録画中継

平成28年第2回(6月)近江八幡市議会定例会
6月16日(木) 個人質問
井上 芳夫 議員
(1)近江八幡市の土砂災害について
(2)国民健康保険について
◆3番(井上芳夫 君) おはようございます。
 創政会の井上芳夫です。議長より発言の許可をいただきましたので、ご質問させていただきます。分割方式で2点ほど質問させていただきます。
 その前に一言、先日市長がご挨拶で触れられたように、姉妹都市でありますマントヴァに訪問させていただきました。参加いただいた市民の方々に感謝いたしますとともに、ご支援いただいた近江八幡市にすばらしい機会をいただきましたこと、改めて御礼いたします。
 また、その翌日、信長まつりが開催されました。市民の皆様や市当局のご協力のもと盛大に開催されましたこと、この場をおかりして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 さて、熊本地震から2カ月がたとうとしています。地震発生後も相次いで震度7や6強を観測する地震が発生し、地域の人々を恐怖と絶望に追いやりました。被災に遭われた方々には一刻も早く復旧の手が差し伸べられることを切に望みます。
 また、南阿蘇での3カ所で、9名ものとうとい命が土砂崩れの犠牲になりました。ここは警戒区域に指定されていなく、斜面が緩やかであるなど、国の定める基準を満たしてなかったためで、県も国も想定外としています。阿蘇地方の火山灰が滞積した地域では、過去に別の未指定の場所でも土砂災害は起こりやすいので、専門家は新たな対策の必要性を指摘しています。
 また、近年、地震だけでなく、ゲリラ豪雨などの大雨によっても土砂災害が起こることがあります。記憶に新しいところでは、26年8月の豪雨による広島での大規模な土石流の発生による土砂災害がその例であります。
 我が近江八幡市においては、余り大きな山地はないように思いますが、山面や斜面を背に生活されているところは多数あります。近江八幡市水防・土砂災害対応計画書にもありますように、指定されている土砂災害警戒区域だけでも40カ所以上、未指定の危険箇所を入れると70カ所以上にもなります。
 梅雨に入って、雨も多くなってきています。近江八幡市としてどのように土砂災害に対応されるのか、また防止するための対策はどのように行われているのか、教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 冨士谷市長。
             〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) おはようございます、皆さん。
 井上議員のご質問の、本市の土砂災害に対する対応及び防止するための対策についてのご質問にお答えを申し上げたいと存じます。
 市水防・土砂災害対応計画書につきましては、平成27年度に、大雨による土砂災害に対しての防御活動及び避難等について明記されました。非常時の監視では、滋賀県が土砂災害警戒情報レベル2、これは大雨による土砂災害発生の危険度が高まったときでありますが、レベル2を発表した場合、本部長は重要水防区域ごとに複数の監視員並びに連絡員にて危険区域の警備に当たり、異常を発見した場合は直ちに市水防本部、すなわち災害対策本部に報告するとなっております。
 また、県指定の土砂災害警戒区域等の地図情報に基づいて、詳細な対象区域の地図への落とし込みや土砂災害対策への取り組みを進めました。現在、市域の土石流の土砂災害警戒区域が29カ所、そのうち16カ所につきましては土砂災害特別警戒区域に指定されております。また、急傾斜地での土砂災害警戒区域は76カ所あり、そのうち56カ所が特別警戒区域に指定されております。地すべりについての指定箇所はございません。
 次に、防止対策としまして、土砂災害防止対策基本方針が、平成27年1月16日付で、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の改正に基づき変更されております。主な変更点は、都道府県が実施をします基礎調査の結果公表を行い、住民に対して早期に土砂災害の危険性の周知や、地域の理解を得ながら土砂災害警戒区域等の指定の促進等であります。また、大雨時等において、住民、消防団等からの通報を受け現地確認を行うとともに、必要に応じて住民の避難を促すよう対策をとっているところであります。
 また、砂防関係の事業としましては、土石流の防止として、県施行による砂防事業、急傾斜地の崩壊防止として同じく県施行による急傾斜地崩壊対策事業等が事業メニューとして整備されており、この事業を県に要望し、計画的に施行していただいてるところでございます。
○議長(井狩光男 君) 質問ありませんか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ご丁寧な回答ありがとうございました。
 関連して、それではちょっと再問させていただきます。
 私の住んでる学区の石寺あたりですね、裏に観音正寺のある、あの辺あたりの危険箇所や防止対策はどのようになってるか、少しお伺いいたします。
○議長(井狩光男 君) 廣瀬都市整備部長。
◎都市整備部長(廣瀬信之 君) 議員の再問にお答えさせていただきます。
 安土町石寺ということでございますが、桑実寺地区を含めた繖山手の現状といたしましてお答えさせていただきます。
 土石流の土砂災害警戒区域が7カ所で、そのうち3カ所につきましては土砂災害特別警戒区域に指定されております。また、急傾斜地での土砂災害警戒区域は11カ所あり、そのうち8カ所が特別警戒区域に指定されております。
 このような現状でございますので、地元から現地確認のご要望等がございましたら、本市といたしましても県へ要望いたしまして現地の確認に参りたいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 質問ありますか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。また地元住民の方と相談しながら言わせていただくというふうにさせていただきたいなあというふうに思います。
 関連して、もう一つ再問させていただきます。
 今、東近江地域の五個荘七里より佐生、山本より伊野部の山林の整備が行われています。住民による負担はないと聞いております。
 森林整備の効果に、ナラ枯れの防止や水源の涵養、生物多様性の保全、土砂災害の防止など、極めて多くの多面的機能を有してます。また、獣害対策など、森林にすむ動物と人間の生活の場のすみ分けもでき、近年近江八幡市でも見られるイノシシの被害からも解消されます。
 どのような手続で森林整備されているのか、教えていただけませんか。よろしくお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 冨士谷市長。
◎市長(冨士谷英正 君) 議員がご指摘をされました東近江五個荘町のこの地先で行われております森林整備は、これ国の森林環境保全直接支援事業を活用した事業であると思っております。この事業の採択基準としましては、1つとして、森林経営計画及び事前計画の策定、認定、2つ目として、5ヘクタール以上の施業実施面積、5ヘクタール以上ということになっております。もう一つは、1ヘクタール当たり平均10立方メートル以上の伐採搬出であります。4点目として、事業実施に当たっては、森林経営計画の5カ年間に森林所有者等が森林組合等に事業委託の要件が求められております。そういったものが採択基準でございます。
 また、国の補助金制度でございますが、これは国、県、市が80から85%負担し、地元負担は事業費のその差額、すなわち15%から20%となるわけであります。
 その他に、いわゆる荒廃しております里山の手入れ、これを行います里山リニューアル事業とか、あるいは里山の防災機能を強化します里山防災整備事業等がございますが、その目的や用途によってそれぞれ採択基準が違っているところであります。
 これはどちらの事業も、市と森林所有者等が5年以上の協定を結ぶ、それで里山の保全、5年以上の協定を結びながら里山の保全義務がそこに生じるわけでありまして、またこれらの事業には70万円、これは1ヘクタール当たりでありますけれども、70万円の上限額が定められておりまして、これを上回ると地元負担が発生する場合があるわけであります。
 森林の保全は、基本的には所有者がまず行うべきものであるわけでありますが、全所有者の山林全体を常に管理することは非常に困難な状況でございまして、よって、さきの森林環境保全直接支援事業あるいは里山リニューアル事業、また里山防災整備事業等の制度での活用が考えられるところであります。
 今後は、事業実施を希望される場合は、市を通じて県と協議をして、活用できる補助メニューがないか相談をさせていただきたい、かように思っております。
○議長(井狩光男 君) 質問はありませんか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございました。また地元地権者とご相談させていただいて、また伺いたいなというふうに思っております。本当にありがとうございます。
 それでは、2つ目の質問に移らさせていただきます。
 国民健康保険は、日本の社会保障制度の一つで、国民健康保険の加入者が病気やけが、出産、死亡した場合に必要な医療費が保険料から支払われる制度です。また、国民健康保険は各市町村が運営しており、加入や脱退などの手続は、市民登録のある市区町村で行います。市区町村ごとに運営しているため、サービスや保険料も住む場所によって多少異なります。
 近年、医療の進歩により、高度な医業が行われるようになってきました。もちろん人の命にはかえられませんが、それに伴う高額な医療を行うことがあります。
 先般5月25日に、創政会で、国民健康保険の研修を行いました。その中で、C型肝炎の特効薬であるハーボニーやソバルディ錠は1錠数万円かかり、12週間飲み続けなければならないということでした。
 また、がん細胞を消す夢の薬と言われているオプジーボは、もともと皮膚がんの治療薬であったが、肺がんの治療薬としても去年12月に保険適用が認められました。もともと体に備わっている免疫力を利用してがん細胞を消す薬で、体重60キロの患者が1年間で26回使用すると、年間3,500万円かかるということです。この薬は、効果のある人には確かに効くが、使う患者を選べず、いつやめてもいいかもわからないということです。
 そのほかにも、高額な医療は幾つもあります。我が近江八幡市においても、3月の補正予算で約1億円の補正をしたように、国民保険の会計の保険給付費は年々増加の一途をたどっています。国保の基金より毎年繰り入れしていますが、もうすぐ基金がなくなると聞いております。
 今後どのように国保会計を維持され運営されるのか、お尋ねいたします。よろしくお願いします。
○議長(井狩光男 君) 姓農市民部長。
             〔市民部長 姓農彰宏君 登壇〕
◎市民部長(姓農彰宏 君) 皆さんおはようございます。
 井上議員のご質問についてお答えをいたします。
 まず、国民健康保険特別会計における保険給付の増加につきましては、議員ご指摘のとおり、医療の進歩や高齢化に伴い、全国的にも年々増加傾向にあります。本市におきましても同様であり、特に平成27年度下半期の増加率は想定を超える状況でございました。その要因につきましては、本年4月の臨時会でもご説明させていただきましたとおり、入院における高額レセプト件数の増加や、高額な薬剤の開発、承認、使用による影響が大きく、議員ご指摘の新薬の影響もその要因の一つとなっております。
 今後の国民健康保険の財政運営に対する取り組みでございますが、健全化に向けた方針といたしまして、医療費適正化対策、収納率向上対策、保健事業の推進を基本の柱として取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 具体的には、医療費の適正化対策としまして、医療費に対する意識向上と、重複頻回受診の防止となる医療費通知や、ジェネリック医薬品の使用促進のための利用差額通知や広報の強化、またレセプト点検の精度を高めるために新たな専門業者によるレセプト審査を実施することも検討しております。
 次に、収納率向上対策につきましては、医療費の高騰による影響を大きく受けていることにより、今後の保険財政を維持していくために、平成28年度は保険料率の改定を行い、市民の皆さんには相応のご負担をいただくことになりましたが、負担の公平性の確保の観点から、関係課と連携しながら、保険料の納付意識の向上に努め、目標である94%以上を確保したいと考えております。
 最後に、保健事業の推進ですが、本来は市民の方々に健康になっていただくことが第一でありますので、市民の方がみずからの体の状態を知っていただくために、関係課と連携をしながら健診等の受診勧奨を行い、早期発見、早期治療に努めていただけるように、より一層の啓発活動に取り組みたいと考えております。また、データヘルス計画に基づきながら、生活習慣病対策を初めとする重症化予防への取り組みもあわせて推進していきたいと考えております。
 このような取り組みにより、医療費の抑制と歳入の確保に努めながら運営してまいりたいと考えておりますが、今後も高齢化や医療の高度化はますます進んでいくと想定されますので、その動向を注視し、情報収集に努めながら、先を見据えた対応を行うことに加え、市民の皆様にも情報発信をしていきたいと考えておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 質問はありませんか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございました。
 それでは、再問させていただきます。
 小さな町のときは保険料は安かってよかったと言われることがあります。現在のように高度で高額な医療費を支払っていたら今も保険料が安いかどうかはわからない、また1億円もの補正を組むことはできたでしょうか。
 分母が大きくなることにより、大きな財源を持つことができることで、財政基盤が安定すると思います。その観点から、国民健康保険の財政運営の責任主体が平成30年度より県になるということですが、市独自の施策や保険料などはどのようになりますか。
○議長(井狩光男 君) 姓農市民部長。
◎市民部長(姓農彰宏 君) お答えをいたします。
 まず、国民健康保険制度改革についてですが、平成30年度から都道府県が財政運営の主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等の中心的な役割を担うとされております。
 その仕組みを簡単に申しますと、県は市町ごとの国保事業費納付金を決定し、同時に標準保険料率を算定、公表をいたします。また、市町が支払うべき給付に必要な費用は全額、市町に交付金として支払っていただくということになります。
 一方、市は、県から示された標準保険料率等を参考に保険料率を決定し、賦課徴収を行います。また、国保事業費納付金を県に納めることで、市町が支払うべき給付に必要な費用は県から交付金として受け取るという形になります。
 議員ご質問の市独自の施策につきましては、この保険制度改革の事業には含まれておりませんので、今後も市独自に考えていくことになります。保険料のあり方につきましても、各市町で現在さまざまな意見が出されており、県内市町で構成される協議会等で今後検討を進めていくことになりますが、標準保険料率の算出におきましては、各市町の医療費水準等により算出されることになりますので、医療費が高い市町では県への納付金や保険料も高くなることが想定をされます。
 いずれにしましても、詳細につきましてはいまだ未確定の部分や県と市町での継続協議中の事項もございますので、十分な回答をさせていただくことはできませんが、平成28年度から、今年度から本格的な準備段階に入りますので、より具体化されてくるというふうに考えております。年度末にはもう少し具体的な情報をお伝えできるものと考えております。
 以上です。
○議長(井狩光男 君) 質問ありますか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。医療費を安くして保険料が安くなるように、県のほうにもお願いしたいなというふうに思います。
 先ほども言われたように、検診とかそういったものの啓発というのをしていかなあかんということで、もう一方の医療費を安くする方法ということで、予防の医学や早期発見ということが言われてます。現在、日本の男性の死亡率の1位は肺がんで、女性の1位は大腸がんと言われています。早期に発見できる先ほども言われた検診をすれば、ずっと安くつくと思います。
 肺がんや胃がんなど、がん検診の受診状況や受診啓発はどのようになってるか、お尋ねいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 津田福祉子ども部理事。
◎福祉子ども部理事(津田幸子 君) おはようございます。
 ただいまの、がん検診の状況でございますけれども、本市の場合は5つのがん検診を実施しております。今ご質問にありました肺がんと、それから胃がんと乳がん、子宮がん、それから大腸がんですけれども、それぞれ27年度の受診状況を申し上げますと、胃がんのほうは1,293人、受診率としまして5.5%、大腸がんは4,163人、受診率として18%、肺がん検診は643人で2.5%、乳がん検診は1,270人で17%、子宮頸がん検診は1,533人で受診率15%ということで、県内の他の自治体に比べますと少し低い状況が続いております。
 本市のほうでも、先ほど議員がお尋ねありましたけれども、年間七百二、三十人の方が亡くなられるんですけれども、そのうち200人ぐらいはがんで亡くなっておられるという状況になっております。その中でも本市で最も多いのは、やはり肺がんというところが一番多い状況でございますので、検診を受けていただくことが一番必要かというふうに思っております。
 それから、受診啓発の方法につきましては、健康カレンダーというものを年間を通じて使えるものとして各戸配布をさせてもらったり、それから広報でも特集を組んでがんの掲載をしております。それから、ZTVとかタウンメールの情報発信ということで、現在200人ぐらいが登録をいただいております。それから、年齢によりましてクーポン券というものを発行させていただいたり、それから2年前とか昨年度受けた方には個別に電話で受診勧奨を行っています。それから、子宮頸がん等につきましては、幼稚園とかこども園にも集団検診のバスを持ち込みましてそこで実施をさせていただいたり、それからまた健保組合が実施される会社の検診にも一緒に同席をさせてもらったりしていますし、今後は、女性の従業員の多い企業とタイアップをしまして一緒にがん検診をするということをちょっと計画として持っております。それから、来月から始まりますヘルスケアポイントのポイント制のところでもがん検診を項目として加えておりますので、そういったことを啓発の方法として取り入れていきたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 質問はありますか。
 井上芳夫君。
◆3番(井上芳夫 君) ありがとうございます。受診状況がもう一つよくないということで、できるだけ目標を決めて、どちらの企業さんでも目標を決めて、それに向かってやるということでやっておりますので、目標を決めて進めていただければありがたいなというふうに思います。丁寧なご回答ありがとうございます。
 先日、私も商工会でがん検診の案内の啓発チラシをいただきました。また、ヘルスケアポイント事業の案内もいただきました。自身のためにもがん検診を受けなければと思います。本当に自分のことですので、皆さん自分のことですので、できるだけ早期予防していただければありがたいなと思います。
 いろいろご回答ありがとうございました。これで終わります。どうも。
○議長(井狩光男 君) 以上で井上芳夫君の個人質問を終わります。
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