録画中継

平成27年第4回(12月)近江八幡市議会定例会
12月10日(木) 個人質問
重田 剛 議員
(1)自主防災について
   ①食糧や毛布など備蓄品について
   ②病気の方や要介護、要支援の方の避難について
   ③つくり方や活動について
(2)認知症予防について
   ①認知症地域支援推進員、認知症初期集中支援チームについて
   ②認知症予防教室について
(3)キャリア教育について
   ①小学生の職場訪問や社会見学について
   ②中学生チャレンジウィークについて
(4)地域住民の交流、子育てについて
   ①サロンについて
   ②子ども食堂について
◆2番(重田剛 君) 皆さんおはようございます。
 翔政会の重田剛でございます。
 議長のお許しをいただきましたので、発言通告に基づき質問させていただきます。
 このたび私は、自主防災について、認知症予防について、キャリア教育について、地域住民の交流、子育てについての以上4点について、分割方式で質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ところで、早いものでことしも残すところ20日ほどになりました。これからますます寒くなってまいりますので、皆様、健康管理には十分にご留意くださり、ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
 質問に入ります前に、お願いがございます。個人質問も3日目、私は14番目でございます。さきの先輩議員との質問が重複する場合もございますが、こちらに立たせていただいて3度目、1年生議員でございますので、学校でいうならテストに出てくる大切なところと捉まえて、何とぞ丁寧にご回答いただけますようよろしくお願いいたします。
 それではまず初めに、自主防災についてお伺いいたします。
 1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災の教訓から、当市においてもコミュニティエリアの一体整備にあわせて、各学区に、有事の際に学区民の1割の方が3日間避難できる防災機能を兼ね備えた施設の整備に取り組んでこられました。これは、地域の住民にとっても心のよりどころとなっております。
 でも、せっかくよいものができても、みんなの防災に対する意識が高まらなければ何もなりません。自分の命は自分で守る、自分たちの町は自分たちで守るという思いが大切です。
 そこで、質問です。
 有事の際に備えて、食料や毛布などの備蓄品はどのようになっていますか。
 また、病気の方や要介護、要支援の方々の避難先は確保しておられますか。
 そして、このようなときに効果を期待できるのが、市が進める、自治会や町内会で組織する自主防災組織だと考えますが、そのつくり方や活動をお教えください。
 以上、この項目の初問とします。ご回答をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 冨士谷市長。
             〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) 重田議員の自主防災についてのご質問にお答えいたします。
 まず、食料や毛布などの備蓄品についてでございますが、地域防災計画では人口の1割を備蓄目標としております。
 食料につきましては、アルファ米、ソフトパン、水など、目標数である8,200人の1日分を備蓄しております。非常食には有効期限がありますので、防災訓練等で活用し、順次更新しているところでもあります。
 また、毛布につきましては、目標の約60%に相当します4,800枚を保有しておりまして、今後も毎年一定数量の購入に努めてまいります。
 次に、病気の方や要介護、要支援の方々の避難先についてでありますが、高齢者、障害者など避難に時間を要する方々には、避難準備情報の段階でコミュニティセンターへの早期の自主避難をお願いしております。また、病気など介護を要する方で、一般的な避難所では生活に支障を来す場合には、高齢者大規模デイサービスセンター、また特別養護老人ホーム、さらには障害者生活介護事業所など、市内の9施設を福祉避難所として確保しているところであります。
 次に、自主防災組織のつくり方や活動についてでありますが、自治会組織に自警団などの組織がある場合には、この組織の活動を充実させる方法や、自警団などの組織がない場合は、自治会体制に防災の分野を新設いただくことも考えられます。いずれにいたしましても、地域の中で防災に対する共通理解を深める機会を持っていただき、地域のリーダーを中心に自主防災組織が円滑に行動できることが重要となります。
 自主防災組織の活動内容についてでありますが、有事の際には、情報収集、情報伝達、避難誘導、また消火活動、救急活動などに取り組んでいただくこととなります。また、平常時には、防災知識の普及、情報伝達訓練、避難誘導訓練、地域の安全点検、資機材の整備点検、さらには初期消火などの防災防火訓練などに取り組んでいただいております。このような平常時の取り組みの積み重ねが、有事の際に大きな効果があらわれるものと考えているところでございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) ありがとうございました。さすが冨士谷市長肝いりの防災面への配慮でございまして、館だけではなくソフト面もしっかり充実しているということをお聞かせいただいて、安心しております。
 ところで、先ほども申しましたように、自主防災組織というのが自治会単位で非常に大切になってくると思うんですけど、市内の自主防災組織の設置状況はどのようになってございますか、お伺いいたします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 小西市民部理事。
◎市民部理事(小西正彦 君) 重田議員の、自主防災組織の設置状況でございますが、島学区、岡山学区では全ての自治会で設置をいただいております。市全体で見ますと、この11月末で133の自主防災組織の設置をいただいております。約80%の設置率となっているものでございます。
 私どもの担当部局、危機管理課のほうでは、昨年度から、設置のできてない自治会に対しまして重点学区という形で取り組みをさせていただきまして、連合自治会、また消防団などの協力を得て出前講座を開催しながら、自主防災組織の設置に向け取り組んでいるところでございます。ちなみに、今年度でございますが、桐原のほうでコミュニティーゾーンのエリアの整備が進められております。この機会に桐原学区を重点地区として取り組んでいるところでございます。
 議員の皆様方には、自主防災組織が未設置の自治会につきましての設置協力、また自主防災組織がございますのは、やはり日常の活動が必要となってくるものでございます。自主防災組織の育成に対しましてご協力なりご支援を賜りますことをお願い申し上げたいと思います。
 以上でございます。
○議長(園田新一 君) 質問ありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) それでは、特に今活動が盛んなところの取り組み事例を二、三、上げていただけますか。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 小西市民部理事。
◎市民部理事(小西正彦 君) 自主防災組織の取り組み事例でございますが、防災だよりという形で活動内容を学区民の方に、また自治会の方に周知をされる啓発活動、また避難所運営訓練というんですか、HUG訓練に取り組んでいただいている自治会、またプロパンなどを使って炊き出し訓練をやっていただいてる自治会、それと町内の中でどこに危険箇所があるのか、また町内の中からどういう形で避難所まで行けばいいのかというような避難ルートの確認をいただいているところがございます。さらには、防災マップというんですか、各自治会の中で自分たちの今申し上げたような点検訓練をされて、危険箇所を明示した自治会マップをつくっておられるところもございます。
 これ以外に、学区単位でそれぞれ避難所の運営訓練なり避難所の開設訓練、また防災訓練を実施をいただいているところがございます。
 以上です。
○議長(園田新一 君) 質問ありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) 備えあれば憂いなしと申しますが、いつどこで起きるかわからない災害に対して、少しでも被害を小さくするためにも、自主防災組織を充実させて、災害に強い町、人をつくる努力をしていきたいと思います。幸い、お正月も近いので、一度家族でゆっくりと避難場所の確認などをお話をしていただくとよろしいかと思います。ありがとうございました。
 次に、認知症予防についてお伺いいたします。
 過日10月20日の日に、教育厚生常任委員会の視察研修で、大分県宇佐市へ、地域で取り組む認知症予防の勉強に行ってまいりました。八幡宮の総本社宇佐神宮のあります、人口5万9,500人、65歳以上の高齢化率31.5%の町でございます。軽度認知障害が治った奇跡の町と言われて、マスコミにも取り上げられている町でございます。
 市内の認知症予防教室で、現在約300名の方々が活動をされておられました。その1グループに私たちも入って、実際に体験してまいりました。
 私たちよりもお元気で、楽しそうにしておられましたので、軽度認知障害の方々にはとても思えませんでした。ゲームも体験させてもらったんですけど、私よりはるかに上手でございました。私のほうが危ないなと思っておりました。
 それを踏まえて、何点か質問させていただきます。
 本年1月、新たに、認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランが策定されました。認知症になっても住みなれた地域で適切な医療、介護を受けながら暮らし続けられるよう、早期、事前的な対応に重きを置き新設された認知症地域支援推進員と、近江八幡市が他の市町に先駆けて先進的に取り組んでこられました認知症初期集中支援チームの役割や現状について、岡山議員と違いますので、少し詳しくお教えくださいますか。
 また、西津議員もお伺いしてましたが、大切なことでございますので、認知症予防教室などは市内ではどのような状況になっているのか、もう一度お願いいたします。
 以上、この項目の初問といたします。ご回答をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 津田福祉子ども部理事。
             〔福祉子ども部理事 津田幸子君 登壇〕
◎福祉子ども部理事(津田幸子 君) 議員の認知症予防に関するご質問にお答えします。
 まず、認知症地域支援推進員の配置については、国の新オレンジプランの7つの柱の一つである、認知症の様態に応じた適時適切な医療、介護等の提供の中に位置づけられております。その役割としては、認知症の人やその家族の相談や状況に応じて必要な医療や介護等のサービスを受けるための医療機関等へのつなぎ、認知症の人に必要な新たなサービスの開発、市民の方に認知症を身近な病気として理解していただくための講座の開催などの活動を行うに当たり、平成30年度には全ての市町村に配置することになっております。
 また、推進員は、医療や介護に係る知識や経験を有する専門職で、国が定める研修を受講した者をもって充てることになっており、本市におきましては、市の職員、保健師、社会福祉士3名、委託先の地域包括支援センター職員3名の合計6名が既にその役割の一部を担っておりますが、本来の役割を果たすためには専従体制が必要と考えます。現状の活動としては、かかりつけ医や認知症初期集中支援チーム員と連携した認知症の人への相談支援や、初期の認知症の人が集い認知機能低下予防などを行う場である認知症カフェの企画や運営などを行っています。
 次に、認知症初期集中支援チームの役割についてですが、医師、薬剤師、作業療法士などの医療と介護の専門職で構成されたチームが、認知症の早期診断、早期対応を目的として、各地域包括支援センターとともに、認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族に早期の段階から支援するものです。
 初期という言葉には2つの意味があります。認知症の最初の段階という意味と、これまで医療や介護サービスの利用をされていない人への支援の初期という意味がございます。
 現状としましては、家族が体調の変化や認知症の初期症状に気づいても、本人がなかなか認めることができず、病院に行きたがらない場合がございます。そのようなときに、チーム員が複数で自宅を訪問し、本人や家族から体の状況やふだんの生活の中で困り事などを確認し、どのようなかかわり方や支援が必要かを一緒に考えます。また、かかりつけ医との連携をとり、専門医師を交えてアドバイスをもらう機会を設け、必要に応じて他の機関や介護サービス等の利用に向けて調整をいたします。おおむね6カ月間を目安に支援を行い、その後も継続して適切な医療や介護保険サービスが受けられ、安心して暮らせるよう、ケアマネジャー等の関係機関に引き継いでまいります。
 次に、認知症予防教室の本市の状況についてお答えいたします。
 さきの西津議員のご質問でもお答えしましたけれども、本市では、認知症予防に特化したものではありません。継続的な運動の場として、ゴムバンド体操、いきいき百歳体操を位置づけております。ゴムバンド体操は平成18年から、いきいき百歳体操は平成21年から取り組み始めており、現在、11月末現在ですけれども、合わせて市内78カ所、人数として1,500人の方が毎週主体的に活動されております。
 認知症予防の取り組みとしまして、今後もこれらの活動のさらなる普及に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) たびたびのご回答ありがとうございました。
 それでは、再問させていただきます。
 予防教室で大切にされておられることはどのようなことでしょうか。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 津田福祉子ども部理事。
◎福祉子ども部理事(津田幸子 君) 先ほどのいきいき百歳体操を考えますと、一番大事なことは継続するということになります。そのためには、活動に参加される方が興味を持って積極的に参加したいと思うような内容の工夫、それから参加しやすい雰囲気づくりということを大切にしておりますので、支援者の方々がそういったことを非常に取り組んで創意工夫をされているということです。
 それから、市の担当課のほうが大事にしております視点としましては、参加者自身が認知症予防の必要についてやはり理解して、自主的に継続的に参加するという意識を持つための動機づけ、そして教室の当日だけではなくて自宅に帰っても継続すること、それからおうちの中でできるだけ自立した生活を送ってもらうということをお勧めしています。それから、地域に活動が定着をするということでは、参加している方だけではなくて地域の周りの住民の方が活動を理解するということの啓発であったり、教室のリーダー育成ということを考えて進めています。
 それから、年に1回は、モニタリングといいまして、評価のために訪問をさせていただくんですけれども、現場に、そのときには運動機能をきちっと評価をして、筋力がついてる方にはもう少し高い量の運動を勧めたりとか、それからその中で欠席者の方が出てまいりますので、閉じこもっていないかとか認知症が進んだのではないかというようなことを早期対応するようにしております。また、口腔体操といいまして、一緒にそういったこともやるということもお勧めしています。
 いずれにしましても、体操を継続した結果ですけれども、運動の負荷を強化することとか、それと日常生活行為ですね、ふだんどおりの生活が継続的にできているかということが認知症予防にとっては一番大事な視点になりますので、そのことを確認するということをさせていただいております。
○議長(園田新一 君) 質問ありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) ありがとうございました。
 宇佐市でもそのようなご回答でございました。継続することは一番大切であるということでございました。
 それで、私たちももうそう若くはないんですけど、若いうちから気をつけなければならないことはどのようにお考えですか、お聞かせください。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 津田福祉子ども部理事。
◎福祉子ども部理事(津田幸子 君) ご承知かと思いますけれども、認知症の中で6割を占めるいわゆるアルツハイマー型認知症と言われるものは、発症までに数十年というような長い期間をかけて潜在的に進んでいくと言われております。ただ、近年の研究の結果の中からは、当たり前ですけれども、適切な食生活、運動、それから余暇活動、知的活動、休養というような生活習慣がアルツハイマー型の認知症の危険率を低下させるということはわかっております。特に糖尿病というリスクをお持ちの方は非常に発症のリスクが高いということがわかっております。
 それから、次に2番目に多い、2割程度を占めて、この2つで8割の認知症の中心になるんですけれども、脳血管性の認知症というものがございます。これは、高血圧と糖尿病予防ということが発症の予防につながるということになっております。
 つまりは、若いうちから運動不足と、それからたばこですね、それから糖尿病になる生活習慣ということを改め、そしてまた孤立をしないで自立した生活を送るという意識が非常に有効でございます。生活習慣病は自覚症状がないということが病気の特徴でございますので、潜在的に進行していても気がつきません。そういう意味では、毎年、職場の健診、それから市の健診を受けていただいて、自分の体の状態をしっかりチェックするということが最も若いときからできる私は予防策だというふうに思います。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) ありがとうございます。今、市長も、みんなやって言うて、目を大きくあけておっしゃっておられましたけど、私が一番危ないのかなあと思っておりました。
 認知症の治療薬の研究も進められているようで、そこに大いに期待するわけでございますが、誰もが健康で長生きを願うものであります。そうなるように心がけていきたいと、もう本当に生活改善しなあかんなと今思いましたけど。
 ちょっと余談にはなるんですけど、この前の6日の日曜日の日に、米原の文化産業会館で行われました県民の集いに行ってまいりました。去年、歌手の伍代夏子さんとステージをご一緒させていただいたご縁か、ことしの記念講演は講師に俳優の杉良太郎さんによる「幸せは誰にでもある権利~全ての人が幸せを~」と題してお話をされました。私、お話を伺うまで知らなかったんですけど、非常に福祉に力を入れておられる方で、国内外に、本当に国内にとどまらず外国にも何十もの病院や施設、学校を建設したということをおっしゃっておられました。
 そんな中で、いいお話を聞かさせていただいたわけなんですけど、自分は、自分はって杉さんですよ、杉さんは、お金をたくさん持っていると、ほんであの世までお金は持っていけないっていうことで、私はお金を持っているからそういう施設とかそういうところに寄附をしてどんどんお金を出していってるということをおっしゃっておられました。で、会場の皆さんに、会場の中でお金のある方はお金を出してください、そしてお金のない人は時間を出してくださいといって、ボランティアを勧めておられました。そして、お金も時間もない人は福祉のことを理解してくださいと熱く語っておられました。私たちもいずれ年を重ねて通っていく道でございますので、認知症のみならずしっかりと理解をして、温かく支えていって、お互いに支え合えるような、そんな社会になることを願いたいと思います。
 次に、3点目の質問に移らさせていただきます。
 3点目は、キャリア教育についてお伺いいたします。
 子どもが社会人、職業人として自立していくことができるように、また職業や働くことへの関心を高め、勤労観、職業観など必要な価値観を育成し、自己の将来を設計できるようにするため、小学校では職場訪問や社会見学、また中学校では2年生が5日間の職場体験を行う中学生チャレンジウイークは、貴重な体験や機会になると考えます。
 そこで、質問です。
 それぞれどのような取り組みをされておられるのか、お聞かせください。
 また、子どもたちの受け入れに協力してくださる事業所や事業主の方はどのようにして探しておられるのか、お伺いいたします。
 数年前と比べて数や種類はふえているのか、お伺いいたします。
 そしてまた、参加した子どもたちの様子や感想はどのようなものであったのか、お伺いいたします。
 以上、この項目の初問といたしますので、ご回答をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 日岡教育長。
             〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇 君) 重田議員の、キャリア教育についてのご質問にお答えいたします。
 キャリア教育は、ニートやひきこもり、また早期離職する若者がふえている社会情勢を受けて、広がりを見せてきました。また、マスコミなどで、人が操作しなくても自動的にブレーキがきく車が紹介されているように、昨今はさまざまな分野で機械化、効率化が進み、これまで人が担っていた仕事をコンピューターなどがかわりに行うなど、仕事そのものの質が大きく変化しています。ある調査によりますと、今学校で学んでいる子どもたちのうち、将来、65%の子どもたちは、現在にない仕事につく、つまり私たちの想像していない職業につくとも言われています。
 こうした社会の中で、子どもたちには、身につけた知識をもとにみずから創意工夫し問題解決する力や、その力を発揮するために人と豊かにつながる力が求められています。このため、キャリア教育は、小学校、中学校、高等学校などそれぞれの発達段階に応じて系統立てて取り組むことが大切です。小学校では職場訪問や社会見学、中学校では職場体験学習をキャリア教育の重点に位置づけ、取り組んでいます。
 小学校では、3年生で身近な商店や工場、農家を、4年生で消防署や清掃センターなどを、5年生で県外の自動車工場などを見学しております。これらの活動の中から、働くことの大切さや、自分たちの生活と仕事とのつながりを学び、そして日本の産業へと学びを広げていきます。また、地域の伝統産業についても学習し、物づくりなどの体験を通して、そこで働く人々によって受け継がれてきた先人たちのわざや地域への思いを学びます。
 中学校では、2年生で5日間の職場体験学習を行っています。商工会議所、商工会、農事改良組合などのご支援、各事業所のご理解、ご協力のもと実施しております。
 受け入れ事業所はおよそ200事業所、職種は農業、製造業、販売業を初め15種程度あり、ここ数年では事業所の数や種類は大きく変化しておりません。長年にわたって生徒を受け入れてくださっている事業所が大変多く、感謝しております。中には、受け入れができなくなる事業所もありますが、新たな受け入れ先を教員や学校の地域コーディネーターが開拓しております。このほかに、生徒みずからが地域に出向きお願いしたり、うちでやってみないかと直接声をかけてくださる事業所もあります。一定の事業所を確保した中での実施をしております。
 体験後の生徒の感想には、次のようなものがあります。物づくりの体験を通して、一つ一つの仕事が終わると、やり切った達成感とともに、仕事の大切さも身にしみて感じました。お年寄りと接する中で、相手を思い行動すれば心はつながるのだととても感動しました。私たちも相手を思いやり行動できる人間になりたいと思います。僕はこの体験で、将来、消防士になりたいと思いました。この経験を生かして、夢に近づきたいです。
 また、先日、体験先の近江八幡税務署の署長さんから、子どもたちの真剣な取り組みとその成長ぶりについて、温かいお言葉をいただいているところです。
 このように、職場体験学習は、仕事の厳しさとやりがいを味わい、自分の生き方について考える大切な機会となっております。小学校での職場訪問や社会見学、中学校での職場体験は、地域ぐるみで新たな社会の担い手を育てる取り組みであり、市の教育基本理念にある、ふるさとに愛着と誇りを持つ人づくりにつながるものと確信しております。
○議長(園田新一 君) 質問ありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) ありがとうございました。
 今のお答えで、65%の子どもが今ない職業につくと聞かされて、ちょっと驚いたんですけど、半分以上の方が新しい職種ということでございますね。
 それでは、再問させていただきます。
 情報が豊富な時代に、子どもたちの職業に対する思いや考え方が多種多様になっていると思われます。子どもたちのニーズに応じた職業体験が実施できるようにご努力、ご苦労されていることとお察ししますが、その点ではいかがでしょうか。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) まず、子どもたちのニーズに応じた体験についてですが、初問でもお答えしましたように、子どもたちの幅広い思いに対応できるよう、農業体験や、人と豊かにつながる福祉体験、物づくり、接客業などいろいろな職種を準備しております。事前に希望職種と希望理由についてアンケートを実施し、子どもたちの思いを受けとめて、その子にふさわしい体験先を決定していきます。
 この職場体験では、人とのかかわりや、自分に与えられた課題に責任を持ってやり遂げることなどを学びます。また、体験を通して、自分の生き方について考える生徒もおります。牛の世話をした生徒が、この5日間の体験で感動し、新たな目標を持ち、農業高校へ進学した子どももおります。事後の子どもたちの感想やその後の学校生活での様子からも、学び得たことの大きさを感じます。
 これからも、子どもたちのニーズを取り入れながら、より充実した職場体験学習になるように取り組んでいきたいと思っております。
○議長(園田新一 君) 質問ありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) ありがとうございます。
 新しい職業もそうなんですけど、伝統産業と呼ばれるものも大切かと思います。そんな中で、職の担い手を育成するという観点から、地域産業との連携が大切だと考えますが、それについてはいかがでしょうか。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 地域産業や地場産業との連携についてですが、本市のキャリア教育の推進に向けて、年2回、キャリア教育推進協議会を開催しています。この会合では、近江八幡商工会議所、安土町商工会、近江八幡市大中町農事改良組合の方々にもご参加いただいております。地域産業をリードするお立場から、中学生における職場体験学習のあり方についてご意見をいただき、各校での実践に生かしております。
 職場体験の前には、地域の事業所から講師を招いて事前学習会を行い、仕事の心構えやマナーなどについて学習するほかに、近江八幡で仕事をしていてよかったことや、地域に支えられて今があることなどをお話しいただき、職場体験への意識を高めています。また、体験後には、お世話になった事業所の方や保護者を招いて事後の発表会を行ったり、子どもたちの感想をリーフレットとしてまとめ、活動の様子を校区の住民の皆さんに広く紹介するなどしております。
 このように、職場体験学習は、5日間の体験だけでなく、事前や事後も含めて地域とのつながりを深める事業となっております。今後も職場体験学習にご理解、ご協力いただけるようよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 質問ありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) ありがとうございます。地域の方のご理解もあって、先生方も大変努力されていることと思いますが、近江八幡の子どもが将来、社会において自立し、社会に参画して、豊かで生きがいを感じながら生活ができるような自己の確立の一助になることを願います。
 また、体験や学習を通じて、郷土への愛着と誇りを持ってたくましく成長してくれることを願います。先人の近江商人が活躍されましたように、世界中で活躍してくれることを期待します。
 キャリア教育の趣旨を事業所や事業主様を初め多くの市民の皆様にご理解をいただいて、ご協力をいただけるように、私たち議員も努力していきたいと思いますので、今後ともひとつよろしくお願いいたします。
 最後になりましたが、最後に、地域住民の交流、子育てについてお伺いいたします。
 さきの3つの質問もそうですが、最近、人と人とのきずなが大切にされる時代に戻りつつあるように思います。特に、大きな震災などを踏まえて、より一層深まったような感じがしております。ボランティア活動が活発になってきたことも、本当にありがたいことでございます。
 子どもたちの周りを見ても、スクールサポーターやスクールガードさん、子ども110番の家、青パトロール、青少年育成会議の方の活動、スポーツ少年団の指導者の方など、子どもや学校を見守り応援してくださる方々がたくさんおられます。地域の子は地域で育てる、大変喜ばしいことです。また、核家族化が進む中で、子育てサロンやふれあいサロンなどが各地で開催されております。
 市内での交流を目的に開かれているサロンを幾つかご紹介ください。
 また一方で、夕食を一人で食べる子どもが多いことに着目して、全国的に子ども食堂が今注目されております。滋賀県でも、県の社会福祉協議会、滋賀の縁創造実践センターが、ことしの夏休みに5カ所で開設されました。楽しそうに食事をする姿がテレビでも放送されていました。また、夜の居場所フリースペースも、これも5カ所で始まりました。また、地域に子ども食堂をつくろうと呼びかけ、団体に活動支援として初年度20万円、2年目、3年目はそれぞれ10万円助成してくれます。
 滋賀県社会福祉協議会が取り組んでいる淡海子ども食堂についてお教えください。
 また、当市においても近江八幡ロータリークラブさんが、子どもの居場所づくりを行っていこうとする団体に上限50万円まで助成するとお聞きしましたが、お教えください。
 また、県と同様に市独自で活動を支援するお考えはあるのか、お聞かせください。
 以上、この項目の初問とします。ご回答をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 鳥居福祉子ども部長。
             〔福祉子ども部長 鳥居広子君 登壇〕
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) 重田議員の、地域住民の交流、子育てについてのご質問にお答えいたします。
 本市では、3カ所の子どもセンターや地域子育て支援センタークレヨンなど地域子育て支援拠点8カ所において、身近な場所で親子が気軽に集い交流できる機会の提供や育児相談の実施などの事業を展開しております。また、各学区のコミュニティセンターにおきましても、まちづくり協議会の子育て担当者を中心に、地域のボランティアによる子育てサポーターや地域住民の皆様の協力を得て子育てサロンが開催されており、地域で子どもを育てる環境づくりにつながっています。
 そのほかにも、安土町加賀団地では、平成14年度から継続してちびっ子サロンが開催されています。また、小舟木エコ村におきましては、子育てサロンがことし9月に新たにスタートし、それぞれの地域で自主的な活動が実施されています。特に若葉町自治会の親子サロンでは、地域の高齢者から昔遊びや知恵を学びながら、多世代が交流できる取り組みを実施されています。
 ご紹介させていただいたほかにも、それぞれの地域に応じた地域住民の主体的な互助による活動が行われており、これらの活動が地域全体の活性化につながっております。
 次に、淡海子ども食堂についてでございますが、滋賀の縁創造実践センターが平成27年度から30年度の4年間を期間として、遊べる・学べる淡海子ども食堂モデル事業実施団体への活動支援のための経費の助成や運営の助言、学習会の開催などに取り組まれています。現在、県内6カ所で事業が実施されておりまして、これに加え、6カ所から新たに申請があると聞いております。食事を通して地域ぐるみで子どもを大切にする、垣根のない居場所をつくることを目的とした事業で、県内の小学区ごとに100カ所から300カ所の展開を目指しておられるということです。
 子ども食堂は、月1回以上の実施を目安としまして定期的に開催することにより、子どもたちの居場所をつくり、また地域の方からの支援として食材の提供を受けるなど、できる限りお金のかからない方法で開催を継続することで、地域の協力者づくり、仲間づくりを進め、地域の子どもたちを地域で育む全員参加型の活動を推進していくものです。
 また、議員ご承知のとおり、近江八幡ロータリークラブでも今年度から、子どもの育ちをみんなで支える社会実現のための子どもの居場所づくりを行っていこうとする市内のグループ、団体に対しまして上限50万円までの活動資金を助成する実践支援女性団体募集事業を実施されています。本市におきましては、武佐学区社会福祉協議会がこの事業を活用し、子どもの居場所として子ども食堂の実施について検討されています。
 子どもの貧困対策としての食の保障だけではなく、地域における子どもの居場所の確保、大人も含めた地域における交流を目的とするもので、地域社会全体で子どもを支えるという観点からも大変意義のある取り組みであると認識しております。市といたしましても、活動に必要な情報の収集や提供を初め、この活動を市内全域に広げていくための広報活動の実施などについて検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(園田新一 君) 質問ありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) ありがとうございました。ますます広がっていくということで、ちょっとほっとしているというか、ありがたく思っております。
 それでは、再問させていただきます。
 子ども輝き事業の学びの広場で、学校の先生が地域で学習指導をする事業をされていたと思うのですが、詳しくお教えください。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) ご指摘のあります学びの広場は、市内の小学校、中学校の教職員が放課後の子どもたちへの学習支援として、週一、二回を基本に、1時間から1時間半の設定で定期的に行っているものです。小学校低学年は仲間づくりを、中高学年及び中学生は基礎学力の定着を主眼に置いた取り組みを行っております。
 当初行っていた県の事業では、限られた地域の児童・生徒を対象としていましたが、現在の事業では、市内4中学校区のうち3中学校区の生徒を対象に、市内の各子どもセンターなどを利用して行っています。残りの1中学校区は、県の事業からは外れましたが、学校独自で取り組んでいる状況でございます。
○議長(園田新一 君) 質問ありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) 先生方がボランティアでしてくださってると思いますので、ありがたいことでございます。
 また、放課後子ども総合プランという国の政策で、全ての就学児童が放課後などを安全・安心に過ごし、多様な体験、活動を行うことができるように、一体型を中心とした放課後児童クラブ及び放課後子ども教室の計画的な整備が進められておりますが、その内容と当市の計画をお聞かせください。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 国の事業であります放課後子ども総合プランに係ります再問についてですが、議員ご指摘のように、就学児童が放課後などを安全・安心に有意義に過ごすことのできる居場所づくりは大きな課題でもあります。本市におきましても、放課後児童クラブと放課後子ども教室を連携させた放課後の子どもに係る対応につきまして、関係課と議論を行い、現在、計画の作成に取り組んでいるところであります。特に学力保障の観点から放課後子ども教室を開催し、基礎基本の学習の定着を図りたいと考えております。
 初めは週1回程度をめどに、ボランティアを募った上で行い、徐々に回数や実施の範囲を広げていきたいと考えております。実施場所に当たっては、待機児童の多い地域や県の放課後等活用事業を取り組んでいない小学校区を中心に考えております。
○議長(園田新一 君) 質問ありませんか。
 重田剛君。
◆2番(重田剛 君) ありがとうございます。
 さまざまなところで子どもたちの健やかな成長を願って取り組みを展開しておられることは大変ありがたいことであり、喜ばしいことでございます。さまざまな取り組みが、週に1度の取り組みであっても、それがうまく連携していけば、週に1度が3つ集まれば3日になりますので、そうして子どもたちの居場所がふえていけば本当にありがたいと思っております。ボランティアのスクールガードさんなんかも非常にたくさんおられるこの近江八幡市でございますので、そういう取り組みがますますふえていってくれることと期待しております。
 学校、家庭、地域が連携して、社会全体で、未来ある子どもたちの明るい将来のために力を注いでいかなければなりません。先日の議会報告会でも、放課後児童クラブ、いわゆる学童保育の問題が非常に多く取り上げられておりましたが、社会全体で子育てをし見守る必要があると思います。そして、そう遠くない日に、学童保育に頼らなくても、昔のように公園で子どもたちが元気に遊ぶ姿が見かけられるときがやってくると思っております。
 子どもたちは、遊びを通していろいろなことを学び、たくましく成長してくれることと思います。子どもから大人まで交流し、きずなを深め、互いに支え合い、孤独にならず、生きがいを感じながら生き生きと暮らせる、ぬくもりあふれる、地域力の高い近江八幡市になることを願って、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(園田新一 君) 以上で重田剛君の個人質問を終わります。
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