令和元年第1回(6月)近江八幡市議会定例会
6月26日(水) 個人質問
竹尾 耕児 議員
(1)八幡町第一共同浴場について
①事業の評価について
(2)差別書き込み、ヘイト書き込みについて
①本市の現状と取り組みについて
(3)学校内の車イスの階段の昇降について
①階段昇降の対応について
②エレベーターの設置状況について
◆10番(竹尾耕児君) 皆様こんにちは。チームはちまんの竹尾耕児です。市民の皆様の温かなご支援、ご声援を受けまして、私、2期目の議席を預からさせていただくことができました。市民の皆様の負託に応え、声なき声に耳を傾け、一隅を照らす光となれるよう、熱と光をもって議員活動に邁進してまいりたいと思います。
私、本日、分割方式で3点にわたりまして質問をさせていただきます。
まず1点目、八幡町第一共同浴場の管理運営について質問をさせていただきます。
私、この八幡町第一共同浴場につきましては、平成29年度の6月議会におきまして、当時の施設についての評価及び今後維持という方針を確認させていただきました。この評価につきましては、公衆衛生の確保でありますとか、市民の憩いの場になっている、また健康寿命増進のための効果、役割を果たしていると。さらには、防災機能としてのポテンシャルもあるのではないかというような議論をさせていただきました。こうした評価全てが高次元で維持できるものではないかもしれませんが、今なお4万人に上る年間の利用者数、また週6日のこの稼働率、市役所よりも多く開いているというこの稼働率なんですけれども、そうした点についてしっかりと評価いただけました。
現小西市政下での事業の評価をまず初問をもってお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
小西市長。
〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 竹尾議員ご質問の八幡町第一共同浴場についてのご質問にお答えを申し上げたいと思います。
当施設につきましては、地元自治会を指定管理者として、通称いこいの湯の名称で親しまれており、市民の健康増進及び公衆衛生の向上を図っているところは議員ご指摘のとおりでございます。
平成30年度の利用実績といたしましては、年間延べ3万7,335人のご利用をいただいておりますが、利用者の高齢化等により年々減少傾向にはございます。利用される市民の日々の暮らしに直結した施設であることから、公衆衛生の向上、市民の健康増進のみならず、憩いの場、情報交換の場、さらに高齢者の集える場所として、独居高齢者の安否確認の拠点となるなど、市民生活に寄与しており、その存在は欠かせないものとして評価しております。
また、市内で唯一となりました、いわゆる銭湯という、昭和レトロというような貴重な施設でもあります。新たな近江八幡市を訪れる方にもこの浴場について訪れていただくような可能性もあるのではないかと考えておりますし、昨今におきましては高齢化が進む中で、自宅にお風呂があったとしても、なかなか風呂を洗ったりすることができなくて、風呂に入るのが難しい方もふえておると理解しております。そういう意味でも、この浴場の新たな時代における意義というものはあろうかと思いますので、今後とも可能な限り維持管理をしてまいりたいというように考えておるところでございます。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 市長、ご答弁いただき、ありがとうございます。
やはり銭湯の文化というものが全国見ましても年々少なくなってきているようでございます。そこで、改めてしっかりとこの第一共同浴場につきましての施設の評価をいただけたということにまずもって感謝申し上げたいと思います。
ここからは少し突っ込んだ運営についての質問を再問の中でさせていただきたいと、このように思っております。
こちらの浴場ですが、この運営についてこの3年間の間に2段階の値上げを行いました。入浴料にして25%の値上げを行っております。この値上げの背景には、浴場の運営費の捻出の困難さが見受けられます。市から指定管理料をいただいておるなんですけれども、この浴場を1年間維持するのに安定的に運営を図るのにおよそ1,000万円の予算が必要となってきます。このうちの指定管理料はわずか15%、年にすると150万円程度を指定管理料としていただいておる施設なんでございますが、この運営費の捻出というものが、指定管理料が15%というのがそもそも他の指定管理料を受けておる施設に比べると非常に低い投入率となっております。ですので、他に係る予算につきましては、指定管理者が経営努力をし続けなければいけないという状況にあります。
さらに問題がもう一つありまして、経営が順調な場合ですとどのようになるかというと、当然のように黒字の部分というのが出てきます。しかし、今度この黒字が出てくると、指定管理料削減の理由に今度はなってしまうというわけです。損益を出してしまうと、安定的な運営というものはできません。実際に昨年度はお風呂を閉めた週、月というものも実際にはございました。これ非常に難しいところなんですが、収益も出せない。かといって、損益を出すと運営が滞ってしまうという、経営と運営のジレンマに陥っているように見受けられます。
特に、近年直撃いたしました燃料費の高騰による運営経費の悪化は、これは指定管理者の経営努力をもう超越したものであるというふうに認識をしております。
当局といたしまして、近年の運営費の悪化について、その原因をどのように分析しておられるのか、お尋ねします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の再問にお答えをいたします。
要因としては、やはり議員おっしゃっていただいたような点が大いに関係してるかなと思っています。1点は、利用者数の減少に伴う利用料金の1つは収入減、これが1点でございます。それと、大きなのが、運営費の多くを占めます燃料費の高騰ですね、これは想定をはるかに上回った形で高騰しましたので、この辺大きく影響しているものと分析しております。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 田村部長、ありがとうございます。
入浴者数の減につきましては、入浴料の値上げ等々での対応をされたと。ただし、入浴料の値上げが、それを理由にまた入浴者の減少につながらないような経営努力というものがさらに進まなくてはなりませんが、私、この指定管につきまして、収支については原則指定管理者の運営努力に依拠するものという考えではいております。しかし、初問の答弁にありましたように、必要性、可能な限り維持をしていきたいという方針、評価をいただけるのであれば、やはり運営についての財政上の側面的な支援は検討していただかなくてはいけないのかなと、このように思います。
特に現状を申しますと、赤字が計上された場合、昨年、一昨年と赤字が計上されましたが、赤字が計上された場合には、指定管理者の予算で対応するということになっております。指定管理者はどこか。第15区自治会であります。自治会の予算とは何か。それはすなわち自治会費なのであります。自治会費とは何か。これは町民の財産です。町民の財産でもって市の公共施設のサービスの赤字を補填しなければならないというこの状況を放っておくわけにはいかないと私は考えております。
これ燃料費の高騰、上下水道あるいは電気料金の値上げ等々に対応するような運営上経費のリスクが発生した場合、現状のように自治会費による補填を認め続けられていくのか。あるいは、何らかの支援やリスク軽減策があるのか、お尋ね申し上げます。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の再問にお答えいたします。
確かに今の物価の変動に対するリスクというのはかなり大きゅうございます。こういったところを指定管理者さんのいわゆる資金の中からやりくりしていただくというのは、これは指定管理者制度のあり方自体とは少し合わない部分があろうかなというふうに思っております。当然指定管理者さんのその責任では経費リスクを回避できないものにつきましては、リスク分担の中で市と指定管理者さんの間できちっとそこのリスク分担の見直しというのはしていく必要があろうかなというふうに思っております。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
さまざまなリスクが今後も発生する可能性があります。市として、指定管、やはり契約を結んでいることかと思います。この契約の段階でどのような議論をされるのかということを私自身も注視していかなければならないのですが、私この質問では、単純に指定管の値上げを求めているということだけではなく、適正な指定管理料のあり方を求めているつもりでございます。この3年の間に2段階という値上げも十分なこれ経営努力として評価していただきたいと思います。
適正な運営、安定した運営というものは、すなわち市民サービスの向上につながるものと考えます。これからの安定的な運営を図るため、支援のあり方、どのような議論をされていくのか、お尋ね申し上げます。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の再問にお答えいたします。
ご指摘のように、指定管理者である地元自治会さんが資金のやりくり、費用の支払いに苦慮されているというのは、これも先ほど申し上げましたように事実でございます。また、利用料の引き上げについても経営努力をいただいた、これも十分承知をしているところでございます。
これらを踏まえまして、先ほど申し上げましたように、やはりリスク分担の見直しというのがまず必要になってこようかなと思っておりますので、適正に運営できるような対応につきまして今後も協議を進めてまいりたいと思っております。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
初問の答弁でもいただきましたけれども、公衆衛生という観点だけでなく、公衆浴場というものはいわゆる銭湯という日本独自の文化面あるいは防災面でありますとか、福祉面、健康面としてもそのニーズを確認することができます。市当局としても、お風呂に困っておられるお年寄りであるとか、例えば避難されてきた方々の入浴などをあずかることもできるのではないかと考えております。市当局として、さらにその認識や役割の幅を広げて、その位置づけをさらに高めて維持していただきたいと。何より県内唯一残った公共の公衆浴場であるということに対しても、ぜひぜひ市当局の皆様には誇りを持っていただきたいと、このように申し上げ、この質問は終わらさせていただきます。
次に、インターネット上における差別書き込み、ヘイト書き込みへの対応について質問させていただきます。
かつてトイレや教室に書かれた悪意に満ちた言葉の数々、すなわち差別落書きは、部落差別や女性差別、障害者差別や在日コリアンへの差別など、大きな社会問題として全国的に取り組みが進められてきました。
近江八幡市でも差別落書きについてはさまざまな取り組みがなされてこられました。取り組みの成果もありましてか、差別落書き事件自体はその件数が減少傾向にあります。また、皮肉なことですが、差別落書きへの取り組みが行政や、あるいは学校現場、市民の皆様にとって問題を深く考えるきっかけとなり、人権意識の高揚を図ってきたという側面もございました。
では、現在差別落書きはなくなったと言えるのでしょうか。答えは否であります。差別落書きはその舞台をインターネットへと移し、より悪質に、より陰湿に、そしてより広域に広がり、今なお存在し続けています。いわれなき偏見や侮辱的な言葉は、今個人のプライバシーまで侵害しようとしようとしております。
近江八幡市では現在、インターネット上に書かれている個人を含む近江八幡市の実態、差別やヘイトの書き込みの現状をお聞きしたいと思います。
重ねて、対応をどのようにとられているのか、お尋ね申し上げます。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
田村市民部長。
〔市民部長 田村裕一君 登壇〕
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員のインターネット上における差別書き込み、ヘイト書き込みへの対応についてのご質問にお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、インターネットが日常生活において欠かせない社会となった今日、匿名性を悪用したインターネット上における差別書き込みは後を絶ちません。部落差別を初めとするさまざまな差別を助長する悪質なウエブサイトや、差別とは関係なく個人を誹謗中傷するヘイト書き込み、これらヘイトとは、自分では主体的に変えることが困難な事柄に基づいて、個人または集団に対して攻撃、脅迫、侮辱する発言や言動のことを指しますが、こういったものも数多く存在しております。
これらは差別や偏見について正しい認識を持たず、人権に関して学習ができていない人たちが簡単に書き込みをしたり、興味本位に閲覧したりできることは大きな問題であると考えております。
この現状に対しまして、全国の自治体が悪質ウエブサイトなどの削除を求める要請活動を行っております。
本市におきましても、昨年12月28日に市内の被差別部落の集落内を写真撮影した上、地名を書き込むなど、部落差別を助長するウエブサイトの管理者に対してサイトの削除を求めるため、人権侵犯事件を取り扱う機関である大津地方法務局に削除要請を文書で行ったところでございます。
また、本市では現在、人権擁護委員による定期的な人権相談所の開設、あるいは市職員による差別事象などへの相談対応を随時実施しているところでございます。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) お取り組みありがとうございます。
私も、こうしたサイトを私は余り見ないようにしているんですけれども、とある方に教えていただき、目にさせていただきましたところ、とてつもない偏見あるいは誹謗中傷、侮辱的な言葉がるる書かれてありました。また、それをあおるような書き込みがなされていたということも事実です。誤解を恐れず申しますと、私の住まいます町もその対象になっているという、非常に悔しい現実がございました。
こうした、今削除要請等の取り組みを行っていただけているということなんですけれども、こうした削除要請への取り組みというものは、当人、ご本人からの申し出や通告があってからの対応になるのか、あるいは市当局内でも監視の目があるのかどうか、お尋ね申し上げます。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の再問にお答えいたします。
初問でもお答えいたしましたが、1点は、本市の現在法務大臣による委嘱を受けられた人権擁護委員による定期的な人権相談所の開設、職員による差別事象などへの相談対応、これは随時行っているというところでございます。人権擁護委員さんは市内の各学区におられまして、市広報紙でもお名前をお知らせをさせていただいております。人権相談の開設時だけではなく、日常においても市民より人権侵害を受けたという申し出や相談があった場合には、法務局への報告とともに、調査などの対応を行うと、こういうことでございます。
本市に相談があった場合、本市作成の差別事象への対応マニュアルというのがございますので、こちらに則して速やかな対応をとることになってございます。一定、それぞれにつきましては、対応につきましては当然お申し出をいただくということによってこちらが知り得るという状態になりますので、そういった部分が重きにはなってございます。ただ、今の県の人権センター等におきましても、ネットを検索を常にされているとかということで、情報収集にも努めていらっしゃいますので、例えば滋賀県人権センターであったりとか、滋賀県であったりとか、法務局などの関係機関、団体との連携を密にすることで、インターネット上での本市にかかわる例えば差別書き込みとか、こういった情報をいち早くつかむようなこともできるのではないかなと思っておりますので、こういった連携を密にとってまいりたいなというふうに思っております。
いずれにしましても、市民の相談があった場合には適切な対応と支援を行って、サイトなどの削除要請につなげてまいりたいというふうに思っております。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
もう少しお尋ねしますが、差別落書き、いわゆるトイレや教室に書かれた差別落書きの時代であれば、まず発見がある。そしてから、関係機関への報告と連携があって、場合によっては確認会や学習会などがされて、そこで職員でありますとか学校の教職員あるいは市民の皆さんの人権意識の高揚を図るというような一連の行動がされて、そして市としての見解と方針と方向性をしっかりと出されて報告をされておられたと。これ差別書き込みと差別落書きでは対応が異なるのではないかという認識を私はしておりますが、書き込みの場合の対応と差別落書きのころの対応と違いがあれば、教えてください。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の再問にお答えをいたします。
公共の場などへの差別落書きの事案につきましては、一定発生後に一旦現場の保存を行いまして、写真撮影などの記録を行った後に、最終的には落書きを消去するということになりますので、その消去によってその落書きによる差別の拡散というのは一定防ぐことができるかなというふうに思っております。
これに対しまして、インターネット上における悪質なサイト、差別ヘイト書き込みというものにつきましては、インターネットの特有の匿名性、それから情報の拡散性から、なかなか作者の特定あるいは書き込みの完全な消去というのが難しいというふうになってございます。さきにもお答えしましたように、法務局に削除要請を行うなどの一定の手続が必要となりますし、また発見して即時に消去するということができませんので、こうした点が差別落書きとインターネット上の書き込みとの大きく異なる点かなというふうに思っております。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
インターネットにおける差別、特に悪質なものにつきましては、私も拝見させていただきましたけれども、公人あるいは市民さんかかわらず、個人が特定できるような書き込みまでされています。今まで差別落書きと申しますと、人権一般諸課題、部落問題でありますとか女性問題でありますとか、そうしたカテゴライズされた中の差別落書きが多かったんですけれども、今は個人に直接ダイレクトな侮蔑や侮辱した悪辣な言葉が並んでおります。
個人をおとしめるような個別の事案についても対応はしていただけるのでしょうか、お尋ね申し上げます。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の再問にお答えいたします。
当然これは個人につきましても、人権を侵害されたということであれば、相談にも乗らせていただきますし、また法務局等関係機関とも連携をとらせていただくと、こういうことになろうかと思います。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) もう一点お尋ねいたします。
今の削除要請、個人であっても受けて対応していただけるということでありますが、そうした削除要請をしていただけるというような市の取り組みそのものがなかなか市民さんには広がっていないのかなというふうにも思いますが、今後の啓発のあり方について当局としてどのようにお考えでしょうか。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 竹尾議員の再問にお答えいたします。
これらの対応につきましては、一定広く市民にもお知らせするという必要性もございますので、広報には努めてまいりたいと思いますし、いろんな滋賀県人権センターあるいは法務局との連携強化というのも非常に大事になってくるかなと。そこで情報共有をしていくというのも非常に大事になってくるかなというふうにも思ってございます。差別落書き、書き込み等につきましても、いち早く掌握いたしまして、対応できるように努めてまいりたいなというふうに思っております。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございました。
今、一連の市の対応、取り組みについて教えていただきましたが、私個人といたしましては、ちょっと納得できるものには今現状なっていないのではないかというふうに感じます。現行の対応というものは今までもなされてきた対応でありました。ところが、現状、差別書き込みの実態が今なお存在すると。すなわち市が掲げておられる現行の対応が差別の現状の実態に即した、いわゆるかみ合った対応にはなっていないのではないかというところにこの問題の出発点があるのかと思います。
私、何もこの議場でこの差別書き込みが解決するというふうには思っておりません。しかし、市当局として、やはり時代に応じた取り組みについてもう少し踏み込んだ回答をいただきたかったというのが本音でもあります。
特に日岡教育長はよくご存じかもしれませんが、SNS、ソーシャルネットワークサービスの中では、世界では子どもたちが傷つけ合い、傷つき合うというような事態が起きています。それがいじめの原因になったり、不登校の要因にもなったりしています。子どもたちに情報リテラシーをしっかりと教育していこうという流れがある中、まず私たち大人がこのインターネットについて、情報リテラシーについて範を示さなければ、子どもたちに幾らインターネットの悪質な書き込みがだめだよと言っても何ら説得力を持たないと、こういう実態にもつながってくるのではないかと思います。
確かに私も個人としていろいろ調べていく中で、インターネット関連の諸課題は法律も含めて全て後追いになってしまっているという現状があり、行政対応が非常に困難であるという事実も私は知っております。一方で、広がり続けるインターネット内での差別が私たち個人のすぐそばにまである。中には、この中にも当事者になっている方がおられるという危機感をぜひ市当局全体で持っていただきたい。そして、市民部だけでなく、広く啓発に当たっていただきたいという気持ちでいっぱいでございます。
中には、市独自にネットパトロールをお持ちな市町行政もございます。そして、中には警察と連携して、ヘイト書き込みを行った人物を特定して逮捕まで至ったという事例もございます。
市として、人権を守るというこのファイティングポーズが決して張りぼてではなく、芯の通った人権尊重の姿勢であるということを私は近江八幡市を信じております。なぜかといいますと、近江八幡市は先人たち、私たちの諸先輩が築き上げてきた県内最初の人権擁護宣言都市なのですから、私たちが必ず差別をなくすと、インターネットにおける差別を許さないというファイティングポーズをとり続けることは、これは市民一人一人ができる、私個人も戦い続けますが、できることだと思います。小西市長、田村部長、なかなかこのインターネットにおける差別というものの取り組みについては困難な時代でございますが、表現の自由を悪用させず、しっかりと取り組めるように、私も頑張ってまいりますので、ともにこれからも頑張っていきたいと思います。
この質問は以上で終わらさせていただきます。
本日最後に、学校内で車椅子を利用する児童・生徒の階段の昇降についてお尋ね申し上げます。
私の母校八幡小学校、4月に入学式がございまして、入学式に出席をさせていただきました。本当にかわいい新入生たちが入学されている中で、1人の児童と出会わさせていただきました。その児童は、SMA、脊髄性筋萎縮症という疾患をお持ちの子どもさんでございます。この疾患の影響でありまして、バギーで小学校に通学をしておられます。私、学校訪問をさせていただき、このかわいい後輩に出会わせていただきました。児童の授業の風景でありますとか、また休み時間の様子を参観させていただきました。また、ご無理を申し上げて、保護者の方にも時間をつくっていただいて、お父さん、お母さんにも直接お話を伺わさせていただきました。
結論から申しますと、保護者の方の小学校への信頼感、満足感はかなり高いものだというふうに感じました。特に担任の先生への信頼感を初め、管理職の先生方の支援のまなざしでありますとか、何より子どもたち同士の日常のかかわり方が非常に自然体で、仲がよく、授業の風景でも休み時間の風景でも元気に過ごされている姿が印象的でございました。
また、こうした風景は就学前教育、八幡幼稚園に在籍をしておられたお子さんなんですけれども、就学前教育の先生方、また保護者の方、お友達、そしてご本人の小さな小さな努力の積み重ねが今の関係性に大きく影響されているということも教えてくださいました。
私、失礼を承知で保護者の方に突っ込んだ質問をさせていただきました。なぜ地域の学校を選んでくださったのですかという質問です。保護者の方はすぐに回答をくださいまして、友達や先生たちとの集団のかかわりの中で、この子にはコミュニケーション能力をつけてほしいという思いがあったということをお伝えくださいました。そして、何よりも本人の強い意志、お友達と離れたくない、八幡小学校に行きたいという強い意志があったということも聞きました。当初は保護者の方、答申は養護学校という答申が出ていたのでありますが、地域の学校を選んでくださったということで、保護者の方、さまざまな不安を抱えての入学であったということでございますが、今はその不安も徐々に徐々に減っていき、かかわり方も学校に任せて、保護者のかかわりは徐々に減らしているということで、先生方や学校に対する安心感がしっかりと構築できていることをうかがわせるようなエピソードをお聞きしました。
そして、入学前に学校内の段差を全て教育委員会がチェックしてくださって、対応できるところは全てスロープ化していただいたということも感謝申し上げたいと思います。
こうしたバギーで元気に八幡小学校に通う子どもさんですが、一定不安がございます。それが今回質問させていただく階段の昇降についてでございます。
現在、当該児童は1年生のため、日常的には1階で過ごすことが多いのですが、2年生以降は教室が2階以上となってしまうため、階段の昇降が課題となります。SMA、脊髄性筋萎縮症は筋力について大きな課題を持つ疾患のため、強い衝動なども細心の注意を払わなければならないということをお聞きしております。
市教育委員会として、階段の昇降の対応についてどのような見解をお持ちなのか、初問で問いたいと思います。
重ねて、市内小・中学校のエレベーターの設置状況も確認させていただきたいと思います。
以上、初問といたします。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
日岡教育長。
〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇君) 竹尾議員の学校内の車椅子の階段の昇降についてのご質問についてお答えします。
当該車椅子の児童については、入学を決定された時点から、学校生活に支障が出ないよう、施設の整備について関係者により協議を重ね、校舎及び体育館各入り口のスロープ設置による段差解消、また車椅子対応洗面器の設置を行いました。
しかし、エレベーターが設置されていないため、車椅子での各階への移動が課題となりますが、エレベーターの設置は学校を使用しながらの工事となることから、日数も要し、また整備費用も多額となります。このことから、他校で使用していた車椅子用階段昇降車を点検整備し、活用することを考えております。車椅子用階段昇降車は、工事が不要で、全国の学校で実績があり、安全に各階への移動ができます。また、同症状の児童が県内他校で利用していることも確認しております。
なお、長期的な視点では、議員ご指摘のとおり、エレベーター設置は必要と考え、将来的には施設の長寿命化改修に合わせ、整備を考えております。
なお、市内小・中学校でエレベーターが設置されている学校は、島小学校、岡山小学校、金田小学校、桐原小学校、安土小学校、老蘇小学校、八幡中学校、安土中学校の合計8校です。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 教育長、ありがとうございました。
まず、階段昇降機で対応をさせていただきたいという旨の回答であったかと思いますが、市内8校がエレベーター設置で、残りの学校についてはまだ未整備という状況であろうかと思いますが、まずそのお子さんの持つ障害特性から、昇降機が本当に安全と言えるのかどうか、またその学習環境に影響はないのかどうか、お尋ねいたします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) 再問についてお答えします。
初問でもお答えしましたように、当該階段昇降車、もとは昇降機ともいうんですが、市内の卒業生で肢体不自由の子どもたちにも随分活躍してくれました。以前、八幡小学校にもおられましたし、八幡中学校にもおられ、あるいは岡山小学校にもおられたことを覚えています。現在も、八幡小学校だけじゃなくて、東中学校、西中学校にも同様に肢体不自由の子どもさんはおられます。
彼女と彼と症状の同じ子どもさんが県内で活用されているのは事実なんですが、議員おっしゃるように、子どもさんの不安とか、あるいは保護者の方の思いとか、いろんなこともこれから対応していかんならんと思うので、学校の形態、階段の形態によって、本当にあの踊り場できちんとターンできるのかとか、そこらも含めて詰めていかなければいけないとは思っておりますので、今後も慎重に対応していきたいと思っております。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
暫定的な対応としては、まさしくもう次年度から必要になってくるということでございますので、階段昇降機について暫定的な対応は早急にとっていただきたいと思います。
一方で、先ほど初問の答弁の中でエレベーターの必要性について言及があったかと思いますが、この長寿命化に合わせてエレベーターの整備を検討していきたいという旨の回答をいただきましたが、この長寿命化につきまして具体的に年次計画などは存在するのでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
小林教育部長。
◎教育部長(小林一代君) 長寿命化改修についてお答えをさせていただきます。
市の施設につきましては、近江八幡市個別施設計画というものがございまして、市のそれぞれの施設につきまして築年数であったりとか耐用年数であったりといったものが一覧に整理がされております。また、学校施設につきましても教育委員会で長寿命化の計画を持っております。
先ほどの長寿命化の改修と申しましたのは、これまで学校施設につきましては47年という耐用年数で、大体約50年ぐらいで改修という流れにあったんですけれども、多くの施設が30年を超える施設がほとんどになってまいりましたので、一度に全て建てかえるということは非常に厳しい状況ですので、長寿命化と申しますのは築20年で予防的な改修、予防保全改修というのを行う。40年目で長寿命化の改修を行う。また、もう20年たった60年目で予防保全の改修を行う。そして、80年間建物を使用できるように改修をしていこうといった流れになっております。ですので、市内の小学校、中学校の校舎と体育館、それぞれの建物について40年目に入りましたら長寿命化の改修を行うということで、個々の施設の年度で計画ができているものでございます。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 長寿命化の計画に移るまでがなかなか時間を要する非常に壮大な計画なのかなというふうにお見受けいたしました。
耐用年数、もちろん長寿命化というところは施設の耐用年数に沿ってそれぞれ計画がなされていくものと思いますが、実際八幡小学校の場合ですと、エレベーターの必要な子が今目の前にいるということ。さらに、今危機管理で進められておられますが、防災拠点としての整備も進んでいるという側面もございます。こうした耐用年数以外での課題等々、考慮していただけるのかどうか、お尋ね申し上げます。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
小西市長。
◎市長(小西理君) 議員お尋ねのように、ちょっと物理的に可能かどうか含めまして、非常に大事な問題だと思いますので、ちょっと検討してみたいと思います。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) ありがとうございます。
これ具体的に検討を進めていっていただきたいという思いがあります。このエレベーターですね、決して1人のための設備ではないと思います。けがをした児童でありますとか、これから後に続く車椅子の子どもたちへの教育の可能性を広げるためにも私は必要な設備と考えています。
市役所も、昭和48年ですか、市役所にもエレベーターがついています。駅にもエレベーターはついている。病院にもついています。ひまわり館にもついている。今整備されている各コミセンにもエレベーターはついています。もちろん新庁舎にもエレベーターはつくことになるだろうと私は思っております。今、公共施設には当たり前のようにエレベーターが整備されていってるという状況がございます。
私自身、恥ずかしながら、この保護者の方あるいはその児童さんに出会うまで気づかなかったことがあります。私自身も車椅子の子どものためのエレベーターは特別な設備だと私思ってました。そして、今回の質問で、特別な設備を市教委に要求するものだと思っていました。でも、これは大きな間違いなんです。
子どもたちが使う学校に今エレベーターがないという状況がございます。私は、法律上、ここにおられる多くの方もそうですが、法律上私たちは健常者であります。ふだんは私はなるべく階段を使うようにしておりますが、もちろんエレベーターに乗ることもある。私には階段を使う自由もエレベーターに乗るという選択肢が用意されている。ところが、今八幡小学校に通う児童には目の前にエレベーターがない。車椅子で上ることのできない階段を目の当たりにして、戸惑いや心配を覚えておられる保護者がおられる。なぜ小学校に通う車椅子の子どもには必需であるエレベーターがないのか、私には理解できません。健常な私たちのような大人が多く利用する施設にはエレベーターが普通に整備され、車椅子の子どもが毎日通う学校にはエレベーターがない。エレベーターは決して特別なものではないと思います。私がエレベーターを特別な設備だと思っていたのは、これは私の大きな間違い。それは何かと。私自身が車椅子の子どもを特別だと思っていたからなんですね。ですから、予算の措置であるとかなんだとかがこれ特別なものとして、これは県立高校でのエレベーター設置もかなり議論になりましたが、車椅子の子どもが使うエレベーターを特別にしているのは、私たちが持つ障害者への視線が特別なんです。これが今の障害者の感じる大きな課題になっているのではないでしょうか。
一般的に子どもの権利条約を読んでみましても、あるいは障害者の権利宣言を読んでみましても、障害者差別解消推進法を読んでみましても、どう考えても、障害をお持ちの方というのはごくごく当たり前に社会で生活する権利を有するわけです。私たちが使うエレベーターがあるのに、車椅子の子どもが使うエレベーターがないということが容認されるような法律も宣言も条約も条例もどこにも存在しないわけでございます。決してエレベーターの設置が特別でもぜいたくでもなく、当然の設備として道筋をしっかりとつけていただきたい。
もう一度教育長に問いますが、教育長、本音でお答えいただきたい。エレベーターが学校に不要な設備ですか、どのようにお考えか、お答えください。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
日岡教育長。
◎教育長(日岡昇君) 再問にお答えします。
今おっしゃった私たちの心の中に、障害者差別解消法が出たにもかかわらず、自分自身の壁をつくっていたということを今の発言で私も気づかされたような気がします。
ただ、エレベーターは必要やと思います。ただ、1つ言いたいのは、僕たちよりももっとその子どもの周りにおる子どもたちはすごい熱いものを持っていて、例えば、かつてある中学校で肢体不自由の子どもが入学してきたとき、その学校は1年生は3階、2年生は2階、3年生になったら1階という感じやったんですが、全校の子どもたちがその子のために、その該当学年、つまり1年のときは1階、2年になってもその学年は1階、3年になっても1階。だから、ほかの学年も同じような影響を受けるんですが、子どもたちは平気でその対応をしてくれました。だから、私たちが思っている以上に子どもたちというのは熱いものを持っています。
そのことも八幡小学校も考えておられるんですが、実際特別教室がどうしても、音楽教室が2階にあるのを1階におろすわけにはいかんという状況もあって、おっしゃることは大変よくわかりますので、前向きに検討していきたいなと思っております。
以上です。
○議長(北川誠次君) 竹尾耕児君。
◆10番(竹尾耕児君) 教育長、ありがとうございます。
市長からも先ほど設置について検討していきたいというような回答をいただきました。私は議員という立場もありまして、計画に沿った年次的なことですとか、あるいは予算の捻出でありますとか、そうしたところを私が直接抵触するわけにはまいりませんので、私は議員の立場として、早急に整備を求めている。しかし、教育委員会としては、長寿命化の中で整備を求めていくという、少し時間を置いて検討していきたいと、このような回答であったかと思いますが、しかし思いは一つであると、このように感じています。どの子も地域の学校を選んでくれたら、よく来てくれたねとやっぱり迎えたいというのが私たちの思いではないでしょうか。
前市政のときから、エアコンの設置でありますとか、トイレの改修でありますとか、あるいは校庭の芝生化など、全国にも先駆けて教育施設には投資をしてきた近江八幡市でございます。だからこそ、エレベーターの設置の実現も私たちの思いとして可能ではないかと、このように思っております。
最後にもう一度申しておきます。
私たちが当たり前のように使用しているエレベーターを今必要としている子どもがいるのです。その子どもは私たちが愛すべき近江八幡市の子どもなのです。このことをしっかりご認識いただいて、善処ある検討をしていただきたいと強く強く要求いたしまして、私の個人質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(北川誠次君) 以上で竹尾耕児君の個人質問を終わります。