録画中継

令和元年第2回(9月)近江八幡市議会定例会
9月10日(火) 個人質問
岡田 彦士 議員
(1)文化財行政について
   ①歴史的建造物や文化財の周知方法について
   ②文化財保存活用地域計画について
   ③文化財保存活用地域計画の策定と歴史的維持向上計画の策定について
   ④五反田川(伝安土城外堀)の整備について
   ⑤安土匠の里にあるモラロジー講堂について
(2)西の湖の観光活用について
(3)安寧のまちづくり(近江八幡市版CCRC)事業「静かな水辺で暮らす」について
(4)全国学力・学習状況調査について
◆14番(岡田彦士君) 14番、創政会の岡田彦士でございます。ただいま議長の発言の許可をいただきまして、通告書に従いまして市長初め関係部局の皆様方に質問させていただきます。質問の形式は分割にてお願いいたします。
 少し古くなりますが、ことし1月1日の時点で国内の日本人は約1億2,477万人、前年よりも約43万人減少し、10年連続マイナスで、減少数は過去最多の状況です。都道府県別では、東京圏、埼玉、千葉、東京、神奈川と沖縄がふえて、それ以外の府県は減っているとのことです。東京一極集中がさらに進んでしまっています。
 また、2019年度地域別最低賃金、時給の目安としてございますが、全国平均で27円引き上げられ901円となることが国の審議会で決まりました。骨太の方針に全国平均1,000円を目指す方針を明記した安倍政権の意向に加えまして、人手不足の深刻化や労働界の強い要請もありまして、全国の時給は初めて900円台を超えたということです。
 しかしながら、東京と鹿児島との時給の差は223円、若い世代の地方から都市への流出は拍車がかかる可能性が予測され、外国人労働者も都市へ集中してしまうのではないか、一層地域間格差が広がり、政府が取り組んできた地方創生は果たしてその効果が今後あらわれてくるのか、疑問に思うところでございます。
 さて、それはそれとしまして、今回の質問は、まず初めに大きく1項目め、文化財行政について、2項目、西の湖の観光活用について、3項目、安寧のまちづくり(近江八幡市版CCRC事業)「静かな水辺で暮らす」について、4項目、全国学力・学習状況調査について質問いたします。
 最初、1項目め、文化財行政について5点質問いたします。よろしくお願いします。
 文化財というものは、つくろうと思ってもすぐできるものではなく、長年の歴史の中で培われてきたものであり、先祖から我々が伝承し後世に引き継いでいかなければならない大切なものであります。幸いにも、本市は、歴史に関して建造物、史跡、伝統行事等も多く、恵まれた環境にあることは誰しも認めるところであります。
 しかしながら、幸福な者は幸福になれ切って、幸福であることを自覚しないように、本市も恵まれていることを自覚しないと思ったりします。由緒ある建造物、史跡があるのは当然だといった感覚で、今後少子・高齢化が進む上では、長く後世に残さなければならないといった意識に欠けるのではないかといった心配があります。
 1点目、歴史的建造物や文化財の周知方法について。
 歴史的建造物の文化財があっても住民はその内容、存在をよく知らないと、あるいは知っていてもその由来に詳しくないといったことはあり得る話。そうしたことから、文化財の写真、解説等を掲載し、歴史的建造物や文化財マップを作成し、市民にはもとより本市を訪問する方々にも積極的に配付する等PR活動が必要と思われますが、当局はどのような対策をなされていますか、お伺いしたいと思います。
 2点目、文化財保存活用地域計画でございます。
 福井県の大野市では、2019年度から3年をかけ、文化財保存活用地域計画の策定に取り組まれています。計画が国に認定されれば、保存だけでなく観光や地域振興に積極的に生かすことができるとのことでございます。
 このことは文化財行政の新たな進展として注目の集まるところでもありますし、今後地域の伝統行事や祭りなど含めて、文化財を洗い出し、保存活用のためのプランをまとめていく必要があると考えます。
 歴史的建造物や施設、美術品などの地域の文化財活用の後押しを目的として、改正文化財保護法が2018年6月に成立をいたしました。市町村は独自に保存と活用の総合的な計画、地域計画を作成し、文化財の一般公開や観光に向け、史跡周辺の樹木の伐採や道路を石畳にして改修するといったプランを盛り込むことが可能とされており、この計画が国に認定されると市においてもこれまで以上に権限等が増すと考えられます。
 そうなると、近江八幡市も指定文化財や地域に残る文化財の掘り起こしや年中行事、風習の伝承を近江八幡市の遺産として保存、活用し、計画を策定しなければならないと思われます。
 また同時に、国の認定を受けるには、文化財の活用法に独自色を打ち出すことが重要と思われます。
 本市では、文化財保存活用地域計画、近江八幡の遺産の取り組みについて、現在どのような状況にあるのか、伺いたいと思います。
 3点目、文化財保存活用地域計画の策定と歴史的維持向上計画の策定のおおむねの状況についてでございますが、平成30年12月の議会で同僚議員の質問に対しての回答としてでございますが、本市では文化財保存活用地域計画を策定した上で、地域における歴史風致の維持向上に関する法律に基づく歴史的維持向上計画を策定すると答弁されておられますが、文化財保存活用地域計画の策定は、何年をめどに策定されるのか、また歴史的維持向上計画の策定をされる期間はどれぐらいの年月を予定されているのか、おおむねについて教えていただければと思います。
 4点目、五反田川(伝安土城外堀)の整備について。
 令和元年6月議会で、安土城下町再生事業の中、五反田川(伝安土城外堀)の北側の展望デッキから船着き場までの遊歩道が中途半端なままで終わっているとの質問に対して、当局は、安土城外堀周辺の事業に関連する周辺の整備については、県道2号線バイパス工事に係る整備等にも関連していると回答をされました。
 これは、いわゆる文化財保存活用地域計画策定や歴史的維持向上計画の策定と密接な関係を有していると私は考えています。
 平成28年3月、滋賀県教育委員会が発行されている特別史跡安土城跡保存計画の中、特別史跡安土城跡環境整備基本構想から、県道2号線バイパス道路安土工区については、史跡指定地に隣接する地域であり、バイパス道路ができることによって史跡にメリットがある整備を行う、また指定地以外でもある外堀周辺については、追加指定に向けて地権者の同意を得ていくほか、公有化も視野に入れるものとすると記載をされています。
 このことは、史跡整備を重要視され、外堀も特別史跡内として公有化を可能とするということであるととれ、それであれば整備の対象となり、外堀のしゅんせつや石垣の調査をしていただけるというふうにも解釈いたしますが、今後、安土城周辺整備としての五反田川(伝安土城外堀)は、しゅんせつや石垣調査等についてどのような展開になり、安土学区にとってにぎわいのあるまちづくりの発展としていくのか、市の展望も含めて回答いただきたいと思います。
 5点目、安土匠の里にある旧モラロジー講堂について。
 この建築物は、太平洋戦争当時の旧八日市飛行場管制室の部材を再利用してつくったと県がまとめた近代和風建築調査報告書に記載されています。
 もし残すのであれば、県の施設である東近江市の平和祈念館や近くにある考古博物館、旧の近江風土記の丘への移転等も考え、県の近代遺産、戦争遺産扱いにしてはどうかと考えたりもいたしますが、非常に危険であるため、倒壊のおそれもあり、この建築物を市としてはどのように整理をされようとしているのか、伺いたいと思います。
 以上5つ、ひとつよろしくご回答願いたいと思います。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 岡田議員ご質問の文化財行政に係る5項目のご質問に順次お答えを申し上げます。
 まず、1点目の歴史的建造物や文化財の周知方法についてお答えを申し上げます。
 本市の国県市指定文化財と登録文化財の数は全部で243件あり、市のホームページなどで市民の方々や観光にお越しの方々になるべく容易に理解していただけるよう紹介しており、観光に訪れていただく方々には、ご希望に沿い観光パンフレット「近江八幡漫遊」をお渡ししております。
 その内容ですが、本市の主な文化財をより一層深くご理解していただける記述としており、観光資産としての魅力の向上に努めているところでございます。
 また、近江八幡市史第9巻を地域文化財編として刊行すべく、現在作業を進めており、ここでさらに詳しい解説を加えることで、より広く、より深く本市の文化財の魅力発信を充実させたいと考えております。
 また、このほかにも講座等に専門の職員を派遣しており、これを維持向上するなど、今後も歴史や文化財にかかわる周知等も積極的に展開してまいりたいと存じております。
 次に、2点目の文化財保存活用地域計画についてのご質問にお答えをいたします。
 議員ご指摘のとおり、市内には特別史跡安土城跡を初めとする多くの指定文化財がございます。このほかにも未指定の文化財や地域で継承される祭礼、年中行事など豊かな歴史的資産を数多く有しております。
 昨今の過疎化、少子・高齢化といった社会情勢の変化に伴い、貴重な文化財や歴史的試算の滅失や散逸の危機が全国的な課題となっており、本市においても同様の懸念、危機感を抱いているところでございます。
 こうした課題解決に向け、平成31年4月1日に改正文化財保護法が施行され、地域文化財の保存活用に関する総合的な計画として、文化財保存活用地域計画を市町村が策定することができると定められました。
 この法改正を受け、本市でも中・長期的な文化財の保存活用のための取り組みを計画的かつ継続的に実施すべく、本年度より近江八幡市文化財保存活用地域計画の策定を進めております。
 策定に当たりましては、地域住民、文化財所有者、観光団体、まちづくり団体、学識経験者等から成る近江八幡市文化財保存活用地域計画連絡協議会を組織し、本年8月30日に第1回の協議会を開催したところでございます。
 なお、同計画策定においては、地域における歴史的風致の維持向上に関する法律に基づく歴史的風致維持向上計画の策定による文化財の周辺環境整備も視野に入れ、文化財の保存活用とその周辺環境整備を中心とする歴史文化を生かしたまちづくりへとつなげていきたいと考えております。
 次に、3点目の文化財保存活用地域計画の策定及び歴史的維持向上計画の策定期間についてのご質問にお答えを申し上げます。
 さきの質問で回答いたしましたように、文化財保存活用地域計画については、第1回の連絡協議会を開催したところで、ご質問の策定期間も含め検討しているところでございます。
 また、地域における歴史的風致の維持向上に関する法律に基づく歴史的風致維持向上計画につきましても、文化財保存活用地域計画を策定した上で、国土交通省などの認定に向けた取り組みを行っていきたいと考えております。
 次に、4点目の五反田川(伝安土城外堀)の整備についてお答えを申し上げます。
 特別史跡安土城跡は、文化財保護法に基づき国から管理団体として指定された滋賀県が特別史跡安土城跡保存管理計画書を平成28年3月に策定され、特別史跡安土城跡の外堀とも言われている五反田川を含め、保存方針等の方向性を示されております。
 現在、この計画に基づいて、保存管理が行われておりますが、議員もご指摘の外堀の取り扱いは史跡指定を視野に入れた記載となっております。
 その保存計画書の中で、今後の整備計画とその方針として、議員もこれもご指摘の県道2号線バイパス工事に絡めた史跡の追加指定や整備方針が記載されておりますので、今後、滋賀県の道路整備所管と特別史跡安土城跡の管理所管、そして土地所有者や管理者、地域の方々と十分協議調整を重ねた上で、特別史跡の追加指定や整備、公有化の具体的な方針を定めていきたいと考えておるところでございます。
 最後に、5点目のご質問である安土匠の里にあるモラロジー講堂についてお答えを申し上げます。
 議員がモラロジー講堂とご指摘されている建築物は、昭和初期の旧陸軍八日市飛行場にあった施設の解体に伴い、その部材の一部を再利用して建築されたとの関係者の証言があるところでございます。
 平成6年度に実施された滋賀県近代和風建築実態調査において、昭和初期の建築物であるとの結果が出ており、これを受け、平成20年には旧安土町において諸般の調査を実施しましたが、昭和初期の建築部材の再利用が確認できるものの、八日市飛行場の施設の部材であるとの結論には至りませんでした。
 また、仮に八日市飛行場の施設の部材が再利用されていたとしても、本建築物自体の老朽化が著しいことから、保存修理が困難な状態であり、現時点では本建築物は解体する方向で検討してまいりたいと考えているところでございます。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 岡田彦士君。
◆14番(岡田彦士君) 市長、どうもありがとうございます。
 1つだけ再問させていただきますが、この文化財保存活用地域計画の策定や歴史的維持向上計画の策定なんでございますが、本市にどのような影響を与えるのか、文化財行政のまとめとして、文化財行政のあり方や方向性について当局のご所見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 原田総合政策部長。
◎総合政策部長(原田智弘君) 岡田議員の再問にお答えします。
 本市では、これまでも市内にある数多くの指定、未指定の文化財、市域で継承される祭礼、年中行事などの貴重な歴史遺産を市民の皆様とともに後世へと引き継ぐため、個々にその保護、保存に努めてきました。
 これに加え、現在進めております文化財保存活用地域計画の策定による文化財や歴史資産等の総合的な把握と継続的かつ計画的な保存活用に向けた取り組み、さらに歴史風致維持向上計画と歴史まちづくり事業の展開による文化財環境整備といった施策の展開により、観光を初めとするにぎわい創出や産業の醸成といった地域振興を一層加速させてまいりたいと存じます。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 岡田彦士君。
◆14番(岡田彦士君) どうもありがとうございます。
 少子・高齢化や後継者問題で歴史的建造物等が今後守れない、あるいは改修しようにも浄財が集まらないなど、今後建物の維持管理ができないことが予想されるわけでございます。
 市内にある歴史的建造物や文化財が個人や地域の団体等の所有である場合、管理が所有者にとって大きな負担になっています。どのようにすればこのような問題は前向きに検討していただけるのでしょうか。大きな課題でもあるように思います。
 また、織豊時代の歴史の産物である五反田川、ありし日の面影を持つ天下の名城と言われた安土城の伝外堀周辺の整備として、これのしゅんせつや石垣の調査についても、県道2号線バイパスあるいは文化財保存活用地域計画策定や歴史的維持向上計画策定を絡めて、より一層地域住民とも十分協議の上で、公有化も踏まえまして検討していただきたいと思います。
 また、太平洋戦争のことを後世に伝えるため、旧モラロジー講堂の建築物は貴重であると思ったりしましたが、今の状況では非常に危険であるので解体もやむなしとのことでございます。熟考されまして、よりよき整理の方法を考えていただき、記念碑、映像、写真等でありし日のモラロジー講堂としてまとめられ、残しておくことが必要ではないのかと思います。
 これらを要望として次の質問に移りたいと思います。
 2項目め、西の湖の観光活用についてでございます。
 令和元年8月9日、西の湖の不明くい撤去に係る地元説明会が県の東近江土木事務所管理調整課により説明があり、10月ごろくいの撤去作業が行われる予定が示されました。
 西の湖にあるくいは多数あり、今回は航行の安全のための処置であり、それは地域住民の大きな課題でもありました。ともあれ、西の湖の活性化の第一歩が示されたわけでございます。
 次のステップとしては、まずはさらなる航行安全のため、くいの完全撤去を求め、西の湖の景観をも配慮に入れながら要望しなければならないと思っています。
 航行安全のための西の湖にあるくいは減ることは間違いないと思われ、近江八幡と安土町を結ぶ上で基本的な課題が少し前進したように思われます。
 翻って、平成29年6月議会の中、西の湖豊浦港の整備による観光活用、西の湖すてーしょんを活用しながら、近江八幡から安土ルートの湖上よりのルートの開発及び安土城への道筋についての質問をいたしました。
 当局は、西の湖を守り伝え生かすことは、歴史文化遺産を生かした観光振興によるまちづくりを目指す観点からも大変重要であると認識をいたしております。また、西の湖すてーしょんの活用、あるいは近江八幡から安土へ至るルート、あるいは安土城への道筋等々につきましても、大変大きな課題ではございますけれども、関係各位協議をさせていただきまして、よりよい方向を見出していきたいというふうに答えておられます。
 今後、市はくい等の障害物の除去を契機に、旧の近江八幡市と安土を結ぶ東西航路のルートの確保、豊浦港から安土城への道筋や琵琶湖へのルート確保等、展望をも含めて西の湖を生かした観光政策についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
 原田総合政策部長。
             〔総合政策部長 原田智弘君 登壇〕
◎総合政策部長(原田智弘君) よろしくお願いいたします。
 岡田議員の西の湖の観光活用に関するご質問についてお答えします。
 まず、歴史文化資産を生かした観光振興によるまちづくりを目指す観点から、近江八幡地域と安土地域を周遊する西の湖における湖上交通のルート化につきましては、大変重要であると認識しております。
 また、来年1月から大河ドラマ放映が予定されていることや令和8年に安土城築城450周年を迎えることなどから、現在湖上交通を活用した観光ルート化の検討を積極的に進めているところでございます。
 具体的には、去る6月7日に地元事業者の協力のもと、長命寺港から西の湖を周遊し、豊浦港、常浜水辺公園を結ぶ湖上観光ルートの試験航行を実施いたしました。試験航行には、大河ドラマ「麒麟がくる」の地元推進協議会の加盟団体役員を中心に乗船いただき、意見をいただいたところです。
 その結果も踏まえながら、航行中のおもてなし等、ツアーの魅力を高める工夫の検討を行うとともに、運航に関する確認事項や運航業者間のルール化など、鋭意検討を進めているところです。
 今後も、同協議会のイベントに合わせて11月にモニターツアーを実施し、その結果によりさらなる検証を行い、3月には旅行業者等を対象にしたプロモーションツアーを計画しているところです。
 このような取り組みにより、諸課題の確認を行いつつ、魅力ある湖上観光ルートの実現に向けた取り組みを進めてまいります。
 なお、現在も西の湖の湖上交通に支障となっている不明くいの完全撤去やしゅんせつ、また水位のコントロールについても課題があることから、関係機関に対しさらなる要望や協議を行うとともに、地元関係事業所等にもご相談をさせていただきながら、改善を進めてまいりたいと考えております。
 最後になりますが、岡田議員を初め各関係者の方々のご尽力によりまして、今年度の秋以降に西の湖の不明くいの撤去作業が始められることとなりました。感謝を申し上げます。
 引き続き、航路の安全確保に向けご支援を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 岡田彦士君。
◆14番(岡田彦士君) どうもありがとうございます。
 恵みの西の湖を生かすことは地域住民にとっては最大の悲願であります。歴史薫る近江八幡、安土の宝物、西の湖、幾多の先人の思いのある西の湖、安土城築城から443年たつ今、安土山のあるじが時空を超えて見ているように思えてなりません。西の湖観光にも明るさが見えるようになりました。湖上観光ルートの拡充をお願いするところです。
 次の質問に入りたいと思います。
 3項目め、安寧のまちづくり(近江八幡市版CCRC)事業「静かな水辺で暮らす」について。
 本市では、平成27年10月に発表されました近江八幡市まち・ひと・しごと創生総合戦略において、生涯活躍のまち、日本版CCRCについて、市の特色を加えた形で取り組みがなされています。
 市では、この生涯活躍のまちづくりについて、安心で穏やかな地域づくりを目指すという意味で、安寧のまちづくりというプロジェクト名で取り組まれています。この安寧のまちづくりについて、平成29年3月に、近江八幡市安寧のまちづくり基本計画として事業化に向けて目標、基本要件、事業内容、事業化のプロセス等を示されました。
 基本計画では、市の立地環境や地域特性に踏まえて、5つのタイプの個性的な魅力を備えた安寧のまちづくり拠点地域を整備することを示しており、本事業はその中の一つ、静かな水辺で暮らすタイプについて、近江八幡市、安土町下豊浦弁天地先の市営住宅跡地及び国有地について、安寧のまちづくり拠点地域への整備を行うべく、官民連携に事業実施の担い手となる事業者、株式会社コプラス、株式会社平成建設以下パートナー事業者を公募の上に選定され、パートナー事業実施計画を締結されたわけでございます。
 パートナー事業者と官民連携で事業計画を検討し、ワーキンググループ及び推進協議会の意見交換を経て、平成31年3月、当事業計画を策定されたわけでございますが、現在の進捗状況についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
 原田総合政策部長。
             〔総合政策部長 原田智弘君 登壇〕
◎総合政策部長(原田智弘君) 岡田議員の安寧のまちづくり事業「静かな水辺で暮らす」タイプの現在の進捗状況についてお答えします。
 ただいま議員よりお話しいただきましたとおり、静かな水辺で暮らすタイプについては、平成30年度に事業計画策定に向けたワーキンググループを計3回開催し、安寧のまちづくり推進協議会での議論や地元住民を対象とした報告会を経て、平成31年3月に事業計画を策定したところです。
 進捗状況といたしましては、現在、地区計画等の各法令手続を進めるべく、策定した事業計画において定めることとされた建築物や植栽などのデザインコードの作成、要介護になった後も最後まで快適に暮らすことができる建物の設計指針であるガイドラインの作成、共有部分の管理方法などの規定の作成など、まちづくりのルールに対する細かな部分の作成に向け、パートナー事業者と協議調整を重ねているところでございます。
 今後につきましては、パートナー事業者との協議が調い次第、地元住民の皆様に対して丁寧な説明を行い、ご理解を得た上で今年度内にパートナー事業者との事業実施に係る契約の締結や各法令手続を進めてまいりたいと考えております。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 岡田彦士君。
◆14番(岡田彦士君) 1つ再問いたします。
 この移住施策でございますけど、やっぱり周辺の道路環境の改善も重要と考えています。JR安土駅から西の湖周辺への安全確保のため、県道栗見新田安土線の歩道整備の延伸が必要と考えますが、道路の整備計画についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 栄畑都市整備部長。
◎都市整備部長(栄畑隆夫君) 岡田議員の再問にお答えいたします。
 県道栗見新田安土線の歩道整備につきましては、JR安土駅側から西の湖入り口付近までは既に完了しておりますが、議員ご指摘の神楽団地付近から小中湖土地改良区事務所付近の交差点を経て弁天地先までは歩道整備がされていない状況となっております。
 県におきましては、滋賀県道路整備アクションプログラムに基づきまして、道路整備を順次進めていただいているところでございます。このことからも、状況を見ながら要望を行っていきたいというふうに考えております。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 岡田彦士君。
◆14番(岡田彦士君) どうもありがとうございました。
 安寧のまちづくり「静かな水辺で暮らす」事業を進める上で、東京その他の大都市圏で定年退職されたシニア層の人が移住して最期まで在宅で暮らせる住環境を実現し、歴史に触れながらゆったりとして暮らしていただくためにも、周りの環境整備として歩道の整備は必要不可欠であると思われます。また、この事業の価値を高める意味からしても、大切な要素であると思われます。
 できるだけ早く道路の環境が改善をされますよう要望としておきます。よろしくお願いいたします。
 最後の4項目めに入りたいと思います。
 全国学力・学習状況調査についてでございますが、平成31年度全国学力・学習状況調査の結果がこの8月1日の新聞で発表されました。学力調査では、滋賀県はことしも正答率が全国の平均を下回りました。対象は県内の公立小・中学校326校の小学6年生、中学3年生2万4,700人が対象。平均正答率は、全国1位の秋田県と比較してその差は7.5%でございました。
 県教委では、重く捉えている、全国との差を細かく分析し、指導力の向上を目指すとコメントをされています。昨年度も県教委は、全教科で全国平均を下回り、改善が見られなかった、結果をより深刻に重く受けとめ早急に対策しなければならないと語っておられます。
 私は順位が全てではないと思っていますが、順位を上げるために努力は必要だと思っています。子どもにとって、努力して結果がついてくれば自信を持つことができると考えるからであります。
 平成29年12月議会で、教育長は、学力を高めるために知識を活用する問題を授業で扱う、家庭学習と授業をつながりのあるものにするなどの対策を行っていると回答されておいでになります。
 それで、これまでに学力向上に向けてどのような取り組みをされてきたのか、また本年度の学力調査の状況について教えていただきたいと思います。
 次に、この調査では、学力だけでなく、子どもたちの日ごろの学習状況についても調べています。教育委員会が積極的に進めておられる「早寝・早起き・あさ・し・ど・う」などの生活習慣の定着状況や学校での子どもの学ぶ姿勢なども調査されていると聞いています。
 そこで、その調査から本市の子どもたちのよいところや課題など特徴をお示しいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 日岡教育長。
             〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇君) 岡田議員の全国学力・学習状況調査についてお答えします。
 まず、学力向上に向けての取り組みです。
 教員の指導力を高めるために、効果的な話し合いの方法や興味、関心を引き出すICT機器の使い方など全ての子どもが理解しやすい授業の進め方について、学校内外で研修を行い、できた、わかったを実感できる授業づくりを進めています。
 また、長い文章をじっくり読むことが苦手な子どもが多いため、読書活動の充実や読解力の向上を図るため、学校司書を配置し学校図書館の機能を高めたり、図書を使った授業を推奨したりしています。ほかに、理解する時間に差が大きく一人一人にきめ細かく支援したい算数、数学では、子どもたちの理解度に合わせて学級を2つに分けて学習する習熟度別の少人数授業を取り入れている学校もあります。
 家庭とのつながりにおいては、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえて、教育委員会から各保護者に、一昨年度は家庭学習の勧め、昨年度は読書の勧めのリーフレットを配付し、啓発に努めました。
 学校においても家庭学習の手引を配付するなど、家庭と学校が連携して子どもの学力を高めるようにしています。
 次に、今年度の学力調査の状況ですが、正答率を全国平均と比べると、小学校は国語、算数の2教科を平均して約5%、中学校は国語、数学、英語の3教科を平均して5%程度下回りました。正答数でいいますと、1問に満たないものです。
 今回、中学校では初めて英語の調査が行われました。その聞くことに関する問題では、全国平均とほぼ同等でした。これは本市が早くから小学校低学年からの英語に取り組み、また外国語指導助手であるALTを配置し、ネーティブの英語になれ親しんできた結果だと考えます。
 学習状況調査からは、地域の行事に参加している割合は高く、また地域をよりよくしていこうとする意識も育ってきています。このことから、本市の市民の皆様が地域ぐるみで子どもをしっかり育てていただいていることがうかがえます。
 そのほか、物事を最後までやり遂げてうれしかったことがあると回答している割合が高く、学校での生活が充実したものとなり、達成感を得ている子どもはふえています。
 課題としましては、学校の授業時間以外の勉強時間が短いこと、自分で計画を立てて学習することが苦手なことです。
 これらを改善するために、今後もリーフレットを作成し、本人はもちろん家庭にも啓発を続けていくとともに、宿題の出し方や家庭学習の計画の立て方など、学校と連携を図りながら効果的な方法を考えていきますので、議員のご理解、よろしくお願いします。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 岡田彦士君。
◆14番(岡田彦士君) 再問させていただきます。
 全国学力・学習状況調査では、今学校が行っている授業が子どもの学力を伸ばすことにつながっているのを再考し、指導方法の改善を図るきっかけとすることが求められています。
 今回の結果を踏まえて、教育委員会と学校がどのように成果や課題を共有し、改善につなげようとされているか、教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) 岡田議員の再問でお尋ねの今回の結果を踏まえて教育委員会と学校がどのように成果や課題を共有し、改善につなげようとしているかについてお答えします。
 教育委員会では、調査結果を速やかに分析し、夏季休業中に臨時校長会を開催し、各校長に市全体と各学校の結果を報告するとともに、これまでの取り組みの成果と今後の課題や改善策について伝達しました。
 それを受けて、各校でも自校の分析を行い、授業の進め方等について改善を図っているところです。その改善策については、教育委員会で集約し市のホームページで公表します。学校においては、保護者に学校だよりなどの通信で公表しています。
 また、教育委員会の指導主事が2学期以降に学力向上を目的に学校訪問を行います。そこでは、授業を参観し、指導方法の改善や指導力の向上について指導や助言を行います。
 ほかに、県や市の研究指定を受け、少人数指導や読解力向上、英語力向上に取り組んでいる学校があります。その学校の研究成果を発表する機会を設け、市内全小・中学校に取り組みを広め、今後の指導改善に生かしていきたいと考えています。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 岡田彦士君。
◆14番(岡田彦士君) 最後に、もう一問だけ再問させていただきます。教育長によろしくお願いします。
 子どもの学力を向上するには、やっぱりよい授業を行うことが最も大切だと私は思うわけでございますが、教育長が思う子どもにとってのよい授業はどのようなものか、お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(北川誠次君) 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) 岡田議員再問のよい授業についてお答えしたいと思います。
 私の考えますよい授業とは、実際の社会や生活で生きて働くもので、予測困難なこれからの時代を自分なりに判断して考え、生き抜いていく力だと思います。そのためには、もちろん各教科の学力をつけることは大切ですが、点数を上げることが目的の学習を進めるのではなく、学級の仲間と学び合うことでいろいろな考え方に出会い、その中で自分の考えを見出していくことが大切です。
 そこで一人一人の個性が生かされ、できた、わかったが実現する授業、間違った答えを出しても非難されたり笑われたりする授業ではなく、間違いや失敗が補償され、なぜ間違ったか、失敗したかをみんなで考えて理解を深められる授業、つまり間違いや失敗が生かされる授業こそよい授業と考えております。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 岡田彦士君。
◆14番(岡田彦士君) 教育長、ありがとうございました。
 子どもたちに学力の向上の取り組みには、人材と財政的な裏づけが必要と考えます。ぜひとも市は国、県と連携し、さらなる必要な支援体制を強化していただくようお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○議長(北川誠次君) 以上で岡田彦士君の個人質問を終わります。
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