録画中継

平成30年第2回(6月)近江八幡市議会定例会
7月10日(火) 個人質問
山本 英夫 議員
(1)通学路等における安全対策にっいて
(2)文化に関連した施策について
(3)空き家バンクについて
◆23番(山本英夫 君) 個人質問をいたします山本です。
 もう既に何人かの方が述べておられますが、このたびの激甚災害に指定された西日本の豪雨により、時々刻々増加している死亡者は、けさの時点で130名と報道されておりました。お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された地域住民の皆さんにお見舞いを申し上げます。
 近江八幡市においては避難された方々はおられましたが、人的被害については報告されておらず、迅速に災害本部を立ち上げられ、対応していただきました市長部局職員の方々に対し感謝申し上げるものです。
 しかし、耳なれないはずであります異常気象、線状降水帯、特別警報などの語句も、近年頻繁にニュースなどで耳にするようになったことを思いますと、ますます水害など災害に対する避難マニュアル等の市民啓発の必要性を十分にお酌み取りいただき、平常時における日常的な取り組みをよろしくお願いいたします。
 それでは、発言通告いたしておりました折の口述原稿に戻らせていただきます。
 さて、6月18日、大阪府北部を震源地とする地震で9歳の児童が通学途中に事故に遭われたことは、本当に心の痛むものであります。その事故も学校のプールのブロック塀が倒れたことにより起こったものであり、そこで質問を通学路のブロック塀の点検等から入らせていただくつもりでしたが、既に前に2名より質問が行われ、繰り返された答弁で了とさせていただきます。
 そういったことで、初問の最初の部分を省略し、要望からとすることをお許しいただきたいと思います。
 まず、前の質問者でも言われておりましたブロック塀に関する補助の問題についてでありますが、答弁でもありましたように、大阪市では地震で倒壊するおそれのある民間所有のブロック塀について、撤去や建てかえの費用を補助する市独自の制度を創設すると表明されました。通学路に限らず対象とする方針とされ、国土交通省によると、2011年の東日本大震災を機に、翌年度から耐震化などの震災対策を促進する防災・安全交付金ができ、自治体が負担の半額を補助するものであります。
 静岡市はブロック塀撤去に最大10万円、改修に同25万円を助成する制度を設けています。民間所有の塀の撤去が特に難しいといい、一方的に行政が撤去できるものではないとの話です。北海道の教授は、いつ起こるかわからない震災に、あえて撤去や改修費をかけることに二の足を踏むことが背景にあるかもしれない、促進のため公的な助成が必要だと指摘されています。
 県内においても湖南市で個人を対象としたブロック塀の解体補助が7月提案されるとのことですし、同様の補助は2012年度から草津市でも行われています。災害が起こればブロック塀倒壊は大きな事故になることは、過去の事例で明確にされておりますので、近江八幡市においても対応をご検討いただくようお願いをいたします。
 それでは、ここから少し私どもに身近な通学路に対する質問をします。八幡学区の通学路の安全における大きな問題点としては、八幡宮周辺の白雲橋周辺や下中筋の横断など、以前から議会においても質問のあったところであります。また、八幡小学校の昇降口側、小幡町横断歩道橋は老朽化の激しいものであり、手すりであるべき部分は、高さから考えますと子どもの手すりとは言えるものでありませんし、大人や高齢者が手すりとするにしても、さびと塗装の劣化が進み、手を傷つけるものではないかという状態であり、特に積雪時や凍結などの場合、危険そのものであります。
 通学路の問題点としてどのように把握し、対応をお考えいただいているのか、お尋ねをいたし、これを初問とさせていただきます。明快なご答弁をよろしくお願いします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 小林教育部長。
             〔教育部長 小林一代君 登壇〕
◎教育部長(小林一代 君) 山本議員お尋ねの八幡学区の通学路の問題についてお答えをいたします。
 まず、八幡宮周辺についてですが、観光客と児童・生徒の下校時間が重なると大変混雑する状況になることは把握をいたしております。これまでも白雲橋にカラー塗装をするなど、通学路の安全対策を実施してきましたが、ハード面での対策には限界があり、根本的な解決は難しい状況です。教育委員会といたしましては、学校からの安全指導を徹底するとともに、スクールガード等の方々の協力を得ながら、児童・生徒の安全確保に努めてまいりたいと考えます。
 次に、八幡小学校前歩道橋の利用に対する教育委員会の考え方ですが、通学路の安全対策として、歩道橋を利用することは交通事故防止等の観点から有効な方法であると考えます。しかし、議員ご指摘のとおり、積雪時や凍結時には危険な場合もあり、八幡小学校の対応として、昨冬の大雪のときなどは小幡上筋の信号を渡る措置をとったこともあると聞いております。
 今後も児童の安全を第一に考え、状況に応じ管理調整課とも連携をしながら対応していきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 歩道橋についてですが、どうも教育委員会としては、実際には工事発注者たる部署ではないという認識なのか、保護者にとってはいまいち歯切れの悪い印象の答弁であるように捉えられます。そういった意味では、管理調整課との連携ということの答弁ですので、所管されている都市整備部としてはどのように把握されているのか、また何かお取り組みのお考えがあれば、あわせて歯切れのよい答弁をお聞かせいただけますでしょうか。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 小西都市整備部長。
◎都市整備部長(小西正彦 君) 山本英夫議員の歩道橋の再問についてお答えをいたしたいと思います。
 まず、平成25年でございますが、道路法が改正をされまして、平成26年度から2メートル以上の橋梁、道路にかかっている橋、それと今の歩道橋も対象となってございます。こちらについては、5年に1度の目視による点検が義務づけられたものでございます。この部分につきましては、国の社会資本整備総合交付金を活用しながら、順次点検を進めているところでございます。
 今議員がおっしゃいました八幡小学校前の歩道橋でございます。議員ご指摘のように、歩道橋の現状というものも私ども把握をしてございます。塗装の剥離等の状況も確認をいたしてございます。また、今年度この対象の歩道橋については、先ほど申し上げました橋梁点検の中に含めてございますので、今年度の点検結果を受け、修繕等の検討をしてまいりたい、そのように考えてございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 点検結果に基づいて、子どもたちの安全第一に、また住民にとっても優しい歩道橋となりますよう整備、改修をしていただくことをお願いしておきます。
 八幡宮周辺については、観光客による渋滞地域でもあり、狭隘な白雲橋の幅なども相まって、いつどのような事故が起こっても不思議ではないという思いが保護者、住民感情であります。根本的な解決策の提示、実施をよろしくお願いいたしておきます。
 次に、文化的施策についての今後の取り組み姿勢について質問をいたします。
 さきの質問者が近江八幡市文化振興基本条例に関して言及をされておられましたが、しかしながら前任市長の市政運営に対して、全体的に文化的な施策や事業に対して少し心配りが薄いという市民の皆さんからの声が上がっていたことは、ほかの議員の方からもお聞きをいたしていたところであります。
 単純な例としては、文化協会に対してでありますが、29年3月議会での文化団体活動事業補助金についての当時の委員会質疑、答弁を再現しますと、「具体的に申しますと市の文化祭に対しての補助をさせていただいております。」という答弁に、「文化祭の事業というのはもう市として実施している文化祭ですので、その文化祭にかかわってる事業だけに補助金という形になってると思うんです。ですので、本当に文化芸術にかかわっている団体の方の活動に対する補助金というわけではないですよね。」と質問され、それに、「今のところまだわずかな額ですけれども、該当するものとしてまちづくり芸術振興事業補助金というのが、これは今年度実際にさせてもらったんですけれども、交付をいたしまして、こういう事業をしたいのでどうですかということで申請をいただきまして、それに対して審査員の先生方に審査をいただいて補助を出すというような形をとらさせていただいております。来年度はこのような予算編成になっておりますけれども、担当課としましては今おっしゃってくださってますように、より広い活動に対する補助というものは、当然これから取り組んでいく必要があるというふうに考えていますので、今後そのような取り組みも行っていきたいというふうに思っています。」というような答弁をされていたのを思い出されます。
 これからの市民の文化ということに対する方向を示すためにも、まずこの答弁に基づいたこれからの文化行政全体に対する考え方についてお聞かせください。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理 君) 山本議員の文化的施策についての今後の取り組み姿勢についてのご質問にお答えを申し上げます。
 まず最初に、議員ご指摘のまちづくり芸術振興事業補助金についてでございますけども、この補助金は市内の各種団体やサークル等が本市の文化芸術の振興等を目的として行われる事業に対し、補助金を交付するもので、昨年度は20万円の予算でしたが、本年度は40万円の予算を計上しました。6月22日までに補助金申請の募集をしましたところ、5件の応募がございました。7月下旬に開催します文化振興審議会において審査をしていただき、採択された事業に対し補助金の交付を行う予定としております。
 なお、来年度以降につきましても、今年度の成果を検証しながら充実していきたいと考えておるところでございます。
 今後とも近江八幡市文化振興条例に則し、近江八幡市文化振興基本計画の実現に向け積極的に取り組んでまいりますということでございますけれども、近江八幡市にとって文化というものを根っこから考えてみますと、文化というもの非常に幅が広い、こう考えております。これは我々の日ごろ話している言葉、それから立ち居振る舞いから近江八幡市、近江商人の町でもございます。この商人の商いの方法から含めてさまざまな歴史的資産を含め、それを維持するもの、我々の生活、そして文化活動、これは今一般的に言われています習い事を含みます茶道であるとか華道であるとかさまざまなもの、また一般に芸術活動と言われているものを含みまして、非常に幅広いものでございまして、この分野につきましては私も政策の中で申し上げますとおり、観光と、その一つの資源として歴史と文化ということを申し上げておるわけでございます。
 したがって、この近江八幡市というのは非常に一つの特徴として、綿々と続く近江商人の文化から初め、もっとさかのぼるのかもしれません。先ほど西居議員のご質問にもありましたように、和同開珎が出てきたということで、そうするともう千数百年さかのぼるものもあるわけであります。これらがまだ死に絶えずに生きている町ということで、私はこの近江八幡市というものを認識しております。こういうものを後世にどのように伝え、またその心をどういうように守り育てていくのか、こういうものが教育のところでも申し上げましたけども、郷土愛というものを含めて、我々市民が共有していくということが非常に重要なことだというように思っております。
 今ここで文化振興基本計画ということを申し上げておるんですけれども、より幅広い分野において、今具体的にここここにこうということを申し上げると非常に難しい段階だとは思いますけれども、近江八幡市の一つの未来を見据える柱の一つとして、この文化というものを幅広い意味で考えてまいりたいと、このように考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 今の本当に市長答弁はありがたいものだと思っています。再問の中でも同じような質問の仕方をすることになろうと思いますので、心強い答弁だったと思います。
 では、再問に移らせていただきますけれども、文化に関係する団体に対する補助金のあり方、費用対効果を含め検証され、お取り組みいただきますようお願いをいたしておきます。
 申し添えておきますと、市長も今言われましたように、商い、商店街も町の住民文化の一つであると考えられます。担当課は違うものになりますが、そういった意味合いも考慮いただき、商工会議所、商店街に対しても再検討をよろしくお願いいたし、要望といたしておきます。
 同じく文化に関連して、伝統的建造物群保存地区、重要文化的景観などに関連し、質問をさせていただきます。
 変わり行く市街地、町並みに対する近江八幡行政としての取り組み、考え方についてでありますが、今議会、市長挨拶にもあらわれるように、本市の町並みは歴史であり、町衆の文化であります。それであるにもかかわらず、3月議会において質問いたしました八幡堀周辺における変化は顕著なものがあり、ネットなどにおいても危惧され、問題視されるやりとりが見られます。外部の方々からも残念な気持ちをあらわされているのですが、行政としては現状では指導が精いっぱいであるかのようであります。
 前議会でも申したとおり、もちろん八幡堀だけでなく、伝統的建造物群保存地区も重要文化的景観においても危機感を抱かなければならない現状ですし、その周辺地域、裾野のよさがあってこその景観であり、地域文化です。そういったものであるからこそ、まずは現行においてはより強い指導、規制ができる伝建地域にあって、しっかりした方針、考え方を持って将来の伝建地域を見据えた取り組みが必要とされると思いますが、答弁をお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 江南総合政策部長。
◎総合政策部長(江南仁一郎 君) 再問にお答えをいたします。
 まず、ご承知のとおり現在の八幡堀でございますけれども、文化庁から堀の水面部分が国の重要文化的景観の選定を、また八幡堀周辺のうち新町、大杉町、宮内町、玉屋町、多賀町、大工町等の部分が国の重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けており、選定につきましては文化財保護法、市伝統的建造物群保存地区保存条例並びに関連規則に基づき、さまざまな規制も設けられているところでございます。
 ただ、重要文化的景観、重要伝統的建造物群保存地区区域内の保存あるいは保全につきましては、日ごろから住民の皆様あるいは所有者を含めた関係される多くの方々のご理解、ご協力をいただいてのことでございます。特に八幡堀につきましては、その周辺があってこそトータルでその価値が認められているものだというふうに考えております。指導ももちろん重要ではございますけれども、大事なのは守ろうとする市の姿勢であるというふうに思うわけでございます。
 市といたしましては、今後に向けましてもこの両選定地区を基軸といたしまして、住民の皆さん、また関係の皆さんとともに良好な町並み景観を守るという意識を持つことができるよう、連携を図ってまいりたいというふうに考えております。
 昨日もお答えをいたしましたけれども、今年度無電柱化につきまして各地区内で勉強会を実施する計画となっております。その勉強会におきまして、同時に改めて町並み保存、文化的景観の認識を住民の方々に高めていただきたく、説明等を実施していきたいというふうに考えております。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 無電柱化に対する地元合意のための勉強会の予算をつくられたとのことは、積極的な目に見える取り組みをいただけることとして評価をさせていただきます。
 まず、これからのこととしては、認めさせていただきますが、現行においては答弁で言われるような日ごろからの住民の皆さん並びに所有者を含めた関係される方々のご理解、ご協力をいただいているとのことでありますが、良好な町並み保全、景観を守るための住民に対する啓蒙啓発の事業はどのようなものが行われてきたのか、その実施成果についてご説明をいただけますでしょうか。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 江南総合政策部長。
◎総合政策部長(江南仁一郎 君) お答え申し上げます。
 良好な町並みを守るという意味におきましても、多くの規制が設けられている中、住民の方々、また所有者の方々に景観の保全に向けて、例えば建築物等の修景、修理を実施していかれるべく、絶えず情報を得ながら、協議を繰り返しお願いをしているという状況ではございますが、なかなかこの規制の中においても必ずしも良好に事が進んでいるわけではございません。近年、空き家対策が課題と言われておりますように、いろんな事情でそこにお住まいでない方もふえてきているわけでございますし、所有者の方には有効活用をお願いするなど、解決策を模索しながら進める必要性を感じているところではございます。
 この伝建地区の保存審議会で地区委員出ていただいているわけでございますけれども、絶えずいろんな情報を得ながら、また消費者と協議を欠かさず意見交換を実施しながら、機運の低下を招かないようにということで、取り組みを進めさせてはいただいております。ただ、一方以前のような啓発が十分できているかということを問われますと、なかなか十分なことができてないというふうにも感じておりますので、いま一度啓発啓蒙のありようにつきましては見直す中で、取り組みを進めていく必要があろうかというふうに考えております。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 伝統的建造物群保存地区選定よりは30年近くたちます。重要文化的景観では、平成18年に近江八幡の水郷が全国で初めて選定されたものであり、はや10年以上がたちました。そういった経緯など全く知らない住民が多数おられるのが現状であります。そういったことを踏まえるなら、良好な意識を持つことができるようにというような行政の姿勢では、しっかりした町並み、景観が守られるものではないという危惧からの質問であります。
 まして、周辺地域の現状では、本当に近江八幡市を考えた指導がなされているとは言いがたい変わりようを目の前にしているからこその質問であります。法的な根拠がないなどが問題であり、指導としての限界がある等が担当される部署からのこれまでの返答でありますが、であるのならば、景観計画、条例等で評価すべきでありますし、踏み込んだ取り組みが必要であると思いますが、当局のお考えをお聞かせください。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 小西都市整備部長。
◎都市整備部長(小西正彦 君) 山本議員の景観計画条例等での強化ということの再問にお答えをしたいと思います。
 まず、風景というものを地域の財産であると思っております。風景の創造や保全によるものというものは地域の個性、これが一つの文化ではないかなと思っています。この個性を生かし、その魅力を高め、地域の方々お一人お一人が地域に愛着と誇りを生み出すというものではないかと思っております。
 ただいまご質問ございました伝統的建造物群保存地区周辺のものにつきましては、伝統的風景計画というのを定めてございます。当初こちらにちょっと概要版を持ってきたんですが、伝統的風景計画のこの計画を設定するに当たりまして、区域の設定からこの中にそれぞれの開発なり建築等の場合に一定の基準を定めてあります。風景形成基準ですか、このような形で定めてございます。今申し上げましたように、この区域設定からこの基準に至るまで、行政が一方的につくるのではなく、地域の方々と一緒に町を歩き、地域とともに地域の魅力を共有していき、そしてまた地域の方々のご意見を反映しながらこの計画を策定してきた経緯がございます。
 また、この区域内での建築等をされる場合、建築、開発等もございますが、その中でやはり事前の相談業務の中から、私どもの担当部局ではこの資料に基づいて施主さんなり設計者の方にご説明を申し上げ、この風景計画の趣旨並びにこういう基準をご理解をいただきながら対応してきているというものが1点ございます。
 このように事業者、地域の方々が互いにまたこの中で、申しおくれましたが、やはり開発なり建築をしていただくときには、この地域の方々と事業者の方が協議をいただくという部分もございます。ですので、事業者、地域住民がお互いに協議、調整を図り、保全、創造、それと行為の内容、この部分についてはこう修正してほしいとかという是正などのプロセスを経て、それぞれが作業をすることによって地域の方、住民の方、事業者の方などの関係者が知恵を出し合いながらこの風景を保全をいただくということで、一定これらの努力をすることによって、地域に愛着と誇りを生み出すことができるのではないかなと、このような形の中で良質な風景の保全、創造が可能となるような形の私どもの条例と並びに計画になってございますので、やはり地域の財産である風景を守るというのは、お一人お一人の認識という部分が大きな部分であろうかと思います。これが私どもの財産ではないかと思っております。
 ですので、この計画をつくりました当初の理念並びにその当時の考え方というものを、今現在踏襲をしているものでございますので、現行制度の中で対応してまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 町並み、町の景観の変わりようには多くの悲しむ声をお聞きいたしております。本来、近江八幡市は近代化の先頭を走る町ではありませんし、スローライフ、1周おくれのトップランナーが似合う品格のある町であります。トータルとしてこれからも誇りを持って子どもたち、将来に残せるイメージを持てる景観、町並みのために行政としてはしなければならないことは何なのかをしっかり議論し、八幡の文化を大切にした、八幡が八幡として住みよい、住み続けられる町、終の栖たり得る市政運営をお考えいただきたいと思います。
 市民、住民自身の考えが本当に大切なものであると言われることも理解はできますので、啓蒙啓発を含め、しっかりした町本体、まちづくりを考えたお取り組みをよろしくお願いいたしておきます。
 次に、空き家情報バンクについてでありますが、主体、事務局、事務手続をどのように考えられ、お取り組み体制をとられるのか、お尋ねをいたします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 万野産業経済部長。
             〔産業経済部長 万野藤治君 登壇〕
◎産業経済部長(万野藤治 君) 山本議員の空き家バンクについてのご質問にお答えをいたします。
 近江八幡市空き家情報バンクは、近江八幡市が運営主体となり、近江八幡商工会議所、安土町商工会と近江八幡市空き家情報バンク登録制度媒介に関する協定書を締結し、空き家の利活用の推進を目的とした事業でございます。近江八幡市空き家情報バンクの運用につきましては、空き家を所有する物件登録者と、その空き家を活用したいと思う利活用希望者との間で、売買や賃貸を希望する意思の合意がとれた場合、契約の手続を行うものでございます。
 一般的な不動産の契約を結ぶ場合、宅地建物取引士の資格を有する者が建物の構造や状態などの重要事項を証明する必要があると宅地建物取引業法に定められております。また、空き家情報バンクの取り組みに協力をしていただける宅地建物取引士の会員事業者には、賛同事業者としての登録をしていただいているため、空き家情報バンクに係る物件契約締結の業務を依頼しているところでございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 答弁で言われるように、いろいろな法的な不動産手続であります。何分民間の個人資産に関係する問題であり、行政主体として入られるということからは、どこまで責任ある対処ができるものか、そういったことについての考え方をお尋ねいたします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 万野産業経済部長。
◎産業経済部長(万野藤治 君) 山本議員の空き家バンクについての再問にお答えをいたします。
 空き家は個人の資産でもあり、行政が責任を持って対処できる範囲にも限界がございます。近江八幡市空き家情報バンクにおける行政の役割は、利活用を希望される空き家の情報を発信するところまでであります。さきの質問で回答した内容と重複をいたしますが、土地建物の売買や賃貸といった契約手続におきましては、宅地建物取引士の資格を有する者が行う必要があると宅地建物取引業法にて定めてあります。近江八幡市は不動産の契約手続事務に介入ができないため、それに携わるまでの申請様式の審査や空き家情報の発信にとどまっているところでございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 当市には空き町家のバンクがあり、町家に限定した情報提供がされ、不動産部会も協力いただき、当初には自治会や市民団体、住民も関係し取り組まれてきた経緯がありますが、10年近くの年月がたっているにもかかわらず、成果を十分に上げられたとは言いがたいのが現状ではないでしょうか。
 さきに申した不動産手続の法的な問題がネックであるとして、さきの空き町家バンクの成立のとき、行政はかかわり合いを持てないと言われた先例があります。そういったことからは今回の空き家情報バンクに取り組むに当たり、もとから改良が必要であり、今までの業務手続や手順を総括し、どのようにか捉えておくことが必須条件ではないかと思います。そういったことを踏まえ、空き町家バンクからの問題を改善された点、また先行実施されている他市等の空き家バンクの状況等から取り入れられていることがありましたら、ご答弁をいただけますでしょうか。
○議長(園田新一 君) 万野産業経済部長。
◎産業経済部長(万野藤治 君) 山本議員の再問にお答えをいたします。
 議員ご指摘のとおり、空き町家に対する市のかかわりについては、当時行政としてのかかわり方に法的な限界や問題があったものの、平成20年のモノづくりビレッジ構想策定事業として、近江八幡商工会議所や市民団体などとともに、空き町家の情報発信や利用の促進に取り組んできたところであります。しかしながら、平成26年に空家対策特別措置法が制定されたことを受け、市では平成28年9月に近江八幡市空家等対策の推進に関する条例を施行し、また平成29年8月に近江八幡市空家等対策計画が策定されたことにより、近江八幡市の空き家全体の課題に対して総合的な取り組みを進めるための基本的な役割が明確になりました。
 町家情報バンクでの課題は、修繕や解体の費用負担や、古くからの土地建物であるため、守っていかないといけないなどといった地権者の思いもあり、物件登録に至らないといった実情がありました。したがいまして、その物件が所在する地域の特色や地権者の思いなどを踏まえて取り組んでいるところであります。
 また、空き家情報バンクでは、町家のみならず市内全域の一般的な住宅を対象としたことで、より多くの空き家や物件情報の把握と発信が行える体制を整え、利活用に向けた取り組みを行っているところでございます。
 他市町の空き家バンクの状況などから取り入れたことは、空き家問題に理解を示していただいている宅建事業者との連携を構築することであります。したがいまして、空き家情報バンクの事前説明会などを開催し、その趣旨をご理解いただいた宅建事業者に、登録物件の仲介を依頼させていただいているところでございます。今後も関係者や関係機関などと連携をしながら、これまでの調査を踏まえた課題に対しまして分析や整理を行い、利活用の促進を図ってまいりたいと考えております。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 空き町家バンクは、主にインターネットを中心として情報公開がなされてきたものと感じております。空き家情報バンクにおいては、情報提供手段等はどのようにお考えなのか、答弁をお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 万野産業経済部長。
◎産業経済部長(万野藤治 君) 空き家の情報公開についてでございますが、空き家情報バンクにおきましてもこれまでの町家情報バンクと同じく、インターネットにて情報公開をしているところでございますが、市のホームページのほかに全国版空き家バンクのサイトにも掲載を行っておるところでございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 空き家対策は全国的な、また深刻な問題となっております。ぜひ実りある事業展開がされますことを望み、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(園田新一 君) 以上で山本英夫君の個人質問を終わります。
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