平成31年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月6日(水) 個人質問
小西 はげむ 議員
(1)「働き方改革」について
① 行政職、教職、病院職など、それぞれの働き方改革について
(2)「教育行政」について
①学校給食について
②通学区域の弾力化について
③児童生徒の携帯電話、スマートフォンの持ち込みについて
④就学前教育・保育育成指針について
◆9番(小西励君) 皆さんこんにちは。創政会の小西励でございます。よろしくお願いをいたします。議長のお許しをいただきましたので、ただいまから質問をさせていただきます。
まず、働き方改革について伺います。
国は、働き方改革実現会議において、スピードと実行力を伴った改革を実行するために、働き方改革実行計画というのを決定いたしました。
その中では、長時間労働の文化を見直すとともに、時間外労働の削減に向けたより具体的な取り組みの強化が求められており、特別な事情がある場合であっても時間外勤務時間数の上限を年間720時間、単月100時間、通常は年間360時間、単月45時間と定められたとのことでございます。
現在の職員の残業時間数についてどのように管理をされているのか、最長の時間はどれぐらいなのか、健康上の被害は出ていないのか。これは行政職員、教職員、病院職員それぞれに伺いたいと思います。
また、それぞれに時間外勤務削減に向け、どのような取り組みが実施をされているのかもあわせてご紹介をいただきたいと思います。
各所属における取り組み事例がございましたら、あわせてよろしくお願いをいたしたいと思います。まず、初問といたしますのでよろしくお願いをいたします。
○議長(園田新一君) 当局の回答を求めます。
小西市長。
〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 小西議員お尋ねの働き方改革についてのご質問にお答えを申し上げます。
長時間勤務の是正につきましては、職員の健康保持や家庭生活との両立、人材確保の観点等から重要な課題であり、国においても平成30年8月に人事院勧告とともに出されました公務員人事管理に関する報告において、長時間勤務の是正として超過勤務命令の上限が示され、人事院規則において上限を原則1カ月45時間、年間360時間、他律的な業務の比重の高い部署においては1カ月100時間、年間720時間と設定するなどの改正がなされた。これは議員ご指摘いただいたとおりでございます。
今般、本市におきましても同様の措置を講じるよう、今議会において条例の改正を上程させていただいているところでございます。
時間外勤務については、所属長の命令を受けて勤務するものであり、市長部局、教育委員会事務局等におきましては、各職員の日々の命令時間、勤務時間、業務内容を時間外勤務命令カードにより管理しております。
それに基づき、各所属より月ごとに時間外勤務時間数報告書により総務課に報告されているところでございます。
所属長は、毎月の報告の際に、所属職員の時間外勤務時間数が一定時間を超えていないか、職員間で偏りがないかなどの確認を行い、削減目標に対する達成状況の確認と分析を行っております。
最も多い時間外勤務の時間数につきましては、今年度1月までの10カ月間で申しますと、740時間、1カ月単位では140時間となっており、これらの事由としましては、予算編成、普通交付税算定、決算統計事務の集中や課税事務への対応を初め、国、県制度の変更対応等の市民サービスにおいて一定やむを得ない業務と判断をしております。
平成29年度の同時期と比較しますと、職員の健康保持や家庭生活との両立の周知徹底から、改善も見られたところでございます。
なお、時間外勤務に伴う直接的な健康上の被害につきましては、本人からの申し出や所属長から報告を受けておりませんが、心身の健康保持については細心の注意を払うことが重要と考えております。
時間外勤務縮減に向けた取り組みといたしましては、毎週水曜日を健康デー、金曜日を健康デープラスワンとして定時退庁、毎月第3月曜日を消灯デーとして午後8時の完全退庁を促すとともに、所属ごとの削減目標の設定、時間外勤務実績が3カ月続いて月45時間もしくは単月で100時間を超える職員の所属長に時間外勤務削減方針の提出を求め、時間外勤務の縮減と業務配分等に留意する体制をとっているところでございます。
なお、各所属におきましては、就業の終了時間に合わせて、所属職員全員が仕事の進捗状況や時間外勤務の必要性について報告を行う終礼に取り組んでいる所属もございます。
なお、これらの取り組みに加え、今後を見据えた取り組みとして、これまでの行政改革からの方向性の転換を図り、業務のあり方、改善として、RPA、ロボティック・プロセス・オートメーション、いわゆる定型作業をコンピューターが代行、代替する技術のことをいいますけれども、の導入やAI、人工知能等の活用も視野に入れ、時間外勤務の削減に向けて検討を行ってまいりたいと考えております。
また、時間外勤務の状況を速やかに把握し、より実効性のある削減策を行うに当たって、紙ベース管理からシステム管理に移行することも検討しているところでございます。
○議長(園田新一君) 当局の回答を求めます。
日岡教育長。
〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇君) 働き方改革のご質問のうち、教職員についてお答えします。
市立小・中学校の教職員の時間外労働時間は、個人が時間外労働申告書に入力し、月ごとに市教育委員会に提出することで管理しています。
今年度5月から1月までの1月の時間外労働の最長時間は、土日の部活動も含めてですが、176時間です。現在のところ、長時間労働を起因とする健康被害は幸い出ていませんが、校長を通じて指導していただいているところです。
教職員が健康で生き生きと働くことができ、子ども一人一人と向き合う時間を確保するためには、やはり働き方改革を意欲的に進めていく必要があります。そのために、今年度から始まったスクールサポートスタッフや部活動指導員の増員、校務支援システムの導入による業務軽減を図っているところです。
また、働き方改革委員会において現状把握と課題の洗い出しを行い、推進月間を設け、市教育委員会事務局と各学校が一丸となって、働き方改革の意識改革と業務改善を進めているところです。
○議長(園田新一君) 当局の回答を求めます。
深尾総合医療センター事務長。
〔総合医療センター事務長 深尾甚一郎君 登壇〕
◎総合医療センター事務長(深尾甚一郎君) 小西議員の働き方改革についてのご質問のうち、総合医療センター職員に関しましてお答えさせていただきます。
まず、職員の残業時間数の管理については、当センターではシステムにより本人が入力申告後、所属長の承認を得た上で月ごとに病院の総務課へ報告していただいているところです。
次に、時間外勤務で最も多い時間数につきましては、今年度1月までの10カ月間の総時間で申し上げますと、医師で738時間、医師以外で356時間、1カ月ごとでは医師で124時間、医師以外で78時間となっております。
これらの事由としましては、医師は緊急患者の対応業務、医師以外では決算事務や退院支援計画書の作成事務等であります。
特に、医師につきましては院長みずからが面談を行い精神状態のチェックも確認しておりますが、医師以外も含めまして、今のところ健康状態に問題のある職員はおりません。
最後に、時間外勤務縮減に向けた取り組みとしましては、労務管理上の限度としております時間数で、医師においては単月100時間、医師以外においては単月45時間を超える職員の所属長に、時間外勤務の縮減と業務配分の調整に留意するよう通知をしております。
また、今年度、院内の安全衛生委員会の中に医師及び看護師の負担軽減等改善検討部会を設置し、負担軽減策を取りまとめているところです。
他職種との業務連携や業務分担、特に医師につきましては、大きな負担となっている事務作業に関する業務を代行する医師事務作業補助者、いわゆるクラーク業務の見直しや複数主治医制の導入、ご家族への説明もなるべく勤務時間内で行うことなど、医師の負担が少しでも軽減されるよう具体策を検討しております。
今後も、長時間労働を見直すとともに働きやすい職場環境の改善に取り組んでまいりますので、議員各位や市民の皆様のご理解をお願いいたします。
以上、医療センターの関係の回答とさせていただきます。
○議長(園田新一君) 回答漏れはありませんか。
質問はありませんか。
小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございました。
本年度も調査いただいている状況、把握をさせていただいてるわけでございますけれども、教育長もお話をされたかもわかりませんが、情熱を持って職をしていらっしゃる方、健康状態、今までの部分では悪化は認められないということでございました。
しかし、これを見させていただいていると、例えばでありますが、総合政策部の文化観光課で、継続した時間数で60時間超を毎月勤められておられる方もお見えになります。教育委員会も学校教育課で同じような状況があります。
情熱を持って勤務をしていただくのはいいことやとは思いますけれども、それだけでは身体も潰れてしまうこともあろうかと思います。
特段、そういう現状を知っていただいていて、何か方法を指示されているのかどうか、ちょっとお知らせいただけないでしょうか。
○議長(園田新一君) 回答を求めます。
益田総務部長。
◎総務部長(益田卓弥君) 小西議員の再問にお答えをいたします。
議員ご指摘の時間外勤務が突出している職員の状況につきましては、基本的には所属長が命令をいたしますので、日々の時間外勤務命令によるところでございます。
月ごとの時間外勤務時間数の報告書により、総務課におきましても把握しているところでございます。
市長答弁にもございましたように、その対策といたしましては、所属部長を通じまして、時間外勤務実績が3カ月続いて月45時間もしくは単月で100時間を超える職員の所属長に、具体的な時間外勤務の削減方針の提出を求めまして、時間外勤務の縮減と業務配分等に留意する体制をとるよう求めているところでございます。
このことにつきましては、これまでも回答しておるところでございますが、議員ご指摘のとおり、基本的には所属長の業務の進捗管理、それから本当に働き方改革を含めた実行力が問われるというように考えております。
いずれにしましても、所属長、管理職員が意識改革をした中で、きちっと配下の職員の心身の健康状態、それから業務の遂行をどう考えるかということを今後も徹底してまいりたいというように考えております。
○議長(園田新一君) 日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) じゃあ、再問にお答えします。
例えばノー残業デーとか、あるいはノー部活動デーということで週に1回もしくは2回、学校によって3回という形で、従来からいろいろ策を練ってきてもらいました。
昨年度より、働き方改革推進委員会というのを立ち上げて、小学校部会、中学校部会に分かれてそれぞれその取り組みを実際にやっていただいているところです。
その中で、やっぱり意識改革というのが最も大切かなと思います。ここで話をしている私も、中学校の教員でしたので、部活動を頑張る、生徒指導を頑張る、終わって教科指導をする。それが僕らの仕事やというふうに先輩にも教えられたし、後輩にも教えてきました。やっぱりその風土が、特に中学校には顕著にあるように思います。
随分、昔とは取り組みが変わってきたことは確かですが、その流れをしっかり持って、小さいころから志を持って教員になられた方が子どものために自分の生活を犠牲にしてやっておられる姿もあります。先ほど176時間ということで、毎月約176に近い数字が出ています。女性です。頑張ってはります。校長先生も口を酸っぱくして健康のこと等々をお話をしていただいてやっていただいていますが、やっぱり意識改革というものが根本的に必要かなと思うのと、これは教員自身の意識改革と、保護者の方が何時に電話しても学校には誰かおられるという意識改革も必要かな、あるいは地域の方が学校は遅くまで頑張ってはんねやという、子どものためにという、その意識改革も必要かなと。
意識改革をすることによって、子どもに寄り添えない教師と言われるのも、先生方のいろんな思いもありますので、なかなか一日、二日等で解決する問題ではありません。
特に、ことし、私自身は自治会の代表の方々に、あるいは市P連の代表の方々に、今働き方改革に学校が取り組んでいるのは、子どもと寄り添う時間をしっかりとりたいと、本来学校というのは教科指導を中心に進めてきていたものの、時代の背景か、生徒指導が中心になったり、あるいはきょうは公立高校の入試ですが、進路指導についてもやっていかんならん。いろんなことがあって、今回の委員会でも何とか教育を学校に入れてほしいという声で、いろんな今までの教科以外の教育もどんどんどんどん上に入ってきました。
足し算ばかりで、先生方もそれなりにやっていただいていますが、実際にその教科の中に、例えばプログラミング教育というのが出てるんですが、あれを本当に教科の中に入れていただいたら教科書の中で調整できていったりできるんじゃないかなと。
新しい教育が入るということも一つの課題やと思いますが、要は私たち教員あるいは地域の皆様、市民の皆様、保護者の皆様の意識改革も大切だと考えております。また、ご支援よろしくお願いします。
○議長(園田新一君) 質問はありませんか。
小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございます。
昨年も、お話をしたかもわかりませんが、各地域の事例で、朝礼、夕礼というか終礼、これを5分ぐらいの間隔でやられて、意識を、本当に残業する必要があるのかないのかを見ていただく。先ほどもおっしゃいましたけど、所属長が認める残業ということですから、所属長が意識を改革して本当に必要な残業なのかどうなのかと、やっぱりしっかりと見きわめる必要があるという部分であります。
昨年も聞いたかもわかりませんが、総務部長にお伺いをします。
朝礼、終礼、これをやっておられる部署の把握というのはどうされていますか。
○議長(園田新一君) 回答を求めます。
益田総務部長。
◎総務部長(益田卓弥君) 小西議員の再問にお答えをいたします。
終礼、夕礼、終礼につきましてでございますが、小西議員からのご提案だったと思いますが、昨年3月に各職場において工夫して取り組むよう通知をしたところでございます。
その後、終礼についての取り組みを実施している所属といたしましては、現在把握しておりますのは、もちろん総務課、それから保健センター、水道事業所、教育委員会の事務局でも行われているというように聞いております。
○議長(園田新一君) 小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございます。
少しずつ所属長の方の意識が改革することによって、そういうことも時間外勤務が多くならないように管理をしていただいているという部分だと思います。
時間外をしてはいけないという部分ではなくて、きょうやるべきことはきょうやっていただいて、あすに回せることはあすに回していただく、やっぱりめり張りをつけていただくというのが必要ではないかなと思いますので、これはやっぱり健康上の問題からもそういう管理は必要やと思いますんで、引き続きご指示いただいて、超勤が続いている部署については所属長さんにしかるべく意見具申をしていただいて、過労死ラインにならないように気をつけていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、2つ目の質問でございます。教育行政について伺いたいと思います。
まず、学校給食について伺います。
平成31年4月から、金田小学校も学校給食センターからの配送になると伺っております。現在、学校施設の改修が行われているのかどうなのかも含めて、もし工事が進んでいるようであればその状況もお知らせをいただきたいと思います。
また、給食センターからの配送など課題とか問題がないのか、ちゃんと解決できているのか、お教えをいただきたいと思います。
また、幾度となく議会で質問をさせていただいております給食費の公会計化についてでございます。どの程度議論が進んでいるのか、お教えをいただきたいと思います。
続きまして、通学区域の弾力化について伺います。
大規模校である金田小学校については、今、近江八幡駅北口のマンションが建設をされているところでありまして、児童数の増加が見込まれていることから、これは前市長時代に島小学校へのバス通学を実施して、金田小学校が児童増にならないように対策を考えたらどうかというようなお話があったと思います。
市長がかわられて、金田小学校区対策についてどのような通学区域の弾力化議論が行われているのか、お教えをいただきたいと思います。
さらに、文部科学省は2月19日、公立小・中学校への児童・生徒の携帯電話、スマートフォンの持ち込みを原則禁止した通知を見直す検討を始めることを明らかにしたとの新聞記事を読みました。
スマートフォンやタブレット端末を用いて授業が広まりつつあるほか、登校中に災害が発生した際に児童・生徒と保護者の連絡手段として有用との意見もあり、実態に合わせたルールの緩和が必要だと判断したということでございます。
当時は、学習の阻害や犯罪に巻き込まれる危険性が懸念をされましたが、登校時間帯に大阪北部地震が2018年6月に発生したことなどを受け、連絡手段として持ち込みの容認を求める声が強まったとのことであります。
大阪府教育委員会は、本年4月から公立小・中学校への持ち込みを認める方針で、2月18日に使用や管理のルールを定めたガイドライン指針の素案を公表したとのことでございました。
本市においては、現在、どのようなルールが確立されているのか。各校長に任されているのか。教育委員会で統一ガイドライン、指針があるのか。また、今後の見直しを含めた議論は現在行われているのかどうか。そして、どこが責任を持って行っているのか、お教えをいただきたいと思います。
最後に、先日の総合教育会議で議論のございました、代表質問でもございました近江八幡市就学前教育・保育育成指針について、指針改正のポイント、基本的な考え方、またこれまでの就学前教育、保育の経過と課題についてお教えをいただきたいと思います。
さらには、現在、幼稚園は教育委員会、保育園は、保育所は幼児課が所管になっています。
総合教育会議の中で、今後の所管について教育委員が統合所管になるほうがいいという意見も発せられました。教育委員会として議論がされておられるのか、今後の所管がえの考え、あわせてお教えをいただきたいと思います。
以上、初問といたします。よろしくお願いいたします。
○議長(園田新一君) 当局の回答を求めます。
日岡教育長。
〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇君) 小西議員の児童・生徒の携帯電話、スマートフォンの持ち込みについての質問にお答えします。
携帯電話やスマートフォンの学校への持ち込みは、文部科学省及び県教育委員会からの通知に順じ、現在本市ではいずれの小・中学校も原則禁止しています。
しかし、家庭の事情ややむを得ない事情等のため、登下校時にどうしても必要な児童・生徒もいます。そういった場合は、本人、保護者から事情を聞き、校長の判断で持ち込みを許可していることもあります。その場合、登校したら担任や学年の教員などが携帯電話やスマートフォンを預かり、下校時に本人に返却しています。
本市の小・中学校では、携帯電話やスマートフォンを用いた授業は現在行っていません。携帯電話、スマートフォンの持ち込みを見直す議論も今のところ行っていませんが、今後は、災害時のことも含め、携帯電話やスマートフォンの持ち込みについて、本当に必要であるかどうかを国や県の動向を見ながら慎重に検討していきたいと考えております。
次に、就学前教育・保育育成指針に関する質問にお答えします。
本市の就学前教育、保育の経過といたしましては、現行の近江八幡市の就学前教育育成指針を策定しました平成19年には、公私立の幼稚園、保育所が主でしたが、現在では公立幼稚園、公私立の保育所、保育園、こども園、地域型保育事業所など、就学前の教育、保育施設は多種多様となっております。
しかし、どの子どもも本市の地域の小学校に就学することから、保護者の就労等によって通園する施設が異なっても、全ての子どもたちがひとしく良質な教育、保育を受けられるようにと本指針を改定しました。
このように、本市の就学前教育、保育を量と質で保障していくことが課題となっています。
基本的な考え方といたしましては、就学前の乳幼児期は生涯にわたる人格形成の基礎が培われる重要な時期であることから、この時期に生活や遊びの中で直接的、具体的な体験を通して人とかかわる力や思考力、感性や表現する力などを育み、社会の中で生きる力の基礎を獲得できるようにしていくことが重要です。
中でも、基本的な生活習慣を土台に、「心も体も元気な子ども」、主体的に物事にかかわり感じ考えていけるよう「夢中になって遊ぶ子ども」、そしてさまざまな人とのかかわりから「自分も友だちも大切にする子ども」、この3つを柱として捉え、目指す子どもとして、「自分らしく いきいきと輝き 友だちとつながり合える子」として掲げています。
また、この指針で大事にしていることが教育大綱の基本理念、「「子ども」が輝き「人」が学び合い ふるさとに愛着と誇りをもち 躍動する 元気なまち 近江八幡」につながるものと考えております。
また、改訂のポイントとしましては、1点目は、現行の指針が就学前教育育成指針であるのに対し、改訂版は就学前教育・保育育成指針とし、ゼロ歳から就学までのさまざまな施設の子どもたちを育成していくための共通した指針としたこと。
2点目は、先ほど申しましたとおり、市内の就学前教育、保育施設は多種多様となっておりますので、公私立のさまざまな施設の代表者などでそれぞれの視点を持って協議し、改訂したこと。
3点目は、「早寝・早起き・あさ・し・ど・う」運動の展開や人権を大切にした教育・保育の推進、ふるさと教育・保育の推進など、本市の特色を生かした就学前教育・保育を展開していくこと。
4点目は、平成30年度改訂の幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼・保連携型認定こども園教育・保育要領に即した教育・保育を推進していくこと。
以上をポイントとして改訂をしております。
先日、2月26日には、この指針を各施設において推進していただくため周知し、研修会の開催をいたしました。
次に、教育委員の意見に対する教育委員会内での議論と幼稚園と保育所の今後の所管の考え方について、ご質問にお答えします。
議員が傍聴されました総合教育会議は、教育委員あるいは市長さんが子どもたちのために自由闊達に意見を言う場と私は認識しております。このことから、教育委員さんにも所管の変更等々の意見もあったことは事実です。
また、これまでも教育委員会所管事業の点検評価等あるいは就学前教育、保育に関連したさまざまな協議において、幼稚園と保育園は教育委員会が所管してはどうかとの意見、提案が教育委員から出ており、就学前教育、保育のあり方を検討する上での課題の一つであると認識しております。
しかし、現時点で、この所管のあり方については教育委員会として議論を尽くしたものではありません。
小学校との滑らかな接続や、教育委員会が所管することにより子どもから高齢者までの一貫した教育施策の展開が可能となるといったメリットが考えられる一方で、文部科学省所管と厚生労働省所管といった国の所管が違うことによる問題、さらには本市の組織全体への影響等々の課題もあることから、あらゆるメリットとデメリットを整理し検討することが必要と考えます。
所管のあり方については、今後、就学前教育、保育の重要性を鑑み、何よりも子どもたちのことを一番に考える中で議論していくべきものと考えております。
○議長(園田新一君) 当局の回答を求めます。
小林教育部長。
〔教育部長 小林一代君 登壇〕
◎教育部長(小林一代君) 小西議員ご質問の平成31年度から金田小学校の給食を学校給食センターから配送することに関するご質問にお答えします。
金田小学校の改修につきましては、給食のコンテナを学校内に搬入するために必要な工事を進めているところです。また、来年度からは23カ所の校園へ8台の配送車で配送することになります。
金田小学校へは午前と午後にそれぞれ2回ずつ配送予定です。
学校敷地内の安全確保も含め、配送時間帯について、学校及び駐車場を利用している幼稚園と調整を進めております。
次に、給食費の公会計化についてですが、県内の他市町でも近年公会計化に移行されています。
引き続き、他市町の動向に注視をし、働き方改革推進の面からも、2020年度をめどに移行をしていきたいと考えております。
次に、通学区域の弾力化に関するご質問にお答えします。
教育委員会では、昨年6月、近江八幡市通学区域審議会に小学校、幼稚園の通学通園区域のあり方について諮問し、3回の審議会を経て11月27日付で答申をいただきました。
答申では、児童数の増加に伴う教室不足への対応を通学区域の見直しで解消することも選択肢の一つではあるが、本市における各学区の伝統的なまとまりやつながりといった学区意識を尊重し、通学区域を見直すことなく、できる限り教室の転用や仮設教室の建設等、当該学校内での対応が望ましいとの答申が出されました。
また、現在実施している通学区域の弾力化制度につきましては、選択肢をさらに拡大するため、大規模校から中規模校等への弾力化を全市的に進めることという附帯意見もいただきました。
このことから、2月に開催しました定例教育委員会において、通学区域の弾力化制度見直しについて協議を行い、議員ご指摘の金田小学校区の対策として、新たに八幡小学校及び桐原東小学校への通学を可能とする案について検討いただきました。
次回の3月教育委員会定例会において、通学区域の弾力化制度要綱の改正について審議いただく予定をしております。
教育委員会としましては、今後も保護者ニーズを踏まえた通学区域の弾力化制度の運用に努めてまいりたいと考えていますので、議員各位のご理解を賜りますようにお願いいたします。
○議長(園田新一君) 質問はありませんか。
小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございます。
まず、学校給食のことですけれども、金田小学校が現在工事中であって、4月から8台の車で2回通われると4回になるのかな、通われるということでございますんで、支障がないように注視していただいて、安全対策第一に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
続いて、今お話しいただきました通学区域の弾力化でございます。
いつもは、通学区域弾力化といいますと小さい学校から大きい学校には行けなくて、大きな学校から小さい学校へ行くだけが区域の弾力化やと言われていた部分が、今回、金田小学校も狭隘になると、1,000人規模学校になるという想定で、八幡小学校及び桐原東小学校に弾力ができるように大規模校から中規模校へ行けるということを議論いただいているということでございます。
3月の議論の中で最終的にまとめられるということでございますので、一部の保護者の方から私はお話を聞いて、この質問を今しているんですけれども、当初、前市長時代はバスで島小学校へ輸送するんやみたいな話が出ていたと。そういうふうになるんですよねという問い合わせだったので、その議論は今のところしていないですと、はっきりと市民の方に情報を、間違った情報を流すといかんので、きょうお聞きして、3月で結論がつけば地域の保護者の方に決まったことをお伝え願いたいと思いますので、広報とかそういうだけではなくて、学校長を通じてそういうことになるのか、教育長を通じてなるのかわかりませんが、正式な文書で通学区域の弾力化ということで流していただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
就学前教育・保育育成指針、これについてちょっと再問をさせていただきます。
公立幼稚園については、建物が老朽化をしていまして、公立幼稚園で建物を整備した場合の国、県の補助金の有無についてお教えをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(園田新一君) 回答を求めます。
青木子ども健康部長。
◎子ども健康部長(青木勝治君) 小西議員の再問にお答えいたします。
公立幼稚園を新築で整備する場合については、所管官庁でございます文部科学省初め国からの補助金はございません。
また、大規模や長寿命化の改修についても同様に、公立幼稚園の場合補助金はございません。
○議長(園田新一君) 小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございます。
公立幼稚園の中には、通園児が減少するということもあって、適正な集団規模の維持に苦慮されている課題もあるところもあると思うんです。
働いておられる方、また働こうとされているお母さん方の増加によって、現実問題として幼稚園より保育所やこども園のニーズが高いというふうに私は思うんですけれども、お母さん方の就労の有無にかかわらず、就学前から地域でともに子どもを育むために、教育長も先ほどおっしゃいましたが、認定こども園の整備が望ましいと本市は言っていると私は思っています。方向性が出ていると、そういうふうに思っています。
そこで、こども園において、公立と私立では、整備費用、人件費など市の財政負担の観点からどのような違いがあるのか、お教えをいただきたいと思います。
○議長(園田新一君) 回答を求めます。
青木子ども健康部長。
◎子ども健康部長(青木勝治君) 小西議員の再問にお答えいたします。
公立と私立の違いによりますこども園における整備費、それから人件費等の運営費、また保育料無償化に伴う費用負担のそれぞれの観点からお答えをさせていただきたいと思います。
まず、整備費についてでございますが、直近の計画として岡山認定こども園が民間で整備するという計画がございますんで例として用いて、その人数でご説明をさせてもらいたいと思います。
定員が長時部で80名、短時部で180名の合計260名を受け入れることになる場合のこども園の民設で設置する場合ということでございますが、保育所部分と、それから幼稚園部分、合わせまして補助基準額が5億2,877万円となりまして、そのうち歳入として2億9,931万円が国の補助金として確保できることになります。
したがいまして、市の歳出負担は9,726万円となりまして、残り1億3,219万円が民間事業者の負担ということでございます。
これに対しまして、公設で同規模のこども園を整備する場合につきましては5億2,877万円の全額が市の負担となりまして、イニシャルコストといたしまして、その差は4億3,150万円に上るということでございます。
次に、運営費につきましては、公定価格から国基準の保育料を除いた分が給付費の基準額となっておりまして、給付費の財源負担割合につきましては、国2分の1、県4分の1、市4分の1ということでございます。
民設の岡山認定こども園に対する国基準での給付費が1億4,176万円でございまして、その財源負担は、国が7,088万円、県が3,544万円、そして市も同じく3,544万円となります。
これに対しまして、同規模を公設で運営する場合、全額市の負担となります。
例示規模の1園当たりのランニングコストといたしましては、その差は年間で1億632万円ということになります。
最後に、幼児教育の無償化に伴う費用負担割合は、民間施設におきましては、国2分の1、県4分の1、市4分の1となりまして、公立施設におきましては全額、10分の10が市の負担となります。
岡山認定こども園を例といたしますと、民設の場合は全額で5,852万円となります。市の負担は4分の1の1,463万円となります。
公設で運営する場合につきましては、5,852万円の全額10分の10が市の負担になりまして、例示規模の1園当たりのランニングコストとしましては、その差は年間で4,389万円となります。
以上です。
○議長(園田新一君) 小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございました。
初問でお伺いをいたしました総合教育会議での教育委員の発言でございます。総合所管になったほうがいいという、そこは自由の発言の場やったというふうに教育長はおっしゃいましたが、教育委員のご意見を踏まえて、教育委員会としては、今後議論をしていくというお話でございました。
その中のお話でもあったかもわかりませんが、民間が悪いわけではないと、そういうような発言もありながら、公立幼稚園の存続や幼・保連携型の認定こども園を整備する場合は公立で整備すべきというようなお話もあったように思います。
公立であっても民間であっても地域でかかわっていくものですし、また親の考え方の尊重や多様な選択肢の確保の視点もあります。
初問の答弁を踏まえて、もう一度教育委員会としてどういう方向で考えていかれるのかというのをお答えいただけませんでしょうか。
○議長(園田新一君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) 再問にお答えしたいと思います。
今後の就学前教育のあり方について、教育委員会の考え方でございますが、平成19年度に、福祉と教育といった縦割り行政にとらわれることなく、将来を担う子どもたちの教育、保育施策を一体的、総合的に展開するため、当時教育委員会が所管していた幼稚園部門を市長部局で担うこととした経過があります。
初問でもお答えしましたとおり、所管に関しましては、今後就学前教育、保育の重要性を鑑み、子どもたちのことを中心に据えて慎重に議論してまいりたいと考えております。
また、公立幼稚園の存続やこども園の整備に関しましても、教育委員会としては十分に議論が尽くし切れておりませんので、今後、就学前教育に関しましては組織、施設、運営をそれぞれ1つずつ考えるのではなく、総合的に考え議論してまいりたいと考えております。
ただ、現時点で申し上げられることは、民間施設にいる子どもも、あるいは公立の施設にいる子どもも、全て大切な近江八幡市の子どもである、このことは変わりません。
したがいまして、運営主体が民間であれ公立であれ、本市の全ての子どもたちが、今般改訂いたしました就学前教育・保育育成指針に基づいて同じように教育・保育を受けることが最も大切なことであると考えておりますので、議員のご理解をよろしくお願いいたします。
○議長(園田新一君) 小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございました。
先日の代表質問にもこれはございました。障害をお持ちの子どもさんについては、民間園では受け入れてもらいにくい実態があるために、公立園で受け入れていただいているという現状があると。多様性を認めたインクルーシブの観点からは、公立であっても民間であっても、合理的配慮の提供や建物設備や人員配置、かかわりも含めた環境改善により、受け入れられるべきであると私は思います。
障害児の受け入れについて、公立園固有の使命でないように思うわけでありますが、教育委員会としてのお考えをお示しください。
○議長(園田新一君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) 再問にお答えします。
かつて民間の施設が、就学前教育の施設が障害をお持ちのお子さんが受けられないような、人的措置がなかったというようなことをお聞きしたことはあります。
ただ、議員がおっしゃるように、現在においてはインクルーシブ教育の考え方が教育、保育の現場でも定着しているのが現状です。障害のあるなしにかかわらず、公私立ともその合理的配慮、必要に応じて施設や人員の配置により受け入れ態勢の整備に努めていただいているところです。
ただ、医療的ケアを要する場合は、看護体制、整備の都合上、限定した施設で対応しておることも事実です。
今後も、市内の全ての就学前教育、保育施設のどこであっても、安心して入園、入所していただけるよう幼児課と連携しながら努めてまいりますのでご理解よろしくお願いいたします。
○議長(園田新一君) 小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございます。
障害をお持ちのお子さんだけでなくて、民間は民間なりに独自のすぐれた取り組みをされた実績を持っておられます。
例えばでございますけれども、独自にALTを配置されて生の英語を教えられている認定こども園もございます。これは公立ではまだやっておりません。認定こども園の中で。そういうような園の取り組みもあります。障害だけと違うてね。
だから、民間は民間で独自でやっぱりすぐれたところをとってはるところもあるので、そういう部分を含める、そしてまた就学前は小学校と違って4月入園以外に年度途中でも入園希望もあると思います。それに応えるためには、定員の空き状況もさることながら、途中からの職員確保が大変であると先日部長がお話しになったかもわかりませんが、特に民間に比べて公立は難しいというお話でございました。
フレキシブルな対応を求められている保護者ニーズに応えていくために、そういうような実態もありますので、その点も踏まえて総合的に、時代や保護者のニーズに合ったあり方について総合教育会議でもう一度お話し合いをしていただきたいと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
○議長(園田新一君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) お答えします。
総合教育会議でしっかりと確認し合うことも大切なんですが、まず教育委員会のそれぞれの教育委員さんの考え方を整理して、定例会でしっかりと教育委員会の意思の確認をして、それから総合教育会議でやっぱり話すべきやと思いますので、何ぼ自由闊達な意見といっても、やっぱり組織に働く者として子どもたちのことを一番に考えて、保護者やら子どもたちが慌てないように、八幡の就学前教育がすばらしいと言われるような形を、多分ここにおられる全ての方は思っておられると思いますので、まず教育委員会としてその考え方を一つにしていきたいと思っております。
○議長(園田新一君) 小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございます。
先日の教育会議の中でも、市長は、委員の方から意見を言われはって、小学校区に全て公立がなかったらだめじゃないかというような意見が出たと思います。
そこで、市長は、今現在考えておられるのは中学校区に公立園を残すというふうなお話をされたと思うんですけども、教育委員会としては話をまとめてくるということでございますが、今現在で市長が思っておられるのはどういう考えか、もう一度お話をいただきたいと思います。
○議長(園田新一君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 私自身としまして、幾つかの観点があると思います。
1つは、これまで議論になっています財政的な観点、それからより重要なのは子どもたちによっての選択肢という観点、それから当然一つの、民間といいましてもどうなるかというのは民間の事業所それぞれ特徴がありますんで、やはりどうしても民間だけでニーズが捉え切れない部分の公の役割というのも一定あろうかと思います。
また、その中で、インクルーシブということで民間のこども園さんも障害にかかわらずいろいろ受け入れていただくという前提ではありますけれども、やはり何らかの事情によって受け入れることができないお子さんがおられた場合の受け皿というものは当然必要だと考えます。
主に言うとこれら4つですね、これらの視点をどういうふうにバランスよく配合していくかという中で考えていくのがベストかなと私は今のところ考えております。
○議長(園田新一君) 小西励君。
◆9番(小西励君) ありがとうございました。
就学前教育の基本的な考え方という項目の中で、「自分らしく いきいきと輝き 友だちとつながり合える子どもの育成」というふうなことが書かれております。
しっかりと目標を達成いただくようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(園田新一君) 以上で小西励君の個人質問を終わります。
以上をもって本日の日程は全て終了いたしました。
明7日は定刻から再開し、個人質問の6番目、橋博君から続行することといたします。
本日はこれをもって散会いたします。
ご苦労さまでした。
午後3時52分 散会