録画中継

平成27年第4回(12月)近江八幡市議会定例会
12月9日(水) 個人質問
井上 芳夫 議員
(1)TPPと農業施策について
   ①当市の今後の農畜産業について
(2)石寺観音寺城址整備について
   ①史跡観音寺城址保存管理計画について
◆3番(井上芳夫 君) おはようございます。3番、創政会の井上芳夫でございます。何分ふなれなもので、お許しいただきたいなというふうに思っております。
 毎日朝、霜がおりるようになってきました。この霜がもうちょっと早うからおりたら紅葉ももっときれいやったんじゃないかというふうに思っております。
 質問に先立ちまして、先日近江八幡市の姉妹都市でありますイタリアのマントヴァがイタリアの文化都市2016に選ばれました。また、今年6月25日にマントヴァ室内楽オーケストラの広報担当者が来幡され、市長と面談されました。来年のフェスティバルへの近江八幡市よりの演奏者の参加依頼がありました。現在、奏者の調整中であり、決まれば来年マントヴァでの演奏が実現するのではないかと思っております。
 それでは、1つ目のTPPと農業施策について質問させていただきます。質問は分割方式でさせていただきます。
 TPP、環太平洋経済連携協定の大筋合意がされ、素案が先日公表されました。関税撤廃や経済ルールの自由化にとどまらず、人権や環境への配慮を促したものになっていました。また、これらはTPP参加12カ国に対応を促すだけでなく、将来他のアジア諸国などがTPPに加わろうとする際、クリアすべき基準となっています。各国議会で承認、各国政府の署名によりTPPが発効されれば、消費者への恩恵はふえそうであります。輸入農作物への関税が引き下げられたり、新たな輸入枠が設けられたりして、一部の食品での値下がりやバターの品不足緩和など、期待される一方、農林水産業においては、輸入品に対する競争が激化するものと思われます。
 大筋合意したもので当市に関係するものとしては、農業分野では米、畜産分野では牛、豚等が上げられます。関税が引き下げられるため国内価格が下落する可能性があるため、いろんな対策を検討されています。また、先日滋賀県も国への要望をまとめ、提出されました。
 米を収穫するには約半年、子牛を食用牛として出荷するには2年以上の歳月がかかります。今すぐにでも当市として対策を考えていかなければならないのではないでしょうか。現在での当局のお考えをお聞かせ願います。よろしくお願いします。
○副議長(平井せい治 君) 当局の回答を求めます。
 水都市産業部理事。
             〔都市産業部理事 水 平作君 登壇〕
◎都市産業部理事(水平作 君) 皆さんおはようございます。
 議員お尋ねのTPPと農業施策についてのご質問にお答えをします。
 議員ご指摘のとおり、TPPが発効されれば農林水産分野の受ける影響は大変大きなものとなり、これらに従事する農業者は大打撃を受けることも予想されます。
 こうしたことから、現在農林水産省では品目ごとの農林水産物への影響について公表しており、今後補正予算や中・長期的な対策が講じられるものと考えられます。これらの動向を注視しながら、関係団体と密に連携をとり、市内農業者の方々に適宜情報提供を図り、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(平井せい治 君) 質問はありませんか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。
 今後は攻めの農業をしていかなければなりません。世界基準の農作物をつくり、輸出することを視野に入れて生産していかなければ取り残されてしまいます。
 オリンピック選手村の食事では、ヨーロッパの選手はグローバルGAP認証の農作物しか食べないとのことです。次の東京オリンピックの選手村での食事で世界の選手に日本のおいしい農作物を食べてもらえるよう、グローバルGAP認証を取得し、安心・安全な日本の農作物であるということを認識してもらわなくてはなりません。そして、世界にPRしてもらえるようにしていかなければなりません。
 また、日本食が海外にどんどん進出していくように、ジャパンブランドの農作物が和食と一緒に海外に輸出されるようにしていかなければなりません。
 近江八幡市としても、輸出できる農作物をつくっていけるよう支援をしていってほしいと思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。
○副議長(平井せい治 君) 回答を求めます。
 水都市産業部理事。
◎都市産業部理事(水平作 君) ただいま井上議員のご質問にお答えをしたいというふうに思います。
 TPPにより直接的な打撃を受ける産業として農業が頻繁に上げられていますが、同時にTPPが農業にとってチャンスになるとの指摘もございます。国産需要の高まりや日本の農の価値が見直されてきており、グローバルに活躍の場を求める農業者にとっては、攻めの好機と捉えることができます。このようにグローバルに活躍するためには、輸出先の諸外国が求める食品安全のための工程管理システム──HACCPといいますが──や農業生産工程管理、GAPへの取り組みが必要となってまいります。
 当市では、平成21年度に滋賀県下で初の日本GAP協会からJGAP認証を取得した農業生産法人浅小井農園や、GAPの実践や全ての栽培作物で生産履歴の管理を行い、環境保全型農業を営農の柱に国や県の環境保全施策・制度を積極的に実践するモデル地区として、平成25年度に農林水産省の環境保全型農業推進コンクールで最優秀賞を受賞した老蘇地域集落営農組合連絡協議会の取り組みなど、全国的にも誇れるものがあり、こうした先進的な取り組みを参考に、県やJAなど関係団体と連携をとりながら積極的に支援をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(平井せい治 君) 質問はありませんか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。積極的にご支援いただけるということで、非常に心強く思っております。
 次に、2つ目の質問をさせていただきます。
 安土城石寺にある観音寺城は、日本百名城の一つであります。標高433メートルのきぬがさ山に築かれた佐々木六角氏の居城で、総石垣で築かれた国内屈指の大規模な山城であったと考えられており、織田信長が安土城を築城する際に参考にしたという説もあります。1568年(永禄11年)に織田信長が足利義昭を擁して上洛した際に敗れ、無血開城しています。そのまま廃城になったため、荒廃はしているものの、土塁や石垣など多くの遺構を確認することができます。
 1989年より2009年までの20年間、安土城址の調査と整備が行われました。その後、観音寺城の調査が行われると聞いていましたが、どのようになったのでしょうか。
 滋賀県教育委員会のホームページでは、平成16年、17年の2年間で史跡観音寺城址保存管理計画を策定し、平成20年より城内の石垣分布調査を行い、21年には森林竹林整備事業を実施されたと書かれていました。県が出された史跡観音寺城址保存管理計画とはどのようなものでしょうか。よろしくお願いいたします。
○副議長(平井せい治 君) 当局の回答を求めます。
 冨士谷市長。
             〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) おはようございます、皆さん。
 井上議員の石寺観音寺城址の整備についてのご質問にお答えを申し上げます。
 議員もご存じのとおり、史跡観音寺城跡は、室町時代、近江守護である六角氏の本城として築かれたと考えられておりまして、石垣が多用された高度な城跡として重要であるため、国の史跡に指定されているところであります。昭和40年代に整備のための発掘調査が実施されて以降は、昭和56年に国の史跡に指定され、保存を重視するため、本格的な発掘調査の実施はありませんでした。
 しかし、石垣等の現状を把握するための調査等を計画するため、滋賀県が平成17年度に保存管理計画を策定し、続いて平成19年度に整備基本構想と基本計画を策定、これに基づいて平成20年度から4カ年計画で史跡内の石垣の全容把握と一部石垣利用形態を明らかにすることにより、築城当初から本格的な城として石垣が築かれたのかどうか等を解明することを目的をした部分的な発掘調査が実施されました。その結果、観音寺城の石垣等がどこに築かれていて、どのようなものかということが明確になり、発掘調査では、これまで言われているとおり、室町時代には石垣が築かれていたことが明確となったところであります。
 次に、史跡観音寺城跡保存管理計画でございますが、これは県が史跡観音寺城跡の構成要素と本質的価値が損なわれないように保存管理の方針を示すため策定したものでありますので、ご理解をいただきたいと存じます。
○副議長(平井せい治 君) 質問ありますか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございました。
 先日11月29日、地元有志、豊かな杜づくり隊による石垣の整備及び雑木の伐採活動においては、地元有志を初め地元企業を含む170名ほどの参加により大規模な整備事業が行われました。それには、滋賀県教育委員会文化財保護課の職員を初め近江八幡市職員よりの参加もいただき、きぬがさ山の山肌に石垣がもう少しで見えるところまでになりました。また、林道が整備され、日吉神社近くの御屋形跡から大石垣までの追手道が登れるようになりました。今回の杜づくり隊の活動目標は、大石垣が新幹線から見えるようにすることです。毎日何十万人もが通る国道や新幹線から点在する石垣が見えれば、観音寺城の存在をアピールするのに十分であると確信します。今後もボランティア活動による整備活動は行われていくと思います。
 今後も県への働きかけなど、近江八幡市としてさらなるご協力をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。
○副議長(平井せい治 君) 回答を求めます。
 野田政策部長。
◎総合政策部長(野田健志 君) 議員お話しのように、11月29日の観音寺城豊かな杜づくり隊の皆さんを初めとして多くの方々による登山道の整備を行っていただいたことによりまして、随分きれいになりました。
 本市といたしましては、これら取り組みがスムーズに進むよう、保存管理計画を策定した滋賀県と事前協議を行い、県の協力を要請するなど、協力をさせていただいたところでございます。
 また、市内にはこの城跡、観音寺城を初め多くの山城がございます。それぞれに地元の方々によりまして草刈りなど、活用並びに管理をしていただいているところでございますが、中でも観音寺城跡は国の史跡として、中世山城として国内最大級でございまして、この時代の山城ではまれなくるわに石垣を用いた文化遺産でございます。
 地元の活動を支援できるよう、今後も市といたしましては、保存管理計画との調整を図りながら、地域の取り組み、地域の思いを県に伝え、現地活動に協力してまいりたいというふうに考えております。
○副議長(平井せい治 君) 質問はありますか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。今後も当市の絶大なるご協力をお願いいたします。
 ただ、今回の杜づくり隊の活動では、石垣は国道からはっきり確認することができませんでした。また、きぬがさ山が余りにも大き過ぎ、1メーター掛ける6メーターの大のぼりも小さく見えるぐらいでした。しかし、豊かな杜づくり隊の活動は毎月行われるそうです。いつの日か、壮大な観音寺城の石垣が見えることを期待して、私の今回の個人質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(平井せい治 君) 以上で井上芳夫君の個人質問を終わります。
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