録画中継

令和4年第4回(12月)近江八幡市議会定例会
12月12日(月) 一般質問
辻   正隆 議員
(1)部活動の地域移行について
(2)高齢者等の交通弱者に対する移動支援の確保について
(3)持続可能な農業について
◆13番(辻正隆君) 皆さんこんにちは。政翔会の辻でございます。
 議長のお許しが出ましたので、発言通告どおり、分割で大きく3つ質問をさせていただきます。
 まず初め、部活動の地域移行についての質問をさせていただきます。
 子どもの少子化ということで、また併せて教職員の方々のふだんの授業に加えて長時間かつ休日にも及ぶ部活動は教員の皆さんにとって大きな負担となってまいりました。このため、国では、来年度から3年間かけて、土日の部活動について、運動部だけでなく文化部も含めて学校の管理下ではなく地域のスポーツクラブや民間のスポーツ教室など地域移行を進めるということであります。いわゆる部活動改革であります。
 まずは公立中学校の休日の運動部活動を段階的に移行するとして、受皿には地域の総合スポーツクラブやスポーツ少年団、民間企業や保護者会などを想定し、来年度から3年間を改革集中期間として全国で具体的な計画の策定や実施を進め、平日は地域の事情や進捗状況に応じて次のステップへと位置づけるということでございます。また、合唱部や吹奏楽部など文化系についても、現在文化庁で有識者会議が、議論が進められており、近く同様の改革を求める見通しでございます。また一方、私立中学校では、学校の方針や事情が違うので、提言では適切な指導体制の構築を期待するなどの表現にとどまっております。また、高校におきましては、義務教育ではないことから部活動を理由に進学する生徒も多いことから、改善に取り組むことが望ましいという表現になるそうでございます。
 そこで、お聞きしますが、本市における基本的な部活動の地域移行についてのお考えをお聞きします。
 また、現在の取組状況についてもお聞きをさせていただきます。
 またあわせて、県では令和3年度から県内2市において部活動の地域移行に向けて試行的な研究事業を実施されたとお聞きをします。本年7月には市町教育委員会との情報交換や中学校へのアンケート調査等をされたと仄聞しますが、県下市町の状況についても併せてお聞きをします。
 以上、初問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○副議長(山本英夫君) 当局の回答を求めます。
 大喜多教育長。
             〔教育長 大喜多悦子君 登壇〕
◎教育長(大喜多悦子君) 辻議員ご質問の部活動の地域移行についてお答えします。
 1つ目の本市の基本的な考えと現在の取組状況についてお答えします。
 11月にスポーツ庁及び文化庁が学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン(案)を示し、12月16日まで意見募集を行っているところです。このガイドラインは、学校部活動の適切な運営や効率的、効果的な活動の在り方などについて国の考え方を示すものです。県は今年度中に取組方針、推進計画を示す予定ですので、本市ではそれを基に推進計画を策定し、段階的な地域移行に取り組むことになります。
 本市では、段階的な地域移行に向けて検討委員会を7月と11月に行いました。この委員会は、スポーツ推進課、文化振興課などの関係課のほかに学校関係者や地域コーディネーター、保護者代表の方で構成されており、それぞれの立場で意見を出していただきながら地域移行の方針や進め方について議論しています。本市としましては、勝利主義にとらわれない指導を基本とし、生徒がスポーツ、文化芸術活動に親しむことができる機会を確保したいと考えています。また、生徒たちが豊かな人間関係を育み、社会性を伸ばしながら自己肯定感を高めるといったこれまでの部活動が大切にしてきた教育的意義は、地域移行が進んでも継承したいと考えています。そのために、生徒や保護者、顧問や指導員の思いも酌み取りながら慎重に協議を進めています。
 したがいまして、本市では、本格的な地域移行は令和6年度から進めることとし、令和5年度は地域移行に向けての試行年度と位置づけて取り組むことを考えています。具体的には、試行する競技を幾つか指定し、既存の部活動の取組を残しつつ地域移行の要素である指導者の公募、市内中学生の自由参加などを行い、その実践を進めながら移行への仕組みづくり、受皿や指導者の確保、指導者への研修の在り方などを検討していく方向で準備を進めています。
 次に、県下の市町の状況についてお答えします。
 県内43校を抽出して県がアンケートを実施したところ、過半数の生徒が現在所属している部活動とは別の種目にも興味を示していることや教員にとって部活動の指導が負担になっていることなどが分かっています。本市でも今後生徒や保護者また教員にも地域移行に関わるアンケートを実施する予定です。
 また、県内で実践研究を行っている2市を含め他市町も、本市と同様に検討会議を行っているものの、県から示される取組方針、推進計画を待っている状況です。今月下旬に市町の担当者が集まり、進捗状況を交流する予定です。県や他市町と連携を図りながらこの課題に対応していきます。
○副議長(山本英夫君) 回答漏れはありませんか。
 再問ありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) 丁寧なご回答ありがとうございます。
 県の計画を待って随時進めていくということでありますが、本格的な部活動の地域移行は令和6年度から進め、令和5年度につきましては地域移行に向けての試行年度ということで、いわゆる準備期間に位置づけられておるということで回答をいただきました。3年間の中で集中期間ということで取り組んでいただくわけなんですが、いまいち将来的な姿、将来像がいまいちはっきりしないなっていうのが印象なんですが、そこのとこをもう少し説明をいただけますか。
○副議長(山本英夫君) 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 辻議員の再問にお答えします。
 国が進めている部活動改革の大きな意味での将来像としては、平日も含め部活動を学校教育から切り離し、中学生にとって多様なスポーツや文化に触れる豊かな活動の場を地域ぐるみでつくっていくことにあります。そのスタートとしてまずは休日の部活動の地域移行に取り組むことになりますが、今行っている競技や文化活動を優先して休日に行っていくのか、または近江八幡市として独自の活動をつくり上げていくのかも含め、多様な議論を慎重に行った上で休日の地域移行を進めていくことになります。その議論を進めていくためにまずは県が示す方針、推進計画を待っているところです。
○副議長(山本英夫君) 再問はありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ありがとうございます。県が示す方針を、推進計画を待っているということであります。来年の春、小学校6年生の子どもたちは中学校へと向かうわけです。中学3年間でクラブ活動がなくなるのか、クラブチームに行くのか移行先に行くのか、また中学校の部活動をするのかということで、実のところ小学校6年生のいろんなクラブをやっておるお子さんたち、子どもたちは少し迷いがあるそうでございます。現段階で保護者の皆さん方あるいはお子さんにはどういうような形で情報提供をされておられるのかお聞きをします。
○副議長(山本英夫君) 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 辻議員の再問にお答えします。
 現在行っている部活動は、大会も含め、市町を超えた範囲で交流する機会が多くあります。そのため、県教育委員会の方針、計画の下、市町間で連携調整を行った上で推進計画を立てるのが適切と考えます。議員ご指摘のように子どもたちや保護者に情報提供を行っていきたいと考えておりますが、県の方針が示されておらず、また移行は予算を伴うものでもあることから正確な情報を提示できない状況にあります。しかしながら、中学校に入学し、部活動に取り組み始めた子どもたちに影響を与えることはなるべく避けなければなりません。令和6年度から段階的に移行を進める予定ですが、移行期間においては可能な限り既存の部活動の体制を残しつつ地域部活動への移行を進めていきたいと考えています。
○副議長(山本英夫君) 再問ありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) 移行期間っていうのは、産みの苦労をする期間でもありますから、いろんな障害、乗り越えていかんならん部分があるかとは思います。その中で、子どもたちが中学校で部活動しようかなと、3年生になったときには下の子が誰も入ってきてないというような事態が起こりかねんこともあるかなというふうに思います。いつかの段階でしっかりと子どもたちまた保護者の皆さん方にはそういったことをしっかりとお伝えをいただきたい。今は県の計画待ちということでありますけども、いずれにせよ子どもたちのいろんな意味での迷いがないようにだけはお願いをしたいなというふうに思います。
 県では子どもたちまた指導員の方々そしてまた教職員の方にアンケートを取られたということで、私も担当課からアンケートの結果を頂きました。
 少し披露をさせていただきます。
 ざくっと全部読まさせていただきましたが、子どもたちも実に正直なところをお書きになっておられるな、また指導員として就かれた先生方についても率直な意見を、もちろん教職員の方もそうでした。
 少しピックアップさせていただきます。
 生徒さんでは部活動の指導について、これから移行をするということでございますので、その辺でアンケートをされたそうです。ほかの中学校の人たちと交流できてとてもよいと思うという意見が書かれてたり、また一方では自分の学校の人だけでいい、知らない人とやるのが気まずいからというようなご意見もあったりします。人と新しく関係を築くのが得意な人には新しい交流が増えると思う、でもなれない人の前だと心細くなって十分に活動ができないという心配をされてる生徒さんがおられる状況であります。また、部活動の指導員で既に入っておられる方々は、別に仕事をしている指導員としては平日の指導が難しいというようなお答えをされてます。また、講師と部活動指導員を掛け持ちしている場合、かなり負担があると、地域移行するのであれば平日でも全て地域に移行すべきであり、完全に部活動、学校と切り離すほうがよいなどの教職員の方々のご意見もあります。
 それぞれたくさんの、抽出数としては少ないんですけども、正直なところのご意見を述べられてるなっていうのが正直私の感想です。教育長、ここの部分、アンケート、目を通されたと思うんですけども、どういうご感想をお持ちですか。
○副議長(山本英夫君) 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 今辻議員がご紹介されたように、子どもたちの中にも自分の学校以外の人と交流できることは友達の輪が広がってよいとか、技術的にも学べるところが多いでいいと思っている子もいれば人間関係に心配を抱えてる子もいる、実態としてそういう子どもたちの意見も考えながら仕組みをつくっていかなければならないと思います。また、教職員にとりましては、土曜日曜に部活動を指導するということは今まで非常に負担が大きかったと思いますので、休日の移行をされることは大変ありがたいという意見もこのアンケートの中にありました。ただし、その中で起こってくる子どもたちの人間関係のトラブルとか、そういうものを誰が責任を持ってまた解決していくのかということも課題であるかと思いますので、この部活動の地域移行については教職員そして子どもたちそして保護者の方、そして地域の今後携わってくださる方や指導者、いろんなことを考えていかなければならない。やはり課題が多い事業だなというふうに改めて考えているところです。
○副議長(山本英夫君) 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) そのとおりだというふうに私も感じます。既に課題抽出も済まされておられると思います。受皿となるスポーツチーム、クラブチームあるいは地域の方々、OBの方々、保護者の方を含めてその受皿となるのをつくるって、これ、大変なことやというふうに私も理解をします。また一方では、場所の確保とか、また移行した先でいろんなトラブルがあったときにはその問題が恐らくまた中学校、先生方に跳ね返ってくる状況があったりと、大変苦労されるんやないかなっていう思いも持ってます。また、経済的な理由でクラブをやりたくてもやれないお子さんが出るようなことがあってはならんことでありますし、その辺の課題も大きく今後課題として上がってくるであろうというふうに思います。
 再問させていただきます。
 部活動の地域移行を進める上でたくさんの課題があることは既に精査されてるということだと思います。その課題の中で、地域移行を進める上で国、県の補助事業の状況についてお聞きします。
 また、その補助事業の期間についても併せてお伺いをします。よろしくお願いします。
○副議長(山本英夫君) 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 辻議員の再問にお答えします。
 国は、地域移行を円滑に進められるように新規の補助事業を計画しています。内容としましては、学校、指導者、保護者との連絡調整を行うコーディネーターの配置や指導者への謝金、また活動場所となる社会体育施設の会場使用料等です。これからは、国、県、市が3分の1ずつ負担することとなります。また、受益者負担の考え方から活動の会費を保護者が支払うことが前提となりますが、経済的に困窮する世帯への補助も行う予定で国、市が2分の1ずつ負担することになります。令和5年度は、移行に向けた試行年度として必要な予算を新年度予算として計上していきたいと考えています。
○副議長(山本英夫君) 再問はありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) 国もいろいろとサポートがあるようですけど、これは3か年のことでしょうか、4年後、5年後、軌道に乗るまで予算としては国の補助事業っていうのがあるわけなんですか、期間について、そこのとこだけよろしくお願いします。
○副議長(山本英夫君) 回答を求めます。
 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 予算については原則3か年となっております。
○副議長(山本英夫君) 再問ありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ということは、3か年の後、集中期間で改革して、4年後以降はそういった補助金はないという理解をさせていただいたらいいということなんですよね。
○副議長(山本英夫君) 答弁。
 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 現在のところ未定、決まっておりません。未定でございます。
○副議長(山本英夫君) 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) 今日まで教職員の皆さん方のボランティア、また学校施設のそういった施設、会場、借り上げも含めて、そういった部分で部活動っていうのは成り立ってきておったわけです。これが地域移行になると、指導に当たっていただく方々への謝金といいますか、それなりの報酬等が発生していくでしょうし、会場の借り上げ等についても料金が発生してくるということになるんでしょうね、これ。細かな計画等がまだ策定できてないということなのでこの部分の質問は差し控えさせていただきますけども、地域移行を進める上で大きく課題になるのがやはり予算面であるかなっていうふうに私も思いますので、この部分についてはしっかりと国に継続してやっていただけるような、国から主体のシステムをつくっていただくのがいいのかなっていうふうに思います。
 次の再問に入らさせていただきます。
 やはり地域移行を進める上で指導者の確保っていうのは私も大事なことであるというふうに思います。特に移行期間におきましては、現在部活動指導員ということで補充を、各中学校お一人ずつでしたか、補充していただいているということでございますけども、あわせて教職員の方々にも部活動、クラブ活動の指導者としてやっていきたいという意思をお持ちの方が私もおられるというふうにも思います。そういったことから、現状教職員の方の兼職兼業の法的な整備状況についてはどのようになっておるのかお聞かせください。
○副議長(山本英夫君) 大喜多教育長。
◎教育長(大喜多悦子君) 辻議員の再問にお答えします。
 現在意見募集中のガイドライン案に記載されていますが、ガイドライン公表時に兼職兼業について国が手引書を示すことになっています。それを踏まえ、県教育委員会の指導の下、地域部活動での指導を望む教員が円滑に兼職兼業の申請を行い、認められるように運用の改善を図る予定です。
 なお、教育委員会としましては、人材を確保する観点から部活動指導員も増員していきたいと考えています。
○副議長(山本英夫君) 再問ありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ありがとうございます。この3年間で令和5年は準備期間、あるいは6年から移行期間というふうに移ってまいります。その中で、一番大事に目線として持っていただきたいのは、先ほど初問の回答にもございましたが、部活動っていうのは、本来今日まで学校教育の中の社会教育的な観点での部活動の在り方っていうのは私も大事かなっていうふうに感じております。夢を持って子どもたちはいろんなスポーツ、いろんな文化事業に取り組んでまいります。全ての子どもたちがオリンピックに出られたらいいんだけども、全ての子どもたちがワールドカップに出られたらいいんだけども、そうもなかなかいかないのもこのご時世です。この時代でもあります。だけど、それぞれのステージの中で、私は市民野球が、そこがオリンピックであるというレベルのそれぞれのオリンピックというのが存在するというふうに思います。いろんな機会を通じて、子どもたちにはスポーツを通じてあるいは文化を通じて、その中でしか経験できないということもやっていただきたい。しっかりと地域移行を進めるにおいては、なかなか地域クラブには、敷居が高いよねというような子どもたちもおるかというふうにも思います。義務教育の中での部活動、これはしっかりと継承されていくというふうに教育長も、初問の回答でございましたので、私もその方向でしっかりと進んでいただきたいというふうに思います。
 近江八幡市では、11月7日でしたか、成蹊スポーツ大学と提携をし、地域スポーツの振興、あるいはいろんな意味での活性を図るということでされました。今までのこのやり取りの中で小西市長のいろいろと教育に対する思い、また部活動、地域スポーツ、この辺について、私はできたら成蹊スポーツ大学から、短期的でもいいですから、指導者の方を呼んだり、いろんな意味での交流が深められたらいいななんてふうに思いますけども、まず教育関係の地域部活動の地域移行についての小西市長のお考え、所見がございましたら、どうぞよろしくお願いします。
○副議長(山本英夫君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 辻議員の再問にお答え申し上げます。
 スポーツに取り組む方っていろんな方がいらっしゃって、楽しみでやられる方、また成長でやられる方、それからまた競技力の向上を目指される方、いろいろいらっしゃると思います。そういう中で、今の教育現場と、そしてまたこの地域のスポーツクラブっていいますか、それぞれ特徴を生かしながら併存というか、うまくやっていければいいかなっていうふうに今は思っております。現実、地域への移行っていうのは非常に課題が多い、難しい状況だというふうに思っております。実際運営されたことがない方が言うておられるなっていうふうには思ったりするんですけど、実際やっておられる市町っていうのもあるのは知っておりますので、そういう中でどういう形が最良なものになるのかまた考えてまいりたいと思います。
○副議長(山本英夫君) 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ありがとうございます。3年間の集中期間ということでもございますが、その間にいる子どもたちは随分と迷いも生じるでありましょうし、今後の形っていうのが早い段階でお示しをいただけるようにまた検討協議を重ねていただいて進めていただければというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。
 次の質問へと移らさせていただきます。
 大きく2つ目の質問として、高齢者の交通弱者に対する移動手段の確保についてということで質問をさせていただきます。
 最近私もこの要望を受けることが大変多くなってまいりました。質問に入らさせていただきますが、本市においても、急速な高齢化と子と同居世帯の減少などにより高齢者等の交通弱者の移動手段をどのように確保するのかが重要な課題となってまいりました。加齢によって身体機能や認知機能が低下し、マイカーを運転を続けることが大変難しくなる一方、地域の移動手段としてバス等の公共交通は衰退し、安心して出かけることが難しくなってきておる世代の方もおられます。本市では、市民バス(あかこんバス)でありますけども、交通空白地の解消及び地域における交通弱者の移動手段の確保など公共交通網の構築に今日まで取り組んでいただいておるところでございますが、移動環境は十分整っていないと独り暮らしの高齢者の方や老親と離れて暮らすお子さんから、また高齢者の生活支援に当たっておられる関係者の方々からは改善を求められるお声を地域の皆さん方よりいただいておるところでございます。
 急速な高齢化と高齢単身世帯、夫婦のみ世帯の増加等、高齢者の家庭環境も大きく変化してきています。移動に関しては、大きな影響を与えているのが子と同居している高齢者世帯の減少であります。厚労省の調べでは、国民生活基本調査によりますと65歳以上の高齢者がいる世帯の家族構成は1986年時点では未婚の子と同居や3世代同居が全体の過半数を占めていたそうでございます、単独世帯や夫婦のみ世帯は合わせて3割程度だったと。しかし、社会情勢の変化により若者の都市部への流出などが進み、2019年には単独世帯と夫婦のみ世帯の合計が全体の約6割に上っています。同居する子がいれば買物や病院まで送迎を頼むことができるのですが、それができない高齢者が増えてるということでございます。そのためか高齢者のドライバーの人数も増え続けてる状況であり、警察庁の調べによりますと75歳以上の運転免許保有者は2002年、20年前ですね、175万人だったそうでございます。2019年には583万人まで増加している状況です。最近においても、高齢者ドライバーが加害者となる悲惨な状況のニュースを耳にいたします。
 社会情勢の変化とはいえ、高齢者の方が住み慣れた地域で安心して暮らすことのできる環境を整えるのは、私はこの責任は国であるというふうに思います。また、地方自治体のこれが責務であるというふうに感じております。当市においても地域交通網のさらなる充実を図るべきと考えますが、所見をお伺いします。初問とさせていただきます。
○副議長(山本英夫君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 辻議員ご質問の高齢者等の交通弱者に対する移動手段の確保についてお答えを申し上げます。
 本市におきましては、交通空白地域の解消を目的に平成20年4月より市民バス、いわゆるあかこんバスの運行を開始、現在12路線を運行しております。また、議員がご指摘いただいたとおり、全国では人口減少及び高齢化が進んでおり、総人口の3割、約3割を高齢者が占めている状況でございます。本市においても同様でございます。今後は、さらなる少子・高齢化により交通弱者の増加が予想されるところでございます。
 このような状況から、高齢者はもちろんのこと、障害者等の交通弱者への支援策として市民バスを含めた既存公共交通機関を補完する仕組みを構築することが課題となっており、現在課題に向けて検討を重ねさせていただいてるところでございます。今後もより地域と生活に密着した形での交通弱者の外出機会を確保し、誰もが安心して移動することができる地域交通の実現に向けて、市民バスの運行形態も含め、様々な視点から具体的な施策について検討を進めてまいりたいと考えております。
 早い時期に実証的な実験を重ねながら経験を積み上げていって、本当の市民の方に満足できるような形のものをつくり上げたいと思います。場合によってはこちらから出かけていくという、最近宅配等もございますので、いろんな形のもので生活をお支えするような形のものを試行していければと思っております。
○副議長(山本英夫君) 回答漏れはありませんか。
 再問はありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ご回答ありがとうございます。地域交通の構築を現在考えておる、また来年度に向けての取組ということで検討をいただいてるということでございました。少しハウリングして聞き取りにくい部分がちょっとあったわけなんですけども、まちづくり協議会にまちづくり協働課からアンケートを出されたというふうにお聞きしました。地元のコミセンでそのアンケートの内容も拝借し、アンケートの結果も手元にあるわけなんですけども、このデータから読み取れる部分、どのように分析されておられるのか、またこの取組、少し分かりにくいとこもございますので、高齢者の移動支援について各地域でどのような取組をされているのか、またそれに関わるいろんな課題、現状の課題等があるかと思います。そこの部分について再問をさせていただきます。
○副議長(山本英夫君) 長村福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(長村周作君) 辻議員の再問にお答えします。
 地域における高齢者の移動支援につきましては、近江八幡市社会福祉協議会で取組を進めていただいております学区域生活支援活動や見守り支え活動の一環として実施していただいてるところであります。取組の現状といたしましては、学区単位、自治会単位でそれぞれ3か所におきまして通院や買物などの送迎支援を実施されておられます。また、一月の利用回数は1回から10回程度、自治会単位での実施においては仕組みはあるものの利用実績がないところもあると聞いております。
 地域が主体となり実施されている移動支援の課題といたしましては、ボランティアでの活動になることから利用する側が支援していただいている方に遠慮や気兼ねをされることで利用を控えられる傾向があり、利用数が伸びないという状況があります。また、支援する側の課題といたしましては、支援者の高齢化や担い手不足、事故等への不安感などの心理的な負担、車両の確保、保険代、ガソリン代などの費用負担が課題となっております。
○副議長(山本英夫君) 再問はありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ありがとうございます。各地域でそれぞれやっておられるのかなっていうふうな思いもありましたんですけども、取組をされてるところとないところ、取組をされてるほうが少ないような状況です。こういった支援については、ボランティアということでございますので、なかなかそのボランティアのスタッフを集めるっていうのも大変でしょうし、また先ほど回答にもございましたとおり、それを運営していくに当たっては一番にはやはり車の確保、また保険であったりとか交通事故等もやっぱり心配にもなってるかなというような思いもございます。
 その中で、少し探させていただきましたら、経費の負担の軽減になるのかなっていうような思いで探しておりましたら、訪問型サービスDっていうのが福祉であるようでございます。これは、道路運送法で許可登録が不要とされる自家用車を使った高齢者の通院や買物等の移送前後の生活支援を行うサービスということで、それぞれの活動について有償も可、ただし運送に対しては無償というルールということでありますけども、こういった取組については近江八幡市の状況についてはどうなっておるのか再問とさせていただきます。
○副議長(山本英夫君) 長村福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(長村周作君) 辻議員の再問にお答えします。
 総合事業の訪問型サービスDとは、通院等における送迎前後の付添支援を行うものと住民ボランティアが主体で運営して運動等の活動を行う通所型サービスBや通いの場への送迎支援を実施するものがございます。利用対象者につきましては、いずれも主に要支援1、2の認定を受けた方及び総合事業の基本チェックリストによる事業対象者となります。
 本市におきましては、平成29年度、平成30年度に介護予防や通いの場への参加を促進するため、通所型サービスBの実施と実施場所まで行く手段としまして事業所による送迎支援の訪問型サービスDと併せた実施を検討しております。しかしながら、通所型サービスBにつきまして、ボランティアの確保や専門職の介入がないことに対する不安等の課題があることから実施が困難になり、あわせて訪問型サービスDにつきましても介護支援事業所等の送迎に係る人員不足等から事業所等に送迎支援を実施していただくことが難しいことや総合事業の制度上、運転する行為への人件費について補助ができない等の課題があることから現在まで実施に至ってはございません。
○副議長(山本英夫君) 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) 介護型支援の中でのDというサービスっていうことなんでしょうか。私は、これの事業は各学区、少ないですけども、取り組んでおられる内容にあてがうことのできる制度なのかなっていう勘違いをしてるんやけども、できないという理解をしたらいいのかな。すいません。
○副議長(山本英夫君) 長村福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(長村周作君) 今の回答の中に答えさせていただいたんですけども、この総合事業訪問型サービスDにつきましては、対象者が要支援1、2の認定を受けた方及び総合事業の基本チェックリストによる事業対象者となります。今各自治会等で行っていただいてる送迎支援につきましては、高齢者の方全般になりますので、そこの対象者としてのハードルが少し高くなってくるということで、今はそこにはなじまないということでさせていただいております。
○副議長(山本英夫君) 再問はありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) 理解させていただきました。
 私、手元にまた資料を取り寄せさせていただきました。年度ごとにまとめられた、いわゆる各学区の高齢者率っていうやつなんですけども、高齢化率、65歳以上の高齢化率、近江八幡市の平均は27.8でございます。ちなみに、私のとこの住みます島学区は34.7、大変高い部類に入ってまいります。一番高いところがやはり沖島町の65.4%ということでございます。また、75歳以上の割合を見ますと、平均は14.1%、私のとこの住まいします島学区で16.5%、これも平均を上回ってます。ちなみに、沖島町では30.9%ということでございます。
 よく資料をまとめていただいてるんですが、ここで私、注目すべきところが高齢者のみの暮らし率ということで、近江八幡市の合計は高齢者の方、いわゆる65歳以上の方っていうことになりますけども、18.1%っていうことでございます。ちなみに、私のとこの住まいします島学区は19.78%ということでございます。これも平均を上がっておるわけです。しかしながら、各学区を見ますと、平均、高齢化率はそれぞれ強弱があるわけなんですけども、65歳以上の高齢者住まいっていう率はそれほどあまり変わらない状況がここに見受けられます。
 高齢者の移動支援っていうのは、高齢者の望まれる移動法の嗜好もあるんでしょうけども、私のとこの島学区でしたら医療機関からは遠ございますし、また日常の物品、食事も含めて、買い出しに行くとこも少ないということでございます。先ほどのアンケートにありましたとおり、そういった移動支援を考えておられる状況のところっていうのはそれなりの生活する状況の中にいろんなものがそろってないところがやはり多いようでございます。
 開会日、個人質問初日のほかの議員の方からの質問にあった内容なんですが、安土の福祉バスの今後の方向性とかという話の中で、たしか回答では、私、拡大解釈になるか分かりませんけども、福祉バスのいいところを残した中で新たな充実を図って市内全域に進めると、広めると、ていうような回答やったというふうに理解をするんですけども、先ほど初問の回答にもありましたけども、そういった形で各学区を対象に広げていかれるという解釈でよろしいんでしょうか、そこのところを再問させていただきます。
○副議長(山本英夫君) 田村市民部長。
◎市民部長(田村裕一君) 辻議員の再問にお答えをいたします。
 今私どもでいわゆるあかこんバスとか公共交通を補完する形で移動手段が確保できないかっていうことで検討させていただいているところでございます。これは、福祉部局であったりとかそれからまちづくり企画部局、そこに交通部局も一緒に入りながら、いろんな角度から状況を見ながら検討してるというところでございます。特に先ほど長村理事からも答弁がございましたように、それぞれの学区や自治会さんで今取り組んでいただいてる部分にもやっぱり何かしらの課題なり難しい部分をお抱えのところもございますので、そういったところの情報も共有しながら、ではどういった移動支援を行政としては考えていけるかと、こういうところを今させていただいてるところでございますので、安土の福祉バスを云々ということではなく、一つの新しい全体のものとして考えていきたいなっていうことで今現在協議を重ねてるという状況でございます。
○副議長(山本英夫君) 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ありがとうございます。ぜひその部分、取組を来年度進めていただきたいというふうに思います。また、自助、公助、共助と言われる中で、地域支援というものの中での支援もやっぱり必要になってこようかと思います。そういったところの支援ができるんであれば支援の仕組みをつくってやっていただきたいなというふうに思いますし、まず対症療法的になるか分かりませんけども、あかこんバス、今運営していただいてる内容を少し形態を変えていただき、ルールを変更になるか分かりませんけども、交通弱者の皆さん方が乗りやすい状況っていうのを模索をしていただきたい、このように考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げまして、次の質問へと入らさせていただきます。
 大きく3つ目としまして、持続可能な農業についてということで質問させていただきます。
 農業を取り巻く状況は、ここ3年でコロナ禍に始まり、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安等を受けて燃油、肥料、飼料等の調達コストが上昇する一方で、米価の農産物価格が低迷するなど、これまでに経験したことのない厳しい状況にあるわけであります。特に農業生産に欠くことができない化学肥料があります。化学肥料の価格の高騰は、農業経営に大きな影響を及ぼしてるところであります。今回議会にも上程して頂いております肥料価格高騰対策事業で、事業者が負担すべきところの3割分を国が7割、また残りの3割を県が2割、市が1割という支援をいただける議案を上程していただいております。大変ありがたい支援だというふうに考えておりますが、国の肥料価格高騰対策事業は既に始まっております。当市の独自支援の申請スケジュールについてお伺いをいたします。
 しかしながら、またこうした補填は、措置は緊急的なものであり、長期的には抜本的な対策が不可欠であるということは間違いのないことでございます。国では、みどりの食料システム戦略では2050年には化学肥料の使用量を30%低減するという目標を挙げておられます。当市の農業が持続可能な農業を目指す上で当局のお考えを併せて初問としてお伺いをいたします。よろしくお願いをします。
○副議長(山本英夫君) 当局の回答を求めます。
 小西産業経済部長。
             〔産業経済部長 小西勝己君 登壇〕
◎産業経済部長(小西勝己君) 辻議員お尋ねの持続可能な農業についてのご質問にお答えします。
 1点目の肥料価格高騰対策事業の市独自支援の申請スケジュールのご質問でございますが、本会議でご可決いただきましたら、補助金交付要綱を定め、1月下旬頃からの受付、随時交付を予定しております。また、本事業の周知については、肥料販売店、JA、市の広報、ホームページ等を通して広く周知してまいります。
 2点目の持続可能な農業を目指す上での市の考え方についてですが、議員ご承知のとおり、国では持続可能な食料システムの構築に向けみどりの食料システム戦略を策定され、中・長期的な観点から調達、生産、加工、流通、消費の各段階の取組とカーボンニュートラル等の環境負荷軽減のイノベーションを推進することとされており、環境と調和した持続可能な食料、農林水産業、化石燃料からの切替えによるカーボンニュートラルへの貢献、化学農薬、化学肥料の抑制によるコスト低減等を通じて将来にわたり安心して暮らせる地球環境の継承につながることが期待されております。このような状況の中で、滋賀県においては、県内の全19市町が共同でみどりの食料システム法に基づく基本計画として本年10月に滋賀県みどりの食料システム基本計画を全国に先駆けて策定し、環境負荷低減事業活動の促進による環境負荷の低減に関する目標並びに求められる事業活動、実施に当たって活用されることが期待される基盤確立事業の活用、生産された農林水産物の流通及び消費の促進等に関する取組を掲げており、目標達成に向け取り組んでまいります。
○副議長(山本英夫君) 回答漏れはありませんか。
 再問はありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ありがとうございます。
 再問させていただきます。
 農業資材、燃油、飼料、農薬、肥料と過去にない高騰が農業経営を直撃しております。本市の農業も、稲作体系の中での大きな農業経営をされてる方々もおられますが、このような影響はどういう状況を及ぼしてるのかお聞きします。
○副議長(山本英夫君) 小西産業経済部長。
◎産業経済部長(小西勝己君) 辻議員の再問にお答えします。
 全国的にも農業従事者の高齢化や後継者不足により離農が進むなど喫緊の課題がある中、昨今の農業資材の高騰は農業経営に追い打ちをかけ、大きな打撃を与えているものと認識しております。とりわけ農産物は、生産コスト上昇による価格転嫁が難しいため農家の自助努力だけでは補えないことから、このような状況が長期化しますと営農意欲の減退はもとより、農業経営が成り立たなくなり、ひいては離農を加速させるものと危惧しております。
○副議長(山本英夫君) 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ありがとうございます。稲作中心とした穀物体系の本市農業には、持続可能な農業に向けての対策っていうのは当局としてはどのようにお考えなのかお聞かせください。
○副議長(山本英夫君) 小西産業経済部長。
◎産業経済部長(小西勝己君) 辻議員の再問にお答えします。
 本市の農業は、稲作を中心に、麦、大豆などを合理的に組み合わせた土地利用型農業が展開されていますが、毎年主食用米の需要が減少し、米価が下落する等厳しい経営状況に置かれているため、需要に応じた米の生産、販売による売れる米作りを進めるとともに、麦、大豆、飼料用米のほか、野菜や果樹等の高収益作物への転換が必要であると考えております。このことから、今後におきましても市農業再生協議会をはじめJA、関係機関と連携し、持続可能な農業を目指して麦、大豆、飼料用米や高収益作物等への転換を推進してまいります。
○副議長(山本英夫君) 再問ありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ありがとうございます。
 初問の回答にもありました、滋賀県みどりの食料システム基本計画の目標に向けて取り組むということでございますが、具体的な取組についてのお考えがあればよろしくお願いいたします。
○副議長(山本英夫君) 小西産業経済部長。
◎産業経済部長(小西勝己君) 辻議員の再問にお答えします。
 滋賀県みどりの食料システム基本計画の目標に向けた具体的な取組例として、環境負荷低減事業活動として求められる事業活動については、化学合成農薬の効果的な使用、ICT導入による細やかな用水管理、肥培管理等の取組の推進を通じて環境こだわり農産物の生産の安定化と拡大を図ること、実施に当たって活用されることが期待される基盤確立事業の活用ではスマート農業をはじめとする先端技術の導入等を促進するため関係事業者、団体と連携協力しながら取組を進めること、生産された農林水産物の流通及び消費の促進等に関する取組においては環境こだわり農業及び環境こだわり農産物への理解促進と利用拡大につなげる取組等を推進してまいりたいと考えております。
○副議長(山本英夫君) 再問ありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) 私の会派は、再生可能エネルギーといいますか、有効な地域資源ということで今日までいろんなところで検証を重ねてまいりました。最近行きましたのは、バイオマスタウン構想ということで、地域資源の中で着目したのが畜産関係のふん尿ということで取組をさせていただきました。もっとも、もう2年前になるわけなんですけども、現在国、世界的な状況を見ますと、畜産関係の排せつ物を使った有機肥料の加工っていうのが着目をされておる状況がございます。
 そこで、再問させていただきますけども、本市で有効な循環型資源として家畜排せつ物がございます。家畜の耕畜連携による家畜排せつ物の堆肥としての利用の状況についてはどのような状況になっておるかお聞かせをください。
○副議長(山本英夫君) 小西産業経済部長。
◎産業経済部長(小西勝己君) 辻議員の再問にお答えします。
 本市における耕畜連携による利用状況につきましては、個々の契約に基づくものでございますので把握はできておりませんが、滋賀県において、地域環境に配慮した健全な畜産の発展と資源循環型農業の確立を図るため、毎年7月1日現在における家畜排せつ物の利用状況等の実態調査が行われております。市町ごとの利用状況は公表されておりませんが、令和3年7月1日現在における滋賀県下の家畜排せつ物の利用状況につきましては、牛、豚、鶏を合わせ、家畜排せつ物発生量24万9,800トンに対し、堆肥料は16万6,900トンで家畜排せつ物の66.8%が堆肥として利用されております。また、その内訳は、自己所有圃場の還元は全体の31.9%、耕畜連携による利用、いわゆる他人所有圃場の還元は68.1%でございます。
○副議長(山本英夫君) 再問はありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) 堆肥の、畜産堆肥の肥料成分としてはたしか2%、2%、2%、窒素、リン酸、カリのことなんですが、先ほども申しましたように肥料の価格が本当に高くなってるのが現状であります。特にリン鉱石またカリウムと言われる部分、これについては多くは中国からの輸入ということに頼っております。全ての肥料の原料となるものは、日本の場合は資源がございませんので、100%に近いほどの輸入に頼っております。世界情勢の中で、ロシアとウクライナの状況により随分とその流通も変わってしまったのが現状であります。そこで、国も着目しておるのが、下水道でしたら残土となる汚泥の加工からリンを抜くというようなこと、その中で私ども、畜産の堆肥のペレット化、この事業はこの時期にはこれまた取り組まなきゃいかん、研究していかなあかん事業かなっていうふうにも感じてます。その辺についての所見があれば、どうぞよろしくお願いいたします。
○副議長(山本英夫君) 小西産業経済部長。
◎産業経済部長(小西勝己君) 辻議員の再問についてお答えいたします。
 堆肥の施用については、土壌の透水性、保水性、緻密度、養分の補給や保持力をはじめ、土壌生物の多様性を改善するほか、土壌中の炭素の貯留を通じた地球温暖化の防止や有機性資源の循環利用の促進など、重要な役割を果たしております。また、堆肥を用いた土作りは、農地土壌に由来する生産力を向上させるなど持続的な農業生産に欠くことができないものと考えており、堆肥のペレット化は散布作業の省力軽労化をはじめ、堆肥の広域的な利用が期待されます。このため、家畜排せつ物を適正に処理し、有機質資源としての利用を促進することが本市畜産の健全な発展に不可欠でありますことから、関係機関、生産者等と連携を図りながら家畜排せつ物の利用促進に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
○副議長(山本英夫君) 再問ありませんか。
 辻正隆君。
◆13番(辻正隆君) ありがとうございます。取組を推進するということで力強いお言葉をいただきました。家畜排せつ物、堆肥、いわゆる堆肥を地べたに投入することによって肥料成分、当然ありますねんけども、随分とこの管内、そういった行為がなされてなかったことから今まであった地力を使い果たしている状況にあるというふうに聞いております。ペレット化を進めることによって汎用もしやすくなると思います。
 またこの続きは3月議会でさせていただきます。質問を終わらさせていただきます。
○副議長(山本英夫君) 以上で辻正隆君の個人質問を終わります。
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