近江八幡市議会
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南 祐輔 議員
令和4年第1回(3月)近江八幡市議会定例会 3月4日(金) 一般質問
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内容
会議録
令和4年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月4日(金) 一般質問
南 祐輔 議員
(1)高等専門学校の誘致について
(2)子ども医療費の無償化について
(3)成年後見制度について
◆4番(南祐輔君) 皆様こんにちは。4番、創政会の南祐輔です。
議長より発言の許可をいただきましたので、発言通告に従い質問させていただきます。
今定例会では、議場の人数をいつもより減らすということで、創政会では4人に絞ることにいたしました。会派最後の質問者となりますが、よろしくお願いいたします。
それでは、大項目1つ目の高等専門学校の誘致についてご質問させていただきます。
滋賀県初の高等専門学校の2027年の開校を目指して、県においてはその準備を進めているところで、新聞報道によりますと今年の夏頃に設置場所を決定する方針だそうです。まず、外部有識者による選考懇話会を立ち上げ、そこが審査基準を設定して、その要件に最も適した土地を探していくということですが、買収交渉や取得費用が必要ない県の所有する土地から先に選び、5月頃に公表する。そして次に、県内の市町で基準に沿った場所があるかどうかを募り、候補地がなければ7月頃に県有地で正式決定する。市町から候補としての提案があれば、それぞれの候補地を採点し、懇話会に意見を求めた上で、8月頃に最終決定するという流れになっているようです。
県の担当者によりますと、3月か4月に審査基準を公表する予定だということで、時期が目の前にもう近づいてきております。
そこで、1つ目の質問ですが、本市としては、高専の候補地として手を挙げる準備は検討されているのか、お聞きします。
2つ目、県では「令和の時代の滋賀の高専」というタイトルで、高専の構想の骨子を素案として昨年の12月に出しております。その中では、高専の目指すべき学校像として、全ての人と地球を支える人材の育成、地域や産業への技術実装、技術への関心と憧れと3つ上げられていまして、大学、高校との連携、地元企業との連携、産官学研究、あるいは技術力を身につけた先輩が活躍する姿を小・中学生に感じてもらうなどが学校像として考えられているようです。
また、学びの方向性としては、具体的にはデータサイエンスやプログラミング、AIなどの情報技術をベースに、課題を発見、解決し、価値を生み出す力を養成する、物づくり分野、インフラを支える分野に通じる学びスキル、次に環境へのこだわり、人と自然に寄り添う技術など、滋賀、琵琶湖ならではの学びなどが上げられています。
県で示している方向性のほかにも、主には中学校卒業後の5年間という大切な時期の生徒さんが、滋賀県だけでなく全国から来ていただくことになりますので、よりよい教育環境の整備提供も大事となってくると思います。
高専の設置に当たっては、以上のような県で構想されている学校像や方向性、その他様々な条件、環境が整うことが必要となってくると思います。具体的な審査基準というものはまだ発表されていませんので、今の段階のお考えでよろしいのですが、本市の文化的、自然的、地理的条件を背景にして、本市のどのような特徴に焦点を合わせてアピールしていけばよいと考えておられるか、お聞きします。
3点目、県の素案の中では、延べ床面積1万6,000平方メートル程度の施設を想定していて、そのほかにも学生寮やグラウンドも必要とあります。最初に述べましたように、県の所有地で要件に合うものがないかをまず探すことになっていますが、本市の中に、このような県や県土地開発公社が所有する土地で、これだけのまとまった広さがあるものが存在しているのかどうか、お聞きします。
以上、初問といたします。よろしくお願いいたします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 南議員お尋ねの高等専門学校の誘致についてお答えを申し上げます。
1点目の高等専門学校の候補地として手を挙げる準備や検討につきましては、県から昨年12月に示されました令和の時代の滋賀の高専構想骨子素案に基づく設置場所の要件に照らし、ふさわしい候補地について市としても検討を行っているところでございます。
2点目の本市のどのような特徴に焦点を合わせてアピールしていけばよいかにつきましては、高等専門学校に求められることとして、産業界との連携や最新の情報技術を備えた優秀な人材の輩出などの従来の機能に加え、県の懇話会において議論されてきた内容を踏まえ、価値創造力、実践力、近江の心を備えた滋賀ならではの人材を育成することに着目しております。
こうした人材を育成するのに適した教育環境という視点から、本市の特徴としては幾つか挙げることができます。
まず、全国屈指の大規模優良農業地域である大中の農業、滋賀の特産近江牛の畜産業、県漁獲高の約40%を占める沖島の漁業、ノスタルジックなヴォーリズ建築、八幡堀や安土城跡などの観光業、西の湖の環境と多くのフィールドが存在し、織田信長公の改革精神に学ぶ価値創造や近江商人発祥の地として近江の心が息づく地でもあり、地域に課題発見型の多様な学びや課外活動のための魅力的な教育環境が存在すると考えております。
これらのフィールドを活用することにより、生の声を聞きながらリアルな地域課題に関わり、それを解決することにより、学生時代に十分な経験を積めるとともに、産業界だけにとどまらず、滋賀県全体の発展につなげることができることが当市の強みであると考えております。
3点目の県や県土地開発公社が所有するまとまった土地が市内にあるのかにつきましては、県が所有する未利用地でまとまった有益な土地は、市が把握している限りではございません。
○議長(平井せい治君) 南祐輔君。
◆4番(南祐輔君) ありがとうございました。
1番目としては検討されているということで、アピールする特徴といたしましては、やっぱり我が市の自然環境、文化、そのあたりのことを挙げていただきました。
確かに若い方が集まってこられるので、そういうふうな環境面をアピールして、自然も豊かですし、かといってそんなに田舎でもないし、ほかのところにアクセスもいいという特徴をアピールしていただければよいかと思います。
3つ目の県有地をお聞きしたのは、恐らく県としても土地の費用がかからない県有地を先に考えているということでしょうから、もし我が市にそういう土地があれば、候補地として有利かなと思いまして、確認の意味で質問させていただきました。
それでは、再問させていただきます。
この誘致、いろんな市町が手を挙げているとは思うんですが、これが成功いたしますと、市の活性化などメリットがいろいろ考えられると思います。
たとえその準備、土地を提供するとか、そのほかの本市においての費用の負担がたとえ多額かかったとしても、長い目で見れば、誘致した場合の利点のほうがはるかに大きいかと思いますので、ぜひ私としては積極的に進めていただきたいと思っておるのですが、そのあたりについての本市として意気込みなどあれば、最後に述べていただけるとありがたいかと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 南議員の再問にお答え申し上げます。
近隣各市町、それぞれ高等教育機関あります。残念ながらまだ近江八幡市には高等教育機関、いわゆる大学、短大といわれるものがない。これは我が市にとって大変残念な状況にあるかと思います。
そういう意味でも、若い力がこの土地をしっかりとそのフィールドとして活躍の場としていただくこと、またまちづくりに当然関わっていっていただくことも期待できますし、また一番最初の他の議員の質問でも述べさせていただいたように、優秀な子どもたちが地元に残るという大きなきっかけにもなっていくというふうに思います。
さらには、この滋賀というところの魅力も含めまして、その中心地、交通の便等を含めまして、非常に強い決意を持って誘致に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○議長(平井せい治君) 南祐輔君。
◆4番(南祐輔君) ありがとうございました。
ここ最近の暗い話題が多い中で、明るい夢の持てる話題でありますので、ぜひ推進に向けて頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次の大項目2問目に入らさせていただきます。
2つ目、子ども医療費の無償化についてご質問いたします。
平成31年4月に条例の一部を改正して施行された子ども医療費助成条例は、所得制限がついていて、現物給付で行うという内容でありましたが、令和2年9月24日には所得制限を撤廃する条例の一部改正案が可決され、令和3年4月1日から施行されています。
それで1つ目ですが、現行の制度になってからもうすぐ1年になるわけですが、令和3年4月から12月までの状況について、助成対象となる現在の子どもの数、対象者となる子どもの受診した件数、それに支払った診療費の総額など基本的なデータ実績を具体的にお示しください。国保加入者分のデータしかそろえられないのでしたら、それで結構です。
また、新型コロナ感染症の流行が診療件数などにどれくらいの影響を与えたのか知りたいので、令和2年度についてもこれらの実績をお教えください。
また、令和2年度については、子ども医療費全体についての実績が分かると思いますので、それもお示しください。
ちなみに平成31年度、つまり令和元年度は、子ども医療費全体の額は約1.5億円と聞いております。
2つ目です。
令和2年の6月定例会だと思うのですが、国保加入者における小・中学生の医療費の動向についての平成29年度から31年度までの資料をいただきました。それには国保加入している児童の数、診療の件数、自己負担をした総額などの数値が示されており、平成30年度と平成31年度、当時ですけれども、比較すると、受診数は上がっているが、受診1件当たりの金額が下がっていることが分かるなどといった説明を受けたように記憶しております。
平成31年度、令和元年ですが、子ども医療費助成条例の一部改正が施行された初年度に当たります。翌年の令和2年が新型コロナの影響が大きく生じた年度であります。そして、昨年令和3年度が、この所得制限が撤廃された形での条例改正の初年度に当たります。この3年間の実績を比較していただいて、どのような分析をされるか、また所得制限撤廃の条例一部改正の影響についてどのような評価をされるか、当局のご所見を伺います。
また、今後の子ども医療費助成の財源についてのお考えもお聞かせ願います。
3つ目、他市町の子ども医療費助成条例を見てみますと、高校を卒業する年齢に当たる18歳の年度末までの助成を実施している自治体もあるようですが、本市におかれましてはこれに関してどのようなお考えでしょうか、ご所見をお聞きいたします。
以上、初問といたします。よろしくお願いいたします。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 南議員の子ども医療費の無償化についてのご質問にお答えを申し上げます。
子ども医療費の実績につきましては、令和2年4月から12月までの助成対象者数は6,366人、受診件数は4万6,839件、子ども医療費額は1億45万6,241円となっており、1人当たりの受診件数は7.35件、1人当たりの医療費額は1万5,780円でございます。
所得制限撤廃後の令和3年4月から12月までの助成対象者数は6,970人、受診件数は5万6,270件、子ども医療費額は1億1,728万6,373円となっており、1人当たりの受診件数は8.07件、1人当たりの医療費額は1万6,827円でございます。
令和3年と令和2年の実績を比較しますと、1人当たりの受診件数は0.72件増えており、1人当たりの子ども医療費額は1,047円の増となり、令和2年は新型コロナウイルス感染症による受診控えの影響があったものと考えております。
なお、令和2年4月から令和3年3月までの診療分に係る対象者の受診件数は6万3,456件、子ども医療費額は1億3,761万5,467円となっております。
次に、3年間の実績を比較しての分析と所得制限撤廃の影響につきましては、次の効果があったと考えております。
令和元年10月に実施しましたアンケート結果から、子ども医療費助成制度に満足しているとの回答割合が83%という結果であり、また子育て家庭の経済的負担が軽減されるとの回答割合が87%という結果でした。このことから、子育て世帯の住民の満足度が向上し、経済的負担の軽減が図られたと考えております。
また、受診状況においては、ぜんそくやアトピー性皮膚炎等といった同じ主病名が上位を占めており、慢性疾患患者が治療を中断させることなく、継続的に必要な治療が受けられており、重症化が防げていると考えております。
小・中学生の歯科健診後の1人平均の齲歯数は、平成29年度と比較しますと、令和2年度までにどの学年においても減少しており、特に中学1年生、中学3年生で大幅に改善している状況であります。経済的な負担が軽減されたことにより通院が容易となり、齲歯予防対策の充実につながってることは、子どもの健全な成長の促進に役立っていると考えております。
所得制限を撤廃したことで、全ての子どもたちが同じ条件の下で医療を受けることができ、子育て世帯の医療費負担をなくし、子育て資金や生活に係る出費の安定を図り、安心して子育てができる環境を整えられたと考えております。
このように施策としましては有効であると認識しており、今後も引き続き検証は続けていくものの、財源につきましては必要額を確保し、事業を継続していく考えでございます。
最後に、子ども医療費制度を高校卒業相当の18歳年度末まで助成することにつきましては、コロナ禍の家庭の経済状況を踏まえつつ、現状の効果を考慮し、早急に検討してまいりたいと考えております。
○議長(平井せい治君) 南祐輔君。
◆4番(南祐輔君) ありがとうございました。
令和元年度の子ども医療費の額は、先ほど述べたように約1.5億円でして、今お答えいただいた翌年の令和2年度が1.3億円ということで、2,000万円ほど落ち込んでおりまして、これやはり令和2年度のコロナによる受診控えへの影響が大きいことが分かるかなと思わさせていただきました。
次に、令和2年度と3年度で4月から12月、9か月間で数字を出していただいたのですが、子ども医療費の額の差は1,680万円ほど令和3年度のほうが多くなっています、逆に。コロナの影響がこれらが元年と2年度でちょっと違ってくるので、所得制限の撤廃の影響のみで比較することはなかなか難しくて、因果関係といいますか、この制度変わったことによる因果関係がなかなかつかみづらい状態ではあるかなと思いました。
ただ、これから受診の件数やあるいは医療費がこの先急激に増加することがないかなどについては、引き続き注視していっていただきたいと思います。
一方、効果として、慢性疾患や虫歯については一定の改善が見られたということですので、このことについてはよかったなと思っております。
今回、議会報告会で議員として大型遊具のところに赴いてアンケートをしたんですが、そこでも割と子育て世代の方々から、この医療費無償化については助かっていますという意見を聞くことが多かったので、それはそのときの肌で感じた感覚と合致しているかと思います。
次に、高校生まで助成の範囲を広げるかどうかについて、今もお答えいただいたし、昨日の市長の答弁の中でも少しだけちょっと触れられたかと思います。
私個人の考えとしましては、財源とか市の全体の中におけるほかの政策とのバランスも考慮しながら、検討、研究を進めていただければよいかなと考えております。
それでは次、再問へ移らさせていただきます。
令和3年4月1日から始まった所得制限が撤廃された現行の制度になってからの、手続面での基本的な事項についてお聞きします。
例えば市内でけがをした子どもが他市町の病院に救急搬送された場合などは、支払いはどういう形になるのでしょうか。一旦現金を支払わねばならないのでしょうか。このように他市町やあるいは県外の病院で本市の子どもが診療を受けることになった場合に、実際のお金の支払いはどのようになっているのか、具体的なご説明をお願いいたします。
○議長(平井せい治君) 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 南議員の再問にお答えをいたします。
まず、通院治療の場合でございますけれども、県内の病院で治療を受けられた場合に、窓口で保険証と一緒に受給券を提示いただくことによりまして、保険適用分の自己負担額を支払うことなく医療を受けていただくという形になります。
しかし、県外の医療機関を受診をされた場合には、一旦医療保険の自己負担分のお支払いをいただきまして、領収書等を担当課で申請をいただきまして、内容審査後、指定の口座に振込をさせていただくという形になります。
入院の場合につきましては、市内、県外ともに償還払いといいまして、先ほどの県外の通院と同じで、一旦自己負担額をお支払いいただきまして、担当課で申請をいただきまして、その後振込をさせていただくという手続になります。
○議長(平井せい治君) 南祐輔君。
◆4番(南祐輔君) ありがとうございました。基本的な事柄ですけれども、確認の意味も含めて尋ねさせていただきました。
最後に、現行の子ども医療費の無償化は、当面5年間が一区切りとなっていたかと思います。その後、継続していくにしても、所得制限なしの無償化によってどのように実績が変わっていったのか、あるいはどのような効果が認められたのかについて、また説明を求められることになるかと思います。
コロナの影響が今は続いていますので、なかなか難しいかと思いますが、今年から来年にかけてはある程度収まるかと思いますので、純粋に比較することが可能になってくるかと思いますので、引き続き分析を続けていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは次、最後の3つ目の大項目に移らさせていただきます。
成年後見制度についてご質問いたします。
認知症や知的障害あるいは精神障害などの理由で判断能力が不十分な方は、日常生活を送る上で必要な契約、財産の管理などを自分で判断して行うことが難しい場合があります。このような方々の支援や保護をする法的枠組みとして、成年後見制度があります。
この制度を利用するには、家庭裁判所に申立てをし、成年後見開始の審判を受け、成年後見人を選任をしてもらわなければならないのですが、本人に判断能力がなく、身寄りもいない場合には、申立てをする人がいないことになります。それでは困りますので、民法や老人福祉法の規定により、検察官や市町村長が代わりに申立てをできることになっております。
高齢化と少子化が進む中で、身寄りのない高齢者が増加傾向にあると考えられますし、頼る人がいない環境の中で、認知症などで判断能力が不十分になっていく高齢者がますます増えていくことが予想されます。そうしますと、必然的に成年後見制度の利用者も増えていくのではないかと考えます。
それで、1つ目です。そこで質問ですが、本市では成年後見制度の利用は年間に何件ほどあるのか、また市長の申立てによる成年後見制度の利用は年間に何件くらい生じているのか。また、この2つの数字は近年増加傾向にあるのかについてお聞かせください。
2点目です。成年後見開始の審判の申立てをする際には、本人の判断能力がどの程度落ちているかを医学的に確認する必要が出てくることもあるそうです。その場合には医師による鑑定が必要となるんですが、その鑑定料が、調べてみますと5万円から10万円かかる場合もあるそうで、場合によるのでここまでかからないこともあるみたいです。
現在、本市においては、市長の申立てによってこの審判を行う場合、この申立てに係る費用を負担することになっています、現在本市では。
それと違って、個人がまだ判断能力があって申し立てることができる場合や、あるいは近親者とかに申し立てることができる人がいる場合は、この申立ての際の負担は個人負担になっております。そうなりますと、高い鑑定料がかかる場合などは、この制度の利用に二の足を踏む人も出てくるかと思います。この個人の申立ての際に、一部でも助成があればよいかと思うのですが、当局のご所見をお伺いします。
3つ目、これまで述べてきたのは、法定後見制度という法律に定められた制度なのですが、まだ判断能力のある元気なうちに、あらかじめ任意後見人になる人を契約で決めておくこともできます。これは任意後見制度というのですが、この任意後見制度は本市においてどれぐらい利用されているのか、分かるようでしたらお聞かせください。
4つ目、市の成年後見人報酬助成要綱というのがありまして、成年後見人を選んだときには、その選ばれた人の報酬の額を助成するという定めが本市にはあるんですが、その中に地域福祉権利擁護契約という言葉が出てきます。
調べてみますと、これは地域福祉権利擁護事業というものがあって、その主体と契約を結ぶということなんですが、この制度の場合と成年後見制度との違いを教えていただきたいと思います。
以上、初問といたします。よろしくお願いいたします。
○議長(平井せい治君) 久郷福祉保険部長。
〔福祉保険部長 久郷浩之君 登壇〕
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 南議員の成年後見制度についてのご質問にお答えします。
まず、本市での成年後見制度の利用件数並びに任意後見制度の利用件数につきましては、大津家庭裁判所に確認を行いましたが、直ちに市町ごとの利用件数を抽出することは困難であるとのことで、利用件数をお示しできませんが、成年後見制度市長申立ての直近5年間の件数といたしましては、平成28年度5件、平成29年度9件、平成30年度2件、令和元年度4件、令和2年度8件となっており、年度によりまちまちですが、高齢化や核家族化等によりまして、今後は制度を利用する人の増加が予測される状況となっております。
次に、鑑定料等の助成につきましては、制度を利用してからの後見人等への報酬月額2万円を一定の要件を定め助成しておりますが、申立てに係る鑑定料につきましては、全ての方が鑑定を受けられるわけではないことから、現在助成を行っておりませんが、県内他市町の動向を注視してまいりたいと考えております。
最後に、成年後見制度と地域福祉権利擁護事業の違いにつきましては、地域福祉権利擁護事業は、厚生労働省所管で適用法令が社会福祉法であり、利用対象者は認知症や知的障害、精神障害などの理由により判断能力が不十分であり、かつ本事業の契約内容について判断し得る能力を有していると認められる方となっております。
また、成年後見制度は、法務省所管で適用法令が民法等であり、利用対象者は認知症や知的障害、精神障害などの理由により判断能力が不十分及び全くない方となっております。
支援の内容は明確に切り分けることが難しい部分もありますが、日常生活上のきめ細かな見守りや適切な福祉サービスを利用するための援助、日常生活費の範囲内における金銭管理の支援などの場合は、地域福祉権利擁護事業が適切であり、日常生活の範囲を超え重要な財産管理や法律行為、療養、看護等に関する契約など法的に関与することが必要な場合は、成年後見制度の利用となります。
手続や担い手については、地域福祉権利擁護事業は、社会福祉協議会相談、申込みにより、本人と社会福祉協議会との契約により生活支援員が必要な支援を行います。成年後見制度は、家庭裁判所に申立てを行うことで、家庭裁判所が個々の能力や事情に応じ、成年後見人、補佐人、補助人を選任することとなっております。
○議長(平井せい治君) 南祐輔君。
◆4番(南祐輔君) ありがとうございました。
市町村別が分からないということでしたが、発言通告書を出した後、ちょっと調べていましたら、滋賀県全体での統計が見つかりましたので、それで感じたことを述べさせていただきます。
平成29年度でちょっと古い調査にはなるんですが、首長、市長とか町長が申立てた成年後見制度の件数というのが、成年後見制度を首長が申し立てたという件数、これが彦根市が最も多くて12件で、次は大津と近江八幡市の9件となっていまして、割と県内では使われているほうなのだなということが分かります。成年後見制度の全体の件数、滋賀県全体の件数が154件となってまして、その中で彦根が12、近江八幡市と大津が9件ということです。
平成25年から29年の過去の分を遡りますと、滋賀県全体で55件、60件、70件、60件、そして最後平成29年が154件となって、ここで急増しております。
次に、成年後見制度の報酬助成費用についての予算額というのも出てまして、それに関しては、報酬助成というのは、選ばれた成年後見人に対してお金を払わないといけないのですが、個人さんが、それに対して市町がどれだけ助成費用をつけているかというところです。この予算額が、大津市はこれは平成30年度で1,421万円、近江八幡市は168万円、同じような規模の守山市が422万円、栗東市343万円、甲賀市470万円、野洲市が586万円となっております。規模の同じところを比べて、少し助成が少ないというような結果になっておりました。
この辺を見させていただきますと、あと相談件数というのも出ておりまして、この相談件数も普通自治体、この県内の自治体を平均したら8件ぐらい1年にこの申立てがあるそうなんですが、近江八幡市が60件とちょっと桁が違う感じになってまして、これはどこまでの相談を捉えるかというところで他市町と違うかなとは思うんですが、ただ相談も他市町よりは多いというような結果が分かると思います。
相談やこのような申立てが多いのに、報酬助成は少ないのかなというような姿が見えてくるかなと思いました。
それでは次に、再問に入らさせていただきます。
1つ目です。成年後見や任意後見の相談窓口としては、市においては長寿福祉課と障がい福祉課が担当されています。その他の相談機関としては、法テラスとか東近江圏域成年後見サポートセンターE-SORAというのがあるようです。
滋賀県が行った平成30年度の成年後見制度に関する市町の状況調査によりますと、意見として、事務が複雑で専門性が必要、担当課が複数に分かれているので事務が煩雑となりやすい、成年後見センターと地域包括の連携や分担の線引きが難しいなどの意見が見られたと書いておりました。
このあたりの問題は、窓口や相談機関が複数ある本市においても当てはまることがあるかと思うのですが、お互いのすみ分け、その機関におけるすみ分けや連携はどうされているのかについてお聞かせください。
以上、再問させていただきます。
○議長(平井せい治君) 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 南議員の再問にお答えをいたします。
成年後見制度に関します相談窓口につきましては、市民の皆様から直接の相談を受ける1次機能としての相談窓口といたしましては、長寿福祉課、障がい福祉課、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、障害相談支援事業所、社会福祉協議会などがありまして、1次機能の相談窓口から相談を受ける2次機能といたしましての相談窓口といたしまして、成年後見制度の利用の促進に係る地域連携ネットワークの中核機関として位置づけられております、東近江圏域成年後見サポートセンターE-SORAというものがございます。
このため、市民の皆様については、長寿福祉課、障がい福祉課、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、障害相談支援事業所、社会福祉協議会等にまずはご相談をいただければというふうに考えてございます。
なお、各相談窓口の機関の連携につきましては、東近江圏域権利擁護協議会や権利擁護支援に係る検討会等におきまして、成年後見制度に関する研修や情報共有、課題解決に向けた検討等を実施しておるところでございます。
○議長(平井せい治君) 南祐輔君。
◆4番(南祐輔君) ありがとうございました。
次の再問に入らさせていただきます。
厚労省が令和2年にまとめた資料によりますと、市民後見人の養成等の実施をしている自治体が2割ほどあるようです。この市民後見人というものは、資格やはっきりとした定義があるわけではないようでして、後見人養成講座の受講などにより一定の知識を身につけた上で、他人の成年後見人等になることを希望し、そして家庭裁判所から選任された後見人のことを一般に指しているそうです。
本市においては、全国では2割ほどこの養成等を実施しているそうなのですが、本市においてはこのような市民後見人の養成などといった事業を何らかされているのでしょうか、お聞かせください。お願いします。
○議長(平井せい治君) 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 南議員の再問にお答えをいたします。
後見人等につきましては、大きく分けますと、親族後見人と第三者後見人に分けることができまして、議員おっしゃっておられます市民後見人は第三者後見人に該当することとなります。
第三者後見人につきましては、弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士等の専門員の皆さんと市民後見人の皆さんになるわけですけれども、現在のところ第三者後見人は、専門職の皆さんが選任されることで充足している状況にもございます。
このため、市民後見人を養成する必要がないこと、また市民後見人は養成講座を受講し、一定の知識を身につけてはおられるものの、一市民でありますことから、市民後見人を先行して導入されておられる自治体において、様々な課題が出ているというようなことも聞き及んでいる状況にございます。
以上のことから、現在本市におきましては、市民後見人の養成等は実施をしていないという状況にございます。
○議長(平井せい治君) 南祐輔君。
◆4番(南祐輔君) 分かりました。ありがとうございました。
それでは、次の再問に入らさせていただきます。
前段で述べてきましたように、今後はその成年後見制度を利用しようという方が増えてくるかと思われます。本市においては、成年後見制度というものがありますよ、あるいは利用の仕方はこんなですよなどといった周知や広報を何かされているでしょうか、お聞かせ願います。
○議長(平井せい治君) 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 南議員の再問にお答えをいたします。
成年後見制度に関する法制度内容、後見人の役割、それから本市の取組及び東近江圏域成年後見サポートセンターE-SORAの周知につきましては、市のホームページに掲載しておるほか、長寿福祉課及び障がい福祉課などの相談窓口に成年後見制度のパンフレットを置きまして、市民の皆さんに周知を図っておるところでございます。
○議長(平井せい治君) 南祐輔君。
◆4番(南祐輔君) 分かりました。ありがとうございました。
私の考えといたしましては、他市町のように追随する形で助成額を上げるだけが対策だとは思っておりません。もちろん出していただけるとありがたいとは思うのですが、それよりかは、このような助成がなくても利用ができるような経済的余裕がある人もおられると思うんです。その人たちが制度の存在とか利用の仕方を知っていただけたら、行政の手を煩わせることなく自ら、任意後見制度などは、先にしっかりしているうちに自分の後見人を選んでおけるという制度ですので、これの普及を進めていただけると、行政の負担も減るのじゃないかなと思っております。
今、最後の再問で、いろいろな形で周知を図っていただいているということなのですが、今後も成年後見制度だけじゃなくて、補助人とか補佐人といった制度もございまして、これは経済的行為の一部はできるが一部はできないという人たちに、その一部だけに補助人とか補佐人という人をつけて一部を手助けするというような制度になっておりますので、このような制度もあるということをいろんな形で周知していただければ、判断能力がなくなった状態になる前に早く手を打つことができると思います。
このようなことで周知、補助金もありがたいんですか、その周知も進めていただければと思います。
それでは、以上で全ての質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(平井せい治君) 以上で南祐輔君の個人質問を終わります。
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