録画中継

令和元年第3回(12月)近江八幡市議会定例会
12月11日(水) 個人質問
山元 聡子 議員
(1)日野川の改修工事関連および避難対策等について
   ①日野川改修工事の進捗状況と早期改修について
   ②防災・減災対策と安全な避難の確保について
(2)地域の支え合いの推進について
   ①一人暮らしの世帯等の実態について
   ②一人暮らし等の増加による課題・問題について
   ③一人暮らしで身寄りのない高齢者への対応について
   ④地域支え合い社会づくりに対応した市役所の組織体制の見直しについて
   ⑤地域で支え合う条例の検討について
◆5番(山元聡子君) 凛成会の山元聡子です。議長のお許しが出ましたので、発言通告に従いまして質問をさせていただきます。
 今回の質問は大きく2つございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは、10月12日に日本に上陸した台風19号により関東地方や東北地方におきまして亡くなられました皆様方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 それでは、大項目1つ目として、日野川改修工事関連及び避難対策等についての質問をさせていただきます。
 日野川改修の進捗状況と早期改修について。
 先般、桐原学区の篠原町自治会館において、私の市政報告会の前に、日野川改修工事について、県の東近江土木事務所の担当職員の方にお越しいただき、説明会が開催されました。
 本当に多くの地域住民の方が参加され、立錐の余地もないほどで、多くの質問や提案が出され、本当に有意義で熱気に包まれた説明会となりました。昨今の台風被害などで非常に関心が高くなっているものと思いました。
 2階建ての木造住宅が密集し、高齢化も進んでいる篠原地区一帯は、洪水ハザードマップにあるように、2階の軒先までの浸水が想定され、3階以上の建物に避難する必要がございます。
 毎年学区の自治会長等を経由して工事状況などについては情報提供が行われているということでございますが、今回直接住民の皆さんへ説明がなされたのは、篠原町では初めてのことだということです。
 市において、積極的にこうした場のハザードマップに示されている日野川流域の近隣の町などに直接的な情報提供の推進をしていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 既にさきの議員の質問の中でもお答えいただいているところではございますが、改めて日野川改修工事の河川整備計画の進捗状況について、当初の計画と遅延はないのか、また実施期間はいつかに焦点を当ててお答えをいただきたいと思います。
 また、今後の予定についても、実施期間を明確にしてお答えください。
 次に、日野川改修の説明会では、集中豪雨に伴う洪水や改修工事に伴う安全対策についてさまざまな不安の声が住民から寄せられました。
 まず、3点についてお尋ねをいたします。
 1、堤内に高く積まれた土砂や桐原橋脚付近に流れ着いた大きなブロックの撤去について。
 2点目、堤内を埋め尽くす竹林等の雑木の伐採について。
 3点目、日野川ダムの放流に伴う警報装置の設置について。
 早期の実施を望まれていましたが、いつになるのか、お答えをお願いいたします。
 次に、JR橋梁のかけかえ工事に伴う地域住民の安全対策、中でも工事のため従来の通学路が使えず迂回をすることとなる子どもたちの通学の安全の確保についてお答えをお願いいたします。
 2点目、防災・減災対策と安全な避難の確保について。
 日野川改修工事の説明会では、地域住民の方から次のような意見の提言がございました。
 例えば、自治会でボートを備えてはどうか、自治会館の屋上をつくり、避難所にしてはどうかなど、まさにみずからの地域のことはみずからで守っていこうとする地域住民の思いのあらわれではないかと思っております。
 また、地元では一時避難所の場所として、篠原駅の2階の自由通路の検討も進められているような状況でございます。
 今回の台風災害は、本市にとっても対岸の火事ではございません。最近の被害実態をつぶさに検証して、これからの本市の地域防災に生かしていかなければならないと思います。
 ハザードマップは生かされているのか、洪水予報は的確に伝達はできているのか、避難所はより実態に即した場所になっているのかなど多くの問題がございます。説明会では、現在の避難所では桐原橋を渡るというケースもあり、かえってこの行動が危険につながるのではないかという声もございました。とりわけ高齢化が進んでおり、一人で避難できない人も多い状況でございます。もちろんこうしたことは地域と一体となって避難対策の見直しを進めていく必要がございます。
 現在、DIG(災害想像ゲーム)や、HUG(避難所運営ゲーム)などを利用して地域住民とともに避難訓練等に取り組んでおられることと思います。こうした手法などを利用して地域住民と一体となった、より現実的な避難方法などの検証が必要だと思います。地域を対象としてこうした新しい手法を取り入れて、より具体的に避難について検証していくことについてどのように思われますか、お答えください。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
 田村市民部長。
             〔市民部長 田村裕一君 登壇〕
◎市民部長(田村裕一君) 山元議員ご質問の日野川早期改修及び避難対策等についてのうち、防災・減災対策と安全な避難の確保についてお答えいたします。
 市では、市民の防災意識の高揚や防災活動に積極的に参加しやすい環境づくりのために、地域のリーダーを対象とした普通救命講習を初め、自主防災組織リーダー養成講座等を開催するほか、自治会等への出前講座などを実施しております。
 また、平成28年1月に避難誘導マニュアル指針、避難所運営マニュアル指針を策定し、出前講座等において活用し、自治会の実情に即した避難誘導マニュアル、また避難所の規模などに即した避難所運営マニュアルの作成を推進してまいりました。
 本年3月に国での警戒レベルの新設及び避難勧告等に関するガイドラインの改正などにより、この2つのマニュアル指針の見直しを行っているところでございます。
 現在、庁内の関係所属から選任された地域防災計画に係る手順指針検討委員による指針の内容精査を行っているところであり、今後連合自治会などへ意見照会などの手続を経て、2つのマニュアル指針の改定を予定しているところでございます。
 マニュアル指針の改定を終えましたら、自治会や学区まちづくり協議会等への説明を行い、各自治会への避難誘導マニュアルや避難所ごとの避難所運営マニュアルの点検等をお願いする予定でございます。
 議員におかれましても、地域のマニュアル作成等の議論にご参加いただければ幸いに存じます。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
 栄畑都市整備部長。
             〔都市整備部長 栄畑隆夫君 登壇〕
◎都市整備部長(栄畑隆夫君) 山元議員ご質問の日野川改修の進捗状況と早期改修についてお答えいたします。
 日野川の河川改修事業の進捗状況につきましては、さきの議員のご質問に回答しましたとおり、事業区間は大畑橋付近から善光寺川合流点までの延長6.6キロメートルを平成22年7月より事業実施され、現在桐原橋の下流まで河川整備が進められており、桐原橋から上流においても堤外民地の買収を進めていただいております。
 特に、JR琵琶湖線の橋梁かけかえを実施するために、大規模特定河川事業に採択され、集中的に事業進捗を図るため予算確保されたところであります。
 また、日野川改修工事につきましては、適時連合自治会や関係自治会に対し、説明会を県において開催し、事業を進めていただいております。
 河川改修工事は継続して進められている関係で、自治会長さんへの工事説明と地域住民の方々への周知については、工事案内ビラ等で対応されている場合がありますが、自治会からのご要望や事業の節目において具体的な説明もしていただけると考えております。自治会からご要望がありましたら、県に働きかけて事業説明会等の開催を依頼してまいりたいと考えております。
 次に、実施時期についてのご質問にお答えいたします。
 JR橋梁のかけかえは、令和9年度までの予定であり、善光寺川から上流に向けては祖父川までの1.8キロメートルを整備実施区間として追加するために、現在滋賀県において河川整備計画の見直しをされており、早ければ令和6年から継続して事業に入っていけるよう準備を進めていただいております。
 市としましても、継続して工事進捗を図っていただけるよう、工事においては県に要望を行い、国においては予算確保のため期成同盟会を通じて要望活動を継続して行ってまいりたいと考えております。
 続きまして、河川改修に伴う安全対策についてのご質問にお答えをいたします。
 河川に高く積まれた土砂につきましては、掘削して削ったものが残っており、引き続き工事で撤去される予定となっております。
 桐原橋橋脚付近の大きなコンクリートブロックは、できるだけ早い時期に撤去を計画されており、また堤防にある雑木等は河川工事の予算とは別に、伐採等の対応を県で実施していただいておりますが、川の近辺にある雑木等については、流水が阻害される要因がなければ、今後の工事進捗により対応されると伺っております。
 最後に、日野川ダムの放流に伴う警報装置の設置については、佐久良川合流点までがダムの放流による水位上昇に直接影響することから設置されているものであります。これより下流域は、ダムからの放流がある場合、水防計画により自治体に対して通知をいただくことになっております。本市におきましても、ダムからの放流がある場合は、水防本部に通知があるため、避難行動に加味し、判断しているところですので、ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
 小林教育部長。
             〔教育部長 小林一代君 登壇〕
◎教育部長(小林一代君) 山元議員ご質問のうち、JR橋梁のつけかえ工事に伴う通学の安全確保についてお答えします。
 JR東海道本線橋梁付近の工事については、今年度から県において詳細設計が行われると聞いています。その詳細設計ができた後に、詳細設計をもとに工事の期間や施工法、通学路への影響などが東近江土木事務所から該当の自治会へ説明され、協議が行われることになります。
 その後、通学路の安全確保について、県の担当課や工事の関係者と自治会やPTA、また学校も含め検討することになります。
 現在、篠原町からは川沿いを通学路として登下校している児童は42名います。教育委員会としましては、学校と連携し、児童が一番安全な方法で登下校できるように支援してまいりたいと考えていますので、ご理解よろしくお願いいたします。
○議長(北川誠次君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。再問させていただきます。
 河川整備計画は平成22年から始まっているということですが、最終的な工事完了に向けての見通しを教えてください。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 栄畑都市整備部長。
◎都市整備部長(栄畑隆夫君) 再問にお答えをいたします。
 善光寺川合流点までは、県の河川整備計画におきまして、おおむね令和12年までの20年間の計画となっており、この計画に沿って進めていただいていると聞いております。
 また、河川整備計画の見直しが予定されているために、具体的な実施時期については今後検討される見込みであるというふうに聞いております。
○議長(北川誠次君) 質問ありませんか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 先ほど、子どもたちの通学の安全を第一にお考えいただくということでおっしゃっていただきましたが、もう一度確認させていただきます。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 小林教育部長。
◎教育部長(小林一代君) 再問にお答えいたします。
 子どもたちの安全というのを第一に考えるということでお答えをさせていただきました。保護者の方、また学校等と協力をいたしまして、教育委員会といたしましても、子どもたちの安全を第一に考えていきたいというふうに思っております。
○議長(北川誠次君) 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 JRのかけかえの工事で、令和3年から令和9年まで6年かかるということなんですけれども、その中でどういう形で子どもたちの通学の安全を守っていただけるのかというところで、もう一度ご意思を確認させていただいたんですけれども、特に篠原町の42名の子どもたちというのは、工事のかけかえで通れなくなるという期間があるとお聞きしておりますが、子どもたちの安全のため、ぜひ無理のない通学のために、私は仮設の橋、いわゆる仮設橋梁の設置を要望させていただきます。
 また、子どもたちが迂回するルートを選択するという状況も踏まえて、安養寺や篠原町の子どもたちの通学路の安全を第一として、自動車もようやく対向できるほどの幅員しかない、歩道の確保もできていない上野町地先のJRの踏切の幅員の増幅もあわせて要望をさせていただきたいと思います。
 続いて、昨今の異常な雨量や大型台風などの自然災害により、上流域の住民の方々や、洪水ハザードマップで浸水地域となっている日野川沿いの地域の住民の方々は、非常に不安な気持ちを抱え、日々の生活を送っていらっしゃいます。
 12月7日にも篠原町の班長役員会議で、先般の日野川改修工事で県の方が説明された内容の報告として、改めて説明をさせていただきました。
 私が説明を始めますと、本当に皆さんの空気が一変し、日野川改修工事について本当に静かに集中してお聞きいただいている状況を肌身で感じました。
 これから起こるかもしれない災害についての心配から、日野川改修工事の早期工事完了は地域住民の心からの願いです。ハザードマップの危険箇所とされている日野川流域近辺の地域住民の真剣な思いをご理解いただき、一日も早い改修工事の完了をしていただきますよう、工事の進捗を注視するとともに、市としてもおくれが出ないように、また前倒しに進められるところは工夫して進めていただけるよう、国や県に強く働きかけていただきたいと思います。
 とりわけ、今後の改修については、予算が多く伴うことになります。近隣の市町とともに一緒になって国、県に対して市長みずからが要望を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 山元議員の再問にお答えします。
 日野川の水防、また河川改修におかれましては、当市としても最大の課題の一つでございますので、近隣市町あわせまして、県を初め近畿地方整備局、そして国土交通省に毎年必ず、非常に強い形で要望を続けておるとこでございます。それもありまして、桐原のJR橋の対策事業についても緊急対策事業ということで取り上げていただくことができました。
 また、我々もこの活動を続けていただきますので、ぜひ地域の方からも、また市会議員の方からも大きな声を上げていただきまして参加いただくようよろしくお願いをいたします。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。JRのかけかえ橋梁の70億円という予算がつきましたことは、本当にありがたく思っております。ただ、かけかえ工事の令和9年までの工事が終わらないと、そこから上流の工事が進まないというところに関しては、やはりいつ災害が起こるかわからないという地域住民の方々の不安があることをご理解いただきまして、どうか引き続き上申を行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、避難対策についての再問をさせていただきます。
 昨今のさまざまな異常とも言える災害から、市の根幹となる地域防災の計画の見直しについては、どのようにお考えになっているか、お聞きいたします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 山元議員の再問にお答えいたします。
 地域防災計画に関しましては、毎年度検討を加え、必要があると認めるときはこれを修正すると定めております。現在、並行して見直しに着手しておりまして、今後市防災会議に諮り、改定してまいりたいと考えております。
○議長(北川誠次君) 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 先ほどのご質問をさせていただいたときに、避難誘導マニュアルの指針、また避難所運営マニュアル等の指針も見直しを進めていただいているということでございますので、ぜひ前向きに、強力に見直しをしていただきまして、検証も市民の皆様とともに行っていただきながら、また来年新しくできますハザードマップがしっかり、つくるだけでなく、利活用がされるようDIGやHUGなどのゲームを使って防災の意識づけや実際の避難訓練を定期的に行っていただけるよう、市としてもぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 そして、災害が起こりましたときには、地域のコミュニティー、助け合いが生かされるようよろしくお願い申し上げます。
 続きまして2点目、大項目の地域の支え合いの推進について質問をさせていただきます。
 核家族化や平均寿命の延伸、子ども世代の独立による世帯の分離などにより、単身高齢者世帯や高齢者夫婦のみの世帯が増加しております。
 一方で、ライフスタイルとして地域コミュニティーや周りの人とのかかわりを持たなくても暮らせることができるようになり、無縁の生活をされている方がふえているのではないかと思います。
 ところで、以前新聞で報道されていましたが、主に50代前後のひきこもりの子どもを80代前後の親が養っており、経済難から来る生活の困窮や当事者の社会的孤立、病気や介護といった問題によって親子共倒れになるといった悲しい出来事がございました。
 このいわゆる8050問題が引き金となり、中高年のひきこもり者の現状に対して内閣府が平成18年に初めて全国調査を行い、40歳から64歳のひきこもり者が推計61万3,000人いることを公表されました。15歳から39歳のひきこもり者が推計54万1,000人、15年調査です、あることを考えましても、いかに深刻な事態であるかと考えられます。
 また、最近では誰にもみとられずに死後発見されるという孤独死が社会問題の一つとなっております。市内でも、孤独死、無縁死があったということを聞いております。今後もますます社会から孤立をせざるを得ない高齢者世帯などがふえていくのではないかと思います。
 相談場所の充実や居場所づくりなどを進めるなど、無縁から生じる地域課題、問題を解決していくためには、市としての取り組みが今まで以上に必要になってくるのではないかと思います。
 ここで5点質問をさせていただきます。
 1、ひとり暮らし世帯等の実態について。
 最初に、単身者世帯を初め高齢者のみの夫婦世帯やひきこもり、8050世帯など、今後孤立死につながるおそれのある世帯の状況についてお尋ねをいたします。
 これまでどのように推移をしてきたのか、また今後どのように推移をしていくのか、お尋ねをいたします。
 2点目、ひとり暮らし等の増加による課題・問題について。
 高齢化が進展する中で、ひとり暮らしが増加していくことによって、どのような課題や問題が生じていくことになるのか、お伺いをいたします。
 また、現在生じている問題について、その件数や状況など、具体的にお答えください。
 3点目、ひとり暮らしで身寄りのない高齢者への対応について。
 厚生労働省は、2030年には約47万人が死に場所が見つからない死に場所難民になる可能性があると警告をしております。自宅を初め病院や介護施設で亡くなることができない時代が訪れるということです。
 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる超高齢化社会を象徴する2025年、あとわずか6年先のことですが、病院はもとより家でも安心して死ねない人が続出する事態、死に場所難民時代が到来すると予想されています。
 既に研究をされているとは思いますが、神奈川県横須賀市の取り組みを申し上げます。
 人生最期を穏やかに過ごしたいと考える方の中には、とりわけ一人で、頼れる方がおられない人にとって、ご自身の終活に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。こうした終活の問題を解消するために、2015年から市が地元の葬祭業者と連携して福祉事業を実施されておられます。
 ひとり暮らしで身寄りがなく、生活にゆとりがないご高齢者等の市民の方の葬儀、納骨、リビングウイルという課題について、あらかじめ解決を図り、生き生きとした人生を送っていただくことを目指したエンディングプランサポート事業というものです。
 まず、本市における取り組みの実態をお尋ねいたします。
 また、こうした事態について今後どのように取り組もうとされているのかもお尋ねをいたします。
 4点目、地域支え合い社会づくりに対応した市役所の組織体制の見直しについて。
 厚生労働省が推進している地域共生社会づくりですが、高齢者や障害を持つ人たちを地域で支え合うという考え方であり、現在福祉サービスでは対応できない高齢者や障害者に対しての身の回りの支援を地域住民が行っていくというのが主な方針となっております。
 私自身、地域社会が果たす役割は今後ますます重要になっていくと思っています。地域は家族、この理念に立って、私は日々議員活動を行っておりますが、地域での連携化をより促進していくためには、さまざまな行政分野をクロスオーバーして地域の支え合いや地域行政を推進する組織体制が必要ではないかと思いますが、どのように考えられますか。
 5点目、地域で支え合う条例の検討について。
 栃木市の事例ですが、地域支え合い活動推進条例が平成28年から施行されています。市や市民、自治会等の役割を明らかにするとともに、支援を必要とする方に係る個人情報の提供や取り扱う団体の遵守すべき事項を定め、支援を必要とする方を含め、誰もが安心して暮らせる地域づくりを進められておられます。
 本市において、市民自治基本条例に基づいて、より協働による地域社会を形成していくこととなっておりますが、より具体的に地域での支え合いを推進していくため、役割分担とともに緊急時における個人情報の取り扱いを円滑にするなど、新たに条例を整備し、これからの高齢化社会に備えていってはどうかと思いますが、どのようにお考えになられますでしょうか。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(北川誠次君) 質問の途中ですが、ここでお諮りします。
 この際、議事の都合により、会議規則第9条の規定に基づき、本日の会議時間を延長したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
             (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(北川誠次君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決しました。
 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 山元議員の地域の支え合いの推進についてのご質問のうち、ひとり暮らしの世帯数等の実態について、ひとり暮らし等の増加よる課題・問題について及びひとり暮らしで身寄りのない高齢者への対応についてお答えを申し上げます。
 まず初めに、ひとり暮らし世帯等の実態についてですが、2019年3月31日時点での65歳以上の高齢者単身世帯数は4,793世帯、高齢者のみ夫婦世帯数は4,151世帯となっております。ひきこもり、8050世帯については、実態をつかむことが困難であるため、実数は把握しておりませんが、ひきこもりについては、精神、発達、知的などの障害のある方で相談支援を受けておられる方は、2019年12月現在で30名おられます。
 これまでの推移では、高齢者単身世帯数や高齢者のみ夫婦世帯数が一般世帯数に占める割合は、高齢者人口の増加に比例し、2019年まで増加し続けております。
 今後の推移につきましては、人口減少に伴い、総人口に対する高齢者比率は高くなるものの、高齢者人口は当面の間約2万2,000人程度で推移することが見込まれます。しかし、高齢者人口のうち後期高齢者が占める割合は増加することなどから、高齢者単身世帯や高齢者のみ夫婦世帯が一般世帯数に占める割合は増加すると見込んでおります。
 次に、ひとり暮らし等の増加による課題・問題についてお答えを申し上げます。
 ひとり暮らしの方に全て当てはまることではありませんけれども、幾つかの課題や問題が考えられます。
 まず、家族や友人との交流、近所とのつき合いや困ったときに頼る人もないなど、日常的に人とのかかわり合いがないと社会から孤立しやすくなり、閉じこもりや生活意欲の低下、孤立死の心配が出てまいります。
 また、社会から孤立すると高齢者を狙った振り込め詐欺や消費者トラブルにも巻き込まれやすくなると考えられます。
 そのほかには、同居する家族がいないことで、認知症の症状が出てきても自分では気づかずに、さらに症状が進行してしまうことや、判断能力の低下などにより、必要な介護サービスにつながらない状況が生じることなどが考えられます。
 次に、ひとり暮らしで身寄りのない高齢者への対応についてでございますけれども、本市ではひとり暮らしの方だけでなく、高齢者が最期まで自分らしく暮らすためには、自身が望む医療や介護について元気なときから話し合うことが大切であるとの考えから、平成27年度から「今、考える私のエンディング」「やすらかな看取りのために」の2種類のパンフレットを作成し、市民への啓発時に配布をしております。
 また、市民の生涯学習の一環として、マナビィ通信により映画「エンディングノート」のDVDの貸し出しについて周知を行っているところでございます。
 さらに、高齢者が自分自身に対する医療やケアについて信頼できる人と前もって話し合う機会をふやしていただくために、毎年在宅療養に関する特集を市広報で啓発しております。
 残余の質問については、担当部よりお答えを申し上げます。
○議長(北川誠次君) 当局の回答を求めます。
 江南副市長。
             〔副市長 江南仁一郎君 登壇〕
◎副市長(江南仁一郎君) それでは、山元議員のご質問のうち、地域支え合い社会づくりに対応した市役所組織体制の見直しについてと、地域で支え合う条例の検討についてお答えをいたします。
 地域支え合い社会づくりに対応した組織体制の見直しにつきましては、福祉分野の横断的な課題検討と情報共有を目的に、庁内の福祉分野関係課で構成する福祉施策調整会議の開催や行政と市社会福祉協議会で地域福祉推進の取り組み状況の進捗管理や課題の共有と検討を目的とした地域福祉事務局会議などを定期的、また必要に応じ随時開催し、地域福祉計画の基本理念である「「お互いさま」の心でつながる参加と支えあいのまち近江八幡」を目指し、連携を密に取り組んでいるところであり、関係分野の連携はとれているというふうに考えております。
 また、地域で支え合う条例の検討については、地域の中での孤立を防ぎ、支え合い、助け合える関係を広げていくためには、誰もが人や地域とつながり、かかわり合うことが大切であると考えます。
 現在、地域での見守り支え合い活動や居場所づくりなどは、市社協を中心に学区や自治会単位で取り組みを進めていただいており、昨年度までに武佐学区では、さぽーとむさの輪が発足したほか、40自治会にて見守り支え合い活動の取り組みが実践されているところです。
 誰もが安心して暮らせる地域づくりに向けまして、地域福祉を推進する機関、団体、個人などがお互いに連携し、個人情報保護と地域福祉活動のバランスをとり進めておりますので、現在のところでは条例の制定をする必要はないと考えております。
○議長(北川誠次君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) 再問させていただきます。ありがとうございます。
 ひとり暮らし等の実態について、なかなかひきこもりの方々の人数を把握することは難しいということでしたが、今後の2025年、2040年を見据えたことを考えますと、やはりしっかり自治体としてもひとり暮らし等のこの実態を把握していくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 山元議員の再問にお答えをいたします。
 今後、少子・高齢社会となる中で、ひとり暮らしの方であるとか高齢者のみ世帯がふえるということは想定されているところでございます。それで、支援の方策等を考える上で、実態の把握は重要なことであるというふうに考えますので、ただ、実態把握というものは大変困難を伴うものでもあるというようなことから、関係機関、団体等と連携しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(北川誠次君) 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。ぜひ諦めないで推進をしていくこと、私も一緒に考えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 再問させていただきます。
 ひとり暮らし等の増加による課題・問題については、現状を真摯に受けとめて、やはり地域のコミュニティー、つながる力というものがどうしても今後必要になってくると思いますが、その件についてご所見をお伺いいたします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 山元議員の再問にお答えをいたします。
 現在、地域でのつながりの希薄化や家族関係の変化などが進む中、地域での見守りなどのネットワークを重層的に構築し、人と人との接点を持つことが必要であるというふうには考えます。
 このネットワークの形成につきましては、それぞれの地域の実情に合わせながら、多様な主体による役割分担とその仕組みを考えていく必要があると思いますので、また取り組んでいきたいというふうに思います。
○議長(北川誠次君) 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。再問させていただきます。
 横須賀市の先進的なエンディングプランサポート事業については、どのようにお考えになられますでしょうか。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 山元議員の再問にお答えをいたします。
 初問でもお答えをいたしましたが、本市でもいろんな取り組みを行っております。ご紹介いただきました事業につきましては、今後の参考ということにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。再問させていただきます。
 市の総合計画では、基本目標の一つに、一人一人が支え合い、心の通う地域社会づくりを上げられております。
 前に述べましたように、さまざまな悲しい終末を迎えられる方が多くなってきているように思います。こうした現状について、行政トップである市長はどのようにお考えになられますでしょうか、お教えください。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 山元議員の再問にお答えいたします。
 今後の人口動向や家族やコミュニティーの役割が変化する中で、地域から孤立した状態で人生の終末を迎える方に対する取り組みといたしましては、やはり家族や地域コミュニティーのきずなが弱まる中、社会との接点をつくり、日常的に家族や近隣との人間関係を築くことが重要であると考えております。
 そのためには、行政を初め関係機関、団体、民生児童委員やボランティアなどの協力連携による広範な担い手によって支え合うこと、また地域の実情に応じた協働の仕組みを構築していくことが必要であると考えております。
 実態を申しますと、それぞれ近江八幡市の場合におきましては、それぞれの自治会において状況というのはかなり異なっている、その難しさがあると思いますけれども、そういう中できめ細かな対応というのを我々としては考えてまいりたいというふうに考えております。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。再問させていただきます。
 市民一人一人の最期、その死に対して行政がどういう施策を講じるかは人間の尊厳そのものに対する自治体の哲学、基本姿勢を問うものだと思います。
 市長は、人間の尊厳あるいは尊厳死についてどのように考えられているのか、その上で改めて庁内体制の整備や条例の整備についてどのように考えられるのか、お尋ねをいたします。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 山元議員の再問にお答えします。
 2つ、議員の質問の中には要点があるかと思います。
 まず、尊厳死につきましてですけれども、尊厳死っていうのは医療現場含めまして非常に難しい問題を抱えております。いわゆる家族の方がずっと生きていてほしいと思う気持ち、そしてご本人の思い、これらを考えますと、先ほど部長が答えもいたしましたとおり、早い時期から終末について考え、そして家族、地域といろんな話を持ち合いながらビジョンを描いていくということが必要だというふうに思っております。
 それ以上に、こうすればいいというようなものは存在してないかなというふうに思います。そのあたりをしっかり我々個人一人一人が考えていくことが大事であると思います。
 もう一つ、庁内の体制でございますけれども、この問題っていうのは2040の問題含めまして非常に大きい我々が直面しなきゃいけない課題だと思います。特に言われております今の団塊の世代が後期高齢者に入ってくる、こういう中におきまして前広に手を打たなきゃいけないという部分だと思います。これから我々もまだ十分に知見がたまっとるわけじゃないですけれども、しっかりとそのあたりの研究しながら体制を整備していく必要があろうかと考えております。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。再問させていただきます。
 近江八幡市におきまして、ひとり暮らしの人などが安心して最期を迎えることができるようになるには、市長は何が必要で、どんなまちになることが望ましいと思われていますでしょうか。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 大変難しい質問だと思いますけれども、端的に申し上げますと、顔が見える関係というのをいかに地域でつくっていくかということですね、それが一番大事だと思います。隣にどういう方が住んでいるのか、そして周りの方がどういう状況であるのか、それがみんなで見守り合えるような社会にすることが一番近道であると考えております。
○議長(北川誠次君) 質問ありませんか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。再問させていただきます。
 前の前のご答弁で聞き──漏れたのかもしれませんが、もう一度再度質問させていただきます。
 市長は、この条例整備のことについてはどのようにお考えでしょうか。
○議長(北川誠次君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 条例整備につきましては、今部長から説明しましたとおり、いろんな組織が今当市にあります。非常にやはり地域の方に対していろんな組織をつくることによって負担が大きくなってるという問題が一方であります。もう一方で、実効のあるような施策というのを打っていかなきゃいけないということがあろうかと思います。そういう中で、具体的な施策、もしくはやらなければならないような行為ですね、そういうものができましたら、アイデアができましたら条例という形で制定していき、予算をつけるということになろうかと思います。議員からもそういうアイデアがありましたら、ぜひお寄せいただければと思います。
○議長(北川誠次君) 質問はありませんか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) 済みません。今条例の制定についてのお話、申しわけございません、もう一度お願いいたします。
○議長(北川誠次君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 再度お答えを申し上げます。
 条例を制定すべき必要な状況ですね、例えばこういうことをしなければならない、予算をつけてこういうことをしなければならないであるとか、こういう組織をつくり、こういう活動をしなければならないというものが具体的に想定されるようでしたら、条例をつくるということはやぶさかではございませんので、アイデア等ございましたら、ぜひ議員からもご提案いただいて、担当部と協議をいただければと思います。
○議長(北川誠次君) 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。理解できました。ありがとうございます。
 今、見守り助け合いと、社協とかいろんなとこで連携をとっていただいていることは、本当に近江八幡市はかなり進んでいると私は感じてはおりますが、ただただ2025年、2040年に向けては本当に待ったなしの状況が来ていると思います。
 条例の整備については、既に東京都渋谷区、中野区、足立区、横浜市など多くの自治体で地域での支え合いを進めていくために個人情報の保護の原則を守りつつも、個人情報の取り扱いを円滑化する条例が制定されています。
 このことは、私は2025年、2040年の問題を踏まえて、非常に重要な条例制定だと思っております。なぜかといいますと、やはりいろんな今助け合い、見守りの活動をされてはいると思いますが、個人情報の壁でもう一歩踏み込んだ助け合いがなかなか進まないのではないかと感じることが最近多うございます。そういった意味でも、条例を制定することによって今近江八幡市が一生懸命いろんな見守りや助け合いのさまざまな活動をしてくださっている後押しができる条例になるのではないかと私は思っております。
 ご予算等もありますので、当局におかれましては、現時点での必要性については感じておられないということですので、私のほうでまたこの件はもう少し見識を深めさせていただきまして、質問をさせていただきたいと思います。
 以上、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(北川誠次君) 以上で山元聡子君の個人質問を終わります。
 ここで原田総合政策部長より発言の申し出がありますので、これを許します。
 原田総合政策部長。
◎総合政策部長(原田智弘君) 申しわけありませんでした。
 先ほど冨士谷議員からご質問いただきました八幡学区防災拠点の整備のうち、排水貯留槽の件につきましてお答えをさせていただきます。
 コミセンにつきましては20名と、これにつきましては本部機能ということでございます。それから、小学校については1,486名を想定していると、合わせて1,506名を想定し、3日間ということで、コミセンでは2トン、それから小学校では135トン、合わせて137トンの容量の排水貯留槽を想定してるということでございます。
 1トンが1立米ということでございますので、137立米ということでございます。
 どうも申しわけございませんでした。
○議長(北川誠次君) 以上で個人質問の全てを終了しました。
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△日程第3 質疑
○議長(北川誠次君) 次に、日程第3、質疑に入ります。
 9日に提案された会第12号から会第13号及び請願第3号の3件について、10日午後5時に発言通告を締め切りましたが、通告がありませんでしたので質疑なしと認めます。
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△日程第4 委員会付託
○議長(北川誠次君) 次に、日程第4、委員会付託に入ります。
 本定例会に上程しました案件は、お手元に配付しました議案付託表のとおり、所管の各常任委員会に付託します。
 来る12月20日の再開日に審査報告が願えますようよろしくお願いします。
 なお、各常任委員会は、12日及び13日に予算常任委員会を、16日に総務常任委員会を、17日に教育厚生常任委員会を、18日に産業建設常任委員会を、それぞれ第3・4委員会室でいずれも午前9時半から開議されますので、ご留意願います。
 以上をもって本日の日程は全て終了いたしました。
 来る20日は定刻から本会議を再開することにいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 ご苦労さまでした。
               午後5時14分 散会
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