近江八幡市議会
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竹尾 耕児 議員
平成31年第1回(3月)近江八幡市議会定例会 3月4日(月) 代表質問
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内容
会議録
平成31年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月4日(月) 代表質問
竹尾 耕児 議員
(1)八幡堀の浚渫について
①浚渫についての手立てや考えについて
(2)生徒指導のあり方について
①自主自立を育む取り組みの推進について
(3)公共施設管理計画について
①個別計画の進め方について
◆1番(竹尾耕児君) 皆さんこんにちは、チームはちまんの竹尾耕児です。チームはちまんの代表質問を始めさせていただきたいと思います。
チームはちまんとして、私は、4年間、山本英夫議員とともに歩んでまいりました。今思い返しますと、4年前、緊張と不安の面持ちの中で、本当に体も心も緊張の余り震えながら、初めて質問に立ったときのことを今思い出しております。
初めての質問が終わりました後、よう頑張ったなでありますとか、ええ質問やったでなどと、党派や立場を超えて議員の皆様からお声がけをいただいたときには、不安から解放され安堵するとともに、ここからが私のスタートだという自覚を強く持った記憶が今よみがえります。
私は、この議会に育ててもらった政治家であります。議員や行政職員の皆さん、そして何より市民の皆さんに育てていただきました。私はその気持ちに応えるためにも、チームはちまんとしてこれからも皆様とともにまちづくりに邁進していく気持ちであります。
我々は4月に任期を満了いたします。この中には、勇退をされる方や、あるいは改選を迎える者、さらには舞台をかえられて戦われる方など、また議員一人一人がそれぞれの道を歩んでいくことになります。
しかし、この4年間の中で皆様とともに共有できたことは、まちづくりに対する思いと、そして地方議会のこれからの重要性であります。
地元地域を初めたくさんの人や地域、語り、見て、私は学ばせていただきました。そこで感じたことは、地方と都市部では今まちづくりの根幹に大きな差が生じていることであります。人口減少に伴う財政の緊張感は、潤沢な税収がある東京を初めとした一部の都市部と人口減少を目の当たりにする我々地方都市とではその差は歴然であります。
この差がもし格差であるならば、我々の努力によってこの差は埋めることができます。しかし、都市部と地方が差別的な構造によって生み出されている差であるならば、この構造そのものを議会と行政とが一つになって打破していかなければなりません。
我々の近江八幡市は、地域を愛する住民意識と昔ながらの相互の助け合い、互助関係が、今私たちの近江八幡を支えています。
国の政策は、福祉分野に特に顕著のように、事業の地域返しといいますか、地域へと事業の実施主体を移そうという傾向が見られます。中には、地域やボランティアでは限度がありそうな事業まで、市民との協働という名のもとに地域におりてきています。
それでは、その地域に目を移してみますとどうでしょうか。自治会を初めとして、組織は高齢化に伴い疲弊し、縮小され、維持そのものが困難な組織が多々あるということを認識することができます。
少子・高齢化は待ったなしで進みます。地域や組織の担い手は減少していっています。役員や役割は特定の人物に偏り、そのためまたさらに負担は増大し、組織力のさらなる低下を生むといった負のスパイラルも発生しています。これでは、市民との協働の前に、もはや市民の活力がもたないのではないでしょうか。
これは、私ども議員だけでなく、たくさんの関係団体あるいは事務局を預かっている市職員の皆様も課題として共有していただけると思います。
これからのまちづくりは、決して楽観視できる状況ではありません。議会がしっかりと二元代表制の機能を高め、市民と行政との連携をより一層強め、希望を持ち、明るい未来を提示できるよう、議会と行政と市民が一体となって、私たちらしい近江八幡市をつくり上げるために、ともに頑張っていかなくてはなりません。
それでは、これよりチームはちまんの代表質問を始めていきます。
まず代表質問の1点目、八幡堀のしゅんせつについてお尋ねいたします。
八幡堀とその周辺環境は、近江八幡市になくてはならない観光の中心地であると考えています。この八幡堀は、一つの奇跡によって守られた場所であることは皆さんもご承知のことと思います。埋め立ての計画が進行し、進んでいく中、そのさなかに、当時の青年会議所の青年を中心とした市民運動がこれをとめるために立ち上がり、今日の姿の礎をつくりました。
この中心的な役割を果たしたのが、川端五兵衞元市長であるということも周知の事実であるかと思います。
そして今日、八幡堀は全国に誇る観光資源としての成長を遂げました。この八幡堀の景観は、市民活動や学区民の皆さんによる日常的な清掃などによって保たれています。
チームはちまんの我々も、八幡堀の一斉清掃に参加しておりますが、藻や水草の繁茂など、あの美しい景観を維持するためにはかなりの労力を必要とします。
そして、八幡堀のしゅんせつは長期にわたり実施できていないのが現状であります。私は感じますに、市として観光資源の位置づけが高い割に、その景観の保全のために投入されている市の予算はそれに見合っているとは言いがたいのではないでしょうか。
環境の保全は、歴史、観光施策の重要なファクターであります。八幡堀のしゅんせつについて、どのように考えておられるのか、また何がしかの手だてはあるのかをお尋ねいたします。
次に、生徒指導のあり方についてお尋ねいたします。
少年犯罪の報道を目にするたびに、心を痛めているのは私だけではないかと思います。当市の現状といたしましても、総合計画に記載されておりますように、少年検挙者51名という数字も少ない数字とは思えません。
犯罪行為は無論処罰されてしかるべきであります。被害者は当然のことながら加害者によって生み出されます。被害者が一番つらい思い、経験をすることは間違いのない事実であります。では、加害者は一体誰が生み出すのでしょうか。これが成人であれば自己に責任を有することを前提に、司法によって裁かれるべきです。しかし、少年犯罪のように児童・生徒がその当事者の場合、果たして自己責任という言葉だけで済ませていいのでしょうか。
犯罪には、罪を犯す者、被害に遭う者、またそれらとは無関係な者に、生まれながら自然に分かれるのではありません。私は、少年犯罪の背景には社会や環境にも責任の一端はあると思います。
町田総合高校の事件などのように、教師も児童・生徒も生徒指導のイタチごっこのような状態になっていると見受けられます。ほかにも、SNSなどでは余りにも倫理を外れた行為が拡散され、今や社会問題化しています。これらの行為を行ってしまった青少年たちは、ふだんから素行不良にあるわけではないと私は考えます。
一方、学校現場に目を移しますと、社会性を身につけるはずのための生徒指導のあり方にも疑問の声が聞こえてきます。例えば児童・生徒のプライベートのあり方にも過度に介入をしてくるような指導があったり、あるいは女子生徒の下着の色を指定するというようなセクハラまがいの指導があったり、いわゆるブラック校則と呼ばれるような実態も学校現場の中にはあるとお聞きしております。
現場では、懸命に指導に当たっておられるつもりでしょうが、いつしか子どもたちの過度な管理になってしまい、指導内容に疑問を抱えたまま従っている生徒も少なくないと思われます。そうした被抑圧状況の反動が少年犯罪の背景の一因にもなっているのではないでしょうか。
社会性に必要な権利と責任や秩序と自由は、成人したからといっていきなり身につくものではありません。子どもの個性を尊重し、自由、自主、自立の教育環境の中で、自分の考えを持ち、その意見を表明するなどして、十分なトレーニングをすることによって身につくものであると考えます。
新学習指導要領にも掲げられます思考力、判断力、表現力も、授業の内容だけではなく学級づくり、学校づくりの社会的体験の中でさらに育まれるものではないでしょうか。
生徒指導のあり方をめぐっては、各校や教育委員会でもさまざまな議論が存在していると思いますが、生徒指導のあり方について、本市の現状と課題についてお聞かせください。
3点目、公共施設管理計画についてお尋ねいたします。
公共施設管理計画のもと、当局としての個別計画の素案が固まりました。これからの財政状況を鑑みますと、施設の更新は難しく、一定の集約や廃止はやむなしとの考えは理解できます。しかし、利用者にとってはそれら財政的な理由が直接的な理由とは理解されにくく、集約化や施設の廃止は当局の理由だけでは利用者が納得することができるのか、私は不透明であります。
利用者の思いというものは、行政の課題とは別の問題であるからです。過去、同和対策事業の終了により多くの公共施設が閉鎖されました。その後の地域及びまた利用者への影響を調査したことはあるのでしょうか。まだまだ公共施設の中で活用されている施設もたくさんあります。
今後、どのように説明されていくのか、個別計画の進め方について当局のビジョンをお聞きいたします。
以上3点、初問といたします。
○議長(園田新一君) 当局の回答を求めます。
小西市長。
〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 竹尾議員ご質問のまず1点目、八幡堀のしゅんせつについてお答えを申し上げたいと思います。
平成30年9月市議会定例会でもお答えいたしましたとおり、八幡堀のしゅんせつは、昭和54年度に完了した河川改修工事とあわせて実施されております。
また、八幡川は堀であることから治水上余り問題がなく、県においては、浸水洪水被害が発生する日野川や蛇砂川の改修を優先されているのが現状でございます。
しかしながら、議員もご指摘のように、八幡堀は伝統的建造物群保存地区に指定されていることなどから、文化面に加え観光面、環境面からもしゅんせつは早急に必要と考えているところでございます。
昨年10月には、八幡学区自治連合会、近江八幡観光物産協会、八幡堀を守る会の連名による八幡堀しゅんせつの要望を受けるとともに、これらの要望された団体とともに、県に対しまして要望活動を実施しておるところでございます。
県では、現状の把握に努めていくと伺っておりますので、今後も地元市民団体とともに継続して要望してまいりたいと考えております。
また、要望に限らず、独自には歴史的風致維持向上計画の策定を進めることとしておりますけれども、この中でいわゆる水回り等に関しましても交付金等の措置があろうかと思いますので、そういう方面からのアプローチ、また県としましては、先ほど何度も言っていますように、NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」ほか含めまして、安土城再建と観光とについて県でも力を入れているということを聞き、また動いておると思いますので、そういう中にも絡めまして、この八幡堀のしゅんせつというものを位置づけて、一日も早く美しい形の八幡堀を取り戻してまいりたいと考えております。
続きまして、議員ご質問の個別施設計画の進め方についてのご質問にお答えを申し上げます。
現在、3月末の策定完了に向け進めております個別施設計画でございますけれども、平成29年3月に策定しました公共施設等総合管理計画に定めている公共施設の管理に関する基本的な考え方や施設総量の削減目標を実現するための実施計画と位置づけており、公共施設の最適配置と財政負担の軽減と平準化を実現し、持続可能なまちづくりを目指すことを目的として策定しておるところでございます。
個別施設計画につきましては、各施設の点検の結果や老朽化の程度、利用状況や維持管理に係る経費、少子・高齢、人口減少社会の振興に伴う今後の利用需要の変化や行政サービスの可否などを見きわめた上で、利用者の利便性を極力損なわないよう機能の維持を基本とした統廃合や複合化、更新、長寿命化といった個々の施設の具体的な方向性や工程表を示した計画となっております。
なお、個別施設計画の進め方につきましては、3月末に策定後、市広報やホームページで市民の方への周知を図るとともに、特に複合化や統廃合の影響を受ける施設の利用者、利用団体に対しましては、丁寧な説明や十分な調整を行い、合意形成を図りながら柔軟に対応してまいりたいと考えております。
また、個別施設計画は第1期期間が平成38年度まで8年間の長期の計画となっており、計画の進捗状況については市民や市議会に定期的に報告させていただくとともに、今後、社会情勢の変化や利用状況の変化、財政状況などを見きわめ、適宜計画の見直しを図ってまいりたいと考えております。
いずれにしましても、将来世代への負担を先送りせず、安全・安心で最適な公共施設を引き継いでまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願い申し上げたいと思います。
個別の施設計画につきましては、この計画では一つ大きな削減目標を掲げてその中で策定させていただいておりますけれども、確定したというものではなく、これに基づいてやみくもに進めるというものではなく、今もご答弁申し上げましたように、それぞれ利用されている団体、また地域の方々とそれぞれの施設についてどうあるべきかと、どういうふうにあるべきかということを丁寧に話し合いをしながら、それぞれの施設についてあるべき姿を探ってまいりたいというふうに考えておりますので、また議員にもご協力のほどよろしくお願いを申し上げます。
生徒指導に関しましては、教育長から答弁をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○議長(園田新一君) 当局の回答を求めます。
日岡教育長。
〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇君) 竹尾議員ご質問の生徒指導のあり方についてお答えします。
本市の生徒指導におきましては、児童・生徒一人一人の理解を深め、人と人との触れ合いを通して心のきずなを深めるとともに、個々の児童・生徒が持っているよさや可能性を引き出し、それぞれの個性をより発揮できるよう指導に励んでいます。
また、教育活動全体を通じて、児童・生徒の社会性を培い、規範意識や自立心の育成に努めるとともに、生きる喜びと命の大切さを実感させることを目指しています。
各校では、学校の現状や児童・生徒の実態を踏まえながら、教科指導を初め学級指導、学校行事、児童会、生徒会活動、中学校では部活動等学校における全教育活動を通して児童・生徒がお互いの個性を尊重し、よりよい人間関係を主体的に築こうとする豊かな集団生活が営まれる学級、学校づくりに取り組んでいます。
しかし、近年、生徒指導上の重要課題であるいじめ、暴力行為、不登校にかかわっては、その背景に虐待や貧困、発達課題、インターネット社会の弊害等、さまざまな問題が複雑に絡んでおり、学校だけでは対応が困難な事案が年々ふえています。
特に、本市においては、不登校に悩む児童・生徒の在籍率がここ数年高い状況が続いています。これまで以上に、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等専門的な職員を含めた校内体制を整備するとともに、家庭、地域及び関係機関等との緊密な連携のもと、未然防止、早期発見、対応を図っていくことが重要になると考えております。
○議長(園田新一君) 回答漏れはありませんか。
質問はありませんか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児君) ありがとうございました。
八幡堀のしゅんせつについて、非常に前向きに検討してくださっているということでございますので安心いたしましたが、確かに答弁の中にありましたように、県土木河川のレベルでこの八幡堀を議論していきますと、どうしても治水でありますとか利水という点が優先されるため、八幡堀そのもののプライオリティーは下がってしまうということは、これは県、土木河川のレベルでは仕方ないことだと思います。
河川の護岸や、あるいは治水という観点ではなく、歴史文化、観光の視点という観点から八幡堀をどう捉えていくのか、その点が非常に重要になってこようかと私は思いますし、県への窓口も土木河川という窓口だけではなく、八幡堀を含めあの周辺環境を一体どのようにしていくのかという点が大事になってこようかと思います。
その中で、この歴史まちづくり法ですか、国交省中心によってまとめられたこの法律なんですけれども、この歴史まちづくり法の観点からいきますと、やはりその風景、風致計画というんですか、こういう点で今ある文化、伝統的な施設であったり町並みであったりというものをどのように保存していくのか、そしてまたどのように生かしていくのかという点が重要になってこようかと思います。
この歴史まちづくりの観点から、八幡堀についてどのようにお考えでありますのか、初問の答弁の中でもいただきましたが、もう少し深くご説明いただきたいと思います。
○議長(園田新一君) 回答を求めます。
江南総合政策部長。
◎総合政策部長(江南仁一郎君) 再問にお答えいたしたいと思います。
先ほど初問答弁の中でも、今後の方針といたしまして歴史的風致維持向上計画の位置づけも含めて、今後の展開を考えるということでご答弁があったところでございます。
以前からご答弁申し上げておりますとおり、平成31年度は、まずその前段階として、文化財の洗い出しの作業を行って、それから次に歴史まちづくり法に基づく維持計画の核となる部分を定めていこうと、こういうことを考えております。
当然、その中では、エリアとしてもそうですけれども、八幡堀を中心とした旧市街地の部分については、これは当然一つの大きな核となってこようというふうに考えておるところでございます。
その中で、具体的な事業をどのように進めていくかということも、この計画の中に盛り込んでいくことになりますので、その際に今議員ご指摘いただいておりますように、例えばしゅんせつを含め、八幡堀に関しましては、修景保存の立場から対応していかなければならない点が多いだろうというふうに思っております。
いずれにいたしましても、この計画はこれから取りかかっていくということでございますから、これはどのようにのせていけば事業実施ができるのかというところについては、これは文化庁なりと十分協議調整していきながら進めていくことになろうかというふうに思います。
その上で、例えばしゅんせつ事業がいわゆるどのような補助あるいは交付金の対象になるのか、補助率はどのようになるのか、そういったあたりも見きわめながら位置づけをしていきたいなということは一つ考えております。
それから、この八幡堀でございますけども、当時しゅんせついただきましたのが昭和51年から4年間かけて、これはいろんな皆さんのお力添えがあってできたわけでございますけれども、それ以降、水緑都市モデル整備事業等々で修景の広がりを見せたわけでございますが、それ以降40年経過をいたしております。
議員も今おっしゃいましたように、例えば観光の側面から申しますと、当市は500万人を超える観光客がお見えになるわけでございますが、そのうちの多くは八幡堀かいわい、新町通り、日牟礼八幡宮等々散策にお越しになっているだろうというふうに思いますし、特に堀割につきましては他の地域でも結構あるわけでございます。以前は、当市も堀割協議会ということでこういった堀割をお持ちの団体との交流もしておったわけでございますけれども、とりわけこの八幡堀につきましてはそこの堀に意味があるということで、多くの観光客がお越しいただいているというふうに思います。
そういったことも含めますと、やはり観光客がお越しいただく割にはなかなか手がつけられてなかったというのも事実だろうと思います。
先ほど来、「麒麟がくる」の放映でありますとかもろもろの観光振興の流れがある中で、特に観光立県を目指される滋賀県としましても、治水、利水だけで県管理の河川を語るというのは、なかなかこれは難しいのかなと。違う目でやっぱり見ていただきたいなというところもございますし、なかなかしゅんせつとなりますと、これは県だけでなく国の助力も得なければならないかもわかりません。大変大きな課題でもございますので、そのあたりはしゅんせつと、それから滋賀県全体としての観光の盛り上がりということも含めて、いろんな手法を用いて県とも協議をさせていただきながら、実現に向けて取り組んでまいりたいと思いますので、またご支援をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児君) 非常に前向きなご努力に取り組んでいっていただけるということで、非常に心強く思っております。
前回のしゅんせつが昭和51年からということで、私は昭和57年の生まれですので、まだ私が生まれる前にしゅんせつされて以来、まだされていないという現状もありますし、私はボランティアで八幡学区の子ども体験活動協議会の会長をさせてもらっているんですけれども、今年度、八幡学区をPRしようということで、テレビ番組をつくろうということで子どもたちを連れて八幡のええとこ探しをしようという、したときに、やはり子どもたちが最初に声を上げるのは八幡堀とあの周辺環境だということで、これは教育的な効果も非常に高うございますし、観光客だけではなくて、やはり八幡地域住民の方に愛される景観として八幡堀は位置づけられていると。
この愛される景観という意味にもって、今日の姿が保たれていることを考えますと、やはり市としてもまち協さんなり、あるいは市民団体さんなり、八幡堀を守る会の皆さんであったりというところの連携をより密にしていただいて、特にこの歴史まちづくり法がございますし、歴史的風致維持向上計画の中には62の市町が既に認定をされておるという状況もございます。
決して、八幡堀はほかの観光に比べて何だか低いだとか悪いだとかということは絶対にないと思います。日本に誇るべき、全国に誇るべき地区だと思いますので、確かなビジョンと計画性を持てば必ずやしゅんせつの実現に向けては遠くない夢だと、このように思いますし、八幡堀を含めてあの風景そのものが近江八幡の文化観光施設であるという自覚をさらに強く持っていただいて、この八幡堀しゅんせつについての現実的な一歩、二歩をより一層力強く踏み出していただきたいと、このように要望申し上げます。
次に、生徒指導のあり方についてですが、日岡教育長、ご答弁ありがとうございました。
確かに、私も教育現場におりましたので、一人一人を大切にする、個別の対応をしっかりと行っていくと、こうした点、特に生徒指導においては事後対応といいますか、何か事が起こってしまった、虐待があった、いじめがあった、あるいは暴力事件であるとか窃盗であるとか、事後対応について子どもや保護者の方に寄り添いながら、本当に時に厳しく温かく指導を、その点は心がけていっていただけると、このように思っておりますが、私が今回これを質問させていただきましたのは、生徒指導の個別具体の例ではなく、大きな方針指針について、今全国ではなかなか従来のやり方、あり方では生徒指導が後回しになってしまっているのではないかという点が私にとっての疑問であります。
と申しますのは、自主性や自立性を育むと、この観点から一度これらの生徒指導の指針の見直しが必要なのではないかなと、このように感じておるわけであります。
今、公立学校の中でも学校の当たり前を疑うとして、例えば定期考査の廃止でありますとか宿題の撤廃、あるいは担任制の撤廃でありますとか制服の自由化、中には校則のゼロ、校則ゼロ化の中学校ということなど、これはおもしろい取り組みなんですが、全てこれは公立の中学校で新しい可能性に挑戦している学校というものがあります。
具体的に申しますと、東京都の千代田区立の麹町中学校でありますとか世田谷区立の桜丘中学校は、校則ゼロ化ということで校則がないと。このような取り組みをとられている学校もあります。
例えばこうした議論が出てきたときに、自由を与えると子どもがめちゃくちゃになってしまうというようなご意見もあろうかとございますが、この上記新しい取り組みを進めておられる学校ではそうした事例は報告ではございません。むしろ、今、公立学校で問題となっている学級崩壊なんかの例を見てみますと、子どもたちを自由にさせ過ぎて崩壊をしたというよりかは、納得のいかない指導や管理の強要によって、子どもに担任及び学校に不信感が芽生えてしまってその反発として学級崩壊が起こってしまうというケースも多いのではないかと、このように感じます。
先ほど申しましたSNSなどでの一連の未成年の少年たちによる倫理を著しく外れた行為でありますとか、現在、こうした公立学校の新しい取り組みなども含めて、日岡教育長ご自身が、今生徒指導のあり方はどうあるべきなのか、お考えがありましたらお聞かせください。
○議長(園田新一君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) 今おっしゃった取り組みというのは、僕も非常におもしろいなと思っています。
基本的には、生徒指導というのは問題行動を起こした子どもたちとか、あるいは不登校、いじめ等々を叫ばれますが、ベースはやっぱり平素の学級指導とか教科指導の中でしっかり培われていくこととともに、それはしっかり保護者の方にも地域の方にもご理解していただくこと、それがすごく大切なことなんです。
どうも一般的に生徒指導といったら、何か飛び出した子どもたちに対して、飛び抜けた子どもたちに対して指導を入れることのように思われがちなんですけども、やっぱり平素のきめ細やかな、しかも子どもたちは学習のできる子、あるいはスポーツの得意な子もいます。でも、すごく苦手な子、でもこの子はすごく絵がうまいとか、あるいは教科の中とかには全くないけどもけん玉させたらすごいと、実はことしそんな子どもが、八幡小学校でしたか、文化賞を受賞していただくことになったんですが、そこそこすばらしい点は誰でも持っていると思うんですけども、そこを見きわめないで、飛び出した子どもとか、あるいは学校で持ってきてはいけないものと決めつけて指導することは私も疑問を感じるので、これから時代に応じて、今、千代田区が取り組んでおられるような形をどんどん取り入れていかなあかん時代になってきたな、と同時に、そのことを保護者、地域、それから市民の皆さんみんなが理解していただくことが大切かなと思っております。
以上です。
○議長(園田新一君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児君) 教育長、ありがとうございます。
まさに教育長おっしゃるとおりだと思います。私はこれは特段、新しい取り組みだと教育長はおっしゃいましたが、そうじゃないと思うんですね。
1990年代の八幡東中学校の実践を見てみますと、非常に県内の中でも課題の多い学校であったというような位置づけであったものの、その実践を私は授業研究でありますとか当時の東中学校の実例なんかを見せていただきますと、今では非常に難しいかもしれませんが、問題のある子どもに対して主体的にかかわっていく生徒たちの姿があったと。それは教師が生徒に対して高圧的に指導するのではなく、生徒間の中で、例えばいい卒業式を迎えたいであるとか、この運動会は成功させたいという中で、それぞれ一人一人が主体的なかかわりを持つ中で、非常にすぐれた自治、自主が、非常にすぐれた形で実践されていたのが当時の八幡東中学校ではなかったのかなと、このように思います。
これは、やはり根深い教育環境の苦しさの中から芽生えてきた一つの答えだったんではないかなと思うんですけれども、しかし今、余りにもマニュアルでありますとか管理と、安全という面を担保するということは大事なことなんですけれども、そうした子どもたち同士のかかわり、子どもたち同士の中の社会関係の中から生まれてくる秩序や何かというものが、今そこが失われていっているんではないのかなと、このように感じております。
日岡教育長の柔軟な姿勢というところについては、私は本当に共感する次第であります。
こうした自由、自主、自立と、このように、今質問の中で述べておりますが、こうした教育も今に始まったことではございません。これは、原点は80年前のヨーロッパの中で、ユダヤ系ポーランド人の教育者でありましたヤヌシュ・コルチャック先生が第2次世界大戦下の中、ユダヤ人ということだけでいわれのない迫害に遭いながらも、ポーランドで実践を続けた教育という形が、今教育長がおっしゃっていた子どもたちの自主性を尊重する教育、子どもたちの語りを大事にする、子どもたちの思い、意見をまず聞くということからスタートする教育を実践されておられました。
コルチャック先生自身は、ユダヤ人ということでトレブリンカの強制収容所に送られて、そこで教え子たちとともに命を失ってしまうわけでありますが、このコルチャック先生の教えというものは今もなお、この現在も私たちの中に息づいております。これは何か。母国はポーランドであります。このもとをつくったのはコルチャック先生でありますが、それは今、子どもの権利条約として国際社会で批准されている。このもとになったのが、このポーランドのユダヤ系ポーランド人だったコルチャック先生の学びのあり方なんですね。
まず、子どもたちの意見を聞こう、まず子どもたちの思いを聞こうと、その中で芽生える秩序と自由がある、その中で与える権利と責任があるということを、コルチャック先生は書物の中でもまず聞くことから始めようと、こういうふうにおっしゃっておられます。
これを解釈しますと、今教育長がおっしゃられたけん玉は学校に不要だから持ってきてはいけないよという指導が、ちょっと待ってよと、子どもの権利条約に照らし合わせてこの子の可能性を伸ばすツールは何なのか、そういう議論になってくると思うんですね。
小学校の中でもよくあります。晴れた日は外で遊びましょうという一方的な指導というものは、現状もあります。ところが、教室の中で、例えばカードゲームやボードゲームを通じて知的好奇心を発育させるというような子どももいます。ノートに好きな自由帳を書くことで、それをお友達に見せることでつながりを持とうとする子もいる。一方的に、晴れたら外でドッジボールというような一方的な指導管理のあり方というものは、これは私はいかがなものかと、このようにも感じております。
どうか、今この教育が非常に混迷をきわめる時代になってこようかと思います。保護者のニーズも高まり、子どもも多様化し、教師はその多様化に果たしてついていけるのかどうかという点も危惧されておりますが、どうか、この80年前、コルチャック先生が実践された中から生まれた子どもの権利条約を用いて、いま一度生徒指導のあり方を、これは教育委員会ベースで一度点検していただきたいなと、このように思います。
確かに問題行動を起こしてしまった子への事後指導などについては、これは教師の情熱を燃やして取り組んでいって、引き続き取り組んでいってもらわなければいけないんですけれども、外枠、大枠としての生徒指導のあり方というのはもう少し柔軟な対応になってもいいのではないかなと思いますし、できれば小学校の高学年あるいは中学校になってくると、主体的な学級づくり、学校づくり、校則を一緒に教師と生徒が議論できるような環境、場づくりなどが必要かなと、このように思いますので、ぜひ一度生徒指導と子どもの権利条約の相互関係について、教育委員会及びまた学校などで議論する場を積極的に持っていただきたいと、このように思います。
最後に、公共施設管理計画についてなんですけれども、市長、ご答弁、柔軟な姿勢、対応をということでご答弁ありがとうございました。
私は、これはかなり実は心配しておる案件でありまして、役割を終えた、市民からも利活用の声が聞こえないという施設と、老朽化は進むもののいまだに利用者を含めて呼吸をしているといいますか、息づいている施設というもの、これはあると思います。
もう役割を終えてしまった、市民からも利用、活用の声も聞こえないという施設については、これは個別の管理計画のもとで廃止をされるなり新たな利活用を考えるなりしていただければいいかなと思うんですけれども、施設によってはそれこそ何十年とその施設を利用されてきた方がおられるわけですよね。行政の担当職員さんが長くても二、三年、四、五年で担当はかわられますよね。ところが、その施設については何十年とそこを愛用されてきた住民さんがおられます。
こうした施設に対して、老朽化でもう財源が苦しくてということで廃止だというような説明では、僕は到底納得してもらえないと思います。むしろ、仮に一方的な押しつけになってしまっては協働のまちづくりは後退するのではないかと、行政不信を招くのではないかというような心配をしております。
これは私からの提案なのでございますが、恐らく施設利用者、またこの施設ごとの性格も違うと思いますが、施設の利用者間やあるいは地域住民さんとの協議会をつくって、施設の今後のあり方や、ここが僕は重要だと思うんですけれども活動の補完性ですね、その活動は次にどこでどのように担保されるのかという補完性などをまず真摯に聞いていく必要があるのではないかと、このように思います。
これは行政の性格上いたし方ないことでありますが、行政というのは数年単位で担当者がかわってしまうため責任者の特定が非常に難しいんですね。地域や市民にとって、今この個別管理計画の中で本当にこのまま進んでいいのか、納得のいく説明ができるのか、市民の真の公益につながるのか、あるいは市民さんの中に禍根は残さないのか、市民とのこれからの協働は本当に実現可能なのか。行政側の理論武装は整ったにせよ、より慎重な議論が求められるということは、これは必然なのではないかなと思いますが、改めて公共施設管理計画の進め方について、市長に具体的な思いがあるのであればお聞かせ願いたいと思いますが。
○議長(園田新一君) 小西市長。
◎市長(小西理君) ご質問ありがとうございます。
今、公共施設管理計画、総合管理計画を出しますけど、大胆に書いてあるので、それを見てなくなるんじゃないかと心配される方も多分出てくるんじゃないかなということも多少は危惧しておるんですけど、そうではなくて、それは一つのスタートポイントとして、今、私が申し上げたように、それぞれの利用者、それぞれの活動がどうあるべきかということをそれぞれの施設ごとに丁寧に、それを使われる方も我々も納得するような形で取り進めていきたいなというように思っております。
当然、集約すべきものは集約できればよろしいですし、廃止するものは廃止する、新しくするものは新しくする。いろんな形があろうかと思いますけれども、市民の活力をまさにそがないというか、活力の場として、なることが施設で一番大事なことでございますので、その辺に留意しながら進めてまいりたいと思っております。
○議長(園田新一君) 竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
恐らく、結論ありきで進むと非常に困難な道のりになるのかなと思いますし、利用者、地域住民との文字どおり協働によって、今後の施設のあり方、活動の担保などを検討していってもらいたいと、このように思います。
長々としゃべり過ぎた嫌いがありますが、私どもチームはちまんは、歴史文化あるいは教育、人権、まちづくりといったことについてこの4年間取り組んでまいりました。こうしたことを引き続き議会の中でも積極的に、あるいは当局間でも議論していただけることをお願い申し上げまして、チームはちまんの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(園田新一君) 以上で竹尾耕児君の質問を終わります。
次に、これよりチームはちまんの持ち時間内で関連質問を許します。
関連質問はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(園田新一君) 関連質問がないようでありますので、以上でチームはちまんの代表質問を終わります。
以上をもって本日の日程は全て終了いたしました。
来る6日は定刻から再開し、個人質問を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
ご苦労さまでした。
午後3時36分 散会
ご利用について
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