録画中継

平成30年第4回(12月)近江八幡市議会定例会
12月10日(月) 個人質問
岡山 かよ子 議員
(1)クアオルト推進事業について
(2)近江八幡市安土墓地公園供養施設利用状況について
(3)地域包括ケアシステムと地域共生社会の実現に向けて
◆4番(岡山かよ子 君) 4番、創政会の岡山かよ子でございます。
 ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、ただいまから質問をさせていただきたいと思います。
 質問は、大きく3点、発言通告書に基づきまして質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず、第1点目は、クアオルト推進事業についてお伺いをいたします。
 高齢化の進行とともに、寝たきり高齢者や認知症の高齢者など介護の問題がクローズアップされております。と同時に、介護予防が注目されております。介護予防は、高齢期になってからだけではなく、青年期や壮年期の若いころから介護予防を意識した健康づくりが重要であることは、健康日本21、いわゆる国民健康づくり運動でも提唱をされています。
 このクアオルトとは、ドイツ語で療養地、健康保養地を指す言葉で、ドイツではクアオルトで病気の治癒、緩和、予防に効果のある自然の治療薬を活用した療養が行われ、公的医療保険の対象ともなっております。
 療法の中には、冷気や風といった気候の力を活用し、野山の傾斜地を歩くと運動効果等が高まる気候性地形療法という、ちょっと難しいんですけれども、そのような手法を用いたウオーキングがあり、これによって心筋梗塞や狭心症のリハビリ、高血圧や骨粗鬆症の治療として用いられております。
 そのような中で、クアオルト健康ウオーキングは全国20市町村で展開をされておられます。また、この事業は、単に健康づくりだけではなく、自然の地形を利用するため環境面でも力が入れられています。散策道路の整備については森林組合との連携、運営についてはボランティアさんの方々等のご協力をいただくことで多くの役割が創出できております。
 また、宿泊をして保健指導をするということで、宿泊型の保健指導がより効果的ということもあり、旅館や宿泊施設の充実を行うことで市外からの交流人口がふえ、ひいては観光振興にもなり、地域の社会資源のさらなる活用にもなり、地元産業や観光分野への波及効果が期待できます。
 先日、私たちの会派創政会で、この事業を10年前から実施されています山形県の上山市に視察をしてまいりました。健康ウオーキング2.6キロの一番短いコースを体験いたしました。2.6から5.1キロ、8コースがありました。自分の体力に応じて選べます。また、歩きながら認知症予防の運動も取り入れられて楽しくウオーキングをさせていただきました。
 ウオーキングをしながら、参加をしている方々とお話をさせていただきました。健康になった、足腰が強くなった、参加する中で今までは参加者であったがボランティアとして生き生き活動しているというふうな声がございました。また、閉じこもっていたが、ここに来ると誰かが来ているので話をするようになり、お友達ができた、笑顔がふえたなど、多くの声が寄せられておられました。
 ウオーキングコースも整備され、春は桜、秋は紅葉など四季を感じられるようになっていました。年末年始以外は毎日実施され、予約なしに当日参加、毎回平均10人以上が参加をされていました。参加者の半数以上が市外から来られている方でございました。
 また、ウオーキング終了後は、月1回の体力測定や骨密度、体脂肪、血管年齢等の健康測定なども実施をされていました。
 参加料は、ちなみに私たちも払いました、1回500円でした。
 また、その後、健康弁当ということで市内飲食店と連携製作したクアオルト弁当というのをいただきました。
 事業実施10年間経過して見えてきたことは、毎日ウオーキングに参加する人が年々増加をする、また国民健康保険の医療費が削減をしたということでございました。
 この事業を実施するに当たり、当初は、健康推進ということですので、担当課の方と商工業の担当の方がおのおの相談しながら実施をされておられましたが、クアオルト推進室として市役所内に、政策推進室内に専門部を立ち上げられ、行政内部の保健、観光、環境等横断的な連携体制を強化し今に至っているようです。
 健康づくりは、まちづくりです。今後、選ばれる近江八幡市を目指すのであれば、体験ができ、宿泊ができ、観光ができ、健康になれる一石何鳥にもなるようなまちづくりを目指したいと思います。ぜひ当市でもお取り組みいただきたいんですけれども、その事業実施についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 以上、初問といたします。よろしくお願いします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理 君) 岡山議員お尋ねのクアオルト推進事業のご質問についてお答えを申し上げたいと思います。
 ただいま議員からお話しいただきましたクアオルト健康ウオーキングとは、ドイツ語で療養地を意味するクアオルトにて治療として活用されている気候性地形療法の手法やコースの基準を基本とし、日本の気候や自然環境に適合させ、参加者の安全対策を考慮した運動療法でございます。
 クアオルト健康ウオーキングは、品質管理を重視されていることから、日本国内では日本クアオルト研究会が認定されたコースのみ体験できるものとなっております。
 中でも、議員も視察されました山形県上山市は日本で唯一ドイツ・ミュンヘン大学より認定を受けたコースを有している全国に先駆けて官民が一体となって取り組まれている事例ということでございます。また、2008年に日本で初めてクアオルト健康ウオーキングに取り組まれた自治体でもございます。
 上山市では、上山型温泉クアオルト構想を策定し、市民の健康増進と交流人口の拡大による地域活性化を目的として、市民が将来にわたって自分らしく過ごしていくために、市民、企業、行政が一体となって事業に取り組まれておるところでございます。
 本市がこれらの事業に取り組むには、上山市で実施されている全ての事業を最初から一度に進めていくということは、市民の機運の醸成等の観点からはなかなか難しいとは思いますけれども、まずは市民の健康増進や市外の方を呼び込むなどの交流人口の増加といった本市の課題を踏まえた目的の整理をする必要があろうかと思います。
 その中で、クアオルト健康ウオーキングが運動療法であることやコース認定を受ける必要があることを踏まえると、本市の状況に応じ、できることから始めていくことが肝要であると考えておるところでございます。
 滋賀県内では、健康推進、健康づくりの観点から、平成30年1月10日からBIWA-TEKU(ビワテクアプリ)として県下10市町が参画し、モバイルスタンプラリーやバーチャルウオーキングラリー、各種健診の受診、健康に関する目標を達成することで健康ポイントをためることができるアプリケーションの事業を実施されておりますが、本市においても参画への検討を始めているところでございます。
 今後は、議員のご提案をいただきましたとおり、健康づくりという観点にとどまらず、市外の方々も本市を訪れていただけるよう、既存の観光における散策コースの活用や体験型の企画を行うなど、観光と健康を組み合わせたまちづくりの取り組みについても、一つの事例としてこのクアオルト健康ウオーキングを参考とさせながら、また取り入れられるべきものは取り入れながら検討していこうと考えております。
 以上でございます。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) ありがとうございました。
 いろいろな方向、方面から健康づくりやまちづくりを考えていただいていることに感謝をいたします。
 このクアオルトとは本当に聞きなれない言葉です。上山市でも、10年以上前から実施されて、今やっと知名度が76.6%になったということです。今、市長さんがおっしゃられたように、一度に進めていくのは本当に難しいというふうに思います。
 ただ1点、これから前向きに検討していただいて考えていただくということでしたので、1点だけ再問をさせていただこうかと思うんですけれども、この健康づくりを初めとした体験型の観光、町全体が元気になり活性化していくということですから、少しクアオルトの中身についてまだ本当にわからないことが多いと思うので、私たちを含めて職員さんや関係官民が一体にならないと絶対できないと思いますので、そういう関心のある人たちと研修会や勉強会を開いていただいて共有ができたらというふうに思いますが、そのような研修会や勉強会の開催を検討していただくということはいかがでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理 君) 非常に有効で本当に一石何鳥にもなるような施策でございますので、ぜひそういう検討会、研究会は立ち上げさせていただけたらと思います。
○議長(園田新一 君) 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) ありがとうございました。
 ぜひこれからすぐには難しいと思いますけれども、将来を見据えて勉強会を開催していただいて、私たちも参加をさせていただきながら、地域の活性化になればというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。ありがとうございます。
 この質問はこれで終わります。
 次の質問に入らせていただきます。
 次は、近江八幡市安土墓地公園供養施設利用状況についてお伺いをいたします。
 近江八幡市安土墓地公園供養施設について。
 墓地のあり方は歴史的な変遷があります。明治以前に見られた寺院と檀家との結びつきによる寺院墓地、地域社会との結びつきによる集落墓地など、ある一定の地域の共同体の中で完結されてきました。
 明治中期から昭和初期に見られた世俗的、宗教的な問題から、国家政策の一つとして位置づけられるようになります。このころから公営墓地が多く見られるようになってまいりました。
 現在では、高度経済成長以降、核家族化の進展や都市部への人口流出等の社会情勢の変化から、無縁墓地や新たな葬送の問題等が見られ、墓地をめぐる課題解決が求められるようになってきています。
 こうした中、本市は今後将来にわたって惹起するであろう新たに課題解決を市民目線で捉えた施策として、近江八幡市安土墓地公園供養施設を開場したと考えます。
 私は、核家族化が進む中、将来を展望した本市の安土墓地公園供養等に大きな期待を寄せております。反面、この安土墓地公園供養施設が市民にどこまでの理解が得られ、期待されているのか、行政広報、施策に疑念を持っているのも事実でございます。
 初問に入らせていただく前に、安土墓地公園供養施設が、いつお伺いをしても地元の方々の手によって常にきれいに整備をなされていることを申し述べさせていただきます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず最初に、近江八幡市安土墓地公園供養施設の建設総工費と現時点での受け入れ可能件数をお伺いします。
 次に、現在直近での申込件数と竣工時から直近までの問い合わせ件数をお伺いいたします。
 最後に、担当課として現時点で施設稼働状況をどう評価されているのかをお伺いしたいと思います。
 以上、初問といたします。よろしくお願いします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 嶋川安土町総合支所長。
             〔安土町総合支所長 嶋川明夫君 登壇〕
◎安土町総合支所長(嶋川明夫 君) 岡山議員ご質問のうち、近江八幡市安土墓地公園供養施設利用状況についてお答えをいたします。
 まず、第1点目についてでございます。
 供養施設は平成27年7月末に竣工し、建設総工費は999万円でございます。
 本年11月末現在での受け入れ可能件数は全1,152区画のうち1,096区画となっております。
 第2点目についてでございます。
 竣工から本年11月末までの供養施設使用許可件数は56件で、本年度においては11月末時点で10件となっております。
 供養施設の竣工時から現在までの問い合わせ件数は約140件で、問い合わせをいただく方の大半が市広報紙やZTVからの情報によるものとなっております。
 お問い合わせの内容は、主に供養施設についての手続等でございます。
 第3点目についてでございます。
 現時点での施設稼働状況から引き続きPRに努めていく必要は十分にあると考えております。市民の皆様へ、市広報紙、ホームページ、ZTV等を一層活用して周知してまいりたいと考えております。
 また、公営の納骨施設として、市民の皆様が身近に感じられ安心して利用できる施設を引き続き目指してまいります。
 以上です。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) ありがとうございました。
 それでは、再問をさせていただきます。
 まず1つ目です。この墓地公園の供養施設が平成27年末に999万円をかけてできたということで、でき上がったところで、私は一度見学に行こうと思いまして、前まで行ったんですが場所がわからない。3往復ぐらい行ったり来たり、行ったり来たりして、やっと農業倉庫の裏に建っているのを発見いたしました。入り口に看板が、私が行ったとき、今も何回も行くんですけど、看板とか道案内とかがなかったように記憶をしているんですけれども、もう少しわかりやすくここですよという工夫を今後されるというのは、予定はないのでしょうか、お伺いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 嶋川安土町総合支所長。
◎安土町総合支所長(嶋川明夫 君) 済いません。ご指摘のとおり、看板をということも今後考えようとは考えますが、基本的になかなかご迷惑施設的な面もございまして、そこら辺も含めて検討させていただこうと思っております。
○議長(園田新一 君) 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) 済いません。ご迷惑施設的な考え方というのは具体的にどういうふうなことなんでしょうか。
○議長(園田新一 君) 嶋川安土町総合支所長。
◎安土町総合支所長(嶋川明夫 君) 済いません。墓地といいますのは、あってほしいけども自分の近くには比較的というのがございまして、そこら辺の考え方、僕の考え方が古いのかもわかりませんが、今後そこら辺も含めて考えさせていただきます。
○議長(園田新一 君) 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) それも含めて、安土のあそこに墓地公園をつくられたということだと私は思いますので、やはり市民1,152区画つくって1,096区画あいているということですよね。ということは56件申し込みがあったということですので、やっぱりほとんど周知はされていないというふうに思いますし、もう少ししっかりと周知をしていただきたいなというふうに思うんですけれども、そこら辺はどのように考えられますでしょうか。
○議長(園田新一 君) 嶋川安土町総合支所長。
◎安土町総合支所長(嶋川明夫 君) 済いません。ご指摘のとおり、稼働の面から申しますと非常に低いと、こういうふうには認識をしております。ただ、都会と違いまして、できるだけ周知を引き続き、安心していつでも入っていただけるような面もございますので、そこら辺は今後とも引き続き周知の方法を含めて進めさせていただこうと思っております。
○議長(園田新一 君) 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) ありがとうございました。
 周知の方法が、今、近江八幡広報か私見たのはホームページ、またはZTVということでしたが、市内の方については広報とかでもいけると思うんですけども、ZTVでもいけると思うんですけど、これは市外の方も対象にもなっておられますし、もう少しPRの方法というのは考えられないんでしょうかね。
 やっぱりほかの民間の施設でも、最近は本当に墓じまいということで、自分の先祖のお墓を守る人がいないという中でいろいろ考えておられる民間事業もあると思います。
 特に、近江八幡市の場合は、お墓もありますし永代供養としてここに置けますし、やっぱりしっかりとしていただけるということも載せておられるんですから、もう少ししっかりと、999万円の公費を使って建設をしたということで、平成27年からですともう数年、3年たっているかなというふうに思いますので、もう少しPRの方法とか広報の方法とかを考えられないものなんでしょうか、お伺いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 嶋川安土町総合支所長。
◎安土町総合支所長(嶋川明夫 君) 済いません。普通の広報のみではということでございますので、今考えておりますのは、自治会長さんにまたお願い等もこれからさせていただこうかなと、1つは市民さんを中心にというのをメーンに考えております。
○議長(園田新一 君) 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) 市民さんは結構ご自宅に、近江八幡市の土地柄お墓とかいろいろ持っておられると思うので、1,000区画、残り千何区画あるわけですから、やはり近江八幡市に来ていただいて、そこを使っていただくという市外の方への対処というのも少し考えるべきではないかなというふうには考えますが、いかがでしょうか。
○議長(園田新一 君) 嶋川安土町総合支所長。
◎安土町総合支所長(嶋川明夫 君) 済いません。ありがとうございます。
 そのことについても、今後ご検討させていただきます。
○議長(園田新一 君) 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) よろしくご検討をお願いして、この質問は終わりたいと思います。よろしくお願いをいたします。
 最後に、3つ目の質問に入らせていただきます。
 地域包括ケアシステムと地域共生型社会の実現についてお伺いをいたします。
 2025年、平成37年をめどに高齢者の尊厳保持と自立生活支援の目的のもとで、可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援、サービス提供体制の構築が求められております。
 もともと高齢になり介護が必要になった時点で、今までは施設や病院といったところでの看護や介護を受けてまいりました。ところが、高齢者がふえ、病院や施設はこれ以上の増加は望めません。住みなれた地域で暮らし続けるためのシステムとしての考え方が地域包括ケアシステムです。
 病院や施設のお部屋が地域では自宅、施設等の廊下は地域の道路、病院等のナース、看護師さんは、自宅を訪問する訪問看護師さんやヘルパーさん、といったように、在宅で施設と同じようなサービスが受けられるよう環境整備を行うことと認識をしております。
 そのかなめとして、地域包括支援センターを配置することになりました。近江八幡市も、平成18年から市直営の地域包括支援センターが整備されました。その後、県内でいち早く直営から委託方式がとられ、3圏域に委託型の地域包括支援センターが設置をされ、充実した活動となってきたと認識をしております。
 この専門的な知識を有する職員が配置されることが条件で、相談もふえてきたというふうにお伺いをいたしています。
 このような中、今後の近江八幡市の地域包括システムの進捗状況とこれからの方向性についてお教えいただきたいと思います。
 2つ目に、地域包括ケアシステムから地域共生社会への政策展開が言われ出しております。地域共生社会とは、制度、分野ごとの縦割りや支え手、受け手という関係を超えて地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで住民一人一人の暮らしと生きがい、地域とともにつくっていく社会と言われております。
 近江八幡市として、この「我が事・丸ごと」地域共生社会の実現に向けての取り組みと今後の方向性についてお伺いしたいと思います。
 以上、初問といたします。よろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 鳥居福祉保険部長。
             〔福祉保険部長 鳥居広子君 登壇〕
◎福祉保険部長(鳥居広子 君) 岡山議員の地域包括ケアシステムと地域共生社会の実現に向けてのご質問にお答えいたします。
 まず、地域包括ケアシステムについてですが、地域包括ケアシステムは高齢者の在宅生活を支える介護、医療、予防、生活支援サービス、住まいの5つの要素にかかわる地域の人や社会資源がつながりを持ち、連携しながら支援やサービスを提供する仕組みです。
 このシステムでは、高齢者や障害のある人、子育てや介護、仕事を持つ人も含めた地域住民、行政、介護、障害、子育てなどのサービス事業者、民間企業、NPO、地域団体等、地域を構成する全ての人、関係機関がみずからの持てる能力を生かして支え手となっていくことが求められています。
 本市では、平成24年度からの3年間を計画期間とする第5期総合介護計画において、2025年、平成37年に向けた地域包括ケアシステムの構築を掲げ、それ以降の施策、事業の進捗状況を検証しながら、地域包括ケアシステムの推進に努めてきたところです。
 議員ご指摘のとおり、平成26年度から地域の相談支援の拠点としての地域包括支援センターの委託による整備を進め、平成28年度に圏域ごとの整備ができたところです。
 取り組みの進捗状況としましては、総合介護計画で総括的な評価指標としてきた4点のうち、週1回外出している高齢者の割合、75歳から84歳の要介護認定率、要介護3から5の認定者の在宅比率の3点は改善しましたが、認知症高齢者日常生活自立度2以上の認定者の在宅比率は目標値を下回りました。
 これを受け、第7期計画では、高齢者の生きがいづくりと活躍の場の確保、介護予防の拡充といった予防的な取り組みと地域での支え合いの仕組みづくりを重視した取り組みを進めていく計画としています。
 次に、「我が事・丸ごと」地域共生社会の実現についてですが、議員ご指摘のとおり、地域共生社会とは、制度、分野ごとの縦割りや支え手、受け手という関係を超えて地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、住民一人一人の暮らしが生きがい、地域をともにつくっていく社会であると定義されています。
 そのために、住民が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制づくりを支援する取り組みが必要となってきています。
 本市としましても、市社会福祉協議会を中心に各自治会における助け合いの基盤づくりや自治会単位の支え合いを小学校区でサポートできる仕組みづくりに取り組んでおります。
 従前からの自治会単位における見守り支え合い活動の推進に加え、平成29年度から小学校区単位でのお助け隊をつくる座談会や学習会を開催し、市内各所で地域住民が主体となって身近な地域でお互いに見守り支え合える関係ができつつあります。
 なお、広報「おうみはちまん」9月1日号でも紹介していますが、千僧供町見守り支え愛の会や加賀見守り会は、このような地域に密着した取り組みのすぐれた成果でもあります。
 少子・高齢化や核家族化、地域のつながりの希薄化が今後ますます進んでいく中、少しでも早く多くの地域でこのような体制づくりが行えるよう取り組んでいきたいと考えております。
 福祉のまちづくりを目指した福祉分野の総合的な計画である近江八幡市地域福祉計画では、高齢者だけでなく障害児者や子ども、生活に困窮する人など、あらゆる市民が住みなれた地域で安心して暮らし続けることのできる地域包括ケアシステムの構築を大切にすべき基本的な考え方としています。
 今後も、行政内部はもちろんのこと、地域の関係機関等との連携を図り、議員ご指摘の地域共生社会の実現につながる包括的な支援システムの構築を目指してまいりますので、議員の皆様方のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) ありがとうございました。
 元気なうちから地域住民が交流する場をつくり、役割を持つことがとても大変やというふうに思います。
 米原市では、筑波大などの研究チームが、最近、近所のつき合いがないなど社会とのつながりが薄い高齢者は、介護が必要になったり死亡するリスクが積極的なかかわりを保つ人より高いという調査結果をまとめたようです。
 先ほど部長からお答えいただきました第7期の計画の中で、高齢者の生きがいづくりと活躍の場、介護予防の充実、地域での支え合いの仕組みづくりということで、少しずつ地域の中でできてきたというふうにお伺いをいたしましたので、今後とも広くたくさんの地域にそれができるよう、今後も推し進めていただきますようよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 そこで、次に再問をさせていただきます。
 少し視点を変えまして、人生最期のとき、どこで過ごしたいかというふうな問いに対して、ほとんどの方々が自宅で過ごしたいという希望を出されています。しかし、現在は80%ぐらいが病院や施設など自宅以外で亡くなっているというのが現状でございます。
 そもそも地域包括ケアは、何度も言いますが、在宅での生活の推進というふうに言われております。先ほどもお答えの中で、要介護3から5の方の在宅比率が改善したというお答えも聞きました。
 このように、要介護度が高くなっても在宅生活が継続できるよう、近江八幡市での在宅ケアの推進についてお考えをもう一度お教えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 鳥居福祉保険部長。
◎福祉保険部長(鳥居広子 君) ありがとうございます。
 もともと近江八幡市は比較的在宅比率が高いサービスの提供体制をとっておるところではございます。ただ、人生の終末期を在宅で迎えるというところになりますと、やはり同じ訪問介護、訪問看護とサービスの提供につきましても、量と同時にその質の高さが求められてくるというのが重要なところでもございます。
 また、当然のことながら医療との連携、介護と医療の連携と一言で申しますが、やはり地域の中でその市民の皆様方を見守っていただける医療の充実という部分、体制の連携の充実という部分も当然問われてくるものと思います。
 皆様が全て、自宅で最期をという思いを持っておられる方の願いをかなえるというのは究極の目的でもあろうと思いますが、そのあり方として一旦施設に入っても最後は自宅でという考え方もありましょうし、その方々のそれぞれの思いをかなえられるよう、今後とも医療連携の充実、またサービスの質の向上、量の充実に向けて、在宅で市民の皆様の態勢がとれていけるように、少しずつではございますが進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 質問はありませんか。
 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) ありがとうございました。
 それでは、次の質問に入ります。
 本市では、今お答えいただいたように、在宅で少しずつでも進めていきたいというふうにお伺いをいたしましたが、在宅での暮らしの推進を介護保険計画の理念にも掲げられて、在宅サービスを中心に市内の社会福祉法人やNPO法人さんと顔の見える関係の中で住民に安心と安全を提供できるよう、丁寧かつ慎重にサービス整備を進めていただいたと認識しております。
 ところが、介護保険施行後、いまだ見たこともない多くの施設整備を一気に実施されるというふうなことを聞きましたので、先日、総合介護市民協議会の傍聴をさせていただきました。
 内容は、近江八幡市の第7期介護保険計画における施設整備の再公募実施を行うか否かについてでした。協議会の傍聴は以前にも何度かさせていただいたんですけれども、今までは市の事務局さんからの提案や報告に対して委員さんからの意見はほとんどなく、採決をとられている状況で、論議を尽くされている状況ではありませんでした。しかし、今回はかねてからこの施設整備計画が無謀過ぎると訴え、再考を提案されておられました市内の介護実態に詳しい数名の委員さんがおられまして、本当にこのまま安易な施設整備をしてもいいのかと、再度事務局に詳細に数値的根拠の説明を求められていた結果、その他委員さんも活発に意見を述べておられました。
 結論的には、整備の必要性の判断のためには、市内の介護実態について当然事務局で確認分析されているはずですが、全く数字的根拠が把握されていなかったということが私の中ではわかりました。
 委員の指摘により、改めて確認された実態は大きく5点ございました。
 1点目は、代表的な在宅サービスであるデイサービスや小規模多機能型のサービスがあるんですけれども、その稼働状況は40%から90%で、平均70%台であり、供給過多とも言える状況です。当然ですが、介護事業は民間経営ですが、法的管理下での事業ですので、あきがあるからといって自由な集客行為や対象者拡大はすることができません。つまり、行政の必要量予測は事業者の存続に直接的に影響します。にもかかわらず、供給過多で事業存続が危ぶまれるような事業所がある実態についても、どうするかということは答えておられませんでした。
 2点目は、特別養護老人ホームの待機者数についても、実数ではなく複数の施設に重複申し込みされている方の延べ数を根拠にされており、必要性の緊急性についても客観性に乏しい内容でした。さらに、施設入所者の年齢構成についても従前と違い90歳代以上の高齢者の方が割合が多くて、死亡による退所者も多く、施設入所の回転率は比較的早くなっている現状の中で、実質的な待機状況をどのように捉えるべきかということも十分にお答えをされておられませんでした。
 3点目は、所得の状況です。当然ですが、施設利用には一定の費用が必要です。しかし、入所が必要な状態でもその方の世帯事情によっては金銭的に入所ができない方も現実的にたくさんおられます。
 4点目は、特別養護老人ホームの入所対象者は原則要介護3以上の方です。近江八幡市の認定状況は1回の認定審査における要介護3以上の認定の発生状況は30人に1人ぐらいだと、認定審査会を兼ねておられる委員さんの発言がありました。
 5点目は、職員の確保の点についてです。今回公募の計画に上がっている施設は、全て24時間365日稼働するサービスであり、職員は夜勤や休日勤務ができることが条件となります。今回公募の施設が全部整備された場合、100人以上の職員が必要になります。現在でも、既存施設では介護職員不足であり、毎年市で実施をされている福祉の仕事の説明会でも、年々来場者は減少して実際就職につながった方も少数だとお伺いをいたしております。つまりは、建設はできても職員の確保は非常に難しいと言えます。市内の施設での職員紛争も起こりかねません。また、近く近江八幡以外に施設が建てば、地域加算が近江八幡はないので、近江八幡以外に流れていくという現状もあるということもお伺いをいたしました。
 このことは、一般的に事業を起業する場合のマーケットリサーチ項目としては当然のことです。これらの項目について委員からの質問に対し、市の担当の方は余り把握をされていないというふうなご回答をされておられました。逆に、事務局からの提示資料は1人当たりのベッド数という形で高齢者数を示しておられましたが、これでは分析検討するというのはなかなか難しいような資料やったんかなというふうに私自身は感じました。
 最終的に、このような現状でも整備する理由は何かという質問には、計画に上げて保険料も決めたので整備するというようなお答えで、現状は無視した状況でした。幸い、出席されていた半数の委員が公募実施の決定のためには論議が尽くされたとは言えないと反対を表明されたので、議論は持ち越されました。
 このような安易な施設整備は、既存事業所、新設事業所双方の経営を脅かし、介護の質の低下や倒産といった事態にもつながります。このことは、とりもなおさず利用者や介護家族、また事業者に雇用されている人々の暮らしを危機に陥れることになります。
 これらの整備がなくても、既に特別養護老人ホーム20床、グループホーム9床の増設は決定しております。また、近江八幡市は特に介護予防の取り組みを熱心に推進をされているこの現状に当たって、また在宅ケアを推進していくという地域包括ケアの考え方の中で、7月が公募不調であったにもかかわらず、再度1月に再公募して整備を絶対とされるお考えについてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(園田新一 君) 当局の回答を求めます。
 鳥居福祉保険部長。
◎福祉保険部長(鳥居広子 君) ありがとうございます。
 前回の総合介護市民協議会につきましては、私は別件がございましたので欠席をさせていただいておりました。そのことの内容については所属担当から報告をもらっております。
 それにつきましては、デイサービスの稼働状況、また今議員が全ておっしゃいましたことにつきましては、適切な資料提示を次回の総合介護市民協議会において行うよう指示を出させていただいております。
 ただ1点、全く施設を整備しなくても今後いけるのかというと、やはり近江八幡市の世帯状況、ひとり暮らし高齢者、高齢者のみ世帯がふえてきている、やはり施設でないとという方もいらっしゃることも現実問題としてございます。
 そういう部分も含め、次回の総合介護市民協議会、総合介護市民協議会と申しますのは介護保険制度、また高齢者の福祉計画を協議する場でございますが、その中で委員の皆様に適切な資料をご提示させていただく中でご判断をいただこうという形で現在進めておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○議長(園田新一 君) 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) ありがとうございます。
 施設が全く要らないというふうに申しているわけではなくて、やはり在宅で生活ができないという方も十分たくさんおいでになられますので、施設は一定必要だと思います。地域包括ケアといっても、やはり施設と在宅の行ったり来たりという方もおいでになられますので、そのことについては十分理解をしているつもりではございますが、この第7期の計画の3年間の中で、これだけ一度に多くの施設を建てられるということについて少し疑問がありましたのでお伺いをいたしました。
 特に、在宅でのデイサービスが介護の中で一番たくさん占められるサービスでございますが、それがあきがある現状の中で新しい事業所ができ、今デイサービスを利用されている方が施設へ入ってしまうと、またそこがあいてしまうということもあります。
 民間事業所とはいえ法的な管理もされていますし、今サービス利用の少ないところ、質の担保というあたりを先ほど部長も言われたと思うんですけれども、市としては今のこの状態でばらつきがあるというのは、民間の企業努力と言われればそれまでなんですけれども、やはり公平中立的に考えたときに市としては今のこのような現状をどのようにするというふうに考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○議長(園田新一 君) 鳥居福祉保険部長。
◎福祉保険部長(鳥居広子 君) ありがとうございます。
 デイサービスにつきましては、指定権限が今のところ近江八幡市にはございません。一応権限と申しましたが、事業所指定の権限というものは、小規模多機能でございますとあれですけれども、指定権限の部分の中でなかったところの中で今までふえてきたというところがございます。
 ただ、そのときにつきましても、近江八幡市の現状のサービス事業所の提供の状況等々については、事業所の皆さんに情報を十分提供する中で、参入意向を考えていただけるようにという資料提供は十分させていただいてきたところでございます。
 ただ、現状デイサービスにつきましては、先ほど議員ご指摘がございましたとおり、平均をさせていただきますと大体7割程度の稼働率ということになっております。
 一応、現状サービスにつきましてはケアマネジャーが調整をしておりまして、その方に一番合ったところの中でデイサービス事業所を通所の場合は組んでおられるというところがございます。その中で、選ぶ選ばないという部分の判断も一定生じてくることもあろうかとございますが、供給的にはある意味供給過多になっている実情はあろうとは思います。
 ただ、近江八幡市の市民の皆様方の立場からいたしますと、やはり近江八幡市にある事業所が一定以上のサービスの質を担保するということは、市の責務として考えていくべきことであろうというふうに思います。
 一朝一夕でなかなかそこの部分、民間の事業所ということもあって、そこがなかなかすぐに市としてそこの部分の指導ができるというものではございませんが、近江八幡の中で介護サービスを提供している事業所が手を組まないと市民の皆様を支え切れないというところの中で、今後そこの部分についても質の担保、質の向上という部分についても取り組みを進めていけるよう検討してまいりたいと考えております。
○議長(園田新一 君) 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) ぜひともいい質のところのサービスを近江八幡市民にご利用ができるというのが理想的だと思いますので、ぜひ質の担保が保てるようによろしくお願いしたいというふうに思います。
 施設の先ほどの整備の件なんですけれども、庁舎も計画して工事が始まっていましたが、今これから検討されるという段階になっています。今回もこの計画の中にはこれだけの施設整備というのは入ってはいますけれども、やはりもう一度根拠をしっかり明確に提案をしていただいて、次回の市民協議会に出されるということでございましたが、やっぱりこれだけの数値の施設を建てるというこの考えは変わらないということで認識してよろしいんでしょうか、お伺いします。
○議長(園田新一 君) 回答を求めます。
 鳥居福祉保険部長。
◎福祉保険部長(鳥居広子 君) 総合介護市民協議会という市民の皆様、事業所の皆様、それぞれの市民の組織の代表の皆様に入っていただいております会議の場所がございます。そこの場所で皆様にご議論を次回にいただくという予定をさせていただいております。
 その結果をもって、また判断を行政としてさせていただくということを考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(園田新一 君) 岡山かよ子君。
◆4番(岡山かよ子 君) はい、わかりました。
 次回の市民協議会で皆様方にご議論いただいて考えるということと認識をいたしました。
 また、私も傍聴に行かせていただきたいと思います。そこでしっかりと勉強をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 最後、再問しようかと思っていたんですけれども、もう時間がございませんので、これで私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(園田新一 君) 以上で岡山かよ子君の個人質問を終わります。
 嶋川安土町総合支所長より発言の申し出がありますので、これを許します。
◎安土町総合支所長(嶋川明夫 君) 済いません、申しわけございません。
 先ほど岡山議員の安土墓地公園の回答をさせていただく中で、申しわけございません、私どもが不適切な発言をしてしまいました。そもそも墓地公園につきましては、焼骨の収蔵及びその他祭祀のための施設として広く公益に資する目的を持って設置されたものでございます。
 私の感覚、申し方というか、説明の仕方が悪かったこと、おわび申し上げます。
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