録画中継

令和6年第2回(6月)近江八幡市議会定例会
6月18日(火) 一般質問
松村 務 議員
1 NHK朝ドラ「ヴォーリズさんと満喜子さん」誘致でまちの魅力発信を
  ①朝ドラ誘致とシティプロモーション
  ②市が誘致の旗振り役になり、官民一体の実行委員会つくっては
2 「株式会社まっせ」について
  ①組織と進捗状況を問う
  ②朝ドラ誘致の事務局になれないか
◆7番(松村務君) 皆さんこんにちは。今日の最終質問者となります、育政会の松村務です。
 今日は、主に朝ドラで「ヴォーリズさんと満喜子さん」を誘致することについて、ご提案とご質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
 私は、議員になって、この1年、4回の個人質問の機会をいただきました。私の議員活動の根幹としている地域の宝物を発掘し、磨き、輝かせましょうという理念に基づいて、今までに西の湖のすばらしさをたくさんの人に知ってもらいましょうと訴え、また西の湖のヨシ原の保全と再生の質問をさせていただき、観音寺城、安土城、八幡山城の石垣の見える化をすることで地域資源を輝かせましょうと提案してきたところです。これらの提案に対しまして、市当局は、前向きなご回答をいただき、実行のための予算計上をいただきました。改めて感謝申し上げます。ぜひ、宝物を光り輝かせていただきたいと思います。
 そこで、今日の個人質問では、NHK連続テレビ小説、いわゆる朝ドラですが、「ヴォーリズさんと満喜子さん」、これは私が勝手につけた仮題ですけれども、これの誘致という新たな提案をして、近江八幡市の魅力発信と地域振興につなげていきたいと思い、市長にその辺のご見解を伺いたいと思います。
 滋賀県内の自治体の状況を見てみますと、大津から草津、守山辺りまで、湖南地域ですけれども、京都、大阪への通勤圏内として、消費需要、マンション需要も非常にあり、人口も維持できています。インターチェンジ周辺の自治体は、工場立地、企業誘致もしやすく、雇用確保もしやすく、堅調な経済発展を続けているように見えます。それぞれの自治体は、京阪神に近いとか、工場立地条件が整っているとか、インターチェンジがあるとか、お城があるとか、地域の特性を生かして、人口も経済も縮小時代の生き残り戦術を工夫されています。近江八幡市が地域間競争に生き残り、魅力ある町にしていくためには、我が町にある豊富な地域資源を十分に生かすことが必要だと考えます。
 ここ数年、好調なふるさと納税の財源に頼った市政運営だけでは、当面はやりくりができるかと思われますが、近江八幡市の将来ビジョンが見通せないのではないかと危惧しております。
 そこで、私の個人質問は、地域の魅力を発信すること、つまりシティプロモーションの一環として、これは近江八幡市以外の町、どこでもできないんですけれども、NHK朝ドラ「ヴォーリズさんと満喜子さん」の誘致で町の魅力を発信していきましょうということです。現在、NHKの朝ドラは「虎に翼」、日本で初めての女性弁護士、裁判官になった三淵嘉子さんの実話ストーリーで、私は毎日欠かさず楽しんでみております。今だんだんドラマは佳境に入ってきたところです。私が印象に残っている朝ドラ、植物学者槙野万太郎の「らんまん」、信楽がロケ地になった「スカーレット」、広岡浅子の生涯を描いた「あさが来た」、夫婦で国産ウイスキーを作り上げた「マッサン」、北三陸を舞台にした「あまちゃん」、日清食品の創業者の安藤百福の生涯を描いた「まんぷく」など、私が非常に楽しんで見させてもらった朝ドラです。
 今回提案させていただくNHK朝ドラ「ヴォーリズさんと満喜子さん」ですが、どちらも単独で主人公にできるようなすばらしい人生を歩まれてきた夫妻です。ウイリアム・メレル・ヴォーリズは、皆さんもご存じのとおり、1880年、アメリカのカンザス州で生まれ、建築家を目指していた大学生のときに海外キリスト教伝道の思いが強くなり、現在の八幡商業高校の英語教師として来日しました。放課後の宣教活動が原因で高校教師を解雇されましたが、近江八幡にとどまって、建築、医療、製薬、教育、外交分野に活躍され、日本中に影響を与え、近江八幡の発展に大きく寄与されました。昭和33年に近江八幡市の名誉市民第1号に市議会で満場一致で議決されています。多くのヴォーリズ建築に関する紹介の本とかもあるんですけれども、本人が執筆された「失敗者の自叙伝」という本、これは八幡の市の図書館でも手にすることができる本です。
 一方、奥さんの一柳満喜子さん、1884年に東京で生まれて、神戸女学園を卒業後、アメリカへ留学して、帰国後、縁あってヴォーリズと結婚されました。その後、教育事業に専念し、幼稚園から高校までを統合した近江兄弟社学園、現在のヴォーリズ学園の基礎をつくられました。満喜子さんの生涯は、玉岡かおるさんの書かれた「負けんときヴォーリズ満喜子の種まく日々」とか、平松隆円さんの「ヴォーリズと一柳満喜子」で詳しく紹介されています。
 また、今も70歳以上の方であれば、ヴォーリズとか満喜子さんに直接教えを請われた、会話したという方もまだかなりたくさん残っている、お話を伺うこともできる状況だと思います。ヴォーリズさんと満喜子さんの生涯やロケ地として近江八幡の町並みやヴォーリズ建築が半年間全国にテレビで放映されることは、究極のシティプロモーションになると思います。
 前置きは長くなりましたが、1つ目の質問です。
 今も全国の自治体などが朝ドラ放映の陳情合戦を繰り広げられておられます。朝ドラで「ヴォーリズさんと満喜子さん」を放映してもらえるようにNHKに働きかけることが近江八幡のシティプロモーションとして成果を上げると考えますが、市長のお考えはいかがでしょうか。
 2つ目の質問です。
 朝ドラ誘致に当たって、市長が旗振り役を務めていただき、朝ドラ誘致実行委員会結成の機運をつくっていただいてはいかがでしょうか。
 また、NHKに対して、ヴォーリズ夫妻の生涯を題材とした朝ドラの制作の要請、陳情活動をしていただけないでしょうか、お伺いします。
○議長(辻正隆君) 当局の回答を求めます。
 小西市長。
             〔市長 小西 理君 登壇〕
◎市長(小西理君) 松村議員ご質問のNHK朝ドラ「ヴォーリズさんと満喜子さん」誘致で町の魅力発信をについてお答えを申し上げたいと思います。
 まず、1つ目の朝ドラの誘致に対する市の考えについてでございますけども、NHK連続テレビ小説、いわゆる朝ドラは、ヒロインや登場人物の生きざま、作品の舞台となる地域が注目を浴びる国民的なテレビドラマであり、放映をきっかけにその舞台となったご当地への関心が高まり、観光客数の増加をはじめ、様々な経済効果があるものと言われております。したがいまして、本市といたしましても、朝ドラを誘致することができるのであれば、シティプロモーションとして成果を上げるものであると考えております。
 また、本市の名誉市民第1号である一柳米来留氏、ウイリアム・メレル・ヴォーリズ氏でございますけども、教育、建築、医療など多くの分野において本市の発展に大きく寄与され、その妻、満喜子氏もヴォーリズ氏と共に先進的な教育事業に尽力され、その生涯は朝ドラの主役、ストーリーにふさわしいものだと考えるところでもございます。
 2つ目の市が旗振り役となって誘致実行委員会をつくってはとのご提案でございますけども、2年前に滋賀県と滋賀ロケーションオフィスによりヴォーリズ夫妻の生涯を朝ドラに起用してもらう企画をNHKに提案されたところでございます。しかしながら、NHKとしては、全国的に同様の提案が数多く寄せられており、滋賀県としても、その後の具体的な情報は残念ながら得られていないように伺っております。
 一方、本年はヴォーリズ没後60年、来年は来日120年の節目に当たり、関連するNPO法人や市民団体等がこの節目をきっかけとして、ヴォーリズ夫妻の功績を積極的に発信するべく、様々な活動を展開されておられるところでございます。市といたしましては、こうしたヴォーリズ夫妻に対する市民の熱意を結集され、民間を中心とした誘致に向けた活動を進めていただけるのであれば、積極的な支援に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願いをいたします。
○議長(辻正隆君) 回答漏れはございませんか。
 質問はございますか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ありがとうございます。
 再問いたします。
 朝ドラ放映による経済波及効果、どれぐらい見込めるとお思いでしょうか。私は、少なく見積もって1年間で82億円と試算しました。市への観光客数は10%増加、宿泊者数も増加、関連グッズ販売やロケ地ツアーも企画されるでしょう。知名度アップのシティプロモーション効果でふるさと納税も今以上に好調となることが予想されます。これらの直接効果と生産など産業活性化による1次波及効果、また雇用者所得の増加による2次波及効果が見込まれると思いますが、当局のご見解はいかがでしょうか。
○議長(辻正隆君) 回答を求めます。
 嵐総合政策部理事。
◎総合政策部理事(嵐孝雄君) 再問にお答えいたします。
 朝ドラの放映によります経済効果につきましては、ドラマの内容であったり、その舞台によって波及効果にも幅があるというように考えておりまして、現時点において、試算もしておりませんし、また経済効果の見込額についてお示しすることはできませんが、今松村議員がお話しいただいたような内容の効果っていうのは当然見込めるものであるというようには考えております。
○議長(辻正隆君) 質問はありますか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ありがとうございます。
 ネットとかで出ているのを見ますと、2011年の「おひさま」、これは長野県ですけども、141億円の経済波及効果、2010年の「てっぱん」、これは尾道ですけど、151億円、「花子とアン」165億円、2020年「エール」、これもコロナの時期でしたけれども、48億円、かなり大きな経済波及効果が見込めるものと私は推測しております。
 それで、次、再問の2に移らさせてもらいます。
 ヴォーリズ建築が脚光を浴びてきたのは、市を挙げての取組があったからだと思います。今も市長からもいろいろ事業というのを言われましたけれども、平成6年には市制40周年、ヴォーリズ没後30年として、ヴォーリズシンポジウムがあって、ヴォーリズを顕彰されました。平成9年に、近江八幡市とヴォーリズの生誕地であるレブンワース市が兄弟都市提携されました。観光物産協会によるヴォーリズ建築巡りツアーや特別公開が頻繁に行われて、テレビの旅番組とか、そういうようなものでもメディアへの露出がどんどんどんどん増えてきております。最近ですけれども、滋賀県と近江八幡市と関西学院大学、この3者がヴォーリズ建築等に通じた連携協定、これも締結されております。先ほども市長がおっしゃられましたように、県と滋賀県のロケーションオフィスがNHKに取り上げてもらえるように要請なんかもされてきたところです。
 私は、この質問をするに当たって、何人かの方に、いろんな団体の方とかにもお話をお伺いして、相談もかけてきたところなんですけども、皆さん大賛成です。朝ドラ実現に向けて頑張らさせてもらうと、非常に強いエールなんかもいただいているところです。
 満喜子さんのお兄さんの広岡恵三は、大同生命の第2代の社長でした。親は、大同生命の創業者の一人で、朝ドラで「あさが来た」のヒロインの広岡浅子さんが親になります。大同生命は、今もヴォーリズ夫妻の功績をたたえる様々な活動を行っておられ、朝ドラの実現に向けて全面的に支援してくれるものと思います。
 また、関西学院大学は、今も言いましたように、3者で締結して、これは小西市長が締結式にも臨まれているわけですけれども、関西学院大学の西宮のキャンパスは、ヴォーリズが設計したもので、研究と保存、観光振興、人材育成、地域活性化などに連携して取り組むとうたわれている協定なんですけれども、来週、23日には、ヴォーリズ学園でヴォーリズ建築の講演会なんかも開催されるところです。近江兄弟社グループも全面的な協力がいただけると感触をつかんでおります。
 ヴォーリズは、若いときに遠いかの地というか、近江八幡をわざわざ選んで来てくれました。今度は、近江八幡市がヴォーリズに恩を返す時期ではないかと思います。今市長が、民間が頑張ってくれれば、市も協力できるというふうなニュアンスでしたけれども、どっちが、卵が先か鶏が先かということと一緒で、きっかけづくりが必要かなと。例えば、近江兄弟社が率先してやるとか、商工会議所が率先してやるとか、きっかけづくりとしては、名誉市民第1号でもある近江八幡市がまずは道筋をつけていただいて、脈があるんであれば、民間は動いてくれると思います。ここは市長の思いとして、旗振り役はお願いしたいなというふうには思います。それがあったら、後は続いていくと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(辻正隆君) 回答を求めます。
 小西市長。
◎市長(小西理君) 松村議員の再問にお答え申し上げます。
 お話の中で、協議会なり、そういう推進委員会なんかをつくっていく中で、私が参加することに関しては、別にやぶさかなものではございませんので、そういう意味での旗振りであれば努めさせていただきたいというように思います。
○議長(辻正隆君) 質問はございますか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ぜひとも、先頭に立って、旗を振っていただきたいなというふうに思います。そういう発言であったと私は解釈をしました。
 次に、大項目の2つ目に移らさせてもらいます。
 昨年度より休眠中であった株式会社まっせに専任職員を配置され、活動再開に向けて動き出されていると聞き及んでおりますが、組織及び進捗状況はどうなっているのでしょうか、お伺いします。
 2つ目に、今の先ほどの大項目1にも関連するのですが、朝ドラ誘致の事務局として、株式会社まっせを活用してはどうでしょうか。スタッフを充実して、誘致運動の中核になることはできないでしょうか。これは、株式会社まっせは株式会社ですので、市の直属ではないとは思うんですけれども、これも働きかけはできると思いますので、当局のご見解をお伺いします。
○議長(辻正隆君) 回答を求めます。
 大林産業経済部長。
             〔産業経済部長 大林一裕君 登壇〕
◎産業経済部長(大林一裕君) 松村議員の株式会社まっせについてのご質問にお答えします。
 議員もご存じのとおり、株式会社まっせは、令和2年7月以降、事実上の休眠状態ですが、その後も事業検討部会及び取締役会を定期的に開催し、活動再開に向けた事業や執行体制の議論等を行ってまいりました。
 また、事業検討部会で具体的な事業案の構築や実行するための人員確保策として、プロジェクトマネジャーの配置を提案され、取締役会での承認後、令和6年4月から着任され、業務開始となりました。
 お尋ねの組織及び進捗状況につきまして、現在はプロジェクトマネジャーを中心に株式会社まっせの活動再開に向けて具体的な事業計画案や財源確保案の作成及び提案や関係する諸団体との連携構築等に積極的に従事していただいております。
 去る6月10日には、第11回定時株主総会が開催されたところです。今後も活動再開に向けました具体的取組に関して、市といたしましても、必要な支援や協働活動等を行ってまいりたいと考えております。
 次に、朝ドラ誘致運動の事務局として株式会社まっせを活用することについてのご質問にお答えします。
 先ほどお答えいたしましたとおり、株式会社まっせは、現在プロジェクトマネジャーを中心に、収益基盤となる事業案やビジネスプランを作成し、事業検討部会や取締役会で提案及び議論いただいているところでございます。今後、株式会社まっせが朝ドラ誘致等に取り組まれるような場合は、市におきましても、どのような協力、支援が可能か検討してまいりたいと考えております。
○議長(辻正隆君) 質問はございますか。
 松村務君。
◆7番(松村務君) ありがとうございます。
 現在、活動再開に向けて、事業計画案とか収益の計画とか、立てられているということなんですけれども、この中にぜひとも朝ドラ誘致、また実現に向けての動き、その業務も柱として取り入れていただければなと提案をさせていただきます。動いてくれば、収益事業にも、例えばグッズ販売とかいろんなことでつながってくるかと思いますので、その辺の検討はよろしくお願いしたいと思います。
 もうこれは最後のまとめになるわけですけれども、ヴォーリズ夫妻の生涯を題材とした朝ドラは、この近江八幡市にとって、シティプロモーションする上での非常に大きなインパクトを与えるものになると思います。相手がNHKということで、市が予算をつけてできるとか、そういうものではありません。相手のあったことですので、そこは、要請団体のネットワークを組んでいくとか、政財界のパイプを通じてNHKに働きかけていくとか、いろんな手法があるかと思いますので、その辺の工夫はよろしくお願いしたいなと思います。地元市民や観光物産協会とか商工団体とかの熱い郷土愛と情熱がないと実現できるものではないと思っております。そういう意味で、ヴォーリズ夫妻が築かれた宝物を朝ドラを通じて全国に発信して、近江八幡市の究極のシティプロモーション、これができることを期待して、私の質問を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
○議長(辻正隆君) 以上で松村務君の個人質問を終わります。
 以上をもって本日の日程は全て終了いたしました。
 明19日は定刻から再開し、個人質問の14番目、小西はげむ君から続行することといたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 ご苦労さまでした。
               午後4時25分 散会
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