録画中継

平成30年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月1日(木) 個人質問
山本 英夫 議員
(1)図書館について
(2)マスメディアの活用について
(3)公共交通機関について
(4)伝統的建造物群保存地区について
◆23番(山本英夫 君) 個人質問をいたします山本です。
 今議会、既に複数の方が言及されている中ですが、左義長奉納町内在住者としては素通りできませんので、お許しをいただき、前段入れさせてもらいます。
 ことしも湖国に春を告げる左義長祭が近づいてまいりました。昨日には、左義長祭の天候と密接な関係があると言われる多賀の祭りのたいまつも作成されている中、えとである犬をモチーフにした食べ物を中心に作成される左義長の山車は、町衆が集い、きょうも夜を徹してつくり上げられています。祭礼が天候に恵まれ、盛大かつ無事に奉納されますことを願うものです。
 それでは、発言通告に従い、質問をいたします。
 まず、昨年、市立近江八幡図書館の20周年記念式典が開催されました。近江八幡図書館の成り立ち、変遷を改めて教えられる機会が与えられ、市民の深いかかわり合い、文化に対する強い思いを感じさせていただきました。そうしたことのあらわれは、長年にわたる市民による多額な寄贈に対する表彰や付記された年表においてもしっかり読み取れ、このような市民の熱い思い入れに対し、図書館としても応える大きな責務があると思います。
 そこでまず、20周年を経て、この機会に図書館としてのこれからの取り組みに対する思い、方針についてお示しをいただきたいと思います。
○議長(田中好 君) 当局の回答を求めます。
 教育委員会教育部小林部長。
             〔教育部長 小林一代君 登壇〕
◎教育部長(小林一代 君) 山本議員の、近江八幡図書館20周年記念事業を経て、図書館の今後の取り組みに対する思いや方針についてのご質問にお答えします。
 近江八幡図書館は、新町から宮内町に移転して20周年を迎えました。これを記念しまして、町の発展のため、子どもたちの未来のためにと奮闘してきた先人、八幡商人たちの思いを次世代に継承し、新たな発見から次のステップへというテーマで、市民とともにさまざまな事業を行ってまいりました。
 この事業の取り組みの一つとして、日ごろは見ることができない書庫や貴重本を見ていただく機会を設けさせていただきました。また、これらの貴重本と市の重要な資料をデジタル化するデジタルアーカイブ事業を行い、4月からインターネットで全国に発信する予定です。
 また、八幡図書館の前身である八幡文庫や町立図書館時代より、図書館と市民のかかわりは深く、さまざまなご支援やご協力のもと、今日の八幡図書館の礎を築いていただきました。図書館が現在位置に開館した平成9年以降、一般社団法人村松報恩会様には児童図書のご寄附を頂戴しており、ご寄贈いただきました児童図書の累計は約1万5,000冊、2,440万円にも及び、近江八幡市の子どもの読書活動の推進に大きな役割を果たしていただき、感謝しております。
 図書館としましても、20周年を機に、本市の未来を担う子どもたちが図書館の歴史や近江商人の精神を知り、ふるさとを大切に思いながら豊かな心で成長できる取り組みへとつなげ、読書環境の充実と読書活動の推進に努めていきたいと考えています。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 式典当日、記念事業として行われた、一般市民には余り知られていない職種、ブックディレクターが講師としてされた講演は、書籍、図書館に対して多くのことを感じさせていただけるものでありました。もう一度本を手にとる機会をうまく提案しようとする、館内の書物に対する愛着、書架に対するあり方もそうでありますし、野外に広がる書物にかかわる思いは、八幡公園を背にした近江八幡の図書館においても生かせる考え方がありそうに思いました。
 招かれた講師の考え方、講演を受けての図書館としてのお考えをお聞きいたします。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
 教育部小林部長。
◎教育部長(小林一代 君) 20周年記念事業に実施しました講演会の図書館の考え方についてお答えをいたします。
 近江八幡図書館では、20周年記念事業の一つとして、平成29年12月10日、ブックディレクター幅允孝さんを講師に、講演会を開催いたしました。講師の幅允孝さんは、書店のみならず銀行や病院、企業等、国内外のあらゆる場所で本と人とが出会う環境づくりをされている方です。今回の講演は、本と人との出会い方、特に本棚全体を通して表現をする力、編集する力が必要であることや、室内だけでなく新しい本の読み方として、野外でも本が楽しめる野外ライブラリーのお話もしていただきました。
 当図書館におきましても、本を棚に並べて利用者を待つだけでなく、その本が市民の皆様に手にとっていただけるよう、本と人とが出会える環境づくりのため、利用者と本との出会いを演出する、わくわくする仕掛けづくりをコンセプトとし、コーナー展示に力を入れております。月ごとにテーマを決め、その様子をホームページで紹介をしたり、コーナーに設置する本は開架されている本のみならず書庫の本からも幅広く収集しています。このコーナーからの貸出冊数は年々増加をしておりまして、1月末で昨年に比べ約30%増となりました。
 また、館外サービスの一環として、親子で集まっておられる場所へ本を持っていきまして、本に興味がない方たちにも本を手にとる機会を提供をしております。その中で、公園を利用した野外ライブラリー等も検討していきたいというふうに考えております。
 今後も、本と人とが出会う環境づくりを日々行い、市民の方の読書普及に努めていきたいというふうに考えております。
○議長(田中好 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 2月20日の新聞記事に目がとまったのですが、図書館における調べるワークショップ開催というものであります。市民活動を進める上で欠かせない地域情報の集め方や活用術を住民が学ぶものとされていました。京都府内の司書やNPOスタッフが一昨年から各地で進められており、亀岡市立図書館では児童の郷土学習に協力したとあり、右京中央図書館においては地域住民の水文化調査を後押ししたと書かれてあります。
 私たちの町の図書館の成り立ち、市民とのかかわりはさきに述べたようであり、当然、町衆文化が脈々と受け継がれていることを感じられます。また、信長、秀次という歴史上にも名を残す武将によるまちづくりは、楽市や都市計画として、上下水道設備機能と呼べる町の中の生活文化である古式水道、背割り排水は、全国でも屈指の年代を刻んで、今なお現存しています。また、八幡堀の民活による再生運動は、全国に先駆けた市民によるまちづくりの原点として誇り得るものであります。
 こういったものだけでなく、街道文化や、語り継がれているふるさとの歴史、物語の多さを考えると、近江八幡市は郷土学習の宝庫であり、図書館においても、より住民との距離を縮め、児童や市民の郷土学習にかかわり合いを深めていただきたいと思いますが、取り組み例、またお考えがあればお答えをください。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
 教育部小林部長。
◎教育部長(小林一代 君) 図書館におきます郷土学習のかかわりということでお答えをさせていただきます。
 当図書館でも、郷土愛を育む環境づくりを目指し、平成29年度に、2回目となります図書館を使った調べるコンクールを実施しました。自分たちの住んでいる地域について疑問に思っていることを調べ、知る喜びを得るとともに、ふるさとを大切に思ってもらえる機会となりました。
 4月から公開予定のデジタル化した貴重資料を、学校でのICTを使ったふるさと学習の教材として活用してもらえるよう、準備を進めています。今後も、学校と連携をして、図書館の資料を使った郷土学習への支援を推進していきたいと考えています。
 それと、済みません、初問でお答えをさせていただきましたときに、ご寄附をいただきました村松報恩会様の件なんですけれども、「一般財団法人」村松報恩会様を、私、間違えまして、「一般社団法人」というふうにお答えをさせていただきました。おわびをいたしまして、訂正をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(田中好 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 市民が育み民間が育ててきた八幡図書館であり、郷土の歴史文化の泉である安土図書館であります。絶え間なく市民がかかわり、地元篤志家、企業、法人の思いが集まり、地域文化の詰まった公立図書館であります。
 さきで述べた講演では、本を届けたいなら周りの環境やサイン計画まで考えていかなければならない時代になってきてしまっている、逆にそこをうまくやればまだまだ通じるものがあるはずと言われています。パークライブラリーという周辺環境を生かした取り組み、体に気持ちいい状態や、本を陳列する備品、什器に重点を置いたほうがよいと思うと言及されています。
 市の財政的には大変厳しい中ではありますが、独自の成長をしてきた近江八幡の2つの公立図書館であります。郷土の図書館への市民の愛着は、町の財産であります。ますますの充実により、ふるさと文化をこれからも育てていただきますようお願いをいたしておきます。
 それでは、次の質問に入ります。
 前日の質問でも観光について質問されておられましたが、さきに述べた信長、秀次はもとより、メレル・ヴォーリズなど、地域の宝物であり、大河ドラマの主人公になり得る人物が上げられます。観光商業施設としては県下ナンバーワンの集客施設があり、そのほか、文化を誇る施設、地域は数多くあります。市民の中には、そういった資源の利用をマスメディアにおける露出の働きかけなどによってもすべきであるとの声もあります。
 以前には市長からも、マスメディアの影響は大きなものがあるとの答弁を見ることができますが、このような取り組みをどのように考えておられるのか、また働きかけの現状があればお答えをいただきたいと思います。
○議長(田中好 君) 当局の回答を求めます。
 総合政策部今井理事。
             〔総合政策部理事 今井良治君 登壇〕
◎総合政策部理事(今井良治 君) 山本議員お尋ねの、マスメディアの活用についてのご質問にお答えします。
 マスメディアと申しますと、テレビ、新聞、雑誌等が思い浮かぶわけでございますけれども、まずテレビに関して申しますと、地上波、BSを問わず、旅番組や歴史番組、さらには時代劇などを中心に、かなり頻繁に最近近江八幡は登場し、もはや観光客数からしても、関西においては知名度としては県内の自治体ではトップクラスに位置するのではないかと思うところでございますが、これはテレビ局やその番組の受託会社から各種の依頼が市にあった場合に丁寧に対応を心がけているそのたまものであると考えておりますが、その一方で、市から積極的な取り組みといたしましては、本年度、シティプロモーションの取り組みの一環として、本市だけにしかないような魅力を発信する新広報番組「市長探訪“近江八幡ブランド”」の制作を行い、月1回、KBS京都を通じて関西一円に放送を行っているものでございます。この番組を見られた視聴者の方から寄せられた番組プレゼントの応募はがきに書かれた感想を見ても、一定の効果を上げたと考えておるところでございます。
 けれども、このKBSは放映しておりますけども、視聴率の高いいわゆるゴールデンタイムの時間帯や曜日に全国ネットで番組の放映をしてもらうには相当な経費を要するわけでございまして、したがって、やっぱり市としましては、先ほども言いましたような視聴率の高い既存の番組、例えばNHKを例にするなら、例えば最近人気の「ブラタモリ」や「鶴瓶の家族に乾杯」などの、そういった人気番組の近江八幡への誘致が効果的であると考えるところです。しかし、いかんせん全国の幾多の自治体の中から本市を選んでいただくのはなかなか難しいものがありまして、NHKの視聴者公開番組の誘致に関しましても、毎年、「のど自慢」を初め全国ネットの公開番組やイベントの申請の案内がNHKから参りますので、これについては市内の文化会館であるとかセミナリオなどの要望を聞くなどして毎年手を上げておるわけでございますけれども、なかなか継続して希望がかなうことは難しいものがございます。
 しかし、本年度放映しております「市長探訪“近江八幡ブランド”」で紹介させていただいたような本市の自然、歴史、文化、なりわいなどのブランドに地道にさらなる磨きをかけて、機会あるごとに情報発信を積み重ねていけば、最終的にNHKの大河ドラマや朝の連続テレビ小説の題材などに選んでいただけるのもそんな遠い夢のような話ではないかもわからないと思うところであります。事実、新聞で申しますと、昨年の年初めに名誉市民ヴォーリズさんの生涯を題材にした小説「屋根をかける人」を書かれたのに続いて、ことし1月に「銀河鉄道の父」で第158回直木賞を受賞された人気作家門井慶喜さんが、ヴォーリズの著書を書くに当たって近江八幡を訪れた際に、その歴史的背景などを知ることとなった八幡堀についてご紹介をいただいたすばらしい文章が、ある全国紙で先日大きく掲載されていたことを最後に申し添えます。
 以上です。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 要望になりますが、観光客の集客だけでなく特産物の販売にも大きく影響があると考えられますので、地域の特徴を十分売り出した、そして地域文化を大切にし、まちづくりと相乗効果のあるようなお取り組みをいただきますことをお願いいたしておきます。
 次の質問ですが、高齢化の波は近江八幡市にも顕著なものがあります。そうした中で、公共交通機関が本当に必要とされています。あかこんバスを初めとした路線バスやタクシー、JRや近江鉄道などは、これからますます必要性が増し、充実されなければなりません。これは、市民の生活の足であり、通勤通学、観光客の利便性においても、また環境の面でも、大きく関与するものであります。
 まず、公共交通手段に対する当局の考え方、現時点における働きかけはどのようになっているのか、お聞かせください。
○議長(田中好 君) 当局の回答を求めます。
 市民部伊藤理事。
             〔市民部理事 伊藤清治君 登壇〕
◎市民部理事(伊藤清治 君) 山本議員の、公共交通機関に関するご質問にお答えをいたします。
 現在、近江八幡市には、鉄道駅として、JRの近江八幡駅、安土駅、篠原駅、近江鉄道の近江八幡駅、武佐駅がございます。また、バス路線は、民間路線バスが幹線道路を中心に市内及び近隣市町を12路線が運行し、あかこんバスが市内全域で12路線、さらに安土福祉自動車が安土区域を運行しております。
 あかこんバスにつきましては、民間路線バスが通っていない交通空白地域をなくし、高齢者などの交通弱者の移動手段を確保し、環境負荷を軽減するため、平成21年度から本格運行を開始したところでございます。昨年度は、延べ11万9,000人の方にご利用をいただきました。利用者は年々増加をいたしまして、今年度は運転免許証の自主返納者も大幅に増加しており、あかこんバスの需要が今後もふえてくると思われます。
 市といたしましては、市内くまなく運行しているあかこんバスの充実を図るべく、昨年6月1日にダイヤ改正を行いました。各学区自治連合会からの要望を取りまとめ、バス停の新設や、一部新たなルートを設定するなど、利便性の向上に努めてきたところでございます。また、昨年度から今年度にかけ、あかこんバスの車両12台を更新し、安全で安心して乗っていただけるよう努めました。
 さらに、民間のバス路線につきましては、近江八幡駅と竜王ダイハツ前を結ぶ八幡竜王線がコミュニティーバスとして、本市と竜王町の財政的支援で路線を維持しているほか、近江八幡駅を拠点として東近江市長峰地区、日野町、竜王町までそれぞれ運行している長峰線、日八線、岡屋線については、住民にとって必要な生活交通路線として、国、県、東近江市、日野町、竜王町と本市で赤字額を一部補填し、路線の維持確保に努めているところでございます。
 今後も、あかこんバスの充実を図るとともに、既存の民間バス路線の維持確保に努め、鉄道、タクシー等の交通関係機関と連携して、市民の交通手段の確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) あかこんバスは、維持していく上では、高額な必要経費がかかります。30年度は、9,327万9,000円が予算に上げられています。
 そのほかには、公共交通機関に対するどのような、またどの程度の予算計上があるのか、ご答弁をいただきたいと思います。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
 市民部伊藤理事。
◎市民部理事(伊藤清治 君) 再問にお答えいたします。
 市民バスの予算以外には、路線バスの確保、維持、改善を目的としたバス運行対策事業といたしまして、先ほどもお答えをいたしました民間路線バスの八幡竜王線、岡屋線、長峰線、日八線の運行に対しまして、赤字額の一部を補助金として、平成30年度は1,197万5,000円の予算を計上させていただいてるところでございます。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 経費等から考えると、デマンド交通に関しても研究の余地があろうかと思います。姉妹都市である富士宮市におけるデマンド交通においては、大きな効果があるとの研修もさせていただいたことがあります。
 このようなデマンド方式に対するお考えがあれば、お答えをいただきたいと思います。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
 市民部伊藤理事。
◎市民部理事(伊藤清治 君) 再問にお答えをいたします。
 デマンド交通につきましては、採用している多くの自治体は、バスなどが廃線になった地域を補うことを目的といたしまして、乗降場所を指定した区域運行をされております。デマンド交通は、形態にもよりますが、利用者が好きな時間帯にドア・ツー・ドアで利用できるなどのメリットはありますが、事前に登録が必要でありましたり、乗る前に電話で予約をする必要があるなど、利用者にとって負担を感じる部分もあるように聞いております。また、既存のタクシー事業者との競合調整も必要であることから、課題も多いと考えます。
 現在のあかこんバスの利用状況から、早急にデマンド交通が必要とは考えておりません。今後、民間バスの動向等を注視してまいりたいと考えております。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 前日の質問では、自転車について観光面からの答弁があったところですが、環境面からも、レンタサイクル、自転車の活用も研究すべきであるかと思います。金沢市のまちのり自転車事業など、観光客に対する取り組みとしては先駆的なものとしての実績を見られるところもあります。
 前の答弁と重なりも多いかとは思いますが、エコ環境ということでの自転車の市民活用、観光客に対するレンタサイクルの充実を図るべきであるとの考えに対し、ご答弁があればお願いをいたします。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
 市民部伊藤理事。
◎市民部理事(伊藤清治 君) 再問にお答えをいたします。
 レンタサイクルによる自転車利用は、観光地の渋滞緩和、また環境負荷の軽減、健康促進などの効果があり、交通手段が多様化する中で、観光客や近江八幡市を訪れる方にとっては有効であると考えております。
 また、新たなレンタサイクルの仕組みといたしまして、先ほどおっしゃいました金沢の自転車等、コミュニティサイクルシステムと言われる自転車の共同利用で、町なかに貸し出し返却の拠点を設ける取り組みがございます。これは、公共交通機関の新たな形として、都市部では有効な手段と考えておりますが、本市のような集落が点在した地域で自転車を各世帯で所有されている状況におきましては、市民が自転車を共同で利用するような環境には現在のところ至っていないと考えているところでございます。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) また、近江鉄道八幡駅から武佐駅の間、結構な距離がありますが、その間に新しい駅を設けるということはいかが考えられるでしょうか。最近の新聞記事でも、鉄道事業の赤字が続く近江鉄道であり、維持運営が困難との書かれ方をされ、取り組みが難しいところがあることは承知しておりますが、簡単な駅舎だけで必要とされるものであり、一度の出費で済むことを考えれば、高額過ぎるものでないと感じられるものです。
 高齢化率の高くなった、以前には新興住宅地と言われた人口集積の高い団地もあり、交通手段としては有効であると思いますし、東近江市に通われる生徒の皆さんにとっては必要とされるものであります。ほかの交通手段に対する補助金などのトータルとしてのランニングコストを考えたときには、決して高くつくものとは思われませんが、お考えをお聞かせいただけるでしょうか。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
 市民部伊藤理事。
◎市民部理事(伊藤清治 君) 再問にお答えをいたします。
 議員もご承知をいただいておりますとおり、昨年、新聞報道でもございましたが、近江鉄道の鉄道部門につきましては単独で事業を継続していくことが困難ということで、関係自治体と協議を行っていくというような報道もされております。非常に厳しい現状と考えておりますので、新たな駅を設けるというのはちょっと難しいのではないかと現時点では考えておるとこでございます。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 公共交通機関の活用ということで申せば、このように本当にいろいろな手段を用いることができます。車社会と言われて久しいものがありますが、十分調査研究の上、市民のため、地元住民のため、お取り組みをいただきますよう要望をいたしておきます。
○議長(田中好 君) 質問の途中でございますが、ここで休憩をいたします。
               午前11時59分 休憩
              ~~~~~~~~~~~
               午後1時18分 再開
○議長(田中好 君) それでは、再開いたします。
 引き続き、山本英夫君の発言を許します。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) では、午前中に引き続き個人質問になりますが、最後の質問項目、伝統的建造物群保存地区周辺について質問をいたします。
 伝建地区内はもとより、昨今、空き家がふえてきています。その結果、住宅が取り壊され、空き地、駐車場、集合住宅となってることが八幡学区においても目につきます。
 以前から、地域内はもとより近隣裾野のあり方が伝建地区にとっても大切とし、必要とされてきたものであると、以前からの議場質疑、答弁からは認識いたしておりますが、現状における伝統的建造物群保存に対する考え方をいま一度お聞かせください。
○議長(田中好 君) 当局の回答を求めます。
 市長、冨士谷市長。
             〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) それでは、山本議員の、伝統的建造物群保存地区に関する質問についてのお答えを申し上げます。
 議員ご指摘のとおり、新町及び永原町等の八幡伝統的建造物群保存地区及び同じ城下町内でありました八幡学区の近隣地域におきましては、昨今、空き家が増加し、また空き家予備群も多数見られるなど、町並み景観の保存を初めとするさまざまな課題が生じてきているものと認識をしてるところでございます。
 市としましては、保存地区内におきましては、空き家の所有者に対し、町並み景観の保存についての協力を呼びかけることで、空き家の賃貸あるいは売買も含めた利活用について検討いただき、建造物の修理によります保存を進めているところでございます。今年度は、倒壊の危険がありました空き家1軒につきまして、所有者の協力によりまして保存修理事業を実施し、また平成30年度及び平成32年度に、各1軒の空き家であった建造物に対しての修理事業の実施を検討をしてるところでございます。保存地区内におきましては、引き続き、建造物の修理による町並み景観の保存を図ってまいります。
 保存地区であってもなくても、行政以上に、そこに住む住民自身が、地域課題については一番わかっておられるわけでございます。良好な町並み景観を守るというコンセンサスが地域住民間で得られているのであれば、今後も、地域に住む住民個人として、また地域活動団体として、それぞれできることはみずから行って、行政がしなければならない役割はそれぞれの所管部署におきまして支援を行っていくことに尽きると考えてるところでございます。
 過去から役割分担と連携によります協働のまちづくりを推進してきた結果として、良好な町並み景観が維持されてきたところでありますが、少子・高齢社会の進行等の時代変化が想定されますけれども、引き続き、時代に即した協働のまちづくりを推進して地域の課題解決を図ることが肝要と考えてるところでございます。
○議長(田中好 君) 質問はありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 再問をいたします。
 重要文化的景観においても、平成30年度までに、現状の選定地区だけにとどまらず、西の湖及びその周辺地域全体を対象とした文化的景観を生かしたまちづくりを推進することが必要となるとされています。行政として、指定地区だけでなく周辺地域の大切さを考えていただいているあらわれであると思います。
 風景計画としても、市街地を含めた広域において、景観に対し、市民、住民に対してご理解、ご協力をお願いするとともに、十分な啓蒙啓発活動をしていかなければならないと考えます。しっかりと市民、住民に寄り添うことが必要であり、そして行政の役割としては、単に支援だけで済むようなものではなく、行政が主導をする立場で住民の模範となる行動、事業展開をすることが、住民の理解を得る上で不可欠であると言えます。まさしく両者が両輪となって推進していかなければ、こういった事業は継続し成り立っていくものとはなり得ないと言わざるを得ません。
 そうした中で、1問目に質問をいたしました図書館周辺を中心とした地域、八幡堀周辺、瓦工場跡地等において様子が一変したというか、景観のさま変わりがいかにも激しく、伝統的建造物群、重要文化的景観の一つの主要な、また大きな要素を占める八幡堀を考えるとき、周辺の景観はこれからの風景計画、伝建に対する考え方の対象としてもしっかりと取り組まなければならないのではと感じるものです。伝統的建造物群保存地区、重要文化的景観ともに、周辺地域における建築物等の環境を守るためにも、風景計画をしっかり推進していくためにも、前に述べた住民の理解が絶対必要条件であると思います。
 繰り返しになりますが、本当の意味で行政と地域住民がともに取り組まなければ目的は達成できるものではないと考えるものです。そうした意味で、風景や景観保全の観点から、八幡堀周辺の景観保存について、当局の考え方についてお示しいただけますでしょうか。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
 都市整備部小西部長。
◎都市整備部長(小西正彦 君) 今議員から再問を受けました、八幡堀周辺の景観保全についての考え方だと思っております。
 まずもって、景観計画は、それぞれの地区に応じた好ましい保全を基本としておるということを一定ご理解をお願いしたいと思います。
 今ご指摘をいただきました地区、八幡堀周辺でございますが、こちらはご承知のように伝建地区に隣接していることから、伝建地区の保全方針、また先ほど市長から答弁がございましたように、やはり地域住民と行政との協働によるまちづくりの一つとしまして、必要に応じた形の中で、対象となる地区住民のご意見をいただくなど、地域住民との協働による保全に向けた必要な措置を講じていかなければならないと、そのように思っております。また、今ご質問のあった八幡堀の件につきましては、今申し上げましたように、皆様のご意見、また協働によるまちづくりの中で検討してまいりたい、そのようにも考えております。
 以上でございます。
○議長(田中好 君) 吉田副市長。
◎副市長(吉田正樹 君) 伝建地区も本当に大事なんですが、町が記憶装置として残っていくのが大事なんですね。近江八幡市の町で、町並みなりでいろんな文化が町の記憶装置として残っていくことが大事でありまして、だから言いかえましたら、もちろん伝建地区もそうやし、しかし安土さんのとこにもいっぱいいいもんがあるんですね。これを残そうと思うたら、町の記憶装置という視点がないと、これは守っていけへんのですよ。この記憶装置をどうやって動かすかというのは、ここにお住まいの私も含めましていろんな人たちが文化を今残しておけば、50年先の子孫が何かぶち当たったときにこれを見たらフラットに戻るという仕組みをどっかで持っていかんと、これはなかなかみんなの心が一つになっていかないんですね。
 だから、伝建地区にしましても、これが100年、200年、500年、過去にこういった人たちが、先人がこうしたものをこういう記憶装置で残してもらったという視点をどっかで持っていかんと、これはつながっていかないんですね。ということを根本的に持っておりまして、これからはいろんな地域の文化を今のお住まいの人たちが次の世代のためにどういう形で仕組みを残すことが、将来の人たちが、あのときに先輩が一生懸命考えて残してくれたんやという仕組みを多分伝承することが残っていく仕組みでございまして、ここを今後平たく行政はひもときながら、新しいコミュニティーの中に先人の生きざまからもう一回ひもといていくという仕組みが大事かなと思っておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 世代交代が進む中、よりよい住環境であり建築物を残すという地域コンセンサスをつくり上げるためには、行政主導は必要なものであります。行政は、支援という表現にとどまらず、周辺地域を含めた環境保持、整備の必要性を十分に認識していただき、行政もまた主体であることを肝に銘じ、誇りある町の継続を図っていただきますようお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(田中好 君) 以上で山本英夫君の個人質問を終わります。
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