録画中継

平成29年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月6日(月) 個人質問
園田 新一 議員
(1)低所得世帯への子ども支援について
(2)雇用促進に係る支援について
◆15番(園田新一 君) 翔政会の園田でございます。
 私のほうからは、大きく2点、分割にて質問をさせていただきますのでよろしくお願いを申し上げます。
 まず1点目、低所得世帯の子ども支援についてお伺いをいたしたいと思います。
 さきの12月議会で子どもの貧困についてデータをもとに質問をさせていただき、子どもを取り巻く環境が非常に深刻な状態になっていることを市長初め当局の皆さん方は十分認識されていることと思います。
 今、生まれた子どもたちが20年後、働く世代になったとき、単純作業はロボットが、また頭脳を使う定型的な仕事は人工知能ロボットがしてくれる時代になっていることはほぼ間違いないと思われます。
 そうしたときに、人間が社会の役に立つ生きがいのある仕事をするには、人工知能ではできない能力や知恵を身につけなければならないのではないかと思うわけであります。
 そう思いますと、今の子どもたちにしっかりと基礎的な学力をつけ、さらに考える力を持ってもらうようにしないと貧困の世帯が将来ますますふえるのではないかと危惧するものでございます。
 国のほうでは、平成25年度に貧困対策の推進に関する法律を制定し、各地方自治体に貧困対策への取り組みを推進するよう求めております。
 先般のテレビでも、大阪市で子どもの生活実態調査を子どもの貧困対策計画に基づき実施した内容が報道されておりました。滋賀県でも、1カ所、調査したとマップ上に記されております。多分、彦根市ではないかと思いますが、1カ所調査したデータがございました。
 子どもたちの生活実態調査については、各小学校で独自にされていると思いますが、貧困対策に関する実態調査となると少し視点が変わりますので、貧困対策を検討する上では非常に重要な調査ではないかと思います。
 そこで、本市の平成29年度の取り組みとして、新規事業で低所得世帯の子どもたちの支援策として何があるのか、今後の方策も含めてお考えをお伺いしたいと思います。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 鳥居福祉子ども部長。
             〔福祉子ども部長 鳥居広子君 登壇〕
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) 園田議員の低所得世帯の子ども支援についてのご質問にお答えをいたします。
 子どもの学力と貧困については、その分野の統計として、文部科学省の委託調査に学校の学力テストの成績等を親の所得階級別に平均点をとったものがございます。
 学校で習っているテストの成績で見ても、子どもの学力と親の所得に関係性があり、学力と貧困状況は密接に関係していると察することもできます。
 本市におきましては、平成25年度より生活保護世帯の中学生を対象に進学支援教室を開始し、現在は生活困窮者自立支援法に基づき、生活保護、困窮世帯の中学生、高校生を対象に高校進学率の向上、高校卒業を目指した支援を貧困の連鎖を防止する目的で、週1回、総合福祉センターひまわり館において実施しているところでございます。
 成果としましては、一人では学習が進めにくい中学生に対し学習指導を受ける機会を、高校生に対しては学習する場所の提供や学校生活の悩みを聞くことで精神的なフォローを行うことができました。
 また、課題として、ご質問にありますとおり、貧困家庭にある子どもが基礎的な学力を身につけないと将来的に社会的損失につながるという点においては、より多くの対象者に参加を促す必要性がありますが、現状は参加人数が少数にとどまっている状況です。
 当該事業の今後につきましては、既存の取り組みを発展させる形で、生活保護世帯だけでなく、ひとり親家庭等に対しても広く参加を呼びかけることを検討しております。
 あわせて、開催頻度や開催場所についても参加者の動向を踏まえ見直すことで、一人でも多くの子どもが学習支援を通じ、学力はもとより社会性や協調性を育んでいけるよう支援してまいりたいと考えております。
 また、平成29年度の新たな取り組みとしましては、ひとり親家庭の親とその子どもを対象に国の事業を活用した高等学校卒業程度認定試験合格支援事業を実施いたします。これはさまざまな理由で高等学校を卒業できなかった方、進学されなかった方が高等学校卒業程度認定試験合格のための対象講座を受講、修了された場合と全科目に合格された場合に受講料の一部を支給するというものでございます。
 ハローワークの求人情報を見ましても、学歴が高卒以上という条件の求人が散見され、高等学校を卒業していないことから希望する就業ができないことや、安定した就業が難しいなどの支障が生じています。
 ひとり親家庭の自立や生活の安定を図るためには、よりよい条件での就業や転職が必要であり、この新たな事業がその支援に結びつくと考えております。
 また、子どもの貧困に関する調査につきましては、県の子どもの貧困に関する調査研究結果やひとり親家庭等生活実態調査の結果などを参考に、支援のあり方や施策を検討しており、本市独自の実態調査の実施については今後検討してまいりたいと考えています。
 子どもの貧困はひとり親家庭や低所得世帯の子どもだけでなく、親の病気や障害、社会的な孤立など、さまざまな原因が関係し、経済的な支援にとどまらない多様な支えが必要であると考えます。
 今後も、貧困の状況にある家庭やその子どもたちが低所得や貧困から脱却し、将来的に安定した生活が確保できるよう、福祉部門だけではなく、関係部局や地域と連携を図りながら支援を継続してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 質問はありませんか。
 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) ありがとうございます。
 何点か、ちょっと再問をさせていただきたいと思います。
 ひとり親世帯の児童扶養手当ですが、これの受給状況を調べさせていただきますと、受給世帯は平成23年度末で601世帯だったのですが、平成29年1月末では668世帯となっております。増加率は5年間で約11%アップですね。それから、受給児童数はといいますと平成23年度末では912人、それが平成29年1月末で1,018人となり、増加率が約11.6%となっております。
 受給児童数の全児童数に対する割合を見ますと、平成27年度末では6.46%、同時期の大津市を除く滋賀県全体の受給割合は5.9%ですので、それに比べますと近江八幡市は若干高い数値になっております。
 受給総額も平成29年1月末で約3億1,000万円、年々少しずつ上昇をしております。昨年8月からちょっと受給金額が変わったということでございますが、今後もふえるんでないかなと予想されております。そのうち国の負担が3分の1ということですので、1億円は国が持ってくれるんですけども、残り2億1,000万円は市の負担となっております。
 こうしたひとり親世帯の増加は、生活環境、社会環境あるいは教育環境等いろいろな課題を持つ子どもの増加につながっており、当然行政への相談や救援を求める声が多くなることになります。また、多岐にわたる課題に対して現状の組織では一つの部署での対応はなかなか難しい状況も生まれてきているのではと思っております。
 行政としても、組織の見直しや体制の強化にぜひ努めていただき、貧困の連鎖にならないようにきめ細やかな対応ができる体制をつくっていただきたいのですが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 鳥居福祉子ども部長。
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) 再問にお答えをさせていただきます。
 一つの部署だけではなかなか対応が難しいのでというご質問であったと思います。
 現在、福祉子ども部におきましては、市民の生活の中で一つのご家庭に子どもだけでなく高齢や障害、困窮などさまざまな課題が複数に重なっている場合が多いことから、各担当課の縦割りの支援だけではなく、包括的な支援体制を構築するため部内に設置をさせていただきました福祉施策調整会議におきまして、各課で情報共有や課題抽出、施策展開や役割分担などの協議検討を実施し、課題のあるご家庭に適切な支援が行き渡るよう体制を整備させていただいているところです。
 しかしながら、議員ご指摘のとおり、今後は福祉部門だけにとどまらず、教育や就労など関係部局をまたいだ市全体として横断的な課題への対応が必要だと考えておりますので、連携できる仕組みや体制の強化についても今後検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 質問はありませんか。
 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) 児童扶養手当のしおりをいただいて、ちょっと読ませていただいて、対象受給者の世帯の所得等を見させていただきますと、例えば親1人子2人の場合ですと、最低所得が95万円、全部支給の場合は95万円となっているんですけども、今貧困家庭のラインは幾らかといいますと、親1人子2人の場合は177万円でございます。そうしますと、95万円にこの扶養手当4万2,330円、これに子ども1人プラスして5,000円、さらに今ちょっと昨年から5,000円から1万がアップということですけども、その辺足しましても貧困ラインに届かない状態になっているんではないか。
 これは近江八幡市の問題ではないんですけど、国の制度の問題でしょうけども、いろんなデータを見ますと、日本はこの貧困ラインの所得を再分配しても貧困ラインが高い。再分配しますと貧困ラインが上がりますけども、そうしましても貧困率というのが変わらないという、変わらないか、むしろふえるというようなことも言われておりまして、この辺のジレンマが国のほうで、これは国の問題であれですけども、各自治体も3分の2負担をするわけでございますので、将来また負担がふえるんではないかなと思っておりますので、大きく声を上げていただいて、国のやり方を変えていただくような方向をぜひお願いしたいなと思っております。
 それから、一部ですけども、大阪市では児童扶養手当とは別に図書カードですかね、貧困の世帯の子どもたちの本を読まないという状況もあるようでございますので、図書カードを配っているようなことも聞いておりますので、またそういったきめ細かな対応もお願いしたいなと思います。
 それから、先ほど申し上げましたが、これからの行政の組織の一部はやはり課題解決型の組織にしたほうが動きやすいんではないかなと思うんですけども、例えば今のような子どもの貧困問題ですと、これが深刻になってきておりますので、子ども貧困対策課とか、今空き家もいろいろ問題になってますんですけど、これも空き家対策課とか、そういった課題解決するための組織にしないと連携だけではうまくいかないときもあるんではないかなと感じております。
 学校の問題ですと通学路の問題でも、通学路課とか、以前私もそういうようなものをしたらどうかと言いましたけども、そういった専門の課を設けるとそこで一生懸命そういう対策に取り組んでいただけるんで、専門的にそういう部署が中心になって動ける組織にしたらどうかなと思うんですけども、市長が所信表明で事の本質を見きわめた施策をするということを言われました。まさにそうするためには、こういった課題解決型の組織も改革するべきではないかなと思うんですけどもいかがでございましょうか。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 益田総務部長。
◎総務部長(益田卓弥 君) 園田議員の再問にお答えをいたします。
 組織を課題解決型の組織に改革してはどうかと、こういうご質問ですが、議員が例示されました貧困問題、空き家問題、また通学路問題に関しましても、多くの部署が密接に関係している課題でもあります。これらの関係部署間の連携なしには、なかなか課題解決には至らないというように考えております。
 このようなことから、ご提案いただきました一つ一つの課題に特化した部署を設置し、重点的に取り組むという考え方は、縦割りをなくし課題解決へ向けての有効な組織のあり方の一つではあるとは考えております。
 しかし、本市の今の現状では、限られた人材で少数精鋭の取り組みを継続していることもございます。必要に応じて関係部署間での調整会議を開催するなど、お互いの情報の共有を図りながら連携を密にして、課題解決へ向け柔軟に取り組んでいるところでございます。
 一応、今後もさらなる市民サービスの向上や課題解決に向けた効率的な行政運営を前提としまして、ご提案いただいた組織改革も課題解決型の部署設置も含めまして、組織のあり方、対策の強化については検討してまいりたいというように考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
○議長(井狩光男 君) 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) 京都市では、子ども若者はぐくみ局という局が大がかりですけどあるわけでございますし、彦根市では子ども・若者課ですかね、彦根市も6つの事業を来年度計画されております。子ども貧困対策実施事業として子ども・若者課メーンでやっておられるということでございますし、もう一つちょっと話は変わるんですけども、今地方創生で国のほうからビッグデータを活用してくださいということで、各地方自治体に通知か通達かが行っていると思うんですけども、こういったビッグデータも活用するに当たり、解析する課がないとちょっと難しいんではないかなと私は思っているんです。
 総合政策部でやっておられるんかどうかわかりませんけれども、かなりのデータをやっぱり解析して市の施策に生かすところがないとなかなか難しいんではないかなと思いますので、ぜひご検討いただけたらと思います。
 続きまして、学習支援についてでございますが、先ほど答弁いただきまして、中学生を対象にした進学支援教室、ひまわり館だけでなく、幅広く数多く実施しという回答でございます。
 これはさきの12月議会でも同じような回答いただきました。来年度はこうするというような具体的な事業をお聞きできたらよかったんですけど、検討中ということでぜひ早急に仕組みづくりを検討していただきますようお願いしたいと思います。
 これも先日、最近も子どもの貧困対策の報道が多くなっておりまして、テレビを見ていましたら無料で学習サポートをしているNPO法人キッズドアというところを紹介されておりました。対象はひとり親家庭、多子世帯、収入の低い世帯で、小学4年生から中学3年生までの子どもたちを月2回、2時間ほど少人数対応で学習指導をしておられました。
 先生はボランティアで社会人や大学生で、参考書は譲り受けたものを使用、自治体や企業は何をしているかというと場所を提供していただいているということでございました。
 教えている大学生の中には、そこで学習した子もおり、うまく仕組みをつくれば継続して運営ができるんではないかなと思います。
 また、こういう学習支援というと責任のあるボランティアと捉えられがちなんですけども、子どもたちと一緒に学習したり考えたり話し合いをしたり、大人の知っていることを話したりといった気持ちで参加していただければ、子どもたちとも話したい大人の方は結構たくさんおられるんではないかなと思いますので、そういった人たちを中心とした組織づくりが行政として支援していただければいいのではと考えております。
 そこで、市長にはぜひともそういう団体には学校なりコミュニティセンターを無料で開放していただけたらいいかなと思いますけど、市長いかがでしょうか。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 鳥居福祉子ども部長。
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) 進学支援教室の部分でございますが、さきの12月議会で非常に参加者がまだ少数にとどまっていることから、現在のところなかなか拡大ができないということでお答えをさせていただきました。
 今回、ひとり親家庭のほうにまで対象者を広げさせていただきましたので、参加者の増加に合わせまして、今後、支援場所についても検討をさらに進めてまいりたいと思います。
 また、実施体制についてでございますけれども、今年度につきましては教員OBの皆様方のご協力、ボランティアによるご協力によりまして、支援のほうを実施させていただきましたが、実は夏休み等については大学生のボランティアの支援も受けさせていただけておりました。
 次年度は、対象者の身近なローモデルである大学生のボランティアに来ていただくということは非常にそこで学習をする子どもたちにとって有意義なことであるというふうに考えておりますので、ボランティアの確保に努めることで支援体制の強化のほうを考えていきたいというふうに考えております。
 将来的には、こういう活動によりまして参加者が増加をしてまいりましては、また学習の場、また子どもたちの居場所ということでさらなる充実を図る中で、関係部局とともに公と民の役割分担を明確にしつつも公共施設の利用料や実施体制についてもあわせて検討をさせていただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) ありがとうございます。
 できたら各学区、全学区にそういう体制を整えていただけたらありがたいかなと思います。余談になりますけども、近江八幡市のためにボランティアで活動しておられる団体さんはたくさんございます。そういった方々、学習支援だけじゃなくてそういった方々に対しても公共施設の利用はできるだけ無料にしてあげていただきたいなというように思いますので、ご検討いただきたいと思います。
 それから、子どもの実態調査なんですけども、今全国の自治体で子どもの実態調査が行われております。平成25年に制定されました子どもの貧困対策の推進に関する法律では、第14条に「国及び地方公共団体は、子どもの貧困対策を適正に策定し、実施するため、子どもの貧困に関する調査及び研究その他の必要な施策を講ずるものとする」とあります。
 先日、テレビで報道されておりました大阪市のホームページでその調査資料を見させてもらうと、小学生約1万4,000人、中学生1万3,000人を対象とした生活実態調査、調査項目は29項目、その保護者向けの実態調査が30項目、それから5歳児だけを対象に保護者向けの調査が41項目というような公表されておりました。大変たくさんの調査項目で、子どもたちの生活がわかるような調査をされておりました。
 この資料をもとに大阪市では貧困対策審議委員会というのを組織されており、そこで議論して対策をとられ、協議されている予定になっています。
 ぜひ近江八幡市もこういった、近江八幡市でいいますと子どもの全世帯といいましても子ども4,000人、5,000人ですか、そのぐらいでございますので、全世帯に同様の調査をしていただいて、専門の審議委員会をつくっていただいて対策を協議していただけたらいいかなと思うんですけど、いかがでございましょうか。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 鳥居福祉子ども部長。
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) ありがとうございます。
 議員ご提案の調査、また審議会の設置につきましてでございますが、その対策については、現在、子ども・子育て会議や生活困窮者自立支援運営協議会、要保護児童対策地域協議会など関係分野で議論をさせていただいております。
 議員おっしゃられましたように、大阪市のほうで今調査を実施されています。実は、県内でも先ほどありましたが彦根のほうでも実施をされております。
 近江八幡市としましても、今後、そのアンケートの項目も含め、今後近江八幡市でどういうふうな対策が必要なのかということも議論を深めながら、調査の実施について検討をしてまいりたいと考えておりますのでよろしくご支援のほうをお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) ぜひ調査をお願いできたらありがたいかなと思っております。ただ、大変難しい調査になろうかと思います。専門家の方々の間でもいろいろ議論がありまして、この前、テレビでもやっておりましたが、剥奪指標というので、何かあるらしいんです。まだ、これから専門の間でもいろいろ議論があるようでございまして、難しい指標で、どういう調査をするのがいいのかということを検討していると思いますので、その辺は十分検討していただいて、近江八幡市ならではの対策が何かないか、あるかどうか、調査の上実施していただけたらありがたいかなと思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、2点目の雇用促進に係る支援についてお伺いをさせていただきます。
 これも過去何回となく質問をさせていただきました。行政がどこまで企業経営に介入できるか、限界があることは承知しておりますけども、市内の若者の失業率が県内他市より高いデータということが出ておりますので、なぜという疑問と同時に何か対策を打たないと若者にとって近江八幡市は魅力ある都市なのか疑わしいとの思いから質問をさせていただきます。
 働かなくても住めるからいいんだと言われればそれまでなんですけども、行政にとっては市民税が入ってきませんので、働く若者が多いほどいいことになるわけでございます。
 議員有志でつくっておりますまちづくり研究会の雇用促進部会で、市内の業者さんに協力をいただきまして、一体市内の人をどれぐらい雇用されているのか、調査をさせていただきました。市内の事業所13カ所で6業種で調査をさせていただきました結果、総数で正規職員2,370人、うち市内居住者は668人、市内居住率は28.2%でございました。臨時、パートさんにつきましては、791人中、市内居住者は328人、市内居住率が41.5%でございました。いずれも半分には達しておりません。
 大手事業所さんは本社雇用とか市内雇用が少ないのはよくわかるのですが、市内しかない事業所さんでも市内雇用者が案外少ないというのが少し残念な思いでございました。案外と大手事業所さんのほうが市内居住者が多いように思うのは、これはやっぱり転勤でこちらのほうに市内居住されている関係かと思われます。
 市内居住率が多い企業でも50%しかございませんでしたので、この辺の問題といいますか、市内雇用を促進する方策を企業さんとともに考えて、対策を立てて若者が生きがいを持って暮らせる近江八幡市にすべきと考えますけどもいかがでしょうか、ご回答をお願いできたらありがたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 冨士谷市長。
             〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) それでは、園田議員の雇用促進支援についてのご質問についてお答え申し上げます。
 最近の雇用情勢につきましては、平成28年12月の全国の雇用情勢では、有効求人倍率は1.43倍で実に25年5カ月ぶりの高水準であります。また、滋賀県ハローワーク東近江管内ともに1.26倍で県内の雇用情勢は緩やかな改善が進んでいるところであります。
 市内の従業員数が20名以上の84事業所に対して、3月17日までの回答期日とした雇用状況の調査を実施しているところであります。回答のありました54事業所をいわゆる仮集計しましたところ、正社員が4,141人、うち市内居住者は1,222人、市内雇用率は29.5%であり、臨時、パート社員は2,219人、うち市内居住者1,068人、市内雇用率は48.1%でありました。
 市内雇用率につきましては、議員の調査とほぼ同様の結果が出ているところであります。
 地元の雇用確保につきましては、ハローワークの窓口を通じての職業紹介と新規学卒者の就職等によるところがほとんどでありますが、近江八幡駅前にハローワークの出張所としてハローワークプラザ近江八幡がございまして、ハローワークと同様の求人情報を入手できる体制を整えていただいているところであります。
 市といたしましては、高校生の新規就労対策として、ハローワーク東近江管内の市町とハローワーク等で構成をします東近江地域労働対策連絡会と東近江管内の企業で構成をします東近江地域雇用対策協議会との合同で、企業と高等学校進路担当者との情報交換会を開催し、地元での就労を促しているところであります。
 平成28年5月30日に開催しました情報交換会には、東近江管内47事業所のうち市内企業は9事業所及び県内の28の高校に参加をいただき、地元企業への就労に向けて取り組んでまいったところであります。
 新年度におきましても、市内企業が求めます人材の確保に向け、この情報交換会を開催する予定であり、高校の進路指導や就職支援について高校と市内企業の連携を深めるよう努めてまいりたいと思います。
 また、就労の場の確保の一つとして、新たに事業を創業することが雇用にもつながりますので、平成27年に策定しました創業支援事業計画に基づき、近江八幡商工会議所や、あるいは安土町商工会、あるいは金融機関等と連携をとりながら創業塾や創業相談会の開催といった企業支援を行ってまいりたい、かように考えているところであります。
○議長(井狩光男 君) 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) ありがとうございます。
 当局のほうでも市内事業者に対して雇用の状況調査を実施中ということで中間的な報告をいただきまして、正社員の市内居住率が29.5%ですね。私どもの調査結果では28.2%でしたので、ほぼ同じぐらいのデータになっております。それを、市長、この結果を見てどうお感じになられましたでしょうか。多いか、そんなもんじゃないかとか、感想がありましたらお聞かせ願いたい。
○議長(井狩光男 君) 冨士谷市長。
◎市長(冨士谷英正 君) 非常に分析が難しいと思います。希望する業種があればやっぱり近くに行かれると思いますけれども、最近のいわゆる学生さんというのは非常に個性が昔と違って、昔は食うの精いっぱいだという時代もあったわけでありますから、個性豊かでございますから、かなり自分たちの自分の進む道を、なりに持ってなさいます。それに合致した企業が一つは少ないのではないのかなというふうに思います。
 例えば商社マンになろうと思いますと、じゃあこの地であるんかといえば、ほとんど皆無であります。あるいは、金融マンになろうとしますと、それは銀行があるわけでありますけど、じゃあ証券マンはといいますとこれもないわけであります。あるいは、研究所に行こうと言われる人もやっぱり大学出、大学院を出て、いろんな研究なさっている人で、行こうと思っても本市にはございません。
 そういった事情もあるのではないのかな。だから、市内に行きたんだけれども、自分に合った事業所、企業が少ないということが言えるかなと。これはやっぱりいわゆる地方都市のある意味では悲哀かなというふうに、1つは分析をしているところでございます。
 いろいろとあるんです。例えば、じゃあ雇用をふやす場合にどうするのやといったら、1つ言いますと、公共事業の場合は入札を指定すればいい、1つは業者が市内の業者が受注機会が多くなります。一定の雇用の確保はあるかもわかりません。だけれども、市内の企業というのはなかなか基盤も安定しにくいわけであります。脆弱な基盤があります。
 一番いい例が今から20年ほど前ですかね、1つは公共事業を主になさっているいわゆる建設業者だとか土木業者さんが非常にたくさんありました。僕らの記憶でもいわゆる入札業者というのは12業者ぐらいあったんですね。今残ってなさるの2社、3社ぐらいなんですね。といいますのは、あとの7社、8社というのはやめられたわけです。やめられるということは、そこで働いておられた人はどこかにやっぱり転職されているわけですね。だから、そういうことを考えますと、やはり就職、やはり職を求める人たちも将来性のことを考えながらということも見られているのではないのかな。
 だから、この数字はいろんな角度から、いろんな分析ができると思いますが、これしかないということではない。総合的な問題だというふうに。ある面で、こんな失礼なことを、失礼な言い方かもわかりませんけども、いわゆる地方都市としての問題かなと、これは。このように思います。
○議長(井狩光男 君) 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) 数字だけでちょっと申し上げますと、市長が進んでやっておられます住宅リフォーム事業ですね、地域経済の活性化で5億何ぼとかありますけどね。実際、その市内事業者に限ると言われましても、働いている者がよそから来ている人が7割とすれば、よそに逃げているんですね、お金はね。お金はよそに逃げている。近江八幡市を一つの国に例えれば、貿易赤字みたいなもんなんだろうと思うんですけどね。
 ちょっとそれは数字だけなんで申し上げるゆえなんですけども、近江八幡商工会議所が出しております統計から見た近江八幡市の概要という本を見させていただきますと、小売業とか卸売業の事業者数も平成16年と比べますと、平成16年と26年の10年間で33.5%減少しております。従業員数も27.6%減少ですね。製造業でも事業所数でも30.5%、3割ですね、従業員数も21.7%減少しておるというデータがあります。
 特に、製造業の従業員数は草津では逆に25.3%ふえているんですね。減少しているところでも彦根市で2.9%と少ない減少率で、近江八幡市がずば抜けて高い数字に、製造業ですね、なっております。
 その辺に問題があるのかどうかなんですけども、今のような市外の従業員さんが多いということは、近江八幡市の若者は市外に働きに出るしかないのかなと。仕事場がなければですね。そういった感じになっているんではないかなと思うんです。
 ちょっと国勢調査の結果が平成27年にやったデータがことしの6月ごろにわかるらしいんですけど、それまでちょっとまだ時間があるんですけども、平成17年と22年の国勢調査のデータを比較しますと、平成17年に20歳から24歳の男性で通学していた人が約500名おられるんです。その人がどこへ行ったかというと、それは22年のデータの25歳から29歳のデータを見たらわかるんですが、そこから推測しますと市内に就職する人が22%、県内に就職する人が60%ですね、県外が8%と、就職しない人は3%というようなデータが、私の推測でございます、これは確実じゃございませんので推測になりますけども、おおむねそんな数字じゃないかなと思います。
 従業も通学もしていない25歳から29歳の人の割合は10.9%ですね。多分この辺のデータがまち・ひと・しごと創生の人口統計のデータになっているんではないかなと思います。
 一方、女性の場合は結婚で仕事をやめる人が多いのか、学校を卒業しても仕事につかない人が多いのか、どっちかなんだろうと思うんですけど、平成22年の25歳から29歳人口の43.6%が従業していない人になっています。半数近くの人が仕事をしていないという状態になっています。
 つまり、男性の方は、若者が県内他市町へ働きに出る人が多くて、女性は働かない、働かないと言ったら失礼ですね、働けない人が半数近くいるということになります。
 そのような現状を踏まえまして、近江八幡市ではまち・ひと・しごと創生総合戦略で安定した雇用を創出するということで、今地場産業の振興や意欲のある起業家を育てる、支援する政策を計画、実行されておられますけども、その効果といいますか、この一年の成果というのがありましたらお伺いいたしたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 小西産業経済部長。
◎産業経済部長(小西正彦 君) 今の再問にお答えいたします。
 今年度初めて取り組みました先進的農業者づくり塾におきまして、農業次世代人材投資事業、長ったらしい名前なんですけども、国の名前でございますが、簡単に言いましたら青年就農給付金でございます。今日までの青年就農給付金でございますが、これを活用し、また新たにイチゴ栽培に取り組まれる若者を1人発掘することができました。
 やはり設備投資をしながらイチゴ栽培にかけられるということで、この新規就農者の若者が定着されるにはもうしばらく時間が必要ではないかなと思っております。
 次に、八幡商人育成事業というのも今年度初めて取り組んでございます。この八幡商人育成事業では創業支援スタートアップセミナーというものを開催させていただきました。こちらのほうには106名の方に参加をいただいております。また、経営理念セミナーもあわせて開催をしてございます。延べでございますが43名の方に参加をいただきまして、起業者の方の掘り起こしと、また動機づけになったのではないかなと考えてございます。
 ただ、この参加された方は、すぐ起業されるというところには結びついておりませんので、この事業に参加をいただいた方々は起業されるにはもうしばらく時間が必要ではないかなと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) 新規に起業される方についての起業時の資金補助ですね、資金補助やよくあります固定資産税の減額ですかね、土地を買われて工場を建てられる場合、固定資産税の減額、また従業員を新規雇用される場合、市内の人の雇用であれば補助金を出すとか、そういった制度としては何かございますか。その辺を教えていただきたい。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 小西産業経済部長。
◎産業経済部長(小西正彦 君) 今の企業側に対する支援でございますが、私どものほうでは国の産業競争力強化法というのが法律がございます。この法律に基づきまして、起業家への支援策としまして、国の制度でございますが創業、また第二創業促進補助金、また株式会社等の設立時に必要となります登録免許税の軽減措置、また融資ではございますが、日本政策金融公庫の融資制度の条件緩和と、このようなメニューがこの産業競争力強化法の中にはうたわれてございますので、そのようなメニューを活用しながら、今後もこのような国の制度を活用し起業される方々の支援に取り組んでまいりたいと、そのように考えてございます。よろしくお願いします。
○議長(井狩光男 君) 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) できれば市ならではの支援をぜひお願いしたいなというように思います。
 一方、せっかく就職しても3年以内で離職される方が30%ぐらいおられるようなデータがございます。その人たちにとっては残念ながら、その後の就職活動というのが非常に厳しくて、正規職員につく割合は非常に低いと言われております。非正規やフリーターの一因となっています。
 こうした人たちのフォローとしては、今までですとハローワークしかなくて、本人たちの努力しかないような状況になっているのではないかなと思います。この辺で、例えば本人たちをよく知っている学校とか地域のフォローが就職支援にある仕組みがあれば、今よりはもっと就職がしやすいんではないかなと考えるんですけども、なかなか行政が就職あっせん業みたいなことはできないというようなことを言われておりますので、難しいとは思うんですけど、雇用促進に関しての支援ですね、直接ではなくてもいいんですけど、促進に関する支援策が何かありましたらお伺いしたいなと思うんですけど、いかがでしょうか。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 小西産業経済部長。
◎産業経済部長(小西正彦 君) 初問で市長のほうからお答えをいただいたわけでございますが、やはり市内の雇用促進、支援策でございますが、私どもではハローワークの出先機関というんですか、駅前にハローワークプラザ近江八幡というのも開設をいただいております。こちらのほうではハローワークと同じような情報提供を受けていただくことができます。
 また、このハローワークの求人情報をやはり市内のコミセンなどに置かせていただいて、身近に見ていただけるような方策、また新規学卒者などが地元に就職していただきやすいように、先ほど市長のほうからもありましたように、企業と高等学校の担当者との情報交換というようなことを引き続いてやってまいりたいと。
 また、途中でやめられた方につきましては、ハローワークの情報を身近に提供していく、また市の担当窓口でも気軽にご相談に乗っていただけるような体制づくりというのは必要ではないかなと、このように考えております。
○議長(井狩光男 君) 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) 市内企業の就職支援策についてでございます。今いろいろと回答いただきました。
 行政ができる内容としてはどんなものがあるかなと思いながら、私なりにもまた考えてはおるんですけども、例えば企業内に今待機児童がえらい問題になっておりますけども、企業内に保育園を設置していただいた場合、保育士さんの雇用とかもございますので、そういった場合の支援策、それとか保育士さんが今大変給料が安いということで、近江八幡市の場合は地域手当がないということでなかなか雇用が、大津市さんなり他地域に流れているというようなこともございますので、市内の雇用確保策としまして、市独自の直接的な手当てというわけじゃなくて、資格手当みたいなものをつくっていただいて、資格制度ですか、資質のアップと給与アップを目的としたような手当をつくって支援していただけたらどうかなと。
 介護士さんにつきましても、同じような制度、地域手当がない分不利になっているのをそのままに放っておくのも一つちょっと問題かなというふうに思いますので、そういった支援策もどうかなという思いもございます。
 何か奇抜なアイデアがないと、なかなか就職支援策も難しいかなと思うんですけども、その辺のアイデアがございましたらお伺いをいたしたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
 鳥居福祉子ども部長。
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) ありがとうございます。
 まず、企業内の保育所というご提案に関してご説明をさせていただきます。
 実は、平成28年度から多様な就労形態に対応した保育サービスの提供を可能とし、仕事と子育てとの両立に資することを目的といたしまして、企業内に保育所を設置する企業主導型保育事業が内閣府において制度化をされております。
 具体的な内容といたしましては、施設整備では、新たに事業所内保育を設置する場合は、上限はございますが、工事費用の4分の3の助成金が公益財団法人児童育成協会から受けられることになっております。
 また、既存の事業所内保育施設でありましても、定員を一定数以上増員するための増設、改修であれば、施設全体に対して助成金を受けることができるようになっております。
 平成29年3月現在、滋賀県内では5事業所に対する助成の決定がなされているところでございます。
 また、この企業主導型保育事業ではございませんが、子ども・子育て支援新制度の地域型保育事業でございます事業所内保育事業の場合でございましても、従業員だけでなく、一定の地域枠を設けることによりまして市の条例で定めた設備、運営に関する基準を満たすなど、市の認可を受けて給付対象事業として運営することもできるようになっております。
 企業主導型保育施設や給付対象施設のいずれも、企業が事業所内保育事業を実施することによりまして、仕事と子育ての両立及び待機児童の解消につながりますことから、それぞれの事業の展開につきまして、市内の企業並びに事業者の皆様への積極的なPRに今後努めてまいりたいと考えております。
 次に、保育士の市内雇用確保策として、処遇改善についてお答えをさせていただきたいと思います。
 子ども・子育て支援制度におきます施設型給付費につきましては、民間保育園の保育士の処遇改善加算として公定価格に反映されており、保育士の賃金改善に充てられているところでございます。
 平成27年度の決算ベースでは、約6,400万円を約300名の民間保育所保育士の賃金改善要件分として給付をさせていただいており、平成28年度におきましてはさらに約4,500万円の上乗せとなる処遇改善のほうを行わせていただいておるところでございます。
 また、議員ご提案をいただきました保育士の人材確保に向けた本市の独自施策についてでございますが、県内他市町ではアパートの賃料補助や就学資金の貸し付けなど、処遇改善だけでなく雇用確保及び離職防止のためにもさまざまな施策を打ち出しておりまして、本市におきましても保育士の雇用確保に向けましてさまざまな施策について検討していきたいと思っておりますので、ご理解のほどよろしくお願いをいたします。
○議長(井狩光男 君) 園田新一君。
◆15番(園田新一 君) いろいろと回答ありがとうございました。
 企業と、やっぱり学校と常に連携をとりながらやっていかないとなかなか雇用の問題は解決しないかなと思いますので、いろいろな子どもの問題、いろんな問題が今、これからもふえてくると思いますので、ぜひ市長、子どもの貧困対策とその雇用の問題、事の本質をしっかり見きわめた政策をよろしくお願いいたしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(井狩光男 君) 以上で園田新一君の個人質問を終わります。
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