録画中継

令和5年第3回(9月)近江八幡市議会定例会
9月8日(金) 一般質問
三上 英夫 議員
(1)中学生海外派遣事業について
(2)令和5年度全国学力・学習状況調査について
(3)子ども文化芸術賞について
◆8番(三上英夫君) Good afternoon,ladies and gentlemen.How are you,today? Fine? Good.Today is September 8th.Fall or autumn is coming just around corner.But,it's still hot.Fall is a good season for reading books.Fall is a good season for playing sports and also a good season for eating anything,specially new rice,I think.Anyway, let enjoy fall with everyone.Thank you.
 創政会の三上英夫です。
 議長に発言の許可をいただきましたので、これより質問をさせていただきます。
 発言通告書に基づき、以下の項目について分割で質問させていただきます。具体的には、1、中学生海外派遣事業について、2、令和5年度全国学力・学習状況調査について、3、子ども文化芸術賞についての3項目です。
 では初めに、中学生海外派遣事業について質問します。
 本市広報「おうみはちまん」8月号によりますと、今年6月27日、28日の2日間、米国姉妹都市のグランドラピッズ市からロザリン・ブリス市長様をはじめ13名が来幡され、互いに友好を深められたとあります。
 グランドラピッズ市とは、1986年、昭和61年に姉妹都市提携がなされ、教育面においては、1989年、平成元年に第1回教員派遣が実施され、交流がスタートしました。そして、その2年後の平成3年度に、今度は近江八幡市内の中学生が初めてグランドラピッズ市の土を踏みました。
 私は幸いにして、当時教育委員会勤務であったため、この双方の企画に参加し、教員として、また引率者として2度、グランドラピッズ市を訪問させていただきました。特に中学校派遣は大人の派遣とは異なり、日米の生徒同士のつながりのみならず、ホームステイの家族やその友人、市当局や学校、地域の皆様へと交流の輪が広がり、幾つもの感動的な場面があり、30年経過した今も思い出すことができます。中学生にとって、まさに夢膨らむ、胸高鳴る体験であったに違いありません。
 さらに3年後の1994年、平成6年には、グランドラピッズ市から公立中学校生徒の一団が来幡され、相互交流が始まりました。以来、毎年相互に中学生を派遣することとなり、いただいた資料によりますと、今までに148名の本市中学生が派遣され、グランドラピッズ市からも100名の中学生が来幡しています。
 しかし、この貴重な交流も2010年、平成22年を最後に実施されておりません。当時は新型インフルエンザによる世界的な感染が起こっていたことや、グランドラピッズ市の財政面での課題等により、中止が決まったと伺っています。大変残念な出来事でした。
 一方、昨年度改正された第2期市教育振興基本計画によりますと、達成目標として国際化を視野に入れた人材育成が掲げられています。コロナ禍の中で、県内や市内中心の内向きの施策が多かったと思われますが、今後は海外にも目を向け、積極的に交流することが重要と考えます。将来の近江八幡市を担う中学生が海外での異文化体験を通して国際的な視野を広げるとともに、姉妹都市同士の友好の絆を深める好機を迎えているのではないかと思います。
 そこで、質問をさせていただきます。
 第1に、この6月、久しぶりにグランドラピッズ市から市長様ご一行が本市を訪問されましたが、その主な目的は何だったのでしょうか。また、交流等について何か意見が交わされましたか、お伺いします。
 第2に、市教育振興計画にありますように、国際化を視野に入れたグローバルな人材育成は重要であります。また、3年後の2026年、令和8年にはグランドラピッズ市姉妹都市提携40周年の節目を迎えることになります。それを機に、この米国姉妹都市への中学生海外派遣事業を復活できないものかと考えています。県内の他の市町における中学生の海外派遣に関する情報を教えていただくとともに、本事業の再開について当局のお考えをお聞かせください。
 以上を初問とさせていただきます。よろしくお願いします。
○議長(岡田彦士君) 当局の回答を求めます。
 高尾総合政策部長。
             〔総合政策部長 高尾一成君 登壇〕
◎総合政策部長(高尾一成君) 三上議員のご質問にお答えいたします。
 本年6月に本市の姉妹都市であるグランドラピッズ市よりロザリン・ブリス市長をはじめ、市のマネジャー、民間企業関係者を含む訪問団の皆様をお迎えいたしました。
 今回の訪問はグランドラピッズ市側からのご提案により実現したものであり、姉妹都市として久しぶりに両市の市長同士が交流を行うとともに、これまで草の根での交流を続けてこられました市内企業への訪問というものを実現することができました。
 この交流再開を契機に、姉妹都市としてのパートナーシップを重視し、より強固な関係を築いていけるよう、お互いに確認をし、またブリス市長からは小西市長に対してグランドラピッズ市への招待の意向も示していただきました。
 引き続き、市民の皆様が姉妹都市を身近に感じていただけるような情報発信や草の根交流促進の取組、さらには両市の産業発展につながるような取組についても検討してまいりたいと考えております。
○議長(岡田彦士君) 大喜多教育長。
             〔教育長 大喜多悦子君 登壇〕
◎教育長(大喜多悦子君) 三上議員ご質問の中学生海外派遣事業のうち、県内他市町の状況と再開に対する考えについてお答えします。
 1点目の他市町の状況については、県内19市町のうち、本市も含め16の市町で中学生の海外派遣を行った実績があります。
 しかしながら、新型インフルエンザやコロナの流行など社会情勢により交流が途絶えたときに、財政面や業務の見直し、ホームステイなどの受入先の確保、公平性等の理由から事業を終了した市町が多く、中学生の海外派遣を現在行っているのは守山市のみです。
 なお、東近江市は来年度受け入れることから再開予定、甲賀市は受入れのみ行っていると聞いています。
 2点目の再開に対する考えについてお答えします。
 中学生が海外で過ごし学ぶ経験は、直接異文化に触れることができ、子どもたちの視野を広げてくれるものと考えております。また、グローバル化社会に対応した人材育成にもつながると捉えています。
 議員お示しのように、かつては本市では姉妹都市であるグランドラピッズ市や韓国密陽市に中学生を派遣しておりました。派遣には現地との綿密な折衝や渡航の計画などが必要でありますが、滋賀国際協会に事業を委託し、安全・安心に事業を行うことができていたと聞いております。
 本教育委員会としましては、先ほどお答えしましたように、ホームステイなどの受入先の確保や、どの子も応募できるような費用面の補助など、課題が多くあり、すぐに解決できるものではありませんが、姉妹都市間で再開の機運が高まり、現地とのやり取りができる環境が整うのであれば、貴重な体験ができる事業であると考えております。
 一方、学校には1人1台タブレット端末も整い、ネット環境も整備されております。オンライン上で海外の人と交流することも可能となっており、外国語の授業の中で実施している学校もあります。海外派遣ができなくても、海外とつながる体験を取り入れた外国語の授業の充実に取り組み、グローバル化社会に対応した人材育成に努めていきます。
○議長(岡田彦士君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 三上英夫君。
◆8番(三上英夫君) ご丁寧な回答ありがとうございます。
 今、オンライン上の交流も効果的だということが述べられましたが、その次の段階に本当に現地を訪問して、そこの生徒さんと交流できるという、そういう事業が後ろに控えておれば、もっともっと子どもたちのインセンティブあるいはモチベーションを高める、そういう学習もできるのではないかなというふうに考えております。
 そこで、質問させていただきます。
 再開の機運が高まり、現地とやり取りができる環境が整うのであればということをおっしゃいましたが、具体的に誰が、どのような方法で調整していくことになるのでしょうか、お伺いします。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 三上議員の再問にお答えします。
 提携を結んでいる姉妹都市間の友好関係が高まる中で、相手方の意向も踏まえた上で相互の中学生海外派遣に対する機運も高まるものと考えております。議員ご承知のように、以前実施していた折も、まずは教職員同士の交流が始まり、その後中学生の派遣事業につながった経緯があります。
 教育委員会としましては、姉妹都市連携を所管している部署や国際交流を所管している部署と連携を図り、相手方の意向を確認するとともに、市として再開するかどうかを議論する必要があると考えます。
○議長(岡田彦士君) 質問ありませんか。
 三上英夫君。
◆8番(三上英夫君) ありがとうございました。よく分かりました。
 しかしながら、私といたしましては、恐らく本市からも使節団が訪問されると想像されますが、2026年、令和8年の姉妹都市提携40周年を視野に入れ、派遣事業が再開されることを期待します。
 市として、交流事業の一つとして中学生海外派遣事業を再開することについて、どのような考えをお持ちですか、お伺いします。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 高尾総合政策部長。
◎総合政策部長(高尾一成君) 再問にお答えいたします。
 今後、両市での交流を発展させるためには、まずベースとなる交流や実務調整をする期間、そして人材が必要となってまいります。今回の訪問も、これまで交流を続けてこられました市内企業の取組があったからこそ実現につながったものと考えております。
 また、国際交流事業は、議員ご提案の中学生海外派遣事業のほかにも、海外販路の開拓事業でありますとか、海外の観光客の誘致事業など、様々な事業が想定をされます。その中でも、中学生海外派遣事業につきましては、安全・安心に海外生活を体験できる環境づくりが必要であり、何よりもグランドラピッズ市側に受入れのご意向があるということが大前提となってまいります。
 また、本市の姉妹都市にはグランドラピッズ市以外にも、韓国の密陽市やイタリアのマントヴァ市、また兄弟都市としてアメリカのレブンワース市がございまして、これらの都市との交流もまた念頭に置いていく必要があるかと考えております。
 かつては国際交流の手段が限られておりましたが、近年はICTの活用により、オンラインでの交流が比較的容易となり、SNS等を活用して個人レベルでの交流というものも可能となっております。このような環境の変化を踏まえまして、現在可能な交流を積み重ねる中で、やはり現地を訪問しないと得られない価値というものが重要であるというような流れになるようであれば、実施に向けての調整や協議を進めてまいりたいと考えております。
 2026年、令和8年の姉妹都市提携40周年を一つの契機といたしまして、市だけではなく、民間レベルでの交流を深めていけるように努めてまいりたいと考えておりますので、議員のご理解とより一層のご支援をお願いしたいと思います。
 以上です。
○議長(岡田彦士君) 質問ありませんか。
 三上英夫君。
◆8番(三上英夫君) ありがとうございました。
 当初、この派遣事業が始まったときを思い出しますと、やはり教員派遣や中学生派遣の当初は、現地の企業に勤務されていた近江八幡市ご出身の方に随分お世話をいただきました。そういう視点から言えば、いろいろな交流が中学生派遣事業の再開のきっかけになるかもしれません。今後、経済面や観光面での交流など、大いに取り組まれることを期待します。
 また、ここ近江八幡市は近江商人発祥の地の一つでもあります。近江商人は、売手よし、買手よし、世間よしの三方よしの精神とともに、リスクを恐れない進取の精神で全国へ打って出、成功を収めました。今はコロナ禍の収束が見え始めた厳しいときでもございますが、近江商人の進取の精神を引き継ぎ、海外との交流にも果敢にチャレンジしていく本市であってほしいものです。
 この件に関しては、これで質問を終わります。
 次に、大きな2つ目の質問、今年4月に小学6年生及び中学3年生を対象に実施されました令和5年度全国学力・学習状況調査について質問をさせていただきます。
 令和3年1月の中央教育審議会の答申の中で、令和の日本型教育の姿を「子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現をし、主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善を進めていくことが必要です」と書かれています。
 また、文部科学省は7月下旬、令和5年度の全国学力・学習状況調査の結果を公表しました。
 そこで、質問させていただきます。
 1点目として、今学校ではどのような学力、学ぶ力をつけることが求められていますか。できるだけ分かりやすい言葉を用いて説明していただければありがたいです。
 また、そのため、先生方が日々取り組まれている授業改善のポイント、こんなところが従来と異なる点ですという、いわゆる不易流行の流行の部分についても教えてください。
 2点目として、今年度の学力・学習状況調査の結果から見られる本市の子どもたちの学力や学習状況の特徴や成果について教えてください。また、今後の課題について教育委員会としてどのように捉えておられますか。それぞれ校種別にお聞かせください。
 3点目として、今年度特に力を入れて取り組んでおられる「早寝・早起き・あさ・し・ど・う」の中の「ど」、つまり読書について伺います。
 学力・学習状況調査の質問紙に以下のような質問がありましたが、本市の状況はいかがでしょうか。1、読書の時間について、2、学校図書室や図書館の利用状況について、3、読書の好き嫌いについて、教育委員会の分析も含めてお願いします。
 以上を初問とさせていただきます。よろしくお願いします。
○議長(岡田彦士君) 当局の回答を求めます。
 大喜多教育長。
             〔教育長 大喜多悦子君 登壇〕
◎教育長(大喜多悦子君) 三上議員ご質問の全国学力・学習状況調査についてお答えします。
 1つ目の学力、学ぶ力についてですが変化の激しいこれからの社会においては、様々な人たちと力を合わせて課題を解決する能力が求められています。
 そこで、学校では子ども一人一人が持続可能な社会のつくり手となるように、確かな学力、豊かな人間性、健やかな体の3要素をバランスよく育てるように指導しています。
 また、学力、学ぶ力には、数値や点数で測れる力、いわゆる認知能力と、意欲やコミュニケーション能力、粘り強さなど、数値で測れない力、非認知能力がありますが、それぞれを高めていくように学校教育を進めています。
 次に、授業改善についてですが、本市では、学ぶ力向上に係る「生きる力」育みプランを策定し、授業での指導方法の改善に努めています。改善の方向としましては、従前からの知識技能、理解力を身につけるだけでなく、主体的に情報収集し、友達の考えを取り入れることや学びを振り返るなどの分析や自己評価力をつけ、学んだことを活用し、解決していく課題発見、問題解決能力が育つ探求型学習授業に変えていくことです。
 そこで、学習の手段として最近特に効果があると言われているものに、タブレット端末等ICTの活用や授業での図書の利活用があります。本市では、これらの学習方法を学校での指導に定着させていくために、授業改善に係る研究校を指定し、教育委員会と学校が一体となって研究に取り組んでいます。
 2つ目の全国学力・学習状況調査の結果についてお答えします。
 学力調査については、小学6年生では国語、算数ともに3から4ポイントほど全国平均を下回りましたが、昨年度と比較しますと、算数で全国平均との差は改善しました。
 中学校では、国語、数学では5から6ポイント程度全国平均を下回りましたが、国語科で若干改善しました。また、今年度行われた英語では2ポイント程度と、差は少しですが、全国平均を下回りました。
 学力テストから分かる課題としましては、小学校では、図表やグラフなど様々な情報を整理する設問や、相手の思いや考えと比較しながら自らの考えをまとめる設問で、正答率が低い状況があります。
 中学校では、自分の考えを整理し、根拠に基づいて説明する設問や、目的に応じて柔軟に式や表現を変化させる設問で、正答率が低い状況です。
 こうした課題を踏まえつつ、今後も授業での指導方法の改善に努めていきます。
 次に、学習状況調査の結果についてお答えします。
 小学校、中学校ともに、食事や起床時間など基本的な生活習慣を問う質問に対して、全体として肯定的に回答している割合が全国よりも高く、規則正しい生活を過ごす意識や習慣が高まってきました。また、友達や先生との関わりや、学校が楽しいかなどの学校生活の様子を問う質問に対しても、全体として肯定的に回答する割合が全国より高い状況にあります。
 このほかにも地域行事への参加や地域社会への関心を問う質問に対しても、本市の子どもたちは大変意識が高く、ふるさとに愛着を持っている様子がうかがえます。これらは本市が取り組んでいる「早寝・早起き・あさ・し・ど・う」運動の成果であり、また学校が子どもたちにとって安心して過ごせる場になるように、教育活動を工夫している教職員の努力によるものと捉えています。
 学習状況調査における課題としましては、小・中学校ともに家庭での学習習慣に全国との比較の中で大きな開きがあります。家庭での学習時間が短く、計画を立てて学習する習慣が十分についていない傾向にあります。
 そこで、中学校区の小・中学校で家庭学習に重点的に取り組む期間を設けることや、自分の興味関心に応じた自主家庭学習を推進するなど、それぞれの学校で対策を講じています。
 また、教育委員会としましては、個々の状況に応じて家庭学習が進められるよう、日常的なタブレット端末の持ち帰りとAIドリルの活用を検討しているところです。
 最後に、3つ目の読書の状況についてお答えします。
 学校の授業時間以外の平日の読書量では、小・中学校ともに2時間以上読書をしているという児童・生徒の割合は全国と差がないことに対して、全く読まないという割合は少し多い状況です。
 次に、昼休みや放課後の学校図書館の利用や、学校が休みの日の地域の図書館の利用状況については、小学校では週に1から3回程度行くと答えた割合は全国より3.5%程度低く、ほとんど行かない、全く行かないと答えた割合は5%程度高いという状況です。
 中学校では、ほとんど行かない、全く行かないという割合が6割弱であり、全国の結果と同様の状況です。
 次に、読書は好きかについては、肯定的に回答した割合は、小学校で63%、中学校で57%であり、小・中学校とも全国より9%程度低い状況です。
 これらのことから、進んで本を読む児童・生徒と読まない児童・生徒の二極化が進んでいることが読み取れます。
 本市では、子どもたちの読書離れが課題であると捉えており、読書に重点を置いて取り組んでいるところです。学校では、子どもたちが本に親しみ、楽しみながら好きな本を選べるように、学校司書と連携し、教室や廊下、ホールなど子どもの近くに図書コーナーを設置しています。また、学校図書館に季節の本や新刊本を紹介するコーナーをつくるなど、行ってみたくなる学校図書館になるよう工夫し、読書環境を整えています。ほかにも、読み聞かせやブックトークを行い、本を読みたくなる工夫を行うなど、読書活動を推進しています。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 三上英夫君。
◆8番(三上英夫君) 大変詳しくお答えいただきましてありがとうございます。
 今回は各教科の平均点の全国と市の差にまで言及していただきました。全国とは少し差があるようでございますが、さらなるお取組をお願いいたします。
 一方、友達や先生との関わりや、学校が楽しいか等の質問に対しては、全体として肯定的に回答する割合が全国より高い状況にあるとの結果でした。多忙な中でも子どもたちと向き合う時間を確保してくださっていると感じました。今後も一人一人に寄り添い、懇切なる支援をお願いします。
 そこで、気になる点について再問させていただきます。
 全体的に読書時間が減っている、読書離れが多いとのことですが、今後どのように取り組んでいかれますか、お伺いします。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 三上議員の再問にお答えします。
 本教育委員会では、令和4年度に続き、重点取組としまして学校における読書環境の充実と読書活動の推進に取り組んでいます。今年度新たに取り組んだこととしましては、まずは学校図書館環境を充実させ、子どもたちが利用したくなる図書館にするために学校司書を増員しました。
 また、市内の小学生、中学生を対象に、トップコンクールと言われる、本を選ぶ人向けのお勧めPR広告づくりを予定しており、10月から11月にかけて作品募集を行うことで準備を進めています。このコンクールは、子どもたちが読書を通じて感動したことや印象に残ったことを表現することの楽しさを感じ、様々な本と出会うことを目的としています。
 教職員への図書館教育に係る指導力向上に資するものとしましては、教育委員会から学校図書館だよりを発行することや、専門的知識を有する市立図書館の司書や有識者を講師として、ブックトークの仕方や本の調べ方、渡し方、また図書の授業での利活用について研修を行いました。
 また、教育研究所では、研究員が学校での読書活動の推進をテーマとして研究協力校を設置し、来年度までの2年間研究を行っております。
 このほかにも、保護者を対象としましては、家庭での読書活動の推進として、うちどくの啓発に取り組んでおりますが、今年度は、市で行う子育てサロンの開催時にテーマに合った本を並べて啓発するとともに、市PTA大会でもうちどくの推進をテーマとして講演を行う予定です。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 三上英夫君。
◆8番(三上英夫君) ありがとうございました。
 新しい取組も試みられるということでございます、家庭においては、本の冊数にも差があったりします。また、一人一人の子どもたちにどうぞご配慮をよろしくお願いします。
 もう一点、再問させていただきます。
 本市児童・生徒は以前から地域行事への参加や地域社会への関心が高い傾向がありますが、高い理由をどのように捉えておられますか。
 私は、各校での地域の人を巻き込んだふるさと学習の取組も一役買っているものと考えますが、どうでしょうか、お伺いします。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 三上議員の再問にお答えします。
 地域に関する設問に対して肯定的に回答する児童・生徒が多いことは、本市として大変誇らしいことであります。このことは地域の子どもたちは地域で育てるという意識を大変高く持っていただき、まちづくりをされていることのたまものと思っております。まちづくり協議会では、子ども対象の様々な体験活動を実施していただいております。また、中学生が地域のイベントの企画や運営に積極的に関わる機会もつくっていただいております。
 教育委員会が担っている部分では、大きく次の2つが関係していると考えます。
 1つ目は、議員お示しのとおり、教育大綱の理念の下、ふるさと学習を推進しており、内容も充実してきました。それぞれの校区で地域の誇れる伝統的な行事や自然、人などに焦点を当て、地域の方を学校に招いて話を聞いたり、地域に出かけて見学をしたりすることで地域のよさを知り、愛着を持つことにつながっています。中には、まちづくりの観点から、地域の方と協力して史跡を通した地域の活性化プロジェクトまで行っている学校もあります。
 2つ目は、学校運営協議会を設置し、コミュニティ・スクールとして学校運営を行っていることです。地域や保護者の委員の方々と学校の教育活動について熟議を行うことで、地域の思いを反映した教育活動を実施しています。地域で活躍されている方々や地域の企業などと連携した取組も増えており、地域の課題を自分事として考える学習を行っています。
 中学校でも、生徒会と学校運営協議会委員が、自分たちの学校をよりよくするためだけではなく、地域のために自分たちができることを話し合う場を設け、取り組むなど、まちづくりへの参画、地域の一員としての自覚形成につながっていると考えております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 三上英夫君。
◆8番(三上英夫君) ありがとうございます。
 本日、大川議員の質問の中で、地域での環境学習も紹介していただきました。それも含めて、それぞれの地域をしっかり子どもたちが見詰め、そして自分たちは何をしなければならないのかというような意識を芽生えさせている、そういうご指導が実を結んでいるのではないかと考えております。また、継続をしていただけたらありがたいです。
 今回、この質問をしましたのは、保護者や市民の皆様にも子どもの学力というものについて注目し、考えてもらいたかったからでございます。テストなど、数字では測れない、いわゆる非認知能力、先ほどの言葉を借りますとコミュニケーション能力あるいは意欲、へこたれない力などもおっしゃっていただいたと思いますが、こういう力も今求められている学力の一つであるという認識が得られたのではないかと思います。ありがとうございました。
 最後に大きな3つ目の質問として、子ども文化芸術賞についてお尋ねします。
 本市では、文化振興に関わる担当課を中心に、市内の児童・生徒たちが一流の芸術に触れる体験の機会を設けてくださっています。6月には市内小学5年生が、7月には6年生が文化会館大ホールに会し、太鼓やオーケストラの演奏など本物の文化芸術をそれぞれ堪能し、文化芸術に対する新しい見方や感性が育まれる機会になったのではないかと考えます。ぜひ今後もこのような事業を継続していただきたいと希望します。
 ところで、文化の秋、芸術の秋などと言われるように、秋には各種の美術展や文化芸術に関する発表会などが開催され、多くの児童・生徒も参加し、毎年すばらしい成績を収めておられます。そうした熱心な子どもさんの文化芸術活動を奨励し、さらなる活躍を応援するものとして、子ども芸術賞を市長様が直接授与されると伺っております。
 そこで、質問させていただきます。
 1つ目として、この子ども文化芸術賞は平成20年度から16年間継続して取り組まれており、毎年広報「おうみはちまん」にも表彰の様子が大きく取り上げられ、受賞した子どもたちの励みになっているものと考えます。
 そこで、今までの受賞者の部門別、校種別の人数等及び事業の成果について教えてください。
 2つ目に、子ども文化芸術賞と子ども文化芸術特別賞があります。特別賞が上位の賞という理解でよろしいのでしょうか。昨年度の募集要項の文言を借りれば、子ども文化芸術賞は、「今後も活躍が期待される方や団体に授与する」とあり、子ども文化芸術特別賞にはそういう文言はありません。既に全国規模の大会等で優秀な成績を収めているので、その必要がないとも受け取れます。そこで、この2つの賞の違いについて教えてください。
 3つ目に、特にここ3年間の受賞者について、特定の学校の子どもさんが多く受賞されていますが、他の学校や関係者からの推薦や申請がなかったということでしょうか。もしそうであるならば、せっかく受賞された方と同様の成績や成果を上げながらも、推薦や申請がなかったため受賞なしとなってしまっている児童・生徒さんがおられたとも考えられます。これは公共事業の公平性や教育面での平等性に鑑みると、少し違和感があります。賞を選考されている審査会における話題にならなかったのでしょうか、お伺いします。
 4つ目に、募集のお知らせには「受賞をきっかけにさらなる活躍を応援する」と書かれていますが、具体的にはどのような応援をされていますか。
 以上4点を初問とさせていただきます。よろしくお願いします。
○議長(岡田彦士君) 当局の回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
             〔総合政策部理事 嵐 孝雄君 登壇〕
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 三上議員お尋ねの子ども文化芸術賞のご質問にお答えいたします。
 まず1点目の子ども文化芸術賞のこれまでの部門別、校種別の受賞者数及び事業の成果ですが、平成20年度から令和4年度までの間、子ども文化芸術特別賞において個人33人、団体1団体、子ども文化芸術賞において個人95人、団体22団体、令和元年度に創設した子ども文化芸術審査会特別賞では個人2人、団体4団体がそれぞれ受賞されています。
 また、受賞者の校種別割合は、未就学児2%、小学生54%、中学生35%、高校生6%、校種混合3%となっています。
 事業の成果といたしましては、受賞された子どもたちが自己肯定感や文化芸術活動への取組意欲を高め、さらに芸術分野の才能を伸ばしたり感性を育んだりする契機につながるなどの成果があったと考えております。
 次に、2点目の各賞の違いにつきましては、子ども文化芸術賞は、文化芸術活動及びその成果が顕著と認められ、今後の活躍が期待されるもの、子ども文化芸術特別賞は、文化芸術分野における全国規模以上の大会等に出場及び出品し、上位入賞、またはこれと同等の成績を収めた者となっており、議員ご質問のとおり、子ども文化芸術特別賞が上位に位置づいております。
 また、全国規模で優秀な成績を収めた子どもたちに子ども文化芸術特別賞を授与する理由ですが、地域で彼らの功績を顕彰することで、子どもたち自身の誇りや自信につなげるだけでなく、広く地域に周知することで地域の文化振興や教育現場の活性化につながるものと考えております。
 次に、3点目の特定の学校の子どもが多く受賞結果を得ている件ですが、議員ご指摘のとおり、文化芸術活動に熱心に取り組む学校や、専門の知識や技術を持った教諭が在籍する学校が各学校の特性を生かし、公募展へ積極的に挑戦されたり、精力的な文化活動を展開されたりして、そこで成果や結果を得て熱心に推薦される傾向があります。
 主な推薦者となる学校に推薦格差があることは審査会でも指摘されており、市としても課題と感じているところでございます。そのため、募集案内や推薦について引き続き、各校をはじめ関係機関への周知を徹底するとともに、過去の受賞結果や事例の紹介などを行うことで、学校間の応募格差是正に努めてまいります。
 次に、4点目の具体的な応援についてですが、本賞での顕彰自体が子どもたちの文化芸術活動を応援する事業として位置づけ、実施しているものでございます。市としましては、文化芸術を生かしたまちづくりに寄与する本事業の充実に向け、今後も引き続き取り組んでまいりたいと考えておりますので、学校間の格差是正策や子どもたちの文化芸術活動に対する応援方法などについてアイデアなどがありましたら、ご提案いただきますようよろしくお願いいたします。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 三上英夫君。
◆8番(三上英夫君) 趣旨のご説明はよく理解できました。ありがとうございます。
 提案を兼ねてちょっと再問をさせていただきます。
 子ども文化芸術賞も子ども文化芸術特別賞のどちらももちろん、受賞した子どもたちに今後の活躍を期待し、応援しておられると思います。
 私は表彰の基準に少しこだわりがあります。基準として、全国規模の大会等への出場や出品が上げられていますが、そこが強調され、成果主義、成績主義になっている印象を持ちます。換言すれば、受賞の結果や成績によって芸術賞と特別賞に振り分けておられ、顕彰とはいうものの、表彰して終わり的な取組にはなっていないでしょうか。
 推薦主体の学校では、一度推薦し受賞した児童・生徒を、平等性の観点から、再度この賞に推薦してこられることは少ないのではないかと考えます。また、1回目の推薦で文化芸術特別賞を授与された子どもが2回目の推薦では、下位の賞である文化芸術賞を授与されている事例がありましたが、継続して努力している子どもに下位の賞を授与されるのはどうかと考えます。これは子どもの受賞成績によって振り分けておられる事例ではないかと思われるからです。大切なのは、そういう意欲や才能がある子どもたちをいかに育てていくかがこれからは重要であると考えます。
 そこで、子ども文化芸術賞の位置づけを変え、育てる視点で時代に合った取組に変えていくという提案です。まずは、優秀な成績を上げた子どもたちには子ども文化芸術賞を全員に授与し、その後、受賞者を応援する取組を数年間行うということです。応援する取組とは、例えば受賞した子どもたちがより高い文化芸術を鑑賞できる機会を紹介したり、子ども自身がさらに腕を磨ける場を紹介したり提供したりすることが考えられます。顕彰して終わりではなく、数年のスパンで受賞した子どもたちを何らかの方法で見守り続け、中学生や高校生になったときに、文化芸術活動をさらに続け、頑張っている児童・生徒に上位の賞である特別賞を授与するという2段階方式とし、特別賞に重みを持たせることもできるのではないでしょうか。これについては、取組により活動補助金などを予算化することも必要となってくるかもしれません。このように、優秀な人材を育てるという視点が今後一層求められると考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 再問にお答えいたします。
 再問といいますより、非常に具体的な方法についてご提案いただきましたので、当局といたしましても、今おっしゃっていただいたことを参考に、どのようにすればさらに、子どもたちの文化芸術活動が促進され、またそういう広がりが起きるような取組として、変えていく、変更も含めて検討させてもらいたいと思います。引き続き、議員といろいろ意見交換をする中で、この事業の見直し方法を審査会の意見も聞きながら検討させていただければというふうに思っております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 三上英夫君。
◆8番(三上英夫君) ありがとうございます。
 今回、私がこの子ども文化芸術賞について質問いたしましたのは、児童・生徒にとって文化芸術とは何かということを改めて見直していただきたいこと、受賞者の偏りの改善をしていただきたいこと、そして育てる視点での取組に変えていく必要性を感じたためであります。この場での議論が、今言っていただいたように、今後の取組の参考にしていただければ幸甚に存じます。
 また、表彰実施要領に次の授与基準が加えられています。他の機関で入賞していなくても、学校等教育機関が将来性を含み推薦に値すると判断したものとあります。受賞の有無にこだわらず、この分野で今後期待される児童・生徒について、ご多忙の中ではありますが、学校からの積極的な推薦を期待申し上げます。
 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。当局におかれましては懇切丁寧なご回答に感謝申し上げます。ありがとうございました。
○議長(岡田彦士君) 以上で三上英夫君の個人質問を終わります。
 以上をもって本日の日程は全て終了いたしました。
 11日は定刻から再開し、個人質問の15番目、藤村健造君から続行することといたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 ご苦労さまでした。
               午後5時39分 散会
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