録画中継

令和3年第2回(6月)近江八幡市議会定例会
6月15日(火) 一般質問
岩崎 和也 議員
(1)気候非常事態宣言と具体的な取り組みについて
(2)若い世代が活躍できる環境づくりについて
   ①職員の人材確保と若手職員の育成について
   ②奨学金返還支援制度について
(3)デジタル化の進行とこれからの学校教育について
   ①一人一台のタブレット授業について
   ②移動図書館車「はちっこぶっく号」について
(4)小西市長の市政運営について
   ①新型コロナ独自対策について
   ②市庁舎整備事業について
   ③近江牛の地域資源認定について
◆2番(岩崎和也君) 皆さんこんにちは。公明党の岩崎和也でございます。
 ただいま議長の発言許可をいただきましたので、通告書に従い、大きく4項目を分割方式にて質問させていただきます。小西市長をはじめ当局の皆様、何とぞよろしくお願いいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、相次ぐ変異株の出現により収束の兆しが見えてきません。世界のいずこの国で変異株が発生すると、瞬く間に全世界へと広がっていきます。これは地球には本来国境というものがなく、私たちは地球という唯一無二の惑星に共に生活をしているというあかしでもあります。
 現在、各国は、宇宙への開発を進めるべく、頻繁に宇宙へと飛び出す時代となりました。宇宙飛行士たちは皆、宇宙から見た地球の美しさに絶句されるそうです。人類初の宇宙飛行に成功したガガーリンの「地球は青かった」という言葉は大変に有名です。また日本人女性宇宙飛行士の向井千秋さんは最初の印象を「何て荘厳で気品があるんでしょう」、続けて「地球は皆さんが思っているほど大きくありません。資源は限られており、地球への向き合い方を変えていかなければならない」と語られております。
 宇宙から見ると、地球上の生き物はほんの一家族にすぎないのかもしれません。だからこそ、世界的なパンデミックにおいても、家族の絆で乗り越えていくべきであると教えられているような気がしています。
 それでは、大項目の1つ目、気候非常事態宣言と具体的な取組について質問します。
 令和2年度12月定例会において、幼子を持つ一市民の方から提出された気候非常事態宣言及び気候変動に対する取組を推進する請願が市議会において全会一致で採択をされました。それを受け、今回近江八幡市気候非常事態宣言に関する議案が上程されましたことは大変に喜ばしいことであります。
 小西市長、そして田村部長をはじめ、宣言の作成にご尽力いただきました環境課の皆様には心から感謝を申し上げます。
 国会では、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を盛り込んだ改正地球温暖化対策推進法が成立し、脱炭素社会の実現に向けて全国で地域や企業が新たな取組を進めていきます。
 本市においても、市民、事業者、そして行政が一体となって環境問題に対処していく必要があると思います。
 まずは、地球温暖化の影響と考えられている近年の異常気象、気候変動について、小西市長はどう捉えておられるのか、ご所見をお伺いいたします。
 この宣言が決議されたならば、いつ発効となるのでしょうか、お伺いいたします。
 以上、初問といたします。
○議長(平井せい治君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 岩崎議員の気候非常事態宣言についての質問にお答えを申し上げます。
 発効日以外の質問について、原稿ありますけど、ちょっとこれ置いといて、せっかくの機会ですので、ちょっと私がどう考えているかについてお話を申し上げたいと思います。
 この気候変動とか地球温暖化について、皆さんそれぞれのことを思っておられるんだなと、それぞれ受け止め方、市民の方も、熱い、寒い、全会一致でございますけど、いろいろあろうかと思いますけど、私自身は大変な危機感を心の底で持っております。それはなぜかといいますと、いわゆる地球にあるCO2ですね、炭素ですけど、CO2が、やっぱり地球というのは地中から地上に出てくる炭素、CO2と、植物の光合成によって地面に戻っていく、もしくは人間が人工的に地中に入れ込むことによって、CO2がバランスしているというのが基本的な状況だというふうに思ってます。
 今、これが人間の手でこのバランスが、本来なら植物がどんどんどんどん増えても吸収してくれるので、多少増えてもバランスが取れるんだろうと思いますけど、それが一定のラインを超えつつあるという認識ですね。要は人間が一生懸命CO2を地中から掘り出しちゃってるので、植物とかみんな入れても、地中に戻っていくという部分が戻り切らない状態ということで、ゼロエミッションみたいな話につながっていくわけなんですけど、皆さんもご存じのように、身近な例でいくといわゆる金星ですね。CO2惑星と言われる金星は、大気の温度が400度とか、正確な温度は分かりませんけど、とても我々、炭素を主体とする生物体の生存できる環境ではないというふうな状況があるんだというふうに思います。
 そこのところを、目に見えないわけでございますけど、我々の日常生活では。現状においてはそこをちょっと意識せざるを得ないということが世界的に認識されてるというような状況だと思います。
 後ればせながら、我々としてもこの一市民の方からいただいた、これも何かのきっかけでございますので、一つの施策の柱というか、考えるべき要素として今後も考えていかなければならない。真剣に考えていかなきゃならないものだというような認識をしております。
 したがいまして、先ほどの冨士谷議員のご質問にもお答えしましたように、みんなが考えていかなきゃいけない。これは企業も市民も生活する面でも、我々行政が行う面でも考えていかなきゃいけないことだというふうに思ってます。
 次に、この宣言の発効でございますけども、気候非常事態宣言につきまして議会でご決議をいただきましたら、びわ湖の日の制定40周年に当たります7月1日に宣言を行い、市民や団体、事業者の皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問ありますか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) 市長、答弁ありがとうございました。
 再問いたします。
 気候非常事態宣言が発効された後の市の取組として、スケジュール等をお伺いいたします。
○議長(平井せい治君) 田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 岩崎議員の再問にお答えいたします。
 この問題につきましては、単に環境部署だけではなく、全庁的に取り組んでいかなければならないというふうに考えております。各部署におきまして既に取り組んでる施策もございますが、今後改めまして具体的な施策につきまして各課に照会を行い、環境審議会にもご意見を伺いながら、今年度末に更新を迎えます地球温暖化対策実行計画としてまとめてまいりたいと考えております。
 また、産業分野におきましての取組も重要であると考えておりますので、商工会議所さんであるとか商工会さんとも連携を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問ありますか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) 答弁ありがとうございます。
 宣言を生かしていくためには具体的な取組が必要です。官民協働で進めていくためには、まず市民が活動できる場所などが必要になってくると思いますし、行政とも定期的に意見交換を持つ機会が必要です。こうした点も踏まえてお取り組みいただけたらと思います。
 本市では、ごみ処理機の購入に対して補助をされていると思います。ごみの削減によって焼却量が減ると、CO2の排出抑制ができ、地球温暖化対策にもつながります。例えば期間を決めて補助率を上げるなども本市のできる取組だと思いますので、ご検討をお願いいたします。
 では、続いて大項目の2つ目、若い世代が活躍できる環境づくりについて質問いたします。
 まずは、職員の人材確保と若手職員の育成について。
 全国の自治体で人材の確保が問題になっていると仄聞しています。近江八幡市においても、近年の職員採用を含めて必要な人材の確保ができているのでしょうか。本市における採用の状況や課題があるのであれば、教えてください。
 次に、急速な社会の変化とともに、世代間の価値観の違いが大きくなってきているように感じます。将来の近江八幡市を担う若手の職員の意見は重要であり、今後の活躍の場が期待されます。提案などが業務の改善や、さらには新しい施策として反映されると、やりがいにも通じると思います。
 ワーキンググループは一つの活躍の場であると思いますが、現在の状況や今後の展開についてお知らせください。
 次に、奨学金返還支援制度について。
 都市部一極集中から地方へ就職を促し、地方創生を後押しする制度として、奨学金の一部を肩代わりできる奨学金返還支援制度が創設されました。奨学金の一部を行政や企業が肩代わりできるのであれば、若手の人材が近江八幡市で就職し、活躍されることが期待できます。一旦自治体が肩代わりしたとしても、国が10分の10を特別交付税措置されるものであります。全国でも導入する自治体が増えており、本年度からは甲賀市が制度化をいたしました。
 人材確保の一つの有効手段だと思われますが、いかがお考えでしょうか。
 以上、初問といたします。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 岡田総務部長。
 〔総務部長 岡田清久君 登壇〕
◎総務部長(岡田清久君) 岩崎議員の若い世代が活躍できる環境づくりのうち、職員の人材確保と若手職員の育成についてのご質問にお答えを申し上げます。
 まず、職員の人材確保についてでございますが、現在令和3年10月1日付採用及び令和4年4月1日付採用に向けまして、一般行政職、幼稚園教諭、保育士職及びその他専門職につきまして採用事務を進めているところでございます。
 本年4月には一般行政職、土木技術職、保健師職、幼稚園教諭、保育士職等、合わせまして30名を新規で採用いたしました。このうち一般行政職につきましては、昨年6月と11月の採用試験におきまして、それぞれ133名、131名の多くの申込みがございましたが、土木技術職、建築技術職につきましてはそれぞれ4名、保健師職は6名の申込みにとどまっております。これら専門職につきましては全国的に人材不足の状況から、本市のみならず国、都道府県、市町村ともに人材の確保に苦慮している状況にあるというふうに認識をしております。
 これらのことから、本市におきましては、雇用環境が厳しい時期に就職活動をされた、いわゆる就職氷河期世代を含む46歳までの受験資格年齢を引き上げるとともに、人材確保に係りますプロモーションの強化策としまして、職員採用に係りますホームページのアピール度の向上、また10月採用も含めまして通年で人材確保を行うなど、必要な人員の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、若手職員の育成につきましては、議員ご指摘のとおり、本市の将来を担う若手職員の育成は、職員の年齢構成において若年層が増えてきていることから、これまで以上に重要になってきております。このような中、政策立案等に係る会議のワーキンググループなどにおいて、若手職員を委員として意見を聞き、取りまとめられた提案などを各種施策に反映させることは、それらの協議の過程も含めまして、人材育成の観点から重要な取組であると考えております。
 現在の取組状況といたしましては、昨年度から職員の人材育成基本方針の改定に向けまして、若手から中堅職員を委員とした策定検討委員会において、外部アドバイザーの指導助言の下、政策形成研修を兼ねて検討を重ねているところでございます。
 また、市庁舎整備におきましても、新庁舎の基本設計に係りますワーキンググループを若手から中堅職員で構成をいたしまして、検討結果や意見等を基本設計に反映をしているところでございます。
 今後も引き続きまして、様々な分野において若手職員の意見を聴取し、施策などに反映できる取組を進めることによりまして、議員が申されました働きがいを創出し、次の世代を担う職員を組織全体で育む組織づくりに努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をよろしくお願いをいたします。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 小西産業経済部長。
〔産業経済部長 小西勝己君 登壇〕
◎産業経済部長(小西勝己君) 岩崎議員ご質問の若い世代が活躍できる環境づくりのうち、奨学金返還支援制度についてお答えいたします。
 議員からお話がありましたとおり、国では大学生などの就業者確保策として奨学金返還制度を導入しているところです。
 また、甲賀市では独自の事業として、甲賀市内の事業所への就業促進を目的に、市民が奨学金などを活用し大学等へ進学された場合の返済の一部を支援される制度を創設し、市内事業所への就業を対象とすることで中小企業等への就業者を確保されるよう、今年度実施されていると伺っております。
 本市におきましても、本市を含む2市2町の広域事業である東近江地域労働対策連絡会が企業と高等学校との情報交換の機会を設け、本年5月にも県内高等学校に通学する方々の県内事業所への就業を促進するための事業を実施したところです。
 本市での若手の人材確保に関する取組策としましては、まずは現状における人材の需要状況の把握と雇用ニーズの調査を行い、その結果を基に、関係する支援機関と連携しながら、時節や本市の実情に応じた対応、制度などの検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) ご回答ありがとうございました。
 人材確保については、様々な手を尽くしていただきまして確保をお願いをしたいと思います。
 若手職員の育成については、まずは様々な議論ができる場を設定し、業務の改善や近江八幡市の施策として反映していけることが大切であると思います。デジタル化の急速な進展においては、若手の可能性をいかに引き出していけるかにかかっていると思います。
 私たち議員は他市町を視察し、積極的に研さんできる機会がありますが、職員においても、他市町を訪問して先進事例を学び、そして自治体の職員間で意見交換しながら、共に成長していくことが一層望まれてまいります。私たち議員と共に行動しながら、市政発展のための議論を進めていくことも大事であると思います。
 現在はコロナ禍で研修等も中止されていると思いますが、これまでの研修に加えて、好奇心や向上心を醸成し、そこから新たな発見が得られるような研修も設定していただきたいとお願いをいたします。
 奨学金の肩代わりについては、官民ともに制度を導入して、一人でも多くの方が近江八幡市での就職を希望されるように進めていただきたいと思います。
 民間企業においては、この制度を導入することで税法上の優遇措置もありますので、周知をしていただきますようお願いを申し上げます。
 次に、大項目の3つ目、デジタル化の進行とこれからの学校教育について質問いたします。
 まずは、1人1台のタブレット事業について。
 大喜多新教育長の下で新しいスタートが切られたことに大変に期待をしております。特に今回はデジタル化の中での学校教育について、そして子どもたちの健康についてお考えをお聞きします。
 コロナ禍によってデジタル化が一層進み、GIGAスクール推進構想により、1人1台のタブレット端末が小学校1年生から中学3年生まで配備されることとなりました。便利な反面、子どもたちの健康に大きな影響を与える危険性も指摘されています。特に目への負担が指摘されておりますが、心身の健康面についてどのように考えておられるのでしょうか。
 私、個人的には、タブレットを小学校の低学年にも早期に導入する必要性があるのか、大変に考えさせられました。現在、タブレット使用が始まったばかりですが、どのような教科で使用をするのか、どのぐらいの時間使用するのか、基本方針などあるのであれば教えていただきたいと思います。
 次に、本市はデジタル化とも並行して読書活動にも力を入れておられます。移動図書館車事業がスタートし、「はちっこぶっく号」が市内各地を巡行しておりますが、その目的と運行状況、そして利用の促進についての課題があれば教えていただきたいと思います。
 以上、初問といたします。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 大喜多教育長。
 〔教育長 大喜多悦子君 登壇〕
◎教育長(大喜多悦子君) 岩崎議員ご質問のタブレット端末使用の際の健康面への影響についてお答えいたします。
 現在、整備された1人1台端末を授業の中で活用し始めています。文部科学省からは通知の中で、目と画面との距離を30センチ以上離すことや30分以上画面を見続けないようにすること、画面の角度や明るさを調整することなど、目の健康への配慮事項が示されています。学校には既に周知しており、このことも踏まえて健康面に配慮しています。
 各学校では授業の中で、導入の場面で子どもたちの興味関心を引くような動画を提示する、また授業の中ほどで友達と意見を交流する際に使用するなど、場面場面で活用しており、ずっと画面を見続けている状況ではありません。
 2点目のタブレット端末使用についての基本方針についてお答えします。
 タブレット端末は、あくまでも鉛筆やノートと同じような学習の際に必要な道具の一つと考えており、特別なものではありません。授業の全てをタブレット端末で行うのではなく、学習を進める上でタブレット端末を使うことが有効と考えられる場面で活用していきます。
 このことから、ご質問にある、どの教科で使用するかや、どのくらいの時間使用するのかという方針はなく、教科にかかわらず、使いたい場面で活用することを目標としています。そのため、活用の方針としましては、発達に合わせて段階的に子どもたちの活用の幅が広がるように、発達段階に応じた使い方を目指します。
 小学校低学年は、使うことになれる段階で、写真や動画を使って観察記録などに使用したり、教員の判読などの見本動画の活用で言葉やリズムを習得するときなので使用します。
 中学年は、ICTを使うことの必要性に気づいて正しく使う段階で、写真や図などの資料を共有したり、キーボードを使って自分の考えを記録することなどで使用します。
 高学年や中学生は、ICT機器の長所や短所を知り、適切に活用する段階で、プログラミング学習やプレゼンテーションの作成、発表などで使用します。さらに、中学生は卒業後にもつながるよう、キーボードがつき、パソコンに近いクロームブックを整備しています。
 このように段階的に活用を進めることで、それぞれの授業が豊かな学びの場となるように取り組んでいきたいと考えています。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 西川教育部長。
 〔教育部長 西川仁司君 登壇〕
◎教育部長(西川仁司君) 続きまして、岩崎議員の移動図書館車「はちっこぶっく号」についてのご質問にお答えいたします。
 この移動図書館車事業につきましては、近江八幡市立図書館サービス10か年基本計画や第2次近江八幡市子ども読書活動推進計画に基づき、地域的な図書館利用の隔たりを解消するため、また子どもたちが読みたい本を自ら選び、継続的に読書が楽しめるよう、読書環境の充実を目的に運行しているところでございます。
 今年4月16日から運行を開始し、約1,500冊を搭載し、八幡沖島を除くコミュニティセンターと、図書館から遠い地域の中学校、小学校、こども園、幼稚園など、市内21か所を毎週、水・木・金曜日に運行し、各ステーションには月1度寄せていただいているところでございます。
 運行開始から先週末までで2,678冊の貸出しがあったところでございます。
 特に学校では、司書が一人一人の子どもたちの希望を聞きながら本を手渡したり、読みたい本の要望を聞き、次回の巡行時に手渡せるよう本を手配したりと、限られた時間の中ですが、子どもたちの読書要求にしっかり応えられるように努めておるところでございます。
 今後の利用の促進についての課題といたしましては、利用者お一人お一人の読書要求に応えることができるよう、蔵書の充実を図るとともに、読書相談に応じられる専門職員の配置と育成が必要であると考えておるところでございます。
 議員ご指摘のとおり、本市ではデジタル化と並行して、活字による読書にも力を入れていきたいと考えており、引き続き図書費や人材の確保に努めてまいります。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありますか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) 丁寧なご回答いただきましてありがとうございました。
 先ほど教育長から、使用方針がなくて、使いたい場面で使うということをお伺いしましたけれども、先生方の中にはデジタル機器に不慣れな方もおられると思います。同じ教科でも先生によって教え方が大きく違うとなると、公平性が保たれない場合が生じます。先生方の研修やサポート体制等はあるのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(平井せい治君) 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 岩崎議員再問の教員への研修やサポートの体制についてお答えいたします。
 初めに、教員への研修についてですが1人1台のタブレット端末を活用するに当たり、昨年度から各校のICT教育推進リーダーを集め、会議や研修を開催してきました。今年度も推進リーダーを対象とした研修会を計画的に行っています。各学校では、この推進リーダーが中心となって伝達講習の形で研修会を開催し、教員の活用能力の向上に努めています。また、導入したグーグルのソフトが授業で活用できるよう、教員が自由に閲覧できるオンラインの研修動画も準備し、必要に応じて視聴していただいています。
 次に、サポートについてですが、機器のトラブルや使い方について困ったことがあれば、電話やメールで相談できる相談窓口を設置しています。このほかにも、小・中学校の各教科の教材を自由に使用できる教材バンクも導入しています。さらに、小学校には機器の取扱いに不慣れな児童が多いことから、ICT支援員を配置しています。1つの学校に1日8時間の支援を月に2回、3年間継続して行います。児童のほかにも教員の支援も業務として行っています。
 ICTを効果的に活用し、児童・生徒の一人一人の状況に応じた学びや共同的な学びが充実するよう、今後も継続して研修やサポートを実施していきたいと考えています。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 研修やサポート体制があるということで大変に安心しました。引き続きよろしくお願いを申し上げます。
 近年、子どもの視力は悪化の一途をたどっており、裸眼視力が1.0未満の割合は中学校で57.5%、小学校で34.6%と、過去最高になったと言われております。
 先ほども教育長から話がありましたが、文部科学省は、パソコンやタブレット端末を使用する際に目と画面を30センチ以上離すことを呼びかけています。学校でもルール化をしっかりと徹底していただきまして、そのことで学校で正しい使用法を身につけることで、家庭での意識づけにつながっていくと思います。健康面にも十分配慮をお願いをしたいと思います。
 移動図書館車事業についてですが、デジタル化の中においても、読書というのは想像力を養うためには大変に重要と捉えています。子どもたちがリクエストする図書にはちゃんと手配をしてくださっているというふうに聞いております。現場の職員さんの奮闘に感謝いたしますとともに、今回多くの市民の方からもご寄附をいただいているということで、重ねて感謝を申し上げます。
 それでは最後に、大項目の4つ目、小西市長の市政運営について質問をいたします。
 まず、新型コロナ独自対策について。
 これまで新型コロナウイルス感染症に係る独自施策として、昨年度より4次にわたる施策が実施されてきました。今般、第5次施策として、切れ目のない対策を継続するため、じもと応援クーポン第3弾と合わせ、シニア向けチケット、ふるさと観光券事業などが提案されています。
 これまで2回のじもと応援クーポン券に関しては、執行率が90%を超え、一定の効果が出ていると見られます。しかしながら、依然コロナの影響によって生活困窮者も数多くおられることから、これからはよりきめ細かな対策が必要になってくると思います。
 これまでに第4回のコロナ対策が実行され、今回第5次の独自施策が提案されておりますが、これまでの総予算とその財源をお示しください。
○議長(平井せい治君) 岩崎議員、順番がちょっと。
◆2番(岩崎和也君) すみません。続けて初問を全てさせていただきます。失礼いたしました。
 次に、市庁舎整備事業についてお伺いします。
 市庁舎整備基本計画案が完成し、市民説明会を開催、そしてパブリックコメントで市民からの意見を募っておられました。新庁舎の建設スケジュールとして、昨年11月の会派代表者会議の資料によると、この6月議会または臨時会で実施設計、工事請負費補正予算計上、本年12月議会で本契約とされておりましたが、最新のスケジュールを教えてください。
 また、デザインビルド発注方式のメリットをお示しください。
 次に、近江牛の地域資源認定についてお伺いします。
 ふるさと納税制度は平成20年に創設され、本市としても積極的に取り組んできた結果、昨年度は、先ほど市長からありましたが、約38億5,200万円ということで見込んでおり、県内でも群を抜いてご寄附をいただいております。
 ふるさと応援寄附金については各種施策に活用をされておりまして、本市にとっても貴重な財源と現在はなっております。吉岡理事をはじめ、シティプロモーション課の皆様のご努力の結果であることは十分承知されますし、感謝を申し上げます。
 さて、今回滋賀県知事が行ったふるさと納税制度における近江牛の地域資源認定に対して、小西市長は県の認定行為が違法、不当であるとして、令和3年4月30日付で総務大臣に審査の申出をされました。本市としては、近江牛の品質管理が徹底されず、ブランド価値の低下の可能性があること、また返礼品そのものが当該区域内で生産された地場産品であるとすることと規定されていることから、ふるさと納税の趣旨に反することも理由に上げておられます。
 その後、県との協議の中で合意がなされ、今回訴えを取り下げられましたが、全国メディアでも報道される案件になったんですけれども、議会に対して事前に説明がなかったため詳細が分かりませんでした。今回、整理をさせていただくためにもお尋ねをいたします。
 まずは、先ほどの冨士谷議員への回答でも一部ありましたが、国に訴えた理由とこれまでの経緯をもう少し詳しくお示しください。
 次に、当初は地域資源認定に認定されることでなぜ品質管理がなされないということにつながるのか、論理的に説明していただきたいということをお伺いしようと思ってたんですが、これも先ほどの議員の回答の中でお聞きしましたので、いわゆる低等級の近江牛が全国に出回ると、近江牛全体の評価が下がるというような回答であったと思いますので、こちらに関しての回答は了とさせていただきたいというふうに思います。
 次に、本市が考える品質管理というものはどういったものであり、近江牛のブランド価値を上げるにはどういった取組をされてきたのか、もう少し具体的に説明をお願いいたします。先ほどの回答と一部重なっている部分があると思うんですけれども、ご理解いただきまして回答をよろしくお願いいたします。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
〔総合政策部理事 嵐 孝雄君 登壇〕
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 岩崎議員お尋ねの小西市長の市政運営についてのうち、市庁舎整備事業についてのご質問にお答えします。
 まず、新庁舎建設のスケジュールについてですが、現在市庁舎整備基本設計案に係るパブリックコメントの結果を取りまとめ、市の考え方と対応方針を公表させていただいているところでございます。
 基本設計業務は7月末に完了しますが、パブリックコメント、市民説明会でのご意見、庁内意見などを十分に精査した上で反映に努めることといたしております。
 事業予算につきましては、市庁舎整備等特別委員会のご意見もお聞きしながら、9月定例会に債務負担行為として事業期間と限度額の補正予算案を上程させていただきたいと考えております。
 また、議決後は一般競争入札の総合評価方式により実施する工事として、市建設工事契約審査会に諮り、報告する予定です。
 その後、参加資格事業者が要求水準における技術提案と適正な見積りができる十分な期間を設けながら、令和4年2月の仮契約を経て、3月定例会の工事請負契約議決を想定いたしております。
 本契約の締結後は速やかに実施設計に着手し、令和4年中に工事着工の上、令和6年の供用開始を目指しております。
 供用開始後は旧庁舎の解体や外構工事を行い、令和6年度中に全ての整備を完了させる予定ですが、市庁舎整備等特別委員会への説明や議員の皆様の理解を得ながら進めさせていただくこととしておりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、デザインビルド方式による発注のメリットについてお答えいたします。
 令和2年12月定例会でもご説明させていただいておりますとおり、本事業は基本設計先行型、設計施工一括発注方式を採用し、進めることとしております。
 本方式は、基本設計時の発注者の要求事項が反映されやすく、設計段階から施工技術を活用した工期短縮が期待でき、施工段階でも事業者の知見による品質向上や事業費の削減を見込むことが可能となります。また、本事業のように工期が長期に及ぶ事業においては、実施設計と並行しながら施工することで、社会状況の変化にも対応しやすいというメリットがあり、有効な方式であると考えております。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 吉岡総合政策部理事。
〔総合政策部理事 吉岡俊明君 登壇〕
◎総合政策部理事(吉岡俊明君) 岩崎議員お尋ねの近江牛の地域資源認定についてお答えいたします。
 まず、今回総務大臣に自治紛争処理委員の審査に付することの申出を行った理由につきましては、総務省通知により、都道府県が地域資源を認定するに当たっては、関係する地方団体間において十分な調整を行い、関係団体の合意の上で返礼品等を取り扱うこととされているにもかかわらず、近江牛の主要生産地である本市の合意がないままに滋賀県が地域資源認定を行ったため、本件認定行為に係る手続が違法、不当であるとして申出を行いました。
 次に、これまでの経緯についてですが、さきの冨士谷議員のご質問にも回答申し上げましたとおり、本市は一貫して県には反対の意を表しておりましたが、4月1日付で県が近江牛を含む3品目をふるさと納税のを地域資源として認定いたしました。地域資源認定について総務省通知において、関係団体の合意の上で返礼品等を取り扱うことされており、この関係団体の範囲については、県は当初、市町村ではなく、関連団体や関係団体を示しているものとの解釈であったため、関係団体の解釈について総務省へ照会をしたところ、4月15日付で関係団体とは関係する地方団体である旨の回答を得て、関係市町の合意の上で取り扱うものであることの最終確認ができました。
 以降、申出に至るまで、市長、副市長及び担当部課、また必要に応じて関係部課も含めて連日にわたる協議の上、弁護士に法的側面の助言をいただきながら対応してまいりました。
 総務省の見解に基づき、関係する地方団体の合意の上で認定を行うよう、本市が合意するまでの間執行停止について4月22日付で意見書を提出しましたが、これまで十分な調整を行い、関係団体の意向にできる限り沿って、時間をかけて取り組んできたため、県としては地域資源認定の撤回または執行停止は行わないと4月27日付で回答がございました。
 このまま県が定めた運用ルールを適用されますと、近江牛ブランドを守れないと危機感を持ったため、再度4月28日付で運用ルールの見直しに対する意見書を提出いたしましたが、全てを適用するのは困難であるとの回答でしたので、関係市町の合意なく本件認定を行った県の手続に問題があるとして、審査申出の期限最終日である4月30日に、地方自治法第251条の3第1項に基づき、総務大臣宛てに審査申出を行ったところです。
 審査申出は行いましたが、本来争うことが目的ではなく、ふるさと納税の趣旨に則した健全な運用を図ることにより、地域の活性化や地域産業等の振興を図ることを目的とし、近江牛のブランド力の維持向上のために、並行して県と協議を続け、その結果、本件地域資源認定の運用ルール等について本市の主張がおおむね認められ、合意に達することができました。
 審査申出については、関係市町の合意なく地域資源認定を行った手続が問題であるとしていたことから、今回合意に至り、この手続に係る問題が解消されたため、法令に基づき、この申出の取下げの手続を行ったところでございます。
 次に、本市の考える謝礼品の品質管理の徹底については、寄附者様のニーズを的確に捉え、寄附者様の満足度を常に維持するために、可能な限り品質のばらつきをなくすることが重要と考えており、謝礼品提供請負事業者と綿密に連携し、共に取り組んでいるところでございます。
 次に、近江牛のブランド価値を上げるための投資や取組のご質問ですが、近江牛の生産振興と経営体質の安定維持強化を図るため、肥育経営から繁殖・肥育一貫経営への移行に伴う繁殖雌牛の導入支援を行っております。近江牛生産農家の多くは、県外から子牛を購入し、近江牛として出荷されておりますが、繁殖・肥育一貫経営により、近江八幡で生まれ育った近江牛としてブランド価値向上に寄与できるものと考えております。
 また、ブランド価値の向上を目指した取組といたしましては、本市では市内で近江牛生産農家や法人で構成する近江八幡市近江牛生産振興会を有しており、同振興会において、生産技術の向上を図るための研修や先進地視察のほか、同振興会が主催する近江八幡市近江牛枝肉共進会において優良枝肉の表彰を年2回行ってております。
 このほか、令和元年度には、東京にある滋賀県情報発信拠点「ここ滋賀」において、近江牛の展示販売イベントや、令和2年度にはふるさと納税クラウドファンディング特集を活用するなど、ふるさと納税を通じたウェブ、雑誌等の情報媒体の活用や各種イベントに参加するなどして、近江牛のPRに努めているところでございます。
 また、前述の謝礼品の徹底した品質管理につきましても、近江牛のブランド価値の向上に寄与するものであると考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 岡田総務部長。
 〔総務部長 岡田清久君 登壇〕
◎総務部長(岡田清久君) 続きまして、岩崎議員の新型コロナウイルス感染症本市独自対策に係ります第1次から第5次対策の総事業費と財源内訳のご質問にお答えを申し上げます。
 本市では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び長期化によります独自対策としまして、感染予防対策、家計や事業者への支援策を予算化し、切れ目なく迅速で効果的な事業を実施をしてまいりました。
 令和2年度に事業実施をいたしました第1次から第4次までの新型コロナ市独自施策の事業予算額につきましては約13億6,800万円で、今回の第5次対策として補正予算を計上しております事業費の約4億9,000万円を含めますと、総額の事業予算額は約18億5,800万円となります。
 次に、財源の内訳でございますが、国から交付をされます新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が約14億400万円、コロナ対策に使ってほしいという寄附金が180万円、観光券売払収入が5,000万円となっており、総事業予算額からこれらの財源を差し引いた約4億220万円が財政調整基金繰入金を含みます市税等一般財源で対応しているものでございます。
 3月議会でもお答えをいたしましたとおり、コロナ禍という非常事態において、市税等の減収による歳入一般財源の確保が厳しい状況にございますが、市民サービスを低下させることなく、市民生活や地域経済支援のための必要なコロナ対策を最優先に実施をしてまいりますので、ご理解をよろしくお願いを申し上げます。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) 皆様、ご回答ありがとうございました。
 では、再問いたします。
 先ほど総務部長の回答の中で、第5次も含めてこれまでの事業予算総額は18億5,800万円ということで、財源は国から交付された地方創生臨時交付金、これがの14億400万円ということ、あと財政調整基金の繰入金を含む市税等一般財源などということでした。さらに、寄附金180万円という回答でしたが、どなたから頂戴されたのか教えていただけますでしょうか。
○議長(平井せい治君) 岡田総務部長。
◎総務部長(岡田清久君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 寄附金につきましては、いずれも令和2年度に頂戴をしたものでございますが、株式会社近江兄弟社様から100万円、明治安田生命滋賀支社様から51万9,200円のほか、ひとり親家庭応援者一同様というお名前で27万円、そのほか匿名の方から2万円のご寄附を頂戴をしまして、コロナ対策の本市の独自対策として実施をいたしました子ども在宅応援金支給事業、また、ひとり親家庭など児童扶養手当の受給者世帯に対する給付事業に活用をさせていただいたところでございます。
 ご寄附をいただいた方々に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 以上でございます。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) 回答ありがとうございました。
 このような経済状況の中、真心のご寄附をいただきまして心から感謝を申し上げます。
 さて、ちょっと財源について市長にお伺いをしたいと思います。
 小西市長を支援されてきた議員の中には、小さな庁舎に変更したから、じもと応援クーポンなど様々なコロナの独自施策を行うことができたと主張されておられますが、市長も同じ認識であるのかお尋ねいたします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 同じ認識かどうかというのはあまり適切なあれではないかと思います。直接関係があるかないかといえば、これはない話で、やるべきことはやらないかんという意味では、そういう意味だと思います。
 ただ、大きな庁舎というものをやめたことによって財政的ないわゆる選択の幅が広がったという、一般的な意味では1つ言えるかと思います。それぞれの方がどのように捉えられるかということだと思います。
 このことに関して私の意見を言えば、直接の関係は、コロナについてやらなきゃいけないことはやらなきゃいけないわけであって、そこの部分の影響というのは大きくないというふうに理解をしております。
○議長(平井せい治君) 質問ありますか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) 市長、ありがとうございます。私も直接関係はないというふうに思っております。
 そもそも小さな庁舎は今現在建ってませんし、それから生み出したお金は一円も生み出していないわけで、逆に契約解除されたことによって奥村組への違約金も含めて6億5,000万円の支払いをしているということで、現時点では近江八幡市は大きなマイナスになっているというふうに考えられます。
 コロナの独自施策の財源は、主に国から交付されている地方創生臨時交付金で充てられておりますので、しっかりと私たち議員も正しい理解をしていかないといけないというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、市庁舎整備事業について再問いたします。
 これまで市民説明会やパブリックコメントで様々な意見をいただいていると思います。私も多くの方から、勾配屋根を取り入れた階段状のデザインや配棟の向きについては反対意見をいただいたりしております。
 小西市長は、行政機能に特化したシンプルでコンパクトな庁舎を掲げておられたにもかかわらず、仕上がってきた案というのは、デザイン性があり、将来におけるライフサイクルコストがかかると予想される庁舎になっております。市民への理解が得られるとお考えなのか、お伺いをいたします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 基本設計にてお示ししている新庁舎につきましては、各階に必要なフロア面積を算出の上で積み上げたものでございます。決してデザイン性そのものを重視した建物ではないということご理解いただきたいと思います。
 また、市民の皆さんからのご意見がありましたように、この形にすることによってコストが余計かかるんじゃないかと、こういうご意見もいただいております。実際のところ、我々もちょっと試算をしておりますけど、形状を例えば箱形3階建てとした場合のほうが、建設工事費としては約3%程度抑制ができるという試算をいたしております。
 しかしながら、現設計案につきましては、基本計画の整備方針を満たしつつ、来庁者の利便性、市民サービスの提供、例えば動線を短くするとか、それぞれの機能的配置を行うとか、様々なことを考えた場合、こちらのほうが相対的にいいだろうと、こうあるべきだというものをご提案させていただいているというところでございます。
 また、建設後のライフサイクルコストにつきましては、延べ床面積が同等の場合、設備面積等に差がないため、現設計案との差異はないものだというふうに考えております。
 また、5月に開催しました市民説明会についても、基本設計案に対する形状や配棟の向きについて詳細の説明をさせていただくことで一定の理解を得ているところではございますけども、なかなか市民の方にもいろいろ考え方があろうかと思います。今後も丁寧で分かりやすい説明、周知に努めることで理解を広めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問ありますか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) ご回答ありがとうございます。
 今後、少子・高齢化が急速に進んでいく中で、財源の確保というものが最重要課題になってきます。高度経済成長期にはデザイン性の優れた建築物が建てられ、それを維持する経済力もありましたが、これからはそうもいかないと思います。私たち若い世代は、特にデザインによって負担増とならないよう、将来に責任を持たなければなりません。そのために、今十分に議論をして決定しなければならないと思っております。
 勾配屋根の建築物は、再度確認をいたしますけれども、ライフサイクルコストをしっかりと低減できる庁舎であるのか、お伺いをいたします。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) お答えいたします。
 現設計案につきましては、南別館なりひまわり館の既存施設、それらを活用することで新庁舎の必要面積を9,000平米程度に抑制しておりますので、ランニングコスト自体は低減を図っているものでございます。
 また、この設計案につきましては、標準的な建物と比較してエネルギーの消費量が半分程度になる庁舎を目標に、環境共生型庁舎として計画をいたしております。具体的には、自然エネルギーの有効活用、熱負荷の低減、消費エネルギーの抑制、環境への配慮、設備機器の長寿命化、自然素材の利活用を図るものでございまして、維持管理コストの抑制に配慮しておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。
 また、勾配屋根というその形状自体につきましては、決して複雑な形状というものではございませんので、勾配屋根自体が維持管理コストに大きな影響を及ぼすものではないと考えておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問ありませんか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 勾配屋根がそれほど直接維持管理コストに関わってこないということなんですけれども、私は各階に大きな勾配屋根を設けると、やっぱりふだんの電気代等の維持管理コストは変わらないかもしれませんけれども、雨漏りであるとか、今後将来的な修繕に関しては、やはり通常の4角いシンプルなものよりもかかってくるんじゃないかなというふうに率直に思うわけなんですけれども。
 そもそも、今現在出来上がった庁舎なんですけれども、市長が自ら主張されてきたことと、また出来上がってきた庁舎案が私は相反するものではないかというふうに考えているんですね。賠償金も含めて大きな代償を払っているわけですから、小西市長を支持された方にも十分な理解が得られるよう、自ら責任を持って説明をしていただきたいというふうに思いますので、もしご見解がありましたらお願いいたします。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 まず、嵐理事からお答えしましたように、まず延べ床面積をいかに必要最小限に抑えるかということを主眼に取り組んできたわけでございます。そういう中で、それぞれ働く職員、若手含めて職員の意見、そして市民の方の様々な意見、そしてその中で出てきました様々な行政ニーズ、例えばサービスニーズであるとか、実際職員間の連携をどう図っていくのか、職場環境をどういうふうにつくっていくのか等を総合的に判断した場合、現在ご提案している庁舎が最もベターではないかということで、それぞれ基本設計の事業者さんともそれぞれちゃんとお話ししながら詰めてきた内容がこの内容でございます。
 したがいまして、私がこれまで申し上げてきたものとの整合性は私はあるというふうに考えておりますし、この形がベターだというふうに思っております。様々なお考えの方があるということは、先ほど申しましたように、承知しておりますけども、ご理解のほどお願い申し上げたいと思いますし、今後も説明に努めてまいりたいと思います。
○議長(平井せい治君) 質問ありますか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) ただ、数十億円という建設工事がかかりますし、やっぱり50年、60年と使うわけですから、私もここで真剣に議論をさせていただきたいという思いで質問に立たせていただいておりますので、そのあたりはご理解のほどよろしくお願いいたします。
 次に、近江牛の地域資源認定について再問いたします。
 小西市長が県に対し地域資源の認定の取消しを求め、国に訴えを起こされました。その後、協議を続けられた結果、県が地域資源の認定を取り消しせずして、県と市が合意に達したのはなぜなのか、お伺いをいたします。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 吉岡総合政策部理事。
◎総合政策部理事(吉岡俊明君) 岩崎議員の再問にお答えいたします。
 審査申出を行ったのは、関係市町の合意を得ずに地域資源の認定に踏み切った手続が果たして正しいのかどうかを判断していただくものであり、今般県との協議の中で、運用ルール等を見直し、合意することとなったことから、申出を行う理由がなくなったので、この審査の申出を取り下げたところでございます。
○議長(平井せい治君) 質問ありますか。
 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 では、近江八幡市のふるさと納税サイトを見ますと、市外の販売業者さんも数多く参画されておるんですけれども、近江八幡の返礼品の近江牛については、全て近江八幡市内で飼育された近江牛なのか、お尋ねいたします。
○議長(平井せい治君) 吉岡総合政策部理事。
◎総合政策部理事(吉岡俊明君) 岩崎議員の再問にお答えいたします。
 全て近江八幡市で飼育された近江牛なのかとのご質問でございますが、まず本市の謝礼品提供請負事業者につきましては、本社、支社、または営業所のいずれかを市内に要すること、また1年以上の生産、加工、販売実績があるものとしているところでございます。
 牛肉の精肉につきましては、総務省は屠畜場までが加工であるとの見解であり、この地場産品基準に当てはめ、本市以外で肥育されたを近江牛についても謝礼品として取扱い可能であるため、本市の謝礼品の中には近江八幡市以外で肥育された近江牛も含まれておるところでございます。
○議長(平井せい治君) 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 ちょっと私の素朴な疑問なんですけれども、近江八幡市の主張からすると、近江牛を生産していない市町が、他市町で育った近江牛を返礼品とし使用するのはよくないということをおっしゃっているのかなと思うんですが、逆に近江八幡市が他市で育った近江牛を返礼品として扱っているということなんですけれども、もし、ここの説明は結構なんですけどね。ということが私の素朴な疑問になります。このあたりは、ふるさと納税制度もまた国に対して様々な要望としていただきたいというふうに思っております。
 では、先ほども市長の答弁の中で、本気で生産農家と関連業者を守りたいがために申請を申立てをされたというふうな回答がありましたけれども、市長は三日月知事と直接会って交渉されたのか、お考えをお聞きいたします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 行く前に話がついてしまったような状況になりましたので、直接話す機会はありませんでした。
 付け加えて言いますと、県となぜ、どこで、法律論で言っておきますと、結局技術的指導というのが国から出されてまして、この精肉の加工まで含めて、いわゆる関係団体の承認を取るというのは技術的指導という形で総務省から提案されております。その基について県の見解とていうのは、技術的指導には従わなくていいんだというのが県の見解であります。確かにこれまでの経緯により、公的行政機関と私人との間においては従わなくてよいんだということのようでございます。これはもう国会の審議等でされているようでございますけども。ただし、行政機関内、行政機関同士の間において、監督官庁の出す技術的指導を無視していいものかどうかということに関して非常に大きな疑義がございました。そういう意味で、私どもこういう申出をさせていただいたわけでございますけども、議員ご指摘のとおり、近江八幡市において畜産業ですね、近江八幡市は畜産業というのはもうかけがえのない産業となっております。これは単に畜産農家、流通業者だけではなくて、観光を含めまして町全体に大きな影響があると。こういう面では、先ほど申し上げましたとおり、何が何でも守っていかなきゃいけないという強い意志は持っておるところでございます。
 そういう中で、我々最も危惧したのは、そういう生産農家や流通業者を抱えない市町がどのようにして品質を担保することができるのかと。性善説に立ちますと、ちゃんとやってくれるだろうということになるわけでございますけども、過去の例ですね、いろんなふるさと納税をめぐる諸事例を見る限り、そこのところというのは必ずしも担保されているわけではないというふうに我々は考えておりますし、地元の事業を守るという意味では、やっぱり性善説に我々は立てないということで、こういう一連の申出をさせていただいたということでございます。それが県で合意に至ることによって、一定担保ができたということで取下げをさせていただいた、こういう経緯でございますので、ご理解のほどよろしくお願いを申し上げます。
○議長(平井せい治君) 岩崎君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 私は、この問題を調査するために実際に肥育農家を訪れてお話をお伺いをいたしました。やはり大きな波紋を起こしていることは間違いないと思います。ですので、本当に国に申請をする前に、市長がやっぱり知事と直談判をされるべきじゃなかったのかなというふうに私自身は考えております。
 数百頭の牛を飼育するとなると、本当にもう年中無休、休みありません。想像に絶する苦労があります。本当にこれから関連会社さんとか、ほかの市町、県との関係を心配するところではあるんですけれども、最後、ちょっと要望をさせていただきたいというふうに思います。
 以上、ちょっと厳しい質問になってしまったかもしれませんけれども、今回の騒動自体が近江牛のブランドを下げてしまったというふうにも私言われましたし、ふるさと納税制度の下、自治体間での寄附の取り合いはやめてほしいという声も実際いただいております。
 私は過去の議会でも訴えさせていただきましたように、近江八幡市がよりよい町になるためには、自治体間競争ではなくて自治体間協調だというふうに思ってます。特に近隣市町との連携、県や国との良好な関係づくりが必要です。今回、近江牛が地域資源に認定された以上、これからは最大の生産地である近江八幡市が県や市町をリードするような形で、近江牛のブランドを向上させていただきたいと望んでおります。
 最後になりましたが、コロナ禍において目下必要とされている課題にきめ細かな対応が今必要とされています。明日は同会派の山本妙子代表からワクチン接種事業や安土小学校の整備についても質問がありますけれども、庶民の目線で物事を考えていくこと、これこそがこのコロナ禍において望まれているところであります。
 私もこのように勇気を持って、幅広い市民の皆さんのお声を代弁させていただいております。コロナ禍においては、各部局の皆様も大変ご苦労絶えないと思いますけれども、近江八幡市発展のために私も真剣に取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 以上で私の個人質問を終了いたします。長時間ありがとうございました。
○議長(平井せい治君) 以上で岩崎君の個人質問を終わります。
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