近江八幡市議会
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竹尾 耕児 議員
平成30年第1回(3月)近江八幡市議会定例会 3月1日(木) 個人質問
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内容
会議録
平成30年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月1日(木) 個人質問
竹尾 耕児 議員
(1)児童遊園の管理について
①児童遊園は現在何箇所整備されているか、及びその管理の現状について
(2)公立小中学校におけるインクルーシブ教育について
①障がいを持ちながら通学している児童生徒は何名いるか。
◆1番(竹尾耕児 君) 皆様こんにちは。
山本議員に引き続き、チームはちまん竹尾耕児が質問をさせていただきます。
私は、本議会、大項目2点にわたりまして質問をさせていただきます。
早速、1点目の質問に移らさせていただきます。児童遊園の管理についてという項目で質問をさせていただきます。
私、この質問を考えるに当たりまして、改めて公園というものについて調べさせていただきました。ふだん暮らしておりますと、気兼ねなく公園、公園と言っているものでも、実はさまざまな種類があって、都市公園、あるいは運動に特化した運動公園と呼ばれるものがあったり、また自然公園というものもございます。町なかには街区公園とかというものもございまして、たくさんの種類があって、その公園の目的や規模、また役割に応じて管理の方法がそれぞれ異なっているということでございます。
今回は、私、その中でも特に、町なかにあります小さな児童公園、近江八幡市では児童遊園というふうに表現されておられますが、この児童遊園について質問をさせていただきます。
児童遊園は、児童の健康的な心身の成長を図るための遊び場機能であったりとか、また近隣住民の憩いの場としての機能、災害時などの避難を想定した空地として、また緑地景観の確保の場として、その有する機能は実は目に見える以上に大きなものがあるのが児童遊園だと、このように考えております。
現在の近江八幡市の児童遊園は、基本的には市が設置し、地域住民、地元自治会さんを中心に、その草刈りでありますとか、また遊具の点検などの管理が行われています。地域住民の公共性を育む場として、そうした草刈りでありますとか遊具の点検などがあるということは理解できますが、各自治会によってその負担にはばらつきがあるのではないのかなというような実態も感じております。
初問としまして、これは確認の意味も込めてなんですけれども、現在、このような児童遊園に関しまして、市内に何カ所程度あるのか、また現在の管理の方針も重ねてお伺いいたします。
以上、初問といたします。
○議長(田中好 君) 当局の回答を求めます。
市長、冨士谷市長。
〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) 竹尾議員の、市内の児童遊園の箇所数と児童遊園の管理方針についてのご質問にお答えを申し上げます。
現在、市内には、児童遊園として位置づけている公園は219カ所でございます。
児童遊園の役割は、まず1つとして、住宅地に憩いと安らぎを与える身近な緑地空間の確保と景観保全、また2点目として、子どもから高齢者までが触れ合う余暇利用のための身近なレクリエーションやコミュニケーションの場の確保、また3点目としまして、災害時には地域住民が集まり安否確認を行う一時避難所の防災機能を有するなど、住宅地域に欠くことのできない公共空間でございます。これらの児童遊園は、開発行為やあるいは地域改善対策事業の施行に伴い、住宅地の緑地空間として設けられたものなどがございます。
また、国の人口1人当たりの公園面積の平均は10.4平方メートルで、本市の場合、都市公園の人口1人当たりの面積は3.92平方メートル、都市公園と児童公園を合わせても1人当たり5.62平方メートルと、まだまだ少ない状況でございます。
次に、児童遊園の管理についてでございますが、先ほども申し上げましたとおり、各自治会に存在する公園は、必要不可欠な緑地空間でありますので、地域住民の方々のご協力のもと、協働による公園の維持管理に努めてまいりたいと考えているところでございます。公園などの保全作業は、地域の方々が一堂に会し、共同作業によります地域コミュニケーションの醸成の場でもあるからであります。
このような観点からも、議員におかれましても、地域に必要な緑地で、かつ公共空間である地域の児童遊園の維持管理にご支援をお願い申し上げるところであります。
なお、公園の維持管理におきまして、自治会で対応が不可能な高木の剪定、また遊具の部品の欠損によります修繕などは、引き続き市で対応してまいりますが、遊具の新設あるいは公園のフェンスの新設並びに修繕工事につきましては、いきいきまちづくり自治コミュニティー活動支援事業補助金制度をご活用いただき、地元自治会において対応をお願い申し上げるものでございます。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
ただいま市の管理方針と、また現在の考え方、公園のあり方については理解できました。特に、緑地空間の確保でありますとか地域のコミュニケーションの醸成の場といった意味合いについては、十分に理解しているつもりでございます。しかし、その管理の方針について、いわゆる地元地域自治会を中心とした協働でということが答弁でございましたが、その負担が地域によって著しい偏りが見られるのではないかと、このように感じております。
一例を挙げますと、地区改良事業によって整備された公園というものが近江八幡市にはございます。これは文字どおり、地区改良の指定地区に集中して設置されています。これは、地区改良事業が進むと道路ができる、また住宅が建つ、そして残地というものがあちこちにできるわけですね。この残地が全て児童遊園となっております。こうした指定地区には非常に多くの児童遊園が存在し、その中には、事実上その児童遊園の役割を果たせない狭小な児童遊園も多数存在しております。
また、管理をお願いされている地域を注視してみますと、少子・高齢化は待ったなく進んでおりまして、せっかく町民総出で公園をきれいに管理していましても、遊ぶ子どももなく、ただ草が伸びるのを待っているだけといった状態も見られるのではないかと感じております。こうした実態が、地域のコミュニケーションの醸成の場としてではなく、逆に地域の疲弊感や徒労感を生んでいる背景もあるのではないか、地元住民さんも草刈りだけで手いっぱいといった現状が発生してるのではないかと感じています。
一方で、都市公園に目を向けてみますと、当市における健康ふれあい公園の整備を初めとして、近隣市町、大型の都市公園というものの整備が進んでおります。私も、草津川跡地公園ですか、見学に行かさせていただきましたけれども、カフェ機能もある、フィットネスのスタジオもある。そこには、スケートボードで遊んでいる若者、あるいはダンスに興じる若者がいた。ギターを片手に歌を歌ってる若者も見受けられました。お父さんとお母さんがベビーカーを押して安心・安全に歩いておられる場もあって、水辺も少しありましたか、そうしたところで非常に安心で安全な複合施設としての都市公園のあり方というものがますますその機能の役割を高めていってる中、一方で、児童遊園の役割は縮小していってるのではないでしょうか。
私、同世代の子育て世代に児童遊園について聞いてみますと、生活道路に隣接している児童遊園は車通りが多くて危険性が高くて、そもそも子どもたちだけでは遊ばせられない、あるいはボールを使うほど広くもない、狭い、遊具がない、もしくは古い、だったら大規模都市公園に出かけているといった声をたくさん聞き、児童遊園の利用率は決して高くはないのではないかと、このように感じました。このまま行政として児童遊園の管理を地域にお願いし続ける形が本当に適切なのかどうか、地域ごとの児童遊園の総数や、あるいは管理をお願いしている地域のいわゆる公園の専有面積率、またその地域の少子・高齢化の実態などを把握していただいて、あるべき管理の形というものを地元住民と協議していく必要があるのではないかと、このように考えております。
以上のような観点から、地元負担が著しく偏っている自治会については、少子・高齢化が進む現在、従来どおりの公園の維持管理方針では地元負担が余りに大き過ぎるのではないかと感じております。そのような現状にある地域に対して、市として何か支援といいますか、あるいは方針の見直しなどの方策が必要かと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
都市整備部小西部長。
◎都市整備部長(小西正彦 君) 竹尾議員の再問にお答えいたします。
児童遊園は、先ほど市長からご回答申し上げましたとおり、地域の緑地、また防災機能など、都市機能として必要な空間でございます。議員ご指摘のとおり、小さな児童遊園が集中している地域では、少子・高齢化が進む中、維持管理にご苦労をおかけしていることも承知しておりますが、公園は地域住民にとって身近な緑地空間であることから、地域の方々にご協力いただきながら大切に守っていきたい、そのように考えてございます。
また、一旦失われました緑地空間の再生というのは、もとへ戻すことは大変困難なことであろうかと思います。慎重に対応しなければならないとも考えてございます。
現在、公園のあり方について検討するため、各公園の現状調査と台帳整備を進めているところでございまして、密集している地域の児童遊園を今後どのように活用していくのかを含めまして検討してまいりたい、そのように考えてございます。
児童遊園については、設置された経緯がさまざまでございます。見直しについては、ある一定の制約がございますが、公共空間、緑地空間を守る観点から、少子・高齢化の時代に即した公園の再構築なども視野に入れまして、市の支援や管理方針について検討してまいりたい、そのように考えてございます。
以上でございます。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
今のいただきました回答の中に、時代に即した公園の再構築ですか、また市の支援のあり方についてというような回答がございましたけれども、私自身も、何も公園を潰せと言っているわけではありません。少子・高齢化が進む中、10年後、20年後を見越したときに、現在の管理の形が本当に続けられるのかどうかというところに大変大きな疑問を持っているわけであります。
このまま地元負担が増大し続ける傾向にあれば、その分、児童遊園の存在というものが地域のお荷物になってしまい、ある種、地域から、もう潰してほしいであるとか、もう管理は無理だ、お手上げという声が強くなれば、先ほど市長も答弁の中でおっしゃってくださいましたけれども、そもそもの緑地空間としての必要性でありますとか、また一時避難所としての役割ですか、そうした市が考えておられる大切な理念までもが失われてしまうような形になってしまうのではないかということを危惧しておるわけであります。私としては、それは何としても避けたい。児童遊園の持つ魅力を効果的に発揮するために、その集落や地域に応じた、ある種オーダーメードといいますか、個別的な管理の仕方、対応が必要なのではないかと、このように考えております。
一方で、私、都市計画審議会というものに籍も置いてございまして、その都市計画審議会における開発地区の開発計画の決定の中には、宅地を計画する際に必ずと言っていいほど緑地というものが設けられていくわけでございますね。これも確認のために部長にお伺いしたいと思いますが、都市計画の開発基準における緑地の規定というものは一体どのようなものであるのか、お示しください。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
都市整備部小西部長。
◎都市整備部長(小西正彦 君) ありがとうございます。
先ほどから答弁させていただいておりますが、児童遊園というのは市内に219カ所ございます。行政が全てを維持管理するというのは非常に困難性もございますので、その点は1点ご理解をいただきたいなと思っております。
今ご指摘のございました開発基準における緑地の規定についてでございますが、本市の開発基準における公園の配置計画等につきましては、開発区域面積が0.3ヘクタール以上1ヘクタール未満の場合、住宅系の開発行為については、公園1カ所の面積は150平方メートル以上かつ公園等の合計面積については開発区域の3%以上設けること、また開発区域面積が1ヘクタール以上5ヘクタール未満の場合の住宅系の開発については、1カ所の公園面積というのは300平方メートル以上かつ公園等の合計面積は開発区域の面積の3%以上設けることとなってございます。また、児童遊園として、子どもたちのための遊具の設置を義務づけております。
開発基準では、開発の面積要件や公園の設置の構造などについて、利用者の安全が確保できるよう、詳細な基準を定めているところでございます。
以上でございます。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございます。
開発基準でいくと、3%の緑地の確保ということでございましたけれども、今私申し上げております児童遊園について本来あるべき議論を進めていこうじゃないかという中で、他方で、新規の開発計画によって狭小な児童遊園がふえ続けていっているという現状もあるのではないかと、このように思います。私、幾つかそうした小さな開発計画によってできた児童遊園を確認させていただきましたけれども、砂地に鉄棒だけといったような児童遊園も確認できました。こうした砂地に鉄棒だけといった小さな児童遊園が、緑地空間として本来持つべき魅力を発揮できていないのではないかというようにも感じております。
都市計画の考え方につきましては、都市計画法という上位法がございまして、それを運用する地方自治体については、都市計画法の縛りの中で開発計画というものを進めていかなければならない。このことについて、この運用について、ロングスパンの議論を要するかと思いますが、これは私の提案なんでございますが、例えば開発の規模や、あるいはAとBという地区が隣接された場合、そしてかつ連続して開発計画が張りつけられそうだという場合は、そのA、Bそれぞれに小さな児童遊園を要するのではなく、開発地区をまたがった共用の大型公園などを設定するなど、こちらについても十二分に議論の余地があるのではないかと、このように考えております。
当市でも、都市整備部内に公園課を立ち上げていただきまして、また国、政府の見解を見ましても、公園のあり方については柔軟な議論を地方自治体に求めるなど、今まさに児童遊園を含めた公園のあり方については今議論を進めるべき時期に来ているのではないかと、このように感じております。私どもも、2025年問題というものを福祉サイドからの問題提起を受けております。2025年に本当に現在の形のままで維持できるのかどうか、あるべき公園の形とは一体何か、より適切で快適な公園のあり方について、地域住民の思いを酌み取りながら具体的な議論を進めていっていただきたい。これも要望になりますが、そうした議論を進めるべき場を、行政を中心に外部機関も入れながら立ち上げていっていただいてはどうかと、このようにも考えております。
また、現在地域がまさに今直面している事態については、そのあり方も含めて、これは積極的に公園課さんに相談に乗っていただきますよう、これは要望とさせていただきまして、この質問は閉じさせていただきます。
次の質問に移ります。
次に、市内小・中学校におけるインクルーシブ教育について質問をさせていただきます。
私、この議席を預からさせていただいて、はや3年が経過しようとしています。私、今でも思い出しますのは、初めてこの一般質問の場に立ったときに、非常に緊張しておりました。そんな中で3本質問をさせていただいた、そのうちの1本がこのインクルーシブ教育についてでございました。そのとき、日岡教育長からインクルーシブ教育について心強い発言をいただいたということは、今も鮮明に記憶しております。
しかし一方で、2016年、相模原で19人もの命が奪われるという痛ましい事件が起こりました。私、これ非常に悩みました。私の政治理念は、近江八幡市を、全国に負けない、恥じることのない人権都市にすることだというのが私の政治理念であります。しかし、失われていい命などはないところに、非常にゆがんだ差別性が狂気じみた犯行を及ぼしたというのが相模原の事件です。幾ら薬物の陽性反応があったにせよ、ああした痛ましい事件というものはあってはならない、そしてまた私たちは、相模原という少し遠く離れた地域かもしれませんが、こうした問題を社会、私たちの問題としてつぶさに考えていかなければならないという気持ちで、今も私は明確な答えは持ち合わせておりませんが、こうしたことを真摯に当局の皆様と議論させていただきたいと、このように感じております。
一方で、国内を見てみますと、国連の障害者の権利に関する条約の締結に向けた国内の法整備の一環として、全ての国民が障害のありなしによって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的とされた障害者差別解消法が施行され、こちらは2年が経過しようとしています。当市でも手話言語条例の制定がされるなど、この法の理解や進捗を図るため、何より障害の有無にかかわらず自分らしく生きていける社会づくりをこれからもますます私たち地方自治体は進めていかなければならないと、このように考えております。
そうした社会づくりの大きな根幹の一つとなるのが、私はインクルーシブ教育ではないかと考えております。特別支援学校と等しく、地域の公立の小・中学校も積極的に進学、通学できるよう、魅力的な選択肢として、公立の小・中学校でもより実践的な踏み込んだインクルーシブ教育を進めていく必要があるのではないかと感じます。
現在、近江八幡市の小・中学校に障害を持ちながら通っておられる、また次年度進学してこられる児童・生徒さんというのは一体どれくらいおられるのか、初問としてお尋ねいたします。
○議長(田中好 君) 当局の回答を求めます。
教育委員会日岡教育長。
〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇 君) 竹尾議員の、インクルーシブ教育にかかわる公立小・中学校における特別な支援を必要とする児童・生徒数のご質問にお答えしたいと思います。
まず、今年度の状況ですが、現在、市内公立小学校の特別支援学級には168名の児童が、公立中学校の特別支援学級には42名の生徒が在籍しています。障害の種別ごとでは、小学校168名の児童のうち、105名が知的障害の学級、59名が自閉症、情緒障害の学級、2名が肢体不自由の学級、2名が難聴の学級に在籍しており、中学校の42名の生徒のうち、29名が知的障害児の学級、10名が自閉症、情緒障害の学級、1名が肢体不自由の学級、1名が難聴の学級、1名が身体虚弱の学級に在籍しています。
また、通常の学級でも、学習障害や注意欠陥多動性障害、自閉症スペクトラムといった発達障害の診断などを受けている児童・生徒が複数学んでいます。診断はないものの特別な支援を必要としている児童・生徒を合わせますと、743名の児童・生徒が学んでおり、この数は通常学級に在籍する全児童・生徒の11.3%となっています。
参考までに、昨年度の同様の調査において、通常学級で特別な支援を必要とする児童・生徒の割合は、県全体で9.9%だったのに対し、本市では10.8%という結果が出ており、若干高目です。
なお、この調査は国での取りまとめがありませんので、全国の数値と比較することはできません。
次に、次年度ですが、小学校の特別支援学級には新たに32名の児童が就学する予定で、在籍者数は185名となり、今年度より17名ふえる予定です。また、中学校の特別支援学級は、23名の生徒が進学する予定で、在籍者数は58名となり、今年度より16名ふえる予定です。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
県の平均よりも非常に高いといいますか、数値で、次年度も総数としてはふえるということで、恐らく県の平均よりかは上回ってくるであろうということが想定されるわけであります。
私、インクルーシブ教育と障害者差別解消法というのは一体になって推進していかなくてはならないと、このように考えております。そこで、障害者差別解消法をひもといてみますと、合理的配慮という文言がその法律の中には盛り込まれている。合理的配慮というのは一体どういうことなのかということを考えてみますと、障害というのは個性の一つでありますから、顔や声や性格が違うように、障害のあり方、出方ということも子どもさんによってさまざまなものであります。
そうした一人一人の障害でありますとか、またその障害の出方によって、柔軟な対応を求められているというのが教育現場の実態であるかと思いますが、こうした合理的配慮の取り組みについてどのような対応がされているのか、全てというわけにはいかないかもしれませんけれども、重立ったものだけでも紹介していただきたいと思います。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 議員ご質問の合理的配慮についてお答えいたします。
本市においても、障害のある子どもが障害のない子どもとひとしく教育を受けることができるように、それぞれの子どもに応じた適切な配慮をしています。議員がおっしゃったように、748名ですか、全ての子どもたちの合理的配慮をここで一斉に言うのはちょっと不可能ですので、具体的に重立ったものを一部言わせていただきます。
紹介しますと、個に応じた支援が必要な子どもたちのために、特別支援教育支援員を配置しています。医療的なケアが必要な子どもたちのためには、看護師を配置したりして支援体制を整えています。また、教育環境の整備としまして、車椅子のまま使用できる机や教具を配備したり、子どもの病状を考慮して黒板をホワイトボードにかえたり、階移動が、例えば1階から2階あるいは1階から3階への移動が困難な子どもがいる場合については、教室の配置そのものを工夫したりしています。過去には、階段昇降機を設置したケースもありました。
現在は、難聴学級に在籍する児童への合理的配慮として、補聴器や人工内耳では十分に聞き取れない部分を補うデジタルワイヤレス補聴援助システムの導入を検討しているところです。
○議長(田中好 君) 質問ありませんか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございます。
お子さん一人一人に応じた配慮というところ、非常に慎重にしていかなくてはならない部分もあるかと思います。また、さまざまな方策をとられていることを感謝申し上げます。
しかし、私、1点不安ということもありまして、ちょっとこれ再問でお聞きしたいんですけれども、学校やあるいは教育委員会の事情により、市内の公立小・中学校への進学を希望しながらも断念をされたケースというのはありますでしょうか、お答えください。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 本市において、学校側の事情により断念されたというケースはありません。ただ、就学相談を受けられた保護者には、教育支援委員がお子さんの障害に応じた多様な学びの場について情報提供していますが、最終的にお子さんの進路を決定されるのは保護者ですので、市や学校はその選択を最大限に尊重している状況です。
○議長(田中好 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございます。
ということは、保護者さんあるいは本人さんが希望をした場合、近江八幡市の教育委員会は公立の小・中学校の受け入れは拒まないということでよろしかったでしょうか。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) ただ、合理的な配慮の中で、例えばどうしてもエレベーターを使ってくれという非常に困難なことに対しては、それはできませんと。先ほど、階移動の困難な子どもについては、例えば中学校で来年度も計画されているんですが、3年生は1階、2年生は2階、1年生は3階と決めておられても、子どもたちにその理由と子どもの実態を説明して、いろんな子どもたちの思いはあるんですが、1階にその学年はずっととどまるような、そんな配慮をしています。かつて市内の小学校でもそういうことをしていただきましたし、市内の中学校もそういう例もありました。来年度は、ある一校の市内の中学校でそれを計画していただくということで、できる限りの配慮はさせていただきますが、金銭面で到底不可能であること等については、保護者の方に説明をして対応している状況です。
○議長(田中好 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございます。
限られた財源の中で精いっぱいの努力をしていただける、また重ねていただける、何よりも保護者さんあるいは本人さんの気持ちに寄り添っていただけるという姿勢はこれからも大切にしていっていただきたいと、このように考えております。
私、本日は1つ作文をご紹介したいと思いまして、皆様のお手元に配付させていただきました。これ本人さんの了解も得て配付させていただいております。ご紹介させていただきます。
障害者にもっと優しく。
私には、妹が2人と弟が1人います。そのうち、10歳の妹は、生まれつき重い障害があり、食べることができないので、鼻にチューブが入っていて、また歩けないので、移動するときは車椅子を使っています。
妹は、私が4年生のときに、同じ小学校に入学しました。妹のように重い障害のある子が地域の小学校に入学するのは珍しいそうです。
妹の入学式のとき、友達できるかな、鼻のチューブのことで妹が嫌がるようなことを言われないかなと不安でした。でも、入学してから妹の様子を見に行ってみると、たくさんの友達に囲まれていました。妹の顔も友達の顔も、とても幸せそうでした。私は、友達がたくさんできてよかった、みんな妹のことをわかってくれていると思いました。そのとき、私も幸せでした。
妹を連れて散歩や買い物などに行くと、特に小さい子たちがじろじろと妹を見るので、私は、なぜそんなに見るの、チューブがついていて何かあるのといつも思います。妹と友達の様子を見ていたら、小さいころから当たり前に接していれば、そんな目で見ることもないのかもしれないなと思いました。
車椅子を押していると、少しの段差でも気になります。そこで、私は、妹の車椅子を押して、自分の住んでいる町を散歩して回りました。すると、自分一人で歩いているときでは気づかなかった歩道と車道の段差や歩道の狭さを気づきました。
また、車椅子の妹と出かけていると、エレベーターやスロープを使うのですが、この前、大きな駅の地下街に行こうと思ったら、エレベーターが幾ら探しても見つかりませんでした。結局、店の人に聞いたら、普通のエレベーターではなく業務用のエレベーターを案内されました。大きな都市で、利用も多いところなのに、びっくりしました。
妹の小学校での話を聞いていると、何かみんなでするときには、自然とクラスの友達から、◎◎ちゃんもできる、◎◎ちゃんはどうするのという声が上がるそうです。一緒に毎日過ごしているから、妹が車椅子でもどうしたらいいだろうと考えてくれてるのだと思います。
障害のある人もない人も一緒に過ごすことが当たり前になれば、歩道と車道の段差があったり、歩道が狭かったり、エレベーターがなかったりすることはなくなると思います。ともに過ごすことで、全ての人が安心して過ごせる社会になると思います。
これは、市内の八幡東中学校に通う中学生の作文です。人権尊重のまちづくり推進協議会が主催いたします人権作文で表彰されました。
私、この作文と出会いまして、先ほど申し上げました相模原の事件のもやもやした部分がこの作文で少し晴れるような気持ちになりました。ここに書かれてあります「小さいころから当たり前に接していれば」、そして最後に書かれてあります「ともに過ごすことで、全ての人が安心して過ごせる社会になると思います」という文章、彼女にとってはこれは何も特別なことを書いたわけではなく、妹さんと暮らす日々の当たり前の日常の中から考えた素朴な疑問であったり素直な思いをここに表現されたのだと私は思います。
日岡教育長、この作文を受けて、近江八幡市のインクルーシブ教育についてのご所見を改めてお伺いしたいのですが、よろしくお願いいたします。
○議長(田中好 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 障害のあるなしにかかわらず、子どもたちが公平に平等に教育を受ける権利というのは当然なことやと思います。この作品は、先週の日曜日でしたか、人権フェスティバルでこの作品と私も出会ったんですが、この妹さんともその日にもお伺いさせてもらいました。
ただ、この子の例だけじゃなくて、市内にはいろんな議員のもやもやを解決するようなたくさんの話があります。かつて、ダウンの子どもが通常学級に3年間いたことがあります。これは中学校の話ですが、そのときに何よりも障害に対する意識が強くなったのは、その周りにいる子どもたち、その学年の子どもたちが本当に障害者に対する思いが随分変わったように思います。修学旅行に行ったときに、その子を中心に修学旅行がプログラムされたことを思い出します。子どもたちは本当にすばらしい力を持っているので、ぜひこの子どもたちの思いを何とか拡大したいなと思います。
ただ、本市も特別支援教育の支援員等々を配置していますが、義務教育に配置しない町、配置している町が実際にあるんですけども、そんなことがあっていいのかなと私はつくづく感じていますので、ぜひ議員の思いも含めて、やっぱり教員の数をふやしてもらうように県や国に要望していきたいと思いますので、またご支援よろしくお願いしたいと思います。
○議長(田中好 君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) 教育長、ありがとうございました。
確かにおっしゃるとおりで、各市町によって差があるというような状況というのは一刻も早く是正していかないといけません。そしてまた、教育長おっしゃられたように、700を超える特別支援を要する子どもさんがあれば、700を超える日常、700を超える生き方があるわけで、その中にはこちらの東中の女子生徒さんが書かれたような作文の日々というものがあると。そして、私はこうしたことが、いわゆる言葉だけを知っているからというわけではなく、また授業を行ったからというわけではなく、こうした日常を大切に見ていく教育というものが私はこれはインクルーシブだと、このように考えております。
障害者差別解消法が掲げます合理的な配慮の中には、確かに看護師さんの配置でありますとか医療ケアや、あるいはハード面の整備といったことも要望の中にはあるかと思います。厳しい財政状況であるということは認識はしておりますが、市内の公立小学校に通学したい気持ちを持ちながらも通学を断念せざるを得ないという子どもが生まれないように、今後とも言葉だけではなく、また授業を1時間するということだけではなく、しっかりとこの日常の中にインクルーシブという観点を私たち自身もしっかりと持ちながら、近江八幡市の特別教育の支援というものを進めていきたいと、このように考えております。
こうした生徒さんがしっかりと市内の公立の小・中学校の中に育っているということ、まずもってその学校の先生方に感謝申し上げますし、それを支援していただいております教育委員会並びに市当局の皆様、すごく私はこの生徒さんを誇らしく感じるわけであります。この学校もそうです、先生方もそうです。何よりも、このすばらしい姉妹と、そして日々この姉妹を子育てしてくださっている保護者の皆様に敬意を表し、私の個人質問は閉じさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(田中好 君) 以上で竹尾耕児君の個人質問を終わります。
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