録画中継

令和3年第3回(9月)近江八幡市議会定例会
9月9日(木) 一般質問
岩崎 和也 議員
(1)コロナ禍に乗じた特殊詐欺への対応について
   ①本市における被害の状況と対策について
   ②ドライブレコーダーと警察との連携について
(2)コロナ禍における子ども達の安全な教育環境について
(3)気候変動と災害の激甚化への本格的な対策について
   ①豪雨による被害状況と対策について
   ②防災士の育成について
   ③気候変動と脱炭素化への取り組みについて
(4)行政のデジタル化とマイナンバーカードについて
   ①行政のデジタル化について
   ②マイナンバーカードの有効活用について
(5)新庁舎建設の延期について
   ①今後のスケジュールについて
   ②基本計画について
◆2番(岩崎和也君) 皆さんこんにちは。公明党の岩崎和也でございます。
 今回は会派を代表して大きく5項目を分割にて個人質問させていただきます。小西市長はじめ当局の皆様、よろしくお願いします。
 東京オリンピック・パラリンピックが閉幕しました。世界的なパンデミックの中での開催は世界各国からの注目を集めましたが、時を同じくしてデルタ株の急拡大、国民が大きな不安を抱える中でありましたが、世界中から集まってこられたアスリートたちの躍動と国籍、民族を越えた絆が世界平和への強いメッセージになったと確信をしております。必ずこのコロナ禍を乗り越え、次代への教訓としていかなければならないと感じました。
 一方で残念なことに、出場選手を誹謗中傷したり、コロナ禍に乗じてデマや偽情報をSNSなどで発信するなど、情報の氾濫で社会が混乱しております。未曽有の危機であるコロナ禍を乗り越えていくためには、事実に基づいた情報が人々に安心を与え、正しい生活様式の実践と行動変容を促すことができると考えます。私も正確な情報の配信に努めていきたいと思います。
 それでは、質問に入ります。
 まずは、大項目の1つ目、コロナ禍に乗じた特殊詐欺への対策について質問します。
 本市における被害の状況と対策について。
 コロナ禍の長期化で高齢者は自宅で過ごされることが多くなりました。地域行事なども中断を余儀なくされ、心身ともに健康を心配されるところです。不安な生活に付け込んでワクチン接種にまつわる詐欺や、商売が苦しいからと偽って同情を買わせ、法外な金額で商品を購入させるようなコロナ禍に乗じた詐欺事件も発生しています。滋賀県や本市においても特殊詐欺の注意喚起が頻繁になされているところではありますが、巧妙な手口で高齢者を狙っており、犯行グループも市内に入ってきていると考えられます。
 私は、社会的弱者を狙った特殊詐欺は断じて許されるべきものではなく、より実効的な対策が必要と考えています。
 本市では現在、どのような特殊詐欺が発生していて、被害状況などを教えていただきたいと思います。
 また、本市におけるこれまでの対策を教えてください。
 次に、ドライブレコーダーと警察との連携について。
 公用車にはドライブレコーダーが設置されておりますが、ドライブレコーダーは事故時の検証だけではなく、動く防犯カメラとしても役立ちます。警察や防犯組織の連携を深めることで、事件の早期解決のみならず、犯罪の抑止効果や、市民の立場では見守られているという安心感にもつながっていくのではないでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
 以上、初問とします。
○議長(平井せい治君) 当局の回答を求めます。
 岡田総務部長。
 〔総務部長 岡田清久君 登壇〕
◎総務部長(岡田清久君) 岩崎議員のコロナ禍に乗じた特殊詐欺への対策についてのご質問のうち、公用車のドライブレコーダーと警察との連携に関するご質問にお答えを申し上げます。
 ドライブレコーダーは運転中の映像や音声などを記録する車載装置であり、交通事故やトラブルが起きた際に正確な情報が把握できるとともに、職員の交通安全に対する意識やマナーの向上を図ることを目的として、本市所有の公用車に順次ドライブレコーダーの設置を行っているところでございます。
 公用車は行政用務を果たすため、職員が市内及び市外に出張する場合に使用しておりますが、ドライブレコーダーは常に映像を録画をしていることから、事件や事故が発生した場合の早期解決につながる有力な情報として活用できるものと考えております。
 これまで事故や犯罪等の解決に向けて警察から映像などの情報提供の依頼があった場合は、ドライブレコーダーの映像や音声を提供する事案もございまして、議員ご指摘のとおり、動く防犯カメラとして犯罪などの抑止効果が期待されることから、本市の安心・安全なまちづくりの実現に向けて活用してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平井せい治君) 田村市民部長。
 〔市民部長 田村裕一君 登壇〕
◎市民部長(田村裕一君) 岩崎議員のコロナ禍に乗じた特殊詐欺への対策についてのご質問のうち、本市における被害の状況と対策についてのご質問にお答えいたします。
 近江八幡警察署に確認いたしましたところ、令和2年1月から12月の1年間における管内での発生した特殊詐欺の被害件数は4件で、被害額の合計は273万円とのことでした。その多くは、あなたの口座が犯罪に利用され、キャッシュカードの交換が必要などと、暗証番号を聞き出し、キャッシュカード等をだまし取る手口の預貯金詐欺となっております。
 また、最近では、市役所や金融機関の職員をかたり、保険金などの還付金をATMに受け取りに行くよう指示し、銀行口座からお金を引き出させようとする内容の電話が本市を含め近隣市町で多数かかっています。
 具体的な事例を挙げますと、保険年金課職員をかたり、年金保険の過払い金があり、2万6,200円を返還します。締切りは今日までです。振込先の金融機関名を教えてくださいと電話があり、その後金融機関を名乗る者から電話で、ATMまで行き、着いたら電話をかけてくださいと言われ、犯人からATMの操作を指示され、振り込ませる手口です。
 こうした手口が多数発生していることから、今年8月16日から25日までの間、滋賀県内に特殊詐欺多発注意報が発令され、本市もタウンメール等で市民の皆さんに周知し、注意喚起を行ったところです。
 このような特殊詐欺による被害を未然に防ぐため、本市では消費生活相談員や消費生活サポーター、はちサポによる出前講座を実施しています。自治会やふれあいサロン、デイサービス等の介護施設、放課後児童クラブ等にて、消費生活におけるトラブルや対策等を寸劇やクイズを交えて楽しく学んでいただくものです。現在は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により実施が難しくなっておりますが、例年、年間30から40の団体に対し実施しております。
 また、市広報の今月の暮らしの豆知識のコーナーやZTVの行政番組「テレはち」にて消費者トラブルや特殊詐欺の事例を挙げて、市民の皆さんが被害に遭わないよう注意を促しております。このほか、新型コロナワクチンの高齢者接種会場において特殊詐欺被害防止DVDの上映やチラシの掲示を行ったところです。
 特殊詐欺は、以前に比べ悪質かつ巧妙化しています。詐欺の手口や対策について市民に知ってもらい、詐欺被害を防止できるよう、引き続きあらゆる機会において啓発に努めてまいります。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありますか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ご回答ありがとうございました。
 金融機関や市役所職員をかたるアポ電が頻発しております。まずは、特殊詐欺については、一人も被害者を出さないとの強い意志を持って対策をお願いします。銀行やコンビニの店員さんが、利用者の様子から不審に思って詐欺を防いでくださっている事例もありますので、各所連携して対策をお願いいたします。
 ドライブレコーダーについてですが、他市では個人や企業、団体等が行政と一体となって、事件、事故が起きた場合、警察へスムーズに情報提供がなされるような取組をされているところもありますので、成功事例を参考にしながら今後の検討をお願いいたします。
 続いて、大項目の2つ目、コロナ禍における子どもたちの安全な教育環境について質問をいたします。
 デルタ株の猛威で収束が見通せない中、学校では新学期がスタートしました。これまでのコロナウイルスと比べて何倍も強い感染力を持つデルタ株コロナウイルスは子どもにも感染が拡大しており、教育現場においても最大の緊張感を持って運営をお願いをいたします。
 12歳未満はワクチン接種の対象外のため、特に小学校、就学前の施設では特別な対応が必要で、絶対にクラスターを発生させないとの強い意識が必要です。
 学校では、この新学期からどのような感染防止対策をされるのでしょうか。また、家庭ではどのように気をつけなければならないのか、詳しくご教示ください。
 以上、初問とします。
○議長(平井せい治君) 当局の回答を求めます。
 大喜多教育長。
 〔教育長 大喜多悦子君 登壇〕
◎教育長(大喜多悦子君) 岩崎議員ご質問のコロナ禍における子どもたちの安全な教育環境についてお答えします。
 1つ目の学校の感染拡大防止対策についてお答えします。
 滋賀県では9月12日まで緊急事態宣言が発令されています。滋賀県教育委員会も、学校の行動基準の基になる地域の感染レベルをレベル3に引き上げました。このような状況の中、文部科学省が示している衛生管理マニュアルを踏まえて、感染拡大防止対策を強化して学校での教育活動を行っています。
 まずは、できる限り感染経路を断つ必要があるという観点から、本人だけではなく同居する家族に発熱等風邪症状が見られる場合は、登校を控えていただくようお願いしております。併せて、登校後具合が悪くなった場合は、速やかなお迎えをお願いするとともに、就学前施設や他校種の兄弟、姉妹も同様に早退していただくことをお願いしています。
 授業の形態としましては、教室内での密接を避けるために、中学校では分散登校をしています。小学校では、分散登校にすると低学年の児童は家で1人で過ごすことが困難になることや、集団登校が成り立たなくなることもあり、授業時間や休み時間を短くして下校時間を早める、いわゆる短縮授業を行っています。
 教室内では、子ども同士の距離が近くなることもあるので、飛沫飛散防止ガードを取り付けたまま授業を受けています。
 特別活動では、この宣言下で子ども同士の接触機会を少なくするため、校外学習や中学校での部活動も中止しています。
 授業では、教科等における感染リスクの高い活動、例えば近距離で大きな発声を伴う活動や調理実習、密集したり接触したりする運動などは行わないこととしています。
 その他、給食時は手洗い、消毒、黙食の徹底や飛沫飛散防止ガードを活用して感染拡大防止対策に努めています。
 2つ目の家庭での留意事項についてお答えします。
 各家庭には、新学期が始まる前に、先ほど申し上げましたが、学校での感染拡大防止対策について市のホームページに掲載し、タウンメールでお知らせしました。その中で各ご家庭でお願いしたいことを3つ伝えています。1つ目は、ご家庭においても手洗いやマスクの着用、せきエチケット、換気、3密の回避などの基本的な感染症対策を徹底していただくこと。2つ目は、適度な運動とバランスの取れた食事、十分な休養、睡眠など、調和のとれた生活をしていただき、子どもたちの免疫力をしっかりとつけていただくこと。3つ目は、健康観察に努めるとともに、発熱等風邪症状がある場合は速やかにかかりつけの医療機関を受診していただくことです。
 文部科学省は、児童・生徒等の学びの保障や心身への影響等の観点を考慮し、特に小・中学校における地域一斉の臨時休業は避けるべきとしています。基本的な感染拡大防止については、変異株であっても従来と同様の対策が有効であるとされています。感染拡大防止対策の徹底を図り、子どもたちの安全な教育環境の構築に努めてまいりますので、議員のご理解よろしくお願いします。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 教育長、ありがとうございました。
 子どもは活動的ですので、感染防止を徹底していくためには丁寧な指導が必要だと考えます。感染しても子どもは軽症や無症状であることが多いようですが、子どもを介して家庭や地域で感染が広がらないようにしないといけません。そのためにも学校現場で必要なものにはちゅうちょなく予算を確保し、安心・安全な学校生活が送れるようにお願いをしたいと思います。こういうときだからこそ財源を速やかに確保し、特にコロナ対策においてはふるさと応援寄附金を柔軟に使用していただく必要性があるのではないかと思っております。
 これから冬の寒い時期になると密閉空間になりやすくなります。今、学校では検温器等設置されていると思うんですが、さらなる検温器やサーマルカメラ、そういったものの増設や、もしかするとベッドも必要になってくるかもしれません。CO2の濃度測定器が教室に配備されておりましたら、適切なときには適切な時間、換気することも可能であると考えます。ぜひとも現場に合わせてデジタル機器の導入等もご検討をお願いしたい、そのように思います。
 ソフト面においては、学校、家庭において子どもたちの健康状態をしっかり把握すること、子どもたちが体調不良を訴えやすい環境づくりというのも大事だというふうに思います。そして、フィジカルディスタンスとも呼ばれる身体の接触を最小限に抑えられるような認識を深めることが大切だと思います。学校と保護者がしっかり連携を図れるようお願いを申し上げます。
 続いて、大項目の3つ目、気候変動と災害の激甚化への本格的な対策について質問します。
 まずは、豪雨による被害状況と対策について。
 8月13日から15日にかけて近江八幡市においても激しい雨が降り続き、各地で冠水、土砂崩れもありました。日野川等大型河川の氾濫はありませんでしたが、急激な天候悪化による大雨は市内各地で内水氾濫を発生させました。
 今後は早期に避難所を開設して安全を確保すること、またコロナ禍においては、避難所だけではなく、自宅での垂直避難や知人宅への避難なども考えなければなりません。コロナ禍での避難所を安全に運営するために市ではどのような対策をされているのか、具体的に教えていただきたいと思います。
 また、今後は家庭でしっかりと災害対策をしていく必要性があります。どのように市民周知をされますでしょうか。
 次に、防災士の育成についてお伺いします。
 本格的な防災対策に向けては防災士の役割が重要であると考えますが、本市ではどのぐらいの防災士の方がおられるのでしょうか。
 今後は各地域において防災士の活躍が期待されます。そのためには定期的に研修を開催したり、防災士間で交流を図ることで連携もしやすくなると思います。自治体の中には、避難所専門ボランティアとして人材の育成に力を入れているところもあるようです。本市として、今後の防災士の役割をどう考えておられますでしょうか。
 最後に、気候変動と脱炭素化への取組についてお伺いします。
 近江八幡市では気候非常事態宣言が発令され、市民に見える形での具体的な施策が必要となってきます。
 私は令和2年3月の定例会で、年式が古く、税金が重課されている公用車の乗換えとエコカー推進を要望しました。さきの今年の3月定例会でも岡山議員が取り上げておられましたが、温室効果ガスの削減に向けてのエコカーの推進が必要とされています。
 各自動車メーカーも電気自動車を販売をしており、例えば2人乗りの電気自動車や3人乗りの電気三輪車など、コンパクトで環境に優しい自動車が注目されています。
 本市の取組の経過とこれからの方向性をお示しください。
 以上、初問といたします。
○議長(平井せい治君) 当局の回答を求めます。
 岡田総務部長。
 〔総務部長 岡田清久君 登壇〕
◎総務部長(岡田清久君) 岩崎議員ご質問の気候変動と災害の激甚化への本格的な対策についてのご質問のうち、脱炭素化への取組に関するご質問にお答えを申し上げます。
 本市では7月1日に近江八幡市気候非常事態を宣言し、持続可能な社会の実現に向け、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目指した様々な取組を推進することとしております。その中で、エコカー推進は身近な取組の一つでございます。特に電気自動車は温室効果ガスの削減効果が大きいものであると考えております。
 政府のグリーン成長戦略では、2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を講じるなど、2050年の自動車のライフサイクル全体でのカーボンニュートラル化を目指す議論がなされております。
 最近では電気自動車の中でも特に小型の自動車が注目をされており、国土交通省では自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れた1人から2人乗り程度の車両である超小型モビリティーの導入普及に係る実証実験についての報道などもあり、その評価においては、市内を行き来する近距離や狭い道路への進入も多い公務での利用は有効であるとの検証結果が示されております。
 また、各自動車メーカーにおいては、一般市場にも新型の小型電気自動車の販売を開始するとの報道もございます。
 本市所有の公用車へのエコカー導入につきましては、用途別に検討している状況であり、とりわけ小型の電気自動車は、現在所有をしております軽車両に代わるものとして活躍が期待できるのではないかと考えておるところでございます。
 今後、公用車の更新時期や脱炭素化への取組との整合を図る中で、保有台数の適正化も含め、年次計画を立てて計画的に更新をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解をよろしくお願い申し上げます。
○議長(平井せい治君) 田村市民部長。
 〔市民部長 田村裕一君 登壇〕
◎市民部長(田村裕一君) 岩崎議員ご質問の気候変動と災害の激甚化への本格的な対策についてのうち、市民部所管の項目につきましてお答え申し上げます。
 まずは、豪雨による被害状況と対策についてですが、コロナ禍において避難所を安全に運営するため、新型コロナウイルス感染症に対応した避難所受付時マニュアル及び避難所設営時ガイドラインを作成し、全職員や各学校、コミュニティセンター、ホームページにおいて周知を行っております。
 また、現地本部となる各学区コミュニティセンターには、感染防止として非接触式温度計、消毒液、マスク等を配備するとともに、換気のための大型工場扇、災害対策用プライベートルームも配備し、本年度避難者でのスペース確保、飛沫防止のためのワンタッチパーティションを各小学校に配備する予定でございます。
 避難とは難を避けることで、避難するとは安全を確保する行動をとることであります。安全を確保するための行動としましては、自宅等の安全を確保できる場所にとどまる待避、自宅の2階等に移動する垂直避難、避難所や親戚、友人の家など安全な場所へ避難する水平避難等があります。
 本年4月に全戸配布させていただきました「災害時 こんなとき、どうする?」のチェックシートをご活用いただき、災害が発生すれば自分の命は自分で守るためにどのようなことが必要か、日頃から家族で話し合い、家族の約束事として決めていただき、災害に備えていただくよう啓発を続けてまいりたいと考えております。
 次に、防災士の育成についてでございますが、防災士とは、自助、互助、協働を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、そのための十分な意識と一定の知識、技能を習得したことをNPO法人日本防災士機構が認証した民間資格であり、本市におきまして防災士の資格をお持ちの方は68名おられます。
 本市といたしましては、地域における防災活動に防災士の資格をお持ちの方に積極的に関わっていただき、ご活躍いただきたいと考えており、今年度は市内で防災士資格をお持ちの方に地域の防災活動にご協力をお願いする文書を出させていただいております。
 今後は、地域の自主防災リーダー養成研修等の開催を検討する中で、防災士の皆様にも参加をお願いし、平常時の防災活動をはじめ、災害時の避難誘導、避難所運営支援等、様々な地域の防災活動にご協力いただけるような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 また、本市では、防災士育成のため、滋賀県が主催されています防災士養成講座の受講希望者の推薦を行っており、防災士資格認証登録申請に必要な普通救命講習会の開催と併せ、地域の自主防災組織の関係者の皆様などに県の防災士養成講座を受講いただけるよう取り組んでおります。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ご回答ありがとうございました。
 大災害のときは自治体職員だけでは対応が不可能です。ほとんどが防災に対しての専門家ではなく、いざ災害が起きたときスムーズな避難所運営が必要だと考えます。防災士の育成にしっかりと力を入れて、定期的な訓練も必要になってくるのではないでしょうか。さらには、専門的な技術を身につけること、例えば防災士がアマチュア無線を使いこなせるのであれば、災害対策本部との連携も取りやすくなるでしょうし、ドローンを使いこなせるようになれば、災害直後の現場の状況も上空から把握することができます。そういったプロの防災士の育成を共に考えていきたいというふうに思います。
 今回の豪雨の間、私は、県内の河川の水位を確認できる県の河川防災カメラというのがありまして、そちらで日野川の水位を注視しておりました。過去の質問において、仁保橋をはじめ必要と考えられる河川に防災カメラの設置を求めましたが、引き続き県への要望をお願いをいたします。
 まるごとまちごとハザードマップについて、ふだんの生活の中で防災意識を高めるものであるので、ぜひとも市が中心となって地域と連携して進めていただきたいと思います。
 最後に、電気自動車を推進するためには給電設備も必要になってきます。まずは公共施設になると思いますが、近い将来市民の多くが電気自動車に乗換えが必要となることから、利便性も踏まえて検討材料に含めていただきたいというふうに思います。
 続いて、大項目の4つ目、行政のデジタル化とマイナンバーカードについて質問します。
 行政のデジタル化について。
 コロナ禍によって、日本は先進国と比べてデジタル化の遅れが浮き彫りになりました。
 国では9月1日からデジタル庁を新設しましたが、行政のデジタル化によって、市民の立場からするとどういったものが変わるのでしょうか。
 次に、マイナンバーカードについて、現在の取得率を年齢構成別に教えていただきたいと思います。
 また、マイナンバーカードがどのように活用されていくのか、市民生活におけるメリットをお示しください。
 以上、初問といたします。
○議長(平井せい治君) 当局の回答を求めます。
 江南副市長。
 〔副市長 江南仁一郎君 登壇〕
◎副市長(江南仁一郎君) 岩崎議員お尋ねの行政のデジタル化による市民生活に与える変化についてお答えをいたします。
 デジタル化の推進に対して本市におきましては、いつでもどこからでもアクセスできる市役所を目指し、この10月よりオンライン申請、暮らしの手続ガイド、LINE公式アカウントの運用をスタートさせていただきます。
 それぞれについて説明をさせていただきます。
 まず、オンライン申請によりまして、市役所やコンビニに出向いての手続に加えて、住民票の請求や大型ごみの回収申込み、犬の登録などの手続がご自宅や職場、また外出先からスマートフォンやパソコンにより、簡単にいつでもできるようになります。オンライン申請が可能な手続は順次拡大し、ホームページやLINE公式アカウントを通じてお知らせをさせていただく予定をしております。
 次に、暮らしの手続ガイドは、スマートフォンやパソコンから世帯状況などの簡単な質問に答えていただくだけで、転入や転出、転居等に必要な手続の種類、場所、持ち物を案内するサービスとなっております。案内の結果は、印刷することはもちろん、LINEやメールに送信することもできますので、スマートフォンをメモ代わりにして窓口での手続にお越しいただくことができます。
 将来的には、先ほどご説明いたしましたオンライン申請との連携により、できる限りオンライン上で必要な手続が完了することを目指していきたいと考えております。
 LINE公式アカウントは、いわゆるお友だち登録をしていただくことで、より多くの世代に必要な情報をいち早くお届けできるようになります。さらに、LINE公式アカウントのメニューには、オンライン申請、暮らしの手続ガイド、コロナ関連情報、最寄りの避難所などを設ける予定をしており、LINEを使って情報を受け取るだけではなく、必要な情報に簡単にアクセスしていただくことができるようになります。
 今申し上げました取組も含めまして、デジタル技術やICT技術を活用することにより、市民サービスの向上を図るとともに、業務改善等に取り組んでいくことは大変重要な課題であり、今後も継続してニーズ把握にも努めながら、近江八幡市としてのデジタルトランスフォーメーションの推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、マイナンバーカードの有効活用についてのご質問にお答えをいたします。
 本市では令和3年8月末現在、人口8万2,233人に対し3万4,031人の方にカードを交付しており、取得率は41.4%となっております。
 年齢構成別の取得率でございますが、ゼロ歳から10歳代までが34.4%、20歳代が35.2%、30歳、40歳代は共に41.6%、50歳代が43.7%、60歳代が53.4%、70歳代が50.7%、80歳以上の方は28.7%でございます。
 全国的な傾向ではありますが、本市におきましても20歳代までの方の取得が少ないことから、若年層を対象にした広報活動や、夏休みの期間を利用した出張申請サポートなど、集中的に取組を進めているところでございます。
 マイナンバーカードの活用につきましては、公的な身分証明書としての利用をはじめ、各種証明書のコンビニ交付等に活用いただいているほか、今年の10月からはこのマイナンバーカードを使用した住民票の写しなどの行政手続のオンライン申請ができるよう、鋭意準備を進めているところでございます。このことによりまして、スマートフォン等を使用して住民票の写しや住民票記載事項証明の申請を時間や場所を問わずに行っていただくことが可能となります。申請データを受け付けた後、住所地に郵送させていただくこととなります。
 今年の1月から始めましたコンビニ交付サービスでは、利用者が急増しておりまして、8月末までに4,213件の利用実績があったことから、利便性の向上につながっているものと考えております。
 国におきましても、健康保険証や運転免許証としての利用など、マイナンバーカードを活用した各種カードなどのデジタル化の工程が示されており、今後ますますメリットが増えていくものと考えております。
 いずれにいたしましても、カードの利便性を高めることが取得者の増加に直結し、効果的な施策展開が可能になると考えております。今後も国の動向を踏まえつつ、マイナンバーカードの普及に向け取り組んでまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いを申し上げます。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問ありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ご回答ありがとうございます。
 デジタル化の遅れによって、例えば新型コロナ対策として実施された昨年度の国の給付措置が効率的に進みませんでした。先ほどの答弁にもありましたが、ICT技術を活用した市民サービスの向上をお願いをいたすとともに、また使いこなせる方と、また使いこなせない方、そうでない方がいらっしゃいますので、いわゆるこれはデジタルディバイドと呼ばれる情報格差問題なんですが、そちらも対策を進めていただきたいと思います。
 マイナンバーカードについてですが、先ほど報告いただいたように、若い世代の取得率が低いということが分かってまいりました。広く市民に浸透し、有効的に活用できるよう、メリットもないといけません。より身近なものにしていくためにも、例えば健康や環境への取組で自治体独自ポイントをつけていくなど、また小売店などと連携して、カードを提示すればお店独自の特典がついたりとか、そういったものができないかと、商工会議所、また商工会はじめ各所連携をして進めていただければと思います。経済の活性化にもつながると考えますので、ぜひともご検討をお願いいたします。
 最後に、大項目の5つ目、新庁舎建設の延期について質問いたします。
 庁舎問題については、これまでも何度も質問をしてまいりました。約50億円もの建設費用が計画をされていますので、また何十年も市の心臓部として機能を有するため、真剣な議論が必要であると私も考えてまいりました。今回もストレートにお伺いしますので、小西市長、率直なお気持ちとご回答をよろしくお願いします。
 まずは、新庁舎建設の延期について、理由と今後のスケジュールを明確にお示しください。
 次に、基本計画についてですが、次の任期で予算を上程されたいとのことですが、それまでの期間に新本庁舎基本設計における、特に形状、形なんですけれども、そして向きについての変更、また基本計画における既存の施設の活用方法の変更などはあり得るのでしょうか、お尋ねをいたします。
 以上、初問とします。
○議長(平井せい治君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 岩崎議員お尋ねの新庁舎建設の延期について、まず今後のスケジュールについてお答えを申し上げます。
 まず、本定例会における庁舎建設予算の上程を見送ることにした理由につきましてでございますけども、これまでの議員の皆様への答弁でもお答えさせていただきましたとおり、本事業は平成30年度以降、重要課題として取り組んでまいりました。しかしながら、議員の皆様からは様々な観点、例えば4年前と同じような結果を再度招くようなことがあってはならない、また市民の皆様への理解が十分まだ行き届いていない等、様々な観点を基にご意見をいただいたところでございます。
 こうしたことから、市長選挙において市民の皆様の信任をしっかり得られることができた上で、またこの案につきまして十分な理解を得られた上で上程することが望ましいとの考えに至りまして、本事業に係る建設予算の上程を見送る判断に至ったものでございます。
 今後のスケジュールにつきましては、残された任期中におきましても、市庁舎整備の必要性、基本計画や基本設計内容につきまして引き続き、より多くの市民から理解が得られるよう、広報やホームページ等で周知したいと考えております。
 また、来年4月市長選挙におきまして市民からご負託をいただくことができましたとすれば、庁舎建設予算を市議会にお諮りし、令和6年中の竣工、7年中のグランドオープンを迎えられますよう努める所存でございます。
 次に、庁舎の形状や向き、既存施設の活用方法に関し、基本計画及び基本設計の変更があり得るのかとのご質問についてお答えを申し上げます。
 7月末に完成いたしました基本設計は、令和元年度策定の基本計画にお示しした機能や性能とコストバランスの取れたコンパクトな庁舎、誰もが相談しやすく、居心地のよいハートフルな庁舎などのコンセプトを踏まえたものとして、多くの市民の方のニーズに最も合致したものというように考えております。様々なご意見がある中で一長一短あるかと思いますけれども、総合的に判断して、このような形のものが最良のものと考えておりますので、変更の必要性はないと考えております。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) では、まず今後のスケジュールについて再問いたします。
 市民の方から、一体市庁舎はいつ建つのか、どうなっているのかと聞かれます。本来は既に新庁舎は完成し、グランドオープンしていたはずですが、小西市長は当選後に議会への説明もなく独断で契約解除されました。それによって約4年建設が遅れ、今回さらに延期をされることとなりました。
 さきの議員の質問では、民主主義を貫いているとの趣旨の発言がありましたが、その行為が本当に民主主義であったのか、民主主義的であったのか、市長にお伺いをいたします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 2つの観点があろうかと思います。1つにつきましては、まず民主主義についてでございますけれども、これは選挙という形が一番の民主主義としての最大の原点であろうかというように思います。私はそういう理解をさせていただいております。
 それから2つ目に、4年遅れたこと云々くんぬんの話でございますけれども、1つ、議員もご指摘いただいたように、この庁舎建設というのは非常に長い時期に及ぶものでございます。前回4年前、私がご主張させていただいてきたことは、要は非常に大きな維持管理費も含めまして後年度負担を生じるものでありますと、こういうものにしては、しっかりと市民の意見を聞き、その中で反映していくべきであるということを申し上げ、市長選挙後に予算の上程、また議決というものを望むということを申し上げてきたわけでございます。
 そういう中で、4年前選挙を受け、こういう形で当選をさせていただいて、今こうして仕事をさせていただいておるわけでございますけども、そういう中で、後々の社会の在り方、方向性にマッチしたものをしっかりとご提示していくと、こういうことをさせていただいたというように思っております。
 この4年間延びたことの評価というのは、それぞれの方お持ちかと思いますけれども、遠い将来、また近い将来のことを考えまして、私はよい選択であったというふうに今も考えております。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 先ほど市長は、選挙の結果というふうにおっしゃってましたけども、やっぱり直接民主制と間接民主制というのは違うと思うんですね。だから、そのあたりをしっかりと理解を私たちもしていかないといけないと思うんですが、市長にも理解していただきたいと私は思います。
 これほど、いつ市庁舎が建つのか建たないのか分からない中で、市民の関心も薄れてきていると思うんですが、働いている職員の士気も下がってきてるんではないかとお察しします。市長はどのように感じておられるのか、再度お尋ねをいたします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 市役所の職員、2つの側面があろうかと思います。現在、この庁舎におきまして職場環境というのは必ずしもよくないということは我々も十分承知はしておるとこでございます。したがいまして、市の職員に対しては、環境に対して我慢をしていただいているという部分はあろうかと思いますけども、市の職員というのはそれぞれ行政におけるプロとして、その職場環境の云々は取りあえず置きまして、全力を挙げて日夜の業務に当たっていただけてるものというふうに考えておりますし、そこのところを私は信じております。
○議長(平井せい治君) 岩崎議員。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 これまでも9月議会での予算上程を繰り返し主張されてこられたと思うんですが、突然方針を転換されました。まだ正式に市民への周知というのはされてないと思うんですが、今後市民への周知、そしてまた延期の決定をされた事前事後に職員への通知等はどのようにされたのか、お示しください。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 市民への周知につきましては、広報等を通じて行っていく所存でございます。それから、職員への通知ということにつきましては、通知というよりは、基本的には部長会で説明し、それぞれ部課の組織を通じて伝達するという形で行っておるというように理解をしております。よろしゅうございますかね。
 以上でございます。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 市広報ということなんですけれども、やっぱり大きな変遷をたどってきているものでありますので、市長の口から自らの言葉で市民にしっかりと説明をする必要性があると思いますし、また職員にも丁寧な説明が必要じゃないかなと思います。
 では、本市では中期財政計画を策定されていると思うんですけれども、このスケジュールの延期によって中期財政計画はどのようになりますでしょうか。もし見直すのであれば教えていただきたいと思います。
○議長(平井せい治君) 岡田総務部長。
◎総務部長(岡田清久君) 岩崎議員の再問にお答えします。
 本市におきましては、中期的な視点で将来的なリスクを最大限見通し、持続可能な財政基盤の確立を目的とする財政運営の指針としまして、中期財政計画を策定をしているところでございます。
 本年3月には、令和2年度から6年度を計画期間といたします新たな中期財政計画を策定をし、将来的な財政リスクを勘案する上で、大型施設整備事業の中で市庁舎整備事業などを見込んでいるところでございます。
 お尋ねの中期財政計画の見直し、財政見通しにつきましては、毎年決算状況、また事業の進捗などの状況に基づきまして見直しを行うこととしておりまして、現在市庁舎整備など大型施設整備の進捗状況や事業期間の見直し、さらには令和2年度決算の反映などを精査を行い、令和3年度見直し版の策定作業を進めているところでございます。まとまりましたら議員の皆様にもお示しをしたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ご説明ありがとうございます。
 度々財政計画の見直しをしないといけないのはちょっと問題なんじゃないかなとも思うんですが、施策というものは本来は市民の幅広いご意見を伺った上で、最終的には市民の負託を受けている議会で今後も決定していかなければならないというふうに思うんですね。地方自治体は二元代表制といいますが、市長側と議会側の議会制民主主義で成り立っています。市長選によって市の方向性が180度変わることが続けば、将来の計画が立てられなくなると思います。市の施策は市長が議会に提案し、議会の賛否で決定されるのが議会制民主主義であるのではないかと思います。二元代表制というものが近江八幡市では成立していないのかとも感じており、過去にもお伝えしましたが、議会側との議論の進め方に問題があるように思っています。その点、市長は議会との関係をどのようにお考えなのか、お尋ねをいたします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 議員おっしゃっていますように、上程した予算に対しての議決権というのは議会にあるということで、二元代表制というのは実現しているものだという理解をしております。
 今回もそれぞれ議員の皆さんと意見交換をさせていただきながら、いろんな意見の方がいらっしゃいましたけれども、市民への説明が十分足りていないんじゃないかと、お前たちの案ではまだ市民が納得してない部分というのは多々あろうと、こういうご意見いただいたところでございますので、そこの部分をしっかり受け止めさせていただいて、市民への説明に努める。また、どう考えておられるのかという、そこのところのお考えを一定お聞きしながら進めていくという部分で、今回上程を見送らせていただいたということで、このことが二元代表制を損なうものだというような考え方をしておりません。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 では、次に基本計画についてお伺いをいたします。
 基本計画については、新庁舎、新しくなる庁舎とともに、安土支所、南別館、ひまわり館等を使用することでコストがよりかかるのではないかという懸念や、新庁舎がシンプルでコンパクトではなく、各階に大きな勾配屋根が取り入れられているということで、将来的な後年度負担、ライフサイクルコストがシンプルな箱型よりもかかるのではないかという懸念があります。これ私も市民の方から多くのご意見をいただいておるんですが。そしてまた、向きについてですけれども、正面玄関が文化会館のほうに向いているということなんですが、これ市民の方に聞かれたときに、ほとんどの方が知っておられないといいますか、向きのことを知っておられないですね。こういった問題が今も市民の方から指摘をされておるのですが、先ほど、より多くの意見を聞くべきであると市長は答弁されたと思うんですが、この延期をされる期間に見直しも必要じゃないかと考えておるんですが、もう一度ご回答をお願いします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答え申し上げます。
 幾つかのポイントがあると思うんですけど、まず一番最初に、既存の施設を使うことによってコスト増になるんじゃないかという、こういうご懸念でございますけども、これは基本的にないというように思っております。当然床面積等に関しまして、必要な最小限に絞るということで、一部将来的な、いわゆる伸縮自在といいますか、デジタル化の進展に伴って様々なサービスの提供の在り方というのは変わってまいりますので、そういうところに適用できるように、必要最小限として今回の庁舎というものを考えさせていただいたと。今時点ではみ出すものについて、使える施設については使っていこうと、こういうことでご理解いただけたらと思います。将来的にはいずれ寿命が来ますんで、そのときには縮小していく方向で考えていくことになるだろうなというふうに思っております。これは従前より説明させていただいたところでございます。
 安土総合支所につきましては、これは安土地域の総合支所機能を残すという中で考えておるものでございますので、今回の庁舎建設とはちょっと別個のものという理解でお願いをいたします。
 それから、形状につきましてですけども、勾配屋根にすることについて、いわゆるメンテナンスコストがかかるんじゃないかというご心配でございますけども、基本的にメンテナンスコストというのは床面積に対してかかるというような理解をしております。勾配屋根をすることによって、より、いわゆる環境に配慮した空気の換気であるとか、様々なメリットがございます。市民の皆さんからのご要望がありまして、この部分についてどれだけ建設コストが上がるんだというようなご質問がありましたので、私どもとしては建設コストでは3%程度であるという試算をお示しさせていただいたところでございます。
 いずれの形にしましても、いかに機能的な庁舎であり、かついかに経済的かつ環境に配慮した庁舎である、また市民の使い勝手がよい庁舎であるかということを最大限考慮して設計に反映させていただいた内容が今の内容でございます。
 議員おっしゃっていただいたように、まだその内容について十分ご理解いただけてない面も多々あろうかと思います。なかなか庁舎というと、日頃の日常の市民の生活からは、1年に1回来るか来ないかというような部分のものもございますし、先ほどおっしゃっていただいたように、向きがどっちか知らないという方もいらっしゃるというようなことでございますので、しっかりとその辺を時間をかけながら、この8か月の間の時間をしっかりご理解がいただけるような時間として使ってまいりたいというように思っております。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 なかなか私自身はちょっと理解ができにくい部分もあるんですが、今回予算に当たる債務負担行為の上程を取りやめられた理由として、昨日江南副市長からも、市議会に理解を得れてないということで判断をしたとの答弁があったと思うんですが、これは副市長はどういう点において議会の理解を得れていないとお考えなんでしょうか、お伺いいたします。
○議長(平井せい治君) 江南副市長。
◎副市長(江南仁一郎君) 再問にお答えをいたしたいと思います。
 今般の庁舎の計画につきましては、特別委員会でも長い期間をかけてご議論をいただき、その経過につきましても逐一報告を受けておるわけでございますけれども、今までいろいろご質問いただいている中で、債務負担行為の見送りをさせていただいた理由につきましては何点か説明をさせていただいてるところでございますけれども、例えば今議員からお話がございましたように、庁舎の向きでありますとか屋根の形状、そういった市民の声もあるということ、それからイニシャルコスト、ランニングコストも含めて、まだまだ議会のご理解もいただけてないのではないかというふうな報告も受けておりますので、それならばやはり議員の皆様のご理解のないままにこのまま進めていくということにつきましては、かなり課題も多かろうということでございます。
 少し遡らせていただきたいんですけれども、この庁舎の問題につきましては、前計画につきまして一旦見直すということで、3年以上の月日がたったわけでございます。その後、私も当時、解約後に担当を命ぜられまして、その後奥村組様との協議を含めまして業務に当たってきたところでございますが、残念ながらいまだにこの課題につきましては結論を見いだせてないという状況にございます。
 この間、長い月日を経ておるわけでございますけれども、こういった状況は、正直申しましてやはり市民の皆様にとっても得策ではないというのが私の思いでございます。そんな中で、今般市長選挙を来年に控えて、その中で一定その民意として、改めて市民の皆様のご意見を伺いながらその対応を判断していくという市長の方針決定によらさせていただいたところでございます。
 いずれにいたしましても、私も本分といたしまして市長の補佐、あるいはその命を受けました施策の執行、また職員の業務の監督、こういったことが本分でございますので、その趣旨を踏まえて、意思決定をされた、期間決定をされた内容について粛々と進めていくというのが本分であろうというふうに思っております。
 今回、債務負担行為関連予算を上程するや否やということにつきましては、大変重い課題でございましたので、様々な議論があったわけでございますけれども、最終的には俯瞰的な判断で市長が決定されたということも踏まえまして、私どもそのスケジュールに沿って今後の作業を進めてまいりたいという思いでございます。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 副市長、ありがとうございます。
 今回、この出来上がった基本計画について議会でなかなか理解を得られてないというのであれば、同じものを上げられたときに本当にそのときに理解が得られるのかどうかという問題もあると思うんですね。
 私たち本当に政治家というのは、任期中にどのような成果を出したというのが4年後に審判を取られることとなります。今回、小西市長は延期をされたわけですから、やっぱりこの任期中には株式会社奥村組への賠償金4億600万円を含めて近江八幡市に損害を与えている状態であるというふうに私は考えています。次の市長選で信任を得られるのか、本当に今率直なご感想をお伺いします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答え申し上げます。
 もう繰り返しになりますけれども、前回計画された庁舎につきましては、当期の中期財政計画等含めまして、いわゆる建設コストの3.7倍と言われております維持コストですね、これについてやっぱり非常に大きな負担を後年度に残すと。当然受益者負担ということを当時言われていたわけでございますけれども、そういうことにつきましては、やはり市民の方のそちらにお金を使えば、当然お金に色はついておりませんので、ほかのサービス、その他のものに対しての影響が当然出てくるということでございます。いわゆるお金の使い道ということになるわけでございますけども。そういう面で前計画を今回のシンプルでコンパクトな、床面積にして半分以下2分の1以下のものに計画として、いまだ計画の段階というか、基本設計の段階でございますけども、させていただいたということに関しては、私は誇りと自信を持って進めさせていただいております。
 しかしながら、総論賛成、各論という部分に入りまして、じゃあ小さいのはいいけど、その中身はどうなんだという部分につきましては、これまで委員会等で議論させていただいた中で、まさに今議員がおっしゃっていただいたような方向、向き、形状等について、まだ十分ご納得いただけてない、もしくは全体のコンセプトについてご理解いただけてないという部分もあろうかと。
 そういう中で、実際にこれをお諮りするのが本当にいいのかどうか、私自身としてもそこのところをしっかりと説明に努めながら、将来の方向性、またこの庁舎のなすべき役割、また近江八幡市の進むべき在り方等をしっかりとお示しした中で、再度この庁舎につきまして、今回基本設計をさせていただいた庁舎についてお諮りをさせていただきたい、こういうことでございます。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 私がなぜここまで毎回庁舎問題を取り上げるかといいますと、賠償金の4億600万円、これは財政調整基金から支払われたものなんですが、もちろんこれ税金から積み上げられている緊急時の市の貯金だと思います。貴重な財源だと私は思っております。自治体の財源というものは限られており、最大の効果を生み出すようにしないといけないと考えています。小さな庁舎で大きな福祉とうたわれておられたのですから、もっとやっぱり市民の困り事に目を向けられるように、そういった財源の確保が必要じゃないかと思います。
 近江八幡市は、自然、歴史、文化の豊かな、ほかが本当に羨むような自然がたくさんそろう町です。しかしながら、先日も市役所前でたまたま会った市民さんから言われたのですが、新聞、ニュースなどでは近江八幡市のイメージダウンになるような報道が続いていて大変に心配していると、若い世代が住みたくなるような町になるようイメージアップを図ってもらいたいというふうに言われました。私もそうしていかなければならないと思っております。私も本当に市政の発展のためには、さらに真剣な議論に取り組んでいかなければなりません。
 コロナ禍で生活に困窮されておられ方が多くおられます。私も相談を受けることが多いのですが、大きな金額ではなくても、きめ細かな支援が必要であると私は考えます。そのための貴重な財源です。小西市長には本当にこの部分を分かっていただきたいと思いまして毎回質問をさせていただいております。もし市長何かございましたらお願いします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員によく理解していただきたいんですね。このことだけは本当口を酸っぱくして申し上げたい。
 大きな庁舎をすること、いわゆる何億か分かりません。例えば84億円だったと思いますけどね。80億円と50億円の違いは30億円です。30億円の3.7倍、100億円というやつが60年間で違うわけですよ、維持管理コストで。その部分の浮いた分はどこに回せるか。これは皆さんの福祉に回せる。まさに議員がおっしゃっていたような市民の生活に回せるわけですよ。大きな庁舎を造ったばっかりにそれが回せないということで、私は立ち上がった。そこの理解をしっかりと皆さんにはしていただきたい。これは口を酸っぱくして申し上げている。このような語気を強くして言うことはあまりありませんが、大きな庁舎を造ってしまえば、その部分のコストというのは必ずかかってきます。それを負担するのは市民です。その負担部分はどこにしわ寄せが行くんですか。その他のサービスに行くわけです。ご理解いただきたいと思います。
○議長(平井せい治君) 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) お気持ちは分かりますけれども、現状、結局任期中には建てられないということが現実だと思うんですね。ですので、やはり建てられる方向を考えていくためには、やはり見直し等も必要じゃないかなと私は思っているので、市長に言っておるわけです。これまでも、もっと議会の意見等を聞きながら進めていただいたらこのようなことにならなかったかもしれません。ですので、本当に議会としっかりと議論をしていくという部分も、私たちも市民の信託を受けて議会人として働かせていただいているので、私たちの意見もしっかりと聞いていただきたいというふうに思っております。そういう思いで私も毎回、勇気を振り絞って市民の声を代弁させていただいております。厳しい意見も言わせていただきましたけれども、市長にはくれぐれもご理解のほどお願いをしたいと思います。
 最後に、コロナ禍が続く中、各部局の皆様も大変な中と思いますが、私も市民生活向上のためにしっかりと取り組んでまいる、そういう決意ですので、皆様何とぞよろしくお願いいたします。
 以上で私の個人質問を終了いたします。長時間ありがとうございました。
○議長(平井せい治君) 以上で岩崎和也君の個人質問を終わります。
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