近江八幡市議会
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竹尾 耕児 議員
平成27年第4回(12月)近江八幡市議会定例会 12月9日(水) 個人質問
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内容
会議録
平成27年第4回(12月)近江八幡市議会定例会
12月9日(水) 個人質問
竹尾 耕児 議員
(1)八幡公園豊臣秀次公像横、説明板損傷事件について
①この事件をどのように捉え、対応されているのか。
(2)重要伝統的建造物群の景観及び観光について
①新町1丁目の電柱の無柱化の進捗について
(3)想定浸水深設定に関する現状と課題について
①市として水害リスクの公表についてどのように考えているの
か。
◆1番(竹尾耕児 君) 皆様こんにちは。チームはちまんの竹尾耕児です。
このたび、私ごとですが、11月29日に結婚をさせていただきまして、市当局の皆様、また議員の皆様から、おめでとうと、よかったねと言っていただきまして、大変感謝をしておりますとともに、これからは一家庭人としても責任を新たにしなければいけないという決意を新たにしております。また、議場でこうしたお話をさせていただきますことによって、皆様、今後、竹尾は頑張ってるなと、こうした決意も市民の皆様に知っていただきたいなと思いまして、このような、ありがとうございます。させていただきました。
議長の発言許可をいただきましたので、発言通告に従いまして3点質問をさせていただきたいと思います。
まず1点目の質問に移ります。八幡公園豊臣秀次公像横説明板の損傷事件についてであります。
去る10月30日金曜日の朝日新聞の投書欄に「削られた文字、朝鮮人街道」と題した記事が掲載され、八幡公園の秀次公像横にある説明板が損傷されていることが広く市民の皆様に知れ渡ることになりました。
朝鮮人街道、また朝鮮通信使というものは、朝鮮通信使のウオーク、また八幡小学校には校長室から職員室にかけて、朝鮮通信使を子どもたちがつくった紙粘土の細工がもう10年以上も前から掲示されており、市民の皆様、県道2号線も朝鮮人街道というふうに愛称を持って呼ばれている土地でありまして、歴史上古くからかかわりのある言葉であり、また街道であるというふうに認識をしておりますが、これを市民の方が、朝かな、散歩をしている最中に、秀次公像横にある説明板の横に朝鮮人街道という文言が書かれていて、その部分のみがキーか、あるいは何か石のようなもので削られていたということを市に通報されたということであります。
私も物を確認いたしまして、看板そのものの設置も私も知っていたわけではなく、そのとき初めて知らさせていただいたのでありますが、確かに明確にわかるように傷をつけられていた。他の箇所には傷はなく、朝鮮人街道というところがひどく傷つけられていて、また朝鮮人という文言に関して、もう判読がほぼ困難な形で損傷されていたということであります。
日韓関係、また日朝関係ともなかなか国家間での外交努力が実らず、うまくいっていない状況もありますが、損傷箇所が朝鮮人街道と書かれた部分のみであり、近江八幡市の歴史文化とともに人権文化も傷つけられたのでないかなと感じております。
最初の質問です。市としてこの事件をどのように捉え、どのような対応を考えているのかお聞かせください。
○副議長(平井せい治 君) 竹尾耕児君、質問方式は分割でしたね。
◆1番(竹尾耕児 君) あ、分割でございます。済みません。分割で質問させていただきます。
○副議長(平井せい治 君) 当局の回答を求めます。
津村副市長。
〔副市長 津村孝司君 登壇〕
◎副市長(津村孝司 君) それでは、ただいまの竹尾議員の八幡公園説明板についてのご質問にお答えいたします。
この件は、八幡公園内の豊臣秀次公の銅像横に秀次公の功績等が記された説明板が設置されておりましたが、これの説明文中にある下街道、後の朝鮮人街道でございますが、ここの部分の記述のうち、朝鮮人街道の部分のみが何者かによりまして、判読できないよう傷つけられたものでございます。
市へは10月15日に市民の方より通報があり、直ちに確認を行ったところ、さきのとおり損傷が加えられていたことから、行為者の意図は定かではないものの、そのまま放置すべきではないとの判断で、説明板をシートで覆う応急措置を行いました。
その後、人権擁護推進本部会議を緊急に開催をいたしまして、この件の取り扱いについて協議を行いましたが、今回の事象は落書きとは異なり、行為者がどういう意図でこの部分に傷をつけたのかが明確でないため、この行為に対してはさまざまな捉え方が考えられます。例えば朝鮮人街道は、現在はそのような呼び方ではないという道路標記の間違いの指摘であるという捉え方や、朝鮮人という言い方はいけないのではないか、朝鮮人は差別用語ではないかという差別語に対する誤った考えによる指摘であるという捉え方も考えられますし、近年大きな社会問題となっておりますヘイトスピーチも背景の一因と考えますと、朝鮮人という文言に対して民族差別的な意図を持って損傷が加えられたことも否定できない事象であると捉えております。
本市では、これまで朝鮮通信使を通じた交流や相互理解の取り組みも進められてまいりましたが、今後においても、教育委員会等と連携しながら、これら朝鮮人街道や朝鮮通信使の正しい理解と多文化共生教育の推進に向けて検討をしてまいります。
以上でございます。
○副議長(平井せい治 君) 質問ありますか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ご回答ありがとうございました。
確かにどのような意図を持って傷つけられたかということは、傷つけられた本人以外はわからないということが実態であると思います。確かに朝鮮人街道は現在そのような呼び方ではないと。また、朝鮮人という言葉そのものが差別用語であって、それを指摘する意図があったのかもわかりません。ただ、した側のどのような意図でしたのかということを推測、臆測するということは、これは今後の啓発等々にかかわっては非常に重要なことであるとは思いますが、それならば、こうした形で問題を指摘する必要はないのではないかとも考えます。街道の呼び方が違うのであれば、しっかりと市あるいは設置者に対してそのように訴えればいい。朝鮮人という言葉が差別用語であるという認識であるならば、そのような形で問題提起されればいい。決して削るという行為そのものが容認できるものではありませんし、私たちとしても認めてはいけない。これはこの問題にかかわらず、例えば自国であれ他国であれ、国旗を燃やすであるとか、他国の企業に石を投げるであるとか、また人種や性別等々によって差別的なスピーチを行う、あるいはそうした行為に出ること、これはどのような意図であれされるべきことではなく、もう一つちょっと踏み込んで言いますと、こうした行為は、した側の意図にかかわらず、受け手側がどのように捉えるかということもまた大事な問題であると思います。
朝鮮人街道というあの説明板を読まさせていただきましたけれども、市民の有志が建てられた非常に好意、善意で建てられた説明板であるということは、これは誰がどう見てもそのように解釈できるものであると思います。それを傷つけるということは、市民の思い、また人権に対する思い、これを見られた方が悲しみ、憤慨するであろうということは十分に予想されます。
また、市民有志が建てられたということで、また設置者との連携、協力等々、連絡等必要かと思いますが、また看板そのものに対しては黒いシートで覆うだけではなく、早急な対策をお願いしたいところであります。
また、シートにくるんでしまって、新しいものを建てたからおしまいということではなく、この問題はしっかりと人権侵害の可能性があるというふうな認識を持っていただき、今後の啓発あるいは学習等々を推進していただきたいと要望させていただきます。ありがとうございました。
続いての質問に移らさせていただきます。続いての質問も、同じく歴史文化等々に関する質問でございます。
重要伝統的建造物群の景観及び観光について。
八幡堀周辺や新町通りなどは、近江八幡市の重要伝統的建造物群がたくさんあり、徒歩で楽しめる一大観光スポットとして全国から来る観光客に愛される町並みとなっております。観光客の方にお話を伺いますと、八幡堀は映画のロケ地として大変有名でありまして、また新町通りなどは昔ながらの商家の町並みが楽しめる。また、ヴォーリズ建築も、歩いて徒歩で行ける範囲にたくさん建築されてまして、写生スポットでありますとか、またカメラの愛好家の方もたくさん来られて、徒歩で楽しめるスポットとしては全国でも名立たるもので、私も近江八幡市市民として誇らしく思っている限りであります。
しかし、新町1丁目では、多くの方が徒歩で観光を楽しんでおられる一方で、電柱が歩行を妨げており、自動車の往来もあることから、危険な箇所となっています。また、景観の観点からも、電柱があるため、新町の町並みから八幡山にかけての美しい景観が損なわれているとの声があります。近江八幡市はリピーターの観光客の方も多く、また何度も足を運ばれるたびに、あそこの電柱がなかったらええのになと、あそこから資料館のほうから八幡山に向かっての景観がすっきり見えるときれいやのになというふうなお声をいただいております。
9月議会でも同じチームはちまんの山本議員が質問されていましたが、その後この電柱の無柱化について市民にその後の進捗状況が伝わっておらず、今後の動向が気になるところであります。9月議会で質問されました電柱の無柱化について進捗状況を教えてください。
○副議長(平井せい治 君) 当局の回答を求めます。
野田総合政策部長。
〔総合政策部長 野田健志君 登壇〕
◎総合政策部長(野田健志 君) 竹尾議員の重要伝統的建造物群の景観及び観光についてのご質問にお答えをさせていただきます。
無電柱化の進捗状況でございますが、この推進については、地元町並み保存委員会の設置が不可欠であり、設置に向けまして現在取り組んでいるところでございます。これには地元の方々と専門家で構成されている伝統的建造物群保存地区保存審議会において、委員の構成メンバーの若返りにより、地元の現状がより反映されるよう調整すべきとのご意見や、伝建事業が地元地域に見えるようにしていくこと、地域内で建物の公開等を図り、地元の方々の見識を深めることが必要などのご意見をいただいたため、それら意見も踏まえたいと現在考えております。
無電柱化につきましても、設置した町並み保存委員会内で勉強会を開催できるよう今後調整を図りますが、まずは庁内関係課との調整を行いまして、9月議会で回答させていただいたとおり、年度内をめどに一定の方向性を示したいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
○副議長(平井せい治 君) 質問ありますか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございました。
観光に従事されている方、また八幡学区民、また八幡を観光で訪れる観光客の方々にとって念願でもありますので、計画の優先性をしっかりと認識していただきまして、早期の計画を立てていただきたいなと思います。
また、年度内に方向性をということですが、また市民の方とお話ししていますと、いつになったらしてくれるんやろうとか、いつなんだろうというふうなこともよく聞かれます。年度内に方向性を示していただきまして、また今議会ではこのような回答でしたけれども、近々早期にめどが立ちましたら、市民の皆様にお伝えできますようご努力をお願いします。これは要望とさせていただきます。
それでは、最後の質問に移らさせていただきます。緊張してまいりました。
想定浸水深設定に関する現状と課題について質問をさせていただきます。
鬼怒川の堤防の決壊、また広島県では豪雨による土砂災害など、水害の被害は全国で甚大な被害をもたらしており、我が近江八幡市でも平成25年9月、台風18号の被害は記憶に新しいところであります。
私も私なりに勉強させていただきました。この水害被害について、滋賀県には主に3つの水害リスクがあるとされています。まず、大雨が降ると琵琶湖が増水し、その増水の水位の上昇による浸水、琵琶湖の水位上昇による浸水、それから日野川等々が想定されておりますが、大河川の氾濫による浸水、また水路、小河川の氾濫、いわゆる内水氾濫と呼ばれる浸水と、この3つのリスクがあると言われております。
こちら、平成20年に近江八幡市が出されております近江八幡市洪水避難地区、俗に言うハザードマップなのですが、これ調べてみますと、日野川流域の氾濫、また琵琶湖の増水の氾濫には対応しておるのですが、残念ながら内水氾濫に対応しておらず、またこちら、平成25年度に発行の防災のハンドブックのほうでは、避難所マップはあるものの、一体どこの地区がどのような水害被害が起こるのかというリスクがこちらには載っておりません。平成25年9月、台風18号で市内にはあちこちで内水氾濫による被害が発生したことを考えますと、県が定めます流域治水の推進に関する条例第8条に基づく想定浸水深の設定を行い、内水氾濫にもしっかりと対応した防災マップを作成し、市民に、またこれから市民となろうとされる方に広く水害リスク及びその対策を周知していくことが必要であると考えています。市として、水害リスクの公表についてどのように考えているのかお聞かせください。
○副議長(平井せい治 君) 当局の回答を求めます。
冨士谷市長。
〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) 竹尾議員の水害リスクの公表についてのご質問にお答えをいたします。
現在、本市が作成し公表しております洪水ハザードマップは、合併前に旧近江八幡市、旧安土町で作成したものであり、議員ご指摘のとおり、旧近江八幡市において策定した洪水ハザードマップは、琵琶湖及び一級河川日野川の氾濫を想定した浸水想定区域図となっているものであります。旧安土町において作成した洪水ハザードマップは、琵琶湖が氾濫した場合と河川及び内水が氾濫した場合を想定した浸水想定区域図となっております。また、合併後の平成25年度発行の防災ハンドマップには浸水想定区域図等は掲載しておりません。しかしながら、本市のホームページにおいては、本市作成の洪水ハザードマップに加え、滋賀県策定の地先の安全度マップの最大浸水深図等も掲載しており、水害リスクについて市民への周知に努めているところでございます。
次に、滋賀県が平成26年3月31日に公布した流域治水の推進に関する条例第8条に基づく想定浸水深の設定についてお答えをいたします。
想定浸水深の設定に当たっては、条例第8条第2項で、関係市町の長の意見を聞くものとするとされており、この条項に基づき、平成26年7月滋賀県より意見照会があり、浸水想定区域における宅地かさ上げに係る都市計画法の開発許可の取り扱い、また建築基準法の罰則に関する対応等の問題が解決していないこと、また浸水想定区域の住民に対して協議が進んでいないことから、想定浸水深の設定については時期尚早であると回答したところであります。平成27年6月にも同様に意見照会がありましたが、平成26年7月に回答した本市の意見に対して進展が見られなかったことから、同様の内容を回答したところであります。
なお、想定浸水深を設定することの判断については、滋賀県が行うものと理解をしているところであります。
○副議長(平井せい治 君) 質問はありませんか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) 市長みずからのご答弁ありがとうございました。
私もこの件に関しまして県の情報を得ながら、近江八幡市の状況を、また現状を、また課題についても教えていただいたところであります。恐らく県には県の思いがあり、流域治水条例に関する県の理屈はある。ただ、近江八幡市については、近江八幡市は近江八幡市の事情があると。このことは県と市とまた観点が違うところもありますので、県の意見照会について平行線をたどっているということも聞いております。
しかしながら、もちろん県の思いはわかるんだけれども、市としての実情もあり、より細やかな単位で市の現状を把握しておるのは近江八幡市であり、市の治水に関してはやはり市が責任を持って考えるというところで、また県と徹底的に話し合いを進めていただきながら、安心・安全な治水について考えていっていただきたいなと思います。
ただ、懸念をしていることも何点かあります。想定浸水深の設定が今なお、あれは条例を読みますと知事が設定するということになっておりますが、設定が近江八幡市の場合できていないために、浸水警戒区域の指定がいまだできておらず、地先の安全度マップによりますと、非常に危険なところ、200年確率のデータで3メートル以上水がつくところに新築の住宅が建っているという状況にあります。そうした危険なところに住宅が建ってしまう状況について、また開発業者に対しまして市としてどのように今後周知していくのか、また業者への指導はどのようにしていくのか。
それともう一点、市有地を売却する際についての水害リスクの公表はどのようにされているのでしょうか。
京都府由良川流域にあります福知山市では、市有地売却の際に水害リスクを伝えないまま住民に売却をして、そこで水害被害に遭われた住民が住民訴訟を起こしたという事件もありました。これは判決についてはまだ出ておりませんが、今後市としても住民の方から訴訟を起こされるというようなリスクを回避するためにも、市売却の際の周知並びに業者への指導はどのように考えておられるのか、所見をお聞かせください。
○副議長(平井せい治 君) 回答を求めます。
水都市産業部理事。
◎都市産業部理事(水平作 君) ただいまの竹尾議員のご質問に対してお答えをしたいというふうに思います。
議員ご指摘のとおり、条例第13条において、知事は、想定浸水深を踏まえ、一時被害が生じるおそれがあると認められる土地の区域を浸水警戒区域として指定するとともに、浸水警戒区域を建築基準法第39条第1項の規定により災害危険区域とするとしています。このことにより、浸水警戒区域における建築物の制限がかかることにより、知事の許可を受けなければならなくなります。
本市においては現在、想定浸水深の設定が行われていないことから、浸水警戒区域が指定されておらず、建築の制限がかかっていない状況にありますが、本市における都市計画法に基づく開発、建築許可申請や建築確認申請などの問い合わせ、相談、申請等の際には、浸水リスクについて周知、指導をしていきたいと考えております。
また、市有地の売却に際しても、物件調査等において浸水リスク情報を周知していきたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(平井せい治 君) 質問ありますか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) ありがとうございます。
想定浸水深の設定が、また浸水警戒区域の指定ができた、地先の安全度マップがある、だからといって市民全てが安全だという保障にはこれはつながりませんが、データとしては非常に有効なデータではないかと考えております。このデータをどのように知らしめて、市民の方がどのように理解し、周知し、また利活用されるのか。これは先ほど示しましたこのマップですね、こうしたマップにされるのも一つの手ではないかなと思います。
このマップなんですけれども、平成20年策定とあって、合併以前のマップとなっており、旧安土町、旧近江八幡市とそれぞれ独立した形のマップとなっております。こちらについては平成20年のものであるため、もう発行から7年が経過しており、そろそろ新しいマップに切りかえて、安土町を含めたものにかえてもいいのではないかと。そのときに小河川の氾濫、内水氾濫等々の被害も含めたマップの策定に当たっていただければなと思いますが、これから近江八幡市民になろうとする方、また今現在住まわれている方にこうした水害リスクを知らしめることによって、防災について家庭でできること、これがぐっとふえると思います。また、自治会単位でしていただくこと、これも、あ、うちの町なら、うちの自治会ならこういうふうに対策を練ろうじゃないかと。垂直避難で済むところはどこなのか、あるいはお年寄りについて真っ先に駆けつけなければいけないところはどこなのかということがわかりやすくなる。また、市として、市がリーダーシップを持って防災について当たらなければいけないところも今まで以上により明らかになるのではないかなと思いますので、このマップの作成、新たな策定についてお考えがあればお聞かせください。
○副議長(平井せい治 君) 回答を求めます。
冨士谷市長。
◎市長(冨士谷英正 君) いわゆる想定浸水深の設定で県のほうが言うてるわけでありますが、県の言ってるとおりやったのはまだ少ないと思いますね。大きいのはやっぱり虎姫町ですね。まだいまだにしてません。あそこは800戸が水につかるということであります。近江八幡市は、新巻町、それと水茎町であります。水茎町は十一、二軒でありますが。
問題は、まず1つには、指定を受けますと、そこの建築をしようと思いますとかさ上げやらなきゃならない。それをできれば公共で負担をしなきゃいけないんじゃないということなんですが、自己負担が相当あります、これは。そういうことで、地元の人たちもこれは非常に、していただいたらいいが、家を建てるとなりますと、かさ上げをする。その費用は、県も半分出す、市も出す、本人も出してもらう。それ以外に、今度は道路をつけなきゃならん、そこまで、3メートルのかさ上げすれば。そういう問題が解決をされていないのが1つです。
もう一つは、このことが本当に、もちろん完璧なデータに基づいて出されたことだとは思いますけれども、最近の災害というのは、どの災害も想定外や、想定外や、広島の土砂災害もそうであります。あそこはもう自治体が、行政が開発を許可したところなんですね。それでもあれだけの土砂災害、73人の方々のとうとい命が奪われたんですね。あるいは、議員がおっしゃったように、茨城の鬼怒川もそうですね。あれ立派な河川なんですよ。なぜ決壊したかということですね。本線のほうの水量がふえました。そんで、鬼怒川が本線に入るわけでありますが、入れなかったんですよ。あれ想定外でしたね。それで弱いところが決壊したという。
それは最近の例ですが、例えば近江八幡でも去年、おととしになりますかね、水害がありました。イの一番に、県の言ってるように、水茎か、あるいは新巻か、そこらが浸水しなきゃならないのに、大中町が50センチでしたかね、浸水したんですね。それで、すぐ、それはもう本当に県のほうも連絡がつかなかったわけでありますから、瀬田川の洗堰のほうに直接電話して、全部洗堰を開放してくれということを言ったんですが、連絡がつかなかった。誰も県にいなかった。東近江に電話してもだめ、県庁にしてもだめと、こういうことやった。それはやっぱり想定の浸水域に入ってなかったからだと僕は思うんですね。それで、すぐ瀬田川の管理事務所の所長が翌日見に行きました。大中の浸水を。これはひどいねと。
何を僕申し上げたいかといいますと、今の災害は20年確率、50年確率、100年確率、果たして合ってるのかどうなのか。昔は、以前は時間雨量30ミリというたらすごい豪雨でした、何十年ぶりの。今、30ミリというたら平気ですよね。80ミリ、110ミリです。だから、どこの自治体も、下水道だってそれだけの雨量を計算してないんです。だから、マンホールのふたが全部飛び上がって洪水。近江八幡の市役所の前も、平和堂の前でもあの間が全部河川になってしまうんです。内水氾濫ですね。だから、それをやりますと、今議員がおっしゃったことを指定しますと、そこだけが危なくて、あとは大丈夫だというふうに安心感を持ってもらうことの是非もやっぱり我々考えなきゃならないんじゃないか。それよりも、想定外の被害ですから、まさに地球の、今でこそ地球の温暖化、ようやく俎上にのったという感じがするんですけれども。
だから、どこでどんな災害が起こったとしても、全てに対応できるようなことを行政は今考えるべきではないだろうか。その部署部署だけじゃない。危険水域に指定したら、そこだけ、よそには何にも、これは無防備、これはいけないと僕思うんですね。だから、今市の場合は、果たしてそれを指定するのがいいのか、それとも全域で、こういう事態になったらこういうふうに、いわゆるマニュアルですね、それをつくるのも一つの方法ではないだろうかなと思っている。
それとあわせて、午前中もちょっと議論させていただいたんですけれども、どんな災害が起こったとしても、避難して、その人たちがきっちりと何不自由とは言いませんけれども、災害に遭っての不自由を感じないぐらいの生活といいますか、避難していただける施設を各学区に1カ所ずつ今つくってるわけですね。それのほうがとは言いませんけれども、それも非常に大事なことではないのかなというふうに思ってる。やっぱり地元の住んでなさる皆さん方のご意見というのは、これは絶対大事なんですね。強制的にやりますと、じゃあそのときは行政はどうして補償してくれんのと。これはしかねますのでね。今のところは、虎姫もそうであります。近江八幡の一番、いわゆる県が出して、浸水の洪水の多いところが今みんなちゅうちょしてます。というのが実態であります。
以上です。
○副議長(平井せい治 君) 質問ありますか。
竹尾耕児君。
◆1番(竹尾耕児 君) 市長、ありがとうございます。
まさにそのとおりで、今一体どこが危険なのか、一体いつ危険になるのか、これは誰にもわからない。あくまでこの想定浸水深に関しても、想定という文言がついておるので、想定外のことが起これば、どこでどのような被害が起こるか、人命にかかわることが起こるかは、これは市長のおっしゃるとおりわかりません。ですので、県との調整につきましては、やはり市は市の意見として、もうとことん主張していただいて、ましてや県が大きなマクロの単位で考えているのに対して、やはり市はミクロの対応、個人個人の思い、ご家庭の思いを酌み上げながら進めていかなければいけないことやと思いますので、ぜひとも慎重にこれに関しては進めていただきたいなと思います。
また、県と市が連携して防災教室等々も各小学校で行われておりますので、こうした日ごろからの危機管理意識を高めるような場面も、また自治会や学校教育現場を通じましてしていくと、それこそ市長おっしゃいますように、何かが起こったとき、個人でできることは何か、家庭でできることは何か、自治会で、行政で、これは直ちに可能なこと、また腰を据えてやらなければいけないこと、多々あると思います。防災マップもその一つとして捉えていただきまして、早期に新たな防災マップの作成をお願いしたいなと思うところであります。これは要望とさせていただきます。
以上で私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(平井せい治 君) 以上で竹尾耕児君の個人質問を終わります。
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