録画中継

令和4年第2回(6月)近江八幡市議会定例会
7月11日(月) 一般質問
沖 茂樹 議員
(1)農業政策について
  ①みどりの食料システム戦略について
  ②地域商社について
  ③地産地消の推進について
(2)障がいの理解について
◆6番(沖茂樹君) 質問に先立ちまして、日本国総理大臣として、また政治家として多大なる功績を残されました安倍元首相のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 政翔会の沖でございます。ただいま議長から発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、農業政策についてでございます。
 小西市長は、所信表明やこの議会での代表質問の回答の中でも、農業は近江八幡市の基幹産業であるというふうに言い切っていただいております。今、農業は大変厳しい状況にありますけれども、首長の口からこういう発言をいただいたということは、農業に携わる市民の皆さんにとって、本当に心強いお言葉をいただいたというふうに思っております。市長におかれましては、今後の農業政策に期待をしております。よろしくお願いいたします。
 私の地元の営農組合では、若手、若手といいましても40代から60代前半の方なんですけれども、水田を活用しまして野菜などの収益性の高い作物の栽培に取り組みまして、もうかる農業の模索をしております。これは、もうかれば、もっと若い人たちが職業として農業を選択してくれるようになると、さらには野菜の選別とか袋詰めとかそういった軽作業を地域の子育て中のお母さんにお手伝いをしてもらったり、あるいは高齢者の方にお手伝いをしてもらったり、そういったことによりまして地域が活性化をして、農業を核として地域のコミュニティーが再生されるんじゃないかと、そういう思いからでございます。ぜひ市長にも応援をいただきたいというふうに思っております。
 さて、昨年の5月12日にみどりの食料システム戦略がスタートしました。この戦略は、2050年までに農林水産業のCO2排出量ゼロを実現する。次に、耕種部門では、2040年までにネオニコチノイド系農薬を含む従来の殺虫剤を使用しなくても済むような新規農薬を開発し、2050年までに化学農薬使用量の50%を低減する。次に、2050年までに輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量30%を低減する。次に、園芸施設では、2050年までに化石燃料に依存しない施設への完全移行を目指す。そして最後に、平成30年現在で耕地面積の0.5%である2万3,000ヘクタールにとどまっている有機農業について、2040年までに主要な品目について、農業者の多くが取り組むことができる次世代有機農業に関する技術を確立して、2050年までにオーガニック市場を拡大し、耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%となる100万ヘクタールに拡大することを目指すというものでございます。
 そして、まさにこの口述を作っておりました7月1日に、この戦略を推進するためのみどりの食料システム法というものが施行されたところでございます。これは、環境に配慮した生産を実現する農家を、税制面、融資面で支援する制度となるもので、後に定められる国の基本方針を踏まえて、県と市町村が連携して基本計画を策定することになるということだそうです。
 しかし、私には、この戦略目標、2050年までのこの戦略目標を達成することは、非常に困難な道のりであるというふうに思えてならないわけでございます。特に、有機農業につきましては、先日も農業新聞に載ってあったんですけども、人手が足りない、あるいは栽培管理に手間がかかるなどの理由から、既に有機農業を実践している農家の72%が現状維持でしか仕方がない、さらに10%が縮小したい、こういう傾向を示しているそうです。また、有機農業では、どうしても規格外の作物の発生率が高まるというリスクがございます。
 こうしたことから、有機農業の普及には多くの手間を価格に転嫁し、再生可能な農業経営レベルでの取引がまず担保されることが必要であるというふうに思っております。
 このみどりの食料システム法に基づく支援制度の活用自体は、国の基本方針ができてからになりますので、今の段階で触れさせていただくことは控えますけれども、そもそもの昨年の春に始まったみどりの食料システム戦略について、本市はどのようにこれを受け止め、またどのようにして農家の皆さんの理解を得ようとしておられるのか、考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
 次に、農家の皆さんは、作物を作るのはプロフェッショナルなんですけども、商売はなかなか苦手な方が多いかと私は推測をしておるところでございます。生産のリスクは農家にあってしかるべきということではありますけれども、買取り相場の変動によるリスクも農家、売れ残った在庫の処分も農家、さらに袋詰めのコストや配達、納品のコストも農家持ち、こういう現状では、安定収入が必要な現役世代にとって、農業が魅力のない仕事であると思われるのも仕方ないことかなというふうに思っているところでございます。
 そこで、地域の農産物をどのようにして販売していくかについて、消費の傾向を分析し、企画、生産、加工、流通、販売までを一貫してマーケティングを行う地域商社を創設してはどうかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
 農家にとっては、地域商社が一定のまとまった量の農産物を一定の価格で買い取るので、安定収入につながる上、商品化や納品のコストが少なくなって、農作物の栽培管理に専念できるようになる、このように思うわけです。
 また、規格外の作物についても、加工品をプロデュースして地域のブランド品として育てることも期待できます。さらには、地域での雇用も新たに生まれるというふうに思っております。
 次に、今回提出されました意見書、肥料、燃料、資材の高騰に対する緊急対策措置を求める意見書に上げられました要望の中に、国民への啓蒙宣伝活動の展開がありますが、本市でも生産経費の増加や多くの手間を価格に転嫁し、再生産可能な農業経営を継続するためには、地元産の農産物を積極的に消費しようという地産地消に対する市民意識の高揚を図ることが必要ではないかと思います。
 令和2年6月の定例会におきまして、小西市長から地産地消都市というのを宣言することについて、私は積極的に取り組んでまいりたいと思いますというご回答をいただきました。今こそ地産地消を推進するための条例でありますとか宣言が必要ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 また、地産地消を推進するに当たり、市の役割、生産者の役割、そして市民の皆様に担っていただきたい役割についてどのようにお考えでしょうか、お答えいただきたいと思います。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(小西励君) 当局の回答を求めます。
 小西産業経済部長。
             〔産業経済部長 小西勝己君 登壇〕
◎産業経済部長(小西勝己君) 沖議員お尋ねの農業政策についてのご質問にお答えいたします。
 1点目のみどりの食料システム戦略についてのご質問でございますが、同戦略において、食料、農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実施することとしており、2050年までに目指す姿として、KPI、重要業績評価指標が示されています。
 議員ご指摘のとおり、有機農業は多くの手間がかかり、生産コストの増大が懸念されるなど、目標達成は容易なものではありませんが、環境意識の高まる中において有機食品の消費拡大が期待できることから、安定生産や省力化による生産コスト低減をはじめ、有機農業がさらに取り組みやすい技術開発等の動向を注視しつつ、消費者ニーズに応じた付加価値の高い農産物として農家所得の向上につながるよう、関係機関と連携しながら取組を推進してまいりたいと考えております。
 2点目の地域商社の創設についてですが、地域商社に求められる機能として、地域資源に付加価値をつけるビジネスモデルを創出する事業の企画力、外貨を獲得する売り込む力、経済循環を促進する巻き込む力が必要であり、地域ビジネスに高い関心を持つ人材の発掘やネットワークの構築、地域商社の展開に向けた機運の醸成等を要することから、現在のところ、議員ご提案のプロデューサー型地域商社の創設につきましてはいろいろと課題があると考えます。
 とりわけ地域農業を持続可能なものとするためには、単に生産拡大や加工品にするだけでは地域ブランドとしては弱く、顧客販路を基点とした商品開発や多様な流通ルートを活用した販売先を確保する出口戦略の構築、さらにはストーリー性のある農産物として付加価値をつけていくことも重要であると考えます。
 そのための手段として、地域商社は本市農業の発展だけではなく、地域ビジネスの成長に寄与するなど本市の経済活性化に期待できますので、他市町における地域商社の経営状況や地域貢献等の情報収集に努め、JAをはじめとする関係機関と情報を共有しながら、地域商社の創設について研究してまいりたいと考えております。
 3点目の地産地消の推進についてのご質問につきましては、地域農業の振興を図っていく上で、これからの農業は生産者が作りたいものを作るのではなく、消費者のニーズを見極めながら、農産物の生産を行うマーケットインの考え方が必要であり、また消費者においても、地域で取れた新鮮な農産物を地域で消費することにより、地域農業の維持と活性化に寄与するなど、消費によって地域を支え合う大事な役割を担っていただいているものと考えております。
 また、地産地消を推進する上で、生産を基点とする地産地消と消費を基点とする地消地産の考え方があり、それぞれの視点を持ちながらこの取組を推進してまいりたいと考えております。
 とりわけ地産地消の推進は、本市農業を持続可能なものとするほか、輸送コストを下げるなど温室効果ガスの発生を抑制することができ、地域で生産されたものを地域で消費するというサイクルにより、私たち一人一人の生活の質の向上につながるなど、SDGsの取組に大きく貢献できるものと考えます。
 議員ご提案の地産地消を推進するための条例の制定等につきましては、令和3年7月に近江八幡市気候非常事態宣言を表明しておりますことから、同宣言の取組の一つとして、JAをはじめ関係団体等と連携を図りながら推進してまいりたいと考えております。
○議長(小西励君) 回答漏れはありませんか。
 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) ぜひ地域商社、これについて研究、ご検討を進めていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
 最後の質問の宣言とか条例の部分についてなんですけども、ちょっと私の質問の仕方が悪かったのかもしれない、申し訳ございません。あの質問で私が言いたかったのは、市長も言われておられますもうかる農業のために何が必要であるかということを考えていただきたい、こういうことでございました。
 その一例として挙げたのが、有機農業ということでございました。国が言うように、手間のかかるこの有機農業を取り組まなければならないというのであれば、さっきも言いましたように、再生産可能な農業経営のレベルまで価格を引き上げる必要があるというふうに思います。そのためには、商品のプロデュースと販路拡大、これを担う地域商社が必要じゃないですかというようなことと、また少し値段は高くても、環境に優しい有機農業に取り組む近江八幡市の農家が作ったものを買いましょうよと、みんなで近江八幡市の農家を応援しましょうよと、こういう意識を市民の皆様に持っていただくような啓発とか、さらには地産地消宣言というものをしてみたらどうですかと、こういうことをちょっと聞いたわけでございます。あくまで農家の支援というスタンスで聞かせていただいたものでございます。
 ですので、ご回答にありました気候非常事態宣言の取組の一つに挙げるというようなご回答につきましては、ちょっと目的が違うかなというふうに受け止めさせていただきました。有機農業に取り組む農家を支援した結果として、自然環境の改善も見られましたよと、こういう順番になるのではないかなというふうに思っております。
 話はずれますけれども、農地法とか農振法という法律がございます。いずれも農地を守るための法律でございまして、非常に厳しい法律です。岩盤規制と言われるほどの法律でございます。しかし、この法律で幾ら農地を守っても、そこを耕す農家の方がいなくなったら何にもならないと。単に荒廃農地、これを増やすだけではないかというふうに思っております。
 ですので、市長には近江八幡市の市長として、近江八幡市の農家の皆さんを守る施策を引き続き展開していただきたいというふうに本当に願っております。
 ちょっとだけ再問させていただきます。
 地産地消に関連して、市の役割として市内産品の優先的な使用があるかと思います。特に学校給食と総合医療センターにおけます農産物の消費は非常に大きいかというふうに思うんですけれども、それぞれにおけます市内産のお米と野菜の使用の現状についてお聞かせをいただきたいと思います。
○議長(小西励君) 回答を求めます。
 西川教育部長。
◎教育部長(西川仁司君) 再問にお答えいたします。
 まず、米につきましては、以前から市内産の環境こだわり農産物のコシヒカリを100%使用しております。
 次に、野菜につきましては、昨年度実績で使用品目の割合で32%、使用量で30%でございました。
 今後は、市内産野菜の生産状況の把握に努め、昨年度使用実績がなかった品目、例えばピーマンや白ネギなどでございますけども、これらを増やす等、使用品目、使用量ともに50%を目指し、地産地消の推進に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
○議長(小西励君) 木村総合医療センター事務長。
◎総合医療センター事務長(木村辰之君) 沖議員の再問にお答えいたします。
 総合医療センターの給食におけます市内産の米と野菜の使用の現状につきましては、委託業者との契約の中で、可能な限り国産の食材、お米については滋賀県産とするとしておりまして、市内産の米や野菜にこだわった提供はできておりません。これは、食材の安定供給や価格を鑑みた理由によるものでございます。
 ただし、契約の中で、食材の地産地消を推進し、地元の食文化を伝承できる配慮を行うこととしており、月に2回、八幡の日と滋賀の日と称しまして、市内産、県内産の食材にこだわった給食を提供している状況でございます。
○議長(小西励君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) 学校給食にあっては、市内産のお米を100%使っていただくということでございます。本当にありがとうございます。また、総合医療センターにおかれましても、契約の中で滋賀県産のお米を使うことや、食材の地産地消をうたっていただいており、本当に感謝申し上げます。
 本市はお米の一大産地でございます。十分な供給能力はあるというふうに思いますので、ぜひとも引き続き積極的な地産地消の推進をお願い申し上げまして、1つ目の質問は終わらせていただきます。
 続きまして、障害の理解について質問をさせていただきます。
 私が仕事をする上で心がけておりますのが、当事者の立場になるということでございまして、議員となりまして障害福祉というものを課題として上げたときから、実際に障害者の方の暮らしを見て、そして触れ合って、またご家族の思いを知るために、定期的に6名の利用者さんが暮らしておられるグループホームに入らせていただいて、彼らの日常の中でお手伝いをさせていただいております。
 そうすると、しばらく月日がたちますと、不思議な感覚に陥るんですよね。それは何かというと、この人たちと、利用者の方ですよ、この人たちと自分と何が違うんかなと時々思うときがあるんです。障害者と呼ばれてるこの人たちと健常者と呼ばれる私の違いって、一体何なんやろうなというふうに思うときがあります。
 身体の障害とかは目に見える部分でありますけれども、こっちが勝手に健常者が持ってる物差しに障害者と呼ばれる人を当ててはかってるんじゃないかと。そして、普通じゃない部分、その部分だけを取って障害と呼んでるんかなというようなことも思ったりします。
 言ってる私も、ほかの人から見れば、きっと普通じゃない部分が1つや2つはあると思います。実際、人とのコミュニケーションが下手くそでして、これまで大切な友人が離れていったこともございます。それはどうなんかなというようなことも思ったりします。
 一体、障害者と健常者の境目ってあるんかなということを思ったり、あるいは普通と普通じゃない、この境目ってあるのかなというふうなことも思ったり、そもそも普通、普通ってさっきから言ってるけれども、普通って一体何なんやろうというようなことを悩んだりするわけです。
 こういう思考は、恐らく本を読んだり講演会へ行って話を聞くだけでは芽生えることのなかった思考やないかなというふうに思っております。彼らと直接触れ合ったからこそ、気づいたんじゃないかなというふうに思っております。
 それでは、こうした経験から、障害理解についての質問を幾つかさせていただきたいというふうに思います。
 市は、昨年の3月に第5期近江八幡市障がい者計画、第6期近江八幡市障がい者福祉計画、第2期近江八幡市障がい児福祉計画を策定されました。これらは令和3年度から令和5年度までの3年間を計画期間としています。とても充実した内容の計画ですが、その分、3年間でこの計画を達成するというのは、本当にかなり積極的に取り組まんと難しいと。また、それは行政だけではなく、地域とか市民の皆様のご理解、ご協力がないと不可欠かなというような内容であったかと思います。
 この計画の遂行に当たって、市民への啓発についてはどのように進めていこうとお考えか、これについてお伺いしたいと思います。
 また、3年間はあっという間なんですけども、当局におかれましては、この計画の進捗管理をどのような形でしていこうというふうにお考えかということもお伺いしたいなというふうに思います。
 また、インターネットを見ていますと、様々な県や市で障害理解のためのパンフレットを作成されております。内容は、障害の特性と求められる配慮などが分かりやすく書かれたものなんですけども、障害理解のための第一歩ということでは非常に有効かなというふうに思います。本市では、このようなパンフレットによる市民への啓発はされてますかということをお伺いしたいと。
 さらに、もっともっとインターネットを見ていますと、たしか宇部市のホームページやったと思うんですけども、障害者差別と合理的配慮の実際にあった事例を幾つか挙げておられるものがありました。差別の事例を見てますと、本当に腹立たしいというか、当事者の方はさぞ悔しい思いをされているんやろうなというのを感じました。
 一方、合理的配慮の事例を見ますと、本当に心が温まります。配慮をされた方は、義務感で動いたんじゃなくて、すっと体が自然に動いたんじゃないかな、そんな感じが想像できるわけです。
 偉そうにお話をしてます私も、生まれ育った時代のせいにしてはいけないんですけども、まだまだ体に染み込んだ偏見を上書きできない、反省することも多々あります。いまだに障害者への同情や、こうしなければならないという義務感、周りの目を意識して行動してるということがありまして、反省をしております。
 だからこそ、これからの時代をみんなで一緒になってつくっていく子どもたちには、よい形で障害というものに出会ってほしいなというふうに願っています。そのためには、授業や講演会などお話を聞いたり勉強することはもちろんですけれども、障害というものを体験してみたり、障害者と直接触れることが大切かというふうに思っているところでございます。
 例えば本市では、当事者のご家族が集まって立ち上げられた障害を疑似体験できるプログラムを広げておられる花beeという団体があるかと思います。私も体験したんですけども、一例を挙げますと、メガホンのようなものを逆に目に当てて、視界が狭うなるんですけど、それで障害者の方の視野を体験するとか、あるいは軍手を二、三枚重ねてはいて、それで物を触って手の感覚を体験したりとか、あるいは何か自分が作業をしているときに相手から急げ、急げ、急げとせかされる、このことによって心理的なプレッシャーを体験したりとか、非常に興味深いプログラムがたくさんございました。ぜひ行政や学校でも取り入れていただきたいなというふうに思っております。
 さて、冒頭に触れさせていただきました計画の基本方針1、支え合いによる障害者支援の中に、福祉教育の充実という項目があります。具体的な取組内容としては、1つ目に保育所、幼稚園、認定こども園、小学校等において、障害のある人と直接交流を持つ機会を設けるなどの福祉体験を充実させることを通して、個々の違いを認め合い、個人の人権を尊重して正しい障害者理解の普及を目指します。2つ目には、小・中学校で障害児理解をはじめとする福祉教育を推進するため、福祉体験活動への指導、支援を行っていきますと書かれてます。このことを受けて、それぞれの機関で実施あるいは経験されている取組がありましたら、教えてください。
 また、中学校ではキャリア教育、職業体験というカリキュラムがありますけれども、近年は新型コロナウイルス感染症のために実施されていないと聞いていますが、再開されるときには、いわゆる作業所やグループホームなどを体験先に加えていただきたいというふうに思います。職業体験という点でも貴重なんですけども、職員の皆さんの指導の下、直接障害者と触れ合うことができますので、理解が大きく、しかもよい方向に進むかと思います。いかがお考えでしょうか。
 以上、初問とさせていただきます。
○議長(小西励君) 当局の回答を求めます。
 久郷福祉保険部長。
             〔福祉保険部長 久郷浩之君 登壇〕
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 沖議員の障害者理解についてのご質問にお答えします。
 まず初めに、計画の遂行に当たり、市民の啓発をどのように進めるかにつきましては、広く市民の皆さんに障害についての理解を深めていただくことが肝要であることから、令和3年4月から施行した近江八幡市障がい者のコミュニケーションを促進する条例の普及啓発のために作成したリーフレット等を活用した説明会を実施するとともに、障害者理解促進のための講演会、研修会への講師等派遣リストを活用いただき、学区や自治会、事業所単位などでの障害理解を深めるための講演会や研修会を開催していただけるように取り組んでいるところです。
 次に、計画の進捗管理とどのように行うかにつきましては、本市では障がい児者地域自立支援協議会を設置し、その部会の一つである障がい福祉計画等進捗管理部会において、当事者や当事者家族、障害サービス提供事業所、医療機関、民生委員、教育機関等から成る委員により、進捗の評価、点検管理を実施いただいております。
 最後に、障害の特性と求められる配慮等を示したパンフレットによる市民啓発を検討しているかにつきましては、さきにもご説明しましたとおり、障がい者のコミュニケーションを促進する条例の概要及び障害種別ごとの障害特性や必要な配慮、コミュニケーション手段等について説明したリーフレットを作成しており、まちづくり協議会や民生委員、児童委員、市内事業者の皆さんなどに周知させていただきました。
 また、今年度中には、より詳細に障害種別ごとの障害特性や場面ごとの配慮等について示した障害のある人に対する情報保障のためのガイドラインを作成する予定をしておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
○議長(小西励君) 青木子ども健康部長。
             〔子ども健康部長 青木勝治君 登壇〕
◎子ども健康部長(青木勝治君) 沖議員の障害の理解についてのご質問のうち、就学前施設における福祉教育の充実と具体的な取組内容についてお答えをいたします。
 現在、近江八幡市の保育所、幼稚園、認定こども園の全24施設には2,754名の園児が通っておられます。障害の種別は、肢体不自由、聴覚、視覚、発達、知的など様々でございますが、300名弱、正確には288名、全体に占める割合は10.45%になりますが、支援を必要とするお子さんが通っておられ、定型発達、通常発達のお子さんとともに学び、生活をされておられます。
 子どもたちは、日々共に生活する中で、共に過ごす仲間として、発達年齢に応じて様々に関わりを持っています。こうした日常的な関わりの中では、取り立てて支援の必要性を意識しながら、何か困っていることの手助けをするということより、保育者や友達がしている様子を見たり、直接関わって必要なことに気づいていたりしながら、互いの違いをありのままに受け止め、仲間としての必要な関わりをしたり、知ったりしていきます。
 このように就学前施設においては、計画を立て実施するということではなく、保育者が日々のこうした子どもたちの関わりを丁寧に見取り、発達に応じて人権感覚や障害児者に対する理解が身につくよう努めているところでございます。
○議長(小西励君) 大喜多教育長。
             〔教育長 大喜多悦子君 登壇〕
◎教育長(大喜多悦子君) 沖議員ご質問の障害の理解についてお答えいたします。
 1点目の小・中学校で実施、計画していることについてお答えします。
 小学校では、全ての学校で様々な取組をしています。車椅子やアイマスク、点字ブロックを使った体験学習や、盲導犬と共に生活されている方の講演を聞く活動をしています。また、校区にある作業所に出向いて作業所の見学をしたり、障害のある方と一緒にゲームをしたりして交流している学校もあります。昨年度はコロナ禍のため、交流するような活動は例年より少なかったと聞いていますが、今年度は感染状況や学校の実態に応じて実施するよう計画を立てています。
 また、特別支援学級の担任や通級指導教室の担当教員が、障害のある仲間への理解を深めるために、障害についての授業を各学級で実施しています。特別支援学校に通う児童との交流を行っている学校もあります。
 中学校では、特別の教科道徳や総合的な学習の時間に、人権学習と関連づけて福祉に関する学習をしています。車椅子バスケット選手の方に教えてもらって車椅子バスケットを体験するなど、障害者理解のための学習を進めています。
 2点目の中学校の職業体験についてお答えします。
 キャリア教育の一環として実施している職場体験では、コロナ禍以前は4校のうち2校が障害者福祉施設を体験先の一つとして実施していました。しかし、新型コロナウイルスによる感染予防のため、令和2年度からは実施できていません。実施していたときには、障害者福祉施設で障害のある方と共に仕事を体験しました。残りの2校も、今後、生徒の実態に合わせて、福祉分野に体験先を広げていく予定です。
 様々な体験や学習を通して、障害や障害者についての理解を深めるための交流を引き続き実践してまいりますので、議員のご理解のほどよろしくお願いします。
○議長(小西励君) 回答漏れはありませんか。
 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) 冒頭の計画の策定に当たりましては、その計画の基礎資料とするために、近江八幡市在住の2,000名の当事者の方に無作為にアンケートを実施されたというふうに聞いております。また、ほかの市にはなるんですけども、海老名市というところでは、障害者団体と一緒に、昨日の参議院選挙に向けて投票所におけるコミュニケーションボードというものを一緒に作られたというふうに聞いております。
 このように当事者を外に置かない施策の組立て方は、とても重要だというふうに思っております。言われていますナッシング・アバウト・アス・ウィズアウト・アス、私たち抜きに私たちのことを決めないでください、これですよね。
 近年は新型コロナウイルス感染症の影響で、リーフレットを使った説明会や講師を招いての研修会はできなかったと思いますけれども、今後これらを活用した啓発が活発に行われることを期待をしております。
 そして、こうした啓発は、市民の皆さんだけでなく、市役所の中でもどんどん行わなければならないというふうに思っております。市役所の窓口には様々な方が来られます。当然、障害のある方も来られます。リーフレットの内容は全職員に共有されてなければならないというふうに思うんですけれども、職員の研修についてはどのように進めていこうとお考えでしょうか。
○議長(小西励君) 回答を求めます。
 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 沖議員の再問にお答えをいたします。
 市職員の研修につきましては、人事課と連携を図りながら、職員を対象とした人権研修におきましてリーフレットを活用し、障害への配慮や障害の特性に合わせたコミュニケーション手段などの障害理解を促進し、窓口対応や日常業務において活用できるよう、職員の理解、意識向上に努めているところでございます。
 また、新規採用職員を対象といたしました障害理解のための研修会におきましても、障害への配慮とコミュニケーション手段を含めた障害理解が深められるよう、研修を実施しているところでございます。
○議長(小西励君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) 了解いたしました。ぜひお願いしたいというふうに思います。
 先ほどの回答の中に、今年度中により詳細なガイドラインを作成されるということですけれども、具体的にどのようなものになりそうでしょうか。
○議長(小西励君) 久郷福祉保険部長。
◎福祉保険部長(久郷浩之君) 沖議員の再問にお答えをいたします。
 障害のある人に対する情報保障のためのガイドラインにつきましては、市民や事業所などの皆さんが、障害のある人との情報のやり取りをする際に、どのような配慮が必要かをお示ししたものと考えており、2部構成で作成を考えているところでございます。第1部では、障害特性に応じた配慮の基本についての記述、第2部では、場面ごとに求められる配慮を整理し、具体的な配慮を記述するということで考えてございます。
 障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会を築くためには、情報のやり取りを行う際に、障害の有無に関わらず、実質的に同等の情報が確保されることが求められています。この考え方を情報保障ということにしております。
 情報保障のためには、障害のある人の特性に応じた配慮が必要となってきます。本市では、令和4年5月に施行されました障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律及び近江八幡市障がい者のコミュニケーションを促進する条例の趣旨を踏まえ、障害のある人に対する情報保障のため、この作成中のガイドラインを活用し、実践してまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(小西励君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) ぜひ楽しみにしております。
 次の再問なんですけれども、就学前の施設では、子どもたち同士の日常的な関わりの中で、違いがあって当たり前、みんな大切な仲間という意識が芽生えているというようなご回答でした。本当にいい形で障害というものに出会っているなというふうに思いました。
 決して決めつけではないんですけれども、障害者差別ではなく、偏見とか差別意識を植え付けるのは身近な人からやというようなデータがあります。保護者の方々への啓発についてはどのようにお考えでしょうか。
○議長(小西励君) 青木子ども健康部長。
◎子ども健康部長(青木勝治君) 沖議員の再問にお答えをいたします。
 就学前施設においては、保護者を対象とした研修会を以前から実施しているところでございますが、ここ2年間は新型コロナウイルス感染症対策によりまして実施できていない施設が多くございます。現在は人数や会場の広さ、換気環境等、環境が整うようであれば、保護者研修会についても開催の再開に向けて少しずつ取組を進めているところでございます。
 そのような中で、幾つかの園で保護者向けの研修として、子どもの発達などに係る研修会を実施しているところでございます。また、懇談会などでは、手話を取り入れて啓発につなげる取組をしている園もございます。
 ただ、一番大切にしたいことは、支援の必要のお子さんの保護者の思いに寄り添うことであることから、保護者の心情を第一に考え、どのように啓発することが、障害児を取り巻く子どもも、そして周りの大人、保護者等もよりよい理解と関係性につながるのかなど、研修の内容や在り方について十分に考慮していくことが大切であるというふうに考えているところでございます。
 また、就学前施設の職員は、研修会も含め様々な機会を通して障害理解について研さんし、保護者啓発や対応が必要になったときに、一人一人の保護者へその都度投げかけや話ができるように努めております。昨年度も職員の研修については公立の全園で、園の状況に応じた様々な形で障害理解の研修を実施しているところでございます。
 互いがよりよく子育てできることを第一に考え、引き続き保護者対象の研修会の開催について取り組んでまいります。
 なお、今回のご質問においては、障害理解についてお尋ねでございましたが、同時に障害児者の理解についてもしっかりと正しく理解の下、個々の特性や課題に応じた適切な支援、合理的な配慮の提供を行っていけるように取り組むことが重要であると考えておりますので、こちらについても引き続き努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○議長(小西励君) 沖茂樹君。
◆6番(沖茂樹君) 私の知っている障害者福祉施設の所長さんは、キャリア教育受入れについて大変前向きです。きっとほかにもたくさんの施設でも、同じように思っておられる方も多いというふうに思いますので、これまでは中学4校のうち2校のみということでありましたけれども、今後は積極的に障害者施設というか、障害者分野の体験先を広げていっていただきたいというふうに思います。
 障害者権利条約は、障害関連の政策決定過程における障害者自身の参画を求めています。近江八幡市障がい者のコミュニケーションを促進する条例では、障害のある人の自立及び社会参加の促進並びに障害の有無に関わらず人権を尊重することができる豊かな共生社会の実現に寄与することを目的とするというふうにうたっています。また、障がい者計画、障がい福祉計画、障がい児福祉計画は、地域の支え合いによって、誰もが自立して生き生きと暮らし続けられる町近江八幡を基本理念としております。
 目指すべき方向は既に示されております。我々大人の役割は、次の時代をつくる子どもたちが、偏見にまみれることなく、明るく住みよい町を築いていけるように、よい下地を準備してあげることじゃないかなというふうに思っています。今も、今回の議会で、本当にこの議場のバリアフリーの必要性について、皆さん感じられたと思います。これがほんまに生きた勉強やないかなというふうに思います。
 市長以下職員の皆様におかれましては、今後も引き続き障害理解に向けた積極的な取組をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(小西励君) 以上で沖茂樹君の個人質問を終わります。
 以上をもって本日の日程は全て終了いたしました。
 明12日は定刻から再開し、個人質問の7番目、大川恒彦君から続行することといたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 ご苦労さまでした。
               午後5時22分 散会
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