平成29年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月2日(木) 代表質問
竹尾 耕児 議員
(1)今後の人材育成の方針について
①今後の近江八幡市の人材育成の方針について
(2)電柱の無柱化について
①今後の市としての考え方について
(3)教育機会確保法について
①教育機会確保法に基づく支援・援助のあり方について
(4)公共施設の今後のあり方について
①いきいきふれあいセンターについての考え方について
②貸館など活用の考え方について
◆1番(竹尾耕児 君) 皆様こんにちは。チームはちまんの竹尾耕児です。議長の発言許可を得ましたので、代表質問最後の登壇となりましたが、チームはちまんの代表質問を始めていきたいと思います。私はチームはちまん代表を務めております竹尾耕児です。
私どもチームはちまんも、結成をして2年がたち、早くも3年目を迎えようとしております。今年度は会派代表という大任をあずかり、先輩議員でもあります山本議員の多大なサポートのもと、貴重な経験を積んだ1年でもありました。また、他会派の議員の皆様とも日ごろの議員活動を通して連携を深め、また研さんをし合いながら成長できた1年でもありました。初めての代表質問ということもあり、ややふなれな部分もあろうかと思いますが、ご容赦いただきまして私どもチームはちまんの代表質問を始めていきたいと思います。よろしくお願いします。
まず、今後の人材育成の方針についてお伺いしたいと思います。
およそ340億円にも上る近江八幡市史上過去に例を見ない額の当初予算が市当局より打ち出されました。私も議員の一人といたしまして、どこか予算に削減できる部分はないか、無駄な政策はないのかと、必死に目を凝らして予算書をにらむ日々が続いておりましたが、昨年度末に当局の財政より打ち出されました各部事業費目標6%カットという厳しい指針の中、予算が減額した事業や、あるいは廃止となった事業もあり、各部各課の予算要求のための担当レベルでの検討あるいは協議の過程をおもんぱかれば、この予算書そのものが行政当局としての大変な苦労がにじみ出た予算書となっているということも理解できるわけであります。上がり続ける社会保障、福祉関連予算や、また岡山学区の学区一体整備事業に係る予算などのため、一定の予算の増加はいたし方なしと判断できるものの、予算の増加に比例してこれからの近江八幡市の財政状況は大丈夫なのかという不安も増加しているという心境であります。
今後、人口減少が予測される中、当然それに応じた職員数の削減も視野に入れ、しかしそれでも市民サービスの低下は招かないようにするという非常にアンビバレンスなものを背負いながら、市政運営のあり方というものも考えていかねばならないということも理解できます。福祉における2025年問題による福祉予算の膨張や、あるいは市債の償還額の増加など、近江八幡市の財政として避けては通れない事態が待ち受けており、さらには人口減少による税収入の低下も見越した上で、今から市債発行の抑制や、あるいは繰上償還金の捻出など、財政面での課題克服のため、当局の皆様だけでなく、私議員個人といたしましても、またあるいは議会全体といたしましても、財政の課題というものは共有し得るとして、その緊張感は持ち続けなければならないと考えております。
そうした状況の中、私がもう一つ課題として取り上げなければならないと思いますのは、これから望まれる近江八幡市の職員像であります。これはごくごく当たり前のことを申し上げますが、10年後、当局の幹部職員の皆様を初めとした50代の職員さんというものは、そのほとんどが退職されていることと思います。これは今日本中の学校現場で既に生じていることですが、ベテラン、中堅、若手、これら3者の組織の構成のバランスが著しく崩れ、年齢構成に偏りが生まれ、結果それらを原因に一部に混乱が生じているという学校現場が存在しております。こうした組織構成の年齢バランスが崩れてしまうということは、これから近江八幡市だけでなく日本全国の地方自治体にあらわれてくる現象だろうと想定はできます。
2点、財政の力が低下をすること、そして組織の構成が成り立たなくなること。こうなれば地方自治体、ひいては市民の生活が大きく混乱するということは十分に想定できます。財政力の低下と組織の構成あるいはマンパワーの形成とでも言いましょうか、この2つの課題に今から備えておく必要があると私は訴えるのであります。かつてのような高度成長期の中、潤沢な財政状況でありますれば、あるいは企業誘致などによって、また工業地帯の増加などによる、いわゆるハイリターンな事業展開も可能であったかもしれません。あるいはこれは失敗例としてよく顕著な例として取り上げられておりますが、地方空港などのように、たとえ赤字、負債を抱えても実現が可能であった事業というのも、この財政状況が潤沢の中であるならば可能であったかもしれません。しかし、これからは余りハイリスクな事業というものは事業化しにくい、予算化しにくい状況になるであろうかと考えられます。
それでは、これからはローリスクで、しかもかつミドルなリターンを狙ったような事業展開、事業視野を置いて実行していかなければなりません。では、地方行政におけるミドルなリターンとは何か。そこに人材育成の鍵があると私は考えるのであります。ミドルなリターンとは、それは実行する職員さんのアイデアや、またその個人のポテンシャルによってその事業の魅力を最大限に引き出し、たとえ同程度の事業予算でも、近江八幡市の場合はオリジナリティーあふれる事業内容だと、そういうふうにすることでその事業の予想以上の効果を生み出す、またその振り幅をもたらす、一定の自由を与えるということ、このことが大事なのであるかと思います。そのためには、事業を実施する職員さんの人材育成というものは不可欠になってくると、このように考えます。
私もまだ議員として成長過程にある人間だというふうに自覚しておりますが、もしこれまで以上の発展が近江八幡市に望めなくなったとしても、近江八幡市を支え、近江八幡市の市民の暮らしが豊かなものである近江八幡市を目指さなければなりません。そのために人材育成に力をかける意義はあると思います。
かつて部落問題を初めさまざまな人権学習をみずからの手でつくり上げてこられたベテランの職員さんたちのその実績や経験が今、これからの若い職員さんたちのためにとって必要なのだと思います。人権意識をしっかりと高めて、差別を憎み、市民とともに汗を流せる職員さんを育成すること、この10年間が人材育成に与えられた時間的猶予だと思います。これからの市政運営を任せられる人材育成をするためにも、今後の人材育成の方針をお聞かせください。
次に、電柱の無柱化の今後の計画について質問させていただきます。
私どもチームはちまんがかつてより申し入れしてきました伝統的建造物群の新町、永原町を初めとした電柱の無柱化について、条例の制定などの動きを目指されると聞き、大変喜ばしいことと感じております。既に新聞やテレビなどのメディアにより多くの市民の皆様の関心も高まっております。
電柱の無柱化は、その景観をよくするだけでなく、歩行者や自転車が安全に通行できるなどのメリットもあり、観光客だけでなく、子どもたちや高齢者にとっても喜ばれることと思います。実現に向けて早急に実行に移していただきたいわけでありますが、今後の整備の方針や計画、また課題となろうかという点などをお示しください。
次に、教育機会確保法について質問させていただきます。
義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、少し長い名前ですが、いわゆる教育機会確保法が制定されました。これは何らかの理由により不登校、不就学の状態にある児童・生徒に対して、教育基本法あるいは児童権利条約などの趣旨にのっとり、学校以外の場でも教育の機会を確保していこう、支援していこう、そのための方策を講じていくというような法律であります。
この教育機会確保法を有機的に活用するため、近江八幡市における不登校、不就学の実態を把握し、必要な支援を行っていく必要があると考えています。例えば近江八幡市にはワールドアミーゴクラブという、国籍の垣根なしに子どもたちの学習や保護者たちの支援を実施してきた団体があります。また、ひとつぶてんとう園という、園舎を持たずして山や地域のフィールドを生かし、近江八幡市の豊かな自然環境の中で育児、子育ての支援をしている市民活動もあり、その中にはフリースクールの設立の動きもあります。これからはこうした活動や団体をただ一部の市民活動だというふうにみなさず、積極的に教育委員会が情報を把握し、支援、援助を構築していく必要があると、そのように思います。こうした団体は、教育機会確保法において近江八幡市がすぐに実践できる具体的な手だてとしても大きな市民活動としての存在であると、このように感じております。
教育委員会は、教育機会の確保あるいはそれに努めている団体への支援についてどのようにお考えか、お聞かせください。
最後に、公共施設の今後のあり方について質問いたします。
昨年も個人質問において質問させていただきましたが、近江八幡市人権センターが拠点を置いておりましたいきいきふれあいセンターは、今もなお開放を望む市民の声も多く、現状の閉鎖されたままの状態ではもったいないという声も頻繁に聞こえてきます。公共施設は市民の共有の財産であり、活用を望む声には積極的に応えていく必要があると考えます。先ほどの教育機会確保法の質問でも述べましたが、教育機会の確保など教育的な活動展開も十分に実施できる施設だと考えるのですが、昨年の答弁の中では売却を検討しているとのことでありました。しかし、昨年の答弁にあった1年を経過した今も昨年と変わらないように見受けられます。
その後の検討内容でどのようになっているのか、また利用を望む市民のために貸し館などで施設を開放できるのかどうか、あわせてお示しください。
少し早口の質問になりましたが、答弁のほどよろしくお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
冨士谷市長。
〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) それでは、竹尾議員のチームはちまんを代表しての質問にお答えをいたしたいと存じます。
まず、今後の市職員の人材育成の方針についてのご質問にお答えをいたします。
議員ご指摘のとおり、今後もさらに少子・高齢化の進展等によります多様な住民ニーズに的確かつ迅速に対応し、質の高い行政サービスの提供ができる組織運営が求められております。このような状況下、本市では厳しい行政財政環境の中で、限られた人材での少数精鋭の取り組みを継続しておりまして、職員の人材育成は組織力の維持と向上のための最重要事項であります。
人材育成基本方針では、改善、立案、改革する職員を目指すべき職員像としており、特に若手職員が増加している状況におきまして、ベテラン職員の知識、技術の継承や若手職員を育成します組織風土づくりがこれまで以上に重要になっております。このことから、職員の一層の資質向上のための階層別研修やOJT研修などの研修、また新規採用職員のためのメンター制度を実施しております。メンター制度では、新規採用職員が困ったときに相談できる先輩職員との良好な関係の構築にもつながっているわけであります。また、人事評価制度につきましても、目標管理を取り入れることで組織目標の共有が図れ、評価者との面談を通して職員の育成と意欲の向上につながっていると考えております。
また、職員一人一人が市民満足度の向上や地域課題の解決のためにみずから積極的にチャレンジする職員に成長するため、職員が仕事のスキルだけでなく、地域などの幅広い領域に参画し、活躍することを期待しております。そのことで、仕事以外の引き出しをたくさん持ち、仕事にも生かすことができるよう、ワークライフマネジメントを推進しております。
このような人を育てる組織風土づくりとあわせて、メンタルヘルス対策など、職員が生き生きと働けて能力が十分に発揮できる職場環境の改善にも取り組んでおります。今後も、人づくりによります組織力の向上に努めてまいる所存でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
吉田副市長。
〔副市長 吉田正樹君 登壇〕
◎副市長(吉田正樹 君) それでは、お尋ねの電柱の無柱化についてでございますが、議員もご承知のとおり、昨年12月の無電柱化推進に関する法律の成立を受けまして、本市におきましては2月の定例記者会見におきまして無電柱化推進に大きく3つの方針を示してきたところでございます。
1つ目といたしまして、伝統的建造物保存地区内におきまして一部実施済である無柱化の延伸を視野に入れた現行制度下における事業の先行実施でございます。
2つ目は、本市の無電柱化推進計画の策定でございます。これは無電柱化推進法第8条第2項によりまして、地方公共団体に策定の努力義務が規定されているものでございまして、本市におきましては防災・減災への寄与と安全・安心かつ円滑な交通確保並びに本市の独自のすぐれた景観向上への創出を目的にした無電柱化の推進に当たりまして、緊急輸送路への連絡機能を持つ幹線市道や伝統的建造物保存地区などの本市においての無電柱化を図るべき重要路線や重要地区の指定と一定規模の民間開発区域における無電柱化の推進を、目標年次を定めた上で効率的に実現をするために策定したいと考えております。
そして3つ目は、無電柱化推進計画の策定とあわせまして、計画との整合性を図りながら、無電柱化推進法第15条の規定に準ずる法制措置を整えるとともに、本市の無電柱化推進のバックボーンとなる独自条例の制定を考えております。
計画策定と条例制定の時期についてでございますが、現時点では、まず国が無電柱化計画を策定し、国、地方公共団体、電線管理者等の責務を明らかにし、同時に地方公共団体が策定する無電柱化推進計画に盛り込むべき内容などを提示し、その方針を示すということになってございます。こうした国の動向に注意をしながら進めていくことになることから、平成30年4月の施行を目標に取り組んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上です。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
益田総務部長。
〔総務部長 益田卓弥君 登壇〕
◎総務部長(益田卓弥 君) 竹尾議員の質問項目4の旧いきいきふれあいセンターの活用などにつきましてのご質問にお答えをいたします。
平成28年3月議会において議員からの質問に回答させていただいておりますが、旧いきいきふれあいセンターにつきましては、所期の目的を一定果たせたとして、平成25年3月末で閉鎖となり、普通財産としての活用について検討を重ねた結果、貸し付けの方針を定め、民間事業者に広く企画提案を募集しましたが、応募がなく、不調となっておりまして現在に至っております。
現行におきましては、平成29年度から予定しております市の重点事業であります新庁舎整備による仮移転に伴い、一時保管場所などの利用も見込まれる状況にあり、現在貸し館などの市民開放についてはできない状況にあります。
いずれにいたしましても、コミュニティエリア整備や新庁舎整備を初め、市民に密着した生活インフラの整備が継続していきますので、基本的には売却による財源充当を方針としておりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇 君) 竹尾議員ご質問の市民活動の支援、援助のあり方についてお答えします。
議員ご存じのとおり、このたび成立しました義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、いわゆる教育機会確保法は、全ての児童・生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、児童・生徒と学校の教職員との信頼関係及び児童・生徒相互の良好な関係の構築を図るための取り組み、児童・生徒の置かれている環境や事情、意思を把握するための取り組み、学校生活上の困難を有する児童・生徒への支援、その他の学校における取り組みを支援するために必要な措置を講ずるよう努めることとしています。つまりこの法律は、全ての児童・生徒に対して適切な教育が受けられるように定められたものです。
本市では、不登校の児童・生徒に学校外での居場所づくりとして、適応指導教室よしぶえや青少年立ち直りセンターあすくるを設置し、運営しています。保護者には電話による教育相談を行っており、支援のための受け皿を整えています。また、現在不就学の児童・生徒は近江八幡市にはおりません。
外国にルーツを持つ子どもたちの支援として取り組んでいただいているワールドアミーゴクラブや、豊かな自然環境で就学前の子どもを中心に子育ての支援をしていただいているひとつぶてんとう園など、市民活動への支援、援助ですが、これまでも市民活動を運営されている方々の要請に応じて協議を行い、活動場所の支援などを行ってきました。
本市としては、これからも不就学児童・生徒の有無の把握に努めるとともに、市で設置している不登校児童・生徒を支援する施設の充実をまずは図っていきたいと考えています。また、この教育機会確保法の成立を契機に、これからも市民活動をされている団体の要請に応じ、どのような支援ができるのか協議を行い、市内全ての子どもたちが安心して義務教育を受けられるように努力していきたいと考えておりますので、議員のご理解をよろしくお願いします。
○議長(井狩光男 君) 回答漏れはありませんか。
発言はありませんか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
私どもチームはちまんといたしまして、重要な項目について、来年度及びこの先の近江八幡市のための大きな市当局としての方針を確認することができました。細かな項目につきましては、個人質問や、また委員会での質問等々で議論を深めていきたいと思います。
以上でチームはちまんとしての代表質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(井狩光男 君) 以上でチームはちまん竹尾耕児君の代表質問を終わります。