録画中継

令和3年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月8日(月) 一般質問
岩崎 和也 議員
(1)各種福祉施策について
   ①生活困窮者支援に関して
   ②障がい者施設整備計画について
   ③介護サービスの充実について
(2)防災・減災対策と河川防災カメラについて
   ①市内を流れる河川の改修計画について
   ②河川防災カメラの増設について
   ③まるごとまちごとハザードマップについて
(3)子ども達の個性を生かせる学校教育について
   ①授業内でのタブレットの活用方法について
   ②デジタル化の進行の中での教育のあり方について
(4)近江八幡市にふさわしい新庁舎の方向性について
   ①合併推進債の期限について
   ②基本計画案に関する市民説明会について
   ③現時点での基本設計について
◆2番(岩崎和也君) 皆さんこんにちは。公明党の岩崎和也でございます。
 それでは、議長の発言許可をいただきましたので、通告書に従い大きく4項目を質問させていただきます。小西市長をはじめ当局の皆様よろしくお願いいたします。
 全国民を対象としたワクチン接種は、主体となる各地方自治体に大変重要な任務が課されることとなりました。まずは、本市でも円滑なワクチン接種に向けて担当者が日々奮闘されておられますことに心から感謝を申し上げます。
 新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックから感じることは、私たち人類は大量生産、大量消費活動を繰り返し、自然環境を破壊するだけではなく、多くの動植物を絶滅に追い込むほど生態系を脅かしてきたことです。そして、このままでは地球環境を維持することができず、私たち人類に対して強く警鐘を鳴らしているように感じます。私たちはこのコロナ危機によって価値観や生活様式を抜本的に変革し、持続可能な社会の実現に向けて真剣に取り組んでいかなければなりません。
 去る12月定例会では、幼子を持つ一市民様より、気候非常事態宣言及び気候変動に対する取組を推進する請願が提出され、全員賛成で採択されました。
 公明党の代表質問でも取り上げられましたが、環境問題に対しては積極的かつ具体的な取組を早急に進めていただきますよう、まずもってお願いを申し上げます。
 それでは、大項目の1つ目、各種福祉施策について質問いたします。
 まずは、生活困窮者支援について。
 新型コロナの影響で社会的に弱い立場に置かれている非正規労働者の若者や女性、ひとり親家庭の方、また外国人の方々は、収入の大幅な減収により生活に困窮されておられます。事業者においても飲食や観光業を中心に、今もなお深刻な経営状況であることはご存じのとおりです。
 社会福祉協議会が窓口となっている緊急小口資金や総合支援資金の貸付けにより、一時的な援助はなされているところではありますが、本市において生活に困窮されている方を確実に把握するとともに、適切な支援をする必要があります。
 国は、貸付け以外にも国民健康保険料、介護保険料の減免や住宅確保給付金の支給に加え、住民税や固定資産税の減免措置など、対応をしているところですが、本市では新型コロナの影響で生活に困窮しておられる方々をどのような指標を通じて把握しておられますでしょうか。
 次に、障害者施設整備計画について。
 令和3年から5年までの3年間で各種障害者福祉計画が策定されます。
 私は昨年の3月定例会でも要望をさせていただきましたが、親亡き後に障害を持つ子が入所し、住み慣れた地で安心して暮らしていけるような施設を近江八幡市でも拡充をしていただきたいと強く念願をするところであります。
 本市でもグループホームの建設が予定されておりますが、市としても既存の障害者施設を力強く支援をするとともに、特に重度の障害を持たれる方については施設内で医療的なケアができる体制が必要であると考えます。今後の障害者施設整備の計画についてお伺いをいたします。
 次に、介護サービスの充実ですが、介護福祉に関わる人材の不足が従前から問題となっております。新型コロナは高齢者が感染すると重症化のリスクが高くなり、コロナ禍において市内の介護事業者様は細心の注意の下で事業の継続をしていただいております。心から感謝を申し上げます。
 介護施設でクラスターが発生した場合、特に特養のような入所施設であると一気に感染者が広がります。施設の職員が独力で乗り切ることは不可能であることから、他の施設との連携が重要になってきます。県が主導して職員派遣事業が始まったようですが、本市ではどういった状況でしょうか。
 2020年の介護事業者の倒産件数は過去最高を更新したとのことです。感染への不安から通所サービスや訪問介護の利用が落ち込んで経営が悪化したこと、離職する職員が増えたため事業の継続が難しくなっていることも一因と見られています。高齢者人口がほぼピークとなる2040年には、必要な介護サービスを受けられない介護難民が出るとの懸念も指摘されています。新型コロナが追い打ちをかけるような形で介護福祉分野がますます窮地に立たされているようにも感じます。
 本市でもこれまでから人材確保が課題となっておりますが、どういった対策を執られておられるのか、お聞かせください。
 以上、初問といたします。
○議長(片岡信博君) 当局の回答を求めます。
 久郷福祉保険部長。
〔福祉保険部長 久郷浩之君 登壇〕
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 岩崎議員の各種福祉施策についてのご質問にお答えします。
 最初に、生活困窮者支援について。
 新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少したことにより、お困りの方に対しましては、緊急小口資金や総合支援資金の生活資金の特例による貸付けが実施されており、当市におきましても市社会福祉協議会での受付件数が2月19日現在で、緊急小口資金貸付834件、総合支援資金貸付774件、総合支援資金の延長貸付436件となっています。
 今年1月の緊急事態宣言の発出により、再度の再貸付けが実施されることになり、県社会福祉協議会から再貸付けの対象となる715世帯に対して申請の案内が送付され、2月19日から受付が開始されています。
 申請受付には市の自立相談支援機関による支援が必要となることから、市福祉暮らし仕事相談室では、2月には97件の相談に対応、市社会福祉協議会でも相談対応をしているところです。
 また、収入の減少により家賃の支払いが困難となった場合には、その世帯の収入の状況に応じて、住宅確保給付金として原則3か月間家賃の支援を受けることができます。住宅確保給付金の延長は2回までとし、最大9か月間の家賃の支給を受けることができましたが、令和3年1月以降は3か月の再支給が可能となり、最大12か月まで支援を受けることができるようになり、現在も継続して支援を受けている世帯がございます。
 生活資金の貸付け以外にも、新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少の状況により、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料について、申請をいただくことにより保険料の減免を受けることができます。減免件数は、国民健康保険料は令和元年度分161件、令和2年度分203件、後期高齢者医療保険料は令和元年度分13件、令和2年度分15件、介護保険料は令和元年度分24件、令和2年度分25件となっています。
 市福祉暮らし仕事相談室では、収入減少による困窮の相談の際には、世帯の状況に応じて保険料などの減免の申請についても案内を行っているところです。
 議員お尋ねの生活に困窮しておられる方々の把握について、実態的に収入減少等により生活が困難となった場合には、速やかに相談支援機関につなぐことができるよう、民生委員児童委員の皆様にも貸付制度等の制度周知を実施し、身近な地域で生活にお困りの方が市や市社会福祉協議会の相談機関につながるようご支援をいただいております。また、市広報紙やホームページへの掲載により市民の皆様に情報提供を行っているところです。
 新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少でお困りの市民の方が必要な支援につながるよう、引き続き丁寧な相談対応を実施してまいります。
 次に、今後の障害者施設整備計画について。
 本市では市障害児者地域自立支援協議会の障害福祉施設整備検討プロジェクトチームにおいて、市内法人等の施設整備計画について情報共有し、把握に努めております。
 令和3年度においては生活介護事業所1か所と生活介護と短期入所の事業所1か所の計2か所、令和4年度には就労継続支援B型事業所を2か所、令和5年度にはグループホーム2棟を1か所、令和7年度にはグループホーム1棟を1か所と、それぞれ市内法人において整備計画があることを把握しております。
 また、令和5年度と令和7年度に計画されているグループホームにつきましては、本市では初めてになる重度の障害である強度行動障害の方を受け入れていただくグループホームの計画となっております。
 今後におきましても、障害福祉施設の充実に向け、関係する市内法人等の整備構想などの情報共有を行い、障害福祉施設整備検討プロジェクトチームにおいて、施設整備の具現化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、介護サービスの充実について。
 介護施設等において新型コロナウイルス感染症が発生した場合、職員が不足し、応援職員の派遣が必要になったり、あるいはサービス提供が困難となり、代替サービスの調整が必要となるなどの可能性があります。このような場合に、介護サービス提供を継続し、利用者の日常生活を支援し、施設間の応援体制を執れるように、滋賀県新型コロナウイルス感染症発生時の介護関連施設・事業所等の間の応援事業が構築されました。この事業は、県内の保健所管轄区域ごとに介護事業所や市町、保健所が連携し、感染者発生時の連携の在り方などについて協議を重ね、体制の構築に取り組みました。
 東近江保健所管轄区域では、介護サービス事業管理者向け説明会と研修会を開催し、1月末現在で応援派遣事業に17法人25施設48名、代替サービス提供事業に22法人49事業所が登録されており、そのうち本市では職員派遣事業に5法人7施設13名、代替サービス提供事業に4法人7事業所が登録いただいており、市としましても効果的な事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、介護人材につきまして。
 本市では、人材確保のための取組としまして、平成25年度から高齢者の介護・看護合同職場説明会を開催しており、令和2年度におきましても、関係機関と共催しながら、新たに滋賀県人材受入サポートセンターに参加いただくなど、雇用の創出に努めています。
 令和2年度はコロナ禍の影響で、会場での3密にならないように実施し、40名の参加をいただき、4名の方が採用となりました。
 また、令和2年度から介護人材の確保と定着を促進するため、介護職への再就職に必要な講習等の受講費用、市外から転入され、市内の介護事業所に就職された方への家賃、外国人の技能実習生の受入れ等に係る費用に対する補助事業を行っております。
 今年度においては、技能実習生の受入れ補助について2名分の補助金を交付することができました。また、コロナ禍の影響により離職された方が介護職場に新たに就職され、3か月以上勤務された場合に交付する介護・障害福祉施設等緊急雇用補助金を創設し、1名に補助金を交付することができました。
 今後も継続して介護人材の確保策に取り組み、安定した介護サービスを継続できるように、様々な方策を考えながら進めてまいりたいと考えています。
○議長(片岡信博君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 丁寧な回答ありがとうございました。
 生活困窮者対策について再問いたします。
 ただいまの回答から、コロナの影響で生活が不安定になられている方が私たちの見えないところで多くいらっしゃることが分かります。私たちはこの状況を決して見過ごしてはならないと思いますし、職員の皆様には引き続き、きめ細かな対応をしていただきたいとお願いいたします。
 さらには、コロナによる生活困窮以外にも、介護や障害者福祉、80歳の親が50歳の子の面倒を見るといった8050問題、最近では18歳未満の子どもが家族の世話や介護を行い、学業や進学に支障を来すヤングケアラーの問題など、課題は様々です。
 複雑化する住民の悩みに対して、国は制度別に分かれた支援サービスを一元的に応じることのできる、通称、断らない相談窓口の設置を進めています。私も、これからの複雑化した社会において大変に重要であると考えておりますが、本市の見解をお伺いいたします。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 岩崎議員の再問にお答えをいたします。
 断らない相談につきましては、高齢、障害、子どもなど、相談者の属性や世代を問わずに受け止めることができる相談窓口の設置を国は求めているところです。
 本市におきましても、平成22年2月に策定しました福祉トータルサポートセンター基本構想におきまして、市民にとって相談しやすい環境づくりと同時に、総合的な相談に対応できることが必要であるとして、福祉関係各課を集約し、福祉に関する相談とサービス調整が円滑にできる相談拠点の必要性を示したところでございます。
 構想の具現化といたしまして、平成23年からひまわり館に、どこに相談してよいのか分からない市民のため、福祉総合相談窓口を設置をいたしました。
 平成27年には、生活困窮者自立支援の取組が始まったことを契機に、ひまわり館にあった総合相談窓口を福祉事務所に移管、生活困窮者支援窓口と一本化した新たな総合相談窓口といたしまして、福祉暮らし仕事相談室を設置、どこに相談してよいのか分からない課題を抱える市民の相談を受け付け、市関係課や関係機関と連携し、相談支援に当たっているところでございます。
 今後も、子ども、高齢者、障害者等、全ての方々が地域、暮らし、生きがいを共に作り、高め合うことができる地域共生社会の実現に向けた取組を推進するため、相談に来られる方はもちろんのこと、課題を抱えつつも相談に来られない市民に対応することができる相談支援機能の充実に努めてまいりたいと考えております。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 断らない相談窓口が設置されることで、世代や分野で分けられず、地域住民からの様々な相談に一本化して応じることができるようになります。国からの補助金を活用しながら、市民に寄り添った相談体制が整えられるよう強く期待をいたします。
 次に、障害者施設整備計画について再問します。
 障害者施設を新規で設置していくためには、運営してくださる事業者様の資金面での負担を軽減する必要があり、行政としても施設の整備については一定の支援があることは承知しております。
 国や県からの補助金はどのようなものがあるのか、また本市はその補助金を十分活用できているのか、状況をお聞かせください。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 岩崎議員の再問にお答えをいたします。
 障害福祉施設の整備に関する国や県の補助金につきましては、民間心身障害児者社会福祉施設整備事業の国庫補助及び県費補助があり、国庫補助につきましては、事業種別と利用定員数に応じ補助基準額の3分の2を、県費補助につきましては補助基準額の3分の1をそれぞれ補助されています。
 また、本市におきましても、この補助金に上乗せする形で障害者福祉施設整備費補助金として、県と同額の補助を行っているところでございます。
 また、滋賀県重症心身障害者等施設整備事業費補助金というものがございまして、重症心身障害者等に対する受入れ可能な施設、設備、個室整備に関する補助金として、それぞれ基準額の範囲内で補助をされておられます。
 なお、民間心身障害児者社会福祉施設整備事業の補助金につきましては、毎年多くの法人が協議申請をされておられますが、全ての申請が採択される状況にはなく、計画どおりにはなかなか整備が進まない要因となっております。このため、施設整備を推進するためには国及び県の補助は必要不可欠であると考えることから、今後におきましても国や県に対しまして障害福祉施設整備に対する補助財源を十分に確保していただくよう強く要望してまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 国や県での補助金があり、市は県と同額の補助ということですが、法人からの要望に対し十分に応えられていない状況であれば、市独自ででも力強く支援する必要性があると考えます。ふるさと応援寄附金は全国から多くのご寄附をいただいており、有効活用が期待されます。障害者施設の整備に補助金の拡充をしていただきたいと思いますが、市長のお考えをお伺いいたします。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 本制度の利用に当たりましては、一番重要なのはやはり前広に様々な相談をしながら、計画の熟度を高めることによって国や県の採択を受けようと、これが一番大事なことだと思います。そういう意味において、それぞれの事業者が事業を計画される中での様々な課題があろうかと思います。そういう課題に的確に相談に乗りながら、計画を共に練り上げていくという中で、必要があれば検討していきたいと考えております。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 ふるさと応援金の使途に関しては、新年度も各種新規事業に充当されますが、今すぐにでも手を差し伸べなければならないところに支援をしていただき、市民が安心して住み続けられるよう、そういった視点からの活用をお願いしたいと思います。市長、よろしくお願いいたします。
 次に、介護サービスの拡充について再問します。
 まずは、県の介護関連施設事業者間の応援事業については、事業者と連携をして状況把握と必要なサポートをお願いをしたいと思います。
 また、介護分野での人材確保にはご苦労をされていることは十分に承知をしております。それに加え、先ほど岡山議員の質問の中でもありましたけれども、介護サービスの質の低下も懸念されているところです。家族が安心して任せることができるように良質なサービスが提供されることも望まれています。
 本市では、介護事業の質を高めるような取組としてどのようなことがあるでしょうか、質問させていただきます。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 岩崎議員の再問にお答えをいたします。
 本市では、看護師、介護職員を対象といたしまして、介護人材の質の向上のための取組といたしまして平成27年度からスキルアップ研修を行っているところでございます。毎年、参加者からのアンケートにより研修内容を検討し、多くの方が参加でき、効果的な内容となるよう工夫をしているところでもございます。
 令和2年度は感染管理認定看護師を講師に迎え、感染対策についてというテーマで、感染症対策の基本や予防策、新型コロナウイルスについての知識など、現場での新型コロナ感染防止対策に生かせる内容として開催をしたところでございます。
 毎年、参加者のニーズに合わせて、介護の質の向上となるような研修を行っていることから、参加者の満足度も非常に高く、今年は3密を下げるため人数制限を行いましたが、多くの方に例年参加をいただいている状況でございます。
 また、介護保険事業の適正化を図る観点から、定期的に適正化検討会等を開催しており、介護計画、ケアプランでございますけれども、この計画の妥当性や給付の必要性などに対しまして介護保険事業者への助言や指導を行うなど、介護サービスの適正化と質の向上に取り組んでいるところでございます。
 今後も引き続き、スキルアップに必要な研修会や適正化検討会などの開催など、介護サービスの質の向上に資する取組の支援を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 スキルアップに対する取組、本当にありがとうございます。老後もゆったりとゆっくりと安心して住み続けられる町、ついの住みかという言葉もあります。都市部からリタイアれた方が自然豊かな近江八幡市で充実した医療、介護が受けられ、それが評判になれば移住者も増えるでしょう。また、それに伴って関係人口も増えていくに違いありません。まずは、市内に在住される皆さんの満足度を上げていくことが最重要施策であると思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、大項目の2つ目、防災・減災対策と河川防災カメラについて質問をいたします。
 地球温暖化に起因する気候変動によって災害が激甚化し、日本でも大雨による洪水、台風の強大化によって毎年全国各地で大きな被害がもたらされていますが、これらを他人事と捉えてはいけません。この3月11日は、東日本大震災が発生して10年になります。現在、近江八幡市赤十字奉仕団の主催でパネル展示がひまわり館で開催されておりますが、当時の悲惨な状況を見て災害の恐ろしさを再認識いたしました。
 政府は、国や自治体が住民、企業と連携してハード、ソフト両面から対策を講じる流域治水などを進める方針です。
 私の住む小田町でも、過去に伊勢湾台風の影響で日野川が決壊し、甚大な被害が出ました。市内河川の整備は段階的に進められているとはいえ、近年の予想を超える激しい雨が降ると、日野川近くに住む住民のみならず、市内を流れる河川近くに住む住民の多くが同様の不安を抱えておられるに違いありません。
 まずは、本市を流れる河川の改修についての状況や計画について質問するつもりでおりましたけれども、代表質問の中で数々の回答がありましたので了とさせていただきまして、引き続き県と連携をしながら河川改修に努めていただきたいとお願いいたします。
 次に、日野川には安吉橋と桐原橋に河川防災カメラが設置され、ライブ映像で河川の水位を確認することができます。しかしながら、桐原橋から下流に関してはカメラが設置されておりません。国道2号線沿いの仁保橋をはじめ、市内で必要とされる箇所に河川防災カメラが設置されると、自宅にいながらスマホなどで河川の状況を確認でき、早めに避難をすることができます。市当局の見解をお伺いいたします。
 次に、まるごとまちごとハザードマップについて質問します。
 昨年3月の定例会でも取り上げましたが、全国的にまるごとまちごとハザードマップの取組が進みつつあります。各家庭に配布されているハザードマップのみならず、公共施設をはじめ、電柱や塀などに想定浸水深や避難所などが記載された標示が設置されれば、市民は日常生活の中で災害対策への意識を高められるのではないでしょうか。他市町の成功事例を基に、本市でも本格的に取組を進められないでしょうか。
 以上、初問といたします。
○議長(片岡信博君) 当局の回答を求めます。
 江南副市長。
 〔副市長 江南仁一郎君 登壇〕
◎副市長(江南仁一郎君) 岩崎議員ご質問の防災・減災対策と河川防災カメラについてのご質問にお答えをいたします。
 まず、河川防災カメラについてですが、当市におきましては日野川の桐原橋、安吉橋、蛇砂川の蒲生野橋にそれぞれ河川防災カメラを設置をいただき、ホームページで確認ができるようになっております。
 この河川防災カメラは、河川管理者であります滋賀県により管理運営いただいており、令和3年度には新たに白鳥川のJR下流側において1台が供用開始される見込みです。
 日野川につきましても、引き続き今後の増設につき滋賀県に要望、協議をしてまいります。
 なお、仁保橋につきましては、河川防災カメラの情報が見られる滋賀県土木情報防災システムのホームページから、避難判断の目安として水位情報を確認することができます。
 次に、まるごとまちごとハザードマップについてお答えをいたします。
 近年多発する水害においては、避難の遅れなどにより多くの住民が孤立したり甚大な人的被害が発生しております。これらの背景を踏まえ、水害リスク情報として想定浸水深等を示した標示板を町なかにある電柱などに設置することにより、日常時から水防災への意識を高めるとともに、水害時には住民の主体的な避難行動を促し、人的被害の抑制を目的としたまるごとまちごとハザードマップにつきましては、全国の約1割となる市町村において取組が進められてきたところでございます。
 昨年、本市の馬淵学区まちづくり協議会においても、関係機関と協議の上、想定浸水深を示した標示板を学区内の浸水想定区域内にある電柱などに65か所設置する取組が行われました。
 また、県内においても令和2年度に湖南市で取組が進められております。
 本市におきましても、これらの事例を参考に、取組につきましての検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(片岡信博君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 副市長、ありがとうございました。
 まずは河川防災カメラについてですが、自宅にいながら河川の状況を確認できるということは、早期の避難行動にもつながりますし、今後デジタル社会の中での防災・減災対策として取り入れていくべきものと考えます。県への要望をお願いをしたいと思います。
 また、近江八幡市でもまるごとまちごとハザードマップの取組が始まったことをうれしく思います。今後、自治会等から要望や相談があった場合は、スムーズに設置がなされるようサポートしていただきたいと思いますので、重ねてお願いを申し上げます。
 次に、大項目の3つ目、子どもたちの個性を生かせる学校教育について質問いたします。
 コロナ禍において学校現場では様々な課題に対処してくださっていると思います。教職員をはじめ関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
 これまでの当たり前の日常が大きく変化をし、価値観をも変えさせられることとなりました。私たちにとっても子どもたちにとっても、コロナ禍での経験はつらく、不自由なことも多かったかもしれませんが、これからの人生においてプラスの財産へと転換していかなければなりません。
 さて、教育長は定期的にご寄稿をされておられます。その第22号の「ありのままの自分」というタイトルのメッセージを読まさせていただきました。抜粋して紹介をさせていただきますと、人は誰もが生まれた瞬間から学習し、いろいろなことを体験しながら成長します。そんな中でいろんな自分を経験し、現在の自分があります。また、人には個性があり、それぞれの育った環境も違います。本市は約8万人の市民が生活されています。つまり8万種類の個性と環境があります。この地球上には何と70億もの個性と環境があります。個性や環境は違って当たり前です。たとえ親子や兄弟姉妹でさえ、環境は同じであっても個性は違います。まず、このことを理解することが大切です。ここまでの学習、体験、それぞれの個性や環境が複雑に絡み合って現在の自分があるのだと思います。その過程で多くの出会いを経験し、ありのままの自分の姿が出来上がってくるのではないかと思います。そして、全ての市民の皆様が世界でたった1つの宝石となって輝いていただくことを願っていますというメッセージなんですけれども、私はこのメッセージを読んで大変に感動いたしました。
 新型コロナの影響で社会は分断されたかのように見えましたが、我々人間が気づかされたことも多かったのではないでしょうか。例えばウイルスを通じて自分の健康が周りの人に影響を与えること。また逆に、周りの人の健康状態が自分にどれほど影響をするのかを実感させられることはかつてなかったと思います。
 私たちは、人の健康だけではなく、動植物や自然環境の健康があってこそ、安心してこの地球上で暮らし続けることができます。そういった考えをワンヘルスと呼ぶようです。
 長くなりましたが、質問に入ります。
 まず授業内でのタブレットの活用方法についてですが、代表質問の中でGIGAスクール推進構想の状況や進め方を丁寧に回答していただいておりましたので、理解をいたしました。これから手探りの状況が続くと思いますが、タブレットはあくまでも一つのツールとして、子どもたちの健全な成長と健康に配慮して併用していただきたいというふうに思います。
 次に、デジタル化の進行の中での教育の在り方について質問をいたします。
 新しい学習指導要領の下、生きる力を重視した新しい教育がスタートしています。何を学ぶかだけではなく、どのように学ぶのかにも重点を置いています。これからのデジタル社会が急速に進みゆく中で、現場の先生方や子どもたちに望まれることは何でしょうか、教育長のお考えをお伺いいたします。
 以上、初問といたします。
○議長(片岡信博君) 当局の回答を求めます。
 日岡教育長。
             〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇君) 岩崎議員ご質問のデジタル化の進行の中での教育の在り方についてお答えいたします。
 議員ご指摘のとおり、学習指導要領では、何を学ぶか、どのように学ぶか、その結果何ができるようになるかということが掲げられています。
 何を学ぶかについては、新しい時代に必要となる資質や能力を身につけるために、小学校での外国語教育の教科化やプログラミング教育学習などが新しく導入されました。
 どのように学ぶかについては、主体的、対話的で深い学びとなるように、個別、最適な学びや共同的な学びを行っていきます。また、何ができるようになるかということについては、自ら考え、判断し、自分なりの考えを見いだすことができる力を育成します。このことが変化の激しい時代をたくましく生き抜き、社会をよりよくしていこうとする力につながると考えています。
 急激に進む技術革新や情報化社会において、これからの子どもたちにとってICT機器は身近にある道具のようなものでものであって、これらを使いこなすことは社会生活を営む上で必要なスキルとなります。併せて、集団生活にルールやマナーがあるように、ウェブ上においても同様のルールなどを身につけていかなければなりません。
 今回整備されたは1人1台タブレット端末を有効に活用し、子どもたちにこのような力を身につけさせるためには、教員が授業において効果的に指導する必要があります。そのため、これまでICT教育推進リーダー対象の研修会、その後の各学校での伝達講習会などを重ね、教員の指導力向上に努めてきました。
 ここ数年はICT機器の技術革新に伴い、子どもたちにとって大変分かりやすく、また興味関心を引きつける参加型の授業へと変化してきました。しかしながら、従来から大切にしてきた子どもの反応や目の輝きをしっかりと見ながら子どもたちに寄り添って授業を進めていくことは、幾ら技術革新が進もうとも決して欠かすことのできない教育の根本であり、改めて対面授業の大切さを感じているところです。教員としてやりがいを感じるのは、子どもたちに分かった、できたという表情や言葉が確認できたときです。そのため、個々の教員には、より一層自己研さんを積み重ね、よりよい授業を目指していただきたいと考えています。
 このように、これまで学校で築いてきた指導実践を大切にしながら、技術革新が目覚ましい教育機器を効果的に取り入れ、子どもの学びがより豊かなものとなるように教育活動を充実させていきたいと考えておりますので、議員のご理解よろしくお願いいたします。
○議長(片岡信博君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 教育長、回答ありがとうございました。
 私も教育長の考えに共感する一人です。1人1台のタブレット端末が準備され、ICT教育の推進は時代の流れではありますが、同時にネットリテラシーと呼ばれる道徳的な教育も重要になってくると思います。自分の使い方次第で周りにどのような影響をもたらしていくのか、低学年のうちからしっかり指導していく必要があり、そこには相手を思いやり、相手の立場に立って物事を考える想像力というものが鍵を握っているように感じます。
 想像力を養うには読書が大切であります。昔から読み書きそろばんと言われておりますが、本市が読書教育に力を入れ、本年度から動く図書館事業がスタートすることは大いに歓迎するところであります。私も近江八幡教育行政のさらなる発展のため頑張ってまいりたいと思いますので、教育長、また引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。
 最後に、大項目の4つ目、近江八幡市にふさわしい新庁舎の方向性について質問をいたします。
 新庁舎整備事業に関しては、基本計画の完成に向けて各学区での説明会を開催し、市民からの意見や要望を集約されていると思います。私はこれまで庁舎問題について質問をしてきましたが、あくまでも中立の立場で幅広く市民の意見をお聞きしながら、自分で調べ、自分の考えで個人質問を行っております。まず、これを大前提の下で質問いたします。
 私がこれまで市庁舎整備事業にこだわって質問をしてきたのには2点の理由があります。
 1点目に、小西市長は市長選に当選後、市議会に諮らず、当時の議員に対し何も説明をされないまま、約87億円もの庁舎契約を独断とも言えるやり方で契約解除されました。それによって、請負業者である株式会社奥村組に約7億5,000万円もの支払いが完了しています。私は、市庁舎問題についてはただ単なる公共施設の整備事業ではないと捉えています。小西市長の行為は、二元代表制における議会制民主主義への軽視であり、道義的責任は決して免れることはできません。よって、これからの近江八幡市政において二度とこのような事態を招いてはならないと思うことからです。
 2点目に、私たち市議会議員は市民からの信託を受け、大きな責任を任せていただいておる立場です。最も重要な予算についても、本年度一般会計だけでも約330億円を超える予算の審議をし、議決をしなければなりません。行政が支出すべき費用は大切な税金からであり、その予算が適正に使われているのかを私たち議員はしっかり精査をする責務があると考えるからです。
 以上の2点をご理解いただいた上で、質問に入らせていただきます。
 まずは、合併推進債の活用期限は令和6年度までに建設が完了されなくとも、令和7年3月末までに実施設計が契約されれば有効であると、他の議員からの発言もありました。今まで答弁されてきたように、合併推進債は令和6年度までに建設工事を完了させなければ活用ができないのでしょうか。
 次に、市民説明会の学区別の開催状況と、主にどのような意見や要望があったのか、お知らせください。
 そして、それらの意見や要望は市庁舎建設に反映できるのか、お示しください。
 学区別説明会を開催できていないところはどうするのでしょうか。特に地元八幡学区については、避難所の変更などあったことから、丁寧な説明が必要だと感じています。
 次に、現時点での基本設計について。
 まずは、新庁舎建設の土台となるコンセプトを再度お示しください。
 直方体型、いわゆる箱型の建物と今回の勾配屋根の階段型の庁舎では、どちらがランニングコストがかからないと考えられますでしょうか。
 代表質問の回答の中で、既存施設の年間維持管理費用を示されました。南別館、662万円、ひまわり館、2,515万円、安土支所、2,441万円です。しかしながら、これらには老朽化による大規模な修繕や更新費用は含まれておりません。古い施設を並行して使用しながら、本当にランニングコストを削減できるとお考えでしょうか。
 私は、環境に優しく、エコで安全性の高い庁舎の建設を訴えてきましたが、建物の西側、いわゆる税務署側はほとんどバックヤードで占められているため、太陽光を十分に取り入れることはできません。太陽の自然光というのは人間の心身の健康に大きく影響を与えると考えております。なぜ西側からほとんど太陽光が入らないような配置になっているのでしょうか。
 そして、基本コンセプトにある省エネや環境共生に配慮した庁舎にかなっていると言えるのでしょうか。
 1階から4階まで吹き抜けがありますが、館内の室温を一定に保つためには、特に夏や冬には当然光熱費が上がります。高い箇所はメンテナンスも容易ではありません。4階まで吹き抜けは必要なのでしょうか。
 そして、空調設備ですが、全館一体型になっているのでしょうか。
 次に、安全性からの観点ですが、各階層に勾配屋根を設置すると、例えば激しい雨や大雪が屋根に降り積もった場合、落雪で来館者に危険が及ぶ可能性があります。また、平時での清掃やメンテナンスも容易ではないと考えられます。なぜ全ての階に大きな勾配屋根を採用しているのでしょうか。
 最後に、庁舎敷地内のスペースですが、南側に駐車場、北側、いわゆる幹線道路側に庁舎前広場を設置されるとのことです。北側の道路から車が進入し、庁舎前広場を通り抜けるときに、例えば子どもが万が一飛び出してきましたら事故につながる可能性も否定できません。私は、南北に車が通り抜けできるのは安全性の面から問題が出てくるのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。特に付近は学生の通学者が多くなっておりますので、北側と南側で簡単に行き来ができるようになると、逆に歩行者との接触が増えることを心配をしております。
 将来、旧市民病院跡地に市民広場を建設するのであれば、庁舎内広場が必要なのでしょうか。駐車場が必要台数を確保できていないのであれば、駐車場として活用したほうがよいのではないでしょうか。
 以上、初問といたします。
○議長(片岡信博君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 岩崎議員お尋ねの近江八幡市にふさわしい新庁舎の方向性のうち、現時点の基本設計の内容についてのご質問にお答えを申し上げます。
 まず、新庁舎の基本コンセプトについてでございますけれども、令和2年3月に策定しました市庁舎整備基本計画に定めましたとおり、訪れる全ての市民にとって手続や相談がしやすく、ハートフルな庁舎とするため、行政機能ごとの集約化と、南別館やひまわり館の有効活用によるコンパクトな庁舎を実現し、初期投資費用の抑制を図れるよう設計作業を進めておるところでございます。
 また、ワンストップサービスや防災拠点機能などに加え、長期的な設備更新や改修費なども含めたライフサイクルコストという観点においても、庁舎の機能や性能とコストバランスに優れた庁舎となるよう、基本設計に検討を加えているところでございます。
 次に、直方体型の建物と階段状である現設計案の比較に関するご質問についてでございますけれども、直方体の建物のほうが施工性もよく、コスト面においても有利であるとのことでございますけれども、現庁舎計画はコストと機能のバランスを考慮した検討を進めているもので、各階に必要な機能配置を行った結果、階段状の意匠となったものでございます。
 また、維持管理費においては、延べ床面積に差異がなければ、直方体の建物と階段状である現設計案を比較しても同程度になるものと認識をしております。
 次に、既存施設の並行使用でランニングコストが削減できるのかとのご質問でございますけれども、施設の改修や設備機器の更新などを含め、60年程度の耐用年数期間におけるコストは建設費の3.7から5.2倍に及ぶとされております。長い目で見れば、全ての機能を集約した建物の場合、大きな経費負担につながることとなります。
 一方で、既存施設を利用する場合は、時代の変化に応じて将来的に職員数が減った場合やICTの進展により執務スペースに空きが出た場合など、既存施設を解体し、本庁舎へ統廃合することにより面積抑制につながり、その時点で不要になった施設の除却が行われることから、既存施設を利用することで新庁舎の建設規模を抑制することは有効であると考えております。
 次に、庁舎南西面をバックヤードとすることで十分に太陽光を取り入れることができないのではないかとのご指摘についてご説明を申し上げます。
 庁舎の南西面をバックヤードとする理由は、特に夏場の日射を遮ることで空調負荷を抑えることができることから有効と判断いたしました。太陽光の取り入れは限定されるものの、階段状の建物構造とすることで各階の屋根部分が日差しを受けるため、執務空間においては十分な明るさを確保することが可能であると考えております。
 次に、省エネや環境共生に配慮した庁舎にかなっているかとのご質問についてお答えを申し上げます。
 空調設備については、ホールや廊下など共用部分は全館空調を計画する一方、会議室等においては個別空調とする計画でございます。
 吹き抜け空間は空調に対して負荷がかかるとの考え方もございますけれども、庁舎内の開放感を創出することのほか、春や秋などの中間期には自然換気により空調負荷を軽減することが可能であり、結果的にランニングコストの削減が図れるものと考えております。
 また、吹き抜け部分には可動式の防火防炎スクリーンを設置することで、火災時の延焼を防ぐとともに、夏季や冬季においては空調を補完する役割を担えるものと考えております。
 ただし、吹き抜けにつきましては、先進的に取り入れた他の事例の想定結果や設計シミュレーションを踏まえ、整備の可否について検討を行っているところでございます。
 次に、勾配屋根の採用理由についてございますけれども、新庁舎建設地は景観計画における全市計画区域であること、また近江八幡市にぎわい・交流拠点地区地区計画区域に指定されており、その中で勾配屋根が規定されております。勾配屋根については、メンテナンスを考慮した計画とすることはもちろん、雪等の対策についても、雪どめを設けることなどにより、安全性に配慮した計画とする考えであります。
 次に、庁舎前広場と車の進入に関するご質問についてでございますけども、現計画案では南北両側から駐車場にアクセスできることといたしております。議員ご指摘のように、安全性の確保という観点から、平常時においては通り抜けが容易にできない対策や、車と歩行者等の一部交差が生じることを踏まえた車の動線と人の歩行動線を明確に分けることにより、安全に庁舎にアクセスできる計画とする必要があると考えております。
 最後に、来庁者駐車場の台数についてでございますけども、将来人口を見据えた適正な駐車台数の推計とともに、現本庁舎の駐車台数が約100台である状況を踏まえ、設定したものでございます。交通情勢や社会環境等の変化によって、庁舎前広場の一部を駐車場に転換していくことも可能ではありますが、庁舎前広場は、来庁者に対する憩いの空間を創出するほか、景観づくりの観点から設けるものでございますので、ご理解賜りますようお願いを申し上げます。
○議長(片岡信博君) 当局の回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
〔総合政策部理事 嵐 孝雄君 登壇〕
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 岩崎議員お尋ねの近江八幡市にふさわしい新庁舎の方向性のうち、合併推進債の期限及び基本設計の市民説明会に関するご質問についてお答えします。
 まず、合併推進債の発行期限についてでございますが、令和3年1月22日付で総務省自治財政局財政課から令和3年度の地方財政の見通し、予算編成上の留意事項等についての通知があり、その中で合併推進債については、経過措置として、発行可能期間内に実施設計に着手した事業に対して現行と同様の地方財政措置を講ずることとしていると記載されています。本市における合併推進債の発行可能期間は令和6年度末であり、それまでに実施設計に着手できていれば、その設計に対する工事についても合併推進債の発行が可能というものでございます。
 次に、基本設計概略案に関する市民説明会についてですが、さきの代表質問におきましてご説明申し上げましたとおり、本年1月の段階における設計概略について、各学区自治連合会の協力の下、1月から2月にかけて9学区で説明会を実施させていただきました。説明会では、建設地における配置やデザイン、各フロア等の機能に対し、参加された市民の皆様や自治会、まちづくり協議会役員の方々から様々なご意見を賜りました。例えば外構に関しまして、赤こんバスの停留所や待合場所の設置、雨にぬれないアプローチ、思いやり駐車スペースの台数増、来庁者駐車場の安全性確保が挙げられますが、これらは可能な限り設計に反映したいと考えております。
 また、庁舎内のレイアウト等に対するご意見としてありましたユニバーサルトイレの充実、4階まで通じる中央階段の設置、エレベーターの増設についても見直す方向としております。
 これらのご意見やご質問に対する市の考え方や基本設計への反映方針につきましては、広報3月号と同時に全戸配布しました新しい市庁舎タイムズ第5号で概要をお示しするとともに、詳細内容を市ホームページで公表させていただいているところでございます。
 なお、説明会の開催につきましては、新市庁舎整備事業に関する市の情報発信があることや、コロナ禍という社会情勢から開催を見送られました学区もございました。
 市といたしましては、ご参加いただけなかった市民向けに基本設計概略説明動画を作成し、ホームページや本市の公式ユーチューブチャンネルで公開させていただくなど、今後も市民理解を得るための努力を引き続き行ってまいりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。
○議長(片岡信博君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 詳細な説明ありがとうございました。
 まず、合併推進債の期限について再問いたします。
 基本計画を本年7月に完了されるとのことですが、現時点で市民要望を本当に反映することができるのでしょうか。過去の議会答弁の中で、合併推進債を活用するためには令和6年度中に建設を完了しなければならないと繰り返し説明を受けてきまして、私たちはそれを信じてまいりました。しかしながら、今回の答弁では、総務省からの延長の措置が執られているということで、令和6年度中に実施設計に着手していれば合併推進債の活用が可能となったようです。仮に令和5年まで基本計画を策定して、例えばですけれども、令和6年度中に設計施工一括方式、いわゆるデザインビルド方式で契約した場合、合併推進債の対象にはなるということでお間違いないでしょうか。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) お答えいたします。
 合併推進債につきましては、初問でお答えしましたとおり、令和6年度中に設計施工一括発注方式で契約を行った場合には、実施設計に着手したこととなりますので合併推進債の対象となります。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。では、対象になるということを確認いたしました。
 では、今回デザインに関してちょっとお伺いしたいんですけれども、ちょっと準備してきまして、こういう今回当局から示された案ですね、デザインなんですけども、これは階段状の勾配屋根が大きく取られているデザインとなっております。
 市長は、豪華な庁舎ではなくて、シンプルでコンパクトな庁舎を主張されてきましたが、この庁舎はシンプルでコンパクトと言えるのでしょうか、お答えください。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 岩崎議員の再問にお答えを申し上げます。
 基本計画におけるシンプルでコンパクトという、いわゆるコンセプトにつきましては、外観的デザインを示すのではなく、庁舎本体の機能、行政機能に特化し、適切な規模で建設するという考え方を示したものでございます。
 階段状の形状をしているというのは、市民サービスの提供方法を重視し、合理的に機能配置をした一つの結果というように理解をしております。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 市長は、後年度負担をできるだけ軽減したいということで前庁舎を解約されたと思うんです。このデザインからしますと、階段状にしますと、特に上階になると床面積が小さくなるということで、将来フレキシブルな、柔軟性のあるレイアウトができないのではないかとも懸念しております。使用方法が固定されるのではないでしょうか。箱型のほうが自由度が高く、工期の短縮や維持管理費用も抑えられると考えられます。そして、箱型のほうは建設費用が安く済むと一般的に考えられておりますが、いかがでしょうか。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) お答えいたします。
 新庁舎につきましては、現庁舎の2倍程度の床面積と考えております。現行がほぼ4,730平米、新庁舎の計画は約9,000平米とさせていただいております。この新庁舎の計画におきましては、3階の面積をほぼ2,000平米程度と想定しておりまして、現本庁舎の1階フロア面積約1,360平米から比べても、非常に大きな部分が3階に設けられることとなりますので、フレキシブルな利用というのは十分に可能というふうに考えております。
 それから、箱型の総4階とした場合には、低層階で行う市民生活に密接な窓口業務等の機能に必要な面積を集約することができない。市民サービスの提供に影響が生じるものと考えております。
 それから、箱型の総3階、3階建てにした場合には、企画や総務系の一部を現在の計画の3階から2階に一部を移すことにもなりますので、機能が分断される、連携が取りにくいことも想定されますし、また議会機能も4階から3階へ移すことになりますので、議会の独立性という議会としての意向とも反する配置となります。
 維持管理等につきましては、段状でも問題なく維持管理できるように、メンテナンスデッキ等、サービスバルコニーの設置も含めて考えていきたいと思います。
 先ほどもありましたとおり、建設費用のみで考えた場合は箱形のほうが安くなる部分はあると考えておりますけれども、あくまで機能とコストのバランス、その中で機能を重要視した部分があるということで、ご理解いただきたいと思います。
○議長(片岡信博君) 質問ありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 答弁ありがとうございます。
 もともと建設費用を抑制したいからということで契約解除されたというふうに私は認識をしております。
 回答の中で、維持管理費ですが、箱型の建物も階段状の建物も延べ床面積が同じであれば維持管理も同程度であると認識ということで回答いただきましたが、私は疑問を感じています。どう考えても勾配屋根のほうがメンテナンスや修繕費など高額になると思います。後年度負担を抑制するのであれば、シンプルな箱形のほうがいいという意見もあるんですけれども、市長の見解をお伺いいたします。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) これまでのご質問にもお答えをさせていただきましたように、様々なコスト、そして機能のバランス、特に市民サービス、市民に対してどういうサービスを提供するのか、また庁舎内のそれぞれ職員がどう機能的に連携できるのかということを考えたとき、現状の形が最も最適ではないかと考えたところでございます。
○議長(片岡信博君) 質問ありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) それでは、勾配屋根についてなんですけれども、景観計画の地域であることから勾配屋根にしようとされておるんですが、各階層にこれだけ大きな勾配屋根を必ず取り入れないといけないでしょうか、質問させていただきます。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) お答えいたします。
 各階に必ず大きな勾配屋根を設けなければならないかとなりますと、そういうことにはなりませんけれども、先ほどもありましたとおり、近江八幡市は市内全域が風景計画区域とされておりまして、庁舎、この周辺につきましては市街地風景ゾーンに位置づけられております。そうしたことから、計画として地区計画においても勾配屋根を規定されておりますので、市の建物である新庁舎の建設においても当然その規定に準じて整備すべきものと考えております。
 義務化されたものではなく、その規定が努力を促す性質のものであったとしても、計画の策定者である近江八幡市はその規定に準じた建設をしていくべきというふうに考えております。
 ただし、先ほど申し上げましたとおり、全ての階に大きな勾配屋根が必要かということになりますと、そうではなく、今回の機能配置、それから大きな階段状のデザインを考えたときに、勾配屋根を設けることがふさわしいというのが設計者としてデザインされたものでございます。
○議長(片岡信博君) 質問ありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) ありがとうございます。
 各階に大きな勾配屋根を設置すると、清掃やメンテなど困難が伴います。また、各階から窓から外を眺めると、いずれ鳥のふんや劣化によって汚れが目立ってくることも予想されると思うんです。対策について設計業者とよくよく相談していただきたいというふうに思います。
 市民さんの中には、自ら図面を作成し、私たちに提案をしてくださる方もおられます。自分たちは10年後20年後生きているかどうか分からへんけれども、孫たちの世代のためにもしっかりと考えてあげたいとおっしゃっておられました。これだけ真剣に考えてくださってる市民さんもいらっしゃいます。
 現在のところ、デザインと配置について変更されるつもりはありませんでしょうか。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 現在お示しさせていただいております基本設計の概略案につきましては、道路、来庁者駐車場からのアクセス、また庁舎内の動線、執務環境、周辺施設との連携性、それから工事中の影響や安全性などを評価し、検討した結果でもございます。それから、都市軸、それから景観軸への配慮も含め、メリットが多いというふうに考えておりまして、現時点におきましては総合的な判断として最良であるというふうに考えております。
 デザインにつきましては、市民サービスの提供など機能面を重視し、合理的な判断を行った結果ですので、これからも市民の皆様により理解をしていただけるよう説明を尽くしたいというふうに考えております。もちろん、いただいた意見の中で合理性のあるご意見につきましては、それを踏まえ変更していくこともあり得ますけれども、現時点において形状、それから配置を変更する予定はございません。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) 変更する必要性がない、つもりがないということを確認いたしました。
 今回、他会派の代表質問の中で、同じ轍を踏まないためにも、工事契約は市長選後にしてはどうかとの意見もありました。前回、市長は待てと言ったのに、今回は待たないで進められるのか、なぜなのか、お考えをお伺いいたします。
○議長(片岡信博君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 私の見解を述べさせていただきます。
 代表質問でもお答えいたしましたように、できるだけ早期に市民に最良のサービスを提供できる庁舎を建設するというのは私の使命だと考えております。もし市民の皆さん方がそういうお考えをお持ちでありましたら、市民の方からそういう形で課題または問題を提起していただければと思います。行政の当局としましては、あくまでもを早期に、できる限り最良の形で市民の方に後年度負担の少ない形で、できるだけ近江八幡市にふさわしい形の庁舎を建設させていただくというのが使命であると考えております。
○議長(片岡信博君) 質問はありませんか。
 岩崎和也君。
◆2番(岩崎和也君) これから何十年も使用する近江八幡市の心臓部となる庁舎ですので、私もあるべき姿を当局側とも真剣に議論を重ねております。市民の意見を真摯に受け止め、市民の側に立った庁舎建設へと進めていただきますようお願いいたします。厳しい質問になったと思いますが、ご容赦とご理解をいただきますようお願いいたします。
 以上をもちまして、ちょっと駆け足になりましたけれども、私の質問を終了いたします。皆様、長時間大変にありがとうございました。
○議長(片岡信博君) 以上で岩崎和也君の個人質問を終わります。
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