録画中継

平成30年第2回(6月)近江八幡市議会定例会
7月3日(火) 代表質問
井狩 光男 議員
(1)庁舎について
(2)福祉とその財源について
(3)総合計画について
(4)国道8号について
(5)観光行政について
(6)所信表明より
◆17番(井狩光男 君) おはようございます。きょうの早朝は、我が郷土の、ワールドカップの3試合出られたんでしょうか、乾氏の豪快なミドルシュート、これはきょうは勝つんやないかなというふうな思いがいたしました。郷土の誇る選手でございますので、帰国されましたら、ひとつ市長から激励のお言葉などを頂戴いたしたいな、このように思っておりますのでよろしくお願いをいたします。
 私は、政翔会の代表質問をいたします井狩でございます。項目として6つ掲げさせていただきました。
 1つは、庁舎についてであります。
 市長は、もう既にご就任なられてから2カ月が過ぎております。その間、大きな臨時議会を2回開催されました。ご承知のとおり、庁舎建設解除についての臨時議会、そしてそれに伴います第三者委員会設置の臨時議会、この2回を開催されました。まさしく選挙の公約を早々と矢継ぎ早に実施されたと、このように思っております。
 私は、その第1回の臨時議会において、庁舎建設解除につきましての緊急質問時に質問に立たせていただきました。少しその当時の答弁を振り返ってみたいと、このように思います。
 ご答弁では、10年の長きにわたる議論を重ねられたことに対しては敬意を払う、またその功績には十分認めるところがあると、このようにもおっしゃっております。しかしながら、10年間の社会情勢、急激な少子・高齢化、日本社会全体の人口減少等々、社会全体の認識をして、したがいまして小さな庁舎、大きな福祉と話されています。
 そして、登庁の初日に、庁舎建設解除をされました。解除の理由の大きな原因の一つとして、これまでの経過、住民投票の直接署名要求あるいはまたその後の、これは法定ではないんですが、選挙によってこの可決を求めて、決めさせてほしいとの署名運動を通して市民に十分に承知されたという理解をしているとのご答弁でございました。なおかつ、2つ目の理由として、一旦決断がおくれるとコストがかさむというところから解約にされたわけでございます。
 同時に、この契約解除によります公約されております違約金、これは約10億円とおっしゃっておられました、については契約の経過あるいはさまざまな要因、その他議会あるいは市民さんに説明できるように第三者委員会を設置し、委員会には弁護士あるいは建設等の専門の先生方を入れて調査、交渉に当たりたいとの答弁でありました。
 なおまた、今回の契約解除は1年間にわたる署名活動、住民投票条例を求める直接署名から始まる、市民皆様には十分に理解が得られたと、なおかつまた選挙によって民意が示されたとのことから、解約の実行したと。これは私の独断という批判には当たらないというふうに答弁されております。
 私は、この質疑の中で、例題として現庁舎の南側の旧別館跡地の活用についてどのようにお考えになっているのかという質疑をいたしました。答弁は、まさにその部分にこそ、私が単独で、市民、職員、そして関係者の知恵を結集し、少子・高齢化が進む中で私が掲げております観光文化、そういう部分を大きな柱として、市民一人が主役として活躍できる近江八幡市を見定めていきたい、またどういうふうな利用がふさわしいかということを考えてはいかないという段階でありますので、私が一方的にそういう検討抜きにアイデアをここでるる敷衍し、これを実行していくという状態ではないと、このように回答、答弁をされております。
 私は改めてこの緊急質問時の質疑、答弁を振り返りますと、今回の解除に対する決断については、首長としての責任あるいは自覚がいま一つ欠けていたのではないかというふうに私は思います。ゆえに、できるだけ早く契約解除に伴う違約金の問題、その他の問題を解決し、新しい庁舎建設に向けての事業を進められることが近江八幡市のまちづくりの中心になるのではないかという考えであります。一日でも早い庁舎建設事業を遂行し、町も市民も職員皆様も活力を十分に発揮できるように、停滞することなく推進するために、今後も我々は是々非々で向き合いながら第三者委員会設置に賛同をいたしました。
 市長は、小さな庁舎、大きな福祉と言われておりますが、ではその小さな庁舎とはどのような庁舎を言われているのでしょうか。面積をおっしゃっているのか、あるいは建設総費をおっしゃっていられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 また、この任期中に本当に庁舎のあるべき姿をお示しいただけるのか。これはやっぱり責務であるというふうに思います。
 そして、庁舎はただ単なる建物ではありません。私ども個人の情報あるいは資産、学校教育問題、福祉、子育て、交流、危機管理等々、防災等の管理、指導、相談等が日々毎日業務として行われるところであります。
 ある市民の方はこのようなことをおっしゃっておりました。庁舎はプレハブでええんや。果たしてそれでいいんでしょうか。また、市長はこのようなこともおっしゃっています。IT時代だからテレビ電話で相談をし指導をしたらどうか。心の病を持たれる方に本当にテレビ電話で相談、指導等が果たしてできるのでしょうか。私は疑問を持ちます。
 解除されました庁舎は6つのコンセプトからなされておりました。特に、教育、福祉についてはワンストップサービスとして1カ所で教育、福祉相談、指導などをなされ、市民への最大のサービスと考えておりました。ただ単なる庁舎ではなく、にぎわいと交流のスペース、そして避難スペース等々、多機能を有した建設費が、ただ単に建設費のみで是非を問われるのはいかがなものかと私は疑問視をいたします。
 市長の目指される庁舎とは、市民サービスを中心に、あるいは機能を重視した庁舎なのか、聞きますと分室、分散をするというふうなこともおっしゃっています。さて、じゃあ分室とか分散される庁舎とはどんなものなのか、またその該当する建物、場所というものはどこでございましょうか。お答えをいただきたいと思います。
 2つ目の福祉と財政についてであります。
 大きな福祉と言われておりますが、ご承知のように近江八幡市の一般財源は平成28年度の経常収支比率では91%、財政の弾力性からしますと自由に使えるお金は全くありません。また、地方財政計画に見込まれない市独自の施策として、巨額の一般財源を投じる施策を国、県の補助とは関係なく実施されますと、裕福な市町と判断されて特別交付税にも影響するのではないかと懸念をいたします。
 このようなことから、財政運営が非常に厳しくなると思いますが、その対応についてどのようにお考えになっているのか、お聞かせください。
 特に、今議会では、医療費助成条例が提案されております。財源の確保策はどのように考えておられるのか、市長が大きな福祉と言われていますが、その大きな福祉とは具体的にどのようなものなのかもお示しをいただきたいと思います。
 3つ目に、総合計画についてであります。
 地域経済分析システムによりますと、近江八幡市の2013年度の総生産額は2,263億円、そのうちの何と72%が第3次産業であります。ちなみに、第1次産業は49億円、これでも県下では優秀な高いほうであります。なおかつまた、近江八幡市自身がJRの沿線に位置し、京阪神のベッドタウン化として本当に頑張っている町だと思っています。
 現在、新たに総合計画を作成されていますが、市長は近江八幡という自治体をどのように認識し、どのようなまちづくりの方向へ向かおうとしているのか。お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 また、総合計画にどのように反映させていかれるのかもお聞かせいただきたいと思います。
 加えて、まち・ひと・しごと創生総合戦略の考え方についても、総合計画の中にどのように反映されるのかをお聞かせください。
 国道8号についてであります。
 先ほど申しましたように、近江八幡市はJR沿線都市ということでありますが、インフラにつきましては国道8号あるいは県道2号線が東西の主要幹線道路であります。近隣の市町とともに国、県に対して要望あるいは拡張、整備等の要請をいたしていかねばなりません。特に今年は、国道8号の期成同盟の会長にご就任されたと聞きます。国道8号における国及び県に対する取り組みについてのお考えをお聞かせください。
 次に、観光行政についてであります。
 観光地域の条件として「新・観光立国論」という著書があります。これはデービッド・アトキンソン氏が論じておられる主張でございますけれども、これには4つの条件があると、こういうことです。1つは気候、気候がええということ、2つ目には自然がある、3つには文化がある、4つ目にはおいしい食事がある、これが絶対的な条件だと、このように論じております。
 この理論でいきますと、我が近江八幡市はどの部分が観光客に評価されているのかわかりません。気候なのか、あるいは自然なのか、自然はいいですね、田園風景、西の湖、文化は近江商人文化でしょうか、食事は申すまでもなくおいしい近江牛、代表するものであろうというふうに推測いたします。
 近江八幡市の29年度の観光客は532万人、また宿泊された観光客は13万人と統計されております。8万2,000人、観光客が年間532万人、多いと見るのか少ないと見るのか、大変驚く数字だと思います。
 この地域経済分析システムを利用しまして観光客に、お見えになっている532万人の皆さんの経済効果がどれほどあるのかというところのことを実質は知りたいものです。そして、観光のこの4つの条件のどの部分に今後力を入れる、あるいは投資をすることがこの地域の経済に寄与していくのかということを考えねばなりません。
 市長は、近江八幡市観光行政についてどのように考えておられるのか。なお、また反対に負の遺産も生まれます。申すまでもなく、一番はやっぱり観光地域の生活道路問題あるいは交通安全問題があるのは当然だと思います。対応策をあわせてお答えいただきたいと思います。
 6つ目でございます。せんだっての初日に所信表明をいただきました。その所信表明の一端の中に、少子・高齢化という未曽有の社会環境に突入し、一方では成熟社会ということで、まだ経験したことのない状況に立ち入る。また、市町を取り巻く環境は独自性で将来を培っていく状況に踏まえながらこの市政に反映させていきたい、このように。
 その条件の一つとしては、ハートフル、心の通う町、痛みが、悩みが分かち合える市役所と書いてます。2つ目に、クリーン、オープン、公平、市政や政治への信頼感、行政や政府の原点を踏まえて歩みたい。3つ目に、夢のある町、また訪れたいナンバーワンの町を目指すと、このようにもおっしゃっておりました。
 言葉で直しますと、産業の振興あるいは伝統行事、国有の文化財を引き継ぎ田園風景あるいは景観、水郷などの自然景観を大切にし、農業、水産、山の幸と、市民の心の豊かさを感じる町にしたいと述べられた内容でありました。このフレーズ、どこかで見たな、どこかで聞いたなという思いがいたしました。かつて市民活動として配布されましたチラシの内容とほぼ同じではなかったかなと思います。
 市長は、現在、8万2,000人の近江八幡市の市長であります。就任後、わずか2カ月でありますが、国、県、庁内あるいは関係先等の引き継ぎ事項、打ち合わせ事項等は十分に済まされたと思います。所信表明は、少なからず任期の4年中の首長としてもっと大きな夢のある、もっと大きなある町を、まちづくりを、特にこの間の大阪北部の地震等々の災害に対しての考え方等を施策としてお聞きしたかったのは私だけではなかったと思います。皆さんも同様やったと思います。住んでよかった、住み続けたい町、夢のある町、訪れたい町とおっしゃっています。どのような近江八幡市を描いておられるのかをお聞かせください。
 以上、初問といたします。よろしくお願いします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理 君) おはようございます。よろしくお願いいたします。
 けさ早朝は、ワールドカップのベスト16の試合で当市出身の乾選手が、井狩議員にも述べていただきましたようにスーパーシュートを決めていただいて、我が近江八幡市の誇りとして世界に名をとどろかせてくれましたこと、市民の皆さん、また議員の皆さん、職員の皆さんともに喜びたいと思います。また、戻ってこられましたら、近江八幡市としてもまた歓迎をさせていただきたいと思います。また、よろしくお願いをいたします。
 それでは、井狩議員の大きく6項目ありましたご質問に順次お答えをしてまいりたいと思います。
 まず、小さな庁舎についての考え方でございますが、議員がお示しいただいたとおり、規模と建設費、それから維持管理費といったコスト面、両方を含めたものでございます。
 また、庁舎のあるべき姿につきましては、シンプルでコンパクトな庁舎を基本としつつ、市民にとってわかりやすい整備方針や内容を私の任期中にお示しすることは当然の責務と考えております。
 次に、市民サービスを中心に機能を重視するのか、分散した庁舎を目指すのかというご質問でございますが、今後ますます進む少子・高齢社会において、市民の皆様が何を求めておられるのか、多様なニーズを持つ市民の方々に対してどのような形でサービスを提供していくのが一番よいのかということで、市役所の提供する市民サービスを主眼に置いて考えていかなければならない問題だと考えております。
 全ての機能を集約した大きな庁舎を建設し、高齢者や障害のある方、さまざまな生活課題を抱える方々に市役所までお越しいただく、市役所まで来ないとサービスが受けられないというのは、本当に市民が望んでおられる形ではないと私は考えております。
 井狩議員がおっしゃいましたように、ITを活用するというのは一つの方法でございます。ほかにも、さまざまなそれぞれの生活しておられる方の生活の方法、また足を考えながら、またその立場を考えながら、分散しているさまざまな既存施設やコミュニティセンターほか地域包括支援センターなど、その方々のニーズに合った形で行政サービスが受けられるような仕組みを構築していくと。これが、本来これからの時代の市庁舎のあり方にふさわしい考え方であるというように思っております。
 決して、行政機能を単純に分散すればいいというのではなく、市民サービスの向上を目指した結果がどういう形であるべきなのか、これを考えていく必要があると思っております。そういう中でのシンプルで、かつコンパクトな庁舎であるということをご理解いただければと存じます。
 また、市庁舎機能を小さくし分散するような形になった場合、残余の各施設の活用方法につきましては、近江八幡市公共施設等総合管理計画において精査を行い、検討することとしております。ご理解を賜りたくお願いを申し上げます。
 なお、井狩議員のお示しになられました違約金、庁舎の違約金の数字でございますけども、これは目安としてお示ししたものでありまして、公約をした数字ということではありませんので、その点あわせてご理解をいただければというように思います。
 それから、2点目の福祉と財源についてのご質問でございます。
 特別交付税への影響、また財政運営に関してどうだということでございますけれども、特別交付税への影響については、他市の事例もありますことから、影響はないと考えております。
 財政運営につきましては、当該事業を実施することは新たな財政需要が生じることになります。また、市の単独施策でございますから、財源としては一般財源または基金での対応となります。議員ご指摘のとおり、事業実施と財政運営につきましては、説明責任を果たす必要があると考えております。
 施策方針といたしましては、ソフト重視へと前市政とは大きく方向転換をいたしましたが、当該事業に係り財政運営、財源確保に懸念をいただいているということでございますので、現時点での方針を申し上げますと、持続可能な財政運営はもちろん肝要なことでございまして、第一義的には、行財政改革プランを推進し、全般的に歳入確保、歳出改革をしていくことがまず重要だと考えております。
 また、例えば今回の施策に関しましては、基金のあり方もあわせて転換し、例えば子ども・子育て支援基金という形で特定目的基金を創設し、事業に充当するというような方策もあると考えております。
 次に、大きな福祉とは具体的にどのような施策を考えているのかというご質問についてでございますけども、地方自治法第1条の2には、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」と書かれております。つまり、市行政の基本は住民の福祉にあり、公共の福祉の増進は地方公共団体に課された責務であるというように考えております。
 大きな福祉は、行政として福祉の充実に第一義的に取り組み、基礎自治体の役割である本来の福祉の充実を図るということであります。
 市民の皆さんが、日ごろ心配事がたくさんあったり大変な目にばかり遭っていて、幸せを感じることがないようであれば仕事も経済もあったものではないと思います。福祉を削って何かを建てるのはやはり本末転倒なことであると私は考えております。
 本議会の冒頭でも申し上げましたとおり、隣の人の痛みがわかる、悩みを分かち合える市役所でありたいと思っております。市民の皆さんの声を大切にしつつ、子育てや介護、健康や福祉施策の充実に取り組み、住んでよかったと言われる町、ハートフル、心の通う町にしていきたいと思っております。
 そのための一つの手法として、公約にも掲げておりましたとおり、このたび子育て世代の医療費負担の不安をなくし、子育てしやすい環境づくりを行うため、小学校1年生から中学校3年生までの子どもの通院医療費の無償化を実施するところのものであります。
 3つ目の総合計画についてお答えをいたします。
 第1次近江八幡市総合計画につきましては、ただいま井狩議員からお話がありましたとおり、今後10年間の本市の目指すべき都市像や施策の方向性を示す最上位の計画として、昨年度から本年度の2年間にわたり、策定しているところでございます。
 総合計画の策定に当たり、昨年度は市民アンケートや全3回開催いたしました市民ワークショップにて市民の思いを確認するとともに、新市基本計画の総括や庁舎内部課における課題を抽出し、さまざまな分野での方向性を示している個別計画との整合を図りながら、社会経済環境を加味して、これからのまちづくりに向けて本市を取り巻く状況と課題を整理し、まちづくりの基本目標や基本姿勢などを基本構想案として検討し、取りまとめてまいりました。
 庁内での体制といたしましては、検討組織を立ち上げ、主に課長補佐級で構成したプロジェクト委員会と主に部長級で構成した策定委員会の2つの組織を構成し、総合計画の原案を作成しております。
 また、庁内で作成した原案につきましては、有識者や各種団体、公募委員等で構成した市長の諮問機関である近江八幡市第1次総合計画審議会にて、その内容を確認、検証いただいております。
 基本構想原案については、本年2月に開催した審議会にておおむね同意をいただき、現在は基本構想原案に基づいた基本計画素案を庁内で検討しております。
 今後、基本構想及び基本計画の原案をまとめ、パブリックコメント等で市民の意見を伺った後、審議会からの答申を経て、平成31年3月議会にて上程する予定となっております。また、議員の皆様への策定状況の報告につきましては、全員協議会等で議会にお知らせしてまいりたいと考えております。
 次に、国道8号における国並び県に対する取り組みについてお答えいたします。
 本市における道路整備につきましては、平成28年4月に策定しました近江八幡市道路網マスタープランでお示ししていますとおり、基本理念として安全で快適な暮らしを支え、魅力、活力あふれる道づくりと定め、道路整備の基本方針として、道路が持つべき機能を防災・減災機能、経済活動支援機能、安全と利便性向上機能、健康増進ゆとり向上機能、視点に分類し、それぞれの方針を定めています。
 また、道路は都市の骨格を形成する基幹的な施設でもあります。既存ストックである国道、県道及び市道などを有効に活用し、有機的にリンクさせ、各道路が担うべき役割とさきの4つの機能に応じた優先度を決定し、重点的に整備しなければならないと考えています。
 特に、国道8号につきましては、広域的な救急医療などを支え、災害時には信頼性の高い広域ネットワークとなり、近隣市町にとどまらず、近接府県との連携強化に寄与する道路である第1次緊急輸送道路であります。このように、国道8号は国の基幹道路であることは言うに及ばず、本市においては最も重要な幹線道路であります。
 しかしながら、現状を見ますと、車道は2車線しかなく、主要な交差点付近では交通渋滞が慢性しており、経済活動だけでなく、日常生活においても支障が生じております。また、国道8号の県北部では、米原バイパスの工事が着実に進められており、県南部では平成29年3月、野洲栗東バイパスの工事に着手されたところであります。
 このような状況の中、本市を含む東近江地域の国道8号の整備を図るため、平成27年11月、本市の呼びかけにより東近江市、竜王町、愛荘町、本市の2市2町により国道8号東近江区間整備促進期成同盟会が設立されたところであります。
 去る5月18日に、文化会館小ホールにおいて、第3回定期総会を開催し、平成29年度事業経過報告、歳入歳出決算、平成30年度事業計画、歳入歳出予算のご審議をいただき、承認可決いただきましたところであります。
 また、同盟会役員の任期が2年であることから、役員の選任についてもご審議いただき、引き続き近江八幡市長であります私が会長の職につくこととなりました。
 そのような中、国に、県に対する取り組みといたしましては、8月上旬に滋賀国道事務所並びに近畿地方整備局への要望活動、8月末には中央要望として国土交通省並びに県選出国会議員への要望活動を予定しております。国への要望に当たりましては、滋賀県に側面的な支援をいただいているところであります。
 まずは、東近江区間の国道8号の整備に係る計画路線としての指定に向け、引き続き国に対して積極的に要望してまいりたいと考えております。
 次に、ご質問の観光行政についてお答え申し上げます。
 今議会の冒頭で、市政運営の基本と考える3点についてお話をさせていただきました。その3点目には、ご指摘のとおり、夢のある町、また訪れたい町ナンバーワンを目指したいという点を述べさせていただきましたが、これが市の観光行政に対する基本的な考え方でもあります。
 繰り返しになりますが、この点をご説明申し上げますと、産業の振興、伝統行事や固有の文化を引き継いでいくこと、さらにはこの町の美しい景観、田園、水郷などの自然の景観を大切にし、また農業、畜産業、水産業、山の幸を含め、おいしいものと市民の心の豊かさ、そんなものを感じる町にしたいと申し上げました。
 大変欲張りでありますけども、これらのことを総合的に実現することによってこのような町を実現していきたいと、このように考えておるところであります。
 これは、先ほど井狩議員がご紹介いただきましたアトキンソン氏の観光立国となるための4つの条件と重なるものだと考えております。これらの要素にさらに磨きをかけていくことが、すなわち観光政策につながるものと考えております。
 本市には、観光振興を行う素材、これはそろっておると考えております。これをどのような形で情報発信していくのか、そこが肝要であるというようにも思います。
 しかしながら一方で、アトキンソン氏が日本国に対して述べておられるのと同様、観光資源がそろっているにもかかわらず、日本国は外国人観光客の入り込みが世界で26位に甘んじている。本市も年々訪れる観光客数は増加しているといっても、まだまだ国内観光地の上位にはなれていないというところであります。
 申しておりました京都に次ぐ観光都市という点を目指すためには、さらには観光業のマーケティングや議員ご指摘のインフラ整備も必要と考えているところであります。
 なお、ご指摘いただきました観光地域の生活道路問題、交通安全問題は、現在も発生をしておりますし、全国の観光地においても同様の問題は頭を悩ませているところでございます。しかしながら、とはいえ観光客の入り込みを抑制するというのは現実的ではなく、より観光を振興していくためには別の方策を考えるべきであるというように考えます。
 また、大規模な道路整備の必要性は認識しますけども、やはりどうしても時間がかかるというところでございます。
 そういう中で、直近、とるべき施策としましては、観光客が特に意識しなくても自分たちの行きたいところへ行くことができ、イコール生活道路などを避けたルートとなるよう観光ルートを設定する。そのためには、誘客施設を設置するなど、必要な施策があるかもしれませんけども、道路など大きなインフラ整備の前にやるべきこと、訪れる多くの車をスムーズに観光スポットに流す工夫なども必要と考えております。これができれば、負の遺産ではなく、集客をさらにふやすプラスの遺産となっていくのではないかと考えるところでございます。
 しかしながら、これを実現するためには、全ての市民の皆さん方や議員の皆さん方、そして職員も含め一丸となり、知恵を出し、議論をしていく必要があると思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、所信表明に関するご質問にお答えを申し上げます。
 住んでよかった、住み続けたい、夢のある訪れたい町とは、どのような近江八幡市を描いているのかということですが、まず一番大切なのは、自分の友人に対して自信を持って本市への転居を進めることができるかどうか、また自信を持って遊びに来てくれということを進めることができるかどうか、このようなところに原点があるのではないかと思っております。
 選ばれる理由としましては、町並みが美しかったり、子育て支援などの福祉政策が充実していたり、目玉の観光地があったり、それぞれ、人それぞれ違う視点があると思いますけれども、これら全ての面において、さらに磨きをかけていこうというのが私のまちづくりの根幹でございます。
 その上で、1番目の所信表明でも述べさせていただいたハートフル、心の通う町にしたいということであります。心の通う町というのは、市役所が常に市民の身近なところにある必要があります。市民の思いや意見に常に真摯に耳を傾け、親身に相談に乗れる市役所であることが大事だと思っております。
 また、その中におきましては、その相談事にあります背景や理由を理解した上できちんとした方向づけができることが必要だと考えております。
 またあわせまして、子育て支援、若者の雇用対策についても充実した施策をとる必要があると考えております。
 そのような中で、市がどういうことを解決できるのか、また市民の皆さんと一緒に解決していくのか、そういうものをきちんと整理していきながら、隣人の、隣の人の痛みがわかる、悩みを分かち合える、そのようなまちづくりを目指すことで、住んでいてよかった、住み続けたいとみんなに言われる町にしていきたい、そのように思っております。
 2番目には、産業の振興と本市の伝統行事や固有の文化を引き継いでいくことが大事だと考えております。産業の振興につきましては、雇用の場を創出し、地域経済を好循環に導く、当然の一つの目標ということになるわけでありますけれども、このことで市民の皆さんの可処分所得も向上させると、こういうことをやっていかなければならないと考えております。
 具体的な施策としては、やはり一番直近は観光の振興であると考えております。観光の振興としましては、宿泊の質と量の拡大、地域特有の飲食の機会、特産物の販売、そして拡販、さらには販売場所の提供、農産物の振興を含め1次産業の振興、またそれの6次産業化等、それぞれが相乗効果を生み、町全体の活性化につながればと考えております。ご支援を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
 なお、私の申し上げました所信が従来私が選挙前から掲げておりましたことと同じであるということは、当然私が市長としてなった後も、市長になる前申し上げていたこととなってから申し上げたことが異なるということではありませんので、同じことを申し上げておるのはごく当たり前のことだという理解をしております。どうかひとつご理解のほどよろしくお願いを申し上げます。
○議長(園田新一 君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 井狩光男君。
◆17番(井狩光男 君) ありがとうございました。
 やはりあれだけ10年かけて頑張りました新庁舎、いとも簡単に契約解除ということになりました。あれはただ単に庁舎を建てるということじゃなしに、町全体、近江八幡市全体のシンボルと同時に職員さんも議員も、そして皆さんもやはりこれが一つの大きなまちづくりの原点になるというふうに思っておりました。
 それゆえに、中止された後も速やかに新しい庁舎のあり方、どういうものをイメージするのか、どういう機能あるいはどういうサービスができるのかというところを具体論でお示しをいただきたいなと、このように申し上げます。
 私がかつて先人から伺いました言葉に、一方聞き沙汰するなという言葉があります。片方から聞くんじゃなし、皆さんからたくさん意見を聴取し、そして実行に移す、一方聞き沙汰するなという言葉を送られることがございます。差し出がましい話でございますが、ひとつ市長様にもあらゆるところから、あらゆる皆さんからの情報を、またお話が聞いていただけるような市長であっていただきたいと、このように思っておりまして、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(園田新一 君) 以上で井狩光男君の質問を終わります。
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