録画中継

令和5年第3回(9月)近江八幡市議会定例会
9月8日(金) 一般質問
松村 務 議員
(1)市の宝「西の湖」活用に本腰を入れるとき
   ①「西の湖廻遊路整備に向けた基本方針」が 2022 年 8 月に答申されたが、今後、市はどのように実施に移していくのか。
   ②「かわまちづくり支援制度」の認定を受けることで、ネットワーク構築、回遊路整備、拠点整備など西の湖活用できるのでは。
   ③市内全小学生対象に西の湖体験学習できないか。(カヌー教室、環境学習、副読本制作等)
   ④休眠中の「株式会社まっせ」を西の湖に活かせないか。
(2)市庁舎建設、後悔しないために その2
   ①VE提案された内容と成果は。
   ②落札率が 95%以上だったため市の契約審査会で審議して決定されたとあるが、審議内容は。
   ③総合評価方式技術審査会の審査結果で、「さまざまに工夫された技術提案や VE提案がされ、魅力的で優れた内容であった。」とあるが、市はどう受け止めたのか。
   ④外壁材を「断熱サンドイッチパネル」にグレードダウンを認められたが、耐久性、断熱性は大丈夫か。メーカー保証年数と耐用年数は。
   ⑤追加費用が発生することはないか。
◆7番(松村務君) 皆さんおはようございます。7番、育政会の松村務です。今日のトップバッターとして、大きく2項目にわたって質問させていただきます。
 1項目め、市の宝「西の湖」活用に本腰を入れるときというタイトルで質問させていただきます。
 私は、地域の宝物を見つけ出し、磨いて輝かせましょうと常々訴え、今も実践をしているところです。近江八幡市の宝物は何でしょうか。ラコリーナ、安土城、八幡堀、近江商人と町並み、ヴォーリズ建築など、たくさんあります。各地域にも宝物はたくさんあります。
 私は、1番の宝物は西の湖ではないかと考えます。西の湖は、ラムサール条約湿地に登録され、国の重要文化的景観にも登録されています。西の湖は琵琶湖最大の内湖としての機能を持ち、ヨシ産業、漁業、農業、観光と、人々の生活の中で活用されながら内湖の原風景が保たれている貴重な地域資産です。四季を通じてヨシ原の移りゆく風景、野鳥観察やバスフィッシング、和船観光やカヌーを楽しむ人、自転車道をサイクリングする人など、様々な取組がされています。しかしながら、個々の団体や個人は活動は活発にされているものの、守り育てていこうという共通認識はまだまだ薄いように思われます。
 そこで、以下の質問及び提案をさせていただきます。
 1つ目、西の湖回遊路整備に向けた基本方針が2022年8月に答申されましたが、今後、市はどのように実施に移していくのでしょうか。また、2013年に株式会社まっせが西の湖回遊路計画として、人と自然が調和したすばらしいデザインを提案されていますが、日の目を見ていないのではないでしょうか。これらのプランをどう実行に移されていくのか、お考えをお尋ねします。
 2つ目、西の湖を有効に活用するに当たり、国土交通省所管のかわまちづくり支援制度の認定を受けることで、ネットワーク構築、回遊路整備、拠点整備など、西の湖の活用ができるのではないでしょうか。当局のお考えをお聞きします。
 3つ目として、地域資産、西の湖の魅力を子どもや家族に知ってもらうため、市内全ての小学生を対象に西の湖体験学習の機会を設けていただくことはできないでしょうか。例えばカヌー教室、船に乗っての環境学習、副読本の充実などが思いつきますが、いかがでしょうか。
 4つ目、西の湖回遊路整備に向けた基本方針で、西の湖の景観を保全しながらにぎわいと魅力を創造するには、多様な主体をつなぐプラットフォームの設置が必要であると結論づけられています。そこで、提案ですが、2011年に設立され、現在は活動休止中の株式会社まっせ、これの事業再開をして西の湖活用のプラットフォームとして生かせないでしょうか。当局のお考えをお聞きします。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(岡田彦士君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) おはようございます。
 松村議員ご質問の市の宝「西の湖」活用に本腰を入れるときのうち、西の湖回遊路整備に向けた基本方針ほか、市はどのように実施に移していくのか等についてお答えを申し上げます。
 西の湖は、現存する琵琶湖最大の内湖であり、本市の自然、歴史文化、暮らし、なりわいを象徴する唯一無二の地域資産でございます。令和3年8月、近江八幡市西の湖回遊路整備推進会議が発足し、その中で西の湖の保全及び活用について審議を重ねた末、令和4年8月、西の湖回遊路整備に向けた基本方針に係る答申が行われました。
 基本方針におきましては、西の湖を守り、生かすことを基本理念とし、西の湖ならではの唯一無二の風景と営みを次世代へと継承するため、拠点整備による回遊性向上や多様な主体をつなぐプラットフォームの設置等により、地域一体となってにぎわいと魅力の創出、定着を進めるとしており、これに基づき、市として各種事業を進めてまいりたいと考えております。
 西の湖の将来ビジョンにつきましては、近江八幡商工会議所や安土商工会、東京大学や京都大学、滋賀県立大学の学生から魅力的な提案がなされており、これらのアイデアを踏まえた上で、今後の施策に生かしていきたいと考えております。
 令和5年度におきましては、基本方針の柱のうちの一つ、多様な主体をつなぐプラットフォームの設置として、西の湖を取り巻く事業者や団体の交流の場を企画することで、情報共有や関係性の構築を目指しております。
 プラットフォーム構築に向けた取組の一つとして、市民とともに西の湖の自然や魅力を伝える散策マップの作成を進めており、このマップを西の湖に親しむ新たなツール、西の湖周辺の人々をつなぐツールとして活用し、さらなる魅力とネットワークの創出を図りたいと考えております。
 西の湖につきましては、庁内及び関係機関における情報共有と連携を大切に、一つ一つの課題を乗り越え、地域一体となってにぎわいと魅力の創出、定着を進めてまいりたいと考えておりますので、ご協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 次に、かわまちづくり支援制度の認定による西の湖での活用についてお答えいたします。
 かわまちづくり支援制度とは、国土交通省が定める制度で、地域のかわまちづくりの取組を河川管理者が支援するもので、かわまちづくり計画を作成し、登録することで、河川管理者から計画の実行に必要なソフト・ハード施策の支援を受けられるものでございます。
 県内での実績といたしましては、大津市の瀬田川かわまちづくりや守山市の野洲川中洲地区かわまちづくりが上げられます。
 本市としましても以前より検討の一つとしており、令和5年1月には国土交通省近畿地方整備局によるかわまちづくりの勉強会、ミズベスクールに参加するなど情報収集に努めております。
 他市の事例におきましては、河川敷の利活用を地域課題の解決という視点で捉えており、河川敷単体で考えるのではなく、商店街や駅周辺の活性化も含め、まちづくりの一環としてかわまちづくりを進めているといった特徴なども分かってまいりました。
 本市では、かわまちづくり支援制度の活用の前に、西の湖とともにあるまちづくりのビジョンについて、地域との共有が肝要であると感じております。今後は庁内関係課との連携を密に図りながら、かわまちづくり支援制度を含め、他の補助制度の活用についても検討してまいりたいと考えております。
 次に、株式会社まっせによる西の湖活用についてお答えをいたします。
 株式会社まっせは、平成25年に近江八幡市の伝統ある歴史文化や豊かな自然を基に地域密着型の事業に取り組み、近江八幡市の活性化と地域住民の幸せ感を増すことを目的に設立されました。議員もご存じのように、株式会社まっせは活動休止中ではありますが、現在再開に向けて定期的に事業検討部会が開催されていると聞いております。
 西の湖については、多様な主体とともに守り生かしていくことが肝要であり、個々に活動している団体をつなぐプラットフォームの一翼を株式会社まっせのように、地域の思いを酌み取ることができる団体になっていただくよう働きかけることも可能性の一つとして検討してまいりたいと考えております。
 いずれの形にいたしましても、当市におきまして西の湖というのは、観光を含めまして市の八幡堀含めて、町並みと並んで非常に大きな、これなくしては成り立たないというような資源の一つであります。松村議員もご指摘いただいたように、一番の宝と言ってもいいのではないかと思うようなところでありますが、ご存じのように、いまだ、まだまだ関心というのは、正直言って県も含めてこれからというようなところでございますが、当市としましては、西の湖というのは、実は水深が平均1.5メートルほどでございます。なりわいの中でございまして、非常に環境に敏感な、我々の生活に敏感な湿地といいますか、ラムサール登録湿地でございますし、またなりわいの基盤でございます。
 我々として、地球温暖化含めて、この地域を、内湖という非常に敏感な脆弱な地域をどうやって守っていくのかというのは、我々近江八幡市に課された使命の一つだなと思うようにもなってきたところでございます。最初から思っていたわけじゃないんですけど、これをだんだん研究していき、見ていくにつれて、幸いなことに、議員の皆さん方にも議員連盟を立ち上げていただいて、西の湖に対しても関心を持っていただけるという、大変思いを共有させていただけてありがたいなと思っております。これからもご協力いただきながら、安土と近江八幡をつなぐ大きなかけ橋になりますし、我が国においてもかけがえのない資産だと思っておりますので、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、ご協力よろしくお願い申し上げます。
○議長(岡田彦士君) 大喜多教育長。
             〔教育長 大喜多悦子君 登壇〕
◎教育長(大喜多悦子君) 松村議員ご質問の西の湖体験学習についてお答えいたします。
 西の湖の環境学習につきましては、令和5年3月議会で井上議員のご質問にお答えしたとおり、安土小学校と老蘇小学校では西の湖学習を教育課程の中に位置づけ、毎年4年生が学習船に乗って西の湖の自然を探検したり、水をきれいにする実験をしたりして、西の湖の環境について学んでいます。
 また、西の湖に接している八幡小学校では北之庄沢郷、島小学校では権座や淡水真珠、ヨシを題材として、地域の方々の思いに触れる環境学習に取り組み、西の湖の自然を大切に思う心を育んでいます。
 市内小学校全体で行う環境学習としては、4年生が全員沖島を訪れ、自然と豊かに関わる力を育むことを目的に、森林環境学習であるやまのこ体験学習を行っています。沖島のケンケン山をフィールドにして森の働きや水の循環について学んでいます。
 それぞれの小学校では、身近な自然環境を活用し、地域の方との出会いを大切にして工夫ある環境学習を行っています。例えば北里小学校では、「メダカの学校」小田分校、桐原東小学校では、白鳥川の景観をよくする会と連携し、田んぼや川の環境についての学習など、学校ごとに特色ある体験的な活動を行っています。
 このようなことから、西の湖体験学習を全小学校で実施することは現在のところ考えておりませんが、西の湖でできる環境学習や体験学習については、それぞれの学校に紹介いたします。
 次に、本市の副読本「わたしたちの近江八幡」の中には、環境保全に取り組む人々から学ぶために、重要文化的景観、近江八幡の水郷として4ページ、西の湖の自然を守るとして2ページにわたって西の湖の環境について掲載しています。その内容は、美しい景色を取り戻したい、大切に守り、子どもたちに受け継いでもらいたいという地域の方々の思いや活動から、これからの近江八幡の環境について考え、行動することにつながるよう構成しています。
 今後の改訂に当たっては、西の湖の魅力が伝えられるよう、より一層内容の充実に努めてまいります。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ありがとうございます。
 市長から、西の湖は唯一無二の風景であって、町並みとか西の湖、これは近江八幡市にとってなくてはならない一番の宝であると、非常に前向きな決意を聞かさせていただきました。
 これからも官も民も一緒になって、にぎわいと魅力の創出に取り組んでまいりたいというふうには思っているところです。
 また、1週間ほど前ですけれども、8月31日の夕方に安土コミセンで、安土未来づくり・エリア別マップづくりプログラムの一環として、西の湖の資源の活用アイデアを出して西の湖のまちづくりビジョンをつくろうというワークショップがありました。西の湖に関心を持つ市民など40人ほどですかね、集まって、市議会の議員も4名ほど参加したところです。
 その中のワークショップで出た声として、船から眺める西の湖の魅力をみんなに知ってもらいたい、水鳥やヨシ地の景観をみんなに体験してもらいたい、カヌーの聖地にしたいな、湖上レストランをすれば人気出るのになあ、マイカーよりも自転車などを生かしたスローモビリティーを進めたいなあ、西の湖のシジミをもう一度食べたいなど、西の湖にかける熱い思いが語られました。
 また、何のために西の湖の活性化をするのかという話題の中では、観光客のためにするのではない、自分たちが楽しみ、生計を立て、近江八幡が大好きな人を増やすとか、そういうことが大切なんだというような声もありました。西の湖に関わる人々の思いは熱いものがあります。
 そこで、再問します。
 昨日の小西議員の個人質問でも、株式会社まっせについて今後の方向性の質問がありました。市長は個人的な意見だとしながらも、これまでと同じように市の受託事業に頼るのではなくて、収益事業も組み合わせてうまく活用していきたいと言われました。まさしく地域の思いを形にしていくプラットフォームの役割を果たすのがまっせで、これから動き出すそういう時期が来たのではないかなと思います。
 昨日の答弁から私が思うに、まっせ、今は市からは役員とか理事は出されてないですよね。以前は江南副市長が社長を務めていたと思うんですけれども、これからまっせが重要な役割を担っていくんであれば、やっぱり市としてもやっぱりそう役員をぜひとも出していって、近江八幡市がまっせの筆頭株主だと思いますので、そういう意味で積極的に市が旗振りをやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 松村議員の再問にお答え申し上げます。
 我々としても積極的に、とりわけ若い力を中心に、新しい考えを持ちながら、まっせというのは将来の大きな近江八幡のまちづくりの核になれるような形で育てられるように、関わり方、また必要によれば人の派遣というのは考えていきたいと思っております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ありがとうございます。よろしくお願いします。
 次の再問に移ります。
 各小学校で身近な自然環境を活用して、地域の方のお話を聞く学習会や、4年生全員が沖島でやまのこ体験学習をされていること、非常にすばらしい取組だと思います。私も10年間ほど金田小学校の3年生に、地下水が自噴する浅小井町のポケットパークの見学をしてもらったり、曳山とイ草の館内、また学区へ赴いてトマト栽培のお話をしたりとか、そういうようなことを続けてきました。
 「わたしたちの近江八幡」、これ小学校の副読本ですけれども、これも読まさせていただきました。改訂されるごとに内容も非常に充実して、すばらしい副読本だなと思います。学校の副読本で使っておくだけでは非常にもったいないというか、本屋さんで販売しても十分市民のための勉強になるようなものだと思いますので、その辺も十分検討していただきたいなと思います。これ別に質問ではございません。
 私は議員活動のスタンスとして、近江八幡の宝物を発掘し、磨き、輝かせましょうと掲げているんですけれども、各地域には自然環境以外に祭りとか歴史とか文化財とか人物とか、いろんな宝物が散らばっています。その中で、ダイヤモンドの原石のような宝物が西の湖だと思っています。皆さんもそれなりにいいものだとは気づかれているのですが、残念ながら磨かれていないのが現実ではないでしょうか。
 初問の回答で、西の湖の環境学習を市内全域の小学校に広げる考えはないとのことでしたが、ぜひ教育現場でも、船に乗っての環境学習、西の湖でのカヌー体験、西の湖の湖面に出て、そこから周りを見るというのはすごく体験的には感動するものがあります。ほとんどの方がそういう経験はされていないと思うんですけども、ぜひとも子どもたちにそういう宝に触れさせていただきたいなと思います。それをすることによって、近江八幡のよさを語れる子どもが育っていくのではないかと思います。教育長、いかがでしょうか。
○議長(岡田彦士君) 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 松村議員の再問にお答えします。
 西の湖は、平成18年に国の重要文化的景観の第1号、「近江八幡の水郷」として選定されるとともに、ラムサール条約の湿地にも平成20年に追加登録された、大変貴重な自然を有した極めて重要な内湖であると認識しています。私も西の湖畔に住んでおりますし、小さなとき、子どものときから自然豊かな場所で過ごしております。西の湖が貴重な内湖であるということは十分認識しております。
 それぞれの小学校では、独自のプログラムで総合的な学習の時間などを活用し、環境学習などに取り組んでいるところであります。新たな学習プログラムを導入することは早急には難しいところですけれども、安土小学校や老蘇小学校で行っている体験学習の内容、また運営の仕方を十分把握した上で、まずは西の湖に近接しています小学校から広げていくことを学校とも相談しながら検討していきたいと考えています。
○議長(岡田彦士君) 質問ありませんか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ありがとうございます。
 子どもたちは近江八幡市の宝物です。磨けばどんどん輝いてくれます。西の湖も近江八幡市の宝物で、磨いて活用すれば、そして保全すれば輝いて次の世代に引き継ぐことができます。子どもも西の湖も同じ宝物です。今後の取組に期待しまして、西の湖の質問は終わりとします。今後もよろしくお願いします。
 続きまして、大きく2項目めのご質問に移らさせていただきます。
 市庁舎建設、後悔しないために、その2。その2というのは、その1は、6月議会の個人質問で、吹き抜け構造とか階段形状にしたことで工事費がかさんでいるのではないか。ライフサイクルコストを考慮するなら、単に床面積を減らすだけでなく、建物形状、耐久性のある資材の選定、維持管理費の少ない設備設計をすべきだとの指摘をさせていただきました。
 もう既に入札もされ、施工業者も決まり、この9月の議会で契約議決の議案も提出されています。恐らく契約は成立して、実施設計、建築工事に着手されるのではないかと思います。3年後になるんですかね、あの市庁舎が完成した暁に、皆さんから、いい庁舎だねと歓迎されるのか。最近建設された甲賀市役所や8月にオープンされた守山市役所などと見比べたときに、こんなはずではなかったのにとがっかりされるのか、私は一抹の不安も感じています。その不安を解消するため、順次5項目ほどの質問をさせていただきます。
 VE提案された内容と、VE提案の成果はあったのでしょうか。
 2つ目、落札率が95%以上だったため、市の契約審査会で審議して決定されたとありますが、審議内容は教えていただけるのでしょうか。
 3番目、総合評価方式技術審査会の審査結果の総評で、様々に工夫された技術提案やVE提案がされ、いずれの項目も魅力的で優れた内容であった。高い水準の提案まで到達した当企業体の熱意と真摯な姿勢を高く評価したいと、非常にすばらしく持ち上げていますが、市は額面どおりに受け止められたんでしょうか、いかがでしょうか。
 4番目、外壁材を基本設計では押出成形セメント板となっていたんですが、それをVE提案の中で、断熱サンドイッチパネルにグレードダウン、私はグレードダウンじゃないかなと思うんですが、されました。市はこれを認められたわけですが、耐久性とか断熱性は大丈夫なのでしょうか。メーカー保証年数と耐用年数はいかほどでしょうか。とても市庁舎の外壁としてはふさわしいものには思いません。私の疑問を晴らしてください。
 5番目、6月議会で庁舎供用開始までにあと幾ら費用がかかるのかと質問したところ、中期財政計画で情報システム関連、備品購入、南別館整備、ひまわり館整備などに12億9,000万円見ている。詳細は実施設計を見ないとはっきり示せないとの回答でしたが、現時点で予想される追加費用はどれだけなのでしょうか。
 私は、市庁舎は近江八幡市を代表する顔であると考えます。できるだけいい顔を造っていただきたいです。できてから後悔しても後の祭りです。悔いのない市庁舎を造っていただきたく、辛口の質問になりましたが、誠意あるご回答をお願いします。
○議長(岡田彦士君) 当局の回答を求めます。
 高尾総合政策部長。
             〔総合政策部長 高尾一成君 登壇〕
◎総合政策部長(高尾一成君) 皆さんおはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 では、松村議員お尋ねの市庁舎建設についてのご質問にお答えいたします。
 初めに、VE提案の内容と成果についてでございますが、VE、バリューエンジニアリング提案とは、機能、性能を維持または向上させつつ、コストダウンや工期短縮を図る方法について、事業者から提案を受け、設計や仕様に盛り込み、契約に反映させる発注の手法でございます。
 VE提案の内容につきましては、市ホームページでも公表しておりますが、例えばRC腰壁をPC腰壁に変更することで工期を短縮する提案や、カーテンウォールに外付けブラインドを設ける提案、構造における自社の認定工法による提案もございました。
 なお、VE提案につきましては、近年大規模事業などで取り入れられておりまして、様々な事業者や事業者の知見や技術力を生かすのに有効なものであり、工期延長のリスト回避や建設費を増大させることなく、環境性能を向上させるといった成果があったと考えております。
 次に、契約審査会での審議内容でございますが、一般競争入札における1社入札の取扱要領を平成31年3月に策定しておりますので、この要領に基づきまして、これまでの公告から入札において、適切な競争環境及び公平公正な入札を確保できているかを判断するため、契約審査会におきまして再度、手続等に問題がなかったかを精査し、事業者を決定したものでございます。
 次に、総合評価方式技術審査会の審査結果に対して、市はどのように受け止めたのかについてですが、結果的には、技術提案の審査を受けた事業者が1社であったものの、技術審査会の委員長公表として、様々な創意工夫された技術提案やVE提案がされ、魅力的で優れた内容であったと評価いただきましたことは発注者としましても大変心強いものでありまして、正直申し上げまして安心をしているところでございます。
 次に、外壁材の仕様変更に係るVE提案についてですが、断熱サンドイッチパネルは様々な建物に使用されておりまして、耐久性や断熱性、耐火性につきましては問題ないものと考えております。
 契約後、実施設計の中で仕様を変更するかどうかの詳細な検討を行いますが、その中で保証年数や耐用年数についても考慮しながら決定することとしております。
 最後に、追加費用が発生することはないかについてでございますが、今回の契約内容に伴う追加費用については、現時点では発生することはないと考えております。ただし、物価高騰による追加費用につきましては、議会などにおいてこれまでからお答えしておりますように、契約に関わるスライド条項により対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ありがとうございます。
 再問、4項目ほどありますが、順次質問させていただきます。
 68項目ほどVE提案されて、採用するかどうかの適否がホームページ見れば閲覧できるようになっております。回答にあった工法提案がどれほど工期短縮につながったか、またコスト削減につながったか判断できませんが、私には提案者の値切り交渉の場でしかなかったように見えます。本当に成果はあったのでしょうか。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 高尾総合政策部長。
◎総合政策部長(高尾一成君) 再問についてお答えいたします。
 VE提案につきましては、必ずしもコストダウンだけではなく、しっかりと性能を維持しながら工期短縮等を図っていただける提案であったというふうに認識しております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) 次に、契約審査会で1社入札の取扱要綱に基づいて手続に問題はなかったとのことでしたが、3月議会で17億1,174万円ですか、そこは積み増しして総額67億6,070万円の負担額ですけれども、それだけ積み増ししたにもかかわらず、蓋を開けてみれば1社入札になってしまった。本当に競争原理は働いたのでしょうか、疑問に思うところです。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 高尾総合政策部長。
◎総合政策部長(高尾一成君) 再問にお答えさせていただきます。
 入札における競争性につきましては、結果として、入札書提出時に辞退届が提出されまして1社入札となったものでございまして、今回の入札における競争性というものは確保されているものと考えております。
○議長(岡田彦士君) 質問ありませんか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ありがとうございます。
 次に、当初、基本設計の中で外壁材として押出成形セメント板、これでも私が思うのには庁舎建築にふさわしくない外壁材じゃないかなと思っていたんですが、さらにVE提案で断熱サンドイッチパネルまでグレードダウンされました。
 私の認識では、この断熱サンドイッチパネルは、建設現場とかの仮事務所とか、現場事務所の仮事務所の外壁とか、学校で増築したときの仮設校舎の外壁材とか、そういう程度のものじゃないかなという認識を持っています。このパネルそのもの、要は両側の鉄板の間に断熱材を挟み込んだだけの薄いそういう材料で、恐らく15年もすれば塗装面はもう白い粉が吹いて、その頃15年とか20年たてば庁舎の外周全部に足場組んで塗り替えしなければならないのじゃないかなというふうにちょっと思うところです。ライフサイクルコストを最優先して、以前の契約を解約してまで建設する市庁舎、結局高い買物にならないのかと思います。今後の実施設計、施工、その中でいろいろ検討されると思いますが、私の疑問を晴らしていただけるぐらいのそういう検討ができるのでしょうか。お答えお願いしたいと思います。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 高尾総合政策部長。
◎総合政策部長(高尾一成君) ありがとうございます。再問にお答えさせていただきます。
 VE提案の内容につきましては、初問でもお答えさせていただきましたとおり、実施設計作業における事業者との協議の中で、ご指摘いただいた内容も含めまして、耐久性等仕様をしっかりと確認しながら進めてまいりたいというふうに考えておりますので、ご理解をいただきますとともに、引き続きご指導等をいただけますとありがたいと考えております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) 最後の質問ですけれども、追加費用の件ですが、物価上昇によるスライド条項適用というのは納得できます。それは当然ルールがありますので、しなければならない。ただ、私が予想できるものとして、基礎工事するときに地中埋設物とか残存類が新たに出てきまして何億円の増額になりますよとか、アスベストの撤去工事、このアスベストの吹きつけしている範囲が広がって費用がかさみましたとか、解体の処分費の中にPCB製品ですね、蛍光灯とかそういうのに以前使われていたものですけど、そういうようなものがあったから処分費が膨大に増えましたとか、また実施設計をこれから進められる中で、家具とか備品とか新たに増えましたとか、こういうことが出るんじゃないかなと。私、今までの経験からそういうようなことがよくあったんですけれども。そういうことで追加工事が発生した場合、債務負担行為の変更とか、そして中期財政計画である12億9,000万円が増えるとか、そういうことがないのでしょうか。
 というのは、今議会で契約議決して工事がどんどん進んでいく中で、実は、あとこれだけ予算が足りませんとなったとしても、もう議会としては、工事がずっと動いているから、止めざるを得ない状況になってきているわけだから、予算、5億円、10億円追加ですと言うても、もう認めざるを得ないような状況になってしまいかねないと思います。そう意味で、議会の主体性が今この9月で問われているんじゃないかなというふうに思います。
 そういうことで6月、9月、非常にいろんなくどい質問をしましたが、その辺の疑問がありますので、そこのご回答よろしくお願いします。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 高尾総合政策部長。
◎総合政策部長(高尾一成君) 再問にお答えいたします。
 今回の契約につきましては、現在のところ地中埋設物やアスベスト等は見込んでおりますので、追加の予算が必要となるということは考えておりませんが、何らかの事情によりまして予算の増額が必要となった場合には、もちろん議会にもご説明させていただきまして、ご相談させていただきまして進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきますようによろしくお願いいたします。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ありがとうございます。
 最後になりますが、市庁舎はまさしく近江八幡市民の宝物です。磨くのを忘れて、くすんでさびついた庁舎にならないよう、市当局のご奮闘を期待しますし、我々から支援もしていきたいと思います。そのことを申し上げ、私の個人質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(岡田彦士君) 以上で松村務君の個人質問を終わります。
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