平成28年第4回(12月)近江八幡市議会定例会
12月6日(火) 個人質問
橋 博 議員
(1)安土駅周辺整備事業について
①新駅の供用開始時期、全体のスケジュール等について
②多目的スペースの内容と活用について
③新設される南口と城郭資料館との関係について
(2)旧市町をつなぐ連絡道路の整備について
①近江八幡安土連絡道路の進捗状況について
②山本川沿いの非農用地について
③道路計画路線上の中屋工区の換地について
(3)県道2号線安土町常楽寺地先(交差点)の交通安全対策について
①バイパス道路から山本川橋梁までの安全対策について
(4)総合医療センターにおける医療安全対策等について
①医療事故調査制度について
②院内での注射や点滴等の安全管理について
③外部からの侵入者及び犯罪未然防止対策について
◆21番(橋博 君) 新政会の橋博でございます。ただいま議長より発言のお許しを賜りましたので、通告書に基づきまして個人質問をさせていただきます。なお、質問方式につきましては、分割方式でさせていただきますので、どうかよろしくお願いをいたします。
また、本日の最後の質問者と、私なったようでありまして、大変お疲れのことと思いますが、特に市長さんにおかれましてはお風邪を召されてるということで、大変申しわけございませんが、もう少しの時間だけいただきまして、しっかりとご答弁をいただきますことをまずもってお願いをいたしたいと思います。
また、私小心者でございますんで、大変質問の中で失礼な発言があるかもわかりませんが、どうぞお許しをいただきましてご答弁をいただきますようよろしくお願いをいたします。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
まず第1に、安土駅周辺整備事業についてお尋ねをしていきたいと思います。
平成17年3月に、旧安土町議会において、安土駅舎のバリアフリー化を望む請願が全会一致で採択をされ、それ以来はや11年がたちました。安土地区住民の長年の悲願でありました安土駅舎のバリアフリー化工事が進められております。この間、JR西日本との交渉を軸に、その準備工事等に当局の皆さん方のひとかたならぬご努力に対しまして、深く感謝を申し上げるとともに、どうも一日も早く新駅舎の供用開始を期待するものでございます。
その期待をいたしております一人として、幾つかの質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
まず、安土駅舎の改修工事は以前から幾つかの難しい課題を抱えながらの工事ということをお聞きいたしております。旧安土町時代の地下道工事のコンクリート構造物が地中に埋まっていること、また地下水が多いことなど、それらの対応が必要であるため、普通の駅舎工事よりも、時間的にも、また事業費的にも負担が大きいということは認識をいたしております。
そこで、それらを踏まえて新駅の供用開始時期はいつごろになりますか。またあわせて、新駅整備後におかれる広場整備工事をも含め全体のスケジュールをお教えいただきたいと思います。
また3点目は、総事業費も幾らぐらいかかるのか、幾らぐらいになりますか、現段階でわかっている範囲で結構でございますので、ご答弁をいただきたいと思います。
次に、安土駅改修を進めるに当たり、市民公募委員や有識者で組織された促進会議でデザインを含め重要事項の方向づけをされてきたことは認識をいたしております。
その中の大きな一つとして、多目的スペースの設置がございます。これは歴史の町の玄関口として情報発信をする場を設けてほしいという要望であり、平成22年度の促進会のまとめとされたものであります。その趣旨にのっとり、ご当局はこのスペース設置に向けJR西日本と協議を重ねてこられました。そのかいがございまして、他の駅にはない立派に多目的スペースが生まれることとなったとお聞きをいたしております。
以前の会議でご答弁をいただきましたとおり、その運営は観光物産協会に委ねられるとのことでありますが、その後の具体的な中身が決まっておりましたらお教えをいただきたいと思います。また、キヨスクがなくなった今、唯一のサービスの提供が可能となる部分でありますので、有効な活用を期待するものであります。
最後に、新たに開設される南口によって、これまで以上に南口の利用者は増大してくると思われます。
そこで、南口と隣接することになる城郭資料館への観光客の流れを構築する必要があるのではないかなと考えるところでございます。駅の改札を南側へ出れば、雨にぬれずに城郭資料館に行くことができるわけでありますから、観光客の利便性はアップしてきます。少しでも入館者がふえる策や工夫のお考えがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。
以上をこの項の初問とさせていただきます。どうかよろしくご答弁をいただきますようお願いを申し上げます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
冨士谷市長。
〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) 橋議員の安土駅周辺整備事業につきましての中の供用開始時期並びに広場整備工事を含め全体のスケジュール、そして総事業費は幾らか、その3点にのみ私のほうから答弁をさせていただきたいと存じます。
ご質問の安土駅周辺整備事業につきましては平成26年4月1日に西日本旅客鉄道株式会社と基本協定を結びまして、本年度は仮跨線橋の設置及び作業ヤードを確保するための駅前北口仮ロータリー工事と南口の一部市道拡幅工事などを終え、駅舎及び自由通路の本体工事に取りかかっているところであります。
現在、基礎ぐい工事に入っており、12月末ごろから鉄骨立て方の準備、また旧跨線橋撤去に入り、そのまま鉄骨工事、屋根、壁、内部仕上げなど駅舎及び自由通路の早期完成に向け各種工事が進められる予定であります。
ご質問の供用開始時期につきましては、協定後における基礎地盤の追加調査により地中障害物及び地下水の影響によるくい基礎施工に関する追加工事等の必要性が生じたことから、これら追加工事の設計、調整等に不測の日数を要し、当初計画の平成29年春から7カ月おくれの平成29年秋ごろになる見通しとなっております。
また、新駅舎の完成後には、旧駅舎等の解体工事とあわせ、駅前南口広場及び北口広場整備を順次進めてまいりますが、平成30年秋ごろには安土駅周辺整備事業の全てが完了する予定であります。
なお、議第136号で上程しております安土駅南北自由通路整備工事委託の増額変更を含め、駅舎及び自由通路整備における事業費としましては19億8,327万3,000円となり、南北広場整備などを含めた総事業費はおおむね24億円を見込んでおります。
本格的な駅舎工事に入ってまいりますが、JR西日本を初め地元関係者との調整を密にしながら安全に工事を進めてまいりますので、皆さん方のご理解、ご協力をお願い申し上げて答弁とさせていただきます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
青木総合政策部長。
〔総合政策部長 青木勝治君 登壇〕
◎総合政策部長(青木勝治 君) 橋議員の安土駅周辺整備事業についてのご質問のうち、2番目と3番目の初問にお答えいたします。
まず、駅に設置します多目的スペースについてのご質問についてお答えいたします。
安土駅及び周辺整備促進会議の議論の趣旨を踏まえて、安土の玄関口でありますことから、観光客を初め地域住民など駅を利用される方々への情報発信、交流促進のための拠点とするべく、活用の方法、内容について関係者等と連携し協議を進めているところでございます。
特に、このスペースは大変利便性の高い場所にありますことから、一定の来訪者の集客が効率的に図れるものと考えておりますので、これに見合ったサービスの提供を中心に進めてまいりたいと考えております。
次に、安土城郭資料館の入館者がふえる策や工夫についてのご質問でございますが、先ほど申しました多目的スペースや駅改札口からの案内誘導を初め、南口広場整備としてロータリー整備を初め歩道の確保並びに雨天時などの歩行に配慮した歩道上屋根の設置など、駅周辺の利便性が格段に向上することが期待できると考えております。
また、この効果が城郭資料館のアクセスを容易にし、入館者数にもよい波及効果をもたらすものと期待しているところでございます。
特に、多目的スペースへの来訪者を城郭資料館へ誘導する仕組みなどについても、今後検討してまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
以上です。
○議長(井狩光男 君) 質問はありませんか。
橋博君。
◆21番(橋博 君) ありがとうございます。
それでは、1点だけ再問をさせていただきたいと思いますが、南口広場整備において、今市長はしっかり29年、30年には完成するということのご答弁をいただきました。南口の整備に当たって、安土の歴史や風土などを伝えるモニュメントなどの設置は考えてもらってないのか。
実は、近代相撲の発祥の地安土と言われただけあって、相撲やぐらが設置をされておったわけでありますが、これも撤去になりました。そのために、何か南口にモニュメントを設置していただく考えがないのか、その点だけ再度お聞きをいたしたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
廣瀬都市整備部長。
◎都市整備部長(廣瀬信之 君) 再問にお答えいたします。
議員おっしゃいましたように、以前の南口広場には織田信長公が相撲興行を催したことに由来し、近代相撲の発祥地として相撲やぐらが立っておりました。残念ながら、今回この駅の周辺整備に伴いましてこのやぐらを解体しましたところでございますが、今後新たに南口駅広場を整備するに当たりまして、議員が先ほどご提案されましたような安土の歴史や風土などを伝えるようなモニュメントの設置も含めまして、今後検討してまいりたいというふうに考えておりますのでよろしくお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 質問はありませんか。
橋博君。
◆21番(橋博 君) どうもありがとうございました。
いずれにいたしましても、この近江八幡の東の玄関口、安土の駅、それだけにどうかよきものを一日も早く完成をしていただきますことをお願いいたしまして、次の質問に入らせていただきたいと思います。
旧市町をつなぐ連絡道路の整備について。
市町合併の一体化を具体的に促進するためのインフラ整備についてお伺いをいたします。
草津市や守山市の道路の整備を見ましても、JRや新幹線の関係から南北の道路整備は余り変わりませんが、東西の道路整備は進んでおります。本市の場合、旧市町を結ぶ主要道路の状況は、武佐学区と老蘇学区を結ぶ国道8号線と旧中仙道、また八幡学区、金田学区と安土学区を結ぶ県道2号線のみであります。
第2期ローカルマニフェストには、旧近江八幡市と旧安土町を結ぶ近江八幡安土連絡道路の早期完成に努めますとあります。旧市町を結ぶ連絡道路整備は重要なインフラ整備であり、合併当初からの念願でもあります。
通行量の多い県道2号線や国道8号線のバイパス的な要素がある安土連絡道路について、何点かお伺いをいたします。
まず、近江八幡安土連絡道路の現在の進捗状況についてお伺いをいたしたいと思います。
次に、山本川沿いの非農用地の問題は現在どのようになっておりますか、この点についてもお伺いをいたしたいと思います。
3点目、最後に県営土地改良事業で換地が完了をしていないのは中屋工区だけであると聞き及んでおります。この連絡道整備を進める上で、道路計画路線に係る土地の所有者が確定しないことには、この道路整備は進まないと思います。換地に向け、どのような状況になっているのか、この点についてお伺いをいたします。
以上、この項の初問とさせていただきます。よろしくご回答のほうお願いします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
廣瀬都市整備部長。
〔都市整備部長 廣瀬信之君 登壇〕
◎都市整備部長(廣瀬信之 君) 橋議員ご質問の旧市町をつなぐ連絡道路の整備の状況についてお答えをいたします。
近江八幡安土連絡道路金剛寺中屋線の現在の進捗状況につきましては、平成27年度に道路予備設計を実施し、路線を確定いたしました。今年度は、主要地方道大津守山近江八幡線から市道長田御所内線間の約1,030メートルについて道路詳細測量設計を先般11月に発注したところで、あわせて県道交差点につきましても道路管理者である県と協議中であります。
平成29年度につきましては、用地測量、物件移転補償算定に着手する予定となっております。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
小西産業経済部長。
〔産業経済部長 小西正彦君 登壇〕
◎産業経済部長(小西正彦 君) 橋議員の旧市町をつなぐ連絡道路の整備についてのうち、山本川沿いの非農用地についてと中屋工区の換地についてのご質問にお答えいたします。
まず、山本川沿いの非農用地についてですが、安土町中屋地先の3,378平米の用地は滋賀県に購入いただく方向で調整を進めております。この用地の活用については、滋賀県に換地予定の隣接地2,253平米とあわせ検討をいただいているところでございます。
次に、中屋工区の換地についてですが、工事施行後、長らく地元の合意が難航しておりましたが、地元では中屋土地改良組合を組織され、地元調整に努めておられます。
また、換地手続については、びわこ揚水土地改良区が中心となり、地元土地改良組合、県及び市が連携を図り、換地計画案の作成や確定測量、地権者の相続などの作業を進めているところでございます。
今後、換地計画書などの整備ができた時点で、権利者会議を開催し、換地計画の決定や公告などの法手続を経て換地処分を行う予定であります。
本市といたしましても、一日も早く換地が完了できますよう、地元土地改良組合、びわこ揚水土地改良区、県と連携を図ってまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(井狩光男 君) 質問はありませんか。
橋博君。
◆21番(橋博 君) どうもありがとうございます。
旧市町を結ぶこの連絡道路の整備は、近江八幡市の発展に欠かせないものだと私は思っております。どうか一日も早い完成に向けてご努力をいただきますことをお願いし、これは要望とさせていただきます。
また、換地問題については、なかなか腰が上がらないというか、前に進まなかったのでございますが、皆さん方のご努力をいただいて、一歩、二歩、三歩と努力をしていただいて前に進んでいるように回答いただきました。まことにありがとうございます。我々地元議員といたしましても、何かありましたら協力をさせていただきたいと、この気持ちでいっぱいでございますので、どうかよろしくお願いをいたします。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
県道2号線に係る安土町常楽寺地先の交通安全対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
県道2号線のバイパス整備については、県事業であり、お答えをいただくことが大変難しいかもわかりませんが、安土町常楽寺地先での県道2号線のバイパスから県道2号線に進入する場合、クランク道路、一旦市道に出てすぐに信号から県道2号線に進むを経て、県道に合流するようになっております。
これは朝夕の混雑時にはこの距離の短いクランク道路と信号で大変な渋滞を起こしておるため、交通マナーの悪いドライバーが県道沿いのコンビニエンスストアの駐車場を横断するなど、周辺住民が大変危険にさらされているため、クランク道路に係る安全対策を行ってほしい旨の要望が自治会から提出をされていると思います。
この問題は、バイパスが完成し、バイパスの通行が増加すると、より大きな問題になると予測されます。
そこで、この安全対策としてバイパス道路から山本川橋梁までの区間の道路整備を進め、バイパスから県道へスムーズに合流することの安全対策はないのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
また、このような道路の工事、どのぐらいの期間を要するのか、この2点について初問とさせていただきます。どうかよろしくご回答のほどお願いをいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
廣瀬都市整備部長。
〔都市整備部長 廣瀬信之君 登壇〕
◎都市整備部長(廣瀬信之 君) 議員ご質問の県道2号線に係る安土町常楽寺地先の交通安全対策についてお答えをいたします。
9月議会においてお答えしましたが、常楽寺交差点の工事は安土バイパスに合わせて事業完了させることにより、現状の大津能登川長浜線の交通をバイパスへ振り分ける計画となっております。
11月に常楽寺区長様から県道2号線常楽寺交差点の交通安全対策について要望書をいただきました。本市も、交差点の現状を十分認識しており、県に対して副申を行い、事業完了までの交通渋滞対策を県と協議してまいりたいというふうに考えております。
また、常楽寺交差点を含めた安土バイパス全体の完了年度は現在確定しておりませんが、10年以上かかると想定されております。
本市といたしましても、常楽寺交差点を含めた一日でも早い安土バイパスの事業完了、供用開始に向けて、引き続き県に対し、まず予算の確保を強く要望してまいりたいというふうに考えております。
○議長(井狩光男 君) 橋博君。
◆21番(橋博 君) ありがとうございます。
この合流のための道路整備には、今、回答をいただきましたようにかなりの時間を要するようであります。この間もやはり地域住民は危険に侵されているということであります。ドライバーの交通マナーが大きな問題であると思いますが、地域住民の交通安全対策として、交通安全看板等による注意喚起はできないものなのか、この辺について再問をさせていただきます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
姓農市民部長。
◎市民部長(姓農彰宏 君) 再問についてお答えをいたします。
ご指摘いただいております道路の交通安全対策でございますが、議員ご指摘のとおり、ドライバーのマナーの問題もありまして難しい面も多々ございますが、現在の交通状況を把握いたしまして、ご指摘をいただいているコンビニエンスストアにもじかに相談をかけまして近江八幡警察署等関係機関と協議をし、看板設置など有効な対策を検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いをいたします。
○議長(井狩光男 君) 橋博君。
◆21番(橋博 君) ありがとうございます。
ぜひとも看板設置によって安全対策を強く求めるものでございます。しかし、地元の自治会は大変心配をして、自治会長さんも要望を出されているわけでございますんで、その辺ひとつぜひともご理解をいただいて、一日も早い看板設置をいただいて、安全な、そして事故のないようにお願いをいたしたいと思います。
それでは、次の質問に入らせていただきます。
医療安全対策等についてお伺いをいたします。
総合医療センターに対して、院内の医療安全対策について質問をさせていただきます。
総合医療センターにおかれましては、当市はもちろんのこと、東近江地域23万人の住民の急性期基幹病院として昼夜休日を問わず命と健康を守っていただいていることに深く感謝を申し上げます。
また、医療を取り巻く環境変化が目まぐるしい中、市民の医療ニーズは年々多様化し、また高望み化しており、医療を初めとした医療従事者におきましても、それに応えるべく医療の質向上に向けて懸命の努力をされていると思います。
しかしながら、生身の体を治療するがゆえに、あってはならないことでありますが、時として不慮のミスや事故などが起こり、場合によっては死に至るケースもあります。
こうした中、平成26年6月の医療法の改正によりまして、昨年10月から医療事故調査制度が国内の医療機関全てにおいて始まっていると思います。
この制度は、診療行為に関連した患者の予期せぬ死亡事例等があった場合、医療機関は医療事故調査支援センターに報告をして院内での事故調査を実施し、遺族に調査結果を報告するといった、今まで不透明であったことを統一したルールで病院側が説明責任を果たすことであると私は聞き及んでおります。
幸いにも、当医療センターにおいては当該事故は制度開始以後発生はしていないと思いますが、詳しい制度概要や院内での取り組みについて市民皆さんは恐らくご存じないと思いますので、周知していただくことも必要ではないかなと考えるところでございます。
また次に、ことしに入り、県外の病院や福祉施設などで人為的行為によると想定される痛ましい事故が起こりましたことは記憶に新しいところでございます。
具体的には、本年9月に横浜市の病院で起こった点滴の異物混入を原因とする患者の中毒死亡事故、また最近では北九州市の病院で点滴袋に穴があけられている、また鎮痛剤が紛失されているといった事件もありました。
また、本年7月には、相模原市の障害者施設で、元職員が夜間に施設内に無断侵入し19名ものとうとい入居者の命を落とすというむごたらしい事件も起こりました。
そこで、多くの患者を預かる医療センターでは、このような医療事故や医療安全管理及び防犯上の対策について、3点ばかり質問をさせていただきます。
まず1点目、医療事故調査制度についてはどのようなものなのか。また、院内での注射や点滴等の安全管理についてはどのように実施されておるのか。3点目、外部からの侵入者及び犯罪未然防止対策についてはどのようにされているのか。
以上3点を初問とさせていただきます。よろしくご答弁をいただきたいと思います。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
宮下総合医療センター事業管理者。
〔総合医療センター事業管理者 宮下浩明君 登壇〕
◎総合医療センター事業管理者(宮下浩明 君) 橋議員の医療安全対策に係るご質問のうち、1つ目と2つ目にお答えいたします。
まず、医療事故調査制度でございますが、この制度は、医療に起因した、または起因したことが疑われ、管理者が予期しなかった死亡または死産の事例が事故調査制度の対象となります。もう少しわかりやすくお話ししますと、例えば手術を実施する際に、その手術では大量出血や麻酔薬による重篤な副作用など事前にその可能性を説明できる合併症がありますが、それら以外の理由で亡くなられた場合が該当します。
それら以外の理由というのが、不明確な場合が多く、それを調べるのも事故調査制度の目的の一つであり、主たる目的は医療事故の再発防止により医療の安全を確保することでございます。
ここで言う医療事故とは、医療ミス、すなわち明らかに行ってはいけない行為及び提供できる適切な治療を行ったにもかかわらず、予期せぬ不幸なてんまつを迎えられた事例の両方を含みます。
ちなみに、昨年10月以降1年の間に、日本医療安全調査機構に設けられた事故調査支援センターへの死亡事故報告件数は388件でした。
次に、当院における事故調査の流れです。
事故調査制度対象となり得る可能性のある事例が発生しましたら、医療安全管理室長が院長に報告し、緊急検討会議を開催して協議し、対象事例と判断した場合は院内事故調査委員会を立ち上げます。この院内事故調査委員会では必要に応じて外部委員を招集して開催することとなりますが、そこで協議した内容を報告書にまとめ、医療事故調査支援センターに報告する流れとなります。
あわせて、ご家族への説明でございますが、事故調査を行うという説明と必要に応じてCTによる死亡時画像診断や解剖の承諾をいただく場合がありますが、報告書がまとまり次第、ご説明させていただくこととしております。
なお、ご家族がこの結果に不満な場合は、医療事故調査支援センターに調査の依頼をしていただくことができます。
次に、2点目についてお答えいたします。
院内での注射や点滴などの安全管理について回答させていただきます。
院内には、サテライトファーマシーという点滴を調製する部屋を3階と4階に各1カ所設置しており、そこで午前10時と午後4時の2回、看護師と薬剤師が調製を行っています。
調製した点滴は各病棟に持ち帰り、点滴を実施しますが、午前10時と午後4時以外に時間指定のあるものはそれまでスタッフステーションで厳正に保管いたします。高カロリーの点滴は前日に1階の薬剤部で調製し、使用するときまでサテライトファーマシーの医療用保冷庫に保管します。
サテライトファーマシーは必ず施錠することとしておりますので、部外者が無断で立ち入ることはできません。また、抗がん剤治療の点滴は使用時にその都度薬剤部で調製され、直ちに実施されます。
また、注射剤の備品管理についてですが、スタッフステーション内設置の救急カートに緊急時に使用する注射剤が置いてありますが、テープが巻かれており、取り出せばその痕跡が残り、無断使用ができないようにしてあります。
それ以外の注射剤はサテライトファーマシーの薬品棚にありますが、当箇所は先ほど申したとおり施錠してございます。
加えまして、薬剤部は24時間薬剤師が在中しており、また夜間は薬剤部自体を施錠しております。
当院では、このように薬剤を厳重に管理しております。
以上です。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
総合医療センター奥山事務長。
〔総合医療センター事務長 奥山文市郎君 登壇〕
◎総合医療センター事務長(奥山文市郎 君) 橋議員の医療安全対策に係るご質問のうち、外部からの侵入者及び犯罪未然防止対策についてお答えさせていただきます。
当医療センターの診察を受けに来られる外来患者は平均いたしまして1日当たり約900名おられます。さらに、お見舞いに来られる方や入院中のご家族の付き添いに来られる方々など、実際に人数把握はしておりませんが、私ども職員や委託業者、各種の病院納入業者以外に1,000名を超える方々が当院に出入りされておられます。
午後6時以降は正面玄関を施錠し、院内への出入りは救命救急センター横の北出入り口1カ所のみとしております。
救急受診された方々が薬を受け取られる場合や院内のコンビニエンスストアに行かれる場合などは、窓口に警備員が常駐している防災センター前の出入り口を通っていただくこととしております。
しかし、このように大勢の方々の出入りがある中から不審者を見きわめることは非常に困難なものがございます。
幸いにも、当院では他の病院で発生しました点滴への異物混入のような犯罪事案は発生しておりませんが、先ほど院長が申し上げましたように、薬剤倉庫は施錠をするなど厳重管理しております。
さらには、院内での窃盗や盗撮といった犯罪の抑止効果を高めることや万一発生した場合に映像を解析することで犯人を特定し、早期に解決するため、本年1月に院内の防犯カメラ23台を新たに増設し、計116台といたしまして院内の監視強化を図ったところであります。
さらに、各病棟のスタッフステーションでも薬剤や点滴を取り扱うことがありますので、該当箇所への防犯カメラの設置につきましても現在検討を始めているところでございます。
また、制服を着た警備員による院内巡回に加え、県警OB職員による院内巡回も実施しており、これらの巡回時間や巡回コースを毎日変えるなど、警備の盲点をできる限りなくし、犯罪の事前防止に日々努めているところでございますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(井狩光男 君) 橋博君。
◆21番(橋博 君) ありがとうございます。
ただいま詳しくご答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。
院内での管理体制、厳重な管理をしていただいてるということ、また院内での、今ご答弁の中で防犯カメラが116台もあるということは私も全然存じてませんでした。本当にそのようにして安全管理をしていただいてるということ、あるいは一日一日をより一層安全な管理に努めていただいていることに対して感謝を申し上げるところでございますが、一昨日の九州ですか、病院にタクシーが突っ込むという、何が起こるかわからない今日でございますので、できるだけ安全管理にひとつよろしくご協力をいただきますことをお願いいたしまして、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(井狩光男 君) 以上で橋博君の個人質問を終わります。