録画中継

令和6年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月5日(火) 一般質問
青木 勝治 議員
1 高齢者補聴器購入費用助成について
  ①高齢の難聴者の補聴器装用と認知症予防のエビデンスについて
  ②老人性難聴(感音性難聴)の聞こえの特徴について
  ③「語音明瞭度」不良に対する補聴器の装用効果について
  ④難聴者への医師による診察・診断について
  ⑤補聴器購入及び装用、リハビリ等について
  ⑥制度化のプロセス、手順について
  ⑦制度スキームに係る助成金等について
  ⑧制度スキームに係る対象について
  ⑨制度スキームのボリュームと事業の継続性について
  ⑩施策効果の検証方法について
  ⑪耳垢除去等の耳の健診について
  ⑫補聴補償に加え、集団補聴システム、筆談等の情報保障の強化について
◆4番(青木勝治君) 皆さんこんにちは。育成会の青木勝治でございます。どうぞよろしくお願いします。
 議長のお許しをいただきましたので、一括方式にて質問させていただきます。
 冒頭に、能登半島地震でお亡くなりになられた方並びに被災された方に心からご冥福とお見舞いを申し上げます。
 また、現地で支援活動をされた方々に感謝を申し上げます。
 それでは、予定していた質問の多くにつきましては、松村議員の代表質問に盛り込んでいただきましたので、個人質問では高齢者補聴器購入費用助成に絞って細かく質問させていただきます。
 本件は経緯があり、令和元年6月定例会におきまして認知症の予防につながるなどの理由で会第6号加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書が提出されました。質疑があり、回答では明確にならない点もあり、教育厚生常任委員会で審議されても賛否が分かれましたが、委員長報告に対して質疑があり、反対、賛成討論がある中で採決では起立多数で可決されました。
 議事録の意見を集約してみますと、加齢性難聴は認知症の原因になる。国において補聴器装用の効果について慎重に調査検討されている。また、意見書は地方自治法第99条において議会の議決に基づき、議会としての意見や希望を内閣総理大臣等に提出できることとされているもの。つまり、制度創設の判断は国の問題であって、市議会として内容のエビデンスや費用対効果の視点で審議するものではなく、意見書という枠組みの中で反対する立場にないということでございました。
 我が国では、急速な高齢化の進展に伴い、令和7年には約700万人、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると見込まれています。認知症は誰もがなり得るものと認識の下、平成27年には総合戦略、新オレンジプランを、令和元年には推進大綱が策定され、令和6年1月には認知症基本法が施行されました。今後、国策定の基本計画を踏まえ、市には推進計画策定の努力義務が課され、認知症施策推進に取り組むことになっています。厚生省は、新薬レカネマブを初の治療薬として正式承認し、公的医療保険の適用としたところでもございます。
 本市では、予算の見える化として予算編成過程を公開しています。要求段階で所管課は、高齢者補聴器購入費用助成を80万円の新規事業として計上し、対象者は所得制限つきでした。通常は、予算査定の中で積算根拠等の事業精査をされるため、一般的には要求に対して内示額が減ることがあっても増えることはまれです。しかし、市長査定後に上程された予算案では、要求額が150万円に増えて、対象者は所得制限もなくなっています。なぜ増えたかは分かりません。
 国の補助はなく、財源は全額市費で、好調なふるさと納税から全額活用です。ふるさと応援基金の充当事業ならば、少なくとも3年間の事業実施と思われますが、この主の費用助成や給付事業は一旦始めるとなかなかやめるという判断は難しくなります。実際に、外部委員による事業検証において、要改善等の意見が付された事業でもずるずると継続されているケースが散見されてきました。
 本市でも、市民の経済的負担の軽減を図る施策には数多く取り組んでいます。例えば、子ども医療費無料化や学校給食費無償化については、国の対応を待っていられないので先駆けて取り組み、評価されています。また、同じ市単費予算事業としては、自転車用ヘルメット購入補助事業があります。ほかにも生ごみ処理機購入補助金交付事業があります。新年度予算案では、省エネ家電買換え支援補助金交付事業に率先して取り組もうとされておられます。これらの事業は、いずれも政策目的が明確であり、私は大賛成です。実施による促進効果こそあれ、実施における有害事象があるわけでもなく、実施上の体制不備が懸念されるものでもなく、反対する理由は見当たりません。
 しかし、補聴器の購入費用助成は、施策目的を認知症予防としていますが、補聴器を装用すれば達成できるというエビデンスが明確に確立している状況にはございません。国においては、認知症としての補聴器装用についてはいまだに制度化や予算化はされていません。今、本市において先駆的に取り組むべき施策なのか、医療や補聴器取扱いなど適切に支援できる体制にあるのかなど、多数の疑問点があり、私は時期尚早と考えております。
 次年度に向けて市長は、市政運営で4つの行動指針を示されました。いずれも公務員の取組姿勢のあるある問題に対して改革を求めるメッセージとして私も大変共感できるものでございます。しかし、この指針をこと補聴器の購入費用助成に当てはめて考えてみた場合、私の考えは違います。補聴器は、ヘルメットでも生ごみ処理機でも冷蔵庫でもありません。管理医療機器です。直接体に装用することから、よくも悪くも大きな影響を与えますので、施策化には何よりもエビデンスの有無が大きな判断ポイントになると思います。トライ・アンド・エラーを繰り返すやトップランナー集団を目指す、まず取り組み走りながら考えるのでなく、さすがにエビデンスに基づいて慎重にしっかり判断して取り組むことが重要な事業と考えております。
 また、補い合い助け合う指針に基づくならば、障がい福祉課が所管する障害者総合支援法による聴覚障害者への補装具費支給としての補聴器との整合性、また軽度・中等度難聴児補聴器購入費等助成事業との隙間部分に陥る対象者はいないかなど、縦割り行政の弊害から検討された結果なのでしょうか。残念ながら、私にはそのように見受けられません。
 一般会計予算430億円のうち当該事業費は150万円であり、全体から見れば小さな額の事業です。重箱の隅をつつくような質問をする必要があるのかと思われるかもしれませんが、国に要望するだけの意見書と市が責任を持って単費で取り組む施策では、審議における視点が異なるものと考えております。しっかりと議員のチェック、監視機能を果たす責務に基づき、不明のままやり過ごすことなくただしていく必要があると考えております。
 それでは、前置きが長くなりましたが、まず事実認定として、加齢に伴い聴力は低下すること、高齢社会が進展し難聴者と認知症者が増加していること、認知症の12項目の危険因子の一つとして難聴があること、高齢者の難聴者に補聴器を装用してもらうことでコミュニケーションを保障し、社会的孤立を防止し、認知機能の低下を防ぎ、結果として認知症予防の効果が期待される、予防できる、可能性があると国外の調査研究で発表されていることは承知しております。
 その上で、まず1点目として、高齢者の難聴者の補聴器装用と認知症予防のエビデンスについてお尋ねします。
 世界保健機関は、2019年に認知機能低下と認知症のリスク低減に関するWHOガイドラインを出しています。その中で、補聴器使用が認知機能低下、認知症のリスク軽減のために推奨されているというエビデンスはまだ十分ではないとされています。つまり、WHOが評価するように、補聴器で認知症予防ができると明言することはできない状況です。
 そこで、明確なエビデンスがなく、可能性があるという前段階で本当に当該事業を新年度の高齢者施策の主な事業として掲げて取り組まれるのでしょうかお尋ねします。
 次に2点目として、老人性難聴、感音性難聴の聞こえの特徴についてお尋ねします。
 資料1をご覧ください。
 難聴は、障害された部位によって3種類に分類されます。伝音性難聴は全体の5%、感音性難聴は実に90%、残り5%が混合性難聴です。そこで、音が耳から脳に伝わる仕組みについて、また感音性難聴の聞こえの特徴と補聴器の装用効果が高い伝音性難聴との聞こえの違いについてお答えください。
 次に3点目として、語音明瞭度不良に対する補聴器の装用効果についてお尋ねします。
 資料2をご覧ください。
 聞こえには音の聞こえにくさと言葉の聞き取りにくさがあります。聞こえを測定する純音聴力検査で聴力を測定し、特に言葉を聞き分けるのに重要な音の高さである500、1,000、2,000ヘルツの聴力の平均値で難聴の程度を軽度、中等度、高度、重度の4段階に分類しています。
 また、身体障害者福祉法の基準により、聴覚障害者の認定を受けることができると、障害者総合支援法により補聴器の購入費の支給が受けられます。聴力レベルによって6、4、3、2級の各等級に該当しますが、言葉が正確に聞き取れるかを調べる語音聴力検査の結果、語音明瞭度により聴力レベルにかかわらず4級に認定されます。そこで、聴覚障害者の範囲についてご説明の上、語音の明瞭度が悪い感音性難聴に対して、そもそも言葉の聞き取りに関して補聴器の装用効果があるのかお答えください。
 次に、4点目として、難聴者への医師による診察、診断についてお尋ねします。
 聞こえにくさがあった場合は、まず診察です。伝音性難聴なら治療可能な疾患が原因であることが多く、補聴器ではなくまず耳鼻咽喉科での治療です。補聴器装用の判断は、より専門的な知識と技能を持った一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が委嘱する補聴器相談員に相談することが重要と言われています。
 そこで、県内、本市に当該医師は何名いらっしゃいますか、お尋ねします。
 次に、5点目として、補聴器購入及び装用、リハビリ等についてお尋ねします。
 補聴器は眼鏡と異なり装用したらすぐに効果が現れるものではありません。補聴器を装用しても、以前に聞こえたように聞こえません。不快感は当然あります。慣れるには根気が必要です。使用できるようになるまでリハビリが必要です。補聴器を装用して本を音読して自分の脳で聞き取るという聴覚トレーニングを行います。補聴器は管理医療機器であり、単に機器を購入するということではなく、業者のアフターケア力を購入するものであると言われております。
 まず、相談員は、補聴器適合に関する診療情報提供書を技能者に提出します。技能者は診断を踏まえて適切なコンサルティングとして聞こえの困り事や支援目的などを聞き取ります。オージオグラムのデータから調整を行い、補聴効果を確認し、機能を最大限に発揮する設定にした上で供給します。加えて、操作できるように練習と使用上の注意やアフターケアの説明、フィッティングを使用者や家族等と行います。使用後には、聞こえ方に変化が生じてきますので、定期的に再調整、適切な装着指導、動作点検を受けることが極めて重要とされています。
 公益財団法人テクノエイド協会では、適正な補聴器供給に資する人材の養成等を行っています。試験に合格した者を認定補聴器技能者として認定し、同技能者が常勤し、かつ補聴器の販売、管理、アフターケアのため必要な設備が整っている店舗を認定補聴器専門店として認定しています。そこで、県内、本市における当該専門店、当該技能者の数についてお答えください。
 また、円滑な事業推進において十分な箇所数や人数だとお考えですか、お答えください。
 次に、6点目として制度化のプロセス、手順についてお尋ねします。
 この制度は、1月22日に市長に答申された第9期総合介護計画案に明確に盛り込まれているのでしょうか。また、認知症施策の強化や高齢者生活支援事業の新規取組として総合介護市民協議会において制度創設について十分な議論をされてきたのでしょうか。地域包括支援センターの突然の委託廃止と直営会議については、施策方針決定のプロセスに問題があるとこれまで指摘してきました。厳しいことを申し上げますが、協議会で議論することもなく当局だけで考えたこと、あるいは特定団体の要望や上席からの指示によって手順のルールを踏まえず施策化されたのでしょうか。公平公正で市民が主役、クリーンでオープンな市政の推進を掲げてこられた経過を踏まえて、当該施策創設の検討プロセスについてお答えください。
 次に、7点目として、制度スキームに係る助成金等についてお尋ねします。
 県内では、2市3町が実施され、東近江市は所得制限なしで2万円、長浜市は所得制限ありで4万円の助成となっています。
 そこで、なぜ所得制限なしの助成制度とされたのですか。なぜ2万円の1人1回限りの助成とされたのですか、お答えください。
 補聴器のタイプは、ポケット型、耳かけ型、耳穴型などがあり、対応パワーも聴力レベルに応じて様々あります。機種のタイプ別にその特徴と実勢価格についてお答えください。
 どの機種でも助成対象となるのでしょうか。修理については支援されないのですか。助成は片耳装用でも両耳装用でも同じ2万円なのですか、お答えください。
 次に、8点目として制度スキームに係る対象についてお尋ねします。
 45歳以降の難聴を放置することが認知症のリスクになると言われていますが、65歳以降に補聴器を装用しても認知症の予防として手後れになってしまわないのでしょうか。また、介護保険制度の特定疾病として40歳以上65歳未満の年齢層においても発生が認められるなど、加齢との関係が認められる16疾病があり、初老期における認知症が該当します。
 そこで、その視点との整合性からお尋ねしますが、なぜ65歳以上を対象とされたのですか。40歳以上としなかった理由は何ですか。
 加えてWHOの補聴器装用推奨の聴力レベルは41デシベル以上ですが、当局の目的が認知症の予防であれば、早期発見として軽度難聴からでも装用すべきではないでしょうか。聴力レベルが仮に片耳39デシベルで他の耳で69デシベルの難聴の場合、目的からは対象にすべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
 語音明瞭度不良の方はなぜ対象にされないのでしょうか、お尋ねします。
 次に9点目として、制度スキームのボリュームと事業の継続性についてお尋ねします。
 聴覚機能の低下は30歳代より始まり、ゆっくりと進んでいきます。難聴の有病率は65歳を過ぎると急激に増加し、男性の約40%、女性約30%であり、80歳以上では実に80%にも達すると言われています。
 そこで、本市の65歳以上の高齢者数と難聴の有病率から、当該事業の対象者数は全体で何人となりますか。そして、全対象者数から考えて、今後何年間の事業継続を想定しておられるのかお答えください。
 次に10点目として、施策効果の検証方法についてお尋ねします。
 代表質問において、日本共産党の森原議員は、購入費用助成を求める市民の願いに応えていただいたと言われました。しかし、購入費用の一部助成は手法であり、目的は補聴器の利用を促し、認知症の進行を予防することです。
 そこで、当局は一体何をもって施策効果の検証をしようとされているのか、肝腎なところが分かりません。費用助成だけの単なるばらまき支援ではありません。費用助成しても装用されず、また効果がなかったら支援した意味もございません。追跡確認等をされるのでしょうか。検証方法についてお答えください。
 次に11点目として、耳垢除去等の耳の健診についてお尋ねします。
 高齢者が聞こえにくさから受診される場合に、意外と耳垢や中耳炎が原因の場合が多くあります。耳垢があると、耳あかですね、誰もが音の大きさの変化を感じる程度の平均7デシベルの聴力が悪くなってると言われており、この場合、除去すれば聞こえはよくなります。高齢者には耳の健診機会がありません。耳穴掃除も臆病になる傾向があります。耳垢のある人では、認知機能が低いことも知られていますので、耳垢の確認だけでも認知症予防の入り口として意義はあると考えます。
 そこで、耳鏡を用いて外耳道、鼓膜を視診し、聞こえに影響のある所見をチェックする耳の健診の場を持って取り組んでみるのはいかがでしょうか。いきなり病院受診ではハードルが高い方もおられるので、40歳からの特定健診に加えたり、保健センター等で他事業とタイアップするなど工夫できないでしょうか。耳の健診事業を検討の上、実施してもらうほうが当該事業よりも前段階としては効果的と考えますが、いかがでしょうか。
 最後に12点目として、補聴補償に加えて集団補聴システム、筆談等の情報保障の強化についてお尋ねします。
 補聴器が得意とする場面は1対1や静かな場面です。一人一人の聴覚補償も大切ですが、人とのコミュニケーションや社会参加などで言えば、老人クラブなど人の集まりの場へ参加されるときの集団補聴の保障、つまり情報保障の取組が大変重要だと考えます。
 そこで、市にはヒアリングループの貸出機器もあると思いますが、有効活用されていますか。あわせて集団補聴の保障として要約筆記を用意した講演会を増やすなど、情報保障の取組についての考え方をお聞かせください。
 また、高齢者社会の共通課題は、意思疎通、コミュニケーション保障です。言葉が言わば虫食い状態で聞こえる感音性難聴の高齢者に対して、音声言語だけで意思疎通を確保するのは困難です。一番確実で、かつコストもかからない方法は、筆談や文字資料の提供です。やり取りに少し時間はかかりますが、高齢者社会におけるコミュニケーションのバリアフリー対策として筆談対応の強化に取り組むことが最も重要と考えます。
 そこで、耳マークのさらなる普及啓発とともに筆談対応の強化について進める考えはありませんか、お尋ねします。
 以上、初問といたします。
○議長(岡田彦士君) 質問の途中ですが、ここで休憩します。
               午前11時45分 休憩
              ~~~~~~~~~~~
               午後1時0分 再開
○議長(岡田彦士君) 再開します。
 当局の回答を求めます。
 長村福祉保険部長。
             〔福祉保険部長 長村周作君 登壇〕
◎福祉保険部長(長村周作君) 皆さんこんにちは。午後も引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、青木議員の高齢者補聴器購入費用助成についてのご質問のうち、語音明瞭度不良に対する補聴器の装用効果について及び補聴器補償に加え集団補聴システム、筆談等の情報保障の強化についてのご質問にお答えします。
 まず、語音明瞭度不良に対する補聴器の装用効果についてですが、身体障害者福祉法における聴覚障害の範囲につきましては、1、両耳の聴力レベルがそれぞれ70デシベル以上のもの、2、一方の耳の聴力レベルが90デシベル以上で、もう一方の耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの、3、両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもののいずれかに該当する聴覚の障害が永続にするものと定められています。
 語音の明瞭度が悪い感音性難聴につきましては、早期に補聴器や人工内耳を装用することで、ある程度聴力を補い、コミュニケーションが取りやすくなる可能性もあります。補聴器の装用によって聴力レベルの改善は見込まれませんが、語音明瞭度の改善については、補聴器の装用により語音の手がかりを効率よく捉え、弁別する聴覚中枢機能の向上に効果がある可能性が過去の研究において示唆されています。
 また、聴覚中枢の加齢の関係については、聴覚中枢は加齢の影響を受けにくいと言われているため、補聴器による末梢からの十分な聴覚刺激によって、低下した聴覚機能に変化が認められる可能性もあると考えられています。
 次に、補聴補償に加え集団補聴システム、筆談などの情報保障の強化についてですが、本市におきましては、平成29年1月に近江八幡市みんなのこころで手をつなぐ手話言語条例を施行していることから、中途失聴、難聴者の情報保障に向けた取組も充実させていきたいと考えております。
 ヒアリングループの貸出状況につきましては低調であることから、講演会などでの要約筆記の設置と併せ利用を促進するための啓発活動を継続していきます。
 また、耳マークについては、今年度医師会を通して市内の医療機関に配付しており、市役所庁内各課や市内のコミュニケーションセンターや図書館資料館などの出先機関についても改めて3月中旬までの配付を目指し準備を進めているところであり、耳マークカードを提示された場合の筆談などによる対応の合理的配慮についても引き続き啓発していきます。
 いずれにいたしましても、集団補聴システムや要約筆記、筆談などの意思疎通のための手段に対する理解の促進や使用しやすい環境の整備など、情報保障のさらなる充実に向け、継続して取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(岡田彦士君) 川端福祉保険部理事。
             〔福祉保険部理事 川端あゆみ君 登壇〕
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 皆様こんにちは。
 それでは、青木議員の高齢者補聴器購入費助成についてのご質問にお答えします。
 まず、1点目の高齢の難聴者の補聴器装用と認知症予防のエビデンスについてですが、議員ご指摘のWHOのガイドラインでは、難聴の管理の項において、認知機能低下や認知症のリスク低減のために補聴器の使用を推奨するエビデンスは不十分であるとされている一方で、難聴を適時に発見し治療するためにスクリーニングと難聴のある高齢者への補聴器の提供が行われるべきとも示され、その背景として、難聴があると認知症のリスクが約2倍になると分析されております。
 さらに、社会活動の項におきましては、社会的関わりが失われることが認知症の発症率を高めるとされています。
 また、厚生労働省の認知症施策推進総合戦略新オレンジプランの中で、難聴は加齢や高血圧、糖尿病などと同じく認知症の危険因子とされております。
 このような文献を基に、補聴器の装用そのものが認知症の予防や改善に効果があるという考え方ではなく、補聴器の装用が高齢者の社会参加を促進するための選択肢の一つとなり、運動や交流などの機会の増加を促すことで、認知症の予防などをはじめとした複合的な効果を期待し、取り組むものでございます。
 次に、4点目の難聴者への医師による診察、診断についてですが、滋賀県内の補聴器相談員は令和5年8月時点で69名、そのうち市内の病院やクリニックに所属しておられるのは6名となっております。
 次に、5点目の補聴器購入及び装用、リハビリなどについてですが、滋賀県内の認定補聴器専門店は9軒、市内専門店は現在ございませんが、令和6年4月より新たに1店舗が認定補聴器専門店になられると伺っております。
 県内の認定補聴器技能者数は39名、市内は2名となっております。
 十分な箇所数や人数かどうかにつきましては、補聴器相談員への聞き取りにおいて、特に問題はないことを確認しております。
 次に、6点目の制度化のプロセス、手順についてですが、第9期総合介護計画において、各所管課の具体的な事業名は記載しておりませんが、基本目標1の中で、認知症予防に資する可能性のある活動の推進や医療、ケア、介護サービス、介護者への支援などの取組を記載しております。
 また、市民協議会においては、計画の基本理念に基づき、第8期計画の評価と第9期計画策定に当たり、本市の目指す方向性、施策の展開と目標設定などについて議論いただく場であり、個々の詳細な事業の制度創設等をひもづけての議論ではございません。1点目のご質問でお答えしたように、認知症の予防などをはじめとした複合的な効果を期待し検討した結果として取り組むものでございます。
 次に、7点目の制度スキームに係る助成金額などについてですが、補聴器は一人一人に合わせた調整やメンテナンス、脳のトレーニングなどが必要となるなど、購入に係る心理的な不安や負担が生じやすいことから、その負担を軽減し、補聴器の活用を広く促進するという観点から、より多くの高齢者に本制度をご活用いただけるよう所得制限を設けておりません。
 また、他市町の制度との整合性や利用状況なども勘案しながら、片耳装用、両耳装用にかかわらず1人1回最大2万円までの助成としており、修理については対象としておりません。
 対象となる機種につきましては、管理医療機器認定を取得しているものとしており、価格は機器等によって異なりますが、片耳装用でおおむね15万円から50万円程度と把握しております。
 次に、8点目の制度スキームに係る対象についてですが、難聴の有病率は65歳を過ぎると急激に増加するとのデータなどもあることから、多くの方が難聴を自覚され始めるタイミングで本制度を活用いただけるよう、65歳以上を対象としております。
 聴力レベルについては、他市町の実施状況や補聴器相談員からの意見聴取を踏まえております。
 また、議員ご指摘の語音明瞭度不良の方については、音の聞こえの改善のためには補聴器により聞こえる音の大小の改善よりも、治療やリハビリなどによる音を聞き分ける力の改善が優先されるべきものと考えていることから、本制度の対象とはしておりません。
 次に、9点目の制度スキームのボリュームと事業の継続性についてですが、65歳以上の難聴の有病率につきましては、日本耳鼻咽頭科学会の資料によりますと、前期高齢者で3人に1人、後期高齢者では約半数が難聴に悩んでいると言われており、本市の高齢者数で換算すると、約9,700人になります。また、本事業については、現段階で時限的事業とは考えておりません。
 次に、10点目の施策効果の検証方法についてですが、制度利用者を対象にアンケートを実施し、補聴器の装用による社会参加への影響などを確認する予定をしております。また、県内他市町におきましても、長浜市、東近江市が令和5年度から同様の制度を開始されていることから、情報交換を図りながら制度の内容も含めまして効果を検証してまいりたいと考えております。
○議長(岡田彦士君) 中川子ども健康部長。
             〔子ども健康部長 中川菜穂子君 登壇〕
◎子ども健康部長(中川菜穂子君) 皆様こんにちは。
 青木議員の高齢者補聴器購入費用助成についてのご質問のうち、耳垢除去等の耳の健診についてお答えします。
 耳鏡、耳の鏡を用いての視診や所見チェックにつきましては、医療行為に当たりますので、保健センターなどで他の事業とタイアップすることは困難と思われます。
 また、耳の健診を健康診査に加えるというご提案ですが、公益財団法人長寿科学振興財団の調査によりますと、高齢者の伝音難聴の原因のうち、耳のあかが耳を塞ぐ耳垢塞栓は約1割であること、また70歳以上の約8割の方がかかりつけ医等をお持ちであると考えられるため、高齢者ご本人が聞こえにくさを感じられた場合は、まずかかりつけ医にご相談いただき、医師が所見を認めた場合も含め、必要に応じて耳鼻科の受診を勧めていただくほうが速やかに治療につながると考えておりますので、ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。
○議長(岡田彦士君) 宮下総合医療センター事業管理者。
             〔総合医療センター事業管理者 宮下浩明君 登壇〕
◎総合医療センター事業管理者(宮下浩明君) 青木議員の音が耳から脳に伝わる仕組み、感音性難聴の聞こえの特徴、伝音性難聴との聞こえの違いについてのご質問にお答えします。
 1つ目の音が耳から脳に伝わる仕組みについてですが、まず空気中の音波が耳介で集められ、外耳道を通って鼓膜に伝わり、鼓膜が振動します。この振動を鼓膜と内耳をつないでいる3つの耳小骨、この3つの耳小骨がある空間が中耳と言われるところですが、ここが増幅させて内耳へ伝達し、内耳の蝸牛という場所で電気信号に変換されます。この電気信号が聞こえの神経を介して脳に伝達され、脳の聴覚中枢で処理されて、音の大きさ、方向、内容などが認識されることとなります。
 次に、2つ目の感音性難聴の聞こえの特徴ですが、その前に耳鼻科ではそれぞれの難聴を感音難聴、伝音難聴と称しておりますので、その呼称を使わせていただきます。
 感音難聴は内耳や聴神経の障害によって生じる難聴です。一番分かりやすい例は加齢による難聴、すなわち老人性難聴ですが、生まれつきの感音難聴や若年性に発症する感音難聴もあります。
 感音難聴の患者の訴えは様々で、全て同じパターンというわけではありません。高音域の音が聞こえなくなることが多い、音の聞き取り、すなわち音は聞こえるが何を言っているかが理解できないといった症状は老人性難聴に多いパターンで、老人性難聴が改善することは通常ありません。
 次に、3つ目の伝音性難聴との聞こえの違いについてですが、伝音難聴は文字どおり音を伝えることに原因がある難聴です。例えば、耳垢、耳あかのことですが、完全に詰まっているだけでも伝音難聴を来しますし、鼓膜に穴が開いているとか耳小骨に先天的あるいは後天的な異常がある場合、さらに慢性中耳炎や滲出性中耳炎も全て基本的には伝音難聴を来す疾患です。
 伝音難聴は、生じている原因によっては治療あるいは手術することによって改善する可能性がある難聴です。ただ、慢性中耳炎や滲出性中耳炎を治療せずに放置しておくと、感音難聴が進行していくことがあります。感音難聴と伝音難聴との聞こえ方の違いに大きな差異はなく、それぞれの疾患あるいは病態によって聞こえ方に違いが出てくるものと考えます。
 補聴器の効果については、一般的に伝音難聴のほうがよいとされていますが、感音難聴に対しても良好な補聴効果が得られているケースはたくさんございます。もちろん全例というわけではありませんが、難聴の患者さんに補聴器を装用することは、難聴の種類に関わりなく患者さんの生活の質の向上につながるものと考えており、適用のある患者さんには積極的に勧めていくべきものであると考えております。
○議長(岡田彦士君) 回答漏れはありませんか。
 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) ご回答ありがとうございました。
 それでは、項目順に再問していきます。
 まず1点目ですが、答弁ではエビデンスがまだ十分ではないと認められる一方で、文献を基に予防や改善に効果があるという考え方ではなく、社会参加を促進する選択肢の一つになるという期待で取り組むと回答されました。目的の1つ目に認知症予防を掲げられているから私は明確な根拠、科学的なエビデンスがありますかと尋ねたわけでございます。
 市民の要望に応えて施策化することは非常に重要で必要だと思っております。単に隣の東近江市がやってるので後れは取れない、だからうちもやろうという視点ではないと思います。
 行政が税金を投入して取り組む施策は目的達成のために行動変容に向けた様々な手法により、当然バイアスがかかってきますので、まずは一定しっかりと科学的根拠を押さえることが重要と考えます。医師が必要な方に補聴器の装用を勧められることに何ら異存はございません。行政が目的達成に向けて最優先すべき最良の施策は何なのか。
 そこで、改めて市長として当事業についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 青木議員の再問にお答え申し上げます。
 我々は今介護を含めまして高齢者の中で、とりわけ認知症というのは非常に大きな課題でございます。そういう中で、我々としては打てる手は打っていこうということで、この施策を推進していきたいと、このように思っております。額等についてはいろいろな課題がございますけども、それぞれ当事者から多少でも必要であると、やってほしいという声も聞いておりますので、促進するのに取りあえずこういう形でスタートをさせていただきたいということで今回ご提案をさせていただいております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) ありがとうございました。
 次に、2点目ですが、資料3をご覧ください。
 難聴の種類と聞こえの特徴を整理いたしました。伝音性難聴は音量を小さくしたように聞こえますが、音の質は劣化しませんので、アンプ増幅器である補聴器の出番で効果が得られます。
 一方で、9割を占める感音性難聴は、音量低下と同時に音の質も劣化して聞こえます。回答にはございませんでしたが、小さな音が聞こえない一方で、大き過ぎる音には敏感で、不快になってしまうという矛盾した特徴、聴覚の補充現象があります。音としては聞こえるのに話の内容が聞き取りにくいという特徴がございます。
 そこで、難聴の違いによる聞こえのイメージを理解していただくために、資料4をご覧ください。
 例えば、たけしたさんという言葉はどのように聞こえるか。伝音性の場合、大きくすれば聞こえは改善されます。
 資料5をご覧ください。
 感音性の場合は、高音域が聞こえにくく、子音が明瞭に聞き分けられないという特徴があります。高い周波数の子音、か、さ、た行などが含まれる音声の場合、まず音が小さくなり、K、S、T音が聞き取れない、騒音があると音がぼやける、反響のあるところでは音がゆがんだりひずむことであえいああんと聞こえます。聞こえた音のイメージから類推して判断するので、あれはいかんというように聞き間違えることになります。
 この資料は、平成19年の研修会で私が使ったものでございますが、近年開催が途切れています。コロナ禍でもオンライン研修は可能です。ましてやコミュニケーションを促進する条例を制定しています。条例制定はゴールでなくスタートです。毎年の職員研修の実施は必須と考えますがいかがですか、お聞かせください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 長村福祉保険部長。
◎福祉保険部長(長村周作君) まず、先ほど青木議員の初問の回答の中で、コミュニケーションセンターと発言いたしましたが、コミュニティセンターの間違いですので、訂正させていただきます。
 それでは、青木議員の再問についてお答えします。
 コミュニケーション保障研修につきましては、コロナ禍前は毎年3月3日、耳の日に合わせて実施しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の発生以降、実施できておりません。
 しかしながら、市職員、特に窓口業務に従事する職員については、手話や筆談などの障害特性に応じたコミュニケーション手段についての理解を深めてもらう必要があることから、令和6年度からは障害者のコミュニケーションに関する研修を再開したいと考えております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) ありがとうございます。
 次に、3点目ですが、資料6をご覧ください。
 障害認定の範囲と等級と難聴の程度を表に整理しました。
 資料7をご覧ください。
 補聴器の役割は、音を大きくして聞こえを補うことですが、残念ながらつけたその日から役立つ機械ではありません。調整をしなければ、極端な話、何十万円もする高額な補聴器であっても、ただの箱です。本人の装用意欲も重要です。補聴器を理解し、再調整、操作力、保管管理、定期点検、訓練やリハビリが必要です。眼鏡と違い補聴器は格好悪いと抵抗感もあり、ポケット型より、より目立たない小型タイプを希望する傾向があります。関係者の努力にもかかわらず、補聴器の理解不足等から、すっきり聞こえないということで、すぐさま使用をやめられる方も多く見てきました。
 日常生活の場面では、エアコンの風の音、新聞紙をめくる音、足音、自動車の走行音など、雑音がいっぱいです。人は環境音の中で脳が会話など必要な音を意識して、自分が聞きたい音を選び出しています。しかし、補聴器は機器であり、近くの音や大きな音を拾ってしまいますので、使ってみたがうるさくてしょうがないのでやめたという方が結構おられます。
 また、補聴器をつけているのに大声で話しかけられたといった誤った対応の経験や、講演会では周りの人の話し声ばかり聞こえて困ったという話は後を絶ちません。テクノロジーの進化によって補聴器の雑音抑制機能等が飛躍的に向上しましたが、まだ脳の働きとは同じとは言える状況にありません。中には、宣伝されている集音器が補聴器と同じと誤解される方もおられます。
 多くの方が補聴器を眼鏡と同じように思うとられます。見えにくさの問題の多くは、視力低下であり、視力に合った度入りレンズで眼鏡を作り装用すればすぐに見えます。対して、聞こえの問題は音の聞こえにくさと言葉の聞き取りにくさです。補聴器で音が大きくなることで、クラクションやサイレンなどの音が聞こえることは安全・安心な生活、本人の危険回避のために大変重要なことです。しかし、多くの方は、話し言葉をしっかりと聞きたいと思っとられます。補聴器を使ったら相手の言っていることがはっきり聞き取れる、相手も補聴器を使っておられたら会話は成り立つと思っとられます。しかし、音を聞いているのは耳ですが、音を認識して言葉として理解するのは脳です。
 次に、医師と技能者の支援体制はさらに増えることが必要と思っています。
 6点目ですが、計画や協議会では場が違うというようなお話でしたが、ならばいつ誰がどのような経緯で決定されたのですか、プロセスをお答えください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 川端福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 青木議員の再問にお答えします。
 本事業につきましては、市民要望があったこと、WHOガイドラインなどの文献や他市町において同等の事業を実施する自治体が年々増えていることなどから、庁内で検討させていただきまして制度創設を行ったものでございます。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) ありがとうございます。
 次、7点目ですが、メンテナンスが必要と回答されましたが、耐用年数内に修理が必要な場合、後は自己責任ということですか、お答えください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 川端福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 青木議員の再問にお答えします。
 修理は対象にしておりません。装用していただくことが肝要だというふうに考えております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) 資料8をご覧ください。
 補聴器について整理をしてみました。
 そこで、電池は何を使用し、費用は幾らぐらいかお答えください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 川端福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 再問にお答えします。
 補聴器に使用する電池は、電圧の変化が少なく、容量が大きい空気亜鉛電池と言われるボタン型電池を使用します。また、本体を胸ポケットなどに入れて使用いたしますポケット型補聴器の場合は、単3形乾電池や単4形単電池を使用いたします。
 空気亜鉛電池の費用としては、6本から8本入りで400円から1,600円程度が相場となっていると聞き及んでおります。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) ありがとうございます。ご存じだと思いますが、空気電池はシールを剥がすことで電池の空気穴から酸素が取り込まれて発電しますので、電源オフの状態でも消耗していきます。それなりのランニングコストがかかるということです。
 次に、補聴器と電池の保管の方法についてお答えください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 川端福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 再問にお答えします。
 補聴器は精密機械ですので、水や湿気に弱く、汗をかいたり湿気の多い洗面所などに置いたりすると劣化につながると聞いております。電池につきましても、常温常湿が最適ですので、高温多湿になる場所や直射日光が当たる場所は避けていただく必要がございます。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) 次に、両耳難聴の状況において片耳装用とする場合、どちらの耳に装用するのが一般的なのかお尋ねします。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 川端福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 再問にお答えします。
 両耳難聴においては、基本的には両耳装用が勧められておるところでございます。補聴器相談員から伺ったところによりますと、片耳装用の場合は左右の難聴程度が同等であれば語音聴力、言葉の聞き取り検査がよいほうを選択することが多く、左右の耳の難聴の度合いに大きな差がある場合は、ご本人の聴力によるというところでございます。例えば、悪いほうの耳が聾の場合、補聴器装用効果は見込まれませんので、装用は聞こえがよいほうの耳になります。聴力が悪い方の耳の聴力が残存している場合は、悪いほうの耳を選択することもあると聞いております。しかし、このあたりは実際に試聴を行ってみて、補聴効果の具合を確認したり、ご本人の希望をお伺いしたりして決めていくことになるというふうに伺っております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) 詳しく回答ありがとうございました。
 次に、8点目ですけども、目的が認知症対策と言われるなら、40歳以上の初老期の認知症の方をなぜ支援されないのか、その点もう一度お答えください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 川端福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 再問にお答えします。
 本事業の目的は、認知症対策でもあり、社会参加促進でもあることから、加齢性難聴が急激に増加するとされている65歳以上を対象としております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) 次に、9点目ですけれども、対象総数は約9,700人で、時限的事業と考えてないということでした。最大1億9,400万円が必要となります。もちろん申請主義で、全員が申請されるとは限りませんが、費用助成の手法で装用促進を図る施策です。ずっと担っていくのかお答えください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 川端福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 再問にお答えします。
 事業の効果検証を行いながら、現段階ではこのまま続けていく予定で実施したいと考えております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) 次に、10点目ですけども、先行市町もまだ検証されていません。その結果を待ってからでも遅くはないと思いますが、なぜ急ぐのか、その理由をお聞かせください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 川端福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 再問にお答えします。
 制度化を検討している中で、県内においても複数の市町が既に実施をされております。近隣市町の実績はすぐに把握できるんですけれども、事業効果の検証となると、少なくとも数年を要するため、本市としても、早期に実施したいと考えたものでございます。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) 次に、11点目ですけども、健康なまちづくり推進宣言の一つに健診があることから、耳の健診のためにクーポン事業を検討できないかお答えください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 中川子ども健康部長。
◎子ども健康部長(中川菜穂子君) 青木議員の再問にお答えいたします。
 加齢性難聴を悪化させる原因として、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化が挙げられており、まずは生活習慣病対策や重症化予防対策として進めています特定健診や特定保健指導の受診率や利用率を向上させる取組を進めることが必要であると考えております。その機会に合わせまして耳鼻科への受診についても啓発していきたいと考えておりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) ありがとうございます。私も同意見です。認知症の要因の一つが難聴ならば、難聴を予防するためにエビデンスを踏まえて今は何をすべきかです。難聴の原因には、動脈硬化があり、さらにその原因には高血圧や脂質異常症や糖尿病など、生活習慣病による血液循環の悪化です。今後はもっと難聴や認知症の視点で生活習慣病の予防対策を考えるべきで、その効果が先と考えます。喫煙や飲酒も危険要因であり、ウオーキングなど無理のない運動で血液循環をよくすることも大切です。推進宣言には、運動とたばこの項目もあります。さらに、生活習慣病の予防に向けて、啓発活動の強化に取り組んでいただきたいと思います。もう一度お答えください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 中川子ども健康部長。
◎子ども健康部長(中川菜穂子君) 青木議員の再問にお答えします。
 生活習慣病対策といたしまして、本市では特に高血圧の人が多いという課題がありますので、現在実施しております減塩への取組や妊婦や産婦への血圧測定、学童期への血圧教育など実施しております。
 また、郵便局や地域企業と連携した啓発活動等をさらに推進していきたいと考えておりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) ありがとうございます。高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の取組の枠組みの中では取り組めないでしょうか、所見をお聞かせください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 川端福祉保険部理事。
◎福祉保険部理事(川端あゆみ君) 青木議員の再問にお答えします。
 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施におきましては、高齢者一人一人のフレイルなどの心身の多様な課題に対しまして、きめ細やかな保健事業を行うため、認知症のみならず運動、口腔、栄養、社会参加などの観点から、保健事業と介護予防の一体的な実施を推進するものでございます。
 現在、事業所管が分かれており、連携が不十分であることから、今後は連携した事業実施を検討したいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) 次に、12点目ですが、合理的配慮の提供とか事前の環境改善というのが大事です。貸出しの促進を一層お願いします。
 行政では、条例制定以前から、例えば平和祈念式典等でヒアリングループを積極的に活用してきました。最近の活用例とか頻度はどうなっていますか、お尋ねします。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 長村福祉保険部長。
◎福祉保険部長(長村周作君) 青木議員の再問についてお答えします。
 市が主催いたします講演会等でのヒアリングループの設置につきましては、近年では障がい福祉課が主催するイベントや講演会にとどまっていることから、庁内各課に対し、講演会等で積極的にヒアリングループの設置をしてもらうよう啓発していきたいと考えております。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) 最後に、高齢者補聴器購入費用の助成事業について、全面的に反対ということを言ってるわけではなくって、エビデンスであったりアフターケアの体制、また支援内容とか効果の検証等において、私は拙速感が否めないのかなというふうに思っております。科学的検証と補聴器のテクノロジーの進展、また国や他市町の動向を待ってでも遅くはないかと思います。
 認知症予防なら、同意的、対症療法的な補聴器装用の促進施策よりも、その前段階での難聴予防だと考えております。市単費事業でございます。優先的に取り組むのであれば、難聴の予防の観点から、さらなる生活習慣病の予防対策だと考えています。今後、健診や動脈硬化を中心とした生活習慣病予防、ヘルスリテラシー教育を含めた保健領域の取組、障がい福祉課の聞こえに対する支援の取組など、重点的に取り組むことが肝要と考えております。そういうことで正しく知ってもらうことを念頭に細かな質問をさせていただきました。
 最後に一点だけ、市長にもう一度、本当に認知症は大事だと思いますので、認知症の予防に対する取組についてお考えをお聞かせください。
○議長(岡田彦士君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 青木議員の再問にお答え申し上げます。
 認知症の取組って非常に多岐にわたっております。そういう意味では、一番入り口からいいますと、高齢者の生きがいといいますか、取り組む、要は社会からいかに必要にされているかという部分から始まって、今言った生活習慣病の話、地域のコミュニティー、そして様々な場面における、今回の補聴器もそうですけど、サポートと、複合的な形で進めていくということが肝要だと思っております。いずれにしろ、今高齢者、特に介護保険、それから後期高齢者の医療につきまして、非常に危機的な状況にございますので、力を入れて取り組んでまいりたいと思います。
○議長(岡田彦士君) 質問はありませんか。
 青木勝治君。
◆4番(青木勝治君) ありがとうございます。私は補聴器の取組について、安易な取組の結果、補聴器が全く役に立たない等の悪いイメージがさらに強くなることは絶対避けたいと思っています。実施されるならば、しっかりと装用効果が得られるように、支援体制も含めた、正しい啓発も含めた部分で取り組んでもらいたいということで、制度スキームにこだわって質問をさせていただきました。
 時間が参りましたので、以上で私の個人質問を終わらせていただきます。各方面にわたりましてご丁寧な回答、本当にありがとうございました。
○議長(岡田彦士君) 以上で青木勝治君の個人質問を終わります。
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