録画中継

令和3年第2回(6月)近江八幡市議会定例会
6月17日(木) 一般質問
沖 茂樹 議員
(1)デジタルトランスフォーメーション(DX)について
   ①自治体DXの推進について
◆6番(沖茂樹君) 皆様こんにちは。
 政翔会3人目になります。沖でございます。大変未熟ではございますが、トリを務めさせていただきます。どうかよろしくお願いしたいというふうに思います。本当にくじ運とはいえ、会派3人が連続ということで、まさに運命によって結ばれた3人やなというふうに改めて感じました。
 私からは、デジタルトランスフォーメーション、DXについてということでご質問させていただきます。
 これまで、私、農業とか障害福祉あるいはまちづくりにつきましては、いろいろと質問なり取組をさせていただいたところではございますけれども、これから質問をいたしますデジタル関係は、全くもって不得意な分野でございます。ちゅうてまた逃げてばっかりではいけないので、思い切って勉強しようということで質問をさせてもらいます。多分、私と同じ世代の方も、なかなか同じような思いの方が多いと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 初めに、デジタルと言えば、先日、政翔会会派で、馬淵小学校のタブレットを使った5、6年生の授業を見学をさせていただきました。私、学校というものは、子ども同士がつながり合ったり、あるいはぶつかり合ったりすることで、距離感とか人間関係っていうものを学ぶ場やというふうに思っておりましたので、そういったことから、タブレットの授業、小学校に入れるっていうことは、どうかなと、子ども同士の人間関係が希薄になるんじゃないかというようなことを正直思っていまして、あまり歓迎はしてなかったんです。
 しかし、行かせていただいて、授業中に子どもたちが画面の操作をお互い教え合ったり、あるいは新1年生に馬淵小学校を紹介するための動画を作ったと、また自分たちの撮った写真をみんなで共有したりする、そういった様子を見せていただいて、決して関係が希薄になっているという感じは受けませんでした。
 また、授業以外にも、委員会活動に使ったり、タブレットに写真を取り込むために、今までは見過ごしていたような草や花を、それの変化に気づく、そんな子どもが増えたというふうに先生もおっしゃっておられました。
 さらに、スクールガードで一緒に歩いてますと、たまたま1年生のランリュック、かばんを持つ機会があったんですけど、何げなく持ったら腰が抜けるほどめちゃくちゃ重たかったんです。教科書がびっしり詰まってまして、もし今後タブレットに教科書等が入ったら、1年生の負担も減るんじゃないかなということも思いましたし、本当にタブレットは使い方によっては、子どもたちの学びの形を変革する革新的な道具、このように感じさせていただきました。同時に、子どもたちを見せていただいて、本当に子どもの適応能力というか吸収力はすごいものがあるなというふうに驚いた次第でございます。
 では、話を戻させていただきます。
 デジタル、これが不得意な私なりに、市のICT推進方針を中心にいろいろ勉強させていただき、一定の理解もさせていただきましたけれども、同時に幾つかの疑問も湧いてきました。
 そこで、改めてデジタル化とは何か。デジタルトランスフォーメーション、略してDX──以下DXと呼ばせてもらいます──とは何か。近江八幡市として、なぜそれが必要なのか。どのような手順でその取組を進めていくのか。これについて確認をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 私、DXについて調べてみました。経済産業省が定めるデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインの中で、DXとは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものやプロセス、組織、企業文化、風土を変革し、競争上の優位性を確立することというふうに定義づけてあります。このことを行政に当てはめたらどうなのかなというふうに自分なりにちょっと考えてみたんですけど、自治体を取り巻く環境の変化に対応し、データとデジタル技術を駆使し、市民のニーズを基に住民サービスや様々な計画を見直すとともに、業務そのものやプロセス、組織、風土や文化、そしてこれまでの行政の在り方そのものを変革し、選ばれる町になることというふうに理解をいたしました。つまり、自治体DXとは、非常に大きな行政改革じゃないかなというふうに感じたところでございます。
 そこで、1つ目の質問でございます。
 今の経済産業省の定義の中で、DXにはデータとデジタル技術が必要だということですが、改めて教えてください。デジタル化、IT、ICT、DXとはどういうものなのか。また、それは、機械化とか自動化とはどう違うのか。これを行政の仕組みに落とし込んで、具体的に分かりやすく説明をお願いしたいというふうに思います。
 データの取捨選択を進めることで、行政の画一化とか標準化は進み、デジタル化、ICT化により、能率性が上がると言いますが、その一方で、個性というか、独自性が失われないか心配をするところでございます。
 また、自治体DXを進めることは、業務そのものやプロセスの見直し、またシステムの保守や更新に多額の費用がかかる。それと同時に、職員さんにとっては、通常の業務とは別の仕事が増えることになるわけです、導入に当たっては。
 そこで、2つ目の質問です。
 限られた人材、また財源の中で、近江八幡市は、デジタル化やICT化、ひいては自治体DXについて、どのように取り組もうというふうに考えておられますか。これもイメージしやすいように具体的にお答えをいただきたいと思います。
 次に、3つ目の質問でございます。
 行政共通の目的は、住民サービスの向上でございます。私は、デジタル技術、ICT技術を活用するのは、職員数や財政コストの削減が目的ではなくて、業務が効率的になることで、今までルーチン、いわゆる単純な繰り返しの作業の業務を担当していた職員さんが、企画、立案とか複雑な相談の対応または交渉、そういったところの業務に配置転換することで行政の質を上げることではないかなというふうに思ってますが、近江八幡市としてDXを進める目的は何か、これについて教えていただきたいというふうに思います。
 最後に、4つ目の質問です。
 昨年の12月議会でも質問させていただいたんですけども、新庁舎とICTの整備の関係なんですけれども、そのときの当時の当局のご回答は、各ICT化のシステム等については、新庁舎への移行後も引き続き活用ができるものばかりを選定してやっていくので、二重投資にはなりませんというようなご回答でございました。確かに、ICT推進方針の中でも、今後のICTの取組の方向性の項目の中で、新庁舎への業務移管を常に意識した上で、以下の視点を基に優先順位を設け、順次進めるものとするとして、1つ目に、国や県及び本市の上位計画における方針等に基づき、速やかに導入または検討が必要とされるもの。2つ目に、新庁舎における本格導入を前提とし、試行を含め順次拡大する必要があるもの。3つ目に、新庁舎への移行を踏まえ、導入や投資が妥当であるものと3つの基準が示されてございます。さきの12月議会での回答は、恐らく3つ目の基準に基づいたものだと思いますけれども、その後その方針は変更はございますでしょうか。改めて確認をさせていただきたいと思います。
 何でこのようなことを聞くかといいますと、菅総理大臣が、2025年度末を目標に、現在は自治体ごとに異なる業務システムの標準化を進めるというふうに表明されました。このことは、先ほどの3つの基準のうちの1つ目の速やかに導入または検討が必要とされるものに当たる国の方針になります。この6月議会の開会日の市長のご挨拶でも、この波に乗り遅れることなく進めていくと申されておられました。今後のタイムスケジュールについても、併せてどのように計画されているのかについてご説明をいただきたいと思います。
 以上、4点についてご回答をよろしくお願いします。
○議長(平井せい治君) 当局の回答を求めます。
 吉田総務部理事。
 〔総務部理事 吉田逸美君 登壇〕
◎総務部理事(吉田逸美君) 皆さんこんにちは。
 それでは、沖議員のご質問にお答えしたいと思います。
 議員お尋ねのまずデジタル化、IT、ICT、DXについてお答えをさせていただきます。
 まず、デジタル化とは、アナログのデータをコンピューターで活用できるデータに置き換えることを意味します。ご存じのワードといったソフトがございますけれども、こういったものもデジタル化のツールの一つで、行政の業務におきましては、このツールを使うことにより、これまで手書きであった文書が電子的に記録されたり、メールで送信できたりするワード文書へと進化をいたしました。このように、デジタル化というのは最も基本的な部分にあるものということが言えます。
 次に、ITは、デジタル機器やデジタル化された情報や技術のこと。ICTは、ITが進化したもので、通信を活用してデジタル化された情報をやり取りする技術のことでございます。ただし、この2つにつきましては、定義が難しく、ITとICTについてはほぼ同じ意味というふうに取っていただいて構わないかと考えております。
 次に、自治体におけるDXとは、議員おっしゃっておられますとおり、デジタル技術やICT技術を駆使して、自治体経営の在り方や住民サービス、組織風土や文化、組織マネジメント、職員の働き方などを根本的に変革することとされております。これらを行政の仕組みに落とし込んで、住民票を請求する手順を例にご紹介させていただきますと、まず市役所の入り口ドアは、自動的に開きます。これは自動化ということになります。次に、住民票を請求するために、お客様は窓口発券機で順番を取っていただくことになります。これは、人の手ではなく機械で発券をいたしますので、機械化ということになります。次に、職員が、住民票を発行するために基幹系システムで請求者の情報を入力し、ネットワークで結ばれた庁外のデータセンターにあるサーバーより個人情報を取得し、機械印字された住民票を発行いたします。これがデジタル化やICT技術の活用によるものとなります。
 さらに、各業務におきまして、ICT技術やデジタル技術を活用することにより、例えば配置職員を減らしたり、またその人員を職員にしかできない相談業務や企画等に振り向ける等の変革が起きることが自治体DXであると考えているところであります。
 次に、自治体DXにどのように取り組もうと考えているのかというご質問にお答えいたします。
 議員ご指摘のとおり、自治体DXの推進は、限られた財源と人材の中で進めていかなければなりません。そうした中、まずは各業務の棚卸しを行い、その過程で、デジタル技術やICT技術を活用することにより市民サービスの向上や業務改善等につなげることが重要であると考えております。一例ではありますが、今年度、発達支援課の請求事務について、RPAを導入いたしましたが、これは人からICT技術への活用への手順の移行によりまして、これまで必要であった時間を専門職にしかできない業務に充てることができるようになったものでございます。このようにデジタル技術やICT技術を適切な業務に活用し、自治体DXを進めていきたいと考えているところでございます。
 次に、近江八幡市としてDX化などを進める目的についてお答えいたします。
 デジタル技術やICT技術が急速に進む中、複雑、多様化する市民ニーズ、人口減少社会への対応、加えて新型コロナウイルスの流行等不測の事態にも対応できる行政運営のために、本市に限らず、行政サービスや組織の在り方について見直す時期が来ていると考えております。本市におきましても、新型コロナウイルスの流行により、住民サービスや職員の働き方におけるデジタル技術の活用の遅れ、適切な人員確保や配置について、課題が浮き彫りになったところでございます。このような中、本市で自治体DXを進める目的は、議員がご指摘いただいてますとおり、職員数や財政コストの削減が目的でなく、デジタル技術やICT技術を活用し、業務を適正化、効率化させ、職員にしかできない業務に注力するほか、災害やコロナ対応等不測の事態が起きても適正に対応できるような組織体制をつくることにより、安定した市民サービスの提供と質の向上を目指すことであると考えているところでございます。
 最後に、新庁舎整備とICT整備の関係及び業務システム標準化に係るご質問についてお答えいたします。
 議員ご指摘のとおり、本市のICT整備につきましては、令和元年に定めまして近江八幡市ICT推進方針の3つの方向性を基本に取り組んでいることから、12月議会で回答いたしましたとおり、新庁舎への移行を踏まえ、導入や投資が妥当であると判断した上で、必要なICT関連の整備、導入を図っているところであり、この方針に変更はございません。
 システムの標準化につきましては、国が2025年度末を目標に進めると表明されております。そのスケジュールに合わせ、現在基幹系システムを共同利用しておりますおうみ自治体クラウド協議会において、開発業者も含め、対応について協議を進めているところでございます。現時点では、国が設置しますガバメントクラウド、ここが本体を置くところということになりますが、このガバメントクラウドについての詳細な仕様が示されておりませんが、それが分かり次第、移行スケジュールを決定していく予定をさせていただいております。いずれにいたしましても、国の示す期限までにはシステムの標準化の移行を完了するよう、鋭意進めてまいります。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) 本当に大変分かりやすいです。具体的で本当に分かりやすいご説明をいただきました。理解させていただきました。
 そこで、1つだけ、回答の中に出てきましたおうみ自治体クラウドなんですけども、議員になりまして何回か予算書を見せていただく中で、いろんな事業の中で、自治体クラウドのデータシステムを使うための利用料、それを負担している事業が幾つかあります。30年度に加入やったと思うんですけど、ですので、まだ期間が短いので何とも言えないと思うんですけども、今後、人件費も含めて、クラウドに加入したことで本当に経済効果っちゅうか、経費の削減になってるのかどうかっていう部分とあとそれによって小回りが利く柔軟な対応ができるのかなっていうことについて、また検証をいずれお願いしたいなというふうに思ってます。ありがとうございました。本当に分かりやすい回答をありがとうございました。
 ICTの推進方針の内容について、幾つかお尋ねしたいと思います。
 方針の市民へのICT、デジタル化に関する理解と啓発の項目の中に、ICTの推進については、サービスを受ける側の理解も重要となる。特に全ての世代に分かりやすいように積極的な啓発等が必要であると、これらのことをマイナンバーカードの普及推進と並行して取り組むというふうに書かれております。私もそのとおりだと思っておりまして、行政だけがICTをどんどんどんどん進めていっても、行政サービスの受け手である市民の皆さんがそれを共有できなかったら何の意味もないというふうに思っております。これは要望なんですけども、全ての市民が抵抗なく使えるように、システムの構築だけではなくて、デジタル機器の操作が苦手な私のような者とか高齢者に合わせたマニュアル作成、これをどうかお願いしたいなというふうに思います。このことは、今回のコロナワクチンのウェブ予約に対する高齢者のご意見からも分かることかというふうに思います。
 では、質問ですけれども、啓発をマイナンバーカードの普及推進と並行して取り組むというふうに書いてあると言いましたけれども、具体的にどのようなことをされる計画なのか教えていただきたいというように思います。
○議長(平井せい治君) 回答を求めます。
 吉田総務部理事。
◎総務部理事(吉田逸美君) 再問にお答えいたします。
 マイナンバーカードの利活用につきましては、本年1月より、マイナンバーカードでコンビニエンスストアでの住民票等が取得できるサービスを開始いたしました。また、本年10月より、電子申請システムの運用開始を予定しており、このシステムは、マイナンバーカードのオンライン上での本人確認機能を利用し、市役所に出向くことなく、簡単に手続ができる等のシステムとなっております。そのほかにも、国によるぴったりサービスを利用したオンライン手続についても、今後順次開始していく予定をしているほか、カードの多目的利用についても、他市町の先進事例を参考にしながら、適宜導入を図っていきたいと考えております。いずれにいたしましても、普及促進につきましては、まず使っていただけるメニューを増やすことが重要であり、それとともに広報やホームページ、アプリを活用した告知活動の充実、さらには議員も申されていました分かりやすいマニュアルの提供等、取り組んでまいりたいと考えております。
 あわせまして、コロナワクチン接種予約の際にも顕在化しましたように、社会全体のデジタル化が進められる中、デジタル技術が苦手な方々のデジタル格差の存在がデジタル社会推進の課題となっております。こうしたデジタル格差の解消に向けまして、今年度初めての取組としまして、昨日の西津議員のご質問の折にも回答させていただきましたように、国が進めておりますデジタル活用支援推進事業を活用し、高齢者向けのスマートフォンの使い方講習会に取り組んでいきたいと考えております。事業実施につきましては、事業採択が必要となりますが、採択され次第、具体的なスケジュールについて広報紙でも上げたいと考えておりますので、ご理解、ご協力よろしくお願いいたします。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) マイナンバーカードによるコンビニ交付ということで、私も作らなあかんなということで、マイナンバーカードを作らせてもらいました。先日、子どもが必要やということで、印鑑証明を取りに行ったんです。初めてコンビニ交付というのをさせてもらったんですが、休みの日でもありましたので、本当に便利やなと思って、近くのコンビニでいけましたので便利でしたし、ほんで印鑑証明の場合、市役所ですと登録カードが必要なんですけども、コンビニの場合、このカードも要らんということで、本当にマイナンバーカードだけでいけるということで、非常になかなか便利やなというふうに、めったに使いませんけど、なかなか便利やなというふうに思いました。今、高齢者向けに講習をされるということ、採択されれば講習をされるということですけれども、ぜひこれも1回で終わることなく、継続的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 引き続き、ICT推進方針の内容についてお尋ねをいたします。
 公共データのさらなる活用の項目の中に、市が持つ公共データを二次利用しやすい形式、オープンデータで公開する取組を進めていくとございます。恐らくこれは、現在市が取り組んでおられるオープンガバナンスの推進に合わせた取組かと思います。よくデータは21世紀の石油というふうに言われております。今まで行政が持っていて、行政なりに活用したデータ、あるいは行政では活用し切れなかったデータも、市民の皆さんや企業がそのデータを利用して、加工して、想像もつかなかった大きな成果物を生み出すこともあるということでございます。
 しかし、逆に、石油だけに大変大きな危険性もはらんでいるのではないかというふうに思います。市として、データを公開する際のルール整備、これは進んでおりますでしょうか。
○議長(平井せい治君) 吉田総務部理事。
◎総務部理事(吉田逸美君) 再問にお答えいたします。
 議員もご承知いただいているとおり、オープンガバナンスの取組を進める上で、データの収集、分析が必須であり、そのためにも市が持っている各種データの公開を進めることが重要ですが、いわゆる使いやすい、誰でも使えるようなデータ形式といったような対応が、本市においては十分な対応が現在のところできておりません。こうした中、滋賀県におきまして、今年度、オープンデータの県域ポータルサイトの構築を検討されております。このサイトには、県内市町の情報を統一ルールで掲載する予定であり、本市においても、このサイトに保有する各種データを掲載する予定をしておりますので、それに併せまして公開する際の規定等についても検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) ぜひ、規定の検討について進めていただきたいというように思います。
 自治体DXを推進するためには、特定の所属だけではなくて、全ての職員さんの意識改革と協力が不可欠でございます。そのためには、強力なリーダーシップの下、目的を明確にして共有することが大切やというふうに思っております。ICT推進方針の中の庁内推進体制を見ますと、ICTを庁内で着実に推進するため、副市長をトップとした各部長級で構成する会議、近江八幡市ICT推進会議というんですけど、これを新たに設置するというふうに書かれております。これは、設置規定も整備されておりまして、この組織によりまして、副市長をリーダーとしてICTが推進されていくというふうに期待をしておるところでございます。
 一方で、実務レベルということをいいますと、ICTの推進等必要なハード、ソフト面の構築等に関することを情報政策課、庁内全体の取組の調整、進捗管理等を行政経営改革室でそれぞれ分担しながら行うものというふうに書かれてございます。ご存じのように、情報政策課は総務部、行政経営改革室は総合政策部でございます。非常に大変失礼なんですけども、今の事務分掌で、部をまたいでの所属の連携がスムーズにいくのか、これについて私も疑問を持つところでございます。組織の体制、事務分掌の見直しもDXの第一歩でございます。システム整備、連絡調整、進捗管理を一貫して行うことのできる専門部署、それも副市長直轄の部署を新設していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○議長(平井せい治君) 吉田総務部理事。
◎総務部理事(吉田逸美君) 再問にお答えいたします。
 議員ご指摘のとおり、市民サービス向上に向け、自治体DXを進めていくためには、職員一人一人が業務で感じている課題を解決する意識、DXを推進するための意識改革が必要となります。
 しかし、各所属におきましては、通常業務に加え、新型コロナウイルス対応に伴う業務をはじめとして予測不能な業務等への対応もあり、デジタル技術等の新しい技術の導入や運用に対する必要性は感じているものの、取組が進んでいない状況にございます。
 国におきましては、デジタル行政を一元的に推進するため、9月にはデジタル庁が設置されることもあり、本市では、4月にデジタル行政推進担当理事を新たに配置し、組織強化を図ったところでございます。今後、自治体DXを推進するための専門部署の創設も課題であるとも認識しておりますので、副市長直轄とするかも含め、検討してまいりたいと考えているところでございます。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) ぜひ、副市長直轄の部署も設置をお願いしたいというふうに思います。
 今後、本市で自治体DXを推進していく上で大きな課題となるのが、ICTやデジタル技術にたけた人材の確保と育成やというふうに思っております。システム開発の業者等を選定する際にも、仕様書の作成とか契約交渉とか、仕様内容がちゃんと守られているか、これのモニタリングとか、これができる職員さんが不可欠やというふうに思っております。もちろん、現在は、情報政策課の方がこれを担っていただいておりますけれども、長期的な視点に立って、職員の研修とか教育、あるいは外部企業への派遣、また人材育成にどのように取り組んでいかれるのかをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○議長(平井せい治君) 吉田総務部理事。
◎総務部理事(吉田逸美君) 再問にお答えいたします。
 これからの自治体DX時代の人材育成に関しまして、昨年度には、総務課にてSociety5.0時代への対応と題したICT推進研修を部長級職員、所属長、ICT推進員を対象に実施いたしました。今後も継続的に研修を実施し、全職員への課題提起と意識改革を実施してまいりたいと考えております。
 また、議員が申されましたとおり、自治体DX推進には、プログラミング等の専門知識を有する情報技術者の人材確保が必要不可欠となります。現状、情報技術の専門知識を有する市職員が少ないことが課題となっていることは、認識しているところでございます。今後、さらに拡大するであろうデジタル化社会に対応した職員の育成及び専門技術者の確保に向け、情報系技術職の採用枠の新規創設、人材配置の適正化、外部企業からの職員派遣などの方策について、その可否も含め研究してまいりたいと考えております。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) ぜひ、人材育成について、研究をお願いしたいというふうに思っております。
 最後に、DXの推進に限らずの話なんですけども、適時に的確な人材の配置を行うことについてのお考えを確認させていただきたいというふうに思います。
 近江八幡市では、古くは旧近江八幡市と安土町との合併推進室、また防災機能を有した小学校とコミュニティセンターを一体整備するためのコミュニティエリア整備推進室、最近ではコロナ対策事業の総合調整を行う市民生活産業支援室、また新型コロナウイルスワクチン接種対策室など、その時々の重要かつ緊急を要する課題に対応するために、期間限定的に特別な部署を設置されてこられました。この部署は、優秀な人材がそろう近江八幡市の職員さんの中でも、特にその分野にたけた人材を各部署から集めた精鋭チームであったというように私も記憶をしております。本市では、そのような特別な部署を設置する際に、どのような組織でどのような機能と権限を持たせてどのような人材を配置するのかなどについて、どういった関係課の方々が集まってどういう協議検討をされているのかを教えていただきたいというふうに思います。
○議長(平井せい治君) 岡田総務部長。
◎総務部長(岡田清久君) 沖議員の再問にお答えをいたします。
 議員ご質問のとおり、一定の期間内に特定の目的を達成するための組織上の手法としまして、個別の課題に対し、集中的かつ横断的に取り組むことを目的に、臨時的かつ期間限定的な部署、課ではなく主に室として設置をしてきたケースがございます。このような組織のメリットとしましては、組織の目標が明確であること、迅速かつフレキシブルな対応が可能なことなどがございまして、その時々の課題を解決するため、緊急性、業務量、業務の特性などを踏まえた上で、適宜設置及び人員体制等の検討を行っているところでございます。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) 非常に答えにくいことを聞いてしまいまして、申し訳ございません。
 代わりに、市長に一言いただきたいというふうに思います。
 私は、毎年の定例の人事異動と今まで言うてます特命のチームをつくるための人事異動は、これは全く別のもんやというふうに思ってます。定例の人事異動っていうのは、人材育成的な部分が大きくて、いろんな仕事を経験してもらうために、初めての職場に異動してもらって、3年から5年かけて仕事を身につけてもらう。これが一般的な人事異動やというふうに思ってます。
 一方、特命チームをつくるための人事異動は、即戦力、こういった人材を投入する必要があるかと思うんです。そういう視点で、人材を選ぶ必要があるかと思うんですけども。
 そして、そのためには、関係する所属の方々が集まって、最適な人材が誰かと協議すべきやと思うんですけれども、市長はそれについてどのようにお考えでしょうか。
○議長(平井せい治君) 小西市長。
◎市長(小西理君) 沖議員の再問にお答えを申し上げます。
 総務部長のからも申し上げましたように、それぞれの特別な対応をすべき業務が発生したときに、このような室っていうのを開設しているわけでございますけども、私、また庁内の人材の能力に副市長含めて精通しておられますし、あとまた総務部含めまして、主に3者で協議しながら、それぞれの部署として日常の業務に影響がどれだけあるかというのもございますし、そのあたりを勘案しつつ、適切な人材を選抜し、それぞれ室に配置するというような考え方、方法で今現在やらせていただいております。
 将来的には、スキルのデータベースっていいますか、人事としては、その職員がどういう能力を持って、どういう対応ができるかというようなデータベース、そういうものもきっちりと、自己申告制含めまして整備する方向が望ましいのではないかなと考えております。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) ありがとうございます。確かに、本当にそういうデータベース、大切だというふうに思います。
 数ある職員さんの中から、その仕事に適した人材を選ぶ。そして、選ばれた職員さんには、何でおまえが選ばれたか、何を期待しているかっていうことをしっかりと伝えてあげたいというふうに、これが大切かなというふうに思っております。さらに、できれば期間を定めてあげるのがええのかなというふうに思います。
 ここから笑われるかもしれないですけども、私は、近江八幡市のことを最も大切に思っているのは職員さんやというふうにあちこちで言うてます。彼らは、市民からクレームとか心ない言葉を浴びせられたとしても、八幡をよくするために毎日必死に仕事をしていただいております。そんな彼らを組織が守らんでどうすんねやというふうにいつも思ってます。職員さんが生き生きと働いていないような町は、そんな町には将来はないというふうに思っております。
 今年も4月1日に年度初め式がございまして、私も出席をさせていただきました。新採職員さんの希望に満ちたきらきらとした目は、本当に今でも覚えております。どうか近江八幡市を就職先に選んでくれた彼らに信頼される組織であっていただきたいというふうに思います。何でこんな話をするかといいますと、DXは組織の改革も変革も求めておりますので、こういった話をさせていただいたところでございます。
 かといい、私も古い人間で、なかなか意識を変えることは難しいんですけれども、職員の皆さんと我々議員がそれぞれにDXに取り組むことで、意識改革、組織改革、働き方改革、そして市民サービスの質の向上につなげていきたいと思いますので、どうか今後ともよろしくお願いします。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(平井せい治君) 以上で沖茂樹君の個人質問を終わります。
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