近江八幡市議会
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平成30年第3回(9月)近江八幡市議会定例会
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9月11日(火) 個人質問
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内容
会議録
平成30年第3回(9月)近江八幡市議会定例会
9月11日(火) 個人質問
山本 英夫 議員
(1)郷土愛・ふるさと学習について
◆23番(山本英夫 君) おはようございます。今議会質問1番目を承りました山本です。
このたびの台風21号は、暴風雨により全国的に大きな被害が発生しました。滋賀県でも、身近なお隣、東近江市においてお亡くなりになられた方がおられるなど、災害に遭われた方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。
また、その復旧事業中に引き続き震度7を観測する北海道胆振東部地震が発生し、また死亡者、負傷者が数多く出る大きな被害になりました。重ねて、衷心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
前の議会においても、このようなお悔やみ、お見舞いの言葉を必要とする災害が複数ございました。今9月議会は前議会との間隔が平常より短いものでありますが、台風20号でも死亡者が出ており、大きな自然災害が続いています。
今回の台風21号では、市内においては安土で神社等大きな被害も出ておりますし、昨日の時点までは近畿全域でまだ電気が完全復旧しておらず、停電が続く地域があります。
このように大きな自然災害が折り重なるかのように発生する今日の状況では、異常という言葉で片づけて本当によいものか、議論の必要性を感じますし、いつ起こっても不思議でない日常的なものとして考え、万全の対策の必要性を痛感するものになってきました。
災害に遭われた地域の一日も早い復興を願うとともに、近江八幡市においては、日々十二分な災害対策計画をお立ていただき、対応準備を怠りなくお取り組みいただきますようお願いいたします。
それでは、発言通告に従い大項目としては1点、郷土愛・ふるさと学習についてですが、質問をいたします。
今回は、質問というよりは、まちづくりの歴史に対し地域の、そして市民、住民の考え、思い入れを長々と語ることになりますが、初問をするに当たり、どうしても前振りの分を必要としますので、初日一番ということで新鮮な気持ちの中、お聞きいただけるものとお許しをいただきたいと思います。
まずは、郷土愛に関して、八幡堀についてでありますが、近江八幡のまちづくりは、秀次が城下町を開いた1585年にさかのぼると言われます。信長が行ったように、諸役免除や楽市楽座の特権を住民に与え、近江商人の基盤がつくられました。そして、湖上交通の要衝として湖上を往来する荷物船は八幡堀を通らなければならないとしたことは八幡の発展の要因であり、そういったことからすると、八幡堀とともに近江八幡があると言っても過言ではないと考えられるところです。
また、秀次が碁盤目状の町割りとともにつくった上下水道設備は、下水道としては背割り排水と言われ、石積みの排水路としては日本最古の下水道と認識され、上水道設備は古式水道とも言われ、日本で3本のうちに入る古さを誇るものであります。
このようにすばらしい都市計画にのっとって町の整備がなされたにもかかわらず、昭和40年代には八幡堀はヘドロのたまった公害の源となり、駐車場にされようとしました。しかし、昭和47年に堀を埋めた瞬間から後悔が始まるを合い言葉に、近江八幡青年会議所が全面しゅんせつと復元の保存運動を始められ、市民の参加も得られるようになりました。
その後の経過では、昭和50年の八幡堀清掃どぶさらいには、市労連の皆さんが総勢350名、5日間にわたって全面協力をいただいた記録があります。43年前のことであり、現部長の方々においてさえも職員であった方はおられず、当時をお知りではないと思います。これはまさに官民一体となり、それも行政の職員団体が自主的に運動展開されたことがここに残されていますし、新しいまちづくりへとつながっていったものであります。
この後、八幡堀保存運動は伝統的なもののよさを現代の目で見直し、よりよい形で次の時代に受け渡していくという運動そのものがまちづくりであるとの観点から、保存修景へと変換していきました。
それぞれの町が持つ歴史と文化を損なうことなく受け継ぎ、新しい時代にふさわしい町としていかに再開発を考えていくべきかという視点での活動展開であります。
生産遺跡、芸術文化財は、現在に生きる私たちにとって多くの示唆を与える存在としてそれぞれの地域の歴史をたどり、そこから貴重な教訓を学び取ることが必要であり、町の方向づけの中でこの運動を捉え、都市空間における八幡堀の位置づけを確立する。これが八幡のまちづくりの原点、民間運動の始まりであります。
まちづくりとは、子孫にどのような環境を残せばよいのか考え、行動することであります。歴史と文化は、まちづくりにとっては木の根っこのようなもので、大空に向かって枝を伸ばし、生き生きとした若葉を茂らせていくためのなくてはならない土台であり、この理念を基盤としてよみがえる近江八幡の会が設立されました。
「町の活性化は経済が全てではない。まちづくりとは、その町の持つ魂の部分を伝えるためにふさわしい環境づくりをすることである。町並みが姿を変えていくだけでなく、町並みをつくり上げてきた人々の心まで忘れ去られては、大切なものが喪失する。伝統に培われた個性と魅力ある生活環境をこれからのまちづくりに積極的に取り入れ、生かしていく全体構想、まず住んでいる人、所有している人たちに本当の価値を知ってもらい、それが誇りとなったときに保存がある」、これが昭和54年の全国町並みゼミにつながり、この後、伝統を生かしながら生活の変化に合わせて改造や変更をしていく動態保存をどう進めていくかが課題となり、肝心なのは自分たちがどういう生き方をし、何を子どもたちに伝えたいかの考え方、それが伝統的建造物群保存地区指定に、そして西の湖水郷地帯の保存、重要文化的景観指定につながる原点となったと言えるのではないでしょうか。
そして、昭和58年から60年にかけて、堀の中心部、約250メートルが整備され、地元住民が自主的に除草作業を始め、これを受けた形として昭和62年に八幡堀しょうぶの会、昭和63年に改称されたのが八幡堀を守る会であります。
こうした歴史は、まさに全国に先駆けた民間運動、民活によるまちづくり運動であり、このような先人のご努力があればこそ、町の文化が残されたものであります。
今でも、八幡学区まちづくり協議会が中心となる一斉清掃には、今年度は459名の住民の方々にご協力いただいたのを初め、いろいろな団体の方々が地道な活動を続けられておられます。しかし、今の現状の八幡堀は、誇りとするには余り芳しいものとは市民は感じておられないというのが素直な感想ではないでしょうか。
まさに、八幡堀、この地域固有の文化や歴史は先人が今日まで培ってこられた生活の中で育まれ、時代の変換とともに変えていいところと残すべきところを住民が見きわめ、愛着と誇りを持って今に伝えているものであり、これこそ先人から受け継いだ有形無形の多くの財産であります。
これらをうまく利用し、住民と行政が二人三脚でそれぞれ補いながら、近江八幡のまちづくりは進められてきたものであり、これからも求められるものではないでしょうか。
それでは、ようやくこれより質問に入り、お尋ねをいたしますが、今日まで取り組んでこられた八幡堀保存修景運動などの歴史と文化のまちづくりを顧みる中、いま一度行政と住民との協働のまちづくりのあり方、行政のかかわり合い方、現状の取り組み等におけるまちづくりの視点からの考え方について、また現在、近江八幡市の総合計画の策定が進められていますが、これら今日まで近江八幡市が大切にしてきた歴史・文化、自然、環境、協働などを総合計画にどのように位置づけ、今後のまちづくりに生かされるのかの考え方についてもご答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(園田新一 君) 続けて言ってください。山本議員、一括質問ですね。よろしいですか、それで。
◆23番(山本英夫 君) はい。
○議長(園田新一 君) そしたら、回答を求めたいと思います。
小西市長。
〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理 君) 皆さんおはようございます。
冒頭、山本議員からも述べていただきましたように、台風21号で被災されました市内の皆様方に心からお見舞いを申し上げますとともに、また県内、全国各地でお亡くなりになられた皆様、そして被災をされた皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
また、このたびの北海道胆振東部地震につきましても、考えられないような大変大きな山崩れ等起こりまして、お亡くなりになられた皆様方、そして今復興に全力を挙げておられる皆様方、それぞれお悔やみ、そして激励、そして被災された皆様方にはお見舞いを申し上げたいと思います。
ご指摘されましたように、我が近江八幡市としても、これは決して人ごとではなく、我が身にいつ起こるかわからない出来事、またより厳しい状況に置かれるかもわからないという状況におきまして、防災に関しましても、市役所職員挙げまして、また市民の皆様、そしてまた議員の皆様方のお力もかりながら、安心・安全なまちづくりを今後も進めてまいりたいと思っております。
それでは、冒頭、引き続きまして山本議員のご質問にお答えをしてまいりたいと思います。
まず、近江八幡市が大切にしてきた歴史・文化、自然、環境、協働などを総合計画にどのように位置づけ、今後のまちづくりに生かすのかという質問についてお答えをしたいと思います。
議員にお話しいただきましたとおり、先人の先見の明とも言えるまちづくりの思いは、加速する高齢社会や行政だけの対応の限界など、現在策定中の第1次近江八幡市総合計画の策定におきましても参考とさせていただくところの多いものでございます。
ご質問の市民と行政との協働のまちづくりや町の目指す姿など、総合計画の中に全て包含していこうと、このように考えております。本年度末を一応めどに考えておりますこの総合計画の中で、位置づけをどうするのかという形でお答えをさせていただきたいと現在は思っております。
その中におきまして、計画策定の組み立てにつきまして申し上げますと、策定に当たりましては、市民アンケートによる市民の思いの積み上げを初め、新市基本計画の総括、庁内各部署における現状と課題の抽出、各分野ごとの方向性を示している個別計画との整合性等を図りながら、加えて現在の社会経済環境を加味し、まちづくりの基本目標や基本姿勢などを基本構想案として検討、取りまとめているところでございます。
また、議員ご質問の歴史・文化、自然、環境、協働につきましては、先人の市民の皆さん、進取の気象とご努力、地域の協働が相まって現在に至り、我が近江八幡市の文化と豊かな自然が受け継がれてきたことは、まさに議員に述べていただいたとおりのところでございます。
そうした先人の思いも引き継ぐべく、基本構想案の冒頭におきましては、本市の成り立ち、特性の大きな柱としまして、歴史・文化資源、自然環境、教育、市民性といった観点を取り入れ、まずもって明記していこうとしているところでございます。
また、今考えております6つの分野で構成する基本目標におきましては、3番目に環境、歴史・文化の分野を、6番目には協働と連携に基づく地域自治、行政経営の分野を、具体的な施策を束ねるべく柱建てを考えておるところでございます。
これらは、お話しいただきました本市が大切にしてきた先人の取り組みや歴史・文化、自然の大切さを改めて意識、認識する上でも大きな柱の一つとして目標に掲げるものでございます。
具体例を申しますと、3番目に挙げました施策2歴史・文化の保全と活用という項目では、歴史遺産や伝統文化の保存、継承への市民の理解、関心を深め、重要文化的景観を初めとする文化的資産に対するプライドを育成し、豊かで多彩な歴史資産、修景保存の大切さを知り、推進すべく方針を示していこうと考えておるところでございます。
また、これらの基本目標の実現に向けて、さまざまな取り組みを進めるに当たり、持続可能なまちづくりを基本姿勢とし、その実現のための大切な手段として、内発的発展によるまちづくりと協働連携による自立的なまちづくりを位置づけているところでもございます。
現在では、基本構想案をベースに主要事業を分野別で示す基本計画案の策定に取り組んでおるところでございまして、歴史・文化、自然・環境、協働に関する具体的な取り組み方針について庁内プロジェクト委員会や策定委員会はもとより、最終審議をいただいております近江八幡市第1次総合計画審議会において、多角的なご意見をいただきながら策定しているところでございます。
今後の予定といたしましては、年内にはパブリックコメントを実施、議員の皆様には3月議会での基本構想及び基本計画の上程を予定しておりますが、一定の案がまとまりましたら、全員協議会等で策定状況のご報告をさせていただきたいと考えております。
今後も、行政だけでなく、市民にとってもわかりやすく、まちづくりの道しるべとなるよう策定を進めてまいりますので、引き続きご協力をお願い申し上げます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) どうもご丁寧な答弁ありがとうございました。
それでは、再問をいたします。
このたび八幡堀を守る会30年の歩み、「遺産を受け継ぎ未来へつなぐ」という記念冊子が出されました。この中には、「守る会としては、ヘドロしゅんせつや水質改善対策については県や市と根気強く折衝、要望を続けておりますが、八幡川は既に整備されており、未整備で人命や財産に影響のある治水上問題がある河川整備が優先されるので、八幡堀の整備工事には予算がつけてもらえない」とされ、また「全面しゅんせつ工事からはや45年たち、今再びヘドロが堆積してまいり、またもやしゅんせつをする時期を迎えつつあります」との記述があります。
しゅんせつに対する現状と見通しについてご答弁をお願いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
小西都市整備部長。
◎都市整備部長(小西正彦 君) 今、再問いただきました一級河川八幡川、通称八幡堀のしゅんせつでございますが、今議員が申されましたとおり、八幡川は既に一旦改修をされております。本市においては、生命、財産に影響のある一級河川であります日野川、また蛇砂川の改修を優先されているのが現状でございます。
しかしながら、八幡堀は伝統建造物群保存地区に指定されている分野もございます。文化面に加え、観光面、環境面からもしゅんせつは必要とも考えてございますので、引き続き意見、要望してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) また、八幡堀の水質の問題は大きな課題であります。水質浄化に向けては、水量調整や竹炭やイケチョウガイによる浄化実験等がありましたが、大きな成果を上げたとは言えるものではないと思います。
今後の取り組みについてご答弁をお願いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
小西都市整備部長。
◎都市整備部長(小西正彦 君) 今再問いただきました八幡堀、一級河川八幡川の水質浄化につきましては、八幡堀の環境保全、水質改善、景観保全のために一定水量調整をさせていただいております。
北之庄地先にございます浄化用用水導入施設、具体的にはポンプ3台で水を入れているわけでございますが、このポンプで朝8時から夕方18時、6時までの間、この3台を交互に運転をさせていただきながら八幡堀に水を入れていると、調整をさせているというような現状がございます。
この導水によりまして、八幡堀の水を停滞させないよう水質浄化に努めているというのが今の現状でございます。
以上でございます。
○議長(園田新一 君) 田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一 君) 私からは、水質調査の関係でご回答申し上げたいというふうに思います。
議員ご指摘がございましたように、八幡堀の水質浄化に向けまして、これまで市民団体さんによりますイケチョウガイの浄化実験等、さまざまな取り組みをいただいてきたわけでございます。
八幡堀の水質につきましては、南津田町地先を水質調査点といたしまして、継続的に監視をさせていただいております。その状況について少しご説明をさせていただきますと、水質調査項目のうち生物化学的酸素要求量、いわゆるBODという名称で呼ばれていますが、水質汚濁の指標がございます。この指標が水中の微生物が有機物を分解するときに消費する酸素量でありまして、汚濁物質量を数値化したものでございます。この数字が大きいほど有機物が多いということで、つまり水質汚濁が進んでいるということを示すものでございます。
平成21年度以降の八幡堀のBODは年平均1.4から3.1ミリグラム・パー・リットルの範囲で上下をしているところでございまして、このBODの数値が、すめる魚の種類を例にして申し上げますと、コイとかフナのほか、比較的きれいな河川に生息するサケ、アユ等もすめる可能性がある値というものでございます。
また、そのほかの指標でございますCODですね、化学的酸素要求量、全窒素、全リンの経年変化につきましては、特にこちらも悪化している状況とは確認されてなく、ほぼ横ばいのまま推移しているというような状況でございます。
今後につきましても、八幡堀の水質調査を継続して監視してまいりたいと考えているところでございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 平成21年以降の数値などを示されご答弁をいただいておりますが、イケチョウガイのお取り組みは20年度より始め、21年度以降も取り組まれています。数値だけで捉えられていただけでなく、見た目とか臭気であるとかを問題として、官民が協力をし、水質浄化や水環境の美化に対する事業展開をされたものと思います。
そういったことについてのこれからの考え方について、いま一度ご答弁をお願いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一 君) これまで八幡堀周辺におきましては、環境保全団体さんあるいは地域の皆さんによりまして、一斉清掃を実施していただいているところでございまして、その活動により発生しましたごみにつきましては、市で回収させていただくなど、環境保全にいわゆる官民協働で取り組んできたところでございます。
また、八幡堀への関心あるいは大切に守り続けたいという機運の醸成等から、地域の水質環境への監視の目が行き届いてきているかなというふうに思っておりまして、例えば流入する水に色とかで異変がございましたら、初期段階で地域の皆さんから市に情報が寄せられております。そのことによりまして、迅速に対応いたしまして、水環境の保全につながっているというふうにも考えているところでございます。
今後も引き続きまして、このような地域に根差した環境美化運動を通じまして、水環境を初めとする環境保全の意識高揚を図り、また民間連携による八幡堀の環境保全に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 訪れられる観光客は、写真や絵画ではにおいがしないからきれいでよいが、現地においての臭気は景観のよさを消してしまうと言われています。
生活環境の面は行政みずからもできることからだけでも浄化に取り組んでいただきたいと思いますが、堀周辺の下水道の普及率の推移はどのようになっているのか、ご答弁をお願いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
姓農水道部長。
◎水道事業所長(姓農彰宏 君) 八幡堀周辺を含めました下水道の処理区の中に、近江八幡西第3処理区というのがございます。この処理区の水洗化率でございますが、平成20年4月1日で世帯数の水洗化率は77.32%、人口数世帯水洗化率が76.70%でございました。
今現在、30年4月1日現在で世帯数水洗化率は86.38%、人口数水洗化率は85.75%でございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 下水道の普及率はわずかではあっても、近江八幡市全体の普及率より下回っているとお聞きいたしております。進捗にできる限りのご努力を願うものです。
そうした中でも、背割り排水の清掃など地域エリアの環境美化のための活動は、地域住民は高齢者を多く抱える中でも継続してお続けいただいております。地域実情もしっかり調べ把握していただき、水質浄化にお取り組みをよろしくお願い申し上げます。
次に、八幡堀の整備がされ、既に45年が経過し、ソーラー照明の老朽化によるふぐあいが発生しています。夜間に観光客や市民が堀端に集中するはちまん堀まつりも間近に控えておりますし、秋の日はつるべ落としというように日照時間が短くなってまいる中では、早朝、夕暮れの散策にも危険を伴いかねません。
対応をどのように考え、どのように整備されるのか、ご答弁をお願いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
小西都市整備部長。
◎都市整備部長(小西正彦 君) ただいまご指摘をいただきました八幡堀のソーラー照明でございますが、過日の点検結果によりまして経年劣化によるふぐあいが認められております。この照明設備の撤去に向けまして、今発注手続に入っているところでございますので、ご理解を賜りたいと思います。
以上でございます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) また、私たちの共有の財産である八幡堀をよりよい形で後世に引き継ぐために、八幡堀整備全体の老朽化により、ショウブ床の流失対策や石畳の遊歩道や石積みの緩みなどが心配されております。
そうした中で、昨年から総合政策部を窓口に、さまざまな制度が活用できないか検討いただいているとお聞きしておりますが、現在の状況と今後の見通しについてお伺いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
江南総合政策部長。
◎総合政策部長(江南仁一郎 君) お答えを申し上げたいと思います。
近年、多くの観光客がお見えになるということで、八幡堀は近江八幡市の観光スポットということになっておるわけでございます。
議員先ほど来お話ございましたように、昭和40年あるいは50年代にかけまして多くの市民の皆さん、また私どもの諸先輩のお力もありまして、現在の八幡堀の修景運動が進められてまいりました。
また、八幡堀を守る会等多くの皆さんのおかげで独特のこの美観が保たれているということにつきまして、感謝を申し上げるところでございます。
今お話しございましたように、例えば水緑都市のモデル地区の整備事業でありますとかいろんな事業を用いまして、この修景整備を進められてきたわけでございますけれども、それから30年、40年という日時が過ぎてきております。
ご指摘ございますように、石畳の緩みでありますとか石垣の緩み、こういったものも散見されているわけでございます。こういったところを踏まえまして、八幡堀の再保全修景ということで、地方創生交付金の活用ができないかということで計画を持ちまして、国と調整を行ってきたところでございますけれども、残念ながら、この計画につきましてはいまだ採択がされていないということでございます。
ただ、いろんなソフト的な事業を組み合わせる中で、糸口が見出せるかなというところもございますので、引き続き必要な財源確保に努めるとともに、特に緊急を要する修繕等につきましてはそれぞれ所属で、また対応してまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、八幡堀、近江八幡市にはまちづくりの拠点が幾つかあるわけでございますけれども、その中でもやはり八幡堀というのはまちづくりの一丁目一番地であろうというふうに考えておりますので、関係課と協議を進めながら、よりよい形で整備をし、後世につないでいきたいというふうに考えておりますので、ご理解お願いいたしたいと思います。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) さきに申しましたとおり、八幡堀の保存修景運動は全国に先駆けた民活運動として注目をされてきましたし、今なお多くの視察や勉強に全国からお見えになります。それに値するだけの修景をつくり上げる責任が私たちにはあるのではないでしょうか。
どうぞ、当時の市労連、市の職員さんのように、行政も一方の主体としてお考えいただき、現状においてもご努力いただきたいと思います。
今なお民間、地域、団体、地域住民は積極的に行動されております。どうぞ行政もよろしくお願いを申し上げます。
次に、ふるさとに対する学習についてでありますが、「人々はふるさとの歴史や文化等学ぶことによってふるさとのよさを認識し、ふるさとに愛着を持つことができます。ふるさとへの愛着がふるさとの文化や自然を守るための活動につながります。そのために、ふるさと学を確立し、誰もがふるさとを学べるよう、近江八幡の歴史や文化、自然を学問とし、体系化することを目指す」と近江八幡市生涯学習社会づくり構想では述べられていました。
これが、現状においても生きているものとして考えてよいのかどうか、この思いに対するご答弁をお願いします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
日岡教育長。
自席でお願いします。
◎教育長(日岡昇 君) 議員ご指摘の平成15年3月策定の近江八幡市生涯学習社会づくり構想で述べられていますふるさとに対する学習への思いは、平成27年10月に策定されました近江八幡市教育大綱、さらには平成28年3月に策定しました近江八幡市生涯学習社会づくり構想実施計画の基本理念に、ふるさとへの愛着と誇りという文言があり、その思いがつながっていると考えております。
こうした理念は、中央公民館事業や市民大学講座の内容に反映しており、平成18年には近江八幡市で活躍されている市民が講師となり、近江八幡の文化や自然環境の講座を開設し、平成20年には地域の伝統文化を継承する祭りの講座や平成28年には伝統食文化継承のための料理教室等も行ってきました。
今後は、市民ニーズに応えられるようなふるさと学習を専門講師や多方面で活躍されている方々を招いて講演や講座を開設することにより、進めていきたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 平成17年3月当時の近江八幡市民のふるさと学習に関する調査報告書では、近江八幡市に対する愛着について、暮らしやすさなどや歴史・文化や自然について、歴史的な場所、史跡、文化財の認知度、食文化の認知度、伝統工芸地場産業の認知度、ふるさと学習の満足度や学習ニーズなどの分析、まとめ、今後の課題など事細かく調査され、180ページにまとめられてありました。
それ以降としては、平成28年度に生涯学習に関するアンケートとして100名に対する市政モニターアンケート、基本は生涯学習に関する認知度、自分とのかかわり合いを問いかけるものしかないと思います。
郷土愛醸成のためには、より積極的な行動が必要ではないかと考えますが、当局のお考えをお聞かせください。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 先ほどお答えしましたとおり、これまでも中央公民館講座や、あるいは市民大学講座を開催してきたものの、必ずしも体系的な取り組みとはなっておらず、議員ご指摘のとおり、市民の郷土愛醸成には至っていないと認識しております。
そこで、昨年度より滋賀大学教育学部と連携しまして、市民大学講座を1年間の連続講座とし、体系的なプログラムとして行いました。また、今年度からはふるさと学習の視点を入れた連続講座を開設しております。今後も、市民の皆様がふるさとに愛着と誇りを持っていただけるような講座や講演を体系的に開設していきたいと考えておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) ふるさと学習として学ぶべきこと、すべきことは近江八幡は数多くある町だと思いますが、それが生かし切れていないのが現状ではないでしょうか。
全体としては、中央公民館事業になるものであるかとは存じますが、これだけ多岐にわたり地域特性がある中では、各地域のまちづくり協議会の持つ役割も重要なものがあります。しっかりと連携をとり積極的な事業展開をしていただきますよう要望いたしておきます。
最後に、郷土愛醸成のための学校教育について質問いたします。
これもかなり以前になりますが、学校教育の中でふるさと学習、郷土愛については小学校の3年、4年の教材として「わたしたちの近江八幡」が使われているとの質問をした覚えがあります。
この冊子は、昭和47年が初版であるとのことでありますが、学校におけるふるさと学習の現状についてはどのようになっているのか、ご答弁をお願いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 本市教育大綱の5つの視点の一つに、ふるさとを愛し誇りを持てる文化をつくりますとあるように、ふるさと近江八幡に焦点を当てた学習は極めて重要な学習活動であると考えております。
現在、小・中学校では、社会科の学習や総合的な学習の時間を中心に、ふるさと学習を進めています。その際、小学校では自分たちの校区や近江八幡市を学ぶことができる副読本「わたしたちの近江八幡」を使用しています。現在使われているものは、平成27年4月1日に改訂第3版として発行されたもので、小学校3年生から6年生までで使用できるようにつくられています。
本市には、議員ご指摘のように歴史、自然環境、特産物など、ふるさと近江八幡のよさを学ぶ素材がたくさんあります。「わたしたちの近江八幡」をもとに、各校の教職員が実際に地域に出て教材研究を行っています。そこから、子どもたちが地域に出かけたり、あるいは地域の人々を学校に招いたりしながら、ふるさと学習を進めている状況です。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 学校教育の中でしっかりとしたふるさと学習をするには、まず教える側である先生自身が学び、理解をしていただかなければならないと考えますし、教師の側の知識、思い入れが大切であると思います。
そういったことに関して、どのようなお取り組みがあるのか、ご答弁をお願いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 議員ご指摘のとおり、ふるさと学習を子どもたちにとって有効な学習にするためには、教職員の教材研究と意識の向上が必要になります。教職員の意識を高めるための取り組みとして、平成28年度から「ぶらりはちまん」ふるさと学習教職員等現地研修会を行い、教職員のふるさと学習に対する意識向上の取り組みを行っています。
現在まで4学区で実施してきました。今年度も、2学区を予定しておりましたが、先日来の台風で今年度は1学区の研修で終わるかなと思っております。また、今年度、教育研究所主催の「ネタの種講座」に、「もっとしらべてみたくなる『ふるさと 学習』─「あれっ」「どうなってるの」「なるほど」のいっぱいある授業─」と題した教職員向けの講座を夏期研修の一つとして開設しました。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 以前の質問で参考にさせていただきました群馬県の「授業で使えるぐんまの資料」上下巻は、県内の小・中高等学校に配付されたものでありますが、発行後、多くの県民の皆さんから郷土資料として郷土史の学習に用いたいという声が寄せられたと言い、本市は県民の皆さんからのご要望に応えるべく、さきに刊行した「授業で使えるぐんまの資料」の内容を一部変更して、今は「普及版授業で使えるぐんまの資料」として刊行されて、活用範囲が広がり、生涯学習の範疇にまで生かされています。
前回の質問の折には、近江八幡市ではせっかく市史編さんに取り組んでおられるのですから、学校教育に取り入れられないかとの質問に、「小学校とか中学校の社会科の郷土史の副読本に使えるようなものにしてはどうか」、「おじいちゃんとかおばあちゃん、そしてお孫さんとかの世代を超えたコミュニケーションとして使えるのではないか」など、校長会においては、総合的な学習時間での活用や社会科の副教材として活用したいなどの申し入れがあったとの答弁も見られたところでありますが、現在の取り組み姿勢、また考え方についてご答弁をお願いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇 君) 「わたしたちの近江八幡」は、3年生から6年生までの4年間、ふるさと近江八幡の人々の暮らしや自然、文化・歴史について学ぶためにつくられています。
第3版への改訂の際は、市史編纂室担当者も編集員として加わり、改訂に向けた情報提供を得ました。
完成した「わたしたちの近江八幡」は、総合的な学習の時間での活用のほかに、社会科の副読本としても活用しています。3年生、4年生の社会では、地域や身近な人々の暮らしについて、「わたしたちの近江八幡」を活用しながら学習を進めています。また、安土城跡や瓢箪山古墳、八幡商人についても紹介しているため、6年生においても活用しています。現在、小学校3年生になったときに、全員に配付している状況です。
この本を手がかりに実際に地域を歩き、人々に出会い、自分たちで調べたり気づいたりしたことを家庭や地域に住む人々が紹介し、学習を深めてほしいと考えています。
なお、「わたしたちの近江八幡」については、八幡、安土両図書館に置いておりますので、市民の皆様も、もしもご閲覧いただくなり、あるいは貸し出しいただくことも可能ですので、あわせてお伝えしております。
○議長(園田新一 君) 山本英夫君。
◆23番(山本英夫 君) 他の地域、行政体においても、郷土の資料は大切にされ、郷土愛の醸成を図っておられることは事実であり、重要なことであります。地域文化、住民の生活気質などもうかがい知れるものになります。さきに申した市史についてもたくさんの資料が集まっているかと思いますので、いろいろ工夫をしてアイデアを出し合い、学校教材としても活用していただきたいと思いますし、そのように答弁をされていたことも事実であります。
中学校も含め、より広範囲のふるさと学習があるべきです。「わたしたちの近江八幡」は、次の改訂により33年度からの学校教材になるとのことであり、来年度から改訂作業に入られます。より充実した学校教材となり、ふるさと学習が進み、子どもたちの郷土愛が醸成され、これからもすばらしいふるさと、郷土であり続けるために、学校教育における取り組みにも力を注いでいただきますようお願いをし、質問を終わります。
○議長(園田新一 君) 以上で山本英夫君の個人質問を終わります。
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