録画中継

令和2年第2回(6月)近江八幡市議会定例会
6月10日(水) 一般質問
竹尾 耕児 議員
(1)新型コロナウイルスにおける人権侵害の対応および今後の考え方について
◆10番(竹尾耕児君) 済みません、少しマスクを外して質問をさせていただきます。
 チームはちまんの竹尾です。本日、個人質問2日目の最終となりましたが、皆さん、どうですか、マスクは苦しくないですか。非常に毎日、だんだん暑くなってきますので、マスクが苦しくなってくる季節ですね。何よりマスクつけておりますと、皆さん方の表情というものがなかなか見えません。喜怒哀楽というものがマスクでは見えないというのが非常に寂しくも感じます。登下校している子どもたちの様子を見ましても、無事学校が再開されたことは喜ばしいことなんですけれども、やはり全員がマスクをして歩いているというのは少し寂しいような気もいたします。まだもう少しこのマスクとのつき合いというものは続いていくかと思いますが、一刻も早くこのコロナが終息していくことを願ってやみません。
 私も他の議員に漏れずコロナについての質問をさせていただきます。最初は、私もさきの沖議員と同様に、出口戦略について質問をさせていただこうかなと思っておりました。多くの議員がコロナについて質問されるということもありまして、そこは各24人の議員と私も同じ思いで、経済支援でありますとか感染予防、また生活、暮らしの保障について同じような思いを持っておりますので、各議員の質問の中で非常に同調する点が多かったことはつけ加えさせていただきたいと思いますし、また当局の皆様も引き続き有効なタイムリーな手だてを探っていっていただきたいと、このように思います。
 そうした中で私の質問におきましては、少し観点を変えてコロナについての被害について質問をさせていただきたいと、このように思います。
 新型コロナウイルス感染下で、私も多くの市民の皆様と同じように、自粛生活というものを体験させていただきました。議員の仕事をしておりますと、議員の皆さんも同じかと思うんですけども、ほとんど土日というものがない中で、いろんな行事ごとでありましたり、あるいは自身の議員活動なんか土日を使ってさせてもらうことも多かったのですが、本当に結婚して初めてゆっくり土日にいるというような状況になりまして、自粛生活というものがこのようなものなのかなというふうに思いましたが、その中で1つ感じましたのは、インターネットのやはりこの社会のありようというもの、このことについて非常に考えることが多かったわけでございます。特にこの利便性ですね、テレワークでありますとか、あるいは私も幾つかの団体の会議に参加させていただきましたが、リモート会議というんですか、ウエブで行われる会議なんかもございましたし、ふだん余り使わないんですけれども、ネット通販なんかもさせていただきました。また、僕自身はお酒を飲みませんのでよくわかりませんが、オンライン飲み会というんですか、若者たちの間で、そのオンラインの中で何か飲み会をすると。そこまでして僕は酒を飲みたいのかなというのは、ちょっと新鮮な驚きもありましたが、改めてこのネット社会が非常に利便性とともに、私たちの生活の隅々にまで至っているということは確認できました。非常に便利なもので、特に子どもたちは、どうもゲーム、据え置きのゲームも何か今インターネットでつながって、休みの期間中もお友達と一緒にゲームができるというような状況もあるようで、思わぬところでインターネット社会の利便性というものがあるんだなというふうに感じました。
 また同時に、やっぱり人は一人では生きていけない生き物なんだなということ、何らかのつながりを、オンラインで飲み会をしたりであるとか、ゲームで友達とつながりたいとか、やっぱりつながりを求めていく、これは人間の本能としてあるのかなと。こうしたコミュニケーションを求めていく人間のあり方というものが、あるいは都市や社会や、また文明を発展させてきた動力にもなっているのかなというふうにも感じました。
 一方で、このネット社会について、この自粛期間中にその残酷さを目の当たりにする事態にも直面しました。1つは、芸能人の方が政治的な発言をツイッター上で、SNS上でしたことに対して、とてつもなく批判が行われた。小泉今日子さんですか、が発言した内容について、「歌手は歌だけ歌っていればいい」であるとか、あるいは「勉強もしないで発言するな」とか、そういうようなことがネット上で炎上したということでございます。ふだんは、若者は政治に無関心だから何とか関心を持ってもらいたいとか、あるいは投票率が低いから投票に行ってほしいだとかと言っているにもかかわらず、こうした若者たちに影響力のある方が政治的な発言をすると、一気にたたくと、これは非常にアンビバレンスなものを抱えている社会なんだなというふうにも思いました。
 また、この方も僕はちょっと知らなかったんですけど、木村花さんという女子プロレスラーがテレビ番組に出演をされていて、その番組の内容がもとで誹謗中傷が個人のSNSにたくさん書き込まれて、何とみずから命を絶つという最悪の結果を招いてしまったということです。僕はほとんどテレビを見ないので、こういうテレビ番組があることを知らなかったんですけれども、報道を目の当たりにしまして、どのような誹謗中傷がされていたのかということを調べさせていただきますと、本当にここでは口にするのもおこがましいような誹謗中傷が個人にされていたわけであります。
 昔ですと、テレビを見ながら楽しんだり怒ったり、喜怒哀楽というものはお茶の間の中で済んでいたことが、今はSNSを通じて本人に直接届いてしまうというようなこの事態に戦慄すら覚えます。これは決してテレビの中の出来事ではなく、私たちのこの手のひらの中、スマートフォンの中、タブレットの中でできてしまうということ、この怖さを改めて私たちもネット社会の利便性の恩恵を受けるとともに、この怖さも改めて自覚していかなければならないのかと、このように思います。
 そして、こうしたネット社会の誹謗中傷の矛先は、コロナに罹患された患者さんの方あるいはご家族、医療従事者の方、関係者の方、こうした方にもどうやら向いたようです。とてつもない数の誹謗中傷がコロナの関係者の方に行われたと。中には、住所をさらすであるとか、コロナに罹患された方の壁に落書きをされたり、あるいは他府県ナンバーの車に投石されたり、あおり運転を行ったりとか、SNSだけではなく、身体的な恐怖を感じるような事態まで発展してしまったことに、今日まで私も人権尊重の取り組みについて自分なりに努力してきたつもりでありますが、こうした官民を挙げて取り組んできた人権尊重の取り組みが機能していないのではないかという深い憤りと自分自身の無力さもともに感じており、非常に悔しい思いをしておる日々であります。
 午前中に行われました岩崎議員の質問の中にもありましたが、WHOもソーシャルディスタンスからフィジカルディスタンスへと言いかえを進めておられるように、WHOのホームページの中には、早くから社会的スティグマ、スティグマというのは差別や偏見ということなんですけれども、社会的スティグマへの警戒、警鐘というものは早い段階からなされておられたようです。
 コロナにおける人権侵害とも言える状況が今近江八幡市で起こっていないからよしとするのではなく、偏見も差別もコロナウイルス同様に、誰にも起こり得る事態だとして、みんなが人権問題として考える機会を再認識する必要があるのではないかと、このように私個人としては考えておるわけでありますが、当局として、新型コロナウイルスの影響、被害の一つとして、人権問題、人権侵害も私はしっかりと位置づけていただきたいと、このように考えておるのですが、人権問題としての見解をまずお尋ねしたいと思います。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(片岡信博君) 当局の回答を求めます。
 田村市民部長。
             〔市民部長 田村裕一君 登壇〕
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の新型コロナウイルスにおける人権侵害の対応及び今後の考え方についてのご質問にお答えいたします。
 まず、新型コロナウイルスに感染された方、そのご家族の皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。
 また、ウイルス感染のリスクを回避しながら懸命に患者さんの治療、看護に当たっておられる医療従事者の皆様に対し、心より敬意を表する次第であります。
 大多数の方々は同じような思いで応援しておられることと思います。しかし一方では、こうした方々に対する誹謗中傷や差別的言動が発生していることも、残念ながら事実でございます。このような誹謗中傷、誤解や偏見に基づく差別を行うことは当然許すことができない人権侵害問題と捉えており、議員ご指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響の一つとして人権侵害問題も位置づけられるものであると考えております。
 本市におきましては、市ホームページにおいて市民の皆さんに、今回の新型コロナウイルス感染症に関し、関係行政機関等から入手した正しい知識や情報に基づいた冷静な判断と行動を心がけるよう呼びかけております。
 また、月2回、人権擁護委員による人権相談を実施しております。市広報紙等でお知らせしておりますとおり、現在は感染拡大防止のため中止しておりますが、電話での相談は随時職員が対応しておりますので、新型コロナウイルス感染症に関連して不当な差別、偏見、いじめ等の被害に遭ったという方がおられましたら、ひとりで悩まず、ご相談いただきたいと思います。
○議長(片岡信博君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございました。
 相談体制について、従来の相談体制、人権問題の相談体制の中にこうしたコロナ関連の人権侵害についてもしっかりと組み込んでいただけるということ、またそれを積極的に、今部長答弁でおっしゃいました、もう気軽にご相談くださいということもしっかりとまた市民周知も図っていただきたいと、このように思います。
 また、この相談は、今の回答の中でしっかりとした体制を組んでいっていただきたいのですけれども、一方でやっぱり広がり続ける偏見やデマに基づいた差別や誹謗中傷というものもございます。市民さんに向けた啓発のあり方、これもしっかりと議論させていただきたいと思うのですけれども、どのような展開が当局としては可能なのか、お考えをお聞かせください。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の再問にお答えいたします。
 このたびの新型コロナウイルスの影響により、新たな偏見や差別による人権侵害事象を耳にするたび、今日まで多くの方々が人権尊重に取り組んでこられた努力がまだまだ実を結んでいないこと、これを非常に残念に思うところでございます。ウイルス感染は誰にも起こり得る可能性があるものであり、偏見や差別も何かのきっかけで自分もこうむる可能性がございます。
 今回の新型ウイルスに関連した人権侵害事象は、一方視点を変えて見てみますと、これは喜ばしいことではないのですが、人権を学ぶ大切な教材でもあるかなというふうに考えております。今後、まちづくり懇談会を初め、さまざまな研修やイベント、こういったものを通じまして、これを教材の一つとして、市民の人権感覚を高める啓発活動に生かしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 種々の方法を検討されていかれることかと思いますが、一方で私も地域の人権啓発の委員などをさせていただいておりますが、まちづくり懇談会など、やはり少し苦戦をされておられる状況、そのテーマの設定について苦戦をされておられる状況というのも伺います。やはりそこは当局がしっかりと人権のファシリテーターとして促進役、旗振り役といいますか、しっかりと市民の皆様に正しい知識と、そして正しい人権教育の地域教材としての展開を期待したいと、このように思います。
 新型コロナウイルス自体は、今人類が直面している新たな脅威ではあるんですが、しかし感染症と差別、あるいは病気と差別、そして患者と人権というものは今に始まった問題ではありません。私、こうした誹謗中傷等が行われているという事実を見聞きいたしまして、実家の古い父の本棚なんかを探ってみますと、ハンセン病の患者さんの手記などが出てきます。ハンセン病の元患者さんは、家族からも存在を抹消されて、一族からいなかったことにされる。そして、名前も変えて療養所にてもう一生をそこで終えられるというような歴史がございました。
 これ私、教職員時代にハンセン病の元患者さんと直接お会いをしてお話を聞く機会がありました。私もきれいごとを言うつもりはありません。ハンセン病について、私自身がもう物すごい偏見の固まりでありました。やっぱりどんな病気なのかも知らなかった。正直怖いなと思った一面もありますが、出会ってお話を聞いて、もうその偏見が自分の身からどんどんと剥がれていくようなことも経験させていただきましたし、ハンセン病の元患者さんのこれまでの歩みについても、しっかりと人権意識の中で自分の中で位置づけることもできました。
 また、水俣病も、これは公害が原因となった水俣病も、これは感染症、病気と人権の歴史の中に、日本の暗い歴史ではありますが、位置づけられているものです。水俣という出自も名乗れない、風評被害にも遭う、結婚差別にも遭う、水俣病もこれは病気を原因とした差別でございました。
 また、HIV、エイズの患者さんが持つHIVウイルスについても、これももう誤解やデマや偏見が一気に広がって、同性愛者の皆さんへの差別やからかいや蔑視の言葉として広がったことも、これは古い記憶ではないと思います。
 こうしたハンセン病や水俣病あるいはHIVなど、日本としても非常に差別やいじめというような対象になってくるような暗い歴史を我々も教訓、教材として持っているわけです。コロナウイルスそのものは新しい脅威かもしれませんが、人権としてしっかりと向き合うだけの経験、歴史は持っているはずなのですが、残念ながらコロナについても誹謗中傷が繰り返されるという、こうした事態が起こっています。
 一方で、学校現場なんですけれども、感染症と差別ということについては、学校現場の人権学習の中での教材として使われていたかというふうに記憶をしておるのですが、水俣病やハンセン病の人権学習について、教材の事例などというものは学校現場ではできているのでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) 竹尾議員の感染症と差別についての再問についてお答えします。
 市内の小・中学校におきましては、長きにわたり、議員がおっしゃっていた水俣病、それからハンセン病が生まれた歴史的事実だけでなく、患者が当時社会から不当に受けた差別についても学習し、差別を見抜き、差別を許さない心を育ててきました。
 現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、本来思いやりの気持ちを持って接すべき患者さんや、あるいは医療従事者に対する偏見や差別が残念ながら発生しています。教育委員会では、現在の状況を豊かな心と正しい人権感覚を持った子どもを育てるまたとない機会と捉えて、これまで積み上げてきた実践を生かし、人権学習を着実に深めていきたいと考えています。
 また、この機会に担当課で、感染症、また医療従事者に対する差別についての教材をつくるようにお願いをしているところです。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 私の小学校5年生のとき、自分自身が小学校5年生のときに水俣病の学習をさせていただきました。強い信念を持って先生が授業されていた姿をしっかりと記憶をしております。ぜひそうした積み上げが、近江八幡市の学校教育の歴史の中で人権学習の積み上げがあるのであれば、しっかりと掘り起こしていただいて、教材化に向けたご努力を進めていただきたいと、このように思います。
 先ほど田村部長の答弁の中にもありましたが、地域の中でもしっかりと位置づけていきたいというご答弁ございました。教育委員会と市民部でしっかりとその辺また連携をとっていただきながら、この教材を地域への人権学習の教材としてアーカイブしていっていただきたいと、このように考えておるのですが、教育長、地域への展開について可能性を言及されたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) 先ほど子どものことについての人権学習について、これからどうしていくかとことで、今度は地域ということです。
 実は私自身も、先ほど議員がおっしゃったSNSによる誹謗中傷で亡くなったプロレスラーの方、あるいは元歌手の方等おられましたが、私自身もそんな誹謗中傷の手紙をいただいたり、ビラを配られたという思いがありました。その当時、大変悔しい思いをしましたが、残念なことに、大人の社会でもそういうことがあるということは、本当に議員おっしゃるように、地域にこれから呼びかけていかんならんことが最も大切なことかなと思います。
 形だけの差別をしないじゃなくて、地域の方が本当に思いを持って後ろ姿で子どもたちに差別の醜さを示してほしいと思いますので、今回のこのコロナウイルス等による医療従事者等の差別について、新たにお医者様、看護師さん、保健師さん等の医療関係者などの人材資源を情報収集、整理して、ぜひ講師になっていただく方等をこれから早急に探して、毎年やっております住みよいまちづくり推進講座や自治会で開催される人権学習会、人権研修会等で積極的に取り入れていただくようお願いしていこうと思います。
 患者の皆さんや医療従事者に対する偏見や差別を含め、全ての人権問題を解決できるよう取り組みを進めていきます。ぜひ議員の皆様も率先してそういう研修会あるいは住みよいまちづくりの会議等がありましたら、参加していただいて研修を深めていただけたらなと心から願っています。よろしくお願いします。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 教育長、踏み込んだ回答ありがとうございました。
 本当におっしゃるとおりなんですね。ハンセン病の歴史、また水俣病やHIVの患者さんたちの話を聞いていましても、これコロナウイルスで受けた誹謗中傷、また差別というものは、メカニズムとしてはもう全く同じメカニズムなんです。人間というものはわからないものにまずおびえてしまう。そして、近づきたくないという動物的な本能も持ってしまう。また、不謹慎な行動をとってしまう人に対して厳しい目を向ける。そうした面も必要なのかもしれませんが、そうしたところから、誹謗中傷してもいいんだ、差別してもいいんだというような誤った行動につながってしまいます。
 本来ですと、医療従事者の方というものはご家族が誇りを持って、医療従事者に対して自分の家族が誇りを持った仕事だということを認識していただけるはずなんですけれども、全く逆の隠さなければいけないというような事態になっていることそのものが、日本社会がまだまだ人権確立の道遠しというような感すら受けます。
 どうしても人間ですから知らないものにおびえてしまう、また避けて通りたいと思うという気持ちを持つことはあるかと思うんですけれども、しかしそれが誹謗や中傷、差別の免罪符になってはいけない、免許状になってはいけないわけであります。また、そのデマや偏見というものは差別をあおる祭りばやしとなっておりますので、その点についてしっかりと公が私は責任を持って反差別、コロナについての人権侵害は許さないというキャンペーンを行っていただきたいと、このように思います。
 なぜ私が再三再四、ネットについてでありますとか、差別について当局に責任を求めていくのかといいますと、やはり政府を初め地方自治体などの公的な機関というものは、人権を擁護する責任があると私は思います。この公の立場がこの責任を放棄すれば、デマや偏見というものはとめどなく広がり続けると、このように考えております。そして、起こった差別は必ず弱い立場の人たちが苦しむ、こうした分断を生むことになります。
 今、海の向こうのアメリカでは、警察官による行き過ぎた取り締まり、それに端を発した事件が人種問題、黒人差別として全米で大きな抗議行動が行われていることは、もう皆さんニュースでご承知のことかと思います。中には一部のデモが暴徒と化して、犯罪行為まで行われておるようですが、今公権力がこれを取り締まれない状況になっている。なぜ公権力がこれを取り締まれないのか。公権力が信頼性を失ってしまったからであります。マイノリティーが公権力を信頼できない。ですから、暴徒にもなる。説得力を持たない公権力というものは市民を抑えることができません。ですから、パフォーマンスであれ、しつこく私は人権を擁護するのは公の責任、公の責任の範疇において進めていただきたいと、このように感じておるのであります。中には、トランプ大統領ですか、軍の派遣など物騒な声も聞こえてきますが、本来そうあるべきではないモラルやポリシーやマナーの範疇でしっかりと人権を擁護する、こういう姿勢を市民にも、そして学校現場でもしっかりと育てていっていただきたいと思います。
 また一方で、コロナ禍において国民の生活に制限を求めたドイツのメルケル首相の演説というものが非常に評価が高いようです。国民に自由を制限することでしっかりと国家として責任とその自覚を説明されておられました。うそやデマに基づく偏見が国民を分断する、疑心暗鬼を起こす、隣人に対して不信感を持つ、こうしたことはいけない。だからこそ、今手を取り合って助け合う、そうした国民性といいますか、市民が必要なのだということをメルケル首相はコロナにおける国民の行動の制限を人権問題としてしっかりと語られておられました。
 公権力、すなわち行政と置きかえてもいいかもしれませんが、行政への信頼感というものはそのまま市民さんへの安心へとつながります。だからこそ、あらゆる人の人権を守るという強いメッセージが行政には求められているのではないでしょうか。
 私は別にリーダーはかくたるべしという前時代的な考えは持ち合わせておりませんが、やはり市長にコロナにおける人権との向き合い方について、ご自身の意識、人権意識の中でぜひ体温のある声で発信していただきたいと思いますが、市長いかがでしょうか。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 今回、コロナ禍におきまして差別等いろいろ受けられた方の話、耳にしております。大変心痛むところであります。
 我々行政としまして、我々として一番人権というのは、人が幸福を追求する上での必要欠くべからざる最低限の条件だというふうに思っております。したがいまして、議員もご指摘いただいたように、我々の最も根幹的な、我々が生きていく上でのベースとして、これからもアピールをしつつ、また言われるように啓発も進めていきたいと思っております。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 市長、ありがとうございました。
 ぜひこうした人権侵害については、市も積極的に発信していってほしいと思います。そんな誹謗中傷、もうださいで、やめようやと、こんなかっこ悪いことやったらあかんでと。これ実は学校現場の子どもたちのほうがそういう声を上げるのが一番早いですね。大人は何となく横の目を見ながら、言っていいのかな、悪いのかなと思うんですけれども、はっきり言いまして、もう差別はださい、誹謗中傷はやめましょうということを私も率先して発信していきたいと思いますし、市としてもそこはもうはっきりとリーダーシップをとって発信していっていただきたいと、このように思います。
 本市のコロナ対策、さまざま感染予防でありますとか経済支援、もうさまざまなコロナ対策を今後も講ぜられていくことかと思いますが、ぜひ市民の皆様に不公平に映らないようにはしていただきたいと思います。不公平というのは、非常に信頼感を損なうきっかけになるので、一件不平等に見えても、不公平ではありませんよということは、やっぱり丁寧な何度も何度も合理的な説明を繰り返していけば、必ずわかってくださいますので、人権だけではなく、経済問題も感染予防についても、少し市の発信は弱いのかなというふうに思いますし、そういうお声をお聞きいたします。
 コロナを機にというわけではありませんが、こうした事態に直面した我々が改めて人の暮らしとは何なのか、人のつながりとは何なのか、人権を尊重するということはどういうことなのか、そういうことを考え直して、地域や、あるいは学校でもしっかりと議論を起こしていっていただきたいと、このように思います。行政が人権のファシリテーターであるという強い自覚をしっかりと持っていって、このまま人権について、人権尊重、そして人権侵害と闘う姿勢を今以上に強くファイティングポーズをとっていただきたい、このように思います。
 以上で私の質問は終わります。ありがとうございました。
○議長(片岡信博君) 以上で竹尾耕児君の個人質問を終わります。
 以上をもって本日の日程は全て終了しました。
 明11日は定刻から再開し、個人質問の14番、大川恒彦君から続行することにいたします。
 本日はこれをもって散会します。
 ご苦労さまでした。
               午後5時7分 散会
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