録画中継

令和3年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月8日(月) 一般質問
竹尾 耕児 議員
(1)官庁街ビジョンについて
(2)人権・ハラスメントについて
◆10番(竹尾耕児君) 皆様こんにちは。チームはちまんの竹尾耕児です。
 議長の発言許可をいただきましたので、個人質問をさせていただきます。
 まず、個人の前に、新聞報道で読みましたが、桐原幼稚園が閉園をされたということで、お別れ会をされたというふうに読みました。保護者の皆様が劇をされたということでして、大変多くの卒園児がおられた園でもありますし、その長い歴史に一つ幕を閉じたということではあるんですけれども、たくさんの卒園児の方が市内外で今も活躍をされておられますし、大変地域に愛された園であったと思います。
 当局にお願いしたいのは、たとえ桐原幼稚園はなくなってしまったとしても、桐原幼稚園が大切にしてきたこと、保護者の方もそうですし、先生方もそうですけれども、大事にしてきた部分については、しっかりと近江八幡市の就学前教育に残していっていただきたいと、このように思います。
 また、話は変わりますけれども、先日市役所前で大変痛ましい交通事故があったということで、本当に不幸な事故が起きてしまったということ、ご冥福をお祈りするばかりなのでありますが、この後続きます私の質問にもありますが、官庁街ビジョンについて、やっぱり改めて今のこの官庁街の状況というものが一体どうなのかと、本当に大丈夫なのかというようなことを心配しております。
 このまま質問に移りますが、現在の官庁街、今個人質問でも大変市庁舎建設について各議員話題になっておりますし、小西市長が今取り組む非常に大きな事業であることは間違いないと思うんですけれども、一方でこの官庁街を一体どうしたいのかということの議論について、あまり聞こえてこない部分があります。現実的に言いますと、警察署の跡地が今あります。病院の跡地もかなり広い跡地があります。そして、旧保健所の跡地とありまして、そして市道の黒橋八木線というのが走っていると。これを今後どのように官庁街のビジョンというものをされていきたいのか。どのようなビジョンを今市がお持ちなのかということをお伺いしたいと思います。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(片岡信博君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 竹尾議員お尋ねの官庁街のビジョンについてのご質問にお答えを申し上げます。
 新庁舎を含む官庁街全体の在り方につきましては、令和元年度策定の近江八幡市庁舎整備基本計画の中でお示ししておりますけれども、改めてご説明を申し上げます。
 基本計画では官庁街全体の在り方として、前計画の官庁街エリアの整備方針において、100年先を見据え、にぎわい、交流を軸とした、来てみてよし、迎えてよし、地域よしの新たな三方よしの実現と位置づけられ、その方向は変わりませんとさせていただいております。
 具体的な整備方針としましては、既存公共施設や商業施設と連携し、多様な交流や協働の取組による活性化する官庁街、市の防災拠点の充実と、災害時に市民のよりどころとなる安全で安心な官庁街、誰もが利用しやすく居心地のよい居場所となるような親しまれる官庁街、地球環境変化に配慮し、省エネ、自然エネルギーを活用しながら柔軟に対応できる官庁街、高度情報社会、人口減少やライフスタイルの変化など、様々な社会変化にフレキシブルに対応できる官庁街という5つの項目を設定し、これからの時代を見据えた官庁街の実現を目指すものとしております。
 また、官庁街には、市民意識の普遍的ニーズとしてにぎわいの創出が求められているところでございます。このことから、病院跡地に多様な市民交流、イベント、取組などができる市民活動の中心の場として、市民広場の整備を考えているところでございます。
 そして、市民広場と文化会館等の周辺公共施設が連携しつつ、官庁街全体のにぎわい活動の活性化を段階的に進めるため、周辺市街地の有効活用等を検討することとしております。
 これらの構想の実現においては、官庁街機能の中心を担う新庁舎整備や今後検討を進める市民広場整備が大変重要な位置づけとなると考えております。市庁舎整備基本計画のコンセプトに基づくこれらの整備が将来の官庁街ビジョンの具現化に直接つながるものと考えておりますので、ご理解を賜りますようによろしくお願いを申し上げます。
 ちょっと固い言葉で申し上げましたけども、官庁街という言葉が今どこまでこの部分にふさわしいのかどうかというのはございますけれども、まず1つ、官庁街というよりも、市民活動の一つの大きな拠点として、市民広場を中心にこの町を造り上げていく基本的な一つの中心として考えていくと。そういう中で、市民が主役と申しておりますので、基本的にはやっぱり市民の活動をいかにサポートできる市役所であるのか、そのこと含めながら、誰もがいろんな想像の中で想像力働かせながら造り上げていく、そういう括弧つき官庁街というものになればよいかなというふうに思っております。
 そういう中で、この庁舎というのもあるんでありますけども、この庁舎につきましても、市民生活をいかに豊かにし、そしてサービスを提供できるものであろうかということで、この市民広場含めまして一体として一つの市の活動の中心街として皆さんに愛されるようなものになればよいかなというふうに考えております。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 市長、ご答弁ありがとうございました。
 今回、官庁街をテーマにさせていただいたのは、全国的に見ても今非常に希有な状況が発生しているかなと思うんです。通常ですと、市役所の建て替えというものは、この庁舎そのものの課題であって、いわゆるこの庁舎を砕いて新しい場所に建てるのか、現地に建て替えするのか、どんな建物にするのかということなんですけれども、こうした官庁街という言葉がそぐうかそぐわないかは一旦議論が必要かと思いますが、今日は便宜上官庁街とさせていただきます。これほどの公有地が一気に更地になっている状況というものは、なかなかこれ珍しい状況かなと考えておりまして、今、建築デザインのほうで、岩崎議員からも質問ありましたけれども、建築デザインのほうで向きも含めてかなり市民さんから疑問の声も私も聞いておりますが、こうした建築デザインもさることながら、都市デザインを一体どうしていくのか。せっかくのチャンスなんですから、この都市デザインをどうしていくのかというところで、少し市長のメッセージが弱かったのかなというふうに、今お聞きしまして、市民活動の大きな拠点にしたいというメッセージ受け止めましたけれども、少し弱かったのかなというふうに思っておりました。
 私もいろいろな都市デザインについて今勉強させてもらっている最中なんですけれども、例えばですけれども、水と緑の官庁街なんていうと、何となく皆さんイメージつくと思うんですよ。グリーンインフラが整備されてる環境に配慮した官庁街なのかなと。あるいは、歴史文化の薫る官庁街なんていっても、何となくまたイメージが湧くのかなと。ほかにも、この官庁街は地産地消の中心地にしたいんやと、これも一つのイメージだと思うんですね。こうしたイメージを共有することというのは、僕大変重要なことだと考えてます。
 今、初めて市民活動の大きな拠点にしたいという市長のメッセージ、私も初めて聞かせていただいたんですけれども、今更地のような状態でも、こうした市長からのメッセージがあるとイメージとして共有できる。だから、更地であっても、あ、いずれはこうなるらしいでとか、いずれはこうしたいと思うてはるらしいで、これはいい、悪いの評価は別にして、そうしたイメージを共有できるということは非常に大きいかなと思うんです。
 ただ、今私自身も市長のお考え初めて聞きましたが、そうした市長のお考えが市民さんにはあまり伝播してないんじゃないかという危惧をしておりまして、今後そうしたメッセージ、私はこうしたんやと、市長としてこんな思いを、この町をこんなふうにしたんやという思いを市長自ら語られることがいいかなと思うんですけれども、何か思いがあればお願いいたします。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 竹尾議員の再問にお答え申し上げます。
 議員もご承知のように、市民広場につきましては一つの大きな拠点というふうに考えておりまして、今それぞれいろんな方からご意見いただいているところであります。そういう中で一つのビジョンというのを作り上げていきたいというように思っております。議員おっしゃってるように、緑豊かなとか、様々な考え方があろうかと思いますので、そういう中で1つこれはという形のものを提示し、また皆様に示していければいいかなというふうに思っております。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 市長の考えでいきますと、シビルアクションというんですか、市民が活動的に躍動的に活躍できる官庁街と。初めて聞きましたので、ジャストアイデア的な意見になりましたけれども、そうした思いの部分と既存の土木といいますか、都市工学の部分とをしっかりとクロスオーバーさせながら社会基盤を整備していっていただきたいな。少し官庁街については市長ご自身のテーマも見えにくかったし、メッセージがどうしても議会に対しても市民さんに対しても伝わってなかった部分があろうかと思いますので、ぜひここを市民活動の拠点にしたいというふうな思いをお持ちであれば、より具体な議論を今後もさせていっていただきたいと、このように思います。
 特に今、コロナの影響で経済的にも暮らしの中でもどんどん市民さんの活気が失われていく中、しっかりと明確なビジョンを据えるということが次のまちづくりの希望にもつながると思いますので、ぜひ市長からのメッセージ、より濃く伝わりますことをお願い申し上げたいと思います。
 こうした官庁街ビジョンの中で1つ置き去りになっている課題を紹介させていただきたいと思います。先週行われました代表質問の中で公明党の山本議員も触れていただきましたが、三明川の課題についてです。
 三明川、川と官庁街、関係ないやんと、このように感じられる方もいるかもしれませんけれども、これ大いに関係のある川でございまして、三明川というのは市役所と文化会館の間を通っている川でございます。日野川とか白鳥川とか、近江八幡には大きな川はたくさんありますが、そうした川に比べると少し小さくて地味な川に映るかもしれませんが、これ一級河川でして、非常に県も頭を悩めている非常に難解な川であります。
 この川ですね、公明党の山本妙子議員も代表質問で質問されておられましたが、改めて市と私たちとこの課題をまず共有するとこから再問を始めていきたいと思うんですけれども、三明川の課題、特にどのような被害のある川なのかということについて再問をさせていただきます。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 福本都市整備部長。
◎都市整備部長(福本盛重君) 竹尾議員の三明川の課題、河川改修の課題についての質問にお答えさせていただきます。
 さきの代表質問でもお答えさせていただきましたように、三明川については一級河川でございまして、県による総合治水対策について整備を進めていただいている状況でございます。
 近年頻発する集中豪雨により、市街地で浸水被害が発生していることを受け、効果的な治水対策として河床掘削や雨水の一時貯留など、浸水軽減減効果がある対策等について、浸水被害の状況を鑑み、滋賀県において対応していただいてるところでございます。
 特に集中豪雨では、流下能力を超える雨量があると河川があふれ、飲み込めない雨が側溝からあふれることは考えられます。その部分を吸収するため、雨水貯留槽をこの治水対策では計画していただいておりますが、予算の問題や設置規模にも限界があり、全ての集中豪雨に対応できるものではなく、河川のしゅんせつなどを組み合わせて対応してることになっている状況でございます。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 被害の課題と併せて、河川管理上の難しさも今説明していただいたと思うんですけれども、非常にこれ難しい川でございまして、駅のほうから南から北に向かっておるわけなんですけれども、市街地のど真ん中を走っているので、拡幅ということがもう現実的に難しいという問題があります。ただ、この川はゲリラ豪雨、いわゆる集中的な雨、ゲリラ豪雨によって被害が起こりやすい川ですので、この河川の水量をコントロールする一つの方法は、流量を遅らせることというのが一つの効果的な方法かと思うんです。
 この課題を確認しに山本議員と一緒に東近江土木河川砂防課にお邪魔して、いろいろとお話を聞かせていただいたんですけれども、幾つか方法があるようでございまして、なぜ官庁街ビジョンにこの問題を据えているのかといいますと、今地図上で確認したときに、ここの公有地がこの面積で確保できているというのが非常にこれもまた三明川の治水にとってはなかなかない状況でございまして、この公有地を利用した治水の方策ができるのではないかというふうに、これは東近江土木も幾つかの案の中で考えておられるようです。複数の方法があるかと思うんですけれども、ここよりも東に流れております黒橋川にどうつなげるかということがこの川の最大の課題なんですけれども、どうしても南のところで、北のところでぶつかってしまって、雨水がけんかしてしまってあふれてしまっているという状況。これをしっかりと官庁街ビジョンに位置づけてほしいという思いがあるんです。
 と申しますのは、この治水の今チャンス、この公有地にあらゆる方法があるかと思うんですけれども、ベストな方法をしっかりと選定していただいて、治水対策、100%の治水というものは治水学上あり得ませんから、しかし何%かでも何十%かでもしっかり水を遅らすことができれば、この治水かなり効果的な使い方のできる土地になってますので、この官庁街ビジョンの公有地の在り方の中に三明川の課題をしっかりと位置づけてほしいんです。この位置づけについて当局はどのような見解をお持ちなのか、お伺いいたします。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。お伺いいたします。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 竹尾議員の再問にお答え申し上げます。
 三明川をどういうふうにという、公有地の部分を含めまして官庁街を考える上で本当に大事な一つの要素だというふうに思っております。
 議員もご指摘いただきましたように、様々な用途、また様々な方法、また利用方法から、いわゆる貯水含めまして、洪水を治めるための補完的な方法など、いろいろあろうかと思います。そこを幅広く、しっかりとした位置づけを一つの要素として位置づけながら、検討してまいりたいというふうに考えております。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 しっかりとこれ位置づけてほしいんです。と申しますのは、これ地元14区自治会さんはもう何十年にわたって要望されてきた懸案であります。そのために、議会でも何度も議論があったと思うんですけれども、いや、河川は県ですから。県に聞くと、いや、周りが市ですから県は触れませんというような押し相撲になっている状態で、ずっとペンディング、保留されてきた案件になっております。今、非常に垂涎のチャンスだと思いますので、ここで位置づけていただかないと、宿題として残っているものの、誰がその鉛筆を握るのかが分からないという状況では困るんです。地元住民さんにとっては、市民でもあり県民でもあるわけですから、市だ、県だというような押し相撲に付き合ってる暇は地元住民さんにとってはありませんので、市がしっかりと官庁街ビジョンに三明川を位置づけて、治水対策を考えていっていただきたいと思います。市長、もう一度明確なご答弁いただきたいんですけれども、お願いできますでしょうか。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 竹尾議員の再問にお答え申し上げます。
 官庁街を考えていく上で、三明川をどう扱うか、特に市民広場、そしてここの庁舎前広場、今後計画をお認めいただければということになるんですけれども、非常に構成する重要な要素ですので、県含めてしっかり位置づけながら進めていきたいと思います。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 この三明川の治水、何度も申し上げますが、治水にとっては非常にこの公有地の活用、様々な活用の方法あろうかと思いますが、チャンスだと思います。一級河川ということで非常に触るのも難しい河川であるということも勉強させていただきましたが、ぜひ前向きなご検討をよろしくお願いしたいと思い、この問題は閉じさせていただきます。
 次の質問に移ります。
 下手な詩を朗読しますが、詩は下手じゃないんですけど、私の朗読は下手なんですけど。
 「わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、とべる小鳥はわたしのように、地べたをはやくは走れない。私が体をゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴るすずはわたしのようにたくさんの歌は知らないよ。すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい」。
 これは有名な金子みすゞさんの詩でして、次に移らせていただく人権問題なんですけれども、非常に今ダイバーシティーであるとか、あるいはLGBTであるとか、横文字の言葉が物すごく増えてきまして、都度都度言葉は更新されていくものなので、私も理解していくのに必死なんですけれども、子育てを私自身する中で、娘がもう少し大きくなって、お父さん、人権て何って聞かれたら、この詩をまず最初に教えようと思っています。基本的に人権を大切にする気持ちというのは変わらないものだと思ってます。みんな違ってみんないいよねというこの詩に表されて、僕の好きな詩の一つなんですけれども、こうした詩を取上げながら、今期の小西市政の人権の取組についてちょっとお尋ねをしたいなと思います。
 昨年の3月の市議会の冒頭挨拶です。ハラスメントや人権を新たな観点で捉え直し、受け手の側からの視点を重視した我々の行政の主たる目的である住民福祉の向上、言い換えれば市民の幸福度の追求を意識した施策を展開してまいります。これが昨年3月に市長が冒頭の挨拶で述べられた言葉です。大変共感する部分と、併せて好奇心がうずく部分とがありました。
 ただ、人権というのは言葉遊びのようになってはいけませんから、この1年間は庁舎問題含め、コロナの問題含めて、しっかりと議論をさせていただきながら、この1年間、市長の冒頭述べられたこの人権の1説を複眼的に見ながら、1年間小西市政の取組を見させていただきました。
 大変残念ながら、私の観点からはこの言葉の意味したものというものが事業の中に散見することができず、今回の質問で、小西市長が掲げられたこのメッセージについて、実像、新たな観点で捉え直して何やったのという部分、それから実践、何をされたの、進捗、今どうなってるんですか、浸透、それがどのような結果を生みましたかということについてお尋ねをしたいと思います。
 まず、小西市長、冒頭述べられた挨拶、大変私共感を覚えたんですけれども、新たな観点の捉え直しというのは一体どういう意味をお持ちの言葉だったのか、お聞かせ願えますでしょうか。初問といたします。
○議長(片岡信博君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 竹尾議員の人権問題、またハラスメントの取組についてのご質問にお答えを申し上げたいと思います。
 私が最初申し上げましたハラスメントとは、その定義として、法、契約、認知された道徳基準、その他何らかの明確な根拠を持たずして意思に反すること、望まぬことを強要されることと、このようなことを申し上げたわけであります。従来からハラスメントとか人権という部分については、いわゆるネガティブリストというか、これこれをしない、差別をしないとか、ヘイトスピーチしないとか、いわゆる禁止事項を定めるというようなやり方で定義されてきた部分が行政含めて多いのかなというように私なりには思っております。しかしながら、これではやっぱりあの形はできますけど、人の心の部分というのはやっぱりなかなか入っていけない部分があろうかというふうに思っております。
 そこで、いわゆる言語にしろ行動にしろ、受け手側の視点というのを加えていこうと、こういうことを考えておったわけでございまして、本来行政の責務である社会福祉の向上とか、市民の幸福度の上昇というようなものにつきまして、やはり受け手側がどういうふうに感じておられるのかということがすごく大事だというように思います。いろんな行政施策という中でどういうふうに反映するかというよりも、基本的には我々がやっている日常の行政業務の一挙手一投足という部分について、いわゆる我々としては、ややもすれば行政からの視点として市民の皆さんに対応することが非常に多いんですけども、例えば1つの文書を発出するにしろ、いろんな市民からのいろんなご要望にお応えするにしろ、自分たちの出すもの、そして言うものが相手の方にどのように受け取られるのかということをそれぞれの職員それぞれの局面で考えながらやるということを、私も折に触れ、どちらかというと、多くの施策というよりも個々の対応の場面でずっと広げさせてきていただいたという部分にあろうかと思います。
 議員のご質問に十分なお答えになってるかどうか分かりませんけども、取りあえず初問に対してのお答えとさせていただきます。
○議長(片岡信博君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 市長、ありがとうございます。
 受け手側の人権、受け手側の視点を重視したということ、大変共感する部分でありますし、市長がおっしゃられている部分、非常によく分かるんです。何か成果物があって人権が尊重されたよというものではなく、基本的な心構えといいますか、基本的人権の尊重というのは理念ですから、それがどういうふうに浸透をされていったのかということが重要だということで、非常に理解できました。
 一方で、やはり施策の面で何かそうした成果物がないと、来年度ですね、この3月議会で提案いただいたところにはこうした文言が見られなかったんですね。ですので、これはもう完了したのかな、何か事業として成果物ができたのかなというふうに感じておるわけなんですけれども、人権市民生活課を所管されてます市民部、こうした点を意識された事業を今年度されてきたかと思うんですけれども、どういった実践的な取組をされたのか、ご紹介いただけますでしょうか。
○議長(片岡信博君) 田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の再問にお答えいたします。
 具体的な市の施策といたしましては、人権施策といたしまして新型コロナウイルス感染拡大に伴い問題となっております感染者あるいは医療従事者等への偏見や差別的な扱いに対しまして、これまでの差別抑止だけではなく、偏見や差別を受ける側に立ちまして、市民の皆さんが互いに思いやり、この困難を乗り越えようとチラシやポスターを、これは市の職員が企画立案いたしまして作成をさせていただいたところでございます。こういった意味からも、市民に呼びかけさせていただく中で、市職員にもこの観点が一定浸透してるのかなというふうに思うところでございます。今後も様々な事業におきまして、職員一人一人が新たな観点を意識しながら取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 再問させていただきたいんですけれども、こうしたテーマを掲げられて、今年度なくなってたんですね、挨拶の中では。昨年はこういう部分を大事にしていきたいと、こうおっしゃられてたんですけれども、まあまあ今年度なくなっていた。文字数の関係なのか何なのかちょっと分からないんですけれども。
 市長ご自身、この1年、こうしたテーマを掲げられて、職員さんとも接してこられたかと思うんですけれども、自己採点といいますか、市長ご自身、昨年の冒頭の挨拶で述べられた点、どのように職員さんあるいは市民さんに浸透したかと思われますか。ちょっとお聞かせください。
○議長(片岡信博君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 竹尾議員の再問にお答えを申し上げます。
 昨年度掲げたことはちょっと前提とさせていただいたので、今回文言からは、詳しい内容は方針に掲げてませんでしたけども、基本的には昨年度のことはそのまま継承してると。プラスアルファで今年書かせていただいたというつもりでございます。
 後段の、じゃどれぐらい浸透してるのかと、こういうご質問でございますけども、残念ながら非常に根の深い問題でございまして、端緒に就いたというか、少しずつ芽が出てきたと、職員等を通じて庁舎の中で、というような段階だというように思います。まだまだ実際、本当の意識として根づくには、私がこう言うと怒られますけども、粘り強く対応していかなきゃいけないんだろうなというふうに思いますし、ますますそういう活動はしていかなきゃいけないし、何といいますか、数がある程度、何か100匹目の猿みたいな感じで、一定レベルを超えると動くのかなというふうに思いますので、しっかりと活動を継続してまいりたいと思っております。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 市長、ありがとうございます。
 受け手側に立った人権ということを大切にしていきたいというお声いただいただけでも非常にありがたいことだと思います。少しそうした受け手の側に立った人権の在り方について、我々に最も身近な関係から再問させていただきたいと思います。
 身近な関係といいますと、我々議員と職員さんとの関係についてです。残念ながら、大変恥ずかしいことなんですけれども、地方議会議員の職員さんに対するパワハラやセクハラというものが全国的にも大変な問題となっております。熊本市議会でありますとか姫路市議会、丸亀市議会、また相模原市議会と、辞職勧告決議を出されたりであるとか、百条委員会を設置されたりであるとか、非常に大きな問題となっているわけであります。根本的には、議員の本質、資質的な部分でありますので、私も含めてパワハラやセクハラについて、職員さんに対して接遇について気をつけなくてはならないというふうに自覚は持ちながらも、非常に情けない事例が全国であるようでして、議会のパワハラ、例を申しますと、暴言や過度な叱責、あるいは窓口で長時間議員さんが居座り続けてご自身の主張や意見を述べ続けるという、そうした行為や、無理な時間帯での無理な量の資料の請求でありますとか、職務の強要に当たるような要求、あれしてください、あれしてくださいと、何度お断りしてもそういう要求を繰り返されること、あるいはいただいた資料を、その公開の可否を当局に確認せずに公開をしてしまう。これ場合によったら業務妨害、公務員の場合公務執行妨害になるんですけれども、業務妨害に当たるような、類するような行為が全国的な問題としてあるわけなんですけれども。
 制定されましたパワハラ防止法によりますと、精神的な苦痛や心理的な苦痛、文字どおり受け手の苦痛によってパワハラと認定されるということがあります。起こってから、加害者側がそんなつもりはなかったと言っても、それはもう後の祭りとなってしまいます。何よりも気をつけなくてはいけないのは、議員と職員さんというのはパワハラの関係が生じやすい関係性にあるようでして、我々自身が自覚のないままにそうしたハラスメント行為を行っている議員もいるかもしれません。それは私自身も当事者かもしれません。
 そこで、今近江八幡市議会にそういう事例、実態があるのかないのか、一度全庁的に職員さんに調査されてはいかがかと思うんですけれども、議員からの職員さんへのハラスメント行為について当局のお考えをお聞かせください。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 益田総務部長。
◎総務部長(益田卓弥君) 竹尾議員の議員から職員へのハラスメントに関する再問にお答えをいたします。
 議会におかれましては、近江八幡市議会基本条例第17条に規定されております議員の政治倫理、それから近江八幡市議会議員政治倫理条例第4条に規定されている政治倫理基準に基づき議員活動をなされていると認識をしております。
 先ほどのハラスメントに関する調査の関係でございますが、議会と首長との関係における権限の範囲といいますか、権限の範囲から議員を対象とした職員へのハラスメント調査の実施については、今のところ考えておりません。
 また、これまで職員から人事担当に対しまして、議員によるハラスメント行為、または不当要求行為を受けたなどの相談、申立てについては、今のところはございません。
 現状におきましては、まずは議会において調査の必要性についてご議論いただき、調査が必要とのご判断であれば、議長様から市長に要請をいただきまして、その要請に基づき実施を検討させていただくものというように考えております。
 そのほか、相談体制につきましては、職員間等の職場におけるハラスメントに関する相談等に対応するために、ハラスメント苦情相談窓口を各任用機関の人事担当で設けております。具体的に申し上げます、総務部の総務課、教育委員会事務局の教育総務課、それと総合医療センターの事務部総務課に相談窓口を設けておりますので、各相談窓口の活用による対応が今のところは適当というふうに考えております。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 大変難しい状況を私も要求をしているのかなというふうには思いましたが、相談体制としては、各所管の総務、ご担当されておられるところで相談体制としてはありますよと。ただ、調査については、冒頭申し上げましたが、根本的には議員の資質の問題の部分も大変強うございますし、議会基本条例や、あるいは政治倫理条例もございます。
 ただ、1点、議会と職員との関係の中で難しいなと思うのは、ハラスメントの特性というものは加害側の実感が薄い、あるいはほぼほぼないということがあって、被害側から声が上がらないと、加害がその自体に気づかないということもあります。これはハラスメントの特性です。また、議会の特性として、議員が四六時中ほかの議員を監視と言うたら変ですけど、議員活動を見ているわけではありませんから、日々の議員活動、議員の個人活動の中でどういった事態が起こっているのかということを把握しにくい、議員個人としてはしにくいという状況があります。そうした中で、議会からの要請を待つというのは手続上間違ってないとは思うんですけれども、しかし議会からの要望がない。すなわち加害側がこの問題点に気づかないと被害の実態を調査されないということは、もし仮に今現在進行形で被害があったときに、その実態をつかめないというのは、冒頭の議論にあった受け手側の立場に立ったというところと自己矛盾を感じるというか、整合性が合わないんじゃないのかなと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○議長(片岡信博君) 益田総務部長。
◎総務部長(益田卓弥君) 再問にお答えをいたします。
 冒頭、竹尾議員が申されました相模原市についてはパワハラ行為です。姫路市については不当要求行為、十和田市についてもパワハラ、丸亀市についてはパワハラで内部告発をしてると。いずれも、これにつきましては職員側から、そういう議員の方の行為があったということで声を上げた中で、議会で調査特別委員会とか、いわゆる百条委員会を設置をされたとか、それからそこまで行かずとも、議会の中で懲罰委員会なり、そういうのを設置され、確認をされたというような事例だと、私もネット等の情報を見る限りではそういうな状況になっておりますので、これについては当然ながらパワハラ、それから不当要求行為については、された側の申出によって当局も議会も対応すべきというようには思っております。
 それから、不当要求行為についてはコンプライアンス条例というのがありますので、そのコンプライアンス条例なりコンプライアンス条例施行規則に基づいて、のっとった対応が可能というように思っております。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 この声をどちらから上げるかということ、非常にそこが少し一致できない部分になってるかと思うんですけれども、なかなか私も、近江八幡市もそうですけれども、他の市町にも議員の知り合いたくさんいますけれども、議員は非常に正義感の強い方がたくさんおられますし、もともと社会や体制に対して怒りや憤りを持っておられる方もおられます。それが全て悪いということではないんですけれども、時に当局と意見はぶつかるんですけれども、ぶつかることもあるかと思うんですけれども、ただ議員が、いわゆる肩書、肩書というのは役割と職責をはっきりするだけのものでして、何かその肩書を勘違いされて、何か特権階級かのように振る舞われるような行為というものは、私も含めて近江八幡市議会として恥ずかしい行為があってはならないと。ただ、今現状、現在地は一体どうなのかというところが非常に心配をしている部分でもありまして、そうした精神的苦痛といいますか、ハラスメントに当たるような行為があるのかないのかで、私たちの議員活動にも大きく影響することかと思います。職員さんが今どんな気持ちで議員と接し、対応されておられるのか。苦しんでいる人はいないのか。それがパワハラに該当する事例ではないのか。そういうことを調査して、当局と議会とが相互に認識を深めていくということは僕はとても大切なことだと思うんです。
 今、相談が一つの声になるというのも、それも実態だと思いますが、被害者が出てから動くというようでは、少しこれは後手を踏むことになるのかなと思います。被害者が生まれた時点で、その被害に遭われた方というのは拭えぬ傷が刻み込まれることになりますし、また日本の社会というものは、ハラスメントの問題でもいじめの問題でも、本当は組織対応しなきゃならない問題をすぐに当事者間同士の問題にしてしまう傾向というのが強いと感じています。被害者自身は当事者にはなりたくない。人目にさらされる怖さとか誹謗中傷を受けることもある。だから、被害者は弱者として人権では規定されるわけなんですけれども。そうした気持ちが尊重できないまま、当事者になるのが嫌だから黙ってるかとかというような、こうした暗黙の2択を突きつけているようでは、受け手側の人権というものはなかなか成立しないのではないかと、このようにも感じています。
 これ学校を例に出しますと、学校ではいじめの事象というものが具体的に相談がなくても、その兆候をつかむために、嫌な言葉がけされてませんかとか、嫌なことありませんかというようなことを、低学年の子どもたちに分かりやすいようなアンケートなどを実施されてる学校もあります。
 恐らく僕自身が調査という言葉を使ってしまったので、固く受け止められたかもしれませんが、私が申しているのは、心の健康診断してくださいということなんです。健康診断を受けると、あ、ここは気をつけなあかんなとか、安心だったら安心でそれで済むし、あったらあったで問題だし、それが人権においては全体の注意喚起で済む問題なのか、あるいは本当に真摯に個別対応が必要な人権侵害があったのかないのか、そうした問題をしっかりと当局も把握しておく、そして議会も気をつける、こうしたことがより強い信頼関係を生む土壌になると思っています。
 議員からのハラスメントの事例、総務部長も全国の事例をたくさん調べてくださっているようですけれども、実施の方向性や主体性、これの議論については少しまだまだ議論が必要かと思いますし、私も突拍子な議論で今ここでしますという回答を絶対しなさいというふうには思ってませんが、ただ議員からハラスメントがあるのかないのか、現在地を認識するための調査のその必要性は感じていただきたいと思うんですけれども、当局、ご見解いかがでしょうか。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 益田総務部長。
◎総務部長(益田卓弥君) 竹尾議員の再問にお答えをいたします。
 議会においても、当局が市長をはじめとします職員においても、基本的には地方自治の主役であります市民のために位置づけられているものでございますので、双方が良好な関係でないとなかなか、まちづくり含めまして市民のためにやっていけないということでございますので、今竹尾議員が申されましたように、双方ともに、議会も当局側もどのような実態というか、アンケートの内容を含めまして、そこら辺はもう少し議論した中で、やっていこうということであれば、また検討させていただきたいというふうに思います。
○議長(片岡信博君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
 議会全体の総意が必要ということは、我々にとっても部長のご答弁のとおりの部分はありますが、最後に、今問題になっておりましたオリンピック・パラリンピックにおける女性に対する差別発言に対しても、多くの女性の方が声を上げられたわけです。水俣病の歴史を見ましても、やはり被害者の方からの声というものは今の水俣のきれいな海を取り戻すためには絶対に必要なことでした。歴史的に言いますと、全国水平社ですね、部落問題の全国水平社なくして今日の部落問題の進捗も生まれませんでした。被害の当事者の声というのは大切な社会へのメッセージだと思うんです。
 今、アンケートの内容等々も含めて、議会とともに連携していければという、検討していきたいという心強いメッセージいただきました。
 旧近江八幡市は1982年、県下で一番最初に人権擁護都市宣言をした市であります。1982年というと僕同い年になるんですけれども。人権擁護宣言都市である県下で最初の市が、これ看板に偽りありと言われないように、職員さんが誇り高く人権擁護都市宣言を唱和できるように、人権意識、市長おっしゃられた、昨年申されたことは今年度ももちろん生かしていきたいと、このようにおっしゃられましたので、しっかりと人権意識を投影した市政運営になることを期待したいと思いますし、職員さんに対するハラスメントの事例については、ぜひ前向きに私は検討していただきたいと、このように思います。私たち自身が非常に厳しいやいばを向けられることになろうかと思いますが、それも私は必要な痛みだと、議員に対する必要な痛みだと思いますので、ぜひ当局の方からもそういう事例があった際にはご相談を、相談体制があるもとに相談いただいて、しっかりと信頼関係、そして連携を結んで、よりよい町にしていきたいと、このように感じております。そのことを申し添えまして私の個人質問は閉じさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(片岡信博君) 以上で竹尾耕児君の個人質問を終わります。
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