録画中継

令和4年第1回(3月)近江八幡市議会定例会
3月3日(木) 一般質問
沖 茂樹 議員
(1)市役所の組織体制について
   ①人材の確保について
   ②人事異動について
   ③適正な人材配置について
   ④業務の兼務について
   ⑤グループ制について
◆6番(沖茂樹君) 皆様こんにちは。政翔会の沖でございます。ただいま議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして質問させていただきます。
 まず、本議会におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策のため、それぞれの会派におかれましては、それに配慮した質問をされているというふうにご推察させていただいております。当政翔会におきましても、この後質問される辻代表、小川議員、このお二人も感染予防対策のため、それぞれ質問を1項目に絞りまして、当局側の出席者を最小限にとどめさせていただくというような配慮で臨ませていただいております。ということで、質問に入らせていただきます。
 12月にも、人事、人材育成について確認をさせていただきましたが、時期的に人事異動の前ですので、もう一度組織体制について確認をさせていただきたいということで、質問させていただきます。
 さて、新年度の予算をこの議会で審査させていただきますが、幾ら予算があっても仕事をする人がいなければ、何にも始まらないということでございます。
 市民生活の向上のために最も大切なことは、市役所で働く職員が力を十分に発揮することができる環境づくりが大切であるというふうに、私は常々思っております。また、ここには、かつて共に働いた仲間もおられますし、後輩もおられます。人事の改善は、私に課せられた課題やというふうに思っておるところでございます。ですので、前向きなご回答をいただきますように、よろしくお願いいたします。
 ではまず、人材の確保についてお伺いをいたします。
 どこの自治体でも、今後ますます組織体制の強化が求められますけれども、一方で、職員の確保は年々厳しくなってきているかというふうに思います。
 民間企業では、その経営を持続発展させるために、優秀な人材の確保を行う人事部門に力を入れ、戦略的に対策を講じられていると思っております。行政も、行政の経営という意味では、市役所も同じではないかというふうに思います。
 他市と比較して、本市の組織体制の課題、弱点はどこにあるというふうにお考えでしょうか。また、職員の採用計画と人材確保のための取組について、教えていただきたいというふうに思います。
 次に、人事異動についてお伺いします。
 人事異動に関しては、総務課の人事担当だけではなくて、多くの関係者の意見も聞き取りながら丁寧に行うべきかというふうに思っております。
 なかなかめったに、自分の所属は仕事が楽ですとか、うちは人が余っていますというような所属長はいないとは思いますけれども、総務課の人事担当では、どのように関係者の意見を聞き取り、その裏づけを調査して、そしてどのようなプロセスを経て職員の配置を決定しているのか、これについて教えていただきたいというふうに思います。
 次に、適正な人材配置についてお伺いします。
 どの部署も、市民生活の向上のために欠かせない仕事をしていますが、年々市民生活における課題も仕事の量も増えてきております。しかし一方で、職員の数は、決して充足しているとは言えません。客観的に見ても、戦力不足ではないかと感じる所属もあります。
 広域的な調整や市内外に与える影響が大きい業務を担う所属、あるいは緊急性が高い業務を担う所属などには、期間を限定してでも人材を集中するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、業務の兼務についてお伺いします。
 一人の職員に、所属する部署の仕事に加えて、ほかの所属の業務を兼務させることがあるかと思います。業務の執行体制の強化を図ってかというふうに思うんですけれども、兼務する業務に対するその職員の当事者意識が、いつまで持続するかということに疑問を抱くときがございます。また、事務作業に人手が足りない所属に対して、よその管理職を兼務につけても、事務が進むとは思えない。
 兼務とは、どういう状況のときに何を狙って行うものなのか、教えていただきたいと。また、所属している職場で既にいっぱいいっぱいの仕事を抱えている職員さんに、ほかの所属の業務を兼務させることについて、果たして有効性はあるのか、これについて、また教えていただきたいというふうに思います。
 次に、グループ制についてお伺いします。
 かつては、何々部の中に何々課があって、そしてその中に何々係というのがありました。それぞれの係には、当然係長というものが配属されたわけです。
 今は、係の代わりに、課の中にグループが置かれまして、各グループにはグループリーダーが配属されておられます。係長という役職が置かれたときは、40歳前後で係長になって、仕事の進め方とか部下の育て方とかを学んでいました。今のグループリーダーは課長補佐級になるんですね、年齢がもっと上になります。課長補佐の年齢までリーダーとしての経験を積まないまま、次は課長に昇進するというような形になっているかと思います。
 グループ制が導入されて、かなりの年数が経過しましたけれども、本市にグループ制を導入した理由と、グループ制を導入したことによる成果と課題についてどのように分析をされているか、係制と比較してご回答いただきたいなというふうに思います。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(平井せい治君) 岡田総務部長。
 〔総務部長 岡田清久君 登壇〕
◎総務部長(岡田清久君) 皆さんこんにちは。沖議員の市役所の組織体制についてのご質問にお答えをいたします。
 1つ目の人材確保についてでございますが、議員が冒頭申されましたように、よりよい市民サービスや特徴あるまちづくりを進める上で、職員一人一人が能力を十分に発揮し、働きがいを持って働くことができる環境と仕組みを構築していく必要があると認識しているところでございます。
 本市の行政組織につきましては、行政ニーズに適切に対応できるよう、適宜柔軟に見直しを行っております。
 また、採用計画と人材確保につきましては、退職者の状況と行政需要に対応した採用計画を毎年作成するとともに、人材確保策として、職員採用に関わりますプロモーションとして、大学生を対象にしたオンライン就職説明会の実施、市職員の仕事の内容や働き方を紹介したパンフレットの作成を行っております。
 今後、採用に係るホームページの充実、採用試験のオンライン申請、人材確保が困難となっております専門職のインターンシップの実施などに取り組んでまいります。
 2つ目の人事異動につきましては、次年度の執行体制の検討に当たり、あらかじめ各課から事務事業の状況や必要な人員、組織の見直しなどに関する調書の提出を求め、各部長等からヒアリングを行い、適正な職員配置に反映するよう努めております。
 また、職員の意思、能力、希望などの情報の申告に基づき、効率的な行政運営を図ることを目的に、人事異動におけます自己申告制度を実施していることにつきましては、12月定例会でお答えしたとおりでございます。
 3つ目の適正な人材配置についてでございますが、一時的な業務の増大や緊急的な業務に対しましては、対象事業の事務量や期間等に応じ、部署の新設や部内、部間の協力体制等により、フレキシブルに人員を集約し、対応しているところでございます。
 4つ目の業務の兼務につきましては、異なる所属間において関連する業務を一体的に進めることによる効率化、また、効果の増大が期待できる場合などに兼務を発令しているものであり、一定の有効性があると判断をしております。限られた人材を有効に活用するための手法の一つと認識をしているところでございます。
 最後に、グループ制についてお答えをいたします。
 本市におけますグループ制の導入は、係制では、組織が縦割りで、係間の連絡調整や事務量の偏りなどの課題があり、業務の繁閑や優先度に合わせて、人員配置による弾力性を持たせることや、権限移譲等による新たな行政課題への迅速な対応を図ることを目的に、平成19年7月に導入をいたしました。
 グループ制の導入により、課内あるいは各部課が連携し、効率的で機能重視型の組織体制となり、各種行政施策を推進するに当たり、一定の効果があったものと考えているところでございます。
 一般的にグループ制においては、人材育成機能の低下やチェック機能の低下などの課題があると言われておりますが、グループ制、係制にかかわらず、効率的で質の高い行政サービスが提供できる体制を研究してまいりたいと考えております。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) 今、ご回答いただきました。
 1問目の人材確保についてのご回答では、本市の課題についてお聞きしたんですけれども、それについては触れられておりませんでしたが、近江八幡市の組織の特異性という部分から、課題はあるかと思います。特に、やっぱり職員の定数という部分について、課題はあるかというふうに思っております。
 次に、職員の採用計画の関係ですが、最近になって、産休とか育休を取る男性の職員さんが増えてきているというふうに聞きました。人材育成とか福利厚生については、行政は民間の模範となるべきやというふうに思っておりますので、こうした変化は本当にすばらしいことやというふうに思っております。
 ただ、それなのに、職員の数が少ない中、もし自分が産休、育休を取って休んだら、これまでの仕事が止まってしまうんじゃないかと、そう思って、せっかくある制度やのに休暇を取らないということになっては、非常に残念過ぎますので、気兼ねなく産休、育休を取れるよう、職員定数の見直しについて柔軟に検討していただきたいなというふうに思っております。
 また、人事異動についてですけれども、ご説明をいただきました。執行体制の調書とか自己申告の調書を提出させているというのは、私も存じております。私が知りたいのは、その先のことでして、出してもらったその先のことなんですけれども、その調書を基にして、どういうプロセスで職員配置を検討して決めておられるか、これについて聞きたかったわけでございます。
 また、総務課も人材育成をされておりますが、各所属でも計画的に職員を育てておられます。4月に異動してきた職員に、1年目はこれを勉強してもらうと。2年目には、この業務全般を彼に任そうと。3年目には、彼の後輩に対して、その業務を指導できるようになってもらおう。そういう計画をそれぞれの課は、所属長は持っていると思うんです。
 そうやって計画的に育てている職員を、何の相談もなしに引っこ抜かれたんでは、課長、所属のモチベーションはほんまにだだ下がりやというふうに思うんです。あほらしゅうて、やってられるかというようなこともあろうかと思います、本当に。
 これ以上、大切な人材を失わないために、どうかきめ細かく丁寧で、時間をかけた対応をお願いしたいというふうに思っております。
 次に、適正な人事配置についてですが、議員活動の中で、どう見ても仕事の平準化という点からも、おかしいんじゃないかというような部署はあるかというふうに感じておりますが、どうですかね。
 最後のグループ制については、ご回答にありましたように、まさに人材育成機能の低下が、本市でも課題であるというふうに思っております。対策が必要ではないかというふうに思っております。
 例えば、今のこの組織、機構をもっとシンプルなものにして、そしてGLの年齢を下げる。こういったこともどうかなというふうに私は思っておりますが、本来ですと、以上のコメントについて回答いただきたいところですけれども、人事に関する事柄は非常にデリケートな分もありますので、これ以上、議会の場ではお尋ねすることは控えさせていただきます。
 さて、人材の育成と言えば、人財育成基本方針を改定されたと聞いております。その改定の理由や経緯、改定された人財育成基本方針の概要について教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。
○議長(平井せい治君) 岡田総務部長。
◎総務部長(岡田清久君) 沖議員の再問にお答えを申し上げます。
 本市では、目指すべき職員像の実現により、市民生活、福祉の向上につながる、より質の高いサービスを提供できる組織づくりを進めるため、近江八幡市人財育成基本方針を定めているところでございます。
 人財育成基本方針につきましては、平成23年3月に策定をし、平成27年10月に改定をしておりますが、この間、再任用制度や会計年度任用職員制度の導入、働き方改革の推進など、地方公務員を取り巻く労働環境の変化に加えまして、少子・高齢化の進行や新型コロナウイルス感染症に伴います新しい生活様式への対応など、行政の果たすべき役割はより複雑多様化しているところでございます。
 このことから、時代のニーズや情勢の変化に対応しつつ、職員がモチベーションを高く持ち、個々の能力や特性を最大限に生かし、最少の時間で最大の効果を発揮することができる組織づくりを一層進めるため、人財育成基本方針を改定いたしたところでございます。
 改定内容の概要につきましては、本市が目指す町の姿を実現するために、目指すべき職員の姿、職場の姿をふるさと愛、仲間愛、自分愛という3つの愛としてまとめ、人こそが最大の地域資源であり、かつ貴重な財産であるという意味を込めまして、人材の材を、材料の材から財産の財として新たに作成したところでございます。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) ふるさとへの愛、仲間への愛、自分への愛と、本当にすばらしいなというふうに思います。
 今まで、行政は市の方針に、こういう表現が柱として取り入れられたというのは、私もあまり見たことがないので、本当に若手中心でつくられたというふうに聞いております。だからこそ、できたことじゃないかなというふうに思って、すごいなというふうに思いました。
 この3つの愛が当たり前になったときに、本当にすばらしい行政、すばらしいまちづくりができるんじゃないかと期待しております。
 次に、今も申しましたように、この改定作業には、若手職員の方々が多く関わってこられたというふうにお聞きしましたけれども、どういう狙いがあったのか、教えていただけますでしょうか。
○議長(平井せい治君) 岡田総務部長。
◎総務部長(岡田清久君) 沖議員の再問にお答えをいたします。
 人財育成基本方針の改定に向けましては、公募、または所属長の推薦によります若手から中堅職員14名を委員とした検討委員会を令和2年度に設置し、外部アドバイザーの助言をいただきながら、議員も言われましたように政策形成の研修も兼ねまして、自分たちが働き続けたいと思える職場の実現に向けまして、職員アンケートなどを実施し、検討を行ってきたところでございます。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) では、この改定された人財育成基本方針に沿って、今後どのような取組を進められるのかをお伺いしたいと思います。
○議長(平井せい治君) 岡田総務部長。
◎総務部長(岡田清久君) 沖議員の再問にお答えを申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、目指すべき職員の姿、職場の姿を踏まえまして、職員に求められる能力、意識、姿勢、行動につきまして、人事評価項目との連動を図るとともに、重点項目としております人財確保、人財開発、人財活用、環境整備という4点に係ります5年間の取組計画を定めておりますことから、今後、進捗管理と見直しを行いながら具体的な取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(平井せい治君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) 今後、進捗管理と見直しをしていかれるということでございます。ぜひ、その進捗管理におきましては、現場の意見とか、あるいは改定作業に関わった検討委員の職員さんの意見も十分聞いていただけたらというふうに思います。
 若手の皆さんが、日常の業務の中で課題として感じていることを上げられているということは、現場に即した方針になっているかというふうに思っております。
 これからも、職員が言いたいことを言えて、その声が生かされる、風通しのいい職場環境づくりに取り組んでいただきたいというふうに思います。
 総務課の人事担当は、人事異動とか人材育成、あるいは職員の心身の健康に関する業務を担っておられます。地味な仕事であり、なおかつ時間と労力がかかりますけれども、人事に関わる仕事というのは本当に重要だというふうに思っております。
 来月には市長選挙、夏には参議院選挙と知事選挙、来年の4月には県議会議員の選挙と市議会議員の選挙があります。いずれも人事異動の作業に重なるわけなんですよね、総務課の一部の職員さんは、選挙管理委員会の事務局も兼ねておられます。兼務されておられます。
 選挙業務が忙しくなると、総務課全体で業務を助け合うことになるというふうに思っております。そのような状況下で適正な人事異動の作業を行うということに、無理はないかなというふうに思っておるわけなんです。万が一、総務課では人事に関わるための十分な時間も人も足りないということであれば、総務課も、人材不足の状況下で行われた職員配置の被害者じゃないかなというふうに思うわけです。
 人事に関わる仕事は聖域やから、現状のやり方を維持すべきだというんじゃなくて、思い切った人事所管組織の見直しも考えてみてはどうかというふうに思います。これは提案でございます。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(平井せい治君) 以上で沖茂樹君の個人質問を終わります。
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