録画中継

平成27年第3回(9月)近江八幡市議会定例会
9月14日(月) 個人質問
山本 英夫 議員
(1)交番について
(2)重要文化的景観について
(3)伝統的建造物群保存地区について
◆23番(山本英夫 君) 個人質問をさせていただきます。山本でございます。
 さきの質問者も申されましたが、このたびの台風18号に影響された大雨は、茨城、栃木の関東地方や宮城を中心とした東北地方に河川の氾濫を伴う大変甚大な被害をもたらしました。近年、いろいろな災害が繰り返され、被害の余りの大きさに愕然とするものです。被災された方々へ心よりのお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、復旧に対し、でき得る限りの支援活動をさせていただきたいと感じるものです。また、我が市にもいつ起こるかもわからないこのような災害に対し、日ごろより防災の意識を強く持ち、行政、地域を挙げて減災に取り組む必要性を改めて強く認識をいたしました。
 想定外の出来事、想定できないこと、本当にそう表現せざるを得ないような災害が続いております。もちろん、起こらずに済むことを願うものですが、いつでも最善の対応ができるよう、地域の協力体制を中心とした防災の組織的構築を皆さんとともに早急に進めてまいりたいと思います。行政としては、ハザードマップを十分活用できますよう住民にわかりやすく周知するとともに、防災について専門意識を持った職員育成なども必要とされてきたとの認識で、しっかりしたお取り組みをお願いいたします。
 それでは、発言通告に従い、3点、分割にて質問をさせていただきます。
 まず、市内交番についてであります。
 市内3カ所の交番が配置されております。駅北口、武佐、新町交番でありますが、本署とともに3つの交番と7つの駐在所、一つの派出所があり、以上が警察署の出先機関として市内に安全・安心のまちづくりに貢献いただいております。
 自分自身の理解を含め、整理をしてみますと、派出所は琵琶湖の水上派出所を指しているようであり、駐在所の定義を調べてみますと、平成6年の警察法改正が分岐点になるようですが、おおむね一般の捉え方としては、駐在所は、交番が複数の警官が出入りするのと違い、駐在所は基本的に警察官が1人体制で生活もしており、交番との大きな違いは警察官が1人ということなので、過疎地域等に多く存在しているということです。
 そこで、現実に地元と密着して強力に地域を取り締まっているのは交番ということになるのではないかと思いますが、交番としては市内に3カ所で、おおむね区割りした責任地域担当されているようであります。
 そういった交番についてお聞きいたしますが、まず駅北口の交番であります。駅周辺の犯罪件数が大変多いものとして問題視される中、北口交番は広範囲の地域を担当されていることもあり、市行政としても防犯カメラの創設などでの対応を強化しているところですが、南口交番の設置要望は継続して上げていただいておるところであります。
 現状についてはどのようになっているのかであります。
 議会議事録を検索してみましたところ、平成23年、25年ともに6月議会で市長、副市長から設置に向けた要望の強い意志も答弁に出ておりますし、議事録をさかのぼります中では、平成12年9月にも既に対応の必要性の質疑がされております。長年にわたる懸案事項であることは間違いないことであり、市民、地域の要望としては大きなものであると思いますので、答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 江南市民部長。
             〔市民部長 江南仁一郎君 登壇〕
◎市民部長(江南仁一郎 君) 山本議員の市内交番について、また駅南口交番設置に関するご質問にお答えをいたします。
 交番または駐在所の配置につきましては、国家公安委員会規則において、昼間夜間の人口や世帯数、面積、行政区画、事件事故の発生状況等の治安情勢に応じて設置するとの基準が示されており、県ではそれをもとに策定された交番・駐在所適正配置基本計画を随時見直しを行いながら、配置がなされているとのことでございます。
 近江八幡駅南口への交番の設置につきましては、過去の議会で回答をさせていただいておりますとおり、早くから県に対し要望してまいったところでございますが、駅北口には八幡駅前交番があり、同一駅を挟んで両側乗降口の極めて近接した位置に交番を設置することは困難であるとの方針は変わっておらず、県内でもJR駅両側への設置事例はなく、将来的に駅南部での相当規模の開発などによる昼間夜間人口が大きく増加するなどの環境変化がない限り、設置はかなり難しいとの判断がなされてまいりました。
 このようなことから、市では駅南口における犯罪抑止対策として駅南防犯ステーション、まちの常夜灯「マモーリくん」を開設し、防犯アドバイザーを配置するとともに、防犯ボランティアによる防犯パトロールなどの駅周辺における防犯活動の活動拠点として活用いただいております。
 また、議員のご質問にもありましたとおり、駅南口広場の防犯カメラを昨年度に1機増設するとともに、既設の3機についてもより性能のすぐれたものに更新するなど、犯罪発生抑止対策の充実にも努めております。
 このように、これまでの警察を初め防犯関係団体等との連携による犯罪発生抑止のためのさまざまな防犯活動の取り組みにより、駅前交番における刑法犯発生件数は、平成14年をピークに年々減少しており、昨年度はピーク時の半分以下となり、今年度も前年同期と比較してもさらに1割程度の減少となっている状況にあります。
 もとより、地域の安全・安心は、警察や消防などの関係行政機関と防犯自治会や交通安全対策会議など、地域のさまざまな関係団体や住民とが一体となって、地域ぐるみで安全で安心なまちづくりを進める必要があります。
 このようなことから、駅南口への交番設置が望めない現状におきましては、駅南防犯ステーションが防犯関係者の情報交換や地域安全活動を効果的に推進するための拠点として機能するよう、引き続き関係機関や団体との連携による効果的な運用に努めてまいりたいと考えております。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 次に、新町交番についてでありますが、八幡学区と岡山学区を中心として担当されているとお聞きしていますが、現状地点が一方通行で道幅も狭いため、警察署としても移転場所を探されていたところであり、地元地域としては八幡小学校近辺の小幡町に面したところを要望されていた経緯があります。
 昨年12月議会で交番移転用地の補正予算が議決されていますが、移転場所に関しての地域に情報が十分伝わっているとは言いがたいのが今の状態ですので、現時点までの推移や地元要望などをどのように判断された決定なのか。自治会、まち協との事前での資料提供や説明などの交渉はどのようにされ、了解事項はどこにあるのかについてお教えください。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 川端総務部長。
◎総務部長(川端康仁 君) ただいまの山本議員の新町交番に関しますご質問にお答えを申し上げます。
 ただいま議員がご指摘をいただきましたように、昨年12月の補正予算で鍛治屋町地先で用地が確保できたということはご報告を申し上げました。
 新町交番の経緯についてでございますけれども、平成25年度から地元要望に基づき、小幡町通りに面して用地選定を行ってまいりましたけれども、何件か候補はございましたけれども、間口が狭い、また警察が望まれる面積を確保できない、さらには所有者のご理解を得られないというようなことで、小幡町通りでは条件に見合う用地を確保することができませんでした。
 その後、警察との協議を何度も行った中で、もう少し選定範囲を広げて候補地を選定した結果、先ほど申し上げました鍛治屋町地先に土地を確保することができました。
 この間、委員ご指摘のまち協なり自治会さんと詳細に協議はできていなかったということは事実ではございますけれども、何よりも幹線道路に面して警察、何かあれば出動しやすい場所ということで警察との協議に重点を置いた結果、地元にはその移転について十分ご説明できていない状況になっております。
 今後、警察の整備の計画に基づきまして、整備が始まるかと存じますので、その際には地元と十分調整をしながら、可能な限り早く活動しやすい町への交番の移転に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 今の出動しやすい場所ということでは、岡山学区も管轄と考えますと、距離感とともに観光スポットの多い渋滞道路等に対する機能性なども緊急対応のときの場合の大きな問題点になると思いますので、十分検討が必要とされた上でのことと思いますが、場所選定においてどのような考慮、議論がなされたのか、お尋ねをしたいと思います。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 川端総務部長。
◎総務部長(川端康仁 君) 当初、議員ご指摘のとおり、現在の交番は片側一方通行、緊急の場合は警察ですので逆方向にも出てまいりますが、新たに選定をいたしましたところ、若干白雲館でございますとか日牟礼八幡宮、また新町通り等から比べますと若干東側には位置しますけれども、一応両側通行の可能な道路でございます。市道では、一応歩道も設置した幹線道路というふうに位置づけております。
 岡山学区さんもエリアになるということですが、時間、距離としては特に大きな差はないのかなというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) この新町交番の移転について、とにかく用地を確保するだけという立場で決められたんではないかという思いがあります。
 防犯など、さきの質問に対する答弁でも、自治体が一体となった取り組みが必要であるということでございました。そうした中で、いつの時点で地元に説明に入ったかということです。補正予算が上がった時点では、移転により市民、学区民の安全・安心、利便性の向上や機能性の充実のためであれば議案に反対する理由がありませんので、可決をいたしましたが、庁内及び地元には事前に協議がされ、最終決定までにおおむねの了解があるものとの認識の思いでありました。
 しかし、いろいろお尋ねしたり質問を受けたりしたところ、また今の答弁でありますように、どうもそのようには進んでいないようであります。防犯や防災面、登下校を含む安全対策、管轄範囲内の機能性など、そういったもろもろの協議が事前にあってしかるべきではないでしょうか。安全・安心が、まちづくりの中で交番の持つ役割は大変重要なものであり、大きな要素であります。それにもかかわらず、地元地域に対して、また庁内における関係部署に対しても事前に協議がなされていたとの認識を持つに至りません。
 用地確保に対して、場所決定までのプロセスにおいて、このようないろいろな諸課題に対応するためどのように協議をしたのか、いま一度ご答弁をお願いいたしたいと思います。
○議長(園田新一 君) 川端総務部長。
◎総務部長(川端康仁 君) 再問冒頭申しましたように、十分協議ができなかったということにつきましては、大変遺憾なことであったというふうに考えております。
 ただ、ご心配の機能面につきましては、警察当局と十分に協議をした中で、現在の新町交番との代替地になり得るということで決定をさせていただいたものでございます。
 先ほども申しましたように、今後移転建築という部分につきまして十分、当然工事等の関係もございますので、十分地元の皆さんのご理解を得られるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 八幡学区の自治連合会にも、きょう現在14日までには説明会が済んでさえいないのが現状です。当のまちづくり、まち協の中でも安心・安全は重要な取り組み要素であり、単に説明がおくれているという問題では済まないのではないでしょうか。まちづくり、この視点を市行政の取り組みの中で軽視していると言われても仕方ないものと考えられます。
 この移転設置がされれば、それ以降本当に長期間にわたり、八幡、岡山両学区の住民の安全性に大きな役割を果たすことになる重大な問題であります。それにもかかわらず、用地確保の担当課だけで決定がされたのであれば、まだまだ庁内の縦割り行政の弊害が残っているとのそしりさえ受けかねないものであり、また地元協議がなされずに話を進めていたのであれば、地域との信頼関係からすると大きな汚点ではないでしょうか。
 現在の決定をされた土地が悪いとの議論ではなく、当然よしあしがあるわけですので、地元を含めその議論を十分する中で、移転に踏み切るべきではないかということを申し上げているのです。多方面にわたり、十分了解の得られる慎重なご説明、ご議論、ご検討をよろしくお願いをいたします。
 次に、重要文化的景観について質問をいたします。
 重要文化的景観でありますが、近江八幡市は、平成18年1月に全国で初めて重要文化的景観に選定されました。大変名誉なことであり、それだけに責任も大きなものであると思いますが、まず現状の取り組みについてはどのようになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 冨士谷市長。
             〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) 重要文化的景観につきましてでございますけれども、議員がご指摘のとおり、この地区は平成18年1月に、近江八幡水郷として重要文化的景観として選定をされ、これが国内で初めての事例でございます。当初は、ヨシ地水面部分でありまして、その後、平成18年7月に第2次で集落部分を、また平成19年7月に第3次で農地部分を選定となっております。
 現状では、水郷風景計画に基づき計画区域全体を文化的景観として位置づけ、良好な風景の形成を行い、風景のあるべき姿や選定を受けた地域のデザイン等における調和などを前提にした保全を図っています。
 これに基づき、地区内で現状の大きな変更がないように協議等を行い、守っていただいております。また、活動として地元により、権座や、あるいはことしより活動を本格的に行っておりますNPO法人ネットワーク西の湖が重要文化的景観の保全と活用をその主な活動目的としておりまして、ヨシ刈りばかりでなく、地域住民は活動を通じてみずからの地域の誇りを認識し、その結果、地域のまちづくりに役立っていくものであります。
 こうした活動によりまして、現状で大きく文化的景観を損ねる事態の発生はなく、住民の方々に居住いただきながら生活の場としての文化的景観を保存できております。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 地域における人々の生活または生業及び当該地域の風土により形成された景観地で、我が国民の生活または生業の理解のため欠くことのできないもの、文化財保護法が選考理由であり、その中には干拓や圃場整備によって内湖の多くが農地化され、湿地生態系の衰退やヨシアシ等の減少に伴う景観の改変が著しく、文化的景観の変容が危惧されていることから、早急な保護が必要であることが上げられてます。
 早急な保護が言われ、選定されていますが、それにもかかわらず、26年3月の予算議会において重要文化的景観に関係した予算は、保存活用事業として上げておられる歴史的、文化的な価値を高め、よりよい環境を後世に残すため、西の湖を中心とした周辺地域を重要文化的景観地区として拡大する事業に取り組むとして計上された11万2,000円のみ上げられているようにしか受け取れませんと質問をさせていただいております。その余りの取り組み姿勢の消極さについてただしておりましたが、現実として26年度の決算からは、全国文化的景観地区連絡協議会に参加し、加盟市町村との意見交換旅費4万9,000円と負担金3万円の金額だけしか上げられておられないようですが、いかがでしょうか。
 ラムサール条約にも西の湖は登録されており、国際的な責任も大きなものがあると考えています。少ないながらも、重要文化的景観地区として拡大する事業に取り組むとして計上されたものが、なぜこのような決算でしかないのかについて、当局の説明をお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 野田総合政策部長。
◎総合政策部長(野田健志 君) これまでの取り組み状況についてでございますが、選定がされた以降、大きな土地利用の問題は発生はいたしておりません。選定後、景観農業振興地域整備計画で定められた内容によって、現状の水田農業の持続性を確保しながら、農地の特徴的な景観を維持していただき、ヨシ生産とヨシ地の保全を地域住民の皆様の生活、なりわいによって行っていただいております。
 具体的な取り組みでございますが、重要な構成要素でありますヨシ産業につきましては、生活様式、近年の変化に伴いまして、屋根材、ヨシズも利用が進んでいるとは言えない状況ではございますが、他利用の開発として大手文具のヨシ紙、紙材です、製紙製作などに行っていただいておると。また、ヨシ刈りで市民ボランティアの協力を得て、長年この取り組みを行っていただいております。さらに、ヨシ需要の喚起としまして、地元のまちづくりを兼ねて「ヨシ灯り展」の開催に毎年補助金を出すなども取り組みを行っております。
 市といたしまして、これまでに構成要素の建物であります円山町の宝珠寺本堂と清見寺本堂、また船木町の西願寺本堂の3棟を所有者のご理解、ご協力のもと補助事業として、保存修理を重要文化的景観として行ってまいりました。
 このうちの西願寺本堂と清見寺本堂につきましては、江戸時代から残るヨシぶきの建物でございまして、地元のヨシ産業と文化財保存修理をあわせた保存方法として事業を実施しております。
 また、ヨシ地をあわせて、ふるさと文化財の森として国からの認定を受け、ヨシ地自体の保全と生産地としての保全を図っており、意識づけもあわせて行っております。
 本年4月に、第一弾としての日本遺産の認定として、この水郷地域も認定を受けたわけでございます。これを機に、さらなる保全が意識づけられるように取り組んでまいりたいなというふうにも考えております。
 以上であります。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 取り組み経過については本当に詳しく答弁をいただき、ありがとうございます。
 予算執行についても、少し答弁をいただけますでしょうか。なぜこのような決算でしかなかったかということに対する答弁をいただきたいと思います。
○議長(園田新一 君) 野田総合政策部長。
◎総合政策部長(野田健志 君) 予算執行につきましては、ただいま答弁させていただきましたように、景観農業振興地域整備計画という中で、その保全、規制と利活用の振興施策として推進を図っていただいているところでございます。
 また、文化的な文化財としてのヨシ地の活用をあわせた保全修理もあわせてやっているところでございます。
 今後につきましては、先ほど申し上げました日本遺産としての認定を受けましたことにあわせまして、現在地元といいますか、本市のほうに協議会の設置ということを求められております。協議会の中において、特に本市のような人々の営みにより守られているというところに視点を当てまして、今後の活動を予算的にも進めて検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 国の補助制度を活用できるものもあり、県内の他の自治体においては積極的に利用して民家等の修理も実施されているところであります。そのようなことを踏まえる中からしても、積極的で早急な保護が必要であり、可能であると思います。
 今のような現状ではなく、そのような利用について当局の考え方を教えてください。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 野田総合政策部長。
◎総合政策部長(野田健志 君) そういう民間的な施設の活用、民家等の保全、景観的な保全につきましても、先ほどお答えいたしました円山町の宝珠寺の本堂、清見寺の本堂等も古くから伝わるヨシぶきの建物、文化的な保存でもございます。あわせて、今後もそういう守るべきところ、補助事業が活用できるところについては検討してまいりたいというふうに考えております。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 国の補助制度を利用もできるということを考慮していただきたいと思います。
 重要文化的景観においては、この地域におけるという部分が重要で、名勝地のように国のレベルで高い評価を得ているということだけではなく、地域に残された固有のものを積極的に保護対象にしていこうという法律なのです。地域の文化熟度の高さが試されているとも言えます。
 また、答弁にもありましたように、今年度、文化庁が新設した日本遺産にも全国18件の中に選ばれています。文化的景観、水郷も主たる要素であります。全国有数のものであることは誰の目にも明らかです。積極的な関与をされ、地域の魅力づくり、活性化につながることがこの地域を持つ自治体の責任であると考えます。文化を生かした八幡らしい住みたくなる町、住み続けたいまちづくりをしていただきますようよろしくお願いをいたします。
 次に、伝統的建造物群保存地区についてでありますが、執行額を決算書から見ますと、外観修理に対し、ほかの地区、行政と比べ、補助比率、全体額とも少ないものではないかと感じています。これは、当市の以前の執行金額と比較しても明らかに減少しているのが見えてきます。
 そうしたことも原因の一つであるかと思いますが、工事にかかることができる件数より、相談し退去を余儀なくされる件数が多くあることからだと思いますが、最近では、伝統的建造物群保存地区指定地域内においても更地が目につくようになってまいりました。
 まず、現状における相談件数、積み残し件数についてお答えをいただきたいと思います。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 野田総合政策部長。
             〔総合政策部長 野田健志君 登壇〕
◎総合政策部長(野田健志 君) 伝統的建造物群保存地区についてのご質問でございますが、議員もご承知のとおり、同地区内では地区の皆様のご理解をいただきながら伝統的な建造物群などの保全をしていただいております。伝統的に保存されている建物などは、原則外観と構造体を残すための修理を行っていただき、新しく建物などを建てる場合は、修景として周囲の伝統的な建物に合わせていただくこととなっております。
 これら修理修景事業につきましては、住民のご負担を軽減するために、市といたしましても、補助事業として毎年継続的に支援をさせていただいているところでございます。
 補助率につきましては、文化庁との協議の上、国の文化財補助金の確保に努力を行っているところであります。
 平成27年度におきましても、現在のところ、母屋などを修理するための予算を計上させていただいており、5件の修理をさせていただく予定で調整をさせていただいております。
 修理修景などのご相談をいただいている件数につきましては、現在約25件いただいており、調整を行っているところでございます。そのうち、20件を現状お待ちいただいている状況でございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 今議会に提出された資料の中、26年度の主要な施策の成果に関する説明書においても、修理修景事業に関する相談が近年急増しており、予算処置等増額を含め、調整を進めていますと明記されており、積極的なお取り組みをいただける表現になっておりますが、当局の考え方をいま一度お答えください。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 野田総合政策部長。
◎総合政策部長(野田健志 君) 伝統的建造物群保存地区内での修理修景事業につきましては、近年相談件数が急増しております。これは、伝統的建造物群であるため建物の老朽化により修理を実施しなければならない修理物件が集中したことに加え、近年の強風、豪雨などにより部分的な破損等が生じたことによるものと考えられますが、その対策としてそれらを早急に対応すべく調整を行った結果、市の予算といたしましては、平成24年度まで約600万円程度の予算であったものを平成25年度で約1,000万円、平成26年度で約1,900万円、今年度で約2,000万円と段階的に増額し対応をさせていただいております。
 予算の増額には国庫補助事業補助金も含めており、文化庁との調整も必要となっております。その辺、努力をしているところでございますが、今後とも適正な対応をすべく事業予算など調整を行ってまいりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 6月議会においても質疑をさせていただきましたが、国において空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されました。この空き家対策は、伝統的建造物群保存地区においても大きな問題であります。もちろん景観上からも、空き家はこれまでからも課題でありましたが、空き家であることの対応が今まで以上に厳しいものとして対処されなければなりません。
 そのために、建造物の修理や改築を急がれる中で、補助金等の順番待ちが長期間にわたれば崩壊など危険を伴うことにもなる老朽家屋の関係から、まずは更地にされるような事例がこれからよりふえていく懸念があります。
 伝統的建造物の指定番号のついている建物であれば、老朽化の著しいのはある意味当然のことであり、早急な対応こそが必要でありますのでよろしくお願いをいたします。
 次に、伝建地区の電柱の無柱化については昨年9月定例会においても質問をいたしましたが、その折、ちょうど1年前になりますが、総合政策部長から、担当課のほうで昨年度残っております道路上の電柱等の対応について現場の確認を行いまして、図面に落とし、占有者の区別も行い、資料整備に努めてまいりました。今後、それをもとに地域を初め占有者とどういう形で伝建地域の景観を向上させていくかということで、取り組みを進めていきたいというふうに考えておるところでございますと答弁をいただいております。
 明確な形で資料整備の完了、取り組みを進めていくとのことでありましたが、現状の進捗状況についてお答えをいただきたいと思います。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 野田総合政策部長。
◎総合政策部長(野田健志 君) 伝建地区の無電柱化につきましては、現在、工事の手法や配置、それに係る予算措置、補助事業等、それぞれ個別の内容把握を具体的に検討を進めているところでございます。
 例えば地元住民の方々や関係者を対象とした無電柱化に関する研修会の開催や具体的な工事場所の選定などが検討課題となっております。
 その中で、特に当事業は予算的にも多額な予算が必要でございます。予算計画をどのように立てるのか、大きな課題でもございます。今年度内をめどに一定の方向が出せるよう、進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) この事業は住民協力が大変大きなものでありますので、十分な協議をよろしくお願いをします。
 暮らしの中に根づいているからこそ文化であり、大量生産大量消費の社会では文化はその伝承を望めないと言われています。そうであるからこそ、色濃く地域文化の残る八幡地区に大勢の方がお見えになり、生活空間である八幡の伝建地区を堪能し、文化の大切さを学ばれるのではないでしょうか。全国いろいろな伝建地域を見させていただいても、これほど生活に密着した地域のにおい、文化の感じられる地区は貴重な存在であると改めて強く認識させていただいております。
 文化のない民族は滅びるとも言われています。文化があってこそ学べるものがあり、それこそは観光であります。重要文化的景観、伝統的建造物群ともに、近江八幡を代表する文化の一つであることは間違いありませんし、文化があるからこそ日本遺産に認定されたと考えられます。八幡堀、八幡山の景観、町並みも重要な要素であります。継続的な動態保存がこの大切な文化を生かし、オンリーワンの八幡のまちづくりをなし得ることができる、またこれからも全国に誇れる町であるための、ぜひ取り組みを強めていかなければならない、このかなめの一つであることは間違いありません。
 行政としても、地域に密着し、継続した積極的な取り組みをしていただきますことをお願いし、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(園田新一 君) 以上で山本英夫君の個人質問を終わります。
 休憩します。
               午後0時15分 休憩
              ~~~~~~~~~~~
               午後1時30分 再開
○議長(園田新一 君) 再開します。
 野田総合政策部長から発言を求められておりますので、これを許します。
 野田総合政策部長。
◎総合政策部長(野田健志 君) 先ほどの山本議員の重要文化的景観のご質問の中で、本市での民家の整備についてでございますが、民家の整備につきましては補助事業による事業の計画に選定する必要がございますが、本市での計画では民家の認定は1件のみでございまして、現在この整備に向けて所有者と協議をしている状況でございますので、補足をさせてもろうときます。
 以上でございます。
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