平成29年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月1日(水) 代表質問
橋 博 議員
(1)地方創生法及び若者と共に進める地域づくりの考え方について
①ライフステージ(結婚・出産・子育て)に応じた施策の状況と実績について
②子育て支援の充実、世代間の支え合いの仕組みづくりの施策実績について
③乳幼児、児童及び生徒に対する医療費の助成について
④多子世帯に対する福祉、教育、住宅などの公的支援について
⑤それぞれの年代に応じたワークライフバランスの取組及び女性の活躍支援について
(2)若者と共に進める地域づくりについて
(3)人口減少とふるさと納税との連携について
(4)近江八幡市道路網マスタープランについて
①経緯と目的について
②内容について
③アクションプログラムについて
(5)家庭教育支援・不登校児童生徒について
(6)一般廃棄物の減量施策について
(7)子育て支援・環境の充実について
(8)平成29年度水道事業会計について
①マイナス予算について
②水道料金の未収金について
③広域化について
(9)総合医療センターについて
①東近江医療圏の現状と医療センターの取組について
②医療センターが目指す医療と将来計画について
◆21番(橋博 君) 私は、新政会の橋博でございます。ただいま議長に発言のお許しをいただきましたので、新政会を代表いたしまして、通告書に基づき質問をさせていただきます。どうかよろしくお願いをいたします。
ことしも早いもので2カ月が過ぎました。1年のうちの6分の1が過ぎたわけであります。その間、アメリカでは、大統領トランプ氏が就任をされました。荒れ狂う先の見えないトランプ台風とも言われ、アメリカが、いや全世界がどのように変わるのであろうか。経済面においては保護施策や減税施策をとり、日本にとりましても大変大きな影響があると心配をされているところでありまして、また我々地方自治体におきましても大きな影響があるのではないかと心配をするところであります。
さてそれでは、早速質問に入りますが、さきの質問者と重複する部分があるかもしれませんが、その節にはご配慮をいただきましてご答弁をいただきますよう、まずもってお願いをいたしておきます。
それではまず1点目、地方創生と、若者とともに進める地域づくりの考え方について質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。
安倍総理が最重要課題に位置づけたまち・ひと・しごと創生法は、人口減少の克服や東京への一極集中の是正に向け、出産や育児をしやすい地方の子育て環境づくりや地方の雇用創出などを基本理念に掲げております。このようなことから、地方自治体の判断で柔軟に使える交付金の創設や地域振興につながる各地の実情に応じた地方版の総合戦略を策定する努力義務を課して、地方人口ビジョンと地方版の総合戦略の策定を行ってこられました。このことは、地域で住みよい環境を確保し、活力ある社会を維持することであります。
また、地方創生に資する取り組みについては、地方の創意工夫を最大限に生かす観点から、各所の細かい取り組みの寄せ集めでなく、地域実情に応じて効果的に活用できる包括的な交付金を大胆な規模で設けるとともに、地方創生、人口減少の克服のための歳出を地方財政計画に計上し、地方交付税を充実することが重要であります。加えて、地方創生を推進する上で支障となる法令や制度等について柔軟に見直すことが必要であります。
地方創生法では、国において、人口減少の克服と地方創生のために、向こう5年間の取り組み方針として、長期ビジョン及び総合戦略の策定を明記しました。特に、人口減少や産業の衰退が予想できる近江八幡市の課題が集約されていると思いますから、近江八幡市としては、この地方創生に対する考え方と取り組み方針について今後どういった夢やビジョンを描かれているのか、お伺いをいたしたいと思います。
そこでまず1点目として、少子化対策の抜本的な強化策についてであります。
人口減少を克服するラストチャンスと捉まえ、少子化対策を国家的課題と位置づけ、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえるよう、国と地方が今こそ総力を挙げて抜本強化に取り組む必要がありますが、近江八幡市は次の事項についてどういったビジョンやプランを持ち、現在まで実行されてきたのか、次の5点についてお伺いをいたしたいと思います。
まず1点目として、結婚、出産、子育てというライフステージに応じた多様な施策実行実績について、2点目として、子育て支援の充実、世代間の支え合いの仕組みづくりの施策実行実績について、3点目として、乳幼児や児童・生徒に対する医療費の助成はどう進めていくのか、4点目として、多くの子どもを抱える多子世帯に対する福祉、教育、住宅などの公的支援の施策実績について、5点目として、ワーク・ライフ・バランス、それぞれの年代に応じた取り組みや就業継続支援などによる女性の活躍支援はどう考えているのか、この5点につきまして、まずビジョン、プラン、実績をお伺いいたしたいと思います。
次に2点目として、若者とともに進める地域づくりについて質問をさせていただきます。
昨今、自発的に地域で生きていくという目的を持った若者がふえてきています。そのための仲間づくり、自分たちの居場所づくりが進んでいます。若者自身が大人になるためにはどのようなことが必要なのか、模索をしている現状であります。
その中で、若者たちが、若者、行政、地域をつなげて、若者が若者を支援する組織が立ち上がったりもしています。若者支援を考えるとき、子どもが若者になり、若者が大人になるときの人間形成の土壌が昔と大きく変化していることを認識する必要があります。今の時代は、情報消費の社会、グローバル化の社会、機能主義、この3点セットになって、日本各地の地域コミュニティーが変わり、若い人たちの暮らしが大きく変わってきております。
1970年代後半から、それまであった工業型社会の物づくり時代、みんなが一致団結で物づくりを行い、経済大国の社会を目指したという時代から、情報社会、消費社会に変わってきたことは、誰もが理解するところであります。若い人たちの育ち、若い人たちの意識により、今の社会の変容がかかわってくるのであります。
情報を中心とした、人と話をしなくても生きていけるような社会、自分で何かを生み出すことがなくなり、パッケージ化された商品を選択していく社会であります。当然でありますが、選択をし、それが失敗しても、自分が選択したから自分が悪いのだというような自己責任論、これは社会の仕組みそのものと言えると思います。
今や国境を越えて人、物、情報が流れるようになってきており、今まで存在していた強固な地縁、血縁、地域社会、家庭、学校といったコミュニティーが大きく変容してきました。若者の生きづらさという表現をよく耳にしますが、これは本当は若者だけの生きづらさ、つらい問題でしょうか。若者だけではなく、大人にも根底にこの社会の変容による生きづらさというものがあるのであります。暮らしの根本が地殻変動を起こしている中で、大人よりも子どもや若者のほうが敏感にその変動をキャッチしているのであります。
このような状態から、現代社会において、徹底した機能主義、効率、成果を求めるといった社会状況になってきており、社会が成熟するにつれて効率化が進み、人間は交換可能な部品として存在しているかのようになってきているのではないでしょうか。世代を貫いてきた増大する存在不安、生きる意欲の低下を内に抱え込むようになっており、このような社会変容の中で生きている若者たちには複合的なリスクが存在し、自立をより困難にしているのであります。
このようなことから、小学校単位で支援をしたいと考える大人たちを集めて若者支援をする仕組みをさらに進めるべきで、むしろ支援という言葉より、子ども、若者、大人がともにつながりながら生きるためにどのような地域にするか、一緒に考えることが必要であると思うのであります。
日本各地の多くの市は、財源の問題を理由に、若者支援に鋭意に取り組むことはできていない状況であります。このような状況から、お金がかからず支援ができる仕組みをつくるために、地域の人たちの力をかりなければなりません。本人や家族の頑張りが難しいならば、地域で支えるべき時代なのであります。
そこで、若者の実態調査についてお伺いをいたします。
近江八幡市でのひきこもりの実態状況はどのようになってますか。もし実態状況が把握される調査が行われてない状況であれば、今後どのような調査をされるのでしょうか。この点についてお伺いをいたします。
また、近江八幡市も市民意識調査にて働き方の質問、ひきこもりについての質問、困っていることの自由記述など調査することが必要と考えますが、市はどのように考えますか。この点についてもお伺いをいたします。
次に、たまり場から広げる地域づくりについてお伺いをいたします。
ひきこもり状態にある人たちは、いきなり仕事となると、本人が傷ついてしまうおそれがあるため、スモールステップでの支援が必要になるのです。こういった若者の実態やひきこもりの状態を知らない市民の方はたくさんいます。しかしながら、若者支援は地域の理解がないと進みません。そのカウンセリングがきっかけとなり、支援をした人、当事者の人と分けるような呼び方ではなく、市民のみんなが同じ目線で話を聞くということができるような仕掛けが重要になります。
そこにはコーディネーターとして専門家を入れることが必要です。地域包括のブロック単位で、お世話好きな人や地域を動かせる人で勉強会を開き、課題解決の仕組みをつくっていくことが必要です。各ブロックに分かれるのは、地域特性があるためであります。地域で課題解決の力をつけること、お金をかけず地域で支える仕組みをつくらなければなりません。
そこでまず第1に、自治会などの小さな単位で子ども、若者のたまり場をつくり、地域のつながりを取り戻す施策を行ってみてはいかがでしょうか。基本誰でも参加できる居場所にして、老若男女一緒に御飯を食べたり、そのためのフードドライブを行ったり、さまざまな地域の人たちのできることを持ち寄り、できることからおもしろいイベントを開催していくことはという内容です。
このたまり場をつくるために、地域のリーダーになる人材確保、人材育成をすることが必要であります。人材育成、人材確保、地域の若者支援に理解をしてもらうため、講演会や勉強会を行っていくことが必要と考えますが、市はどのように考えられますか。この点についてもお伺いをいたします。
次に、3点目として、人口減少とふるさと納税との連携についてお尋ねをいたします。
少子・高齢化が本格化する中、本市ではまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、内発的発展を目指し、市民、企業、行政が主体的に本市の資源や知恵などを生かして雇用の創出、人口の定着に取り組むこととして、昨年度より近江八幡市版CCRCやインバウンド観光の振興などの新たな施策に取り組んでいるところであります。これらの活力ある地域社会の構築に向けた新たな取り組みを行う一方で、人口減少が進む中、既に足元で生じつつある問題にも対応していかなければなりません。
行政だけが地域経営を行う時代はもう終わりました。今こそ従来の発想にとらわれず、公民が連携して困難な問題に立ち向かい、地域をともにつくっていく発想が必要であると思います。
そこで、多様な主体との連携という視点で、ふるさと納税との連携についてお伺いをいたしたいと思います。
昨年平成28年、本市のふるさと納税は、日本全国から約2万人以上、14億円を超える寄附をいただいています。本市の歴史文化への共感や良質な特産品に魅力を評価していただいた方がいかに多いかを示すものであります。また、市長を初め関係者のご尽力に敬意を表したいものであります。
このふるさと納税は、本市の平成28年度予算における市税収入がおよそ100億円であることを踏まえると、さらなる魅力あふれたまちづくりに向けた財源として大変貴重なものであります。また、地場産業、地域経済の活性化に寄与しているほか、本市の他地域ときずなを深める上でも大事なきっかけとなっていると考えるところであります。
本格的な人口減少社会の中で、全国で2万人を超える寄附者、本市に何らかの愛着を感じていただいてる方がいるということは、現在本市にお住まいの8万2,000人の方にこういった方々を加えると、実質的には10万人の市民がまちづくりにかかわっていただいてることになるわけであります。引き続き、本市に愛着を感じ応援していただく方を維持拡大するため、今後は、ふるさと納税を行った人に向けて、単なる特産品のやりとりにとどまらず、まちづくりへの参加の機会をつくるなど、より愛着を感じていただく仕組みが必要であると思います。このことは、他地域の方に本市のすばらしさを体感していただく機会となるほか、近年増加傾向にある都市と田舎を行き来する生活をしている複数地域居住者にとって、地域に溶け込みやすくする環境づくりとなり、やがて移住につながるものと考えるところであります。
引き続き、ふるさと納税を通じて拡大した全国の方々のきずなをさらに深化させ、当市のまちづくりの応援参画を続けていただく方策についてどのように感じておられるのか、この点についてもお伺いをいたします。
次に4点目、近江八幡市道路網マスタープランについてお伺いをいたします。
旧近江八幡市と旧安土町が平成22年3月に合併をし、はや7年目を迎えようとしています。合併時に策定された新市基本計画に基づき、いろいろな施策が進められてきました。このような中において、平成24年3月には近江八幡市都市計画マスタープランが策定され、本市都市計画に関する将来のまちづくりの指針が示されたところであります。
そこでお聞きをいたしますが、今回平成28年度版が作成された近江八幡道路網マスタープランはどのような経緯と目的を持って作成されたのか、お伺いをいたしたいと思います。
また、本市の道路網マスタープランの策定内容についてもお伺いをいたしたいと思います。
具体的にはどのような過程を経て策定されたのか、その内容についてもお教えいただきたいと思います。
また、本市のアクションプログラムについてお伺いをいたします。
近江八幡市道路網マスタープランを踏まえて、より具体的な道路整備計画として近江八幡市道路整備アクションプログラムが策定されていますが、これはどのようなものなのか、この点についてもお伺いをいたします。
5点目、家庭教育支援、不登校児童・生徒についてお伺いをいたしたいと思います。
現在のご家庭の状況を見ますと、核家族化が進み、忙しい毎日の中で子どもとのコミュニケーションやしつけに戸惑い、子どもの問題行動や不登校に一人で悩む保護者がおられるように思います。中でも不登校の問題は、学校においても喫緊の課題であり、保護者の悩みも大きいと思います。
そこで、お尋ねをいたします。
現在、本市における不登校児童・生徒数はどのようになっていますか。
また、事前防止を含め、どのような不登校対策を行っていますか、お教えをいただきたいと思います。
次に、学校ではスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門家を活用し、対応に努めておられますが、不登校児童・生徒に対する支援は学校だけでは限界があるのではないかと思うところであります。そこで、地域の子どもは地域で育てると言われる中、全国的に地域の人材を中心にきめ細かな活動を組織的に行う家庭教育支援チーム型と言われる支援の形が徐々に広がっております。
家庭教育支援チーム型の支援は、大きく3点あると思います。まず1点目は、保護者への情報や学びの場の提供、2点目としては、学校と地域のつながりの場の提供、3点目としては、訪問型家庭教育の支援であります。すなわち、問題は、情報や学びの場につながらない、家庭と地域のつながりの場に参加することのできない保護者にどのようにアプローチするかであります。
そこで、従来の拠点型の待つ支援ではなく、届ける支援が必要であり、これが3点目の訪問型家庭教育支援であると思います。お隣に誰が住んでいるかわからない時代になってきて、家庭や学校、地域のすき間を埋める役割を担っていく仕組みを整えていくことが大切であります。もし保護者が支援を要しなくなった場合には、反対にみずからが支援をしていくような、循環的な新しい社会モデルを構築することが重要ではないかと思います。
本市において、このような家庭教育支援に取り組むべきだと思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。
6点目について、一般廃棄物の減量の取り組みについてお伺いをいたします。
日本の廃棄物問題、とりわけ食品ロスの問題は、年間800万トンと、世界でも屈指の廃棄量であると言われています。コンビニやレストランでは、食品ロスの削減のために、家畜の餌に利用するなどの取り組みがされているとも仄聞いたしております。
しかしながら、食品ロスの半数は家庭から排出されているとも言われています。家庭から排出される食品ロスを削減するのは、環境保全と一般廃棄物の削減につながるものであります。各家庭で食品ロスに取り組んでいただくことは、必要以上の食材の確保を控えることにより、時間の節約、食材の無駄をなくし、光熱費の節約にもなり、家計の負担の軽減にもつながることを、市民に対し啓蒙啓発に努めなければならないと感じているところであります。
また、特に食品ロスの削減については、昨年10月に全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会が福井県の呼びかけによって設立されたところであります。この協議会の趣旨に賛同する42の都道府県と197の市町村が加盟されて発足をされており、今後、さまざまな情報交換が行われ、加盟するそれぞれの自治体において食品ロス削減に向けた取り組みが広がっていくものと期待をされているところであります。
また、ごみ問題は、日々の生活と切り離せない問題であり、学習指導要領の中に、3年生もしくは小学4年生の社会科の廃棄物処理について学ぶと規定をされています。また、昨年8月に供用開始になりました竹町地先の市環境エネルギーセンターには、従来の処理施設にはない、廃棄物処理について学びの場と、廃棄物の処理過程を安全に見学できる見学ルートが整備されたすばらしい施設であります。旧安土町地域の一般廃棄物も、本年の4月から、このすばらしい市環境エネルギーセンターで処理がされます。
捨てればごみ、生かせば資源、また食品ロスを少なくすることは、料理をつくる時間、食材費、光熱費などの節約につながり、家計にも環境にも優しくなるをスローガンに、市民への啓発活動を行い、市民の協力を得ながら、食品ロス、廃棄物の減量と適切な処理に努めることが末端自治体の責務であると考えるところであります。
そこで、本市の一般廃棄物の減量施策についてお尋ねをいたします。
生ごみ、剪定枝、草等の有機物の堆肥化、紙や缶の資源化、生ごみの一絞り運動、適切な食事の量をつくりましょうなどの運動を推進することにより、食品ロスを少なくし、家庭から排出されるごみは大きく削減されるものと考えます。
そこで、食品ロスと一般廃棄物の減量に向けた取り組みと、市民啓発の現状と課題、今後どのように推進されるのか、お伺いをいたします。
なお、家庭系と事業系に分けてお答えをいただきたいと思います。
また、食品ロスの削減に向けた取り組みを推進されている協議会や団体への参画についてもお伺いをいたします。
本市は、食品ロス削減に向けた取り組みを推進される協議会や団体に参加されているのでしょうか。参加されていないのであれば、参画される意向があるのか、その点についてもお伺いをいたしたいと思います。
7点目に入ります。子育て支援環境の充実であります。
先ほどお尋ねしましたのは仕組みづくりについてお尋ねをしましたが、今回は環境問題についてお尋ねをいたします。
少子・高齢化の進展により、日本の人口も減少に転じ、近江八幡市も2060年には人口7万人になると言われています。人口減少を緩やかにするためには、出生率の上昇と人口の社会増が必要となるが、そのためには若い世代が安心して子どもを産み育てることのできる環境づくりが重要であります。
女性の社会進出による保育ニーズの高まりにより、本市では昨年4月時点で待機児童が56人と、県内トップになりました。また、本年1月17日のある新聞の記事によりますと、平成28年5月1日時点で放課後児童クラブの待機児童は1万7,203人と厚生労働省が発表したと報じています。子育て環境の充実は、保育所や放課後児童クラブの充実による待機児童の解消はもちろんでありますが、核家族であるために身近に相談できる人がいないなどの不安にも対応する必要があります。
本市の子育て環境の充実についてどのような取り組みを実施し、成果を上げているのか、また今後どのように進めようとされているのか、この点についてもお伺いをいたします。
次に、8点目に入ります。平成29年度の水道事業会計予算についてお伺いをいたします。
水道事業を取り巻く環境は、ますます厳しい状況にあります。すなわち、人口減少や節水機器の普及による水需要の減少、病院や避難所への配水する管路の耐震化や、老朽化した施設の更新、水道事業効率化等々の問題や課題が多岐にわたって存在すると思いますが、このような状況において、水道事業の運営についてお尋ねをしていきたいと思います。
平成29年度水道事業会計予算において、収益的収支予算の収支がマイナス予算となっております。これまで収支は均衡する予算を立てられてきましたが、平成29年度予算はマイナス予算となってる理由と、今後の水道事業経営にどのような影響があるのか、お尋ねをいたします。
また、水道料金の未収金についてお尋ねをしますが、水需要が減少し、給水収益の減収が予想される中、水道料金の支払い状況はどのようになっているのでしょうか。また、公平性の面から、未収金に対する取り組みはどのようにされているのか、この点についてもお伺いをいたします。
3点目、広域化についてお尋ねをします。
厚生労働省が、水道事業において基盤強化に向けた検討をして、広域化連携の推進を掲げています。本市において、水道事業の基盤強化に向けた広域化についてどのような検討がなされているのか、この点についてもお伺いをいたします。
次に、最後になりますが、9点目、総合医療センターの現状と目指す医療等についてお尋ねをいたします。
総合医療センターにおかれましては、地域になくてはならない市民病院として、24時間365日、市民の健康と命を守っていただいてることに改めて感謝をいたします。
さて、一昨年市で策定されました安寧のまちづくりの推進構想が掲げられていますこの安寧という言葉を辞書で調べますと、無事で安らかなこと、世の中が穏やかで安定していることと書かれています。地域や家庭がこうした安寧を享受し続けるためには、毎日の健康生活と長寿が何よりも大切なものでありますが、これを足元でしっかり支え、安心の源となるものの一つとして、地域医療の充実があると言えます。今後も安寧のまちづくりを積極的に進め、都会からのアクティブな高齢者を受け入れ、また人口の流出を食いとめるためにも、市が責任を持って保障する質の高い医療提供は非常に重要なものであると思うところであります。
当市におきましては、今から50年ほど前の市民病院時代から、公的インフラの一つとして、市が潤沢な財政でないにもかかわらず地域の医療を脈々と続けてこられたことは、市民の大きな財産であります。しかし、昨今の少子・高齢化社会の進展のため、医療を含む社会保障費の急激な高騰により、現在、国では、国民の介護や医療費の削減に向けて躍起になっております。来年4月に行われる医療や介護報酬の同時改定では、今よりさらに厳しいものになるのではないかと聞き及んでおります。
そこで、さきの12月議会でも私お聞きしましたが、全国の公立病院の経営は非常に厳しい中でも、当医療センターは懸命に頑張っていただいてると思いますが、この東近江地域における現在の立ち位置や、県が昨年に作成した地域医療構想の進展に伴い、今後どうした医療を行っていくのか、次の2点についてお伺いをいたします。
地域医療構想に基づく東近江医療圏の現状と当センターの取り組みについて、2点目、総合医療センターが目指す医療と将来計画について、以上2点についてお伺いします。
以上、多くの質問をいたしましたが、よろしくご答弁のほどお願いをいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
冨士谷市長。
〔市長 冨士谷英正君 登壇〕
◎市長(冨士谷英正 君) 新政会の橋議員の代表質問の中で、9点にわたりますご質問を頂戴をしました。その中で、私のほうからは、ふるさと納税との連携について、税収確保の観点からのご質問にお答えをさせていただきます。
まず、本市は、申し上げるまでもなく、八幡堀や、あるいは安土城跡、あるいは商家の町並みや水郷など、全国に誇る数多くの名所旧跡がございます。これら本市固有の魅力をアピールするため、寄附を頂戴した全ての方に、寄附関係書類とともに観光パンフレットを送付をしております。事務作業の手間や送料等の費用が増加することから、送付しておられない自治体も多いようでございますが、本市では、ぜひ魅力あふれた我が町を訪れていただきたいとの思いから、あえてお送りさせていただいているところでございます。
加えまして、平成29年度におきましては、折に触れ本市のことを思っていただけるよう、手元に残るようなPRグッズを製作し、配付いたしたいと考えているところであります。また、返礼品につきましても、本市を実際に訪れていただき、本市のファンになっていただき、ひいては移住、定住につなげていけるよう、市内施設の食事つき宿泊券等をご用意しております。実際にご利用いただいた方から、また訪れたいとのお声や、逆に、以前から本市のファンだった方から、ふるさと納税で宿泊できるというのはうれしかったとのお声もいただいておりますことから、今後も本市を訪れていただけるような返礼品の拡充に努めてまいる所存でございます。
その他、本市のさまざまな情報をお伝えするため、ご寄附の申込時に同意いただいた方には、本市からアンケートや各種イベントのご案内をお送りしております。例えば本年度におきましては、安寧のまちづくりCCRCに関するアンケートのご協力のお願いや、去る1月に大阪で行われましたまち・ひと・しごと創生フォーラムのご案内をお送りいたしました。その結果、フォーラム当日、実際に会場にお越しいただいた方もおられました。
今後も、関係部署間での連携を密にし、本市のイベントや施策に係る情報発信等を積極的に行い、ご寄附いただいた全国の皆様に近江八幡市への愛着を深めてもらう取り組みを進めてまいる所存でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
姓農市民部長。
〔市民部長 姓農彰宏君 登壇〕
◎市民部長(姓農彰宏 君) 橋議員の、地方創生法と、若者とともに進める地域づくりの考え方についてのうち、③乳幼児や児童・生徒に対する医療費の助成についての質問にお答えをいたします。
乳幼児や児童・生徒に対する医療費助成につきましては、医療給付に対する福祉施策の一環として、低所得者層の負担軽減を図ることで、本当に経済的に困窮している人が生活を維持できるよう社会的援助を行っているところであります。
現在、乳幼児につきましては、平成28年4月から県の福祉医療制度に統一され、医療費は無料となっております。小学1年生から中学3年生までの児童・生徒に対する医療費助成につきましては、入院費につきましては既に無料化を実施しております。また、通院費につきましては、市県民税非課税並びに均等割のみの課税世帯を対象とし、現在、小学1年生から小学6年生まで無料化をしております。また、本年平成29年度から、中学3年生まで対象者を拡大する予定であります。
実績につきましては、平成27年度ですが、乳幼児が5,401人で、扶助費は3,943万7,000円、児童・生徒の入院は133人で、扶助費は795万4,000円、通院は44人で、扶助費は8万180円となっております。
次に、⑤の女性の活躍支援についてのご質問にお答えをいたします。
当市では、男女共同参画おうみはちまん2020プランを策定し、意識づくり、仕組みづくり、家庭・地域づくり、未来づくりの4点を基本目標として、女性の活躍支援のための施策を推進しているところです。
意識づくりにつきましては、男女共同参画社会に対する社会的機運を醸成することを目標とし、学習機会の提供として、男女共同参画市民の集いや住みよいまちづくり推進講座等の施策を行っております。また、広報紙、啓発パンフレット、ケーブルテレビなどの広告媒体やイベントの場などを活用し、市民や事業者が男女共同参画に関する認識を深められるよう啓発広報活動なども行っており、それらによる効果の検証のため、市民に対する意識調査を実施しております。
次に、仕組みづくりといたしましては、適性に応じた登用がなされ、男女がともに社会参画するための環境を整えることを目標としております。具体的には、審議会等への女性の積極的な参画を進めるため、推薦団体への協力要請や市民公募制の活用促進を行っており、登用の取り組み状況については定期的に公表をしております。また、事業所を対象とした女性登用に向けた啓発や、ハローワーク等との連携による女性の就労に関する情報提供、再就職、転職支援などの就労支援なども行っております。そのほかにも、育児不安等の軽減を目的とした相談体制の整備や、年齢に応じた健康に対する啓発など、幅広い施策を推進しております。
次に、家庭・地域づくりでございますが、こちらについては、家庭生活を充実させ、男女共同参画に根差した地域をつくることを目標としております。地域の男女共同参画の推進リーダーである男女共同参画推進員を自治会ごとに設置し、地域での啓発活動に努めているほか、家庭での介護負担の軽減のため、介護サービスに関する情報提供や介護者に対する相談体制の整備などの支援を推進しております。
最後に、未来づくりにつきましては、将来の近江八幡市の発展に資する教育、啓発を充実させることが目標となります。乳幼児期からの発達段階に応じた男女平等や人権の尊重、性差などに対する教育を行うとともに、子どもへの啓発と並行し、保護者への意識啓発を行っております。また、母親と父親が一緒に出産や育児に取り組めるよう、共同のレッスン教室の開催を行うほか、居宅サービスや保育サービスの充実、乳幼児等保護者の交流や相談の場の展開などにより、子育て支援を行っております。
最後に、大項目の6項目め、一般廃棄物の減量施策についてのご質問にお答えをいたします。
議員ご指摘のとおり、我が国は世界屈指のごみ大国であり、特に食品ロスに関しては、日本が廃棄している食品の量だけで国連が全世界で食料支援をしている量を賄えるほどで、もったいないという状況を通り越し、異常な廃棄量となっています。
本市につきましては、再利用や再資源化等の啓発や周知を行っておりますが、安易に何でも廃棄される生活形態を改め、リサイクルをもっと意識していただけるよう、さらなる啓発が必要であると考えております。
今後のごみ減量に向けた取り組みといたしましては、家庭においては、食材の買い過ぎの抑制、食べ残しゼロの徹底など食品ロスの削減、生ごみを一絞りするなど水分量の低減、生ごみ処理機の普及や、地域NPO等との協働による生ごみの堆肥化、そして可燃ごみとして廃棄されやすい菓子箱や包装紙などの古紙類の徹底した分別と再資源化への取り組みを市広報紙やホームページで啓発するほか、環境エネルギーセンターを活用しながら市民団体等に啓発を行う等、あらゆる機会を通して推進してまいりたいと考えております。
また、事業所につきましても、商工会議所や商工会等にもご協力をいただきながら、可燃ごみ中の古紙類の分別と再資源化の徹底と、シュレッダーされた紙もリサイクルが可能であることを広く啓発するとともに、外食事業者等に対し、ミニメニューの導入検討や食べ残しを大幅に削減する取り組みへの協力を呼びかけるべく準備を進めているところでございます。
なお、本市も給食提供事業所の一つとして、給食センターで毎日測定している残食量結果を市内の幼稚園及び小・中学校において給食指導に活用し、給食の食べ切りを推進をしております。
除草作業による刈り草や樹木の剪定枝等の処理につきましては、焼却処理主体から、民間事業者の蓄積されたノウハウ、技術力を生かし、堆肥化等の再生利用主体とすることで、再資源化量向上が達成できるよう、一般廃棄物再生利用業の事業者を指定し、市ホームページで紹介する等、取り組みに着手しております。
次に、食品ロス削減に向けた取り組みを推進されている協議会や団体への参画につきましては、議員のご質問にもありました、福井県が発起人となり昨年10月に設立されました全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会に、本市も会員となり参加をさせていただいております。全国各地の都道府県や市町の取り組み内容等の情報は大変参考となるものであり、今後の本市における食品ロス削減に向けた取り組みに生かしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
鳥居福祉子ども部長。
〔福祉子ども部長 鳥居広子君 登壇〕
◎福祉子ども部長(鳥居広子 君) 橋議員の大項目1つ目、地方創生法と、若者とともに進める地域づくりの考え方についてのご質問にお答えをさせていただきます。
まず1点目の、結婚、出産、子育てといったライフステージに応じた多様な施策実行実績についてでございますが、本市では、子ども・子育て支援事業計画の「子どもは地域の宝、みんなで見守り育てよう!」という基本理念のもと、さまざまな子育て支援事業を展開しています。特に平成26年度から、国の地域少子化対策強化交付金を活用した取り組みを実施し、地域社会全体で結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援のための事業を継続してまいりました。平成26年度には、民間、行政の垣根を越えた子育てネットワーク検討委員会を立ち上げ、切れ目ない支援を行う仕組みを構築するための取り組みを検討し、次年度以降の利用者支援事業や子育て世代包括支援センター構想の取り組みへ展開させました。
また、男性の育児参加や仕事と生活の両立を支援するため、育パパ手帳の作成や、ワーク・ライフ・バランス講座を開催するなど、社会全体で子育てを支援するための取り組みの実施のほか、育児不安解消のための家庭訪問型の子育て支援事業の検討を行う中で、ホームスタート事業実施につなげるため、専門人材の養成を行い、現在では13名がホームビジターとして活動しています。また、今年度の養成講座には7名が受講し、今後の支援者としての活躍を期待されているところでございます。
平成27年度には、地域の子育てボランティア養成講座の開催、若年者に向けた妊娠、結婚、命に関する啓発冊子の作成、フェイスブックによる情報発信や、子育て応援イベントを開催し、地域の連携ネットワークの強化を図りました。また、結婚、妊娠、出産、育児への前向きな機運の醸成を図るため、結婚、子育てのイメージ向上を狙った映像の作成を行いました。
平成28年度には、市内の10企業に勤務する社会人1年目、2年目の155名に参加いただき、結婚から出産に関する情報提供とともに、自己分析を織りまぜたライフデザイン研修を実施し、参加者から、会社ぐるみで少子化対策について考えるきっかけになったという感想をいただいているところです。
平成29年度以降も事業の検証、評価を行い、今までの取り組みをさらに充実したものに展開させ、ライフステージに応じた継続した取り組みを検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
次に2点目の、子育て支援の充実、世代間の支え合いの仕組みづくりの施策実行実績については、平成27年度からひまわり館に子育ての総合相談窓口として利用者支援員を配置し、子育て中の親子が安心して子育てができるよう、来館や電話での相談支援、地域への訪問などさまざまな形で相談に対応し、子育て不安の解消や適切な支援機関へのつなぎを実施しています。
平成28年度には、妊娠から子育てまでの切れ目ない支援を実現するため、総合相談窓口機能である基本型利用者支援事業と健康推進課の母子保健型利用者支援事業を一体化し、保健センター内に子育て世代包括支援センターを設置し、母子健康手帳発行時に全ての妊婦に対する面談の中で必要な支援を実施し、出産、子育てに備えて切れ目のない支援ができる体制を構築したところであり、今後もこれまでの実績を踏まえて課題を整理し、体制の充実に向けて検討してまいります。
また、子育てサポーター養成講座を開催し、各学区まちづくり協議会など地域の子育て支援の場で活躍できる人材を育成し、現在36名のサポーターの皆さんにご活躍いただいているなど、世代間の支え合いの仕組みづくりのため、地域資源の発掘に努めているところです。加えて、地域社会全体で子育て親子を支える体制の構築を目指し、中学校区別子育て支援ネットワーク会議を継続して実施しており、今年度は、各校区での具体的な取り組みを報告する中で、地域の育児力の強化について検討することができました。
平成29年度については、これまでの取り組みを各小学校区単位へ展開し、地域での子育て支援の強化を図ってまいります。
今後も、地域のネットワークの強化を図り、子育て中の親子や家庭を地域全体で支える取り組みを推進してまいりたいと考えております。
次に4点目の、多くの子どもを抱える多子世帯に対する福祉分野における公的支援についてお答えをいたします。
まず、保育所、幼稚園の保育料について、子ども・子育て支援新制度では、保育所は同時入所の場合、幼稚園は小学校3年までの2人目以降の場合、それぞれ第2子は半額、第3子以降は無料とする多子世帯への軽減措置が全国統一の制度となっております。
また、平成28年4月から、子育て世帯の経済的負担軽減及び少子化対策を目的として、一定の所得階層世帯に対する多子世帯の保育料軽減措置が国制度として拡充されました。さらには、滋賀県独自の施策としまして、国制度の所得階層を拡大し、第3子以降の保育料軽減を平成28年4月から導入しました。本市では、平成28年4月から、軽減措置拡充により、対象世帯は41世帯、保育料軽減額は393万9,700円を見込んでいます。
また、平成29年2月1日から開始しましたお誕生おめでとう健やか祝金事業につきましては、本市独自の施策として、子育て世帯の家計的負担の軽減と出生を祝福することを目的にお祝い金を支給しておりますが、第1子1万円、第2子2万円、第3子以降3万円と、多子世帯への支援を視野に入れた事業となっておりますので、ご理解をお願いいたします。
次に、大きな項目の2番目、若者とともに進める地域づくりの、若者の実態調査についてのご質問にお答えをいたします。
若者のひきこもり等の実態調査については、平成28年9月の内閣府関係調査、若者の生活に関する調査報告書がありますが、若者の生活に関する調査報告書による推計では、満15歳から満39歳の若者のうち、全国で広義のひきこもり状態にある者が約54万人、狭義のひきこもり状態にある者が約18万人とのデータがあります。しかしながら、サンプル調査による推計値であり、全国的に調査をされたわけではなく、本市における若者のひきこもり者数等の実態把握もできていないのが現状でございます。
ひきこもりは、少なくとも半年以上は社会参加ができずにいる状態で、かつ社会生活の再開が著しく困難になって、精神保健・福祉・医療の支援対象となる状態であるため、支援者が直接的に訪問の上支援するアウトリーチによる積極的支援が不可欠ですが、ひきこもり者の実態把握ができていないことから、家族や民生委員などからの相談待ちという実態がございます。
本市におきましては、家族や民生委員などから相談があった30人について、相談員が自宅に訪問の上、支援に当たっています。しかしながら、ひきこもりの人は何らかの精神疾患や発達障害などを抱えている割合も高く、引きこもっている本人との信頼関係の構築に努めながら、本人の気持ちに寄り添う中で、意識の変革や医療受診、外出機会の確保、サービス利用に向けての相談支援を気長に実施している状況です。
次に、たまり場、居場所から広げる地域づくりについてご質問にお答えいたします。
市においては、精神疾患や発達障害等を抱える人の居場所として、地域生活支援センターのサロンなどがありますが、ひきこもり状態にある人はサロンにつながることも厳しい状態にあります。しかしながら、ひきこもりの人も含めた子どもから高齢者までが集える地域の居場所づくりは必要と考えております。
本市の地域福祉計画では、子どもから高齢者、障害者など、支援を必要とする全ての人が地域で自立して暮らすことのできる地域包括ケア体制の構築を目指しており、議員ご指摘のとおり、誰もが気軽に参加することができる居場所づくりが必要と考えております。
今後も、地域での支援者の養成も含め、関係機関と連携を図りながら、事業実施に向け検討をしてまいります。
最後に、項目7項目めの子育て支援環境の充実についてのご質問にお答えをさせていただきます。
本市では、第2期市長ローカルマニフェストにおきまして、子育てトータルサポート体制の構築を目指し、子育ての不安感や孤立感を解消し、妊娠から子育てまで切れ目なく地域社会全体で子育てを支援する体制づくりに取り組んでまいりました。28年4月には、先ほども申し上げましたが、ワンストップ型総合相談窓口として子育て世代包括支援センターを開設し、切れ目のない支援のための仕組みを構築したところでございます。
今後は、新庁舎整備における子育て支援総合拠点の機能を検討し、支援体制の確立を目指してまいります。また、地域の資源を活用し、関係機関や専門機関、各地域との連携をさらに強化し、地域社会全体で子育て家庭を支えられる体制づくりを推進し、子育てするなら近江八幡の実現に向けた子育て環境の充実に取り組んでまいりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
廣瀬都市整備部長。
〔都市整備部長 廣瀬信之君 登壇〕
◎都市整備部長(廣瀬信之 君) 橋議員ご質問の大項目4番目の、近江八幡市道路網マスタープランについてお答えをいたします。
まず初めに、策定に至る経緯、目的については、近年の道路を取り巻く社会情勢において、東日本大震災という未曽有の大災害や、少子・高齢化、自転車利用者の増加等により、既存の課題に加えて新たな問題が発生しております。これらの問題解決に向け、道路整備を進めていかなければなりませんが、道路整備に充てる費用は減少傾向にならざるを得ない状況にもあります。
そこで、本市では、将来の都市像に整合した道路のあるべき姿を検証し、明確にした上で、安全で快適な市民生活が送れるよう、より効果的、効率的な道路整備を進めるため、道路整備に関する方針を定めることを目的として、近江八幡市道路網マスタープランを策定したところです。
次に、道路網マスタープランの策定経過及び策定した内容についてお答えします。
策定に当たっては、初めに道路の現状を把握するとともに、本市の上位計画や関連計画からの問題点、課題整理を行っています。次に、新市基本計画、都市計画マスタープラン等の上位計画における本市の将来像を見据えた道路整備の基本理念として、安全で快適な暮らしを支え、魅力、活力あふれる道づくりを設定しました。この基本理念に沿い、将来の近江八幡市を想定した際に今後必要となる路線を把握するため、道路が持つべき機能別方針として、防災・減災における機能、経済活動支援に関する機能、暮らしの安全性の向上に係る機能、市民の健康増進やゆとり向上に係る機能の4つに整理し、おのおの機能別に路線を選定しました。これらの機能別に選定した路線を集約し、全体の将来道路網図を作成した上、パブリックコメントを経て、道路網マスタープランを完成させました。
なお、策定に当たりましては、専門知識を有する大学教授を委員長として、関係行政機関、公共交通関係者、市内の各種団体代表、市民代表等により組織した道路網マスタープラン策定委員会において審議していただくとともに、庁内関係課によるワーキング及び市民アンケート調査での意見等を反映させております。
次に、道路整備アクションプログラムについてお答えをいたします。
道路整備アクションプログラムは、限られた財源の中で今後10年間に整備を進める道路を検討した実施計画となっております。具体的には、道路網マスタープランに位置づけされており早期に整備が必要な路線及び滋賀県道路整備アクションプログラム2013における整備予定路線、都市計画道路の一部の計35路線を評価対象路線として選定し、必要性、整備効果、実現性について1次評価を実施しました。次に、本市の戦略性、緊急性から見た2次評価を実施し、今後10年間に整備を進める路線として16路線を選定しました。これら選定しました路線につきましては、今後計画的に整備を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
小西産業経済部長。
〔産業経済部長 小西正彦君 登壇〕
◎産業経済部長(小西正彦 君) 橋議員の大項目、地方創生法と、若者とともに進める地域づくりの考え方のうち、5つ目のワーク・ライフ・バランスに関する質問についてお答えいたします。
ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と生活の調和の意味で、働きながら私生活も充実させるように職場や社会環境を整えることを示しております。市では、ワーク・ライフ・バランスの啓発を行うことを目的として、市内の事業所を対象にワーク・ライフ・バランスセミナーを開催しております。
11月に開催しましたセミナーでは、滋賀大学准教授の平松紀代子氏を講師としてお招きし、事業所に勤める従業員の立場から、年齢、性別を超え、それぞれの年代に応じたワーク・ライフ・バランスを実施する上でのポイントなどお話をいただき、事業主と従業員がお互いにワーク・ライフ・バランスに対しての理解を深める機会となりました。このようなセミナーは、ライフステージに合わせた啓発が必要であり、新年度においても、イクボスや女性活躍などのテーマを選択し、引き続き実施してまいりたいと考えております。
次に、就労継続支援についてお答えします。
市では、近江八幡駅前のハローワークプラザ近江八幡においてハローワークと同様の職業相談を行っているほか、ハローワーク、求人情報誌や内職情報誌を市内各コミセンなどに配置し、広く情報提供するとともに、市内職業相談を、ハローワークと連携し、市内2カ所の子どもセンターで毎月開催し、就職困難者や不安定就労者の就労機会の確保に努めています。また、就労の安定と定着対策として、仕事や働き方について悩んでおられる方を対象にキャリアカウンセラーによる相談事業、キャリアカウンセリングと申しておりますが、この相談事業を毎月開催し、専門カウンセラーによるライフステージに応じたキャリアプランの作成や職場の問題におけるカウンセリングなどを実施しているところでございます。
以上であります。
○議長(井狩光男 君) 当局の回答を求めます。
西村水道部長。
〔水道部長 西村清司君 登壇〕
◎水道部長(西村清司 君) 橋議員お尋ねの平成29年度水道事業会計についてのご質問のうち、1点目の、水道事業会計の収益的収支予算が平成29年度にマイナス予算になった理由と今後の水道経営への影響のご質問についてお答えいたします。
水道事業を取り巻く情勢は、議員ご指摘のとおり、人口減少に伴い水需要が減少することにより給水収益が減少する一方で、これまでに整備してきた水道施設の老朽化が進み、施設の更新や耐震化に係る費用の増加が見込まれる厳しい状況にあります。このことから、水道事業所では、安定的に水道事業を継続するために、平成28年度から平成29年度におきましてアセットマネジメント計画の策定に取り組み、現在の全ての水道施設を調査して、資産台帳の再整備を進めてきたところでございます。
この資産台帳の整備を行う中で、昭和53年度から平成18年度の期間、減価償却の累計の一部に地方公営企業法施行規則に定められた資産との差があり、減価償却額に不足が生じていることが判明いたしました。このことから、不足しております減価償却額を平成29年度水道事業予算において特別損失として計上したため、収益的収支予算がマイナス予算となったものであります。
なお、この特別損失を除きますと、収益的収支予算に関しましては、これまでと同様に収支が均衡する予算として見積もっております。
今後の水道事業経営への影響につきましては、この特別損失の計上は平成29年度のみに行う特別な措置であり、また現金の支出を伴うものではなく、特別損失として支出した費用は減価償却額の累計に積み上げて、将来の投資に向けた内部留保金となりますことから、今後の水道事業経営に大きな影響をもたらすものではございません。
次に2点目の、水道料金の支払い状況と未収金への取り組みについてお答えいたします。
平成29年度予算における予定貸借対照表の未収金を3億円余りと見積もっておりますが、この未収金の多くは、水道会計の決算が3月31日であることから、収入が4月以降になる使用料や補助金及び負担金などを会計上未収として計上しているためであります。平成27年度末における過年度未収金は4,000万円余りでございます。
なお、現年度の最終的な実質水道料金の収納率は98.66%となっております。
未収金に対する取り組みといたしましては、督促状や催告状を発送して納付を促しておりますけども、水道料金の一括納付が困難な方につきましては分納相談を行うなどにより、未収金の解消に努めているところです。しかしながら、再三の催告などにもかかわらず納付相談もなく、納付を行われない方には、水道法及び市給水条例に基づく給水停止取扱規程に基づく給水停止や支払い督促など法的措置を強化することにより納付を促し、使用者間の公平性を確保するように努めてまいります。
次に3点目の、水道事業の基盤強化に向けた広域化の検討状況についてお答えいたします。
現在、滋賀県生活衛生課及び市町振興課が主催する滋賀県水道事業連携協議会や滋賀県企業庁が主催する勉強会が開催されており、本市も参加し、広域化を含めた今後の県内水道のあり方について検討を進めているところであります。また、本市独自の取り組みといたしましては、公設民営化方式や包括委託など民間活力の効果的な活用について、先進自治体の事例を検討しながら、基盤強化に向けた取り組みを進めているところでございます。
以上です。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
日岡教育長。
〔教育長 日岡 昇君 登壇〕
◎教育長(日岡昇 君) 橋議員ご質問の大項目5番目、家庭教育支援、不登校児童・生徒についてにお答えします。
不登校生徒の数については、病気及び経済的理由を除いて年間30日以上欠席している児童・生徒の数を集計しています。平成27年度の市内の不登校児童・生徒は、小学校1年生1名、2年生4名、3年生5名、4年生6名、5年生7名、6年生10名の計33名で、在籍率が0.71%です。中学校では、1年生が21名、2年生が29名、3年生が27名の計77名、在籍率3.74%であり、県並びに国と比較しますと、本市の不登校児童・生徒の在籍率はやや高い状況にあります。
そこで、市といたしまして、現在、次のような支援体制を組んでいます。1つに、学校外で電話相談や面接相談、カウンセリングを行う教育相談室の設置、2つに、不登校生徒の学校への復帰を目指し学習支援や生活支援を行う適応指導教室の設置、3つに、不登校の状態またはその傾向にある生徒や保護者との教育相談を行う訪問教育相談員の派遣、4つに、家庭等においてアドバイザーが個々に応じた学習や生活の支援を行い学校復帰のきっかけづくりをするホームスタディー制度があります。また、学校においては、担任を中心に学校全体で支援体制を整え、家庭訪問や電話連絡による登校支援、教室に入りにくい場合には別室での学習支援などに取り組んでいます。
ほかにも、議員ご指摘のとおり、スクールカウンセラーによる児童・生徒や保護者とのカウンセリング、スクールソーシャルワーカーによる福祉的な視点からの家庭への働きかけなど、個々の児童・生徒の状況に応じた支援体制を組んでおります。
続いて、家庭教育支援についてお答えします。
本市で行っております家庭教育支援としましては、家庭における教育力の向上を目指す家庭教育支援基盤形成事業を現在8小学校で進めています。本事業では、家庭と学校、地域をつなぐ役割として、家庭教育支援コーディネーターを学校に配置し、校内の担当教員とともに家庭教育支援チームを組織しています。
家庭教育支援チームでは、学校において子育てサロンや講演会の開催、支援が必要な家庭の状況把握と効果的な働きかけ、子育てに悩む保護者の相談対応などを行っています。さらに、家庭教育推進協議会を設置し、各校の取り組みの交流、よりよい活動のあり方の検討を行っています。
今後も、家庭教育支援チームを初めとする家庭教育支援のあり方について検討し、家庭と地域、学校をつなぐ取り組み、議員の言われるすき間を埋める取り組みを推進していきたいと考えております。どうかご理解よろしくお願いいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
江南教育部長。
〔教育部長 江南仁一郎君 登壇〕
◎教育部長(江南仁一郎 君) 橋議員ご質問の大項目第1問目、地方創生法と、若者とともに進める地域づくりの考え方についてのご質問のうち、第4項、多子世帯に対する教育の公的支援の施策実績についてお答えをいたします。
教育委員会では、子どもが2人もしくは3人以上といういわゆる多子世帯に限っての制度はございませんが、子どもの数に関係なく、世帯ごとに、経済的な理由で就学困難な児童・生徒の保護者に対し、学校生活に必要な学用品費、給食費、修学旅行費などの一部を就学援助費として支給しています。平成28年度は、小・中学校合わせて約600人に支給をいたしました。
今後も、保護者の経済的負担を軽減し、子どもたちが安心して学校生活を送れるよう、就学援助費の支給を実施をいたします。
○議長(井狩光男 君) 回答を求めます。
宮下総合医療センター事業管理者。
〔総合医療センター事業管理者 宮下浩明君 登壇〕
◎総合医療センター事業管理者(宮下浩明 君) 橋議員の総合医療センターについてのご質問にお答えいたします。
まず1つ目の、地域医療構想に基づく東近江医療圏の現状と当センターの取り組みについてお答えいたします。
地域医療構想は、平成26年6月に成立した医療介護総合確保推進法の一部である改正医療法で、都道府県において地域医療構想の策定が義務づけられました。その目的は、地域の医療需要、すなわち患者数の将来推計をした上で、構想地域ごとの各医療機能の必要見込み量について検討すること、そして地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を推進する、最終的には、地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムを構築することであります。
さて、現状をご説明いたします。
東近江区域では、既に総人口では減少が生じてまいりましたが、75歳以上の後期高齢者人口は平成42年まで増加していくことがわかっております。医療需要はまだしばらく漸増するものと予測されていますが、疾病の構成は高齢化により変化すると考えられています。
現在不足している領域はがんであり、約半数の患者さんが湖南、大津、県外に流出していますが、今後もがん患者は高齢化に伴い増加していきます。これに加えて、生活習慣病、骨折、認知症など高齢者特有の疾患が増加してまいります。
東近江区域には、当センターを含め11の病院があり、急性期、回復期、慢性期の機能を担っております。当院は急性期を担っておりますが、周辺の病院は、どのような機能に特化すべきか、いまだ判断に迷っているようにも見受けられます。まだまだ混沌とした状態であると言えましょう。あくまで統計上のデータでありますが、全国と比較して、この区域には急性期病床が多く、回復期が不足していると考えられているのです。
国は、各病院がみずからの病床の数や機能を適正にするように求めています。平成27年より滋賀県地域医療構想調整会議が開催され、適正化に向けて話し合いが行われています。本来、ビッグデータを持っている国とその情報をもらっている県がしっかり介入すべきであると私は思うのでありますが、各病院の自主性に委ねているのが現状であります。病院にとっては死活問題である病床をそうやすやすと変更や返還、廃止することはできるわけがなく、調整会議が機能しているとは決して言える状態ではありません。
その中で、当センターの取り組みとして、昨年10月に、急性期病床を、回復期病床である地域包括ケア病棟に変更いたしました。地域包括ケア病棟は、当センターの場合、ポストアキュートの機能、すなわち手術や処置が一旦落ちついて家に帰れそうだがもう少し在宅復帰には支援が必要な患者さんが最大60日まで入ることのできる病棟であります。
現在のところ、この機能変更が地域医療に資する効果をもたらせているかの判断は時期尚早でありますが、診療報酬上は収入増という効果が既にあらわれてきており、地域包括ケア病棟をつくった判断は決して間違ったものではないと確信しております。
次に、2つ目のご質問の、総合医療センターが目指す医療と将来計画についてお答えいたします。
当センターは、東近江医療圏域の中核病院であり、2市2町の地域住民の命と健康を守る責任があります。今後生じる人口構成、疾病構造の変化を的確に判断し、適切な医療、すなわち過剰でもなく過少でもない医療を継続して提供できる病院が、本当に地域に必要な病院と考えます。
急性期病院として当センターに不足しているがん治療、少子・高齢化を少しでも防ぐための産科や小児医療の充実、このような医療に力を注ぐことにより、人々が安心してこの町で生活ができ、近江八幡市の目指すにぎわいのまちづくりにも貢献できるものと考えております。
また、当センターは急性期病院ではありますが、今後力を入れなくてはならないのは地域包括ケアとのかかわりです。当センターでの入院も、住民にとっては生活の一部と考え、調子の悪いときは当センターで治療し、早期にもとの生活に戻っていただくのが、当センターに与えられた役目だと考えています。
もとの生活に戻るには、今以上に地域との連携が必要であり、これを円滑に行うため、12月議会でお話しいたしました(仮称)入退院センターを4月から新たに患者総合支援課としてスタートさせます。これには、地域連携、入院支援、退院支援、患者相談の4部門が含まれ、地域とのつながりに関することを全てここで総括してマネジメントします。
医療を取り巻く環境は刻々と変化しており、長期的な見通しは不透明としか言えません。生き残る人は最も強い者ではない、最も知的な者でもない、それは変化に最もよく対応した者であるというダーウィンの言葉のように、環境の変化にいち早く対応し、常に進化を目指しますので、皆様方におかれましては今後も引き続き当医療センターをご支援いただきますようお願い申し上げます。
○議長(井狩光男 君) 回答漏れはありませんか。
橋博君。
◆21番(橋博 君) ありがとうございました。
今回は、私は地域づくりに関連した多くの質問をさせていただきました。大変ご丁重なご答弁をいただきましたこと、厚く御礼を申し上げます。
これからは、ますます人口減少、少子・高齢化時代に入り、地域間競争が本当に激しくなる中、冨士谷市長の強いリーダーシップのもとに、心の豊かさがあふれる品格のある町になりますように、また長期的な視野を持ち、いろいろな構想を策定し、住むなら八幡、住んでよかった近江八幡と言われる地域づくりに邁進していただき、次世代に誇れる町をつくり上げていただきますようお願いを申し上げ、我々新政会は一致協力して市政発展のために努力させていただきますことをお約束いたしまして、私、代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(井狩光男 君) 以上で新政会橋博君の代表質問を終わります。