録画中継

令和3年第3回(9月)近江八幡市議会定例会
9月9日(木) 一般質問
山元 聡子 議員
(1)妊娠・出産・子育てへの寄り添った取組について
   ①産科オープンシステムの活用について
   ②リード・マタニティー・ケアラーについて
   ③滋賀スマイルベイビープロジェクトについて
   ④NPO・子育て団体等の見える化について
   ⑤中間支援機能の強化について
(2)市庁舎建設について
◆5番(山元聡子君) 凛成会の山元聡子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 8月11日からの全国的な大雨においては、各地に被害をもたらし、滋賀県においても長い線状降水帯の発生により、近江八幡市においても様々なところで冠水し、土砂崩れもございました。気候変動での異常気象の被害が年々大きくなっていることを強く感じております。
 2100年の天気予報という動画がございます。このまま温暖化が進むと、各地の最高気温が平均で44度となり、農作物の被害や様々なウイルスの発生が考えられ、今回行われた、たくさんの感動をいただいたオリンピックやパラリンピックの開催場所も、今後世界ではたった2つの場所でしか開催できないという状況になると予想されております。今を生きる私たちは、もう待ったなしでのこの温暖化対策にしっかり取り組んでいかなければなりません。
 現在、気候非常事態宣言を踏まえて具体的に施策をご検討いただいておりますが、そんな中で現在6つの様々な環境整備計画が進行していることをお聞きしております。それぞれの計画に対し、何ができていて、今何ができてこなかったのか、何が計画に足りなかったのかということをしっかり棚卸しをしていただいた上で、計画の作成、また更新に取り組んでいただきたいなと思います。
 今回は、そんな気候変動が進む中、そしてこのコロナ禍での命の誕生、お産を通して、私が掲げております、子どもは地域の宝、地域が家族、地域で子育てをという地域家族の仕組みづくりを考えていきたいという観点から、関連質問をさせていただきます。
 今回は大項目2つにおいて、分割にて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず1点目、妊娠、出産、子育てへの寄り添った取組について、5つの視点から質問をさせていただきます。
 まず、産科オープンシステムの活用について。
 年齢の高齢化に伴い、帝王切開や早産、低体重児などハイリスク出産が増える一方で、産婦人科医の不足が深刻になっております。そんな中で総合医療センターがハイリスク出産を主に担当され、市内の3つの個人の産婦人科病院が主に普通分娩を現在担ってくださっていますが、個人医院の運営状況はどのように把握されていますか。
 産科の医師の高齢化などに伴い、他市町のように今後産婦人科が廃業されていくことも考えられる中、普通分娩を担うお産体制の展望はどのようにお考えでしょうか。
 現在、滋賀県において、個人の医師が共同して運営する場の創出も考えられているともお聞きをしております。こうした中、滋賀医科大学附属病院が医療機関と連携する産科オープンシステムをつくっています。このシステムは、地域の医療機関と緊密に連携をし、相互の協力の下に効率的、安全な分娩を通して地域住民に貢献しようとするものとし、病院施設を利用できる仕組みでございます。この仕組みは現在あまり知られておりません。
 本市の総合医療センターにおいても、医師不足や医師の働き方改革の一環として、開業医の助産師や個人医院の医師との連携が取れる産科オープンシステムの見解をお尋ねいたします。
 2点目、リード・マタニティー・ケアラーについて。
 先般、58年間の母子健康センターの事業の歩みを学ばせていただく機会がございました。病院での出産へとシフトされるその変化に伴い、お産を担う助産師の役割も変わってきた流れも知りました。
 助産師は絶滅危惧種と自らおっしゃるような状況である中、新型コロナウイルス感染症の拡大において様々な不安を持つ妊婦さんの思いを受けて、このままではいけないと助産師が立ち上がり、お隣の東近江市で個人事業主として独立開業している助産師らが活動拠点となるバースセンター、お産子の家・共同助産所を開設し、母親らの脱孤立を目指して、主体的な出産や子育てができるよう、分娩取扱事業、妊産婦への継続ケア事業、主体的な出産、子育ての啓発事業、開業助産師の発掘・育成事業の4つの事業を展開しようと頑張っておられ、1年がたちます。母子健康センターの衰退の流れがあった中、時代とは逆行して開設されたように見えるこのバースセンター、お産子の家のこの取組は非常に大きな意味があると思います。今後、医療との連携をしっかり取る中、妊娠、出産、子育ての伴走者としての取組をされていきたいとされております。
 ニュージーランドでは、LMC、リード・マタニティー・ケアラーという制度がございます。妊娠だと分かると、LMC、リード・マタニティー・ケアラーを選びます。リード・マタニティー・ケアラーは、端的に言うと、妊娠の面倒を見る専門家です。お医者さんでもいいですし、助産師さんでも構いません。リード・マタニティー・ケアラー、LMCは、出産時の立会いだけでなく、妊娠期間中から赤ちゃんの生後4週間から6週間目までで母子双方の健康管理も担当いたします。
 前回の質問で、フィンランドのネウボラの考え方もそうですが、出産に立ち会うという点においては、リード・マタニティー・ケアラーのシステムはお母さんの心強い伴走者となると考えます。ぜひこのLMC、リード・マタニティー・ケアラーの実現に向けてのご検討をお願いしたいと思いますが、その見解をお聞かせください。
 3点目、SHIGA SMILE BABY PROJECTについて。
 滋賀県では、生まれた赤ちゃん、産み育ててくださるご家族の皆様におめでとう、ありがとうの思いを込めて、子育てリーフレットや企業協賛品でベビー服、スタイ、ミルクなどをトートバッグに入れてありがとうの贈物を民間と連携して事業化をされております。こうした行政と民間企業との連携を通して、周知や提供をご協力いただく体制も非常に有効な手段だと考えます。
 前回、ネウボラの仕組みを通しての育児パッケージの提案をさせていただきましたが、この滋賀県のありがとうの贈物と連携して、そこに助産師の情報やサービス券等の商品をプレゼントしていただけるよう県に働きかけていただけないでしょうか。もしくは、近江八幡市独自で、滋賀県のように民間企業とつながって情報発信や商品提供を行っていただく仕組みをおつくりいただけないでしょうか。
 SHIGA SMILE BABY PROJECTではございませんが、助産師の情報発信という点におきまして、母子手帳内に助産師の紹介やサービス情報を記していただければと考えますが、いかがでしょうか。
 4点目、NPO・子育て団体等の見える化について。
 現在、行政機関、社会福祉協議会、中間支援センターや民間、個人の子育て団体など、全体でどのくらいの子育て団体があり、その活動内容は把握されておりますでしょうか。
 近江八幡市において民間の子育て団体等の見える化も必要と考えます。さらに、情報発信の仕方はもっと工夫が必要であるようにも思います。そういった民間の子育て団体等をしっかり把握し、情報発信してもらえる団体等の育成支援、中間支援機能の強化、さらにその機能を有する組織の支援が必要と考えますが、その推進状況と併せてご見解をお聞きいたします。
 5点目、中間支援機能の強化について。
 先ほど紹介させていただきましたバースセンター、お産子の家・共同助産所の開設のお話をさせていただきましたが、この取組は休眠預金を活用した民間が主体となって、大きな課題でもある妊娠、出産、そして子育てを支援していこうというものでございます。
 本市においても、中間支援機能を備えた休眠預金の活用ができる財団法人等の機関の整備や支援が妊娠、出産、子育ての分野を含む全てにおいて非常に大切であり、産官学民の連携を踏まえ、さらに市民との協働事業につながっていくものと考えます。より一層の市民との協働体制をつくるため、中間支援機能の充実をさせる取組と併せて、ソーシャルインパクトボンドの仕組みづくりについての当局のお考えをお聞かせください。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(平井せい治君) 当局の回答を求めます。
 浪江総合政策部長。
〔総合政策部長 浪江尚史君 登壇〕
◎総合政策部長(浪江尚史君) 山元聡子議員の妊娠、出産、子育てへの寄り添った取組についてのご質問のうち、中間支援機能の強化についてお答えいたします。
 近江八幡市におきましては、50を超える特定非営利活動法人、NPO法人があり、法人格を持たない団体を含めると、200を超える市民活動団体が各地域における課題解決に向けた様々な活動をされているところでございます。住みよい地域づくりや市民生活を豊かにするといった地域の様々なニーズや地域や社会の課題解決をさらに進めるためには、市民活動団体の自立性を保ちつつ、行政、また各種企業などとの協働を進める必要があると考えております。
 協働を進めていくに当たっては、議員ご紹介の休眠預金の活用やソーシャルインパクトボンドなど様々な事業手法がある中で、解決すべき社会課題や団体の実態等に応じた最適の事業スキームを選択していくことが重要であると考えます。
 本市といたしましては、まずは市内にある市民活動団体の詳細な実態把握に努めた上で、関連する所管課、各学区のまちづくり協議会、社会福祉協議会や中間支援センター等と情報共有を行いながら、各分野において連携を行い、市民活動団体のサポートや活性化を図りたいと考えております。
○議長(平井せい治君) 青木子ども健康部長。
〔子ども健康部長 青木勝治君 登壇〕
◎子ども健康部長(青木勝治君) 山元議員の妊娠、出産、子育てへの寄り添った取組についてのご質問のうち、子ども健康部所管部分についてお答えをいたします。
 少し質問項目が多数ございますので、長くなりますが、ご容赦願いたいと思います。
 まず初めに、リード・マタニティー・ケアラーについてのご質問にお答えいたします。
 リード・マタニティー・ケアラー、LMC制度は、1996年にニュージーランドで開始された政策で、女性とその新生児に対して、妊娠、分娩、産褥の時期を通して継続したケアを提供する制度でございます。
 妊娠していることが分かると、妊娠中から産後6週間まで責任を持って関わってくれる専門職を助産師、産科資格を持つ一般開業医、産科医の中から選択いたします。ニュージーランドでは、妊娠と分かった時点から産後6週間までの全ケアが医師の監督なしに助産師だけで可能となっており、検査、治療のための医師への照会、薬剤の処方、入院予約も助産師の判断で可能です。さらに、助産師と医師のマタニティーサービスへの報酬が同額となっていることなど、医療的な権限と待遇が日本とは大きく異なります。また、分娩後の入院期間は、日本では経膣分娩で産後5日間程度であるのに対し、ニュージーランドでは1泊2日が基本とされており、入院期間中にできるケアにも差がございます。こうした医療体制の違いもある中で、同様のシステムを現在の日本で実施することは非常に困難であると考えております。
 以上のことから、リード・マタニティー・ケアラー制度の導入ではなく、日本の環境や本市の実情に即した支援体制の充実を進めていく方針でございます。
 しかしながら、議員ご指摘のとおり、市として子育て世代包括支援センターの体制を整えているとしても、全ての方々へのアプローチや十分に寄り添える支援体制の強化が必要ということについては認識をしております。前回の質問でお答えさせていただきましたとおり、切れ目のない支援を形にしていくための地区活動を進めている途中にありますので、今後も市民の皆様のお声をお聞かせいただきながら取り組んでいきたいと考えておりますので、ご理解、ご協力をくださいますようよろしくお願い申し上げます。
 次に、滋賀のスマイルベイビープロジェクトについてのご質問にお答えをいたします。
 このプロジェクトは、滋賀県が「滋賀で誕生ありがとう事業」という名称で今年の8月3日から開始されているもので、出産、子育ての機運を高めるための取組でございます。
 事業実施に当たっては、各市町が事業の周知や同封される子育て情報冊子、しがっこパスポートの作成に協力をしております。しがっこパスポートは、子育て中の親目線で必要と思われる情報を提供するという意図があり、県が三方よし子どもの笑顔プロジェクト実行委員会に委託して策定されました。
 この冊子には、各市町の事業紹介ページがあり、そこに記載する内容も子育て中の実行委員会メンバーと相談して決定しております。したがいまして、助産師の専門性や重要性は十分に理解するところでございますが、スペースも限られていることから多くの情報を掲載することはできませんでしたので、ご理解をお願いいたします。
 また、民間企業との連携については、県が全県的に事業への協賛を呼びかけられており、企業側のスケールメリットも大きいと思われますことから、県事業と重複する市独自施策は考えておりません。
 次に、母子健康手帳に助産師の情報を記載することについては、既にご承知いただいておりますとおり、母子健康手帳交付時に情報資料の配布と全員への口頭での案内を行っております。他の資料に埋もれたり紛失することも考慮し、現在では母子健康手帳のビニールカバーに挟み込む対応を取らさせていただいております。
 また、地域助産所相談事業の案内について、母子健康手帳交付時だけではなく、各子どもセンター、子育て支援センター、つどいの広場事業を実施するほんわかの家、あいあいの家、ファミリー・サポート・センター事業を受託するNPO法人子育てサポートおうみはちまんすくすく等に配布し、また子育てガイドブックハチピースタイルや市ホームページへの掲載、子育て情報アプリハチピーにも掲載するなどして、多様な方法で事業周知を図っておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。
 最後に、NPO、子育て団体等の見える化についてのご質問にお答えいたします。
 議員がお話しされたとおり、子育て支援を実施する上で、行政だけではなく地域住民や子どもに関わる様々な関係機関が力を合わせ、地域社会全体で子どもと子育て家庭を見守ることは非常に重要な姿勢であり、本市の子ども・子育て支援事業計画ハチピープランにおいても、子育てを地域ぐるみで支え合う町を目指す町の姿の一つとして定めております。
 そこで、本市では民間の子育てに関する団体の支援を目的として、近江八幡市子育てサークル・子育て支援団体の登録制度を設けております。現在、18の団体に登録いただいており、その際、活動内容をはじめ団体に関する情報をいただいております。また、それを基に団体や活動に関する情報を市ホームページ、子育てガイドブックハチピースタイル、子育てアプリハチピーなどを活用して発信するとともに、一部の公共施設使用料の免除やイベント開催時の後援名義使用などの面でも支援を行っているところでございます。
 さらに、昨年度は、単年度の事業ではございましたが、新型コロナウイルス感染拡大下においても感染拡大予防に取り組んでいただき、活動を継続し充実させることを目的に、近江八幡市子育てサークル・子育て支援団体活動応援事業費補助金を創設し、5つの団体に対して衛生備品や消耗品の購入に対する支援を行ったところでもございます。
 冒頭にも申し上げましたとおり、市といたしましては、今後も地域社会全体で子どもと子育て家庭を見守り支える町を目指してまいりますので、ご理解、ご協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(平井せい治君) 当局の回答ありますか。
 宮下総合医療センター事業管理者。
〔総合医療センター事業管理者 宮下浩明君 登壇〕
◎総合医療センター事業管理者(宮下浩明君) 山元議員の妊娠、出産、子育てへの寄り添った取組についてのご質問のうち、産科オープンシステムの活用についてお答えいたします。
 まず、市内の産科医療機関の運営状況でございますが、医師の高齢化により、1つの医院では分娩を取りやめ、もう一つの医院においても分娩の停止を検討されているということは把握しております。
 そうした中で、昨年9月議会でもお答えいたしましたが、当医療センターは東近江圏域の地域周産期母子医療センターとして、医師の働き方改革と併せて産科医を集約化していくという方向で調整が行われているところです。現在、常勤医師6名と非常勤医師複数名の体制により、24時間365日いつでも安心して出産できる体制を整えています。
 昨年度の当センターでの分娩件数は389件、一昨年の374件から増加しており、今年度においても、8月までの5か月間で170件と増加傾向にあります。このうち、低体重児、早産、帝王切開等のハイリスク出産が半数以上を占めています。
 また、当センターの役割であるハイリスク分娩に対応する医療機関として、NICUに加え、昨年度GCU病床の整備を行うことにより、充実した医療提供を行っているところです。
 次に、2つ目の産科オープンシステムですが、日本産婦人科医会によりますと、基幹病院で分娩を行い、日頃の健診を近くの診療所で行うシステムとされています。診療所の十分な体制と連携、協力により、地域の実情に合わせた運用が必要でございます。
 当医療センターは、地域周産期母子医療センターとして、東近江圏域の産科医院と連携して安全・安心な分娩を実施しており、ローリスクの分娩はそれぞれの施設で行い、ハイリスクの出産については当院が担うといった役割分担を行っているところです。
 また、今後医師の高齢化等により地域診療所での分娩が困難な状況になれば、産科医の集約化により、当医療センターがローリスクの分娩も含め全ての分娩を担うことができるような体制を整えていくことになると考えております。
○議長(平井せい治君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありますか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 産科オープンシステムの活用について再問させていただきます。
 医師の働き方改革と併せて、先ほど、産科医を集約化していく方向で調整が行われているとのことでしたが、毎年分娩件数がどんどん多くなっていく中で、助産師や看護師などの人材確保はどのようにお考えでしょうか。
○議長(平井せい治君) 宮下総合医療センター事業管理者。
◎総合医療センター事業管理者(宮下浩明君)  再問にお答えいたします。
 人材に関しましては、まず看護師の話の前に医師の話をさせていただきますが、当医療センターは滋賀医科大学と京都府立医科大学の両産婦人科医局と連携を密に取っております。両医局も当院を基幹病院としてしっかりと認識されておりまして、人材のサポートは十分されていると思います。今後も増員が必要の場合には増員が可能だという状況でございます。
 次に、看護師、助産師に関してでございますが、現在当院では助産師が23名おりますが、次年度も数名、既に内定しておりまして採用を予定しております。今後も状況を考えて、必要ならば増員は図っていけるものと考えています。
 最終的に、先ほどお話ししましたが、分娩数は400弱でございますが、双子さんとか入れますと、実際生まれているのは400を超えておるわけでございますが、これの数を、500、600は現状でいける状況であると考えております。
 ということで、当院の人材に関しては現状では十分足りているというふうに認識しております。
○議長(平井せい治君) 質問ありますか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 再問させていただきます。
 ここ数年で産後鬱になっているお母さんのデータ把握やアンケート調査などは総合医療センターにおいてはなされていますでしょうか、お伺いいたします。
○議長(平井せい治君) 宮下総合医療センター事業管理者。
◎総合医療センター事業管理者(宮下浩明君) 再問にお答えいたします。
 産後鬱に関しては、現場でも十分認識しておりますが、現在のところそれに関してアンケート調査等はしておりません。
 ただ、社会的問題にもなっておりますので、現場では研修会等を開いてみんな学ぶようにしておるということを聞いております。
 以上です。
○議長(平井せい治君) 質問ありますか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 私は、産後鬱は妊娠中と出産、そして産後のケアの連携が非常に大切だと考えております。そんな中で産科オープンシステムは、先ほどご紹介された基幹病院と健診を近くの診療所ですみ分けをして、連携して行うとされている形と、もう一つは、共同助産所や、例えば開業医で最初からお産を考えていた、助産師さんのほうで出産を考えていた妊婦さんが、何らかの体調の変化で基幹病院、例えば総合医療センターで出産が必要になった場合には、妊娠当初から診てきた助産師が出産にも立ち会い、入院のケアも継続し、基幹病院の連携を図っていただいてケアができるような仕組みをお考えいただきたいなと思っております。
 診療報酬のすみ分け等もあるとは思いますが、お母さんが望まれた場合にはその意思を尊重できる仕組みをつくっていただけたらなと思いますが、その辺についてもご所見をお伺いいたします。
○議長(平井せい治君) 宮下総合医療センター事業管理者。
◎総合医療センター事業管理者(宮下浩明君) 地域との連携は絶対必要なものでありますし、今まで診てもらっていた助産師さんとかが病院でついていただくことも非常に妊婦さんにとっては心強いものだということは十分理解できます。
 今現状は、そういうシステムがうちの病院の中にはございません。今後、また持ち帰りまして、そういうことが必要なのかどうか、やるにはどうしたらいいのかというのを現場と少しお話をさせていただこうと思っております。
○議長(平井せい治君) 質問ありますか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 ハイリスク出産の分娩が増えている中で、やはり医療現場では命を救うということが優先されている中で、お産をする女性側、当事者の声がなかなか酌み取られていない現状があるということも少しお聞きしております。そんな中で今、検討したいとおっしゃっていただいたこと、大変うれしく思います。
 私はこんなふうに産みたい、育てたい、この人と一緒に産みたいなど、当事者の願いや思いにしっかり寄り添うことが、自分の子どもを産み育てる自信や、その後のお母さんの子育てに対する覚悟というものにつながっていくと思います。ぜひ医療現場、大変な現場ではあるんですが、プラスアルファ女性の願いや思いを大切にお考えいただいて、外部との連携を積極的にお考えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、リード・マタニティー・ケアラーについてですが、この仕組みはまだ取り組まれて間がないということをお聞きしておりますが、先ほどお答えいただきましたように、助産師を選択する割合が9割という形でニュージーランドでは進んでおります。お産の伴走者としての仕組みが注目されているところでございます。
 日本においても、医療体制が様々な連携や子育て世帯包括センターの仕組みを生かしながら、おっしゃっていただきましたリード・マタニティー・ケアラーの取組をぜひ参考にしていただきまして、プラスアルファの近江八幡版のLMCみたいなお母さんに寄り添った取組をお考えいただければなと思います。よろしくお願いいたします。
 あと、SHIGA SMILE BABY PROJECTの件ですが、今年から始まった事業ですけれども、8月から募集をされていますが、このありがとうの贈物のプレゼントの募集の開始から約1か月で600人のお母さんが申込みをなさって、来年3月までの募集が継続されています。
 その中でも、先ほども冊子を作ってしまって入り切らなかったとおっしゃったんですが、その中でも商品を新たに追加することが可能とされていますので、私からも働きかけさせてはいただきますが、助産師情報等の追加を市として県への働きかけをぜひお願いしたいと思います。助産師さんの産後ケアの情報がさらに広域に発信できるようよろしくお願いいたします。これは要望とさせていただきます。
 次に、今現在実施されています産後ケア事業についてお尋ねをさせていただきます。
 現在、市内在住の3か月未満の子どもを持つ母親及び乳児で、産後の心身の不調や育児不安のある方を対象に、宿泊あるいは日帰りで医療機関や助産所が支援している事業がございます。
 この利用料金が記してありますが、利用しづらい、利用したくても諦めてしまわれるパターンがあるとお聞きしております。こういった産後ケアを活用したいと思われるお母さんは何らかの体調不良やしんどさを抱えていらっしゃる方だと思いますので、産後ケアのいわゆる利用者対象の縛りというものをなくしていただき、誰もが利用しやすいように改善をしていただきたいと思いますが、ご所見お願いいたします。
○議長(平井せい治君) 青木子ども健康部長。
◎子ども健康部長(青木勝治君) 山元議員の再問にお答えいたします。
 今お問合わせいただきました産後ケア事業につきましては、これまで市を実施主体とする任意の事業でございまして、本市では国の産後ケア事業のガイドライン及び滋賀県産後ケア事業実施要領に基づいて市の要綱を定めまして、平成28年度から実施をしてきたところでございます。
 しかし、近年の孤立しやすい育児環境等に鑑みまして、令和3年4月1日施行の改正母子保健法によりまして、当事業は市町村の努力義務という形に変わりました。その改正を受けまして、利用期間の拡大など、支援が必要と認められる場合には積極的に事業の利用勧奨を行う方針が示されております。そして、滋賀県ではそのことを受けて、7月15日に産後ケア事業の実施要領を一部改正されたところでございます。
 本市でも、法及び県実施要領の改正と、それから本市の現状も踏まえまして、来年に向けて見直しを予定しておるところでございます。
 また、本市も東近江のように条件を撤廃していただきたいというご指摘であったのかと思うんですが、東近江市は今年度新たに実施要項を定められたところでございまして、本市では28年度から東近江と同様の利用対象者を要件として既に実施しております。また、利用料につきましても東近江と同額で設定しております。
 なお、この事業には3類型ございまして、ショートステイ型、デイサービス型、そしてアウトリーチ型ということでございます。東近江ではアウトリーチ型の利用が多いということで聞いておりますけれども、本市ではこれまでショートステイ型とデイサービス型で実施してきたところでございますが、今後の見直しに当たりましては、サービス類型の整理、またアウトリーチ型のサービスの検討についてもしてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(平井せい治君) 質問ありますか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 産後ケア事業は今、国、県のガイドラインに沿って要綱を定められていることは承知しております。今、これから見直しをしていただけるということをお聞きしましたので、ぜひ市の要綱の中で、出産後ご家族等から育児の協力が得られない方という要件をぜひ外していただくことを要望させていただきます。ご検討をよろしくお願いいたします。
 次に、今年度新規事業でもあります多胎児家庭育児支援事業についてですが、現在の利用状況とこの周知方法はどのようになさっているのか、お教えください。
○議長(平井せい治君) 質問の途中ですが、ここでお諮りします。
 この際、議事の都合により、会議規則第9条の規定に基づき、本日の会議時間を延長したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(平井せい治君) 異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決しました。
 青木子ども健康部長。
◎子ども健康部長(青木勝治君) 山元議員の再問にお答えいたします。
 多胎児家庭育児支援事業は今年度新たに創設した事業でございますが、政策の検討段階から、多胎児を養育する保護者4組からお話を聞かさせていただきまして、大変だった時期、また必要だった支援、そして利用可能な自己負担額などについても伺いまして、これらを参考に制度設計を行ってきたところでございます。
 どの年齢にも子育ての大変さというのを伴いますし、また1歳を過ぎて歩き出してからの大変さも当然あろうかと認識でおりますけれども、現時点では見直しは時期尚早かということで考えております。
 今後、利用の実績とか、また当事者ニーズを踏まえまして、必要に応じて検討してまいりたいというふうに思っております。
 ちなみに、年間、多胎児のケースが平均4から5組ほどございまして、今年度7月スタートしてから現在利用については0件というような状況でございます。
○議長(平井せい治君) 質問ありますか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 まだスタートしたばかりの多胎児家庭支援事業なので、見直しは今のところはないというふうにおっしゃっていただいたんですが、できましたら、利用期間ですが、今ゼロ歳という利用期間になっているんですが、できれば1歳までの利用期間の延長をお願いしたいというお声をお聞きしております。ゼロ歳児までではまだまだ子育ては大変だと思いますので、ぜひ1歳児までの利用期間のご検討をよろしくお願いしたいと思います。これも要望とさせていただきます。
 続きまして、はちはぴひろばと子育て団体等の見える化についての部分で、はちはぴひろばとクレヨンの子育て団体の貸し館の活用状況をお教えください。
○議長(平井せい治君) 青木子ども健康部長。
◎子ども健康部長(青木勝治君) 山元議員の再問にお答えをいたします。
 担当課で把握している活動状況は、子育て支援センタークレヨンと、それから駅前の商業施設のはちはぴひろばでの貸し館による活動状況というふうになっておりますが、現在は緊急事態宣言下のため、どちらの貸し館も中止しておりますが、今年の4月からの実績につきましては、子育て支援センタークレヨンにおきましては延べ12団体210名のご利用がございました。また、はちはぴひろばにおきましては、延べ12団体120名の利用があったという状況でございます。
○議長(平井せい治君) 質問ありますか。
 山元聡子君。
◆5番(山元聡子君) ありがとうございます。
 様々な質問させていただきましたが、医療機関、助産師さんなどの連携に併せて、地域の先輩ママなどとのつながりもまたお母さんの仲間づくりの場として有効だと思いますので、今後とも子育て団体等の情報発信の様々な工夫をよろしくお願いいたします。
 中間支援機能の強化については、やはりこのコロナ禍で改めて中間支援の充実を図って、そういった組織の育成をしていくことが重要であると思いますので、引き続き検討とその推進をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、市庁舎建設について質問をさせていただきます。
 さきの議員の質問で、初問の部分は了とさせていただきます。
 そこで、私がお伝えさせていただきたいことを述べさせていただきたいと思います。
 今回の延長は、来年の選挙を見据えての議員の意見があったことを一つの理由になさっておりますが、私はその意見を延長の理由にされたことについては理解し難いものがございます。市民の意見をまだ十分に聞くことができていないことや、また十分に市民周知ができていないという、さらに市民の声を聞き、より慎重な検討を進めていきたいという積極的な理由で延期をされたものであるならば、それは本当に有効で大切なことだと理解いたします。
 しかし、その上程は次の市長選の後にするべきだという議員の意見に対して合わせられたとするならば、その意見については、私は議員側の都合によるものであり、市民不在の判断だと私は考えます。
 当局におかれましては、6月議会までも当局としては上程を遅らせる理由はなしとおっしゃってまいりました。しかし、議員のそういった意見で延期をされたわけですが、9月議会に上程されれば、議員も覚悟を持って審議し、しっかり決断をする、そして可決もしくは否決をされたとしたら、その結果を踏まえて市としては次の展開を考え、議員としてもその結果を踏まえ、しっかり市民周知、理解を求めるように動いていかなければなりません。
 前回の市長選においては、選挙前から大きな反対の声が上がっておりました。そんな中で市庁舎建設案が可決され、賛成した議員が、市民に対する説明責任を危機感を持ってそれぞれの議員が行動しなかった結果だったと、当時一市民であった私は思いました。
 一番大切にしないといけないことは、市も市議会も市民を不在にする進め方を決してしてはいけないということです。議員は責任ある決断、対応、行動をしていかなければなりません。
 小西市長及び当局の皆様にお願いしたいことは、今回の上程の延長をされた理由を、選挙戦の結果を踏まえてというところの部分を撤回していただきまして、改めて地域、市民周知と、もう一度市民の声を酌み取り、しっかり検討していただくための期間として、いま一度、本当にこの基本設計案で進めるのかも含め、再度真剣に庁舎案をお考えいただきたいと思います。
 新しいこの庁舎を早く建ててほしいというお声、一方で、もっとシンプルな建物にしてほしい、建物の向きを考えてほしいのお声も根強くあります。
 また、昨日も市民の方からお電話がございまして、危機管理の面からも、この建物では有事の際のスペースが小さく、余剰スペースをもう少し考えてほしいというお声をいただきました。
 私は、この延長された期間にぜひ市民アンケートを取っていただきたいと思います。できれば、現庁舎案基本計画と、様々なお声が出ている、もう少し考えてほしいという市民の要望の比較検討ができるようなアンケートを希望いたします。このアンケートを取ることにおいて、今の市庁舎計画案に賛成の市民の方からの要望も含まれており、早くアンケートを取ってほしいというお声もあります。ぜひ市民周知、市民理解を得る努力をしていただき、さらに市民の声も踏まえて、もう一度再検討できる部分は再検討していただきたいことを強く要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○議長(平井せい治君) 以上で山元聡子君の個人質問を終わります。
 以上をもって本日の日程は全て終了いたしました。
 明10日は定刻から再開し、個人質問の10番目、南祐輔君から続行することにいたします。
 本日はこれをもって散会します。
 ご苦労さまでした。
               午後4時54分 散会
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