を確保し、本校の卒業と看護師国家試験100%合格を目指し、学生への支援をすることが市の責務であることを示したことや、公立の学校であるという安心と信頼感、高い国家試験合格率など、これまでの学校運営への評価をいただいた結果というように考えております。
次に、看護師確保につきましては、市立総合医療センターを除く市内2病院における本校の卒業生の就職状況につきましては、過去5年間では毎年2病院で2から5名と少数であり、大きな影響とまでには至らないと検討委員会でも判断をされ、閉校まで最低3年間の期間を要することから、看護師の需給バランスや地域の医療構想などの動向に注視し、県や国とも連携を持ち、各病院が看護師確保に独自の取り組みを進めること、そして看護師が不足する場合には市行政として新たな支援を検討する必要があると提言いただいておりますので、看護師確保の状況を把握し、必要に応じて支援を検討してまいりたいと考えているところでございます。
最後に、質問項目12の公共施設等総合管理計画についてのご質問にお答えをいたします。
まず、現在の進捗状況につきましては、昨年5月に実施いたしました市民アンケートを初め、都市経営推進リーダー会議、行政改革推進本部会議及び公共施設等マネジメント推進委員会といった庁内、庁外の組織での数回にわたる議論のほか、1月に実施いたしましたパブリックコメントを経て、去る2月16日に行政改革推進本部会議において承認をされ、策定を完了したところでございます。現在、3月末の公表に向けまして最終の確認を行っているところでございます。
次に、計画の概要でございますが、初めに当計画は、今後40年間を見通した中で平成29年度から平成38年度までの10年間を計画期間とする公共施設などの管理に関する基本的な考え方及び数値目標を示すものでございます。
当計画における基本的な考え方でございますが、公共施設につきましては、今後の人口減少や少子・高齢化に伴う施設の利用需要の変化を見据え、統廃合による施設数や面積の縮小といった総量の縮減にとどまらず、多機能化、複合化を基本として市民サービスの確保と利便性の向上を図り、財政負担の軽減と平準化、安心・安全の確保に取り組むものとしております。
一方、道路、橋梁、上下水道などのインフラにつきましては、市民が安全で豊かな生活を営むために不可欠な社会資本であり、人口減少下においても、施設のように統廃合や複合化といったことは困難なため、総量の縮減は実質的に不可能であると考えております。したがいまして、長寿命化による財政負担の軽減と平準化を図るとともに、効率性、経済性を追求した適切な改修や更新により安心・安全の確保に取り組むものとしております。
また、数値目標でございますが、公共施設につきましては、本市と同じ人口規模の類似団体における人口1人当たりの延べ床面積の平均値を参考にした保有量の面と今後の更新経費と投資的経費見込み額を勘案した財政面の2つの方向から算定し、施設の延べ床面積を40年間で34%、計画期間の10年間で7%削減するという目標を設定しております。
一方、インフラにつきましては、これまでの劣化や破損が起きてから対応する事後保全という手法から、日ごろから定期的な点検や診断により劣化や破損を未然に防ぐ予防保全への転換を図ることにより、10年当たりの更新費用を20%削減するという目標を設定したところでございます。
今後、これらの基本的な考え方や方針に基づき取り組みを進めていくわけではございますが、これらを実現していくためには、平成29年度から平成30年度の2年間で策定をいたします各個別計画の策定と着実な推進が不可欠であります。あわせまして、公共施設などの現状や課題を正確かつタイムリーに発信をいたしまして、議員の皆様を初め市民の皆様との情報共有のもと、合意形成を図りながら推進していくことも重要であると考えております。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
姓農市民部長。
〔市民部長 姓農彰宏君 登壇〕
◎市民部長(姓農彰宏 君) おはようございます。
それでは、加藤議員の大項目4番目、3月補正予算についてのご質問のうち、②国保特別会計への財政支援1億円についてお答えをいたします。
今議会に提案させていただいております3月補正予算額を含めた国民健康保険特別会計の平成28年度歳出予定額は95億3,202万円で、そのうち保険給付費は60億2,353万2,000円となっております。この額は昨年度の保険給付費決算額の4.9%増となっており、昨年度の下半期での急激な医療費増加を想定しながら算出しているものであります。
保険給付費が増加している要因としましては、心疾患などの高額医療件数の増加や高額薬剤の開発、承認が進んでいることが主な原因となっています。
歳入においては、保険料を初め国、県等からの歳入確保を行いながらも、財政調整基金を取り崩しながらの財政運営となっており、平成29年度の医療費増加の見込みに対応し、保険者として適正に国保財政を運営するために財政支援するものであります。
なお、増加し続ける保険給付費の問題は全国的なものであり、今後の国保財政については、平成30年度からの国保制度改革により対応していくこととなります。
続きまして、大項目7番目の国保の制度改正についてのご質問にお答えをいたします。
国民健康保険制度改革による県内保険料率の将来的な統一については、各市町の所得水準や各市町が行っている医療費適正化事業、保健事業等において違いや差がある状況であるため、さまざまな要因を十分検討しながら統一化を目指していくべきであると考えております。
最後に、大項目10番目、後期高齢者医療制度についてお答えをいたします。
まず、算定基礎となる所得の額、総所得金額から33万円を引いた額でございますが、これが58万円を超えない方の所得割額の軽減割合についてですが、平成28年度、5割軽減から平成29年度は2割軽減となります。本市での対象者数は、平成29年1月末現在で1,101人になります。
次に、75歳の誕生日前日まで職場の健康保険等の被用者保険に加入している方に扶養されていた被扶養者の保険料の均等割額軽減割合についてですが、平成28年度、9割軽減から平成29年度、7割軽減となります。本市での対象者数は平成29年1月末現在で1,493人となります。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
鳥居福祉子ども部長。
〔福祉子ども部長 鳥居広子君 登壇〕
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) 加藤議員の大項目9番目、待機児童の解消についてのご質問にお答えをいたします。
平成29年度保育所一斉募集につきましては、募集人数525人に対して538人の入所申し込みがありました。ただし、申し込み児童数538人は、現在の在籍保育所から別の保育所への転園希望、保育要件が満たされていない方も含めた総申込数であり、すぐに待機に結びつかない方も含まれています。また、希望される保育所と年齢別の募集人数が合わないケース、一部の保育所に申し込みが集中したことにより、一斉募集の入所選考において待機扱いとなった方を対象に、1月中旬には空き枠照会及び希望園を追加変更できるよう対応を図り、一人でも多くの方に入所いただけるよう取り組みをさせていただきました。
次に、平成28年10月1日現在の本市の待機児童数は81名で、新聞記事等で報道されている隠れ待機児童数について、保育所への入所がかなわず育児休業を延長された場合など、いわゆる待機児童81名にカウントしていない児童数は44名となっています。
なお、平成29年4月の待機児童数につきましては、現在も継続して入所選考並びに利用調整を行っておりますので、現時点で見込むことはできません。
最後に、桐原及び桐原東小学校区の認定こども園の進捗状況は、さきの北川議員の代表質問でお答えしたとおりで、さらに岡山小学校区の認定こども園につきましても、設置運営法人を決定したことから、平成31年4月開園に向けまして関係機関との事前協議及び各種手続を行っておりますので、ご理解、ご協力をお願いをいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
津田福祉子ども部理事。
〔福祉子ども部理事 津田幸子君 登壇〕
◎福祉子ども部理事(津田幸子 君) 議員ご質問の大項目4、平成28年度3月補正予算についての①0次予防プラットホーム形成事業についてお答えいたします。
まず、これまでの経緯についてでございますが、先日の田中議員の回答でお答えしましたとおり、昨年、医療及び福祉サービスを提供する事業者の募集を行いましたが、応募者がありませんでした。その後も検討を重ねる中で、昨年8月、未来への投資に向けた地方創生拠点整備交付金が創設され、健康づくりに資する内容として申請、採択されたものです。
また、本事業の内容につきましても、昨日回答いたしましたとおり、病気になる手前で先手を打って予防する0次予防を実現するため、武佐コミュニティセンター及び隣接する消防センターを拠点として改修し、0次予防に携わる人材育成と地域への供給マッチングを図るプラットホームを形成するものでございます。
続きまして、大項目8番の介護保険制度についてのご質問にお答えいたします。
まず、平成27年の介護保険制度改正に伴い、地域支援事業に位置づけられました新しい介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、介護予防の取り組みの強化と、地域の中に多様な生活支援や支え合いの仕組みを整備することで、高齢者が住みなれた地域でできる限り自立した生活が送れることを目指しております。
今年度から介護保険の予防給付として要支援者に提供されていたサービスは、現行相当サービスと市が実施する新たな独自サービス、地域の多様な主体によるサービスに移行するよう進め、今年度中には総合事業に移行が完了いたします。
総合事業実施の現状といたしましては、新しい通所型サービスについては、身体機能、生活機能の改善効果が見られ、総合事業サービスから地域活動への場へ移行が進んできております。その成果を踏まえ、今後は適正なケアマネジメントに基づき、現行相当サービスから新たな総合事業サービスへの移行、民間サービスも含めた地域の多様なサービスを創出し、高齢者の状態に応じた総合的なサービスの提供と支援体制の整備を進めてまいります。
次に、介護保険制度改正の閣議決定に対しましては、高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止、地域共生社会の実現を図るとともに、制度の持続可能性を確保することに配慮し、サービスを必要とする方に必要なサービスを提供するものと認識しております。
介護保険制度は平成12年4月に開始され、それ以降、時代の流れやニーズに対応すべく制度改正がなされ、その都度さまざまなご意見がございます。超高齢化社会を迎える現在、介護保険に係る給付費は年々増加傾向にあり、2025年に向けて状況はさらに厳しくなることが予想されております。このような状況において、限られた財源の効果的な配分と世代間、世代内の公平性を担保しつつ、制度の持続可能性を高める観点から、利用者負担割合や保険料の議論がなされ、誰もが平等によりよい介護が受けられるような制度改正が必要であると考えます。
今回の制度の見直し案では大きく5項目、1点目、保険者機能の強化による自立支援、重度化防止に向けた取り組みの推進、2つ目、新たな介護保険施設の創設、3つ目、地域共生社会の実現に向けた取り組みの推進、4つ目、現役世代並みの所得のある者の利用者負担割合の見直し、5つ、介護納付金における総報酬制の導入であり、自立支援介護の評価方法や指標を初め、市町村と都道府県の役割、交付金額や各種規定の整備など、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
今後も、後期高齢者の増加に備え、介護保険制度を安定的に運営するためにも、介護保険の理念である高齢者の自立支援と尊厳の保持ということを踏まえ、高齢者を支える介護サービス、生活支援サービスの整備に努めてまいりますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
廣瀬都市整備部長。
〔都市整備部長 廣瀬信之君 登壇〕
◎都市整備部長(廣瀬信之 君) 加藤議員のご質問のうち、大項目2つ目の5番の岡山コミュニティエリア整備事業に係るご質問にお答えをいたします。
平成29年度予算の事業内訳でございますが、年度当初から造成工事等に取りかかり、その事業予算が2億9,688万円で、本年秋ごろから着手を見込んでおります岡山小学校及び岡山コミュニティセンターの建設事業費が本年度内の進捗分としてそれぞれ11億3,920万円と1億1,292万円を見込んでおります。あわせて、こどもの家の実施設計費563万円を計上しております。
ただし、現在小学校やコミュニティセンター等の詳細設計に入っており、建設費用の積算をしているところでありまして、現状において個別の比較はできませんが、全体事業費は中期財政計画に記載のとおり、約37億5,000万円を想定しています。桐原コミュニティエリアにつきましては、約45億円で竣工しておりますが、道路の新設等によるエリア敷地規模や造成、建築面積の差によるものと考えております。
次に、大項目13番目の国土利用計画と市街化区域の追加認定についてのご質問にお答えをいたします。
本市の区域区分の見直しは、当初は市街化区域の随時編入を視野に入れ、平成26年1月に上位計画である市国土利用計画に整合し、なおかつ市の発展に寄与する土地利用増進を目的に、8カ所の市街化編入想定区域を公表し、広く意見を求めるところからスタートしています。その後、近江八幡八日市都市計画区域において、平成26年度に都市計画基礎調査が、また平成27年度には調査結果に基づく解析が滋賀県において実施され、区域区分の定期見直しが実施される運びとなりました。これを受けまして、本市においては公表した想定区域を基本に、市庁内における調整や土地改良区といった地元組織等との調整を重ね、平成28年11月に他の1市2町と歩調を合わせ、編入に係る市の素案を滋賀県に提出したところでございます。
現在、本市では滋賀県庁内における農林調整において要請を受けた資料整備等の処理を行っているほか、地権者の方にご理解、ご協力いただくために、それぞれの地区別に地権者説明会を開催し、編入の区域、規模、まちづくりの方向性等をお示ししたところです。
本市においては、今後も引き続き諮問機関からのご意見などを参酌させていただきながら、地権者の皆様や地元の合意形成と本市がすべき国や滋賀県からの要請に遅滞なく対応することで、国と滋賀県における農林調整と都市計画決定手続の進捗を強く要請し、早期の市街化編入の実現を図り、国土利用計画に示す本市の発展のための土地利用増進と理念を実現したいと考えております。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
小西産業経済部長。
〔産業経済部長 小西正彦君 登壇〕
◎産業経済部長(小西正彦 君) 加藤議員の大項目、平成29年度各会計当初予算編成のうち、8番目の住宅リフォーム助成制度の復活についてのご質問にお答え申し上げます。
地域経済活性化住宅リフォーム促進事業については、新年度、市民を対象に事業を実施する予定であります。事業内容につきましては、平成27年度に実施しました地域はつらつ住宅リフォーム促進事業の内容とほぼ同一の内容で実施する予定であり、4月中旬から5月上旬までを受け付け期間とし、5月中旬に公開抽せんを行ってまいる予定でございます。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
西村水道部長。
〔水道部長 西村清司君 登壇〕
◎水道部長(西村清司 君) 加藤議員ご質問のうち、平成29年度から地方公営企業化に進む下水道事業予算についてお答えいたします。
下水道事業が平成29年4月1日に地方公営企業法の規定の全部を適用する公営企業となります。これまでの特別会計では、現金のみの収支を捉えた単式簿記でしたが、法適用後の企業会計では、現金の変動がなくとも取引の発生時点を捉えた発生主義に基づく複式簿記となることから、予算も収益的収支と資本的収支の2本立てとなります。これまで整備した管渠や施設は年月とともに資産価値は減少していきますので、その価値の減少分を減価償却費という費用として計上することになりますので、このことが前年度に比べて予算額が増額した要因となっております。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇 君) 加藤議員ご質問の大項目1の⑤次期学習指導要領についてお答えします。
現行の小学校学習指導要領は、平成23年4月から完全実施をされ、今回公表された案は平成32年4月から全面実施されます。
この中に示された国歌、国旗に関する記述は、現行のものと変更はありませんでした。
また、同時に公表された幼稚園教育要領については、議員ご指摘のとおり、文化や伝統に親しむ際の例として、伝統的な行事や唱歌、童歌などとともに国歌が示されています。このことは、国を愛し、大切に思う心を幼児期から育むこと等、大変大切であると考えております。また、要領には、異なる文化に触れる活動に親しむことも明記され、自国と他国の理解を進め、国際理解の意識の芽生えにつながるものと考えております。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
江南教育部長。
〔教育部長 江南仁一郎君 登壇〕
◎教育部長(江南仁一郎 君) 加藤議員ご質問の大項目1つ目の第4項、格差と貧困、子どもの貧困についてのご質問のうち、就学援助の入学準備金についてのご質問にお答えをいたします。
就学援助費の支給認定は、毎年6月に確定する前年の所得をもとに審査を行っているため、7月上旬に決定をいたします。そのため、加藤議員のご指摘のとおり、現在は新入学児童・生徒学用品費も入学後の7月に支給をしております。
ご質問のように、入学前に支給する場合、前年の所得の確定前に仮認定として支給することが考えられますが、所得確定後の審査で認定されなかった場合は、支給済みの新入学児童・生徒学用品費全額の返還を保護者に求めることになるなど、決定前の支給には課題があると考えられます。
なお、支給額の基準としている要保護児童・生徒就学援助費補助金の単価につきましては、先般国から平成29年度の補助単価の一部見直しにより、新入学児童・生徒学用品費の単価を増額する旨の通知があり、支給額の増額改定を検討しているところでございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
宮下総合医療センター事業管理者。
〔総合医療センター事業管理者 宮下浩明君 登壇〕
◎総合医療センター事業管理者(宮下浩明 君) 加藤議員の大項目5、病院事業についてのご質問にお答えいたします。
最初に、平成29年度当初予算の見通しについてお答えさせていただきます。
平成28年度決算については、経常損失が出るものと想定されます。この要因は、上半期において入院患者が減少傾向であったことが大きく影響しました。
なお、下半期については、前年度並みに回復しつつありますが、いずれにいたしましても患者数を予測することが大変難しくなってきております。
平成29年度予算は、診療単価の高い診療科医師の増員やDPC、包括診療制度に係る医療機能評価係数の加算に向けた取り組みにより、収益向上につながるものと考えております。
しかし、平成30年度の介護報酬と同時改定となる診療報酬改定では、大きな改正になることが言われており、今後国の医療政策の動向を情報収集するとともに、東近江医療圏域の急性期病院の役割を果たすため、これまでにも増して収益向上と経営改善に取り組む所存です。
次に、看護専門学校の廃止に伴う当医療センターへの影響についてお答えします。
平成27年7月に7対1看護配置を整え、現段階では今までのように看護師の大量採用をする必要がなくなったことから、基本的には退職者補充へ移行していくことになります。最近では看護系の4年制大学からの応募も多くなりつつあることから、市立看護学校廃止に伴う特に大きな影響はないと考えます。
しかし、看護師については若年層が多く、ほかの職種よりも離職率が高いため、安定した一定数確保のためには、修学資金制度を継続し、県内外の4年制大学や看護師養成学校に今まで以上に積極的にPRし、適正数を維持していきたいと考えております。
次に、新聞等で書かれております京都府立医科大学の問題でありますが、現在捜査段階であり、事実がわかりませんが、現在のところ医局からの医師派遣については全く影響はないものと考えております。
以上、医療センター関係の答弁とさせていただきます。
○議長(井狩光男 君) 回答漏れはありませんか。
質問の途中ですが、ここで休憩をいたします。
午前11時4分 休憩
~~~~~~~~~~~
午前11時26分 再開
○議長(井狩光男 君) 再開をいたします。
質問はありませんか。
加藤昌宏君。
◆20番(加藤昌宏 君) それでは、再問をさせていただきます。
まず、大項目の市長の所見について再問いたします。
2番目の共謀罪について。
市長の認識としては、テロ等準備罪として認識をされると、こういうことでありました。
昨日のニュースでは、このテロという記載が条文には載ってないそうであります。そういう意味で、これはテロ防止の撲滅ではないということが言えると思いますが、2月23日滋賀報知に記事が出てました。歯に衣着せぬ発言で知られる冨田正敏代表主幹が語っています。罪を犯して初めて犯罪となるのが刑法の扱いで、罪を犯す行為がなければ犯罪は成立しない。今回のテロ等準備罪は、罪を犯すことを計画して準備すれば犯罪となる。戦前にあった治安維持法と同じになると発言しています。
オリンピックでテロを許さないとの名目でこのような悪法の再現を許すのかが問われていると考えますが、市長はそう考えませんか、再度お伺いをいたします。
3番目、ヒバクシャ国際署名について。
市長は、最大限連携協力することが大事だとご答弁いただきました。近江八幡市議会は平成27年3月議会で核兵器廃絶平和都市宣言を採択しております。全世界の人々に核兵器の恐ろしさと平和のとうとさを訴えなければなりません。私たち近江八幡市民は、人類の恒久平和を実現するため、核兵器廃絶を目指し、平和を守ることを強く訴え、ここに近江八幡市を核兵器廃絶の平和都市宣言とすることを宣言します。今こそこの宣言の趣旨を生かし、行動すべきと考えますが、今回も署名を市役所のロビーに置いていただくなど、市長が先頭に立ってこのヒバクシャ署名、これに取り組んでいただきたいと思います。市長も2月25日、桐原学区の平和祈念式で、小さな力が集まって大きな力になるともご挨拶されました。この趣旨も生かしていただいて、ぜひともそのようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
5番目の次期学習指導要領に関して、私はニュースで児童に教育勅語を唱和させる幼稚園があることを知りました。それが安倍首相らとの関係も取り沙汰されている学校法人で、今話題となっています。国有地取得疑惑も国会での追及の焦点になっています。これはそちらに任すとして、私は次期学習指導要領に幼稚園、保育園まで日の丸・君が代の教育を導入しようとの流れと、その流れを先行している学校法人があった。それが安倍首相周辺とも親密な関係にあったということに何かしら危惧を覚えるものです。安倍首相は、妻から森友学園の教育方針はすばらしいと聞いていると言いながら、この法人経営者に対して、教育者としての姿勢はいかがなものかと思わざるを得ないと国会答弁しました。子どもの教育をめぐって国の権力と特異な考えを持つ者との関係が存在することをどう捉えるべきでしょうか、あわせてご回答をお願いします。
大項目の2の1、予算総額について。
市長は、本市の将来像を「内発的発展により心の豊かさがあふれる品格あるまち」と描いています。本市の本年度の財政活動との関係で、市民にもわかるようにこの言葉について説明をください。
2番目、地方交付税見積もりについて、マイナス5,000万円の根拠をお聞きしました。国の平成29年度の地方財政計画では、地方交付税は前年度比でマイナス2.2%としています。近江八幡市の予算編成では、地方交付税について段階的縮減の影響を受けるため、前年度比5,000万円減、マイナス1%の49億円としたとの説明です。国はマイナス2.2%を予算化しており、これを考慮すると、5,000万円の2.2倍、少なくとも1億円のマイナスとならないのかという疑問です。つまり本市の平成29年度地方交付税の歳入見積もりはもっと減額すべきではないかということです。説明をお願いします。
3、プライマリーバランス、基礎的財政収支について。
市債発行額を除く歳入と公債費を除く歳出の収支、プライマリーバランスは、平成27年度決算、平成28年度当初予算に続き、29年度の当初予算でも赤字の予算編成。先ほどの説明では、28年度の決算は黒字となる予想ということを言われました。これは大型事業により市債の発行や臨時財政対策債の発行によるものと説明されました。これまでは黒字で来ていたプライマリーバランスですが、平成25年度決算で赤字、26年度では黒字に戻しました。再び27年度決算で赤字になり、28年度の予想は黒字。29年度の当初予算の段階で赤字を見越しています。これはここ数年の重要な財政上の変化と見ますと、黒字化への方策として、市債以外の歳入確保、売却、歳出抑制、市債発行の抑制、繰上償還などを上げていますが、事業費の大幅見直し、中でも市庁舎整備関係の大幅な削減が必要と考えますが、いかがでしょうか。
7、合併算定がえについて。
合併算定がえとは、国の施策により市町村の財政を健全化するという名のもとに強力に推し進められた平成の大合併により誕生した合併自治体に対する財政支援措置の一つです。この合併算定がえは、合併した団体が合併しないで存続したときの地方交付税を下回らないように保障するもので、合併後5年間継続され、その後の5年間で段階的に縮減されていき、合併10年後には合併自治体が本来もらうことができる交付税に移行する制度です。合併算定がえの段階的縮減3年目で、平成29年度はこれまでと比べて50%が削減される。来年度は70%が削減で、平成32年度でゼロになるという理解でよろしいですか。合併後5年間の合併算定がえによる交付税増加額はどのくらいだったのか。以後の段階的に縮減された額はどのくらいになったのか。平成29年度と平成30年度で示していただきたいと思います。
8、住宅リフォーム復活について。
市長、復活の英断をいただき、ありがとうございます。この施策は全国的にも近江八幡市の制度は評価の高いものだっただけに、思いを強く持っていました。今後とも継続の方向で頑張っていただきますようお願いをいたしまして、これは再問はありません。
大項目の3、財政運営についてですが、キャッシュフローについて再度質問します。
裁判中との理由でコメントは伺えませんでした。また、乱暴な数字を設定をしているという指摘もございました。私ども、当局の示した資料をもとにそれ以降の数字を当てはめてみたものです。提示資料でも明らかなように、将来は少なくとも平成29年度からは現金収支が赤字になり、蓄えである積立金も平成38年には赤字で底をつくことになる、これが現時点のキャッシュフローの見通しということになります。
冨士谷市長は、平成18年12月に市長に就任した後、医療センターの資金繰りが回らない事態に直面し、PFI契約解除にかじを切りました。今回は、冨士谷市長がかわっているかもしれない平成38年には貯金が底をつくという話です。高齢化がピークを迎えると言われる年が平成37年です。将来にツケを回すことになりはしないかとの心配があります。どのように改善すべきか、今こそ考えるときです。それも今後も重点事業、大型の事業の見直しは重要課題です。とりわけ庁舎建設では思い切った見直しが必要と考えますが、いかがですか。
大項目の4、平成28年度3月補正のうちの1、0次予防プラットホーム形成事業について。
未来の投資、病気の手前でそれを防ぐという、そういう趣旨のプラットホーム形成事業という説明でしたが、地域の要求は地元にお医者さんをという願いでした。病気の予防、健康促進も重要ですが、差し当たって当面、武佐地域、場合によっては馬淵地域にも、安土福祉自動車のようなデマンド型の交通手段で中心地の病院への足を確保する制度を提案したいと思いますが、検討課題にはならないでしょうか。あわせて、0次予防プラットホーム形成事業についてのもう少し詳しい内容についても説明をお願いしたいと思います。
大項目の11、新市基本計画の見直しについて。
合併推進債の活用は計画に記載された事業に限られるとの条件があると聞きます。新市基本計画には記載がなかったから、今回条件に合わせて記載しようとなった。新市基本計画は合併時の旧市町の約束事だから、抜本的変更は想定しないとの総務省の判断であれば、市庁舎整備について記載されてなかったことが新市基本計画の当時の約束事ではないのかということになるが、いかがでしょうか。
次に、大項目13、国土利用計画について。
市街化区域8カ所の説明は受けました。本市の国土利用計画では、平成32年までの目標として、平成32年時点の人口を8万600と見込んで、農地を229ヘクタール減らす計画になっています。その一環がさきの市街化区域の追加変更の82.2ヘクタールと理解していますが、その以外にどこをこの計画にのせようとしているのかを説明ください。
大項目の14、庁舎建設、官庁街エリアの土地利用について。
定期借地権とサウンディング市場調査で進められたとされた官庁街エリアの市有地の活用策でしたが、保健所跡地は条件つき一般競争入札とされました。ここで言う条件とは何を指すのか。貸付予定価格の積算根拠について説明を求めます。
民間から広く意見、提案を求めるというサウンディングより、入札の最高額で業者を選定するということになるのでしょうか。落札業者が決まったようですが、入札参加事業者数はどのくらいか、落札額は幾らか、落札事業者名はどこか教えてください。
警察跡地は公用車駐車場として活用すると聞いておりますが、あと残りは病院跡地のみをサウンディング市場調査で事業者を探すということになるのでしょうかお答えください。
以上を再問といたします。
○議長(井狩光男 君) ここで、質問の途中ですが、休憩をいたします。
午前11時40分 休憩
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午後1時18分 再開
○議長(井狩光男 君) では、再開をいたします。
当局の回答を求めます。
冨士谷市長。
◎市長(冨士谷英正 君) それぞれ午前中に15点でしたかね、再問を頂戴しまして、それのまず1つ目だけ僕は答弁させていただきたいと思います。
まず、共謀罪についての再問にお答えをいたしたいと思います。
この法案につきましては、日々新しい情報が報じられておりますので、これは今後の国会の議論に注意をしてまいりたいと、かように思っております。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
青木総合政策部長。
◎総合政策部長(青木勝治 君) それでは、再問のうち、まず大項目2番目の①ということでございますが、内発的発展とは、外部の人々に過度に依存することなく、人材、景観、文化等地域内部に存在する資源や知恵などを活用することで、域外からの来訪、交流を促し、それらをもとに雇用の創出、人口の定着に取り組むということで、こういった取り組みに市民、企業、行政が主体的に取り組むことで、心の豊かさのあふれた、いつまでも郷土近江八幡に誇りが持てる持続可能なまちづくりを目指すものでございます。
その財源につきましては、地方創生推進交付金及び地方創生拠点整備交付金を活用するものでございます。
引き続きまして、大項目11番目の再問でございますが、市庁舎整備事業が新市基本計画に記載されていないではないかという再問についてでございますが、先ほどの答弁でお答えしましたとおり、庁舎整備については、合併時に策定した新市基本計画の基本目標6の③行政経営の推進の中で、新市にふさわしい公共施設整備の検討の項目で想定されていることを改めて確認させていただきます。
ただ、その書きぶりが抽象的な表現から合併推進債を適用するための根拠として明確になるように、加えて他市町の計画変更の内容も確認しますと、同程度の修正をされていること、さらには新市基本計画の変更につきましては、滋賀県との協議におきまして異議なしとの回答をいただいていることから、今回の変更は必要最低限の変更であると認識をしております。
次に、大項目13番目の再問でございますが、現行の国土利用計画において想定している約229ヘクタールの農地の土地利用増進でございますが、市街化区域に編入しようとしている以外の農地のうち白地農地においては、現行の制度下において民間開発を含める中で一定の土地利用増進が進んでおります。こうした白地農地以外にも、幹線沿道などにおいては一部農用地区域、いわゆる青地農地も含んでおりますが、こちらについては初問においてお答えさせていただいた市街化区域の編入や農業振興地区域内の農用地区域除外が可能な土地利用、また国に鋭意働きかけております農振除外や農地転用に係る権限委譲の実現等をもって、国土利用計画に示しています本市の発展と地域振興に寄与する土地利用増進の実現に努めてまいりたいと考えております。
次に、最後に14番目の再問でございますが、そのうち病院跡地の部分でございます。
市街化エリア内の市所有地については、今後活性化に向けた有効利用について具体的な事業手法を検討することになりますが、現在市庁舎整備の進捗とあわせて、旧警察署跡地は現在市が所有する約80台余りの公用車の駐車場として利用することを予定しております。また、旧市民病院跡地につきましては、さまざまな事業手法が考えられますが、サウンディング調査を実施するなどにより、より有効な事業手法を検討してまいります。
なお、サウンディング調査とは、対話した内容を決定するものではなく、あくまでも民間の豊富なアイデアを聴取するということが目的でありますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
以上です。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
益田総務部長。
◎総務部長(益田卓弥 君) 加藤議員から再問がございました質問項目につきまして回答させていただきます。
まず、質問項目1の3番目のヒバクシャ国際署名活動に対しての市として取り組むことについてのご質問にお答えをいたします。
本来、署名活動においては、一人一人の自由な意思を尊重することが前提にあり、その上で内容に賛同し、署名されるべきものであると考えております。したがいまして、署名の場所の提供であっても、署名活動に行政が関与することは、署名をしようとする個人の意思に影響を与える可能性があることや、さまざまな考え方がある中で、行政の中立性を確保する観点から適切ではないというように考えております。
次に、質問項目2の2番目、地方交付税の歳入見積もりに係ります再問にお答えをいたします。
国では、交付税額は3,705億円の減とする一方、交付税の振りかえ措置である臨時財政対策債については2,572億円の増としており、トータルで見ますと1,133億円の実質減となります。この観点で見れば、交付税は2.2%の減ですが、交付税と臨時財政対策債のトータルでは0.6%の減となりますので、臨時財政対策債の振りかえ発行額なども勘案し、当初予算計上をさせていただいておりますので、ご理解をよろしくお願いをいたします。
加えまして、28年度の交付状況も勘案した中で予算計上させていただいているところでございます。
続きまして、質問項目2の3番目でございますが、プライマリーバランスに係る再問にお答えをいたします。
平成25年度の給食センター整備事業、平成27年度の一般廃棄物処理施設整備事業など、大型施設整備事業が国の補助採択や事業進捗状況により、決算年度が偏ることにより単年度単年度においてプライマリーバランスが赤字となる年度があるのが現状でございます。議員のご説明のように、継続的にプライマリーバランスが赤字となるものではないと認識しております。基本的には、平時にはプライマリーバランスを黒字とすることをベースとしておりますが、実施しなければならない大型施設整備事業が偏る年度などにつきましては、単年度的に赤字となってもやむを得ないものというように認識をしております。
続きまして、質問項目の2つ目の7番目でございます。合併算定がえに係る再問にお答えをいたします。
平成28年度の合併算定がえ措置額は約3億円で、縮減30%された額は約0.9億円でした。平成29年度は行政区域の広域化が拡充し、措置される影響から、合併算定がえ措置見込み額は約2.5億円で、縮減50%される見込み額としては1.2億円と見込んでおります。平成30年度につきましては、縮減率が70%となりますが、引き続き行政区域の広域化による措置がどの程度及ぼすのか不明であるため、具体的な額については控えさせていただきます。
それから、質問項目3の1番目、キャッシュフローと財政見通しに係る再問にお答えをいたします。
中期財政計画においては、行財政改革プランの改革内容については財政見通しに反映しておらず、行財政改革プランとあわせて公表することで、今後の財政見通しを改善することを目指しているものでございます。したがいまして、議員が作成されましたキャッシュフローの見通しは、改善や取り組みの効果なしに積立金がなくなると主張されているものであり、全く意味のないものと考えております。議員の資料の考え方と私どもの中期財政計画の考え方が根本的に相違しておりますので、議論できる余地がないと考えております。
それから、最後に質問項目14の保健所跡地の市有地貸し付けの条件つき一般競争入札についての再問にお答えをさせていただきます。
まず1つ目の条件つき入札の条件とはということでございますが、本年1月18日に都市計画決定しました近江八幡市にぎわい・交流拠点地区地区計画の整備計画に規定する建築条件などを遵守する事業者で、にぎわい交流の創出、市のまちづくりの活性化、滋賀県の観光文化の発展に視する土地活用を行う事業者を対象としたことから、条件といたしました。
それから、入札の参加者ですが、1社でございました。
落札業者名ですが、今回の落札決定の条件として、入札、落札後に納税状況などの書類を提出いただき、内容を確認後決裁を得た上で落札決定の通知を行うこととなっております。現時点ではまだその途中の段階にありますので、落札決定通知を現在しておりませんので、落札業者名は差し控えさせていただきます。
予定価格の根拠でございますが、予定価格は月額100万円と設定をいたしました。入札の結果、落札金額は月額100万円ということでございました。
貸付価格につきましては、時価が前提となりますので、民間事業者の取引事例などを参考にして当該価格を設定をいたしましたものでございます。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
姓農市民部長。
◎市民部長(姓農彰宏 君) 大項目の4の平成28年度3月補正予算についての中の①まち・ひと・しごと創生事業0次予防プラットホーム形成事業の中で、デマンド交通についての再問がありましたので、お答えをさせていただきます。
デマンド交通については、現在のところ導入は考えておりません。現行の市民バスの利用促進を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解よろしくお願いをいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
津田福祉子ども部理事。
◎福祉子ども部理事(津田幸子 君) 私のほうからは、0次予防を実現するための具体的な事業についてお答えいたします。
4点考えてございます。1つ、健康情報発信センターの運営として、医師、歯科医師、薬剤師など専門職の連携による健康講座や健康相談。2つ目、健康未来食品の開発販売として、地域食材を生かした栄養、ケア、健康増進に資する食を産官学医連携による開発と販売。3つ目、0次予防人材育成として、元気高齢者や子育て中の女性を対象とした社会起業応援塾や健康推進員などをレベルアップ講座により健康サポーターを育成し、住民主体の健康支援を行うこと。4つ目、町の保健室運営として、健康サポーターによる健康相談や健康チェック、健康未来食品の販売、育成した人材の地域課題解決の場へのマッチングということを考えております。
また、この事業を実現するため、新年度当初に産官学金労医による(仮称)0次予防推進協議会を立ち上げて進めてまいります。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
江南教育部長。
◎教育部長(江南仁一郎 君) 大項目1の5、次期学習指導要領に関しまして、国の権力と特異な関係を持つ者との関係が存在することと国旗・国歌の関係についてのお尋ねでございますので、お答えを申し上げます。
現在、国会などで取り上げられております学校法人の問題につきましては、まだ真相が解明されておりませんので、答弁は控えさせていただきたいと思います。
なお、教育・保育におけます子どもの健やかな育ちを保障するという観点のもと、国を愛し大切に思う心の育成や、異なる文化に触れる活動により国際理解の芽生えにつながるものでございます。教育基本法第2条の教育の目標に、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国とふるさとを愛するとともに、他国をも尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うとございます。
本市といたしましては、先ほどの市長答弁にもございましたように、日本人のアイデンティティーを育み、国を愛する心を育てていくためにも、今回の幼稚園教育要領や保育所の保育指針などで示されたように、子どもの健やかな成長を保障していくことが大切であると考えております。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答漏れはございませんか。
発言はありませんか。
加藤昌宏君。
◆20番(加藤昌宏 君) 今回、数多くの質問にご答弁いただきましてありがとうございます。
本市の抱える課題について日本共産党として問題提起もさせていただき、具体的な提案や要望もいたしました。今後も真摯に受けとめていただきますようお願いをしまして、日本共産党としての代表質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○議長(井狩光男 君) 以上で日本共産党加藤昌宏君の代表質問を終わります。