近江八幡市議会
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辻 正隆 議員
平成29年第4回(12月)近江八幡市議会定例会 11月22日(水) 個人質問
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内容
会議録
平成29年第4回(12月)近江八幡市議会定例会
11月22日(水) 個人質問
辻 正隆 議員
(1)農業施策について
(2)世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策について
(3)排水対策について
◆5番(辻正隆 君) 政翔会の辻でございます。
朝夕めっきり寒くなりましてちょっと体調を崩しまして風邪声でございます。インフルではないようでございますんで、皆さんご安心をいただきたいというように思います。
それでは、早速ではありますけども、分割で大きく3項目にわたりまして質問させていただきます。
まず初めに、農業施策についての質問をさせていただきます。
済いません、お聞き苦しいところは申しわけございません。
相次ぐ国際通商協議が行われます中、今日農業問題が各国経済の混乱や国際的な経済摩擦の原因になっているのが現代の経済の特徴であろうかと思われます。
アメリカもヨーロッパなども時には深刻な農産物過剰に悩み、その補助金つき輸出が泥沼の穀物戦争と過大な税務負担を引き起こしています。片や、多くの途上国は、爆発的な人口増加の中で食料不足に直面し飢えに悩まされています。世界的に、食料は大変アンバランスな状態にあるわけであります。
また、日本の農業の将来に対してのイメージ、それを考えて順風満帆だと答える人はほとんどいないかと思われます。日本は消費大国ではあるものの、その食料確保はわずか30%弱の穀物自給率や40%弱程度という供給熱量自給率の現状に示されるように、輸入農産物に支えられた食料消費大国であり、世界最大の食料輸入国でもあります。
そして、農業の現状は主食用穀物自給率さえも60%を下回る供給力しかなく、また農地利用率の減少、生産者の高齢化と後継者不足等の問題を日本は抱えております。
当市の農地の経営の状況は、経営耕地面積4,380ヘクタールのうち認定農業者が2,558ヘクタール、集落営農組織が304ヘクタール、個人農家、いわゆる自給農家、小規模農家でありますが1,518ヘクタールの耕作者の方々により農地を経営管理、健全な状況に保全いただいておる状況であります。
そこでお伺いします。
農地の保全、複合経営には、水稲作付が一つのベースになるかと思われますが、2018年度産から生産調整の配分を国側から示されなくなります。2018年以降の生産調整について、滋賀県全体、また当市の取り組みについてお聞きします。
またあわせて、当市の農業の今後進むべき方向性についてのお考えをお聞かせください。
以上、初問とさせていただきます。
○議長(田中好 君) 当局の回答を求めます。
市長、冨士谷市長。
〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) 大変朝夕めっきり冷え込みまして、本当に寒暖の差が激しいですから、その風邪早く治していただきますことを、本当に今晩ごゆっくりと休んでいただきたいと思います。
議員お尋ねの農業政策についてのご質問にお答えをいたしたいと存じます。
まず、生産調整の方向性につきましては、過去の議会答弁におきましてもお答えしておりますとおり、行政による生産数量目標の配分が廃止をされまして、農業者や出荷業者、団体がみずからの経営判断や販売戦略に基づき、生産、販売する作物を選択することとされております。
滋賀県では、農業再生協議会におきまして米政策の見直しに伴う混乱を最小限に抑え、農業者の不安を軽減し、地域の特性に応じた農業振興及び主食用米と地域戦略作物の有利性を組み合わせた経営の安定を促進するため、生産数量目標にかわる指標を各市町の農業再生協議会に提議することとしているところであります。
当市といたしましては、この指標をもとに農業再生協議会の総会にてご協議をいただきました後、1月中旬ごろに各改良組合、農事組合を通じて農家の皆さんに提示をさせていただく予定でございます。
また、既にお聞き及びのこととは思いますが、需要に応じた生産を徹底し、水田フル活用を推進するための全国組織を立ち上げる計画があるとの情報もあるわけであります。
次に、当市の農業の今後進むべき方向性につきましては、農業経営基盤強化促進法に基づく基本構想を作成しており、総合的な計画を定めております。
一例を申し上げますと、1つとして、農業経営基盤の強化の促進に関する目標、2つとして農業経営の規模、生産方式、経営管理の方法、農業従事の態様等に関する営農類型ごとの効率的かつ安定的な農業経営の指標、また3つとして農用地の利用の集積に関する目標などを、当市の特性を勘案し経営改善に取り組む農業者やこれらを支える関係者にとって現実性がある指標を示しているところであります。
しかしながら、米政策の見直しを初め目まぐるしく変化します農業情勢や担い手の減少、農業従事者の高齢化等、喫緊の課題が山積しており、これらの解決には高度な専門知識を有する関係機関との連携により課題解決に取り組むことは大変重要であると認識をしております。
今後も、本市農業の発展のため、このような連携を保ちながら、国や県の関係機関及びJAグリーン近江などとより一層の連携強化に努め、さまざまな農業政策の取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(田中好 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 風邪のねぎらいの言葉をいただきまして、答弁ありがとうございます。
2018年、30年問題と言われて久しく、来年からその30年問題の年を迎えることに相なります。県あるいは当市においては、再生協議会から県が出します指標をもとに各集落営農自治会、改良組合に提示をなされるということでございます。
米農家あるいは農業者の皆さん方にとられましては、水稲を作付するというのは一つの誇りでもあるような部分でもございます。
当市の抱えます面積は4,380ヘクタールございます。そのうち当市の水稲作付が2,742ヘクタールというのは、生産調整の面積率を掛けたものでございます。それほど、やはりこの地域は水稲に頼っておる部分があるわけであります。
この30年問題につきましては、ほかの県におきましては水稲にまるきりシフトされる県もあるかと思われます。しかし、ここ3年やはり様子を見ておられて、米価の価格等やら、あるいは国の施策等を見られて自分のところの経営を考えていかれるときに差しかかろうかと思います。
あわせて、TPPもイレブンということでおおむね話がまとまったようでございます。さらに、農業情勢も厳しくなってこようかと思います。当市も今後の農業の進むべき方向ということで、農業経営基盤強化促進法に基づく基本構想を作成し、その総合的な計画の中、今後の当市の農業を現実性のある指標を示されるということでございます。
農政につきましては国もなかなかはっきりと指針の示せない中、どちらかといえば水稲だのみだから補助金で誘導しようというような動きであります。そこはすなわち農政に対する大きな考え方がないからであろうかと思います。
私も、専業農家でやっておりました関係上、今の近江八幡市、今の滋賀県を鑑みましたときに、3点余りの提案をさせていただきたいという思いがございます。
1つは、やはり競争力のある担い手の育成に力を入れていただきたい。2つ目には、農林水産業におけます新ビジネスの創造に向けて努力をいただきたい。また3つ目としましては、持続可能な営農活動の支援に力を入れていただきたい思いを持っております。
答弁にもございましたとおり、農業従事者の方々は高齢化を迎えております。先日も、自給農家さんでありますけども、おじさんとしゃべっておりましたら、機械が傷むか、わしの体が傷むか、どっちが早いかによって離農しなくちゃいかんというようなこともおっしゃっておられました。正直なところだというふうに思います。
当市の水田面積の抱える3分の1、1,518ヘクタールはそういった方々によって守られておられる現状があろうかと思います。米価の今後の推移によっては大きく農地の流動が進む状況があろうかと思いますので、1つ目に上げました競争力のある担い手の育成というのは、そういった場合にもしっかりと受け皿として動いていただける集落営農の育成あるいは個人の認定農家の育成に力を注いでやっていただきたいというふうに思います。
2つ目の農林水産業新ビジネスの創造という部分におきましては、本日冒頭にも同会派の園田議員からもありましたとおり、ふるさと納税、随分と近江八幡市の農水産物の評判が高うございます。本年度は20億円に近づく勢いだそうとも聞いております。できましたら、この農産物は近江八幡市に既にあるものでありますし、販売ルートあるいは流通ルートにつきましてもノウハウとしては蓄積もされておられるでしょうから、これからの時代、やはり農産物が消費を拡大していく上においては、国も進めておられるような国際的な取引、グローバルな世界への展開をどうか農政の部門で明るい話題の一つとして、取り組みの一つとしていただけたらなという思いを持っております。
きっとそれが近江八幡市の農業の一つの活性化にもつながってまいっていくであろうと私は思います。どうぞ、そういった取り組みを近江ブランドのPRも含めて取り組んでいただけたらなというふうに思います。
3つ目の持続可能な営農活動の支援というところにつきましては、この近江八幡市はその抱える面積の1%が遊休田ということでございます。その数字は全国的に見ましても大変低い数字でございます。というのは、今日まで土地改良事業等で耕地整理がなされて、小さな田んぼでもしっかりと配水が来たり区画整理がされておる状況があります。
今後においては、さらに大規模化が進んでいくであると思います。3反の田んぼのところの畦畔ブロックをとる支援であったりとか、地域地域では1ヘクを基準にするであるとか、大中においては一番大きな田んぼは1ヘクタールという田んぼでございます。それもあぜを、畦畔をとって3ヘクにしようかというような話を若い人たちはしててくれています。
大きく面積の拡大、効率、農作業の生産性の向上のためにはそういった施策が必要になってこようかと思います。
もう一点、持続可能なやはり営農活動を展開する中においては、先ほどのおじさんの話じゃないですけども、機械の更新あるいは施設の更新等が大変負担になってきます。一昔前でありますと、農業補助金に対しましては手を挙げれば採用、採択された状況があったんですけども、昨今は畜産アグリの補助にしましても強い農業づくり施策におきましてもポイント制あるいは対象がどうやら100ヘクとか50ヘクを超える大規模農家さんの対象の補助制度になりつつあります。
近江八幡市、100ヘク近くやっておられる集落営農もございますが、大中でいいますと40ヘクを少し超える個人農家が一番最大級であり、平均しますとやはり近江八幡市であれば小さいところであれば2ヘク前後ぐらいあるいは大きい大中のところでも10ヘク前後の農家がこのかいわいにはおられます。
近江八幡市、農業が主産業であるというにもかかわらず、規模的には中規模農家が大半を占める状況にあります。国の施策は大規模農家へと移る中で、機械の更新あるいは施設の更新、老朽化した施設のリフォーム等もなかなか手がけられない状況があろうかと思います。しっかりと私も国にその訴えはさせていただきますが、市の農政につきましても持続可能な営農活動の支援ということでよろしくお願いをいたしたい、このように思います。
この1つ目の質問に対しましては以上にさせていただきます。
それでは、2つ目の質問へと入らさせていただきます。
2つ目の質問は、世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策事業についての質問をさせていただきます。
この事業は平成19年にスタートいたしました農地・水・環境保全対策から続く事業でございます。その目的は、農業農村は国土の保全、良好な景観の形成などの多面的な機能を有しており、その利益は私たちみんなが享受しております。こうした機能は地域の協働活動によって支えられてきましたが、近年、農村地域の過疎化、高齢化、混住化などの進行に伴う集落機能の低下により支障が生じつつあります。また、共同活動の困難化に伴い、農用地、水路、農道などの地域資源の保全管理に対する担い手農家の負担増加も懸念されております。
このため、まるごと保全向上対策により農業農村の有する多面的機能の維持、発揮を図るための地域の共同活動に対して支援が行われる事業であります。
当市においても、水田を有する多くの団体、自治会の方々が取り組んでいただいておるとお聞きします。従来、行われてきた作業も支援の対象になりますことから、支援により取り組みに地域色が生かされ、さまざまな活動へと広がりを見せております。しかし、事務処理等が大変であるということもあわせて聞いております。
この事業がこのたび広域化になるとお聞きしますが、どのような体制であるのか、お伺いをします。
あわせて、まるごと保全向上対策の近江八幡市の取り組み状況についてお伺いします。
以上、初問とさせていただきます。
○議長(田中好 君) 当局の回答を求めます。
産業経済部水部長。
〔産業経済部長 水 平作君 登壇〕
◎産業経済部長(水平作 君) 辻議員の世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策についてのご質問にお答えをします。
本市における世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策事業の取り組み状況は、草刈りや泥上げなどといった農地維持活動のほか、農業施設の補修や水質保全、生態系保全、景観形成などの資源向上活動があり、それぞれの活動に対して交付金の交付を行っております。
農地維持活動に対しては、60組織、約3,700ヘクタールが対象となっており、資源向上活動に対しては56組織、約3,600ヘクタールが対象に取り組みが行われています。
次に、組織の広域化についてですが、当事業は平成27年度に関係法令が制定され、国の法律に定められた施策になったことにより、今後も長期的に継続される事業となりました。その一方で、事務の正確性の確保とあわせて効果が評価される実践活動に重点を置いた活動が必要となり、各組織の代表者などの事務負担が増加し、さらに事務を担う人材の高齢化や後継者不足による人材確保が課題となってきております。
このような状況の中、市内の60組織を一つの組織として取りまとめ、広域事務局を設置し、一括して事務を担う組織づくりを進めていくことにより、各組織の事務負担の軽減や事務の合理化を図ることができるようになります。
本市としては、将来にわたり継続的な活動ができる体制づくりとして組織の広域化が必要であると考えており、説明会の開催や各組織から出た意見を収集し、広域化への理解と周知を図りながら、平成31年度より、広域活動組織による体制に移行できるよう設立に向けて推進していきたいと考えています。
以上でございます。
○議長(田中好 君) 回答漏れはありませんか。
質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 平成19年に始まりましたこの事業、事業の内容、メニューを少し見直されながら、世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策事業へと今日移り変わってきたものであります。ちょうど平成19年、私も改良組合の役をさせていただいたときが年度当初でございまして、地域の水田にありますあぜとか排水、これは常時しなくちゃいかんことなんですが、なかなか手のつけられない部分あるいは地域の農業者だけで取り組むだけではなく、地域におられます婦人会あるいは老人会、あるいはPTAを巻き込んでの取り組みが有効ということでございましたので、随分と支援をいただく中、いい事業であるなというふうに思っておるところであります。
先ほどの話もありましたとおり、集落営農等で農地持ち非農家の方がふえるということは小作をされておられる方が人数が少なくなってくるということでございますので、それぞれの地域の農地の保全に努めるという方々が対象が少なくなる。そういうときに、この世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策事業が地域を巻き込んでの農村地域の景観の向上に役立っていく、さらにはそこから自分たちの資源の向上につながる活動へとつながっていくという事業でございまして、大変有効な事業であろうかというふうに思います。
市内では60組織の方々が取り組みをいただき、56組織の方々が資源向上の活動にも取り組みをいただいているようにお聞きをしました。資源向上の取り組みは、これからいきますといわゆる1階の部分を60の方が取り組んでおられて2階の部分については56ということでありますと、4組織の方々が取り組みをされておられないということであろうかというふうに思います。
私もこの取り組みの組織の名簿を見させていただいて内容を見させていただきましたが、農地があり、その取り組みができそうなのにその取り組みをされておられない地域もどうやらあったように見受けました。この4組織の方々が取り組んでおられないというのは、情報としてわたっておらないのか、あるいは何らかの都合があって地域として共同の作業には取り組んでおられないのか、その辺のことがわかりましたら何かお聞かせをください。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
産業経済部水部長。
◎産業経済部長(水平作 君) 議員が今申されました資源向上活動の取り組みを行っていない組織の実態について把握しているのかという再問でございますが、この資源向上活動の取り組みに対する交付には、農業者だけではなく、地域の非農業者、農業者じゃない方です、非農業者の方々が活動に参加することが実は要件の一つになっております。
資源向上活動に取り組まれていない組織ではスタートが農事組合が主体となって取り組んでおられ、自治会が後からついていかれる形で、自治会との連携がなかなか難しいというような地域の事情がありまして、この4つについては本来なら取り組みたいのですが、今のところ取り組めていないというような状況だというふうに聞いております。
以上でございます。
○議長(田中好 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) よく理解をさせていただきました。
地域地域で取り組めるところと取り組めないところ、特に住宅地との混住化が進むところについてはなかなか難しい部分もあろうかなというようには思います。
ただ、農地10アールに対しまして農地の維持活動においては2,200円、また共同作業におきましては標準タイプであると1,300円の補助がございます。決して安くない、どちらかというと優遇のある支援策かなというふうに思います。取り組んでおられないところも、私もいろいろと意見を聞かさせていただきますと、作業したら写真の提出をしなくちゃいけない、日記をつけなくちゃいけない、いわゆる先ほどお話があったような事務処理が大変だということで敬遠をされておられる自治会の方々も改良組合の方々もおられましたので、制度が変わる、広域化になり一本でそういった集約をされるということであれば多少の事務も軽減もされるでしょうし、またこういった取り組みが進むというふうに私も思いますので、いま一度案内も含めました中でご周知をいただけたらというふうに思います。
以上でこの質問は閉じさせていただきます。
続きまして、大きく3つ目の排水対策について質問させていただきます。
さきの台風21号は、近江八幡市にもたくさんの被害をもたらした台風でございました。去る10月22、23日には、冨士谷市長を初め職員の皆様には台風21号に伴う水防対策と、またあわせて衆議院議員選挙の業務等がございました。大変お忙しい中、ご苦労いただきましてありがとうございました。
この台風21号で公共下水道の処理が一時期機能が停止となったとお聞きします。4年前の台風18号でも下水道ポンプ施設への浸水が原因で下水道の使用ができなくなったことを思い出しました。
4年の月日が経過しても同じ現象が起こっていることを非常に残念に思うわけでありますが、このことについて調べてみますと、滋賀県下水道中期ビジョンの(4)滋賀県の下水道の現状と施策の方向性の項目に、浸水対策の現状と課題には近年短時間に局地的に多量の雨が降る局所的集中豪雨の発生頻度が増加しており、浸水被害の危険性が増しつつある。また、被害の状況でも平成11年からの26年間に約3,000棟の浸水被害が発生しています。この対策として、下水道及びその他の排水施設により河川等の公共水域に排水する内水排除が必要であると示されていました。
また、このビジョンには河川と下水道の役割分担の定義として、河川は河川流域内に降った雨水を下流の河川や海域等の公共用水域に排出すること、また下水道は都市域などの区域に降った雨水を都市下水路(公共下水道事業を実施していない市町村において市街地の雨水を排除し速やかに河川などに排出する施設)や雨水渠(分流式下水道で汚水と雨水は別に排除されるが、このうち雨水排除のための管路施設のことをいいます)の整備を行い、浸水被害の解消に努めるとも示していました。
このような内水排除の事業が実施されているかを調べたところ、守山市と栗東市では県の流域下水道事業として守山栗東雨水幹線の整備を進めているとのことでした。また、この雨水幹線の整備には該当市町の排水対策計画の策定が必要であるとも仄聞いたしました。
以上のことから質問させていただきます。
まず、このたびの流域下水道の一時停止は何が原因だったのか。また、この対策はどのようにされるのか。
次に、4年前の原因である雨水の浸水が原因であれば、雨水対策も必要かと思います。守山市や栗東市が実施されている県の流域下水道事業として、雨水幹線の整備はできるのでしょうか、お伺いをいたします。
次に、近江八幡市には排水対策計画は策定されているのでしょうか。策定されているのであれば、どのような計画なのか、その概要をお伺いします。
次に、上流に降った雨は排水路を経て下流である琵琶湖に流れます。このたびの台風において瀬田の洗堰が全閉されたことにより琵琶湖の水位が急激に上がり、安土町江ノ島や琵琶湖湖岸の低い位置にある湖岸沿いの集落や農地が浸水被害をこうむっておられました。
琵琶湖湖岸の農村地域では、上流の雨水などの排水を受け浸水被害の危機感を持っておられます。都市下水路などによる内水排除の対策はできないのでしょうか。あわせてお伺いをいたします。
以上、初問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○議長(田中好 君) 当局の回答を求めます。
水道事業所姓農所長。
〔水道事業所長 姓農彰宏君 登壇〕
◎水道事業所長(姓農彰宏 君) 辻議員お尋ねの排水対策についてお答えをいたします。
まず、先月22日から23日の台風21号で琵琶湖流域下水道の処理が一時機能停止となった原因についてでございますが、降雨に起因すると思われる不明水により湖南中部処理区域全域で流入水量が増大したことで、浄化センターの流入渠水位が上昇し、処理能力を大きく上回ったことから、守山ポンプ場及び上流に位置するポンプを一時停止されました。その後、下流の水位が低下し始めたことから、守山ポンプの運転再開を試みられるも、ポンプ場の流入ゲート室が水没したことで流入ゲートが全閉した状態で操作不能となり、復旧に時間を要したことが原因と県下水道課から報告を受けております。
次に、守山市や栗東市で実施されている雨水幹線の整備が本市において流域下水道事業として取り組めるかについてですが、同幹線整備事業については、守山市及び栗東市にまたがる浸水被害が発生している区域において、公共下水道事業と連携をとって流域下水道事業として幹線整備を行うことで、事業の進捗を早め、早期に浸水防止効果が期待できるよう滋賀県において事業を進められているものです。
同地域については、平成9年10月策定の琵琶湖水質保全対策行動計画に定められた市街地排水浄化対策事業区域の一部が含まれており、雨水対策とあわせて琵琶湖の水質改善を図るため、汚濁物質を含んだ水について上澄み部分は河川に放流し、底部の汚濁物質を含む水を流域下水道幹線に排水して下水処理場で処理する計画の一環として、雨水幹線整備を行っているものであり、本市についてはこの当該区域には含まれておりません。
第3番目の本市の雨水対策計画が策定されているかについてですが、旧近江八幡市では、昭和50年に認可を受けた公共下水道事業計画において下水道計画区域内に雨水排水区域を設定した計画を策定し、これに基づき都市下水路を整備してきました。
また、旧安土町では、昭和60年に認可を受けた公共下水道事業計画において下水道計画内の雨水排水区域の設定と雨水排水方法を含む計画を策定し、雨水幹線の整備を行ってきたところです。
このように、雨水排水計画は、雨水排水区域を定め、この区域内の雨水を河川、排水路等に排水するまでの排水方法を含む計画でございます。
次に、琵琶湖湖岸の農村地域で都市下水路などによる内水排除の対策はできないのかについてでございますが、下水道法上、公共下水道計画区域外での内水排除を目的とした都市下水路による浸水対策はできないのが現状でございます。
以上でございます。
○議長(田中好 君) 回答漏れはありませんか。
質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 公共下水道の処理が一時機能停止になったことについての回答でありますけども、結局は4年前と同じく降雨による不明水の流入が原因の一つになっておるということでございます。平成25年の台風18号以降、不明水の浸入の原因を調査されたかと思うんですが、その状況についてお聞きをいたします。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
水道事業所姓農所長。
◎水道事業所長(姓農彰宏 君) 再問にお答えをいたします。
これまでに不明水の浸入状況を調査するために、流量計による流量調査を近江八幡市では2地区、緑町、柳町で行っております。また今後不明水の原因となる管路の破損場所等の調査を目的といたしました、排煙調査を1カ所、緑町で実施する予定と仄聞いたしております。
以上です。
○議長(田中好 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 2カ所で調査をしていただいておるということですし、排煙調査もされるということであるかというふうに思います。
管路全てがやはり老朽化が進みますから、雨が上から降れば地下水等が上がってくるかと思います。老朽化した管の中、地下水が上昇するにつれて不明水ということで流入も当然あるかと、どちらかというとそちらが多いのかなと、上に降ってくる雨がマンホールを伝わってというよりもそちらのほうが多い状況があり、守山の、あるいは草津のポンプで許容量がオーバーするという状況があるかと思うんですけども、これで2回、大雨の中でポンプが不能になったと。
この対策についてはどのようにお考えであるのか、お聞かせください。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
姓農所長。
◎水道事業所長(姓農彰宏 君) 今回の対策でございますが、守山ポンプ場の流入ゲートにつきましては、故障直後は手動操作で対応しておりましたが、その後、いわゆる電気操作部ですね、の洗浄、乾燥を行って仮復旧済みでございます。
本格的な対策工事につきましては、既に発注済みでございまして、ゲートの3門は11月17日からでございますが、耐水仕様の油圧駆動式に順次変更をいたしまして来年1月末の工事の完成予定であると仄聞をしております。
以上です。
○議長(田中好 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) ポンプについては油圧式のものに取りかえて、その対策をするということでございます。
ぜひそういった対策を打っていただく中で、市民生活に支障のないようにぜひお願いをしたいわけでありますが、実のところ上から降る雨は学者さんいわくこれは常態化していくだろうというのがこれからの日本の、あるいは地域の降る雨の状況だそうでございますから、このことにつきましては、私はやはり守山市、栗東市さんが実施されているような雨水幹線整備をする必要があるのではないかなというように思います。
当該地域に含まれないということで、その整備事業はできないということであるんですけども、いろいろと手法を凝らした中では可能じゃないかなと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
姓農所長。
◎水道事業所長(姓農彰宏 君) 手法を変えての雨水対策はいかがということでございますが、下水道事業の雨水排水計画に基づき進めてきたこの雨水幹線整備につきましては、雨水排水計画区域内の市街地等に降った雨水に係る内水排除を目的として行うものでございます。
実は、具体的手法といたしましては、国交省水管理国土保全局下水道部が29年、ことしの7月にガイドラインの案といたしましていわゆる貯留系としてオフサイト調整池、それから管渠の一部増径、径を増すということですね、それから排水系といたしましてはフラップゲート、小規模の水中ポンプ、それからポンプゲートがこの手法として、例として挙げられておるところでございます。
以上です。
○議長(田中好 君) 辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) いろいろと手法としてはあるようでございますので、どうか工夫を凝らした中でいろいろと施策を、排水対策を講じていただきたいなというように思います。
学者さんいわくの話でなんなんですが、そういったことが常態化する、夏にあるいは夏外れにもこういう状況が生じるということでございます。今回の台風21号におきましても、各所で浸水が起きました。ここに上げてあるだけでも、長福寺の地先で冠水が40センチあるいは武佐のこども園裏でも冠水、アル・プラザ前の冠水、あるいは三明川の横のひょうたんやさんでも冠水があったというふうにお聞きしております。
また、通行の状況についてはいずれも可であったということでありますけども、こういった状況が1日あるいは2日したら引くであろうという状況は、やはりこれは排水対策としてはいい結果を招いていないということだというふうに思います。
雨降るたびに地域の方々が土のうを積んで水を防がんなんような状況というのは、やはりこれは市民サービスの上でも低下しておる状況だというふうに思いますので、その辺はあわせてお願いをしたいと思います。
また、本市の雨水対策計画についてですが、旧近江八幡市、旧の安土町時代に計画を策定され、都市下水路、雨水幹線の整備をそれぞれされてきたということであります。その進捗状況についてもあわせて再問とさせていただきます。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
姓農所長。
◎水道事業所長(姓農彰宏 君) 再問にお答えをいたします。
旧近江八幡市におきましては、中央都市下水路として中村町出町間で1,560メートル、それから小幡雨水幹線として宇津呂町から玉木町1丁目の間、これは750メートルでございます。この2路線を整備しております。
また、旧安土町におきましては、安土町桑実寺衣笠台地先の雨水幹線710メートル、それから安土町常楽寺-慈恩寺間、四ノ坪雨水幹線590メートル、それから安土町西老蘇-東老蘇間、横谷雨水幹線400メートル、それから安土町東老蘇地先の轟雨水幹線、この90メートル、この4路線を整備いたしております。
○議長(田中好 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) ありがとうございます。
時間も迫ってまいりましたので、質問を続けていきたいんですけども、端的に再問をもう一つさせていただきます。
いわゆる琵琶湖の端の中で湖岸に一番近いところにありますのは近江八幡でございますし、日野川等々の下流域におる流れの中でもやはり下から順番に水がついてまいります。今回の台風におきましても洗堰は全閉をされたということでございます。大変市民生活上不安に思う気持ちが強うございます。今回の台風で増水した状況の中で、500人近くの方が避難をされておられる状況もございます。
当市としては県に対してどのような要望、行動をされたのか、その1点だけ最後に再問とさせていただきます。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
都市整備部小西部長。
◎都市整備部長(小西正彦 君) 辻議員の再問にお答えをしたいと思います。
今回の台風21号のように、洗堰が全て閉められたため琵琶湖の水位が急激に高くなり、市内においても浸水被害が発生をいたしております。
この22日の夜でございますが、対策本部の中で市長も朝まで本庁、本部にいていただきました。冨士谷市長から滋賀県、それから国土交通省琵琶湖河川事務所に対して市内の浸水状況の実態を訴えていただいて、洗堰の一刻も早い開放、また琵琶湖の水位が上昇してきて県民が被害を受けないような琵琶湖下流域の治水能力の向上を図るための施策を訴えていただきました。
そのようなおかげをもって、非常に早い時期に洗堰を少しずつではございますがあけていただいて、今回のような状況になったわけでございます。
今後も引き続き、このような状況を訴えていきながら対応してまいりたいと、そのように考えておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○議長(田中好 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) やはりそれなりの行動を、市長を先頭にしていただいていたということに感謝申し上げます。
ただ、幸いにも決壊しなくてよかったなでは物事は済まない部分がございますんで、市民の生命と財産を守るという観点から、強く今後においても県に洗堰のことについては要望をしていただけたらというふうに思います。
以上をもちまして私の質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(田中好 君) 以上で辻正隆君の個人質問を終わります。
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