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辻 正隆 議員
平成30年第4回(12月)近江八幡市議会定例会 12月12日(水) 個人質問
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内容
会議録
平成30年第4回(12月)近江八幡市議会定例会
12月12日(水) 個人質問
辻 正隆 議員
(1)農業生産工程管理(GAP)について
(2)種子法廃止について
◆5番(辻正隆 君) 政翔会の辻でございます。
議長の発言許可も出ましたので、大きく2問にわたって分割にて質問をさせていただきます。
きょうは早くも年の瀬、12月12日と相なってまいりました。きょうは、毎年恒例のこの時期発表されます、京都清水寺の一年を振り返っての漢字の発表の日でございます。きのうもテレビ見てますと、随分とことしの世相を占った中での、あるいはいろんな思いを込めた中での漢字が、これが選ばれるであろうというようなことが話が出ておりました。
1年間振り返りまして、大変水害あるいは災害というのが多かった年かなというふうに私も感じております。選ばれる漢字が災害の災であるのか、風水害の水であるのか、はたまたパワハラ、圧力ということがありましたので圧力の圧かな、みたいなことを私も振り返っとるわけなんですが、きょうはたちまち集合写真におくれましたので、私にとっては遅刻の遅がきょうの漢字の一つかなというふうに感じております。
一つの漢字をしたためることによりまして、それをおはらいし、また来年への飛躍に努める漢字の選出があるそうでございます。どのような漢字が選ばれるか、私もまた興味を持ってきょうの結果を見たいなというふうに思っております。
さて、質問でありますが、私はきょうまず1問目に、農業生産工程管理GAPについて質問させていただきます。
聞きなれた方もおられますが、聞きなじみのない方もおられます。GAP、グッド・アグリカルチュラル・プラクティスという英語を略したものでございます。グッドはよい、アグリカルチャーは農業でございます。プラクティス、実践、やり方という訳になろうかと思いますが、日本では農業生産工程管理と訳しており、生産者みずからが農業生産を行う上で、食品安全や環境保全、また労働安全の観点から特に注意すべき事項を定め、これに沿って農作業を行い、記録、検証して、農作業の改善に結びつけていく手法の一つでございます。
当市においても、水郷ブランド認証などのアクションコードがそれに当たるわけでありますが、2020年東京オリンピック・パラリンピックを2年後に控えまして、選手村への食材提供を初め、また日本の食のすばらしさを世界に発信していくまたとない機会と捉えて、当大会の農産物調達基準を国際水準のGAP認証取得が必要要件と相なったところでございます。これまでなかなか普及が進んでこなかったGAPの普及と、さらにはその拡大と、国際水準レベルの第三者認証GAPの認証取得を支援する政策を、国は打ち出されてもおられます。滋賀県内の農業生産現場においても、環境こだわり基準のGAPでありますとか、契約栽培農産物では既に国際水準レベルのGAP認証を取得し、生産に取り組んでおられる状況がございます。
また、今年度より、環境保全型農業直接支払交付金を受けるためには国際水準レベルのGAPをするということが必要条件と相なっております。取得までは求めないということでございます。さらには、2025年大阪万博の開催が決まりまして、同博覧会の農産物調達基準も、恐らくですが、国際水準GAPの認証取得が要件となることが予測されます。今後においては、国際水準のGAPの取り組みがスタンダード化へと進むと思われます。
滋賀県内と当市における国際水準GAP取得状況と、またGAP推進に対する当市のお考えをお尋ねします。
以上、初問とさせていただきます。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
万野産業経済部長。
〔産業経済部長 万野藤治君 登壇〕
◎産業経済部長(万野藤治 君) おはようございます。
辻議員の、農業生産工程管理GAPの取り組みについてのご質問にお答えをいたします。
まず、国際水準グローバルGAPとは、農業生産の現場や農産物の取り扱いにおいて、食の安全、環境保全、労働の安全などを確保し、持続可能な農業を行うための生産工程管理GAPの取り組みとして、ヨーロッパを中心に各国で実践されている世界基準であります。農業者が農産物の生産工程管理GAPを実施することで、適正な農業経営管理が確立し、農業品質向上、資材の不要在庫の減少、農作業事故の減少や、生産販売計画の立案、従業員の責任感や自主性の向上などを実現するといった効果がございます。また、第三者機関の審査によるGAP認証を受けることにより、農業生産工程管理の見える化が実現し、消費者や食品加工、流通、小売などにおける取引の信頼確保から、取引上選択されやすくなるといったメリットがあります。
近年では、GAP認証の意義やメリットに関する理解が食品製造・販売事業者に浸透し、国際認証グローバルGAPの農畜産物については2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の食材調達基準となるなど、GAP認証取得を求める動きが広まりつつあります。滋賀県内では現在、3つの経営体がグローバルGAPの認証を取得されており、本市では、JAグリーン近江が主体となる安土老蘇地域の4つの営農法人が組織しますJAグリーン近江老蘇集落営農連絡協議会が、国内最大規模の組織として、米、麦、大豆、マンゴーの生産においてグローバルGAPの認証を取得されているところでございます。
米国を除く11カ国の環太平洋連携協定TPP11が本年12月30日に発効されることとなりますが、グローバルに活躍の場を求める農畜産業者にとって、グローバルGAPへの取り組みは、世界を取り巻く動きへの対応や食の安全性など、競争力強化や差別化への取り組みにもつながるものであると考えるところであります。国においても、輸出拡大や人材育成など、農畜産業競争力の強化を図る観点から、国際水準グローバルGAPの取り組み及び認証取得の拡大を図っていくための支援として、GAP拡大促進加速化事業などの施策もあり、市としましても、県及びJAなど関係団体と連携をしながら、GAP拡大の推進を図ってまいりたいと考えております。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 丁寧なご回答ありがとうございます。
オリンピックを機に、どうやらGAPに対する関心あるいは推進を進めていこうという動きが大変大きく動いてきてます。2017年ぐらいから、GAPに対する国の方針も随分と決まってまいりまして、国では全国GAP推進会議なるものを開催されておられます。先ほど回答にもございました老蘇地区のGAPの認証のことにつきましても、そこでの取り組みのモデル集落営農ということで取り上げてもいただいておるようでございます。2012年に農林水産省の環境保全型農業推進コンクールで最優秀を受けられるなど、本当に集落営農では先進的なモデル地域として知られる集落営農の一つでもあろうかと思います。
今ご説明いただきました国際水準のほかには、準ずるところのJGAPということもございます。本市の中では、JGAPも取得され営農活動をされておられる方もおられるようでございます。
国の施策を見ますと、GAPをする、あるいはGAP取得をするというような言葉の形容がございます。この辺少し曖昧な感じがするんですが、ここについて少し再問させていただきます。
GAPをする、あるいはGAPの認証をとるといった言葉がございますが、どのように理解をしたらいいのか、お教えいただけますか。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
万野産業経済部長。
◎産業経済部長(万野藤治 君) 辻議員の、GAPをする、GAPの認証をとるといった言葉の説明ということで、再問にお答えをいたします。
GAPをするということでございますが、農産物の安全確保と農業生産のレベルアップを行うために、農業の生産履歴を記帳し、その中で問題点を見つけ、必要な対策を考えながら継続的に改善をし、よりよい農業経営を実現する取り組みをいうものでございます。GAP認証をとるという表現でございますが、農業者が取り組んでいる農業生産工程管理を第三者機関が認証、証明をすることでございます。
なお、GAPをするという取り組みとしましては、今年度から環境保全型農業の直接支払交付金の中でも取り組みを進めていただいておるところでございます。
○議長(園田新一 君) 辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) ありがとうございます。GAPの認証を取得する、あるいはGAPをするという形容につきましては、そのようなことで理解をさせていただきます。
国の農林水産業骨太方針実行PTというのがございまして、そこでも議論がなされてるようでございます。東京オリンピックを境に、2020年を境に、10年あるいは20年単位でこのGAPの取り組みについての考え方をまとめられた資料がございます。私も目を通させていただきますと、そのようなことが書かれておりました。
テレビでも話題になりました東京オリンピックの食材提供に関しては、前回のオリンピック大会の引き継ぎということもございましてでしょうか、食品に対する安心性、信頼度、これは国際大会でございますので、全世界から来られる方々に対しての食材提供については厳しい基準を設けられたようでございます。あわせて、その機会を利用して、日本におけるGAPの推進を図るということであろうかというふうに理解をします。
そこで、今出ました環境こだわりの関係で、直接支払いでもそのGAPをするということが義務づけられたということでございます。ここの部分について、もう少し詳しくお教えをいただけますか。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
万野産業経済部長。
◎産業経済部長(万野藤治 君) 再問にお答えをいたします。
平成30年度から、環境保全型農業の直接支払交付金の交付要綱に、グローバルGAPの実施というのが加わりました。この取り組み内容としましては、交付金に取り組む農業者が、食品安全、環境保全、労働安全、人権保護、農業経営管理の5項目に関する指導または研修を受けた上で、農業者自身が農業経営の課題を認識し、改善に向けてこれら5項目に取り組んでいただくことになっております。
要約しますと、1つ目には、農業者がグローバルGAPの指導、研修を受けることでございます。2つ目には、GAP理解度・実施内容確認書の提出を行うことであります。
以上です。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 日本ではなかなかGAP、生産工程の管理というのが普及しなかったんですが、実のところGAPにはJGAP、そしてアジアGAP、そしてまたグローバルGAP等がございます。特にグローバルGAPにつきましては、欧州、先ほど回答にもございましたが、ヨーロッパを中心に広まったと。農業施策の中で、直接支払いあるいは環境支払いというのを世界の中では取り入れてるところがございます。その交付金でもって農業生産の工程管理を充実を図るという仕組みをどうやら欧州では早くからされたようで、今はもう当たり前の状況に相なってきておるのが世界の状況でございます。
それから考えますと、またGAPの推進会議の資料等を見させていただきますと、東京オリンピックを境に国際水準のレベルへと移行をするということでございます。流れ的には、恐らく日本においてもGAPというものがスタンダード化への道を、交付金等をもってその道を模索していくというふうに聞いております。
GAP取得には随分と経費的なことでお金もかかるというようなこともお聞きもしておりますが、国では推進に当たって支援策を打っていただいてるというふうにお聞きします。どういった支援策があるのか、お教えをいただけますか。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
万野産業経済部長。
◎産業経済部長(万野藤治 君) 再問にお答えをいたします。
国の支援ということでございますが、地域の実情に応じましてグローバルGAPの取得や認証拡大が加速的に進展をするよう、都道府県へ対しましての交付金の支援、また民間団体などへの補助事業としまして、理解度向上に向けた研修会の開催、現地調査や経営分析を通じましたGAP実践におけるメリットの取りまとめなどがございます。
滋賀県でも、グローバルGAPの指導ができる人材育成、農業者に対する基礎研修、認証取得のための環境整備や審査費用の補助など、GAP拡大へ向けました取り組みが実践されておるところでございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 当市あるいは滋賀県の農業生産に関しましては、京阪神に近いということもございまして近郊型農業中心、あるいは小作農家さんも大変多うございます。最近ですと、きてかーな直売所に出荷をされて生産をされておられる方がございます。ただ一方、国際水準でございますグローバルGAPあるいはJGAPを取得されて、グローバルな展開も今後模索をされておる意識の高い生産者の方もたくさんおられるようでございます。
しかしながら、先ほどもございましたTPPがいよいよ始まっていくという中におきますと、国際的に通用する水準での第三者認証によるGAPの必要性が今後恐らく生じてくるであろうというふうに思います。また、国際的に通用する水準のGAPの認証取得は輸出拡大のためとされることが大変イメージ的には大きいわけなんですが、水産物MSC認証取得の海外産のサーモンでありますとかサバでありますとか、スーパーに行けば表示がされておる状況がございます。そのことを考えますと、今後TPPになりましたら輸入農産物との競争上も、やはり地場産といえど、あるいは日本産といえど、そういう取得というのが一つのハードルになってこようかな、消費者の方のニーズに応えるためには安心・安全を形をもって証明をしていく必要がある時代が来るであろうというふうに思います。
GAPの取り組みの取得は、将来において恐らくスタンダードな取り組みへとなってこようかと思います。しかしながら、本市においてもいろんな経営体、生産体系がございます。経費的なことも考え、あるいは意欲的なことも考えて、それぞれの生産圃場に合った指導、推進が必要かというふうに思います。
推進に対してご努力いただけるそうでありますが、どのような取り組みをお考えなのか、お聞きをします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
万野産業経済部長。
◎産業経済部長(万野藤治 君) 再問にお答えをいたします。
GAP認証を取得することについては、海外への輸出や流通、小売など、取引を行う農業者にとっては今後必要不可欠なものになると考えるところでございます。農業者それぞれがご自身の経営ステージによって、認証を取得することまではしないという選択もございますが、GAPをするということは、農業者みずからが効率性や継続性を考えた、経営改善上必要不可欠な取り組みでありますので、市としましては、全ての農業者に対しまして理解度向上に向けた推進が必要であると考えるものでございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) これまでなかなか本当に普及が進まなかったGAPが、東京オリンピック・パラリンピック大会の農産物調達基準に関してマスコミ等で多く広く取り上げていく状況になってまいりました。今がまさにGAPの普及拡大のチャンスであるかと思います。
流通の中では、HACCPも、東京パラリンピック大会を視野に、義務化の方向にあるようでございます。既に、大手食品製造業では、食品安全でHACCPは当然のものとなりつつございます。フードチェーンの川上にいます農業生産現場においても、GAPが当然のことに相なってこようかなというふうに思います。
また、先ほど申しましたGAPの普及に関しましては、意義や意味及びその費用対効果を十分に理解した上で、農業生産現場に応じた丁寧な普及にお努めをいただきますことを要望とさせていただきます。
それでは、2点目の質問に移らさせていただきます。
2点目は、種子法の廃止についてということで質問をさせていただきます。
日本の食卓を支えてきた米と麦、大豆の種子の安定供給を都道府県に義務づけてきた主要農産物種子法が、ことしの4月をもって廃止と相なりました。
主要農産物であります稲、麦、大豆は、食料としての重要性や、野菜類とは違い、短い期間で種子の開発普及が困難なことから、種子法のもとで各都道府県は研究の体制を整え、地域に合う品種を開発し、奨励品種に指定し、さらには原原種、原種の生産圃場の指定、種子の審査、遺伝子資源の保存などを行ってきました。
昨年2017年2月になりますが、種子法が廃止ということが決定になり、以来、実に64の地方議会が今国会に対し意見書を提出されています。財源の確保や種子の独占への懸念、種子法にかわる法律の必要性について訴えられておられます。重要な法案にかかわらず国会での議論が不十分という意見も多く、廃止に対し懸念の声が高まっている状況にあろうかと思います。
新潟、埼玉、兵庫の3県では、種子法が廃止された同日に、独自の条例を制定し施行しました。条例の内容につきましては、3県ともに、種子法と同様の内容で、種子計画の策定、生産体制の確立、原種、原原種生産指定圃場や品種審査の規定が主な内容となっております。また、当滋賀県においても、近江米の振興、水田フル活用を図るために、新たに滋賀県水稲、麦類および大豆の種子供給に係る基本要綱を策定し、これまでと同様の取り組みを継続していただけると聞いております。
生産現場にとっては、種子の安定供給は大事なことでもあり、さらには今日まで交配育種を重ねてこられた種子は県民にとっては知的財産であろうかとも思います。農水省は、種子生産に対する交付税は民間業者参入が進むまでの時限的措置とし、都道府県の種子生産の予算が現状確保されているような曖昧な状況でもございます。
今後の公的な種子の生産のあり方のお考えとあわせて、管内ではその種子の生産にかかわっておられる生産者の方も大変多いとお聞きします。県内での種場と言われる指定圃場の状況についてお聞きします。
初問とさせていただきます。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
小西市長。
〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理 君) 辻議員ご質問の、種子法廃止についてお答えを申し上げたいと思います。
種子法は、戦後の食料増産という国家的要請を背景に、米、麦、大豆の種子についてはその種子の生産普及を進める必要があるとの観点から、都道府県が中心となって奨励品種を決定するための試験実施や、原種及び原原種の生産、種子生産圃場の指定を義務づけ、安定的な種子の生産が行われてきたものでございます。
国は、農業の基本物資である種子を、多様なニーズに対応するため、民間のノウハウも活用して強力に品種開発を進める必要があるとしておるところでございます。しかしながら、都道府県と民間企業の競争条件は対等になっておらず、公的機関の開発品種がほとんどを占めているといった課題もあり、今後の農業の国際競争力強化に向けては、民間の技術を取り入れるということで、従来よりもすぐれた品種の開発供給体制を構築できるとした観点から、本年4月に主要農作物種子法を廃止いたしました。
法律の廃止による影響が懸念される中、各都道府県におきましては、種子の安定供給を図るための条例制定など、新たな取り組みも行われておるところでございます。滋賀県においても、近江米の振興、水田フル活用を図るためには、品質の高い種子の生産と安定供給が不可欠であることから、滋賀県水稲、麦類および大豆の種子供給に係る基本要綱を制定し、これまで同様の取り組みを継続されております。
市としましては、農業生産者にとって安価で優良な種子が安定的に供給されるよう、国、県などの動向に注意してまいりたいと考えております。
また、県内の指定圃場の状況につきましては、水稲10品種、約180ヘクタール、麦類4品種、約165ヘクタール、大豆5品種、約140ヘクタールが指定圃場とされており、市内では野田町及び新在家町において、小麦びわほなみの種子が生産されており、同品種における県内指定圃場の約4割を占めております。また、加茂町では、オオツル、タマホマレ、フクユタカ、ことゆたかA1号の4品種の大豆種子が生産されており、県内指定圃場の約5割を占める状況でございます。
以上でございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 回答ありがとうございます。
回答にもありましたが、本市においても随分と生産圃場、指定圃場の中で小麦あるいは大豆において種子の生産をいただいておる状況があるということでございます。また、県内においても、大きく、水稲10品目、麦類においても4品目、全体においては400ヘクタールほどの面積の中で、安心・安全な種子の生産に携わっていただいてる状況がございます。
ちなみに、本市の水稲面積でございますが、水田面積は4,180ヘクタールでございます。そのうち、水稲に生産されてる面積が2,700ヘクタールであろうかと思います。滋賀県の総面積、水田面積のうち、滋賀県の総面積のうち55%が水稲の種子を植えられております。水田面積は4万8,000ヘクタールであろうかというふうに、ざくっとですが記憶をしております。それほど水稲、小麦にかかわる生産あるいは意識が大変高いところでございます。昭和47年後半になりますが、琵琶湖総合開発の関係で随分と農地も耕地整備が進み、大変穀類をつくるのにはすぐれた状況があり、そこの基本が整備されたことによりまして、稲あるいは麦類も十二分につくれる環境が整っているようでございます。
先ほど申しました各都道府県によって、この種子法に対する意識が随分と変わっております。といいますのは、近畿2府4県、6県のうち、育種と言われる部分まで生産をされておる、取り組みをされておられる都道府県は、滋賀県がただ唯一でございます、2府4県の中で。その成功例がみずかがみという品種で、特Aを3年連続受賞されたという背景があります。
今日まで種子の育種という部分に取り組んでこられなかったほかの府県の方々も、滋賀県を見習って、育種にも踏み込んだ取り組みをしようかというような意識も芽生えておる中での種子法の改正でございます。随分と生産現場では種子の安定供給がなされるのが滞るんじゃないか、あるいは種子の価格が高騰するんではないか、安心・安全の部分で外資が入ってきて、それこそどういうものを食べているのかわからない状況が生じるんではないかというのが一般的な世間の心配事かなというふうにも思います。
しかしながら、現況、滋賀県においては、今日までの流れもございますし、今日まで培った育種という部分あるいは品種改良という部分については随分と力を入れていただいたことがございます。そういった地域地域で特性を持った中で、国に対してもしっかりと意見を述べられておるのが現況やはり67地方議会ということであろうかというふうに理解をしております。
再問をそこでさせていただきますが、種子法の廃止に伴いまして、種子の安定供給、種子の高騰、種子の安全性など、生産者や消費者に不安の声を聞いております。当市としての今の現況についてどのようなお考えを持っておられるのか、お聞きをいたします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
万野産業経済部長。
◎産業経済部長(万野藤治 君) 再問にお答えをいたします。
種子法廃止によるさまざまな懸念の声から、滋賀県では基本要綱を制定し、これまで同様の取り組みを継続するとされておりますので、本市としましても、近江米の振興とともに、安価で優良な種子が安定的に供給できますよう、県の取り組みを支持したいと考えております。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 種子法は1998年に一部改正されまして、国の補助金が削減となってまいりました。一般財源化されまして、国の責任が後退した状況にあります。現況におきましても、滋賀県も一般財源で種子の安定供給の事業を推進をしていただいてる状況がございます。
種子の生産に要する予算を確保する今日までの種子法というのは、その裏づけとなります根拠法でもあったかというふうに思います。その予算につきましては、国から地方交付税という形で、単位費用算定基礎となります主要農産物種子法等に関する事務には、指定種子生産圃場の指導に関する事務や主要農産物の原種圃及び原原種圃の設置に関する事務などの5つの規定を上げまして、つまり種子法を根拠として5つの事務について地方交付税措置がなされてきた状況がございます。農水省は、地方交付税について、都道府県から今後も申し入れがあれば、申請があれば、妥当か判断をして、その手だてをするということでありますが、種子法が廃止になったことにより、その後も保障されるという内容が変更になってくるんじゃないかなという心配を現場でもしておるところでございます。
随分と滋賀県においては多種にわたります水稲の作付がされております。私どもは、主食に秋の詩という品種を食べております。キヌヒカリをお食べになっておられる方々も多いかとも思いますし、また今はやりのみずかがみを食されてる方もおられるのかなというふうにも思います。種子を品種改良するのに、長年の努力の積み重ねによってつくっておられるのが現状でございます。
特に、秋の詩という品種につきましては、一つの品種の育種にかかる時間としましては、1990年に初めてその種子を植えられて、それから毎年、1年1作でございますから、そこから交配を繰り広げていく、重ねていく、そして実質、秋の詩が市場にデビューしましたのが1998年のことであります。実にその期間、大変期間もかかり、新種として成立したと。先ほど、みずかがみも3年連続特Aを取得されておりますが、最初のときには秋の詩も特Aを受賞された経緯もございます。
今日まで、各都道府県においていろんな産地の種類があるわけなんですが、滋賀県においてもしっかりとその技術を継承していき、今後においてもその取り組みも必要であろうかと思います。近くでは、酒米で渡船6号という品種で地域おこしをされてる地域もあります。そのことを考えますと、この取り組みというのは滋賀県においても大事であろうかというふうにも思います。その大事な法律がなくなった以上、しっかりと滋賀県も今後においても予算の確保、また人員の確保をしていただきながら、育種、生産という部分においてしっかりと取り組みをしていただきたいという現場の声がございます。
市長のここについてのご所見がありましたら、どうぞ一言よろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 小西市長。
◎市長(小西理 君) 辻議員の再問にお答えいたします。
議員もご指摘のように、農業、特に種子につきましては、それぞれの地域の事情、地味であるとか気候であるとか水であるとか、それぞれによって違うところでございます。そして、我が滋賀県が長年積み重ねてきた品種の改良とその持ってる知的財産権というのは大変非常に重要でございます。
残念ながら、諸外国勢力に押されてかどうかわかりませんけども、国でそのあたりの理解をどれまでしていただいているのかということは甚だ疑問に思うところでございますけれども、我々、大阪城の堀を埋めるようなことにならないように、滋賀県の農業というか日本の農業をしっかり守っていくためにも、今、県は取り組みをしていただいておりますけれども、我々地方自治体といたしましても、地域の安全でそして国際競争力が真のある農業を続けていただくためには、その根本である種子というのを守っていくということは非常に重要なことと考えておりますので、ぜひ議員の皆様方のお力も得ながら、滋賀県固有の品種である、これをしっかりと知的な財産権として守っていくような取り組みを市としてもしていきたいと考えてるところでございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
辻正隆君。
◆5番(辻正隆 君) 力強い言葉、所見をいただきまして、安心をさせていただきました。どうぞ滋賀県の立ち位置あるいは近江八幡市の立ち位置を、しっかりこの議会、この点に関しては滋賀県もしっかり、県も国に対して発言をしていただきたいというふうに思います。県下の首長会あるいは全国におきます市長会等々の席で小西市長もしっかりと発言をいただいて、滋賀県の立場あるいは近江八幡市の立場を主張していただけたら幸いに思います。
以上で2問目の質問を終わらさせていただきまして、私の質問はこれをもちまして終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(園田新一 君) 以上で辻正隆君の個人質問を終わります。
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